JP2012219824A - 一方向空転型トルクリミッタ - Google Patents

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声一 高田
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貴志 山本
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Abstract

【課題】軸方向長さを大幅に長くすることなく伝達トルク容量の増大化を図ることができるようにした一方向型トルクリミッタを提供することである。
【解決手段】外輪1と、その内側に組み込まれた内輪8との間にトルクリミッタ用コイルばね10を組込み、内輪8と、その内側に挿通された回転軸13との間に回転軸13と内輪8の相互間で一方向の回転を伝達し、他方向の回転伝達を遮断するクラッチ用コイルばね14を組込む。クラッチ用コイルばね14として、内輪8の突出部の外径面を緊縛する大径コイルばね部14aと、その大径コイルばね部14aの巻き終わり端に連設されて内径方向に渦巻き状に延びる連設部14bと、その連設部14bの小径端に連設されて大径コイルばね部14a内に配置され、回転軸13の外径面を緊縛する小径コイルばね部14cとを有する二重コイルばねを用いて軸方向長さを大幅に長くすることなく伝達トルク容量の増大化を図る。
【選択図】図1

Description

この発明は、プリンタや複写機、ファクシミリなどの紙送り機構等に組込まれるトルクリミッタ、特に、一方向空転型トルクリミッタに関する。
プリンタや複写機、ファクシミリなどの紙送り機構等に組込まれる一方向空転型トルクリミッタとして、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。
上記一方向型トルクリミッタにおいては、外輪の内側に組み込まれた内輪部材を内側内輪部材と外側内輪部材とに分割し、上記外輪の内側に組み込まれたトルクリミッタ用コイルばねによって上記内側内輪部材の外径面を緊縛し、上記内側内輪部材と外側内輪部材の外径面のそれぞれを緊縛するクラッチ用コイルばねを内側内輪部材と外側内輪部材の外径面に跨る組込みとし、そのクラッチ用コイルばねが内側内輪部材を締め付ける緊縛力を外側内輪部材を締め付ける緊縛力より弱くし、上記トルクリミッタ用コイルばねとクラッチ用コイルばねの巻き方向を反対向きとした構成としている。
上記の一方向型トルクリミッタにおいては、外輪の一方向の回転をトルクリミッタ用コイルばねを介して内側内輪部材に伝達し、その内側内輪部材の一方向の回転によりクラッチ用コイルばねを縮径させて内側内輪部材に対する緊縛力を高め、その内側内輪部材の回転を外側内輪部材に伝達している。
そして、トルク負荷が大きくなった場合に、トルクリミッタ用コイルばねを拡径させ、そのトルクリミッタ用コイルばねと内側内輪部材の接触部で滑りを生じさせて、外輪から内側内輪部材への回転伝達を遮断するようにしている。
また、外輪の他方向への回転時には、その外輪の回転をトルクリミッタ用コイルばねを介して内側内輪部材に伝達し、その内側内輪部材の他方向の回転によりクラッチ用コイルばねを拡径させ、内側内輪部材とクラッチ用コイルばねの接触部で滑りを生じさせるようにしている。
上記のような一方向型トルクリミッタにおいては、クラッチ用コイルばねのトルク容量がトルクリミッタ用コイルばねのトルク容量より小さくなると、外輪の一方向の回転を外側内輪部材に伝達することができなくなるため、クラッチ用コイルばねは、トルクリミッタ用コイルばねのトルク容量に応じた大きさのトルク容量が必要とされる。
特開平9−88997号公報
ところで、特許文献1に記載された一方向型トルクリミッタにおいては、上記のように、軸に回転トルクを伝達する外側内輪部材と内側内輪部材とに跨る組込みとされて、その外側内輪部材と内側内輪部材の相互間で一方向の回転を伝達するクラッチ用コイルばねが一重巻きのコイルばねからなるため、伝達トルク容量の大きなトルククラッチを得ようとすると、クラッチ用コイルばねの巻き数を多くする必要があり、一方向型トルクリミッタの軸方向長さが長くなって大型化するという不都合がある。
この発明の課題は、軸方向長さを大幅に長くすることなく伝達トルク容量の増大化を図ることができるようにした一方向型トルクリミッタを提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、外輪と、その外輪内に組み込まれて一方の端部が外輪の端部より外側に突出し、その突出部の端部内に大径のばね収容凹部が形成された内輪と、その内輪内に挿通された回転軸と、前記内輪の外径面を緊縛し、両端部が外輪または外輪と一体に回転する部材に係合されたトルクリミッタ用コイルばねと、前記回転軸と内輪の相互間で一方向の回転を伝達し、他方向の回転伝達を遮断するクラッチ用コイルばねとからなり、前記クラッチ用コイルばねが、前記内輪の突出部の外径面を緊縛する大径コイルばね部と、その大径コイルばね部の巻き終わり端に連設されて内径方向に渦巻き状に延びる連設部と、その連設部の小径端に連設されて大径コイルばね部内に配置され、前記回転軸の外径面を緊縛する小径コイルばね部とを有する二重コイルばねとされ、そのクラッチ用コイルばねにおける大径コイルばね部と小径コイルばね部の巻き方向を反対とし、前記トルクリミッタ用コイルばねとクラッチ用コイルばねの大径コイルばね部の巻き方向を反対とした構成を採用したのである。
上記の構成からなる一方向空転型トルクリミッタにおいて、クラッチ用コイルばねの小径コイルばね部と大径コイルばね部は巻方向が異なるため、小径コイルばね部が縮径すると、大径コイルばね部も縮径して内輪を締め付けることになる。
このため、小径コイルばね部が縮径する方向に回転軸が回転すると、大径コイルばね部が縮径して内輪を締め付けることになるため、回転軸の回転はクラッチ用コイルばねを介して内輪に伝達され、内輪が回転軸と同方向に回転する。
このとき、トルクリミッタ用コイルばねは内輪の外径面を緊縛しているため、内輪の回転はトルクリミッタ用コイルばねを介して外輪に伝達され、外輪が内輪と同方向に回転する。
ここで、トルクリミッタ用コイルばねはクラッチ用コイルばねの巻き方向と反対であるため、内輪から外輪への伝達トルクがトルクリミッタ用コイルばねのトルク容量を超えると、トルクリミッタ用コイルばねが拡径して内輪との接触部で滑りが生じ、内輪から外輪への回転伝達が遮断し、内輪がフリー回転する。
一方、回転軸を上記と反対の方向に回転すると、その回転は小径コイルばね部から大径コイルばね部に伝達され、小径コイルばね部および大径コイルばね部の双方が拡径する。この時、小径コイルばね部と大径コイルばね部との間で緊縛力が相違していると、緊縛力の弱い部分で滑りが生じ、回転軸の回転は内輪に伝達されず、回転軸がフリー回転する。
ここで、回転軸の一方向の回転を内輪に伝達し、他方向の回転伝達を遮断するクラッチ用コイルばねは大径コイルばね部の内側に小径コイルばね部を設けた二重コイルばねであるため、一重コイルばねからなるクラッチ用コイルばねに比較して、トルク容量を同じとすると軸方向長さは一重コイルばねからなるクラッチ用コイルばねの1/2の長さとなり、逆に、軸方向長さを等しくするとトルク容量が2倍となる。
このため、小径コイルばね部および大径コイルばね部の巻き数を少し増やすことによって伝達トルク容量を大幅に大きくすることができ、二重コイルばねからなるクラッチ用コイルばねの軸方向長さを大幅に長くすることなく伝達トルク容量の増大化を図ることができる。
ここで、クラッチ用コイルばねの大径コイルばね部の緊縛力を小径コイルばね部の緊縛力より小さくしておくと、クラッチ用コイルばねが拡径して回転軸から内輪への回転伝達が遮断される時、大径コイルばね部と内輪の接触部で滑りを生じさせることができ、回転軸と小径コイルばね部との接触部での潤滑を不要とすることができる。また、小径コイルばね部との接触による回転軸の外径面の摩耗を防止することができるため、回転軸として合成樹脂製のものを採用することができる。
また、クラッチ用コイルばねの小径コイルばね部の巻き終わり端にフックを設け、そのフックを回転軸の外周に形成された係止溝等の係止部に係止すると、回転軸からクラッチ用コイルばねへの回転伝達を確実に行うことができ、クラッチ用コイルばねを確実に機能させることができる。
この発明に係る一方向空転型トルクリミッタにおいて、クラッチ用コイルばねの大径コイルばね部と小径コイルばね部の連設部側の端部が内輪の端面から外部に露出する組込みであると、回転軸のフリー回転時、その露出端部が周囲に設けられた他の部品に干渉して、安定したフリー回転状態を得ることができない場合が生じる。
そこで、クラッチ用コイルばねの大径コイルばね部と小径コイルばね部の連設部側の端部内に保護リングの一端部を嵌合し、その保護リングの他端部に形成された切欠部にクラッチ用コイルばねの連設部を収容し、回転軸には、その保護リングの一端面が前記内輪の突出部の端面に衝合する状態に保持する止め輪を取付けておくと、クラッチばねの連設部側の端部の外部への飛び出しがなく、安定したフリー回転状態を得ることができる。
また、クラッチ用コイルばねの大径コイルばね部の外側に円筒状の保護カバーを嵌合し、その保護カバーの端部に形成された内向きの係合爪をクラッチ用コイルばねの巻き始め側端部に係合して保護カバーを抜止めすることによって、クラッチ用コイルばねの保護を図ることができる。
この場合、保護カバーの一端部に切欠部を形成し、クラッチ用コイルばねの大径コイルばね部の巻き始め側端部に外向きのフックを設け、そのフックを上記切欠部に係合しておくと、その保護カバーを把持することによってクラッチ用コイルばねの回転を阻止することができるため、回転軸の一方向の回転により、その回転軸との接触によって小径コイルばね部を簡単に拡径させることができる。このため、小径コイルばね内に回転軸をスムーズに挿入することができ、回転軸を簡単に組付けることができる。
ここで、保護カバーの他端部に、クラッチ用コイルばねの大径コイルばね部と小径コイルばね部間に嵌合される保護リングを一体に設けておくと、回転軸に対する止め輪の取付けを不要とし、部品点数の低減によるコストの低減と、組立ての容易化を図ることができる。
この発明に係る一方向空転型トルクリミッタにおいては、クラッチ用コイルばねとして、大径コイルばね部内に小径コイルばね部が設けられた二重コイルばねを採用したことによって、クラッチ用コイルばねの軸方向長さを大幅に長くすることなくトルクリミッタ用コイルばねのトルク容量の増大化を図ることができる。
この発明に係る一方向空転型トルクリミッタの実施の形態を示す縦断面図 図1のII−II線に沿った断面図 (3a)は、クラッチ用コイルばねの正面図、(3b)は、(3a)に示されるクラッチ用コイルばねの縦断面図 この発明に係る一方向空転型トルクリミッタの組立て前の状態を示す縦断面図 回転軸の組付け前の状態を示す縦断面図 図5に示す回転軸を内輪内に組付けた状態の縦断面図 図6のVII−VII線に沿った断面図 この発明に係る一方向空転型トルクリミッタの他の実施の形態を示す縦断面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、外輪1は、一端に端板2を有し、その端板2の中央に軸挿入孔3が形成されている。また、端板2の内面には位置決め凹部4が形成され、その位置決め凹部4の内周がラジアル軸受面5とされている。
外輪1の他端は開口し、その開口端部内にリング状の蓋体6が嵌合されている。蓋体6の内周はラジアル軸受面7とされている。
外輪1の内側には内輪8が組み込まれている。内輪8は、端板2に形成された位置決め凹部4内に一端部が挿入され、その位置決め凹部4の内周のラジアル軸受面5と蓋体6の内周のラジアル軸受面7により両端部が回転自在に支持されて外輪1と同軸上の配置とされている。
内輪8の他端部は蓋体6を貫通して外部に突出し、その突出部の端部内に大径のばね収容凹部9が形成されている。
外輪1の内径面と内輪8の外径面間には左巻きのトルクリミッタ用コイルばね10が組み込まれている。トルクリミッタ用コイルばね10は、小径部10aと、その小径部10aの端部に連設された大径部10bとを有し、上記小径部10aは内輪8の外径面を所定の緊縛力でもって緊縛し、その端部に設けられたフック11が外輪1の端板2に係止されている。また、大径部10bの端部にはフック12が設けられ、そのフック12が蓋体6に係止されている。
ここで、蓋体6は外輪1に対して大きな摩擦力で嵌合されて通常は回転しないが、一定以上の回転トルクを付加することにより回転し、その回転によって小径部10aの緊縛力を調整し得るようになっている。
内輪8の内側には回転軸13が挿通されている。回転軸13と内輪8の他端の突出部間にはクラッチ用コイルばね14が組み込まれている。
図1および図3に示すように、クラッチ用コイルばね14は、大径コイルばね部14aと、その大径コイルばね部14aの巻き終わり端に連設されて内径方向に渦巻き状に延びる連設部14bと、その連設部14bの小径端に連設されて大径コイルばね部14a内に配置された小径コイルばね部14cとを有する二重コイルばねからなり、上記大径コイルばね部14aは右巻きとされてトルクリミッタ用コイルばね10の巻き方向と相違し、一方、小径コイルばね部14cは左巻きとされて大径コイルばね部14aの巻き方向と相違している。
クラッチ用コイルばね14は、大径コイルばね部14aが内輪8の外径面上に配置され、かつ、小径コイルばね部14cがばね収容凹部9内に配置される組込みとされ、上記大径コイルばね部14aは内輪8の突出部の外径面を緊縛し、小径コイルばね部14cは回転軸13の外径面を緊縛している。
ここで、大径コイルばね部14aの緊縛力は小径コイルばね部14cの緊縛力より弱くなっている。
クラッチ用コイルばね14の大径コイルばね部14aと小径コイルばね部14cの端部間には保護リング15の一端部が嵌合されている。保護リング15の外径は内輪8の外径とほぼ等しく、内径はばね収容凹部9の内径とほぼ等しくなっている。
図1および図2に示すように、保護リング15の他端部には渦巻き状の切欠部16が形成され、その切欠部16内にクラッチ用コイルばね14の連設部14bが収容されている。
保護リング15は、その一端面が内輪8の突出部の端面に衝合し、回転軸13の外周に取付けた止め輪17は、外輪1の凹部4端面とで内輪8および保護リング15を軸方向に位置決めしている。
図1に示すように、クラッチ用コイルばね14の大径コイルばね部14aの外側には保護カバー18が嵌合されている。保護カバー18は大径コイルばね部14aの外周全体を覆い、その一端部内周に形成された環状の係合爪19が大径コイルばね部14aの巻き始め端に係合し、その係合によって保護カバー18は抜止めされている。
また、保護カバー18の一端部には切欠部20が形成され、その切欠部20に大径コイルばね部14aの巻き始め端に設けられた外向きのフック14dが係合している。
実施の形態で示す一方向空転型トルクリミッタは上記の構造からなり、その一方向空転型トルクリミッタの組立てに際しては、蓋体6およびトルクリミッタ用コイルばね10が組み込まれた外輪1の開口側の端部から内部に内輪8を挿入して、図4に示すように、トルクリミッタユニットUを組み立てる。
一方、クラッチ用コイルばね14の大径コイルばね部14aの巻き始め端と小径コイルばね部14cの巻き終わり端間に保護リング15を、その他端部に形成された切欠部16を先にして嵌合して、切欠部16に連設部14bを収容し、図4に示すように、クラッチ用コイルばね14と保護リング15の組立品Uを組み立てる。
上記のようなトルクリミッタユニットUや組立品Uの組立て後、トルクリミッタユニットUにおける内輪8の突出部の端部外周に組立品Uを嵌合し、大径コイルばね部14aが上記内輪8の突出部の外径面を緊縛し、かつ、小径コイルばね部14cがばね収容凹部9内に収容される状態で、クラッチ用コイルばね部14の外側に保護カバー18を嵌合する。
この場合、保護カバー18は係合爪19を先にしてクラッチ用コイルばね14の外側に嵌合し、切欠部20に大径コイルばね部14aのフック14dを係合させ、かつ、係合爪19を大径コイルばね部14aの巻き始め端に係合させて、保護カバー18を抜止めする。その保護カバー18の組付け後、外輪1の軸挿入孔3から内輪8内に回転軸13を挿入し、その回転軸13に止め輪17を取付けることによって、組立てが完了する。
ここで、内輪8の内側に対する回転軸13の組付けに際しては、保護カバー18を把持し、クラッチ用コイルばね14を回り止めする状態で内輪8内に回転軸13を挿入し、その挿入端がクラッチ用コイルばね14の小径コイルばね部14cの巻き終わり端に当接する状態において、回転軸13を軸方向に押し込みつつ一方向に回転させるようにする。
上記のように、回転軸13を軸方向に押し込みつつ一方向に回転させることにより、その回転軸13との接触により小径コイルばね部14cが拡径し、回転軸13を簡単に組付けることができる。
ここで、図5乃至図7に示すように、小径コイルばね部14cの巻き終わり端に内向きのフック14eを設け、回転軸13の外周に軸方向に延びる係止部しての係止溝21を形成しておくと、内向きフック14eに対して係止溝21の位相を合わせた状態で内輪8内に回転軸13を挿入することにより、係止溝21にフック14eが係合する。その係合状態で回転軸13を一方向に回転させることにより小径コイルばね部14cを容易に拡径させることができ、回転軸13をより簡単に組付けることができる。
図1に示すような一方向空転型トルクリミッタの組立て状態において、回転軸13を同図の矢印aで示す方向に回転(右回転)すると、その回転方向は小径コイルばね部14cの巻き方向と反対の方向であるため、小径コイルばね部14cが縮径して、回転軸13と同方向に回転し、その回転は連設部14bから大径コイルばね部14aに伝達される。
この時、大径コイルばね部14aと小径コイルばね部14cとは巻き方向が異なるため、大径コイルばね部14aは縮径して内輪8の突出部の外径面を強く締め付けることになり、回転軸13の回転はクラッチ用コイルばね14を介して内輪8に伝達され、内輪8が回転軸13と同方向に回転する。
上記のような内輪8の回転時、トルクリミッタ用コイルばね10の小径部10aは内輪8の外径面を緊縛しているため、内輪8の回転はトルクリミッタ用コイルばね10を介して外輪1に伝達され、外輪1が回転軸13と同方向に回転する。
ここで、トルクリミッタ用コイルばね10の巻き方向は外輪1の回転方向と相違するため、外輪1にトルクリミッタ用コイルばね10のトルク容量を超える大きさのトルク負荷が作用すると、トルクリミッタ用コイルばね10の小径部10aが拡径して内輪8との接触部で滑りが生じ、内輪8から外輪1への回転伝達が遮断し、内輪8がフリー回転する。
上記のような内輪8のフリー回転時、クラッチ用コイルばね14の連設部14bは保護リング15の他端部に形成された切欠部16内に収容され、また、大径コイルばね部14aは保護カバー18で外周の全体が覆われているため、クラッチ用コイルばね14の連設部側の端部の外部への飛び出し部がなく、内輪8は安定よくフリー回転する。
一方、回転軸13を上記と反対に、図1の矢印bで示す方向に回転(左回転)すると、その回転は小径コイルばね部14cから大径コイルばね部14aに伝達され、小径コイルばね部14cおよび大径コイルばね部14aの双方が拡径する。この時、大径コイルばね部14aの緊縛力は小径コイルばね部14cの緊縛力より小さいため、大径コイルばね部14aと内輪8の接触部で滑りが生じ、回転軸13の回転は内輪8に伝達されず、回転軸13がフリー回転する。
上記のように、クラッチ用コイルばね14が拡径して回転軸13から内輪8への回転伝達の遮断時、大径コイルばね部14aと内輪8の接触部で滑りが生じるため、回転軸13と小径コイルばね部14cとの接触部での潤滑を不要とすることができる。また、小径コイルばね部14cとの接触による回転軸13の外径面の摩耗を防止することができるため、回転軸13として、合成樹脂のように、柔らかい摩耗しやすい材料で形成されたものでも採用することができる。
実施の形態における一方向空転型トルクリミッタにおいては、回転軸13の一方向の回転を内輪8に伝達し、他方向の回転伝達を遮断するクラッチ用コイルばね14が大径コイルばね部14aの内側に小径コイルばね部14cを設けた二重コイルばねであるため、一重コイルばねからなるクラッチ用コイルばねに比較して、トルク容量を同じとすると軸方向長さが一重コイルばねからなるクラッチ用コイルばねの1/2の長さとなり、逆に、軸方向長さを等しくするとトルク容量が2倍となる。
このため、大径コイルばね部14aおよび小径コイルばね部14cの巻き数を少し増やすことで伝達トルク容量を大幅に大きくすることができ、軸方向長さを大幅に長くすることなく伝達トルク容量の増大化を図ることができる。
図5乃至図7に示すように、クラッチ用コイルばね14の小径コイルばね部14aの巻き終わり端にフック14eを設け、そのフック14eを回転軸13の外周に形成された係止溝21に係止することにより、前述のように、回転軸13の組付けを容易に行うことができると共に、回転軸13からクラッチ用コイルばね14への回転伝達を確実に行うことができ、クラッチ用コイルばね14を確実に機能させることができる。
図8は、この発明に係る一方向空転型トルクリミッタの他の実施の形態を示す。この実施の形態では、図1に示す保護リング15と保護カバー18とを一体化している。このように、保護リング15と保護カバー18とを一体化すると、回転軸13に対する止め輪17の取付けを不要とし、部品点数の低減によるコストの低減と組立ての容易化を図ることができる。
1 外輪
6 蓋体
8 内輪
9 ばね収容凹部
10 トルクリミッタ用コイルばね
13 回転軸
14 クラッチ用コイルばね
14a 大径コイルばね部
14b 連設部
14c 小径コイルばね部
14d フック
14e フック
15 保護リング
16 切欠部
17 止め輪
18 保護カバー
19 係合爪
20 切欠部
21 係止溝(係止部)

Claims (9)

  1. 外輪と、その外輪内に組み込まれて一方の端部が外輪の端部より外側に突出し、その突出部の端部内に大径のばね収容凹部が形成された内輪と、その内輪内に挿通された回転軸と、前記内輪の外径面を緊縛し、両端部が外輪または外輪と一体に回転する部材に係合されたトルクリミッタ用コイルばねと、前記回転軸と内輪の相互間で一方向の回転を伝達し、他方向の回転伝達を遮断するクラッチ用コイルばねとからなり、
    前記クラッチ用コイルばねが、前記内輪の突出部の外径面を緊縛する大径コイルばね部と、その大径コイルばね部の巻き終わり端に連設されて内径方向に渦巻き状に延びる連設部と、その連設部の小径端に連設されて大径コイルばね部内に配置され、前記回転軸の外径面を緊縛する小径コイルばね部とを有する二重コイルばねとされ、そのクラッチ用コイルばねにおける大径コイルばね部と小径コイルばね部の巻き方向を反対とし、前記トルクリミッタ用コイルばねとクラッチ用コイルばねの大径コイルばね部の巻き方向を反対とした一方向空転型トルクリミッタ。
  2. 前記クラッチ用コイルばねの大径コイルばね部の緊縛力を小径コイルばね部の緊縛力より小さくした請求項1に記載の一方向空転型トルクリミッタ。
  3. 前記クラッチ用コイルばねの小径コイルばね部の巻き終わり端にフックを設け、そのフックを前記回転軸の外周に形成された係止部に係止した請求項1又は2に記載の一方向空転型トルクリミッタ。
  4. 前記係止部が、回転軸の軸方向に延びる係止溝からなる請求項3に記載の一方向空転型トルクリミッタ。
  5. 前記クラッチ用コイルばねの大径コイルばね部と小径コイルばね部の連設部側の端部内に保護リングの一端部を嵌合し、その保護リングの他端部に形成された切欠部にクラッチ用コイルばねの連設部を収容し、前記回転軸には、その保護リングの一端面が前記内輪の突出部の端面に衝合する状態に保持する止め輪を取付けた請求項1乃至4のいずれかの項に記載の一方向空転型トルクリミッタ。
  6. 前記クラッチ用コイルばねの大径コイルばね部の外側に円筒状の保護カバーを嵌合し、その保護カバーの端部に形成された内向きの係合爪をクラッチ用コイルばねの巻き始め側端部に係合して保護カバーを抜止めした請求項1乃至5のいずれかの項に記載の一方向空転型トルクリミッタ。
  7. 前記保護カバーの一端部に切欠部を形成し、前記クラッチ用コイルばねの大径コイルばね部の巻き始め側端部に外向きのフックを設け、そのフックを前記切欠部に係合した請求項6に記載の一方向空転型トルクリミッタ。
  8. 前記保護カバーの他端部に、前記クラッチ用コイルばねの大径コイルばね部と小径コイルばね部間に嵌合される保護リングを一体に設け、その保護リングの端部にクラッチ用コイルばねの連設部が嵌合される切欠部を設けた請求項7に記載の一方向空転型トルクリミッタ。
  9. 前記回転軸が、合成樹脂からなる請求項1乃至8のいずれかの項に記載の一方向空転型トルクリミッタ。
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