JP2012228196A - 魚釣用電動リール - Google Patents

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Abstract

【課題】一連の探り操作をスムーズかつ素早く行うことが可能であり、更には、把持保持性にも優れた魚釣用電動リールを提供する。
【解決手段】本発明に係る魚釣用電動リールは、リール本体5の左右側板5A,5B間に設けられ、釣糸が巻回されるスプール7と、リール本体5に設けられ、スプール7を回転駆動する駆動モータ8と、駆動モータ8の出力を調整する操作部材25とを有する。そして、操作部材の操作部と、クラッチOFF切換部材の操作部との間を最短となる仮想直線で結んだ際、その仮想直線を避けてリールの各構成部材を配置したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、魚釣用電動リールに関する。
従来、魚釣用電動リールは、主に深場の釣りに適用させるべく、仕掛けの放出から巻き取りに至るまで、釣竿を船縁に装着された竿掛けに置いたままの状態で行えるように構成されたものが多いが、最近では、手持ち状態で操作が行えるように工夫されたものが知られている。
例えば、魚釣用電動リールのスプールを巻き取り操作する(モータ出力を連続的に可変操作する)ための操作部材を、様々な位置に配置することが知られている。例えば、特許文献1には、回転式の操作部材をリール本体の後方の左右側板間に前後方向に回転可能に支持したもの、或いは、スライド式の操作部材をカウンターケースの後方に左右方向に移動可能に支持したものが開示されている。また、特許文献2には、制御ケースの上面から円板状の回転摘み(操作部材)の一部を露出させ、上方から親指を押し付けながら回転操作することで、モータ出力を連続的に可変させる構成が開示されている。
特開2001−169700号 特開2003−92959号
上記したように、最近の魚釣用電動リールでは、ルアーフィッシングに用いられる魚釣用(ベイトキャスティング)リールと同様、手持ち状態で操作することが可能なタイプも望まれているが、従来のモータ出力を調整する操作部材の配置を工夫した魚釣用電動リールでは、操作性の面でさらに改良すべき余地がある。具体的には、単なる仕掛けの上げ下ろしのスピーディさは勿論のこと、特に、魚のいる棚(例えば、海底から5〜15m)を集中的に探る操作をスムーズかつ素早くできるように構成されていることが望ましい。
通常、このような棚の探り操作は、魚のいる棚の下層域から仕掛けを「(1)低速巻き取り操作」して、棚の上層域まで来た段階で「(2)クラッチOFFして、棚の下層域までの落とし込み操作」を繰り返すことで行われる(以下、このような操作を「探り操作」と称する)。なお、上記した(1)の操作では、魚の誘い操作やシャクリ操作(駆動モータの巻き取り、及び竿をあおる操作を含む)をしながら行うこともあり、上記した(2)の操作では、サミング操作することで落下速度を調整しながら行うこともあり、これら一連の「探り操作」は、スムーズかつ素早く行うことが重要である。また、このような探り操作をしているときに魚信があり、これに応じて合わせ操作を行ってそのまま魚とのファイトになると、リール本体の把持保持性が良いことも求められる。
しかしながら、上記した従来のタイプの魚釣用電動リールでは、これら一連の探り操作を手持ち状態で行うことは難しい。すなわち、特許文献1に開示されている構成では、いずれも、モータ出力を調整する操作部材とクラッチOFF部材との間に、手の移動を妨げる部材が配置されている(右フレーム枠の上部が最短距離での手の移動を妨げている)ため、上記の(1)から(2)へのスムーズな操作が行い難い。また、上記した探り操作を行う場合、操作している指が、リール本体の左右方向の中心領域から離れることがあり、その間に把持保持状態が著しく低下してしまう。
また、特許文献2に開示されている構成でも同様であり、さらに、カウンターケースの後方の壁部が操作部材と他の部位への指の動きを妨げる、という問題がある。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、一連の探り操作をスムーズかつ素早く行うことが可能であり、更には、把持保持性にも優れた魚釣用電動リールを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係る魚釣用電動リールは、リール本体の左右側板間に設けられ、釣糸が巻回されるスプールと、前記リール本体に設けられ、スプールを回転駆動する駆動モータと、前記駆動モータの出力を調整する操作部材と、前記スプールを、釣糸巻き取り状態からフリー回転状態に切り換え操作するクラッチOFF切換部材と、を有しており、前記操作部材の操作部と、前記クラッチOFF切換部材の操作部との間を最短となる仮想直線で結んだ際、その仮想直線を避けてリールの各構成部材を配置したことを特徴とする。
上記した構成の魚釣用電動リールでは、探り操作をしている状態において、操作部材の操作部からクラッチOFF切換部材の操作部へ指を移動する際、リール本体の構成部材が邪魔することはなく直線的な移動が可能となるので、釣糸巻き取り状態から仕掛け落とし込み操作をスムーズかつ素早く行うことが可能となる。
この場合、上記した構成において、操作部材の操作部と、前記クラッチOFF切換部材の操作部は、リール本体に対して移動可能となるように支持されており、かつ、それぞれの操作部での操作領域(指が当接可能な領域)は、ある程度の幅や長さを持った構成となっている。このため、釣糸巻き取り状態時における操作部材の操作部の位置(駆動モータを停止させたときの操作部の位置)と、そのときのクラッチOFF切換部材の操作部の位置(クラッチONのときの操作部の位置)との関係が重要となり、前記仮想直線とは、各操作部において、実際に指が当接する部分、詳細には、指を当接して操作が可能となる位置の範囲内で、両操作部を最短距離で結んだもの同士すべてが該当し、その間に指の移動の妨げとなる構成部材が存在しなければ良い。具体的には、前記クラッチOFF切換部材がON位置にあるときに、その操作が可能な領域の全ての範囲と、前記操作部材が駆動モータ停止位置にあるときの操作可能な領域の全ての範囲同士を最短距離(湾曲しない直線)で結んだ際、その直線上に、リール本体の構成部材が存在しないようになっていれば良い。すなわち、このような関係となっていれば、一般的な指の操作態様で探り操作をしている状態において、操作部材の操作部からクラッチOFF切換部材へ指を移動する際、何ら障害物が存在しないため、指の移動操作をスムーズかつ素早く行うことが可能となる。更には、このような構成により、指を大きく移動させることもないため、リール本体の把持保持性を低下させることもなくなる。
本発明によれば、手持ち状態で一連の探り操作をスムーズかつ素早く行うことが可能であり、更には、把持保持性にも優れた魚釣用電動リールが得られる。
本発明の第1の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図。 図1に示した魚釣用電動リールをハンドル側から見た側面図。 図1に示した魚釣用電動リールを後方側から見た後面図。 図1に示した魚釣用電動リールを前方側から見た前面図。 内部機構が部分的に示される図1に示す魚釣用電動リールの平面図。 図1に示した魚釣用電動リールの内部駆動機構を側方から見た概略図。 図1のA−A線に沿う断面図。 操作部材、角度センサ、および、これらを支持する支持部材から成る操作部機構の配置形態を示す図1に示した魚釣用電動リールの平面図。 リール本体の制御ケースおよび側板の分解図。 図8のB−B線に沿う断面図。 操作部機構と制御ケースの制御部等との配置関係を示す制御ケース付近を裏側(下方側)から見た斜視図。 制御ケース内に収容される制御部の構成を示すブロック図。 (a)〜(i)を含み、仕掛けを放出した後の一般的な操作を順に説明する図。 クラッチON状態を示す図。 クラッチON状態からクラッチOFF状態に切換えた状態を示す図。 クラッチOFF状態でサミング操作している状態を示す図。 クラッチOFF状態でサミング操作している状態を示す図であり、クラッチONに切換える前の状態を示す図。 クラッチON状態でサミング操作しながら操作部材に指先で触れ、スプールの巻き取り駆動を開始できる(待機)状態を示す図。 クラッチON状態でサミング操作することなく操作部材を操作して、スプールを巻き取り駆動する状態を示す図。 クラッチON状態でサミング操作することなく操作部材を操作して、スプールを巻き取り駆動する状態を示す図。 クラッチON状態でサミング操作しながら操作部材を操作して、スプールの巻き取り駆動を停止する状態を示す図。 クラッチON状態からクラッチOFF状態に切換えた状態を示す図。 操作部材の第1の変形例を示す図であり、(a)は制御ケース部分を示す平面図、(b)は図(a)のC−C線の断面図、(c)は操作部材の側面図。 操作部材の第2の変形例を示す図であり、(a)は制御ケース部分を示す平面図、(b)は図(a)のD−D線の断面図、(c)は操作部材の側面図。 操作部材の第3の変形例を示す図であり、(a)は制御ケース部分を示す平面図、(b)は図(a)のE−E線の断面図、(c)は操作部材の側面図。 本発明の第2の実施形態に係る魚釣用電動リールの制御ケースの平面図。 第2の実施形態に係る魚釣用電動リールの縦断面図。 本発明の第3の実施形態に係る魚釣用電動リールの制御ケースの平面図。 第3の実施形態に係る魚釣用電動リールの縦断面図。 本発明の第4の実施形態に係る魚釣用電動リールの制御ケースの平面図。 第4の実施形態に係る魚釣用電動リールの縦断面図。 本発明の第5の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図。 図32のF−F線に沿う断面図。 図32のG−G線に沿う断面図。 操作部材を後方に移動させた状態を示す図5に示した魚釣用電動リールの平面図。 図35のH−H線に沿った断面図。 操作部材の操作部と、クラッチOFF切換部材の操作部との位置関係を示す断面図。 本発明の第6の実施形態に係る魚釣用電動リールの平面図。 図38のI−I線に沿う断面図。 図38のJ−J線に沿う断面図。 本発明に係る魚釣用電動リールを小型タイプとして構成した場合の使用例を示す図。 本発明に係る魚釣用電動リールを中型から大型タイプとして構成した場合の使用例を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る魚釣用電動リールの実施形態について説明する。
図1から図11は本発明の第1の実施形態を示す図であり、図1は平面図、図2はハンドル側から見た側面図、図3は後方側から見た後面図、図4は前方側から見た前面図、図5は内部機構を部分的に示した平面図、図6は内部駆動機構を側方から見た概略図、図7は図1のA−A線に沿う断面図、図8は操作部材、角度センサ、および、これらを支持する支持部材から成る操作部機構の配置形態を示す平面図、図9はリール本体の制御ケースおよび側板の分解図、図10は図8のB−B線に沿う断面図、そして、図11は操作部機構と制御ケースの制御部等との配置関係を示す制御ケース付近を裏側(下方側)から見た斜視図である。
なお、以下の説明において、前後方向、左右方向、上下方向は、図1及び図2に記載の方向と定義する。
図1に示すように、本実施形態に係る魚釣用電動リール1は、左右のフレーム3a,3bに左右カバー4a,4bを取着して構成される左右側板5A,5Bを具備したリール本体5を有している。リール本体5を構成する一方の側板(右側板5B)側には、巻取り操作される手動ハンドル6が設けられており、左右側板5A,5B間には、釣糸が巻回されるスプール7がスプール軸7a(図7参照)を中心に回転可能に支持されている。また、本実施形態では、図5から図7に示すように、スプール7の前方側における左右側板5A,5B間に駆動モータ8を保持しており、スプール7は、手動ハンドル6の巻取り操作および駆動モータ8の回転駆動によって、動力伝達機構10(図5参照)を介して釣糸巻取り方向に回転駆動される。
なお、駆動モータ8については、スプール7の内部に設置する構成であっても良いが、本実施形態のように、スプール7の前方に設置することで、スプール7の糸巻き量を確保しつつ、リール本体5を可及的にコンパクト化することが可能となる。また、動力伝達機構10については、駆動モータ8の回転駆動力を減速してスプール7側に伝達する機能(減速機構102および伝達ベルト100(図5参照)などによって果たされる)、駆動モータ8が回転駆動しても手動ハンドル6を連れ回しさせない機能や手動ハンドル6の逆回転を防止する機能(ラチェット104を含む)などを備えた公知のものによって構成することが可能である。また、そのような動力伝達機構10については、左側板5A側に配設されていても良いし、右側板5B側に配設されていても良く、或いは、左右側板それぞれに振り分けて配設されていても良い。なお、図中(特に図5)、符号116は、ハンドル6に結合されたハンドル軸、符号118は、ハンドル軸116に回転可能に支持されたドライブギヤ、符号120は、ドライブギヤ118に噛合するピニオンであり、これらは前述した動力伝達機構10を構成する。また、図中、符号125は、魚釣時にスプール7から釣糸が繰り出された際にスプール7の回転にドラグ力を付与する公知のドラグ機構であり、リール本体5とハンドル6との間には、ドラグ機構125によるドラグ力の調整を行なうための星型のドラグ調整ノブ(スタードラグ)139が設けられている。
また、スプール7の前方の左右側板5A,5B間には、スプール7に対して均等に釣糸を巻回する機能を備えた公知のレベルワインド機構142(図6および図7参照)が設置されている。さらに、リール本体5を構成する左右側板5A,5B間のスプール7の上方には、駆動モータ8を制御する制御部100(制御基板100a,100bを有する)を収容した箱型の制御ケース15が配設されている。この制御ケース15は、図11に示されるように、その両側壁の外面の一部に溝部(片方のみ図示)430を有しており、この溝部430に左右側板5A,5Bの周端縁432(図9参照)が係脱可能に係合し、かつその前方にリール本体を構成するフロントカバー5Fが取り付けられることにより、制御ケース15がリール本体5に取り付けられる。また、この取り付け状態において、制御ケース15の表面は左右側板5A,5B、及びフロントカバー5Fの表面と面一状になる。なお、本実施形態の制御ケース15は、前後方向の長さ寸法が左右方向の長さ寸法よりも長く設定されている。
また、リール本体5内には、前記ピニオン120を軸方向に移動させてスプール7を釣糸巻き取り状態/フリー回転状態に切り換える公知のクラッチ機構17(図5及び図6参照)が配置されている。このクラッチ機構17は、動力伝達機構10に介在されて手動ハンドル6および駆動モータ8からの動力伝達を継脱する機能を備えており、本実施形態では、右側板5B側に設置されている。このクラッチ機構17を構成するクラッチプレート17aには、図1に示されるように、動力伝達をON状態からOFF状態に切り換えるクラッチOFF切換部材18と、動力伝達をOFF状態からON状態に切り換えるクラッチON切換部材19が係合している。
本実施形態におけるクラッチOFF切換部材18は、スプール7をサミングしながら操作が可能となるように、スプール7の後方側の左右側板5A,5B間に橋設された構成となっており、図7に示す状態から、その表面となる操作部18aに親指を載置して下方に押し下げ操作することで、クラッチ機構17をON状態からOFF状態に切り換えるよう構成されている。このクラッチOFF切換部材18は、図6に示される振り分け保持バネ400によって、図7に示すクラッチON位置とクラッチOFF位置(図示せず)との間で振り分け保持される。
また、本実施形態のクラッチOFF切換部材18は、図3に示されるように、その操作部(親指が載置可能な上面)18aが、下方に向けて大きく湾曲するように形成されており、後方から視認した際(図3参照)、その操作部の中央18cが最も低い位置となるように形成されている。すなわち、このように湾曲形成することで、釣竿との距離を近付けることが可能となり、釣竿とともにリール本体を握り込んだままでクラッチOFF操作が行い易くなる。特に、手持ち操作が可能な小型リールとして構成する場合、リール本体を把持しながらの各部操作の際、親指の通り道が低い位置に確保されて指の届く範囲が拡大するので、疲れ難い構成とすることが可能となる。なお、クラッチOFF切換部材18は、右側板内に収容されているクラッチプレート17aを安定して回動させるため、大きく湾曲する操作部18aの両側は、側方に向けて次第に高くなるように形成されている。具体的には、クラッチOFF切換部材18の操作部18aの内、下方に大きく湾曲している中央(この部分は、操作時において押圧操作され易い部分となる)18cは、スプール7の釣糸巻回胴部7bの上端位置Hと略同じ高さ位置にあり、クラッチOFF操作したときに、釣糸巻回胴部7bの上端位置Hよりも下方となるように構成されていることが好ましい(図7、図14及び図15参照)。
また、本実施形態におけるクラッチON切換部材19は、右側板5B側に設置されており、振り分け保持バネ400(図6参照)によって、クラッチON位置とクラッチOFF位置との間で揺動可能となるよう振り分け保持されている。この場合、操作部19aは、クラッチON状態では、図6に示すように、右側板5Bの表面と略面一状となり、クラッチOFF状態では、右側板5Bの表面から突出するようになっている。そして、操作部19aは、スプール7に巻回された釣糸に対して親指の腹部でサミング操作している状態で容易にON操作できるように(左側板の後端側を支点として親指が届き易いように)、巻回されている釣糸の側方でやや後方側に設置されていることが好ましい。
なお、クラッチON切換部材19は、機械式以外にも、電気式(例えば、ソレノイドを利用したもの)で構成されていても良い。また、クラッチOFF切換部材18と一体部材で構成されていても良い。
前記リール本体5には、駆動モータ8に対して電力を供給するための給電部20が設けられている。この給電部20は、左側板5Aの前方側の下面領域に形成されており、この給電部20に対しては、着脱可能な携帯バッテリ22(図41参照)を装着したり、或いは、足元に置いたバッテリや釣り船に設置されている電源部から電力供給される給電コード22A(図42参照)が装着される。
前記制御ケース15は、スプール7の前方側に設けられている。具体的には、制御ケース15は、図7に示すように、スプール7の上方で、その回転軸(この回転軸としては、本実施形態ではスプール7の外側に駆動モータ8が配置されているためスプール軸7aが該当するが、スプール7の内部に駆動モータ8が配置される別の形態ではスプール軸7aが存在しないためモータ8の回転軸が該当する)近傍からレベルワインド機構142および駆動モータ8を覆うような大きさを備えており、その後方部分に、駆動モータ8の出力を調整する操作部材25が配置されている。
前記操作部材25は、スプール7の上方に位置して、略前後方向(釣竿方向;矢印D1に示す方向であり、釣竿の軸と一致する方向、及び、後述するように軸方向に対して±30°の範囲内を含む)に変位できるように支持されている。ここで、スプール7の上方とは、スプールのフランジ7fの前後方向幅W(図7参照)の範囲内において、スプール7より上方に存在すれば良く、操作部材25は、スプールに釣糸が巻回された状態を側面視した際、サミング操作しながらの当接操作が可能となるように、操作領域(親指が当接する操作部分)が、巻回された釣糸の頂部領域の上方に位置していることが好ましい。また、本実施形態における操作部材25は、以下のように回転可能な形状、詳細には、下側から回転操作可能であり、かつ、上方からリール本体を押さえ付けた状態でも操作性が良好となるように、略円筒形状に構成されてリール本体に対して回転可能に支持されている。具体的には、その外表面(回転表面)が、左右側板間で、スプール7を露出させる開口領域に面するように支持されており、リール本体を把持保持した状態で、実際に操作する方向は、略前後方向D1となる成分、及び略上下方向D2となる成分を含むように支持されている(図1及び図3参照)。
このような回転可能な操作部材25は、リール本体5を、竿取付部5aを介して釣竿Rに装着した際に、図41に示すように、釣竿Rとともにリール本体5を把持保持した状態の手の親指Tが届く位置であって、制御ケース15の表示部(液晶パネル)16の後方側の位置に配設されている。
上記のように、略円筒形状に構成された操作部材25は、その両端が制御ケース15に対して回転可能に支持(軸支)されており(両軸支持されている)、糸絡みを効果的に防止するようにしている(図10参照)。特に、本実施形態では、制御ケース15の後方部位(制御ケース15がリール本体5に取り付けられた状態でスプール7側に位置する制御ケース15の後端側部位)の中央領域に凹陥部(開放部)210が設けられており、この凹陥部210内に、前記操作部材25が回転可能に配置されている(このため、凹陥部210は、左右側板5A,5Bの中央領域に位置することとなる)。
本実施形態の凹陥部210は、制御ケース15の後端縁から前方側に向かって延びており、制御ケース15の後端縁では開口した状態となっている。特に、本実施形態の凹陥部210は、スプール7側(後方側)に向かって開放幅が広がる「ハ」の字形状を成しており、制御ケース15の上面および下面で開口するように制御ケース15を上下に貫通している。このような凹陥部210の形状によれば、スプール7上のどの位置においてもサミング操作から操作部材25の操作への移行を障害なくスムーズに行なえるようになる。さらに、操作部材25が左右側板5A,5Bの中央領域に位置することで、リール本体5の重心に対する把持位置のバランスが良くなり、操作性が良く、疲れ難い構成とすることが可能となり、右手、左手のどちらの手で把持しても共通の感覚が得られるようになる。
前記操作部材25は、空洞状に形成されており、以下の第1の支持部材220に一体形成された支軸(回転中心軸)26に挿通されて回転可能に支持されている。具体的には、図8から図11(特に図10及び図11参照)に示されるように、操作部材25の空洞部内に挿通される支軸26は、制御ケース15に固定される第1の支持部材220に一体形成されており、操作部材25の一方側は、支軸26の先端側に配置されるOリング225(操作部材25の回転に節度感を与える)を介してシール状態で回転可能に支持されている。また、操作部材25の他方側は、操作部材25の空洞部内に突出する角度センサ130の内端部130aによって支持されており、内端部130aと操作部材25の他端部との間にはカラー229が介挿されている。つまり、本実施形態では、角度センサ130と操作部材25とが軸長方向に重なっており、それにより、軸長方向で省スペース化が図られている。なお、支軸26については、制御ケース15以外の部分(例えば、側板5A,5Bなど)に対して支持されたものであっても良い。
前記角度センサ130は、第2の支持部材230によって制御ケース15に対して支持固定されている。この場合、制御ケース15の右側部には、角度センサ130を収納するための収納部15bが突設されている。そして、このような支持構造において、図7,図11に示されるように、操作部材25、角度センサ130、および、これらを支持する支持部材220,230から成る操作部機構と、制御ケース15内に収容される制御部100とが、リール本体5の前後方向に沿って配置され、制御部100は、制御ケース15の背面で防水蓋300により完全シール処理されるとともに、前記操作部機構も図示しないシール手段によって制御部100とは独立に防水処理されている(角度センサ130自体が完全にシール処理されている)。勿論、両者は、独立させずに制御ケース15内に角度センサ130を埋め込んで防水処理しても良い。
なお、前記操作部材における略円筒形状とは、内部が中実であっても良いし、全体或いは部分的に空洞部があるもの(本実施形態では、内部に空洞部が形成され、第1の支持部材220に一体形成された支軸26に挿通されている)を含む概念である。また、その外形状については、正確な円筒形状は勿論、周囲に凹凸が形成されていたり、指でつまんだり、当て付けることが可能な突起部が形成されたものであっても良い。或いは、図10に示すように、軸方向の中間部分が膨出していたり、窪んでいるなど、軸方向に親指の腹部が当接できて回転操作ができるような外形状を備えたものであっても良い。さらに、略円筒形状に構成された操作部材25については、制御ケース15の表面から突出していても良いし、少なくとも一端側の回転表面が、制御ケース(リール本体)との間で略面一状にされていても良い。
また、本実施形態では、略円筒形状の操作部材25の支軸(回転中心軸)26は、リール本体5を上方から見たときに、制御ケース15の表示部16または制御部100を避けるように、スプール7のスプール軸7aと略平行に延びるように設置している。
このように、略円筒形状の操作部材25(支軸26)を、スプール7のスプール軸7aと略平行(平行を含む)にすることで、リール本体を把持保持した状態で、操作部材25を自由に回転しても、指(親指T)の位置が横方向にずれ難くなり、リール本体を把持保持した際のバランスが悪くなることがなくなる。すなわち、操作部材25は、前後方向にしか移動しないため、操作部材25に当接させて親指の位置が大きく横にずれることがなく、リール本体の重心や給電部20にかかる力(図41及び図42に示すように、給電部は側部に設けられていることから、給電コードに引っ張られる力や携帯バッテリの重量負荷などで、釣竿Rの長手軸を中心に回転負荷による力がかかり易い)によるねじれ負荷に対し、操作性が低下したり疲れ易くなることがなくなる。この場合、操作部材25を回転させた際の指(親指)の位置の横方向のずれを考慮すると、略平行の範囲は、スプールの回転軸に対して±30°の範囲と定義しても良い。従って、操作部材25の変位方向である「略前後方向」には、前後方向(釣竿の軸方向)は勿論、軸方向に対して±30°の範囲内を含むものとする。
また、上記した構成によれば、操作部材25とクラッチOFF切換部材18は、リール本体5を上面視した際、操作部材25の操作移動方向(D1方向)が、操作部材25の操作部中心25cとクラッチOFF切換部材18の操作部の中心18cとを結ぶ直線Lに対して略平行となるように設置することが可能となる(図5参照)。そして、このような配置態様にすることで、一連の探り操作をする際、同一直線状での指の動きとすることが可能となり、操作性の向上が図れるようになる。
さらに、上記した構成では、操作部材25とクラッチOFF切換部材18は、後方視左右方向における、それぞれの中心位置25c,18cが、リール本体5の竿取付部5aの上方で、その幅W1の範囲内となるように設置しておくことが好ましい(図3参照)。
このような設置態様としておくことで、探り操作は勿論、仕掛けを投入してから巻き上げるまでの一連の操作(魚がかかっている場合もある)中、リール本体に対する把持位置が大きく左右に振れることがなく、どの状態においても急激な魚の引き等、負荷がかかっても安定した把持保持状態を維持することが可能となる。
また、上記した制御ケース15には、図7に示されるように、駆動モータ8の駆動を制御する制御部100が収容されており、操作部材25の回転操作量に応じて駆動モータ8の出力を調整するようになっている。この場合、制御部100は、操作部材25を前方に向けて回転操作することで、駆動モータ8の出力が上昇するように設定されている(操作部材25は、クラッチOFF切換部材18に近い方向が、駆動モータの低速駆動側となるように設置されている)。これにより、釣糸の巻き取りをする際、サミングしている親指をそのまま前方に延ばして、操作部材25を押し上げるような操作をすることで釣糸の巻き取り操作が行えるようになり、指の動きが単純化され、一連の探り操作をする際の操作性の向上が図れるようになる。
なお、操作部材25の回転操作量と駆動モータ8の出力との関係については任意であるが、本実施形態では、操作部材25の基準位置をモータの出力値0として、120°前方に回転操作した際、モータ出力がMaxになるように設定されている。すなわち、前方方向に向けて操作した際に増速とすることで、釣竿とリール本体を持つ手に負荷がかかる高速巻き取り時に、より前方を把持できるので、把持保持性が高くなり、操作性が良く、疲れ難くなる。
もちろん、操作部材25については、後方に向けて回転操作した際に、駆動モータ8の出力が上昇するように設定しても良い。このような操作部材の構成によれば、スプールをサミングしている親指の第一関節を折り曲げる動作をするだけで、サミング操作をONからOFFにすると同時に、操作部材を手前側に回転操作(駆動モータの増速回転)することができ操作性の良い構成となる。
前記制御ケース15の表面には、繰り出された釣糸の長さ(糸長情報)などを表示する表示部(液晶表示部)16が設けられており、また、その周囲には、各種の情報が設定可能な複数の操作ボタン16a,16bが配設されている。なお、本実施形態において、操作ボタン16a,16bは、図1に示されるように、制御ケース15の上面において、表示部16と操作部材25との間で且つ釣竿Rとともにリール本体5を把持保持した状態で親指が届く位置とされている。
ここで、前記制御ケース15に収容される制御部100の構成について、図12を参照して説明する。
図12は、上記した構成の魚釣用電動リールの動作を制御する制御部100の構成を示すブロック図である。
制御ケース15に収容される制御部100は、魚釣用電動リールの動作を制御するCPU(Central Processing Unit)110、糸長を計測したり、駆動モータの出力を可変制御するための各種プログラムや設定情報などを記憶したROM(Read Only Memory)111、一時記憶領域としてのRAM(Random Access Memory)112を実装した制御基板(マイクロコンピュータ)及び各種駆動回路を実装した回路基板を備えており、制御基板は、I/Oポート115を介して、各作動要素との間で信号の送受信がなされ、動作が制御されるようになっている。なお、本構成では、省スペース化のため、制御部100と表示部16とは上下方向に重なるように配置されている(図7参照)。また、制御部100は、制御基板100A、及び回路基板100Bを上下方向に配置することによって構成されている。
前記制御基板100Aとの間では、前記操作部材25の操作量を検知する検知手段、具体的には、操作部材25の操作角度に応じて操作位置信号を出力する前記角度センサ130、スプール7に巻回されている釣糸の繰り出し量を検知することが可能な糸長計測装置140、制御ケース15上に設けられた液晶表示部16に対して各種の情報を表示させる表示制御回路160、制御ケース15上に設けられた操作ボタン16a,16b、及び駆動モータ8の出力を停止状態から高出力値まで連続的に増減調整するモータ駆動回路170との間で信号の送受信がされるよう構成されている。そして、前記CPU110は、ROM111に格納されている所定のプログラムを実行し、これに応じて生成される制御信号を、I/Oポート115を介して上記した各作動要素に供給することで各作動要素を制御し、魚釣用電動リール全体を制御する機能を有する。
また、前記ROM111は、CPU110によって実行される各種プログラムや、制御処理に必要とされるデータ(例えば、糸長計測装置140から入力される検知信号に基づいて糸長を計測する演算プログラム、操作部材25の操作角度とそれに対応して駆動モータ8の回転速度を可変させるデューティ比を特定する可変制御テーブル、液晶表示部16で文字や数字などの画像を表示させるための画像表示データなど)が記憶されている。また、前記RAM112は、作業領域を備えており、前記プログラムが作動している際に、処理手順やデータなどを一時的に記憶する機能を備えている。
前記操作ボタン16a,16bは、例えば、投入した仕掛けを所望の深さで停止させる深さ情報、駆動モータ8の出力の可変範囲を変更する出力範囲設定情報など、釣り人から各種の情報を受け付ける。
前記糸長計測装置140は、スプール7が釣糸の繰り出し/巻き取りで回転駆動された際、例えば、回転部分に装着されたマグネットと、これを検知する磁気センサによって実際の回転量や回転方向を検知し、その検知信号を生成する。
また、前記モータ駆動回路170は、スプール7を回転駆動する駆動モータ8を駆動制御する機能を備える。具体的には、モータ駆動回路170は、例えば、前記CPU110からの制御信号(PWM信号;パルス幅変調信号)に基づいて、駆動モータに対する駆動電流通電時間率(デューティ比)を可変制御し、駆動モータ8を停止状態(OFF状態)から高速回転状態(Max状態)まで連続的に増減調節する。なお、前記CPU110からは、操作部材25の初期位置(OFF位置)から実際の操作量を検知する角度センサによる検知信号に基づいて、角度毎に設定されているデューティ比に関する制御信号が出力される。
前記表示制御回路160は、前記CPU110の制御に基づいて駆動され、液晶表示部16に対して、例えば、現在の釣糸の繰り出し量、仕掛けを投入してからの時間、駆動モータ8の駆動速度(インジケータによる表示でも良い)、或いは、操作方法やメッセージなど、釣り人に対して各種情報を表示させる機能を有する。
操作部材25の操作回転角を検出するための角度センサ130は、操作部材25の操作角度に応じた信号を生成する機能を備えたものであれば良く、例えば、操作部材の操作量に応じた抵抗値の変化を出力するポテンショメータを備えたもの、或いは、操作量に応じたパルスを生成するエンコーダを備えたものなど、様々な構造のものを適用することが可能である。
そして、上記した構成において、リール(リール本体5)の各構成部材は、前記操作部材25の操作部25aと、クラッチOFF切換部材18の操作部18aとの間を最短となる仮想直線で結んだ際、その仮想直線を避けるように配置されている。この場合、操作部材25は、リール本体(制御ケース)に対して回転可能に支持され、クラッチOFF切換部材18の操作部18aは、リール本体に対して上下方向に移動可能となるように支持されており、それぞれの操作部の操作領域は、ある程度の幅や長さを持った構成となっている。また、上述した探り操作では、駆動モータ8の駆動を停止した状態でクラッチOFFすることから、駆動モータを停止させたときの操作部材25の操作部25aの位置(ここでは、モータ出力0のときに、操作可能な最も後端となる位置)と、そのときのクラッチOFF切換部材18の操作部18aの位置(クラッチONのときの操作部18aの位置)との関係で前記仮想直線を考慮する。すなわち、仮想直線とは、各操作部において、指を当接して操作が可能となる位置の範囲内で、両操作部を最短距離(湾曲しない直線を意味する)で結んだもの同士すべてが該当し、その間に指の移動の妨げとなるリールの構成部材が存在しなければ良い。両部材がこのような配置関係となっていれば、探り操作をしている状態において、操作部材25の操作部からクラッチOFF切換部材18へ指を移動する際、何ら障害物が存在しないため、指の移動操作をスムーズかつ素早く行うことが可能となる。
本実施形態における仮想直線について具体的に説明すると、仮想直線は、前後方向、上下方向、左右方向に幅(高さ)を有する前記クラッチOFF切換部材18の操作部18aにおいて、操作部の形状を特定する任意の点(操作可能な領域内の任意の点)と、前記操作部材25が停止位置(モータ出力0)となったときの操作可能な領域を特定する任意の点を、最短距離となる直線で結んだ線によって定義される。もちろん、このような仮想直線は、両部材間で無限に存在するが、現実的には、最も操作される部分同士によって定義されれば良く、その間にリールの構成部材が存在しなければ良い。すなわち、本実施形態の構成では、クラッチOFF切換部材18の操作部18aは、最も窪んだ中央部18cに指が載置されて押し下げ操作されることから、少なくとも、その中央部の前後方向における端部位置P1,P2(図7参照)と、操作部材25のモータ出力値が0となった状態の操作部の端部位置、具体的には、操作部材が略円筒形状であるため、その最も後端で左右方向において操作可能な端部位置P3,P4(図3参照)を結ぶ直線上に、リール本体5の各構成部材が存在しないように構成されていれば良い。このような点(P1,P3)(P1,P4)を結ぶ直線、(P2,P3)(P2,P4)を結ぶ直線上にリールの構成部材が存在しなければ、通常の操作をする際、指の移動が妨げられることはない。
このように、操作部材25、及びクラッチOFF切換部材18は、両者の操作可能となる位置同士を最短距離となる直線で結んだ際、各操作部間には、指の移動を妨げる部材が存在しないため、最短距離で指を動かすことができ、探り操作をしている際の指の移動操作をスムーズかつ素早く行うことが可能となる。また、指を大きく移動させることもないため、リール本体5の把持保持性を低下させることもなくなる。
また、本実施形態では、操作部材25、及びクラッチOFF切換部材18を、共に左右側板5A,5B間に設置したことから、上記したように定義される仮想直線は、左右側板5A,5B間に収まるような構成となっている。
これにより、探り操作する間、リール本体5を把持保持している親指部分が、リールの左右方向の中心域に存在することとなり、回転モーメントが小さくなって把持保持性の向上が図れるようになる。なお、上記したように定義される仮想直線上に、リール本体の構成部材が存在しなければ、操作部材25、及びクラッチOFF切換部材18のいずれかを、左右側板上やその外側に設置しても良い。
さらに、上記した構成においては、スプール7は、軸方向から視認した際(図7参照)、前記仮想直線がスプール7のフランジ7fの外径の±10%の範囲の領域を通過するように設置されていることが好ましい。すなわち、スプール7に巻回される釣糸は、フランジ7fを超えて巻回されることはなく、最大巻回量が略フランジ7fと同じ位置となり、実際に探り操作する際には、釣糸は放出された状態にあるため、仮想直線が−10%の位置を通過しても、指の移動に支障なく許容範囲となる(なお、+10%を超えると、リール本体が大型化する傾向となり、好ましくない)。図7においては、仮想直線の内、最もスプールに近くなる仮想直線L1を示しており、実際に、操作部同士を結ぶ仮想直線は、直線L1よりも上方側(スプールから径方向外方側)となる。ここでは、最も上方側となる仮想直線L2(P2と、操作部材25の外周面を結ぶ直線L2)が、スプール7のフランジ7fの外径の+10%の範囲内となっていれば良い。
このように構成することで、操作部材25の操作部(外周面)とクラッチOFF切換部材18の操作部18aとの間の距離を短く設定しながらサミング状態の指の位置を、より好ましい位置、具体的には、サミング性の良い位置、サミングしながら操作部材の操作部分へ指先を触れることが可能な位置、サミングしながらクラッチOFF操作が可能な位置に確保することが可能となる。また、操作部材25の操作部(外周面)からクラッチOFF切換部材への指の移動の際、スプール7に巻回された釣糸が邪魔になることがなく、巻回された釣糸表面外周位置を理想的な位置にすることが可能となる。すなわち、例えば、探り操作する際には、釣糸はある程度放出された状態にあることから、指を移動させる際、釣糸が邪魔になるようなこともない。さらに、上記のような配置関係については、クラッチOFF切換部材18の中央を最も低い位置となるように大きく湾曲させたことで、容易に実現することが可能となる。
また、上記した制御ケース15には、図7および図11に示すように、制御ケース15の後方側下端部分に、操作部材25とスプール7との間で後方側に向けて突出する誤動作防止部としての保護カバー15cを設けておくことが好ましい。このような保護カバー15cを形成しておくことにより、釣糸を巻き取り操作する際、釣糸に付着したゴミや異物が操作部材25に当たることを防止して、誤動作が生じることを防止することが可能となる。なお、誤動作防止部15cは、制御ケース15と一体部品であっても良いし、金属の薄板材を制御ケース15に接合しても良い。
次に、上記した構成の魚釣用電動リールを用いて、実際に船釣りをする際の動作について図13から図22を参照して説明する。なお、以下に例示する一連の魚釣り操作は、釣竿とともにリール本体を把持した手持ち状態で行うことが可能である。
最初、釣竿とともにリール本体5を把持している手の親指で、スプール後方側に配設されているクラッチOFF切換部材18の操作部18aを押し下げ操作することで、クラッチ機構をON状態からOFF状態に切り換える(図13(a),(b)及び、図14,図15参照)。クラッチ機構をON状態からOFF状態に切り換えると、スプール7はフリー回転状態となり、仕掛けは落下する。このとき、クラッチON切換部材19は揺動して、その操作部19aは右側板5Bの表面から突出して押圧操作可能な状態となる。また、仕掛けが落下して着底(所定の棚に到達)するまでは、バックラッシュが生じ易いものの、リール本体5を把持している親指Tを、そのままクラッチOFF切換部材18の操作部18aから釣糸表面に延ばしてサミングすることで、バックラッシュを防止することが容易に行える(図16参照)。
仕掛けが着底したり、所定の棚まで落下した際(通常、糸巻量は、ほぼ半分程度となるように設定されている)、サミングしている状態の親指(図17参照)を側方にずらして、突出した状態にあるクラッチON切換部材19の操作部を押圧することで、容易にクラッチONに切り換えることが可能となる(図13(c)参照)。
図13(c)で示すように、仕掛けが所定の棚(魚がいる下層域)まで落下すると、図18に示すように、スプール7に巻回されている釣糸Sは、その巻回表面S1が、上記したように定義される仮想直線よりも確実に低く(内径側)なり、親指Tをサミングしながら、次のアクション(魚信感知、探り操作、巻き取り操作、アオリ操作など)を待機するのに都合の良い位置関係となる。なお、図18で示す状態における魚の魚信は、クラッチON状態であっても、スプールと逆転防止機構の間にはギヤが複数噛合しているため、スプールは回転方向に遊度があり、その遊度を利用して感知することが可能である。
また、実際に探り操作をする場合、魚のいる棚を集中的に探るように、例えば、図13(d)から図13(f)で示すように実行される(ここでは、そのような探り操作を、コマセ釣りを例にして説明する)。
まず、図13(c)に示すように、仕掛けを放出して仕掛けが所望の棚に着底した後、図13(d)に示すように、コマセ振りを行う。このコマセ振りのときは、図41や図42で示すように、しっかりとリール本体5を把持して実施することができる。また、魚の魚信を待つのであれば、図18に示したように、サミングしながら操作部材25に親指Tを当てておくことができるため、魚信を感知し易いと共に、魚信があった場合、直ちに巻き取り操作に移行することが可能となる。
コマセカゴを振ってコマセを放出した後は、棚の上層域まで低速巻き取り駆動操作してエサをコマセ放出領域まで巻き上げる(図13(e)参照)。このとき、仕掛けの巻き取り駆動は、図18に示すように、サミングしたままの状態で親指Tの先端を操作部材25の表面(操作部25a)に当て付け、操作部材25をそのまま回転させることで行うことが可能である。或いは、図19及び図20に示すように、サミング操作することなく、操作部材25を転がすようにして親指を移動することでも可能である。或いは、リール本体を掌全体で保持している状態で、そのまま親指を前方に向けて押し付けて操作部材25を回転させたり(図19参照)、上方から押し付けて操作部材25を回転させることでも行うことが可能である(図20参照)。
そして、棚の上層域まで仕掛けを巻き上げた後、再び仕掛けを所定の棚(魚がいる下層域)まで落下させる(図13(f)参照)。この操作は、図20に示す状態から図22に示すように、操作部材25に親指Tの先端側を当てながらそのまま後方にずらして、駆動モータ8の駆動をOFFにし(図20及び図21参照)、さらに、そのまま親指Tの根元側でクラッチOFF切換部材18の操作部18aを押し下げ操作することで行うことが可能である(図22参照)。このとき、上記したように定義される仮想線上には、何ら障害となる部材が存在していないことから、図13(e)に示す状態から図13(f)に示す状態までを、スムーズかつ素早く行うことが可能となる。なお、クラッチ機構をON状態からOFF状態に切り換えると、スプール7はフリー回転状態となり、仕掛けは急速に落下するものの、図22に示すように、そのまま親指Tの腹部でサミング操作することができるため、その落下速度を容易に調整したり、仕掛けを所望の量だけ容易に落下させることが可能となる。
そして、図13(d)から(f)に示すような一連の操作(探り操作)においては、クラッチ機構ON、仕掛けの巻き取り(駆動モータの巻き取り駆動)、駆動モータの停止、クラッチ機構のOFF、の各操作が繰り返されるが、このような各操作は、上記したように、仮想線上に障害となる部材が存在しないことから、サミングしている親指を、そのまま後方にずらしてクラッチOFFとしたり、そのまま前方にずらして巻き取り操作が行えるため、上記のような一連の探り操作を、片手の親指でスムーズかつ素早く行うことが可能となる。
また、図18や図21に示す状態(魚信感知状態)で実際に魚信があった場合、その親指を瞬時に図19及び図20に示す状態(リール本体を把持保持した状態)にして駆動モータを巻き取り駆動できるため、瞬時にフッキングすることも可能となる。
さらに、図13(g)に示す所定の棚位置にある状態から、駆動モータを巻き上げながらのシャクリ操作(ゆっくりと釣竿を引き上げる操作を行っても良い)や、誘い操作を行って仕掛けを上昇させることもあるが(図13(h)参照)、このようなシャクリ操作(誘い操作)をしながらの駆動モータの巻き上げ駆動は、図18から図20で示すような態様で行うことが可能である。特に、この巻き上げ駆動状態では、図18に示すようなサミング操作をすることが容易であるため、魚信も感知し易く、魚信があった場合は、直ちに巻き取り操作に移行することが可能となる。さらに、竿を高くシャクリ上げたときに魚信があっても、直ちに、図18から図20に示すように、操作部材25に当接する親指Tを移動して、そのまま巻き取り操作することでフッキングすることが可能となる(図13(i)参照)。そして、魚をフッキングした後は、そのまま親指Tを側方にシフトして制御ケース15を押さ付けるようにしてリール本体を把持保持することもでき、安定した状態で釣竿を操作することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、上記したような探り操作をする際、操作部材25からクラッチOFF切換部材18へ指を移動する際、操作部材に当接している親指を直線的に移動することが可能となるので、釣糸巻き取り状態から仕掛け落とし込み操作をスムーズかつ素早く行うことが可能となる。また、そのような親指の簡単な移動操作が行えるため、リール本体の把持保持性を低下させることもない。
また、本実施形態では、制御ケース15の後端側部位の中央に、前方側に向かって延びる凹陥部210を設け、この凹陥部210内に、略円筒形状の操作部材25を回転可能に支持しているため、手持ち状態で、釣竿とリール本体5とを片手で把持しながら、サミング操作からスプールの巻き取り操作に至る一連の操作をスムーズに行えるようになる。すなわち、操作部材25を、リールが装着される釣竿と共にリール本体5を片手で把持する手の親指Tが届く位置に配設できるため、サミング操作からスプール7の巻き取り操作に至る一連の操作が違和感なくスムーズに行えるようになる。特に、本実施形態では、操作部材25をスプール7の上方で且つ制御ケース15の後方側の位置に配設しているため、重心に近い位置でリール本体5を把持しつつ操作部材25を操作することも可能になり、また、操作に伴う回転モーメントが大きくなって操作に疲れを来たすような事態も回避できる。すなわち、重心バランス、操作性、および、把持性に優れた操作部材25の配置を実現できる。
また、本実施形態によれば、凹陥部210が制御ケース15を上下に貫通しているため、操作部材25の大きさに関係なく制御ケース15を薄肉に形成することができ、リール本体をコンパクトに形成して良好な把持保持性を確保できる。また、このように制御ケース15を薄く形成できれば、操作部材25の設置位置を低くできるとともに、操作部材25の小型化も図ることができ、結果として、リール本体の小型化、リールの把持性および操作部材の操作性を向上できる。さらに、本実施形態では、制御ケース15は、その前後方向の長さ寸法が左右方向の長さ寸法よりも長く設定されているため、凹陥部210内に配置される操作部材25との関係において制御ケース15の他の構成要素の配置スペースを効率的に確保することが可能になるとともに、操作部材25の支持強度を十分に確保するケース構造も実現できる。
図23から図25はそれぞれ略円筒形状の操作部材の変形例を示しており、各図における(a)は制御ケース部分を示す平面図、各図における(b)は操作部材の断面図、そして、各図における(c)は操作部材の側面図である。なお、各図(c)において、P5は、各操作部材のモータ出力値が0となった状態の端部位置(操作部)を示す。
操作部材を上述した実施形態のように略円筒形状に構成するのであれば、その略円筒形状については、種々変形することが可能である。具体的には、回転操作可能であり、その操作表面部が、左右側板と制御ケースとの間でスプールを露出させる開口に面して、サミングしている親指をそのまま延ばして当接できるような形状であれば良い。
例えば、図23に示す操作部材55は、回転軸56が両軸支持されており、その中間部分が湾曲面によって収縮した鼓形状にすると共に、その周囲に、周方向に沿って連続して凹溝55aを形成している。このような構成では、親指の腹部がフィットし易いと共に、滑りが生じ難くなる。また、図24に示す操作部材60は、回転軸61が両軸支持されており、その中間部分が湾曲面によって膨出した樽形状にすると共に、その周囲に、周方向に沿って連続して突起60aを形成している。このような構成では、親指の腹部が掛かり易くなって、滑り難く操作性の向上が図れるようになる。また、図25に示す操作部材70は、回転軸71が両軸支持されており、円筒形状の表面の一部にレバー部(操作部)70aを形成している。このような構成では、初期値(駆動モータの出力が0)となる位置を明確化することができ、また、置き竿時における揺れる船上においても、レバー部70aを摘んで操作できることから、操作性の向上が図れるようになる。
そして、上記した各変形例では、いずれも、上記した実施形態と同様、操作部材の操作部(P4で示す部分)とクラッチOFF切換部材18の操作部との間には、リールの構成部材が存在しないため、モータ出力を0にしたときの操作部材に当接している親指を、直線的にクラッチOFF切換部材18の操作部に移動することが可能となるので、釣糸巻き取り状態から仕掛け落とし込み操作をスムーズかつ素早く行うことが可能となる。また、そのような親指の簡単な移動操作が行えるため、リール本体の把持保持性を低下させることもない。なお、いずれの図面も、最も操作され易い部分をP5として点で示したが、操作部材における操作部は、その露出表面側でもあり、このように操作部を広くとっても、クラッチOFF切換部材18の操作部との間には、リールの構成部材が存在することはない。
図26及び図27は、本発明の第2の実施形態を示す図であり、図26は、魚釣用電動リールの制御ケースの平面図、図27は、魚釣用電動リールの縦断面図である。
この実施形態の制御ケース15には、その後端部位が、円弧状に切り欠かれており、その円弧状の内面211に沿うようにして、板状の操作部材75がスライド可能に支持されている。制御ケース15の後端領域には、円弧状に延出する空洞部15eが形成されており、この内部に、板状の操作部材75を保持した支持部材240が設置されている。この場合、板状の操作部材75は、後方に向けて突出する矩形状の平板部75aが操作部となっており、図26の実線で示す中央位置が、モータ出力0に設定され、左側板側に向けてスライド移動するに連れて、モータ出力が増加するように設定されている。
そして、上記した実施形態と同様、操作部材75とクラッチOFF切換部材18の操作部との間、具体的には、操作部材75のモータ出力値が0となった状態の端部位置P3,P4と、クラッチOFF切換部材18の中央部の前後方向における端部位置P1,P2とを結ぶ直線上に、リール本体5の各構成部材が存在しないように構成されている(図では、操作部(平板部75a)の端部位置P3と、クラッチOFF切換部材の端部位置P1とを結んだ仮想直線L1が示されている)。
このような構成においても、上記した実施形態と同様な作用効果が得られると共に、操作部材75については、操作部を平板状としたことで、図27の矢印で示すように、上方から把持することが可能となり、安定した把持保持性を実現することができる。また、制御ケースを円弧状に切り欠いて、その円弧面に沿って平板状の操作部材を突出させているため、サムレストとしての効果も得られる。
図28及び図29は、本発明の第3の実施形態を示す図であり、図28は、魚釣用電動リールの制御ケースの平面図、図29は、魚釣用電動リールの縦断面図である。
この実施形態の制御ケース15の後端側には、後方に向けて下降する傾斜面212が形成されており、その傾斜面212の中央領域に前後方向に沿うように形成された摺動溝213に、操作部材80が傾斜面に沿ってスライド可能に支持されている。この場合、操作部材80は、前後方向よりも左右方向に大きく延びるブロック体として構成されており、図28の実線で示す傾斜面の下端位置が、モータ出力0に設定され、前方に向けてスライド移動するに連れて、モータ出力が増加するように設定されている。
そして、上記した実施形態と同様、操作部材80の操作部(表面部分80a)とクラッチOFF切換部材18の操作部との間、具体的には、操作部材80のモータ出力値が0となった状態の端部位置P3,P4と、クラッチOFF切換部材18の中央部の前後方向における端部位置P1,P2とを結ぶ直線上に、リール本体5の各構成部材が存在しないように構成されている(図では、操作部80aの端部位置P3と、クラッチOFF切換部材の端部位置P1とを結んだ仮想直線L1が示されている)。
このような構成においても、上記した実施形態と同様な作用効果が得られると共に、操作部材80については、制御ケース15をリール本体と共に深く握り込んだ状態でスライド操作することができるため、把持保持性の向上が図れる。
図30及び図31は、本発明の第4の実施形態を示す図であり、図30は、魚釣用電動リールの制御ケースの平面図、図31は、魚釣用電動リールの縦断面図である。
この実施形態の制御ケース15は、その後端部位が、凹形状に切り欠かれており、その中央凹部215の中央に、略円筒形状の操作部材85が回転可能に支持されている。この場合、操作部材85の支軸86は、前後方向に延びて回転可能に支持されており、操作部材85は、左右方向(D2方向)に回転可能に支持されている。略円筒形状の操作部材85は、円筒部85a、及びこの円筒部の後端から後方に向けて次第に縮径する略円錐部(円錐台形状)85bが回転操作可能な操作部となっており、図30の位置がモータ出力0に設定され、ここから左側(右側でも良い)に回転操作することでモータ出力が増加するように設定されている。
そして、上記した実施形態と同様、操作部材85とクラッチOFF切換部材18の操作部との間、具体的には、操作部材85のモータ出力値が0となった状態の端部位置(略円錐部85bの先端位置P6や円筒部85aの後端位置P7と、クラッチOFF切換部材18の中央部の前後方向における端部位置P1,P2とを結ぶ直線上に、リール本体5の各構成部材が存在しないように構成されている(図では、操作部85aの端部位置P6と、クラッチOFF切換部材の端部位置P1とを結んだ仮想直線L1が示されている)。
このような構成においても、上記した実施形態と同様な作用効果が得られる。
図32から図37は、本発明の第5の実施形態を示す図であり、図32は、魚釣用電動リールの平面図、図33は、図32のF−F線に沿う断面図、図34は、図32のG−G線に沿う断面図、図35は、操作部材を後方に移動させた状態を示す平面図、図36は、図35のH−H線に沿った断面図、そして、図37は、操作部材の操作部と、クラッチOFF切換部材の操作部との位置関係を示す断面図である。
この実施形態では、制御ケース15の後端側において、左右側板5A,5B間を横架するように操作部材90を設置している。操作部材90の操作部90aは、スプール7のスプール軸7aより前方側で前後方向に回動できるように支持されており、図32で示すモータMax位置では、その操作部90aの位置(Yで示す)は、スプール軸7aよりも前方となるように設定されている。また、操作部材90は、スプール軸7aを中心とした円弧に沿って回動可能に支持されている(スプール7のフランジ7fの外縁から径方向の所定の範囲内で円弧状に回動可能に支持されている)。
このため、それぞれの側板5A,5Bには、略円弧状の凹所5c,5dが形成されており、この部分に、前記操作部材90と一体化される移動体91,92が収容されている。そして、各移動体91,92には、係止部91a,92aが形成されており、これらは、前記凹所5c,5dに形成された円弧状の溝5e,5fに係合されている。また、一方の移動体92には、ラック92bが形成されており、このラックには、角度センサ130に装着されるピニオン131が噛合している。
また、上記した構成において、左右側板間に横架される操作部90aは、側板5A,5B内でスライド可能な移動体91,92によって回動可能に支持されると共に、最も後方側に回動した位置(図35から図37参照)がモータ出力0に設定され、前方に向けてスライド移動するに連れて、モータ出力が増加するように設定されている(図32から図34は、モータ出力がMaxになった位置を示している)。
そして、上記した実施形態と同様、操作部材90とクラッチOFF切換部材18の操作部との間、具体的には、操作部材90の操作部90aのモータ出力値が0となった状態の端部位置P3,P4と、クラッチOFF切換部材18の中央部の前後方向における端部位置P1,P2とを結ぶ直線上に、リール本体5の各構成部材が存在しないように構成されている。なお、図36では、操作部90aの端部位置P3と、クラッチOFF切換部材の端部位置P1とを結んだ仮想直線L1が示されており、図37では、操作部90aの端部位置P3´と、クラッチOFF切換部材の端部位置P1とを結んだ仮想直線L1´が示されている(いずれも、その仮想直線上に、リールの構成部材が存在していない)。
このような構成においても、上記した実施形態と同様な作用効果が得られる。また、本実施形態の操作部材90の操作部90aは、スプール7のスプール軸7aよりも前方で回動可能に構成されているため、サミング操作スペースを広く確保でき、操作がし易くなる上、糸絡みやバックラッシュの際の修復も容易になる。さらに、操作部90aは、スプールの糸巻面の曲率と、その移動軌跡が近似するため、手持ち状態で釣竿とリール本体を片手で把持しながらであっても、サミング操作からモータ出力操作へと一連の操作を優れた操作フィーリングをもってスムーズに行えるようになる。
図38から図40は、本発明の第6の実施形態を示す図であり、図38は、魚釣用電動リールの平面図、図39は、図38のI−I線に沿う断面図、図40は、図38のJ−J線に沿う断面図である。
この実施形態では、左右側板5A,5Bの間に、モータの出力を調整する操作部材95とクラッチOFF切換部材18Aを、振り分けて並列して設置している。すなわち、操作部材95は、略円筒形状に構成され、左側板5Aの内面から中央部分で終端するように設置されており、クラッチOFF切換部材18Aは、右側板5Bの内面から中央部分で終端するように設置されている(両者の先端は、当接することなく、並列して設置される)。この場合、操作部材95は、回転可能に支持されており、その支軸96の基端側にギヤ列97が設置されて、角度センサ130に装着されるギヤ132が噛合している。
このように操作部材95とクラッチOFF切換部材18Aを構成することで、両者の間には、リール本体5の各構成部材が存在しないようになり、かつ、上述したように定義される仮想直線は、左右側板間に収まるため、上述した実施形態と同様な作用効果が得られると共に、把持保持性も向上する。特に、操作部材95の操作部95aの上面と、クラッチOFF切換部材18Aの操作部18aを略同一の高さにすることで、上記したような探り操作をする際、操作部材95からクラッチOFF切換部材18Aへ指を移動する際、操作部材に当接している親指を横方向にスライドさせるだけで済むため、釣糸巻き取り状態から仕掛け落とし込み操作をスムーズかつ素早く行うことが可能となる。
なお、操作部材95は、回転操作するのではなく、左側板の内面に沿って回動移動したり、直線状に移動する構成であっても良い。
以上のように例示した魚釣用電動リールは、図41に示すように、釣竿とともに片手でリール本体を把持保持しながら各種の操作が行える手持ちタイプ(小型タイプ)のものに適用することができる。勿論、図42に示すように、一方の手で釣竿を握持するとともに他方の手でリール本体を把持保持しながら各種の操作を行う中型から大型タイプのものに適用しても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、駆動モータの出力を調整する操作部材の操作部と、クラッチOFF切換部材の操作部との間を最短となる仮想直線で結んだ際、その仮想直線にリールの構成部材(釣糸を除く)が配置されていなければ、操作部材やクラッチOFF切換部材の設置位置、設置方法、及び操作方向など、適宜変形することが可能である。図に示した構成では、両部材は、左右側板間に位置するように設置されていたが、いずれか一方の側板に設置されていても良い。
1 魚釣用電動リール
5 リール本体
5A,5B 左右側板
6 手動ハンドル
7 スプール
7a スプール軸
7f フランジ
8 駆動モータ
15 制御ケース
17 クラッチ機構
18 クラッチOFF切換部材
18a 操作部
19 クラッチON切換部材
25,55,60,75,80,85,90 操作部材

Claims (8)

  1. リール本体の左右側板間に設けられ、釣糸が巻回されるスプールと、
    前記リール本体に設けられ、スプールを回転駆動する駆動モータと、
    前記駆動モータの出力を調整する操作部材と、
    前記スプールを、釣糸巻き取り状態からフリー回転状態に切り換え操作するクラッチOFF切換部材と、
    を有する魚釣用電動リールにおいて、
    前記操作部材の操作部と、前記クラッチOFF切換部材の操作部との間を最短となる仮想直線で結んだ際、その仮想直線を避けてリールの各構成部材を配置したことを特徴とする魚釣用電動リール。
  2. 前記リール本体は、前記仮想直線が左右側板間に収まるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用電動リール。
  3. 前記スプールは、軸方向から視認した際、前記仮想直線が前記スプールのフランジ外径の±10%の範囲となるように設置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の魚釣用電動リール。
  4. 前記操作部材と前記クラッチOFF切換部材は、前記リール本体を上面視した際、前記操作部材の操作移動方向が、前記操作部材の操作部中心と前記クラッチOFF切換部材の操作部中心とを結ぶ直線に略平行となるように設置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の魚釣用電動リール。
  5. 前記操作部材は、前記クラッチOFF切換部材に近い方向が、前記駆動モータの低速駆動側となるように設置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の魚釣用電動リール。
  6. 前記クラッチOFF切換部材は、前記スプールの後方で、前記リール本体の左右側板間に配置されており、後方から視認した際、その操作面の中央が最も低い位置となるように形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の魚釣用電動リール。
  7. 前記操作部材と前記クラッチOFF切換部材は、後方視左右方向における、それぞれの中心位置が、前記リール本体の竿取付部の上方で、その幅の範囲内となるように設置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の魚釣用電動リール。
  8. 前記操作部材は、略円筒形状に構成され、前記リール本体に回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の魚釣用電動リール。
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