JP2010286043A - トルクリミッタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置内部に侵入した泥水等の異物を、効率的に装置外部に排出する。
【解決手段】この装置は、外周部に摩擦連結面14bを有するフライホイール5と、外周部に摩擦材26を有するクラッチプレート20と、スプラインハブ22と、トーションスプリング23と、伝達トルク制限部7と、流路40と、を備えている。伝達トルク制限部7は、クラッチプレート20の摩擦材26を摩擦連結面14bとの間で狭持して、フライホイール5からトランスミッション側の軸に伝達されるトルクを制限する。流路40は、フライホイール5及び伝達トルク制限部7に形成され、伝達トルク制限部7の外周部に溜まった異物を伝達トルク制限部7の外部に排出するためのものである。
【選択図】図4

Description

本発明は、トルクリミッタ装置、特に、エンジン側部材からトランスミッション側の軸に伝達されるトルクを制限するためのトルクリミッタ装置に関する。
車両において、エンジンからの過大トルクによってトランスミッション等が破損するのを防止するために、エンジンとトランスミッションとの間に、伝達されるトルクを制限するためのトルクリミッタ装置が設けられることがある。このトルクリミッタ装置は、例えば、1枚以上の摩擦フェーシングを1対のプレートで両側から所定の挟持力で挟み込み、その入力側をエンジン側の部材としてのフライホイール等に連結し、出力側をトランスミッション側の入力軸等に連結するものである。
この種のトルクリミッタ装置は、外周部に摩擦連結部を有するドライブプレートと、1対のプレートによってドライブプレートの摩擦連結部を所定の挟持力で挟み込む伝達トルク制限部と、トランスミッションの入力軸に連結されるドリブン側部材と、これらの間に設けられたダンパー機構と、を有している(例えば、特許文献1を参照)。この装置では、摩擦連結部を挟み込む1対のプレート(あるいは摩擦連結部の外周部に設けられたダンパーカバー)がフライホイールに連結されている。
このトルクリミッタ装置では、エンジンのトルクは、フライホイールから摩擦連結部を介してドライブプレートに伝達され、さらにダンパー機構を介してドリブン側部材及びトランスミッションの入力軸に伝達される。そして、エンジンからのトルクが所定のトルクを上回ると、摩擦連結部とプレートとの間で滑りが発生する。これにより、伝達トルク制限部で制限された以上のトルクはトランスミッション側に伝達されず、過大トルクによるトランスミッションの破損を防止することができる。
特開2006−17226号公報
前述のような従来のトルクリミッタ装置が設けられた車両においては、トルクリミッタ装置が収納されたケースはシールがされておらず、外部から泥水等がケース内に侵入する構造となっている場合が多い。このため、トルクリミッタ装置の摩擦材が設けられた部分にも泥水等の異物が侵入することになる。このような泥水等の異物が装置内部に侵入すると、摩擦材の異常摩耗が生じたり、所望の伝達トルク制限機能を果たすことができなくなったりする場合がある。
そこで、トルクリミッタ装置が配置された部分に侵入した泥水等を効率的に装置外部に排出するための構成が必要となる。
本発明の課題は、トルクリミッタ装置が配置された部分に侵入した泥水等の異物を、効率的に装置外部に排出できるようにしたトルクリミッタ装置を提供することにある。
また、本発明の別の課題は、以上のような泥水等の排出のための構成を、簡単な構成で実現することにある。
請求項1に係るトルクリミッタ装置は、エンジン側部材からトランスミッション側の軸に伝達されるトルクを制限するための装置であって、ドライブ部材と、入力側部材と、出力側部材と、ダンパー機構と、伝達トルク制限部と、流路と、を備えている。ドライブ部材は、エンジン側の部材に装着可能であり、外周部に摩擦連結面を有する。入力側部材は外周部に摩擦材を有する。出力側部材はトランスミッション側の軸に係合可能な係合部を有する。ダンパー機構は入力側部材と出力側部材とを円周方向に弾性的に連結する。伝達トルク制限部は、入力側部材の摩擦材をドライブ部材の摩擦連結面との間で狭持して、ドライブ部材からトランスミッション側の軸に伝達されるトルクを制限する。流路は、ドライブ部材及び伝達トルク制限部に形成され、伝達トルク制限部の外周部に溜まった異物を伝達トルク制限部の外部に排出するためのものである。
この装置では、ドライブ部材に伝達されたトルクは、入力側部材の摩擦材を介して出力側部材に伝達され、トランスミッション側の軸に伝達される。過大なトルクがエンジン側から入力された場合は、伝達トルク制限部の作用によって摩擦材部分での伝達トルクが制限される。
ここでは、流路が設けられているので、装置内部に侵入し、例えば伝達トルク制限部の外周部に溜まった異物等を伝達トルク制限部の外部に排出することができ、摩擦材を含む各部の摩耗や損傷を抑えることができる。また、安定した伝達トルク制限機能を実現できる。
請求項2に係るトルクリミッタ装置は、請求項1の装置において、ドライブ部材は、円周方向に並べて形成され径方向外方に窪む複数の凹部を有し、伝達トルク制限部は、プレッシャリングと、コーンスプリングと、支持部材と、を有している。プレッシャリングは、入力側部材の摩擦材を挟んで摩擦連結面と対向して配置され、外周部にドライブ部材の複数の凹部に係合する複数の係合部を有する。コーンスプリングは、外径がドライブ部材の凹部の最大内径よりも小さく、プレッシャリングを摩擦連結面に押圧する。支持部材は、ドライブ部材に固定され、コーンスプリングを支持する。また、支持部材は、コーンスプリングの外周と凹部との間に形成された隙間の一部が外方に露出するように開放部を有している。そして、流路は、コーンスプリングの外周と凹部との間に形成された隙間と、支持部材の開放部と、を含む。
ここでは、コーンスプリングの外周と凹部との間の隙間、及び支持部材の開放部により流路が形成されており、この流路により、伝達トルク制限部に溜まった泥水等の異物を外部に排出することができる。
請求項3に係るトルクリミッタ装置は、請求項2の装置において、支持部材は環状に形成されたプレートであり、内周部においてドライブ部材の複数の凹部と軸方向において少なくとも一部が重なる位置に、径方向外方に窪む複数の凹部を有している。
ここでは、ドライブ部材の凹部と支持部材の凹部とが軸方向において少なくとも一部が重なっているので、この重なり部分が流路となる。
請求項4に係るトルクリミッタ装置は、請求項3の装置において、プレッシャリングの複数の係合部のそれぞれは径方向外方に突出する突起であり、プレッシャリングと支持部材とは1つのプレート部材から形成されたものである。
ここでは、支持部材の凹部に相当する部分を、プレッシャリングの突起にすることによって、1つのプレート部材から支持部材及びプレッシャリングを同時に形成することができ、コストを抑え、かつ製造を容易にすることができる。
請求項5に係るトルクリミッタ装置は、請求項1から4のいずれかの装置において、支持部材は円周方向に並べて配置された複数のプレート部材を有している。
支持部材は、リング状にすることもできるが、例えば複数の円弧状のプレート部材によって構成することも可能である。そこで、この請求項に係る装置では、支持部材を複数のプレート部材によって構成している。これにより、材料の歩留まりを向上することができる。
なお、複数のプレート部材によって支持部材を構成した場合は、支持部材の「開放部」は、隣接するプレート部材間の隙間に相当する。
以上のような本発明では、トルクリミッタ装置が配置された部分に侵入した泥水等の異物を、装置外部に排出でき、各部の摩耗や損傷を抑えることができる。
本発明の一実施形態としてのフライホイール付きトルクリミッタ装置の断面図。 前記トルクリミッタ装置の正面図。 前記装置の伝達トルク制限部の拡大図。 図2の拡大部分図。 本発明の他の実施形態を示す断面拡大部分図。
[全体構成]
図1に本発明の一実施形態としてのフライホイール付きトルクリミッタ装置の断面図を示す。また、図2に、フライホイール付きトルクリミッタ装置の正面図の一部を示す。図1においては、図示していないが、左側にエンジンが配置され、右側にトランスミッションが配置されている。
このトルクリミッタ装置1は、エンジンのクランク軸2とトランスミッション入力軸3との間に設けられ、エンジンからトランスミッションに伝達されるトルクを制限するためのものである。そして、このトルクリミッタ装置1は、ドライブ部材としてのフライホイール5と、クラッチディスク組立体6と、クラッチディスク組立体6の一部を含む伝達トルク制限部7と、を有している。
[フライホイール]
フライホイール5は、円板状の部材であり、中心部に孔5aを有するとともに、内周部から径方向中間部にかけて円板部10を有している。また、円板部10の外周側には質量部11が設けられている。中心部の孔5aはクランク軸2の端面に形成されたインロウ部2aに嵌合され、これにより、フライホイール5とクラン軸2との径方向の位置決めがなされている。
円板部10の内周部には、円周方向に並ぶ複数の貫通孔5bが形成されている。この貫通孔5bには複数のボルト12が挿入されており、この複数のボルト12をクランク軸2のネジ孔に螺合することによって、フライホイール5をクランク軸2の端面に固定可能である。また、円板部10は、径方向の全てにおいてほぼ同じ軸方向厚みを有している。なお、ボルト12は頭部に締め付け工具が挿入される六角孔が形成された六角孔付きボルトである。
質量部11は、円板部10に比較して軸方向に厚く形成されている。質量部11のトランスミッション側の面には、図3に拡大して示すように、エンジン側に窪む収容部14が形成されている。収容部14は、軸方向に延びる径方向位置決め面14aを外周部に有し、収容部14の底面(エンジン側の側壁面)に相当する部分には摩擦連結面14bが形成されている。
また、フライホイール5のエンジン側の側面において、円板部10と質量部11との境界部分には、トランスミッション側に窪む複数の凹部15が形成されている。複数の凹部15は円周方向に並べて配置されており、複数の凹部15のそれぞれは円弧状に形成されている。そして、この凹部15に対応して、逆側の面には、凹部15に貫通する貫通孔16が形成されている。なお、貫通孔16は、軸方向視でトランスミッション側からエンジン側が見通せないように形成されている。より具体的には、貫通孔16が形成された部分において、摩擦連結面14bの内径d1は円板部10の最外径d2より小さくなるように形成されている。このため、貫通孔16は摩擦連結面14bが形成されているトランスミッション側からエンジン側に向かって径方向外方に傾斜していることになる。
また、フライホイール5の貫通孔16が形成された部分において、摩擦連結面14bの内周端は、貫通孔16に向かって内径が徐々に大きくなる傾斜部16aを有している。この傾斜部16aは貫通孔16の一部を形成しており、傾斜部16a及び貫通孔16の向きによって、内周側からの泥水等の異物をスムーズに装置外部に排出することができる。
[クラッチディスク組立体]
クラッチディスク組立体6は、主に、入力側部材としてのクラッチプレート20及びリティーニングプレート21と、出力側部材としてのスプラインハブ22と、クラッチプレート20及びリティーニングプレート21とスプラインハブ22とを弾性的に連結する複数のトーションスプリング(ダンパー機構)23と、を有している。
クラッチプレート20及びリティーニングプレート21は、例えば共に板金製の環状の部材であり、軸方向に所定の間隔を空けて配置されている。クラッチプレート20はエンジン側に配置され、リティーニングプレート21はトランスミッション側に配置されている。リティーニングプレート21の外周部の一部は、クラッチプレート20側に折り曲げられ、さらに内周側に折り曲げられている。このリティーニングプレート21の内周側に折り曲げられた部分が、クラッチプレート20の外周部にリベット24により固定されている。これにより、クラッチプレート20とリティーニングプレート21とは一体回転するようになっている。
また、クラッチプレート20及びリティーニングプレート21の外周部には、回転方向に等間隔で4つの窓孔が形成されており、この窓孔によって、トーションスプリング23が支持されている。ここで、クラッチプレート20及びリティーニングプレート21の中心部には、それぞれ孔20a,21aが形成されている。両プレート20,21の中心部の孔20a,21aの径は、フライホイール5をクランク軸2に固定するためのボルト12の取付ピッチ円P(図1参照)より大きい。したがって、クラッチディスク組立体6の内周部には、スプラインハブ22以外の構成部品は配置されていない。
クラッチプレート20の外周部は、フライホイール5の摩擦連結面14bにまで延びて形成されている。クラッチプレート20の外周面はフライホイール5の収容部14の径方向位置決め面14aに近接しており、この径方向位置決め面14aによってクラッチプレート20の径方向の位置決めがなされている。
また、クラッチプレート20の外周部には複数の摩擦材26が配置されている。すなわち、クラッチプレート20の外周部は摩擦連結用プレートとして機能している。より詳細には、図2に示すように、クラッチプレート20の外周部には、複数の円弧状の孔20bが円周方向に並べて形成されている。そして、この複数の円弧状の孔20bのそれぞれに、円弧状に形成された摩擦材26が装着されている。摩擦材26は、円周方向の両端面が孔20bに圧入されて装着されている。なお、径方向においては、摩擦材26と孔20bとの間に隙間が形成されている。摩擦材26の厚みはクラッチプレート20の厚みより大きく形成されている。
さらに、クラッチプレート20の外周端部には、図2に示すように、複数の切欠き20cが形成されている。この複数の切欠き20cとフライホイール5の収容部14の径方向位置決め面14aとの間には十分な隙間が形成されている。
スプラインハブ22は、軸方向に延びる筒状のボス28と、ボス28から半径方向に延びる円板状のハブフランジ29と、から構成されている。このボス28とハブフランジ29とは一体に形成されている。そして、ボス28の内周部には、トランスミッション入力軸3が係合するスプライン孔28aが形成されている。また、ハブフランジ29には回転方向に並んだ複数の切欠きが形成されている。この複数の切欠きのそれぞれに、トーションスプリング23が収容されている。ハブフランジ29の径方向中間部には、複数のボルト12に対応する位置に、ボルト12を締め付けるための工具が挿入可能な孔29aが形成されている。なお、この実施形態では、クランク軸2のインロウ部2aに対してスプライン孔28aの同軸度は1.0mm以下に抑えられており、0.2〜0.3mmの範囲で構成されている。
また、スプラインハブ22のハブフランジ29とクラッチプレート20及びリティーニングプレート21との間には、それぞれブシュ30が配置されている。各ブシュ30はクラッチプレート20とリティーニングプレート21とに固定されており、各ブシュ30がハブフランジ29の側面と相対回転する際に、ヒステリシストルクが発生されるようになっている。
[伝達トルク制限部]
伝達トルク制限部7は、図1〜図3に示されるように、前述の摩擦材26と、摩擦材26をフライホイール5の摩擦連結面14bとの間で挟持するプレッシャリング32と、コーンスプリング33と、支持部材としてのカバー部材34と、を有している。プレッシャリング32、コーンスプリング33は、摩擦材26とともにフライホイール5の収容部14に収容されている。
プレッシャリング32は、リング状のプレート部材であり、外周部には、径方向外方に突出する複数の係合突起32aが形成されている。一方、フライホイール5の収容部14の外周面には、図4に拡大して示すように、複数の係合凹部14cが形成されている。複数の係合凹部14cは円周方向に等間隔で形成されている。そして、プレッシャリング32の係合突起32aがフライホイール5の係合凹部14cに係合することにより、プレッシャリング32はフライホイール5に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能になっている。
コーンスプリング33は、前述のように、フライホイール5の収容部14の内部に配置されており、内周部がプレッシャリング32をフライホイール5側に押圧している。
カバー部材34は、リング状のプレート部材であり、複数のリベット36によってフライホイール5の質量部11のトランスミッション側の端面に固定されている。そして、コーンスプリング33の外周部を支持している。すなわち、カバー部材34の内径は、コーンスプリング33の外径よりも小径になっている。
ここで、カバー部材34とプレッシャリング32は、1つのリング状のプレート部材から形成されたものである。このため、カバー部材34の内周縁部には径方向外方に向かう複数の凹部34a(図2参照)が形成されている。具体的には、1つのリング状プレート部材からプレッシャリング32をプレス加工によって打ち抜くと、残りの部分(カバー部材34)には係合突起32aに対応する部分に凹部34aが形成される。この凹部34aは、クラッチプレート20の摩擦材26の外周部とこのトルクリミッタ装置1の外部とを連通する流路40(図4参照)として機能している。
[流路]
次に流路40について詳細に説明する。前述のように、プレッシャリング32の係合突起32aがフライホイール5の係合凹部14cに係合しているが、図4から明らかなように、係合突起32aの外周端面と係合凹部14cの最大内周面との間には隙間が形成されている。また、コーンスプリング33の外径は、図3から明らかなように、フライホイール5の径方向位置決め面14aの径よりも小径である。したがって、コーンスプリング33の外径と係合凹部14cの最大内周面との間には十分は隙間が確保されている。さらに、カバー部材34は、図2から明らかなように、凹部34aがフライホイール5の係合凹部14cと同じ角度位置になるように配置されている。すなわち、カバー部材34の凹部34aとフライホイール5の係合凹部14cとは軸方向において重なるように配置されている。
以上のような各部材に配置により、摩擦材26の外周部は、フライホイール5の係合凹部14cの内周部及びカバー部材34の凹部34aを通じて、装置外部に連通している。このようにして、装置内部に侵入した泥水等を外部に排出するための流路40が形成されている。
ここで、このトルクリミッタ装置が収納されているハウジング部分は、一般的にシールされておらず、したがって泥水等がハウジング内部に侵入する場合がある。装置内部に侵入した泥水等は、本装置が回転することによって、遠心力により外部に移動する。例えば、クラッチプレート20とフライホイール5との間に侵入した泥水等は、クラッチプレート20の表面において、摩擦材26が設けられていない部分に沿って外周部に移動する。また、クラッチプレート20の逆側の面においても同様である。そして、泥水等は、主に、クラッチプレート20の外周部に形成された切欠き20c部分に溜まる。
しかし、以上のようにして外部に移動した泥水等は、前述の流路40を通して装置外部に排出される。したがって、特に摩擦材26付近に泥水等が溜まるのを防止でき、摩擦材26等の異常摩耗を防止でき、また安定した伝達トルクの制限を実現できる。
[伝達トルクの制限]
このような構成では、コーンスプリング33による付勢力と、摩擦材26の摩擦係数と、摩擦連結部の有効半径によって伝達可能なトルクが決定され、この伝達可能トルクを上回るトルクがエンジン側から入力されると、摩擦連結部において滑りが生じ、伝達トルクは所定のトルクに制限される。
[トルクリミッタ装置の組立及び組み付け]
以上のようなトルクリミッタ装置を組み立てる場合は、まず、クラッチディスク組立体6を組み立てておく。次に、フライホイール5のボルト装着孔にボルト12を挿入する。そして、フライホイール5の収容部14に、クラッチディスク組立体6、プレッシャリング32、コーンスプリング33の順に配置し、最終的にカバー部材34をリベット36によってフライホイール5に固定する。
以上にようにして得られたフライホイール付きトルクリミッタ装置をクランク軸2に装着する。具体的には、フライホイール5の中心孔5aにクランク軸2のインロウ部2aを嵌め込み、トルクリミッタ装置全体をクランク軸2にセットする。そして、複数のボルト12をクランク軸端面に形成されたネジ孔に締め込む。このとき、ボルト12の頭部に形成された締め付け工具用の六角孔に、スプラインハブ22のハブフランジ29に形成された孔29aを通して工具を差し込み、ボルト12を締め込んで固定する。
[特徴]
(1)伝達トルク制限部7の外周部に流路40が設けられているので、装置内部に侵入した泥水等の異物を効率的に外部に排出することができる。このため、摩擦材26を含む各部の摩耗や損傷を抑えることができる。また、安定した伝達トルク制限機能を実現できる。
(2)フライホイール5に貫通孔16を形成し、この貫通孔16を通じて泥水等の異物をフライホイール5の背面側に導くようにしたので、摩擦連結部に泥水等が侵入するのを抑えることができる。
(3)コーンスプリング33の外周とフライホイール5の係合凹部14cとの間の隙間、及びカバー部材34の凹部34aにより、簡単な構成で流路40を実現できる。
(4)カバー部材34の凹部34aに相当する部分を、プレッシャリング32の係合突起32aにしているので、これらの部材を1つのプレート部材から同時に形成することができ、コストを抑え、かつ製造を容易にすることができる。
[他の実施形態]
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
(a)図5にカバー部材の変形例を示す。前記実施形態では、カバー部材を環状に形成したが、この実施形態では、複数の円弧状の部材42によって形成している。他の構成は前記実施形態と全く同様である。
このような実施形態では、カバー部材の歩留まりがよくなり、コスト低減を実現することができる。
(b)摩擦材の形状、個数は前記実施形態に限定されない。例えば、複数の摩擦材のそれぞれを円形にしてもよい。
1 トルクリミッタ装置
2 クランク軸
3 トランスミッション入力軸
5 フライホイール(ドライブ部材)
6 クラッチディスク組立体
7 伝達トルク制限部
14b 摩擦連結面
14c 係合凹部
20 クラッチプレート(入力側部材)
21 リティーニングプレート(入力側部材)
22 スプラインハブ(出力側部材)
23 トーションスプリング
26 摩擦材
32 プレッシャリング
32a 係合突起
33 コーンスプリング
34 カバー部材(支持部材)
40 流路

Claims (5)

  1. エンジン側部材からトランスミッション側の軸に伝達されるトルクを制限するためのトルクリミッタ装置であって、
    エンジン側の部材に装着可能であり、外周部に摩擦連結面を有するドライブ部材と、
    外周部に摩擦材を有する入力側部材と、
    前記トランスミッション側の軸に係合可能な係合部を有する出力側部材と、
    前記入力側部材と前記出力側部材とを円周方向に弾性的に連結するダンパー機構と、
    前記入力側部材の摩擦材を前記ドライブ部材の摩擦連結面との間で狭持して、前記ドライブ部材から前記トランスミッション側の軸に伝達されるトルクを制限する伝達トルク制限部と、
    前記ドライブ部材及び前記伝達トルク制限部に形成され、前記伝達トルク制限部の外周部に溜まった異物を前記伝達トルク制限部の外部に排出するための流路と、
    を備えたトルクリミッタ装置。
  2. 前記ドライブ部材は、円周方向に並べて形成され径方向外方に窪む複数の凹部を有し、
    前記伝達トルク制限部は、
    前記入力側部材の摩擦材を挟んで前記摩擦連結面と対向して配置され、外周部に前記ドライブ部材の複数の凹部に係合する複数の係合部を有するプレッシャリングと、
    外径が前記ドライブ部材の凹部の最大内径よりも小さく、前記プレッシャリングを前記摩擦連結面に押圧するためのコーンスプリングと、
    前記ドライブ部材に固定され、前記コーンスプリングを支持する支持部材と、
    を有し、
    前記支持部材は、前記コーンスプリングの外周と前記凹部との間に形成された隙間の一部が外方に露出するように開放部を有しており、
    前記流路は、前記コーンスプリングの外周と前記凹部との間に形成された隙間と、前記支持部材の開放部と、を含む、
    請求項1に記載のトルクリミッタ装置。
  3. 前記支持部材は環状に形成されたプレートであり、内周部において前記ドライブ部材の複数の凹部と軸方向において少なくとも一部が重なる位置に、径方向外方に窪む複数の凹部を有している、請求項2に記載のトルクリミッタ装置。
  4. 前記プレッシャリングの複数の係合部のそれぞれは径方向外方に突出する突起であり、
    前記プレッシャリングと前記支持部材とは1つのプレート部材から形成されたものである、
    請求項3に記載のトルクリミッタ装置。
  5. 前記支持部材は円周方向に並べて配置された複数のプレート部材を有している、請求項1から4のいずれかに記載のトルクリミッタ装置。
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