JP2012228202A - 釣竿 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ラインガイド群を、3個のチョークガイド5A、5B、5Cまたは2個のチョークガイド7A、7Bからなるチョークガイド群3と、チョークガイドより高さと口径の減少した複数のティップガイド11からなるティップガイド群9とに区分し、チョークガイドの高さ(H)と口径(D)は、口径が円周を為す1つの仮想円錐形を描くように設定し、ティップガイド11の高さ(H)と口径(D)は全てが同じに設定する。糸が迅速かつスムーズに収束されるので、ティップガイド群9は小径で軽いガイドを組み合わせるができ、結果として全体を格段に軽量化でき、ロッド本来の性能をより引き出せる。
【選択図】 図1
Description
このラインガイド群のガイドは、古くは、リール側からトップガイド側に向かって高さと口径が徐々に減少していたが、魚信感度が低下したり、持ち重りがしたり、またキャスティング時に錘やルアーの飛距離が伸びないと言った欠点が指摘されていた。
本発明は、上記課題を解決するものであり、上記した魚信感度が低下したり、持ち重りがしたり、錘やルアーの飛距離が伸びないと言った欠点をより高い次元で解消し、ロッドブランク本来の性能をより引き出すことができる釣竿を提供することを、その目的とする。
図1は、釣竿1(3)、1(2)の2種類を示すが、これらはいずれも、ロッドブランクBにリールRとトップガイドTを取り付け、さらにその間に、ラインガイド群を取り付けたものとなっている。このラインガイド群は、チョークガイド群3と、ティップガイド群9とに区分けされており、糸の力をロッドブランクBに無理なく伝えてロッドブランクBが自然に曲がるように、それぞれの群に属するガイドが所定の間隔をあけて取り付けられている。
3段階チョーク型、2段階チョーク型とも、チョークガイドの高さ(H)、口径(D)は、リールRからトップガイドTに向かって減少しており、リールRに近い側のチョークガイド5A、7Aが最も大きく、トップガイドTに近い側のチョークガイド5C、7Bが最も小さくなっている。
なお、本明細書では、高さ(H)は、ロッドブランクの外周面からのガイドの通過口の中心までの高さである。
即ち、3段階チョーク型では、チョークガイド5A、5B、5Cは、それぞれの口径が1つの仮想円錐形の大、中、小の円周を為すもので組み合わせており、円錐形の底面はチョークガイド5Aの(糸通過)口となっている。3個のチョークガイドで構成される仮想円錐形をリールR側に延長させてもリールRのスプール径には重ならずリールRのスプール下端よりも下にくる。
2段階チョーク型では、チョークガイド7A、7Bのそれぞれの口径が1つの仮想円錐形の大、小の円周を為すように組み合わせる。この2段階チョーク型でも、円錐形の底面はチョークガイド7Aの(糸通過)口となっている。
糸の力をロッドブランクBに無理なく伝えるためには、釣竿1の種類や長さに応じて各チョークガイドの取付け間隔も範囲が定まっており、その範囲で上記した仮想円錐形を描くことになるので、組み合わせるチョークガイドの高さ(H)と口径(D)の相互の寸法関係もその範囲で制限を受ける。
範囲の違いは、ベイトキャスティングロッド用では糸がリールから波状に繰り出されるのに対して、スピニングロッド用では糸がリールから螺旋状に繰り出され、ベイトキャスティングロッド用よりスピニングロッド用の方が糸の収束抵抗が大きいことによる。
チョークガイド5A、7Aの口径(D)はここまで広げても、チョークガイド群3がそもそも特許文献1よりも少ない個数のチョークガイドで構成されているので、特許文献1より急激にチョークすることになり、チョークガイド5A、7Aを通過する際の糸の収束抵抗は特許文献1の元ガイドより大きくなるが、全体として得られる軽量化の効果により収束抵抗自体の不利益は十分に相殺される。
その一方で、チョークガイド5A、7Aの口径(D)はここまで広げることで、糸がフロロカーボンやナイロンのモノフィラメントライン等、マルチフィラメントライン、特に所謂PEラインと比較して比重が重く硬いものであっても収束抵抗を許容範囲に確実に収められる。
ラインスラップとは、ガイドを通過する前のラインがロッドブランクを叩く現象である。特許文献1に記載の従来ガイドセッティングでは、スムーズなラインチョークを実現する為に、リールRのスプール径を底辺とする二等辺三角形でチョークガイド群を構成していた。しかしこのセッティングでは、ラインの比重が重かったり、硬かったりした場合、一番リール寄りのガイド周辺でラインスラップが発生し易かった。
ティップガイド群9の複数のティップガイドは、高さ(H)と口径(D)が、同じに設定されており、通常は、全て同じティップガイド11の組み合わせか、または、後述の図3、図4に示すように、リールRに最も近い1個のティップガイド13とその余のティップガイド15との組み合わせになっている。ティップガイド13は口径と高さは同じであるが取付足の幅寸法と長さ寸法がティップガイド15より大きくなっている。このように、ティップガイド13をティップガイド15より剛性にしたのは、釣竿に取り付けられたガイドに掛かる負荷は穂先から竿元に向かうほど大きくなり、リールRに近いティップガイド(ティップガイド13)にはトップガイドTに近いティップガイド(ティップガイド15)よりも大きな負荷が掛かり、変形や脱落の恐れがあるからである。
なお、釣竿の長さや調子により、ティップガイド13の個数は変わり、1個以上のティップガイド13が必要となる場合もある。
糸の力をロッドブランクBに無理なく伝えるためには、釣竿1の種類に応じて各ティップガイドの個数も取付け間隔も範囲が定まっているので、ティップガイド11、13、15の位置関係もその範囲で制限を受ける。
また、糸が比重が重く硬いものである場合には、糸が膨らんでラインスラップが発生し易いが、その発生も回避することができる。
図2は、3段階チョーク型と、2段階チョーク型における糸Sの軌道を示したものであり、3段階チョーク型では糸Sが比重が重く硬いナイロンやフロロカーボンのモノフィラメントラインを想定したものになっており、2段階チョーク型では糸Sが所謂PEラインのように比重が軽く柔らかいものになっている。
これにより、エネルギーロスを最小限に抑えると共に、ティップガイドは小口径化が可能となる。その結果、ティップ部が軽量化される為、キャスト時の釣竿のスイングスピードの増大、反発力のUPが計られる。
一方、糸Sが比重が軽く柔らかいものだと、リールRから繰り出された後に小さく膨らんで螺旋乃至波状のループを描くが、モノフィラメントラインと比較してその膨らみは小さい。しかも柔らかく収束抵抗が少ない為、2段階のチョークで完全に収束できる。
この結果、3段階でチョークした場合よりも、2段階チョークではさらに釣竿の軽量化や飛距離の増大が可能である。
図3(1)、図4(1)は、三段階チョーク型の、スピニングロッド用であり、モノフィラメントラインからPEラインまで糸の種類を問わず汎用的に利用できる。
図3(2)、図4(2)は、二段階チョーク型で、特にPEラインを使用したスピニングロッド用に適している。この例では取付足の幅寸法と長さ寸法がティップガイド15よりも大きなティップガイド13を1個組み合わせている。これは図3(1)、図4(1)と比較した場合、2段階チョークとした事でティップガイド群9の範囲が広がり、リールRに近いガイドに大きな負荷が掛かることで、本来細い穂先部に取り付ける事を想定して開発されているティップガイドでは剛性が不足しており、変形や脱落の恐れがある為である。
図3(3)、図4(3)は、二段階チョーク型で、特にベイトキャスティングロッド用のものである。
ベイトキャスティングロッドの場合、スピニングロッドと異なり、ガイドはロッドブランクに上向きに取り付けられ使用される。
この為、ロッドの中間部(所謂ベリー部)には竿が捻じれた場合、横方向の大きな負荷がかかりやすい。そこでこの例では、取付足の幅寸法と長さ寸法がティップガイド15よりも大きなティップガイド13を3個組み合わせる事で、この問題を解消している。従来ガイドセッティングと比較した場合、ティップガイド13は、ティップガイド15と口径と高さが同じであり、取付足の幅寸法と長さ寸法だけが大きくなっただけであるから十分に軽量であり、強度不足の問題を解消しつつ、本発明が目指すティップ部の軽量化も達成されている。
例えば、チョークガイド群、ティップガイド群のいずれの群に属するガイドも、いずれも傾斜型のシングルフットであるが、直立型やダブルフットを組み合わせてもよい。
いずれにしても、本発明を構成するガイドは、特許請求されている寸法関係を満足する限り、従来からある、または将来案出される形状や材料製のものを活用することができる。
5A、5B、5C、7A、7B‥‥チョークガイド
9…ティップガイド群 11、13、15…ティップガイド
B…ロッドブランク R…リール T…トップガイド S…糸
H…ロッドブランクの外周面からのガイドの通過口の中心までの高さである。
D…(ガイドの糸通過口)の口径
Claims (4)
- リールから繰り出された糸をトップガイドまで導くラインガイド群がロッドに取り付けられた釣竿において、
ラインガイド群は、2〜3個の複数のチョークガイドからなるチョークガイド群と、前記チョークガイドより高さと口径の減少した複数のティップガイドからなるティップガイド群とに区分され、
前記複数のチョークガイドの高さと口径は、口径が円周を為す1つの仮想円錐形を描くように設定されており、
前記複数のティップガイドの高さと口径は、全てが同じに設定されていることを特徴とする釣竿。 - 請求項1に記載した釣竿において、
チョークガイド群ではトップガイドに最も近い側のチョークガイドの口径に対して最も遠い側のチョークガイドの口径は1.5〜6倍であることを特徴とする釣竿。 - 請求項1または2に記載した釣竿において、
チョークガイド群ではトップガイドに最も近い側のチョークガイドの高さに対して最も遠い側のチョークガイドの竿面からのリング中心高さは2〜5倍であることを特徴とする釣竿。 - 請求項1から3のいずれかに記載した釣竿において、
ティップガイド群の内、チョークガイド群側のティップガイド1個以上はその余のティップガイドに比べて、取付足の幅寸法と長さ寸法が大きくなっていることを特徴とする釣竿。
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