JP2010276155A - 逆入力遮断ユニットおよびそれを用いた紙送り装置 - Google Patents

逆入力遮断ユニットおよびそれを用いた紙送り装置 Download PDF

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Abstract

【課題】構造が簡単で安価に製造でき、小さい逆入力に対しても出力回転部材がスムーズに空転する逆入力遮断ユニットを提供する。
【解決手段】筒状の入力回転部材3と、この入力回転部材3に通される内筒14を有する出力回転部材4とを同一軸心のまわりに回転するように配し、内筒14の外周面に一端側と他端側で径の異なるコイルばね10をその小径部10bに締め代をもたせて装着し、入力回転部材3の一端側にばね大径側フック部10cを係止するばね係止部17を設け、入力回転部材3の他端側にはばね小径側フック部10dと所定の周方向の隙間をおいて対向するばね係合部19を設けた構造とすることにより、部品点数が少なく安価に製造できるものとするとともに、コイルばね小径部10bと内筒14との間で滑りを生じるだけの小さい逆入力に対しても出力回転部材4がスムーズに空転するようにしたのである。
【選択図】図2

Description

本発明は、入力回転部材の回転を出力回転部材に伝達し、出力回転部材の回転は入力回転部材に伝達されないようにする逆入力遮断ユニットと、それを用いた紙送り装置に関する。
複写機やプリンタ等の電子写真機器では、一般に、径方向に対向配置した紙送りローラどうしを加圧接触させ、その一方を回転駆動することにより両ローラ間に供給された用紙を送り出す紙送り装置が用いられている。
上記のような紙送り装置において、紙詰まりを生じた用紙を紙送りの順方向または逆方向に容易に引き抜けるようにするには、出力回転部材に逆入力トルクが加えられても出力回転部材が空転して、その回転を入力回転部材に伝達しない逆入力遮断クラッチ(例えば、特許文献1参照。)を紙送りローラの駆動部に組み込めばよい。
ここで、上記特許文献1に記載された逆入力遮断クラッチの具体的な構造は、入力回転部材と出力回転部材とを同一軸心のまわりに回転するように配し、出力回転部材の外周側に円筒面を形成し、入力回転部材に出力回転部材の円筒面と径方向で対向するカム面を周方向に複数設けて、その円筒面と各カム面との間に周方向で次第に狭小となる楔形空間を形成し、これらの各楔形空間にころを配し、各ころを両部材間に配した保持器のポケットに一つずつ収容して両部材と係合離脱可能に保持し、この保持器を入力回転部材にセンタリングばねを介して連結し、保持器と係合した状態で固定部材の円筒部と摺動する摺動ばねを組み込んだものである。
そして、入力回転部材に入力トルクが加えられたときには、入力回転部材と摺動ばねの摺動抵抗を受ける保持器との間でセンタリングばねが弾性変形して、入力回転部材と保持器の回転位相差が生じることにより、保持器に保持されたころが相対的に楔形空間の狭小側へ移動して入力回転部材および出力回転部材と係合し、入力回転部材の回転が出力回転部材に伝達される一方、出力回転部材に逆入力トルクが加えられたときは、ころが保持器によって入力回転部材および出力回転部材から離脱した状態で保持され、出力回転部材の回転が入力回転部材に伝達されないようになっている。
すなわち、この逆入力遮断クラッチを紙送りローラの駆動部に組み込めば、モータからの回転はローラに伝えて紙送りを行うことができる一方、ローラからの回転はモータに伝わらないので、紙詰まりが生じたときにローラに挟まれた用紙を紙送りの順方向・逆方向のいずれの方向に引っ張ってもローラが空転し、用紙を容易に引き抜くことができる。
また、上記逆入力遮断クラッチに代えて、過大な負荷が加わったときに摩擦面で滑りを生じさせてトルク伝達を遮断するタイプのトルクリミッタ(例えば、特許文献2参照。)を紙送りローラの駆動部に組み込むとともに、入力が停止すると入力回転部材が回転不可となる構造を付加するようにしてもよい。この構成では、紙詰まりを生じた用紙を出力トルク以上のトルクで引っ張ればローラが空転するので、上記逆入力遮断クラッチを組み込んだ場合と同様に用紙の引き抜きが可能である。
特許第3914778号公報 特開2004−190731号公報
しかしながら、前記従来の逆入力遮断クラッチは、複数のころおよびカム面を必要とする等、構造が複雑で製造コストが高く、組立作業にも手間がかかるという難点がある。
一方、前記トルクリミッタを用いた逆入力遮断機構では、ローラを空転させるのにトルクリミッタの出力トルク以上のトルクが必要となるので、用紙の引き抜きにも大きな力が必要となり、用紙を引っ張る力の加え方によっては用紙が破れてしまうこともある。
そこで、本発明は、構造が簡単で安価に製造でき、小さい逆入力に対しても出力回転部材がスムーズに空転する逆入力遮断ユニットと、それを用いた紙送り装置を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の逆入力遮断ユニットは、筒状の入力回転部材と、この入力回転部材に通される内筒を有する出力回転部材とを同一軸心のまわりに回転するように配し、前記出力回転部材の内筒の外周面に、一端側と他端側で径の異なるコイルばねをその小径部に締め代をもたせて装着し、前記入力回転部材の一端側に前記コイルばねの大径側端部を係止するばね係止部を設け、前記入力回転部材の他端側には前記コイルばねの小径側端部と所定の周方向の隙間をおいて対向するばね係合部を設けた構造を採用した。そして、この構造において、前記入力回転部材に前記コイルばねの小径側から見た巻き方向の入力トルクが加えられたときには、入力回転部材の回転に伴ってコイルばねの大径部が縮径することにより、入力回転部材の回転が前記出力回転部材に伝達される一方、前記入力回転部材を回転不能とした状態において、前記出力回転部材にコイルばねの小径側から見た巻き方向の逆入力トルクが加えられたときは、前記内筒の回転に伴ってコイルばねの小径部が拡径することにより出力回転部材が空転し、また前記出力回転部材にコイルばねの大径側から見た巻き方向の逆入力トルクが加えられたときは、前記内筒の回転に伴ってコイルばねの小径側端部が入力回転部材のばね係合部に係合することにより、コイルばね小径部と内筒との間で滑りを生じて出力回転部材が空転するようにした。
すなわち、入力回転部材の内周面と出力回転部材の内筒の外周面との間に一端側と他端側で径の異なるコイルばねを組み込んだ構造とすることにより、部品点数が少なく安価に製造できるものとするとともに、コイルばね小径部と内筒との間で滑りを生じるだけの小さい逆入力で出力回転部材がスムーズに空転するようにしたのである。
上記の構成において、前記入力回転部材の両端に、前記内筒の外周面に回転自在に支持されて入力回転部材の軸受となる蓋を設ければ、入力回転部材と内筒の同軸性を高め、入力回転部材をスムーズに回転させることができる。
前記コイルばねは、その大径部をテーパ状に形成し小径部を一定径で形成するか、あるいは大径部と小径部をそれぞれ互いに異なる一定径で形成すればよい。また、その大径部と小径部を別体で形成して互いに連結したものを採用することもできる。
前記内筒は、回転精度を高めるため、固定軸に回転自在に嵌め込むようにするとよい。また、コイルばねとの摩擦状態を安定させるため、含油焼結金属で形成されたものとすることが望ましい。
前記入力回転部材と出力回転部材の少なくとも一方に、外部部材との回転伝達のための歯車を一体形成するようにしてもよい。
また、前記入力回転部材のばね係合部の近傍に窓を設け、この窓に挿通したスペーサに前記コイルばねの小径側端部が当接する状態でコイルばねを組み込むことにより、前記コイルばねの小径側端部とばね係合部との間に前記所定の周方向隙間が形成されるようにすれば、入力に対する回転伝達動作や逆入力に対する回転伝達遮断動作の安定性を向上させることができる。
そして、本発明の紙送り装置は、径方向に対向配置した紙送りローラどうしを加圧接触させ、その一方を回転駆動することにより両ローラ間に供給された用紙を送り出す紙送り装置において、前記一方の紙送りローラの駆動部に、上記構成の逆入力遮断ユニットを組み込んだものである。
本発明の逆入力遮断ユニットは、上述したように、入力回転部材の内周面と出力回転部材の内筒の外周面との間に一端側と他端側で径の異なるコイルばねを組み込んだものであるから、前述した従来の逆入力遮断クラッチに比べて、部品点数が少なく安価に製造できるし、組立作業も簡単に行える。また、コイルばね小径部と内筒との間で滑りを生じるだけの小さい逆入力に対しても、出力回転部材がスムーズに空転するようにしたので、メンテナンス等の際に出力回転部材だけを回転させて効率よく作業を行うことができる。
そして、本発明の紙送り装置は、紙送りローラの駆動部に上記逆入力遮断ユニットを組み込んだものであるから、紙詰まりが生じたときには、ローラに挟まれた用紙を軽く引っ張るだけで簡単にローラを空転させて用紙を引き抜くことができる。
実施形態の逆入力遮断ユニットを組み込んだ紙送り装置の平面図 図1の逆入力遮断ユニットの正面断面図 aは図2のIIIa−IIIa線断面図、bは図2のIIIb−IIIb線断面図 図2の要部の分解斜視図 a、bは、それぞれ図3に対応してA方向入力時の動作を説明する断面図 a、bは、それぞれ図3に対応してB方向入力時の動作を説明する断面図 a、bは、それぞれ図3に対応してA方向逆入力時の動作を説明する断面図 a、bは、それぞれ図3に対応してB方向逆入力時の動作を説明する断面図 a、bは、それぞれ図3に対応してA方向入力中に出力回転部材が停止したときの動作を説明する断面図 a、bは、それぞれコイルばねの変形例を示す正面断面図
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。この実施形態の紙送り装置は、図1に示すように、径方向に対向配置した上下の紙送りローラ1(下側は図示省略)と、上側のローラ1を回転駆動するモータ(図示省略)と、このモータと上ローラ1との間(上ローラ1の駆動部)に組み込まれた逆入力遮断ユニット2とで構成されている。各ローラ1は、互いに圧接する状態で配置され、それぞれの回転軸1aを用紙送路Tの両側の内壁W1および外壁W2に回転自在に支持されている。そして、逆入力遮断ユニット2を介して前記モータで上ローラ1を回転駆動することにより、両ローラ1間に供給された用紙Sが送り出される。
前記逆入力遮断ユニット2は、入力回転部材3と出力回転部材4とが外壁W2の外側面に取り付けられた固定軸5のまわりに配されており、それぞれに歯車6、7が一体形成されている。その入力歯車6は前記モータの主軸(図示省略)に取り付けられた歯車8と噛み合い、出力歯車7は上ローラ1の回転軸1aの外壁W2からの突出部に取り付けられた歯車9と噛み合っている。また、入力回転部材3の内部には、もう一つの主たる構成部品であるコイルばね10が組み込まれている(図2参照)。
図2に示すように、前記入力回転部材3は、入力歯車6が一体形成された外筒11と、この外筒11の両端部の内周側に嵌め込まれて外筒11と一体回転する蓋12、13とからなり、前記出力回転部材4は、出力歯車7と、出力歯車7の内周側に嵌め込まれて歯車7と一体回転する内筒14とからなる。そして、出力回転部材4の内筒14が前記固定軸5に回転自在に嵌め込まれるとともに、入力回転部材3の両端の蓋12、13がそれぞれ内筒14の外周面に回転自在に支持されて入力回転部材3の軸受となっており、これにより入力回転部材3と出力回転部材4とが同一軸心のまわりに精度よくスムーズに回転するようになっている。なお、両回転部材3、4は、両回転部材3、4を挟む位置で固定軸5に嵌め込まれた2つの止め輪15、16により抜け止めされている。また、内筒14は、その外周面に後述のように装着されるコイルばね10との摩擦状態を安定させるため、含油焼結金属で形成されている。
図2、図3(a)、(b)および図4に示すように、前記コイルばね10は、断面が矩形で、一端側が先端に近づくほど大径となるテーパ状に形成された大径部10a、他端側が一定径で形成された小径部10bとなっており、その小径部10bに締め代を生じる(小径部10bが内筒14に圧接する)状態で内筒14の外周面に装着されている。その大径側端には径方向に延びるフック部10cが形成され、小径側端には軸方向に延びる部分と径方向に延びる部分とからなるL字状のフック部10dが形成されている。
一方、前記入力回転部材3の一端側の蓋12には、その内側面に略コの字状のばね係止部17が設けられており、このばね係止部17にばね大径側フック部10cが嵌め込まれて係止されるようになっている。また、他端側の蓋13の内側面には扇形の凹部18が設けられ、この凹部18の一方の周端壁がばね小径側フック部10dと周方向の隙間をおいて対向するばね係合部19となっている。
ここで、他端側の蓋13にはその凹部18の底面から外側面に貫通する扇形の窓20が設けられており、この窓20とこれに挿通される断面扇形の棒状スペーサ21を用いてコイルばね10の組立て時の位置決めを行うようになっている。すなわち、組立て時には、まず、入力回転部材3の外筒11に他端側の蓋13を嵌め込んで、この蓋13の窓20にスペーサ21を挿通し、内筒14に装着したコイルばね10をその小径側フック部10dがスペーサ21に当接するように組み込む。これにより、ばね小径側フック部10dと凹部18の各周端壁との間に所定の周方向の隙間(隙間角度:θ、θ)が形成される。そして、この状態で外筒11に一端側の蓋12を嵌め込んで、そのばね係止部17でばね大径側フック部10cを係止することにより、コイルばね10が初期位置に位置決めされる。なお、コイルばね10の位置決めが完了すればスペーサ21は他端側蓋13の窓20から引き抜かれるが、その後に内筒14に嵌め込まれる出力歯車7が窓20のシールとなるので、運転中に入力回転部材3内部へ異物が侵入する心配はない。
次に、この逆入力遮断ユニット2の動作について説明する。図5(a)、(b)は、入力回転部材3の入力歯車6に図中の矢印A方向(コイルばね10の小径側から見た巻き方向)の入力トルクが加えられたときの状態を示す。入力歯車6に入力トルクが加えられると、まず入力回転部材3が回転して(回転角度:θ)、その一端側の蓋12がコイルばね10の大径側フック部10cを周方向に変位させる。このとき、コイルばね10の小径部10bは内筒14に摩擦力で拘束されているので、ばね大径部10aが縮径していく。このばね大径部10aの縮径による弾性反力が所定値を超えると、入力回転部材3の回転がコイルばね10を介して出力回転部材4に伝達されるようになる。
ここで、前記ばね係合部19とばね小径側フック部10dとの隙間角度θは、両者が互いに近づく方向に相対回転して当接する(ばね大径部10aの縮径がそれ以上進まなくなる)までに、ばね大径部10aの縮径による弾性反力が所定値を超え、かつ両者が当接するまで相対回転しても、縮径したばね大径部10aが内筒14に巻き付くまでには至らないように設定されている。
また、図6(a)、(b)は、入力回転部材3の入力歯車6に図中の矢印B方向(コイルばね10の大径側から見た巻き方向)の入力トルクが加えられたときの状態を示す。このときは、コイルばね10の小径部10bが内筒14に拘束された状態で、大径側フック部10cが一端側の蓋12の回転に伴って図5と逆方向に変位する。これにより、コイルばね10全体が拡径し、ばね係合部19と反対側の凹部18周端壁がばね小径側フック部10dに当接するまでに、ばね小径部10bと内筒14との間で滑りを生じるようになるので、入力回転部材3の回転は出力回転部材4に伝達されない。
ここで、ばね係合部19と反対側の凹部18周端壁とばね小径側フック部10dとの隙間角度θは、ばね小径部10bが停止した状態で他端側の蓋13が回転しても、コイルばね10が拡径して内筒14との間で滑りを生じるようになるまでは、凹部18周端壁がばね小径側フック部10dに当接しない(ばね小径部10bを縮径方向に押圧しない)ように設定されている。
一方、入力回転部材3が停止して回転不能となった状態において、出力回転部材4の出力歯車7に逆入力トルクが加えられたときは、以下に詳述するように、逆入力トルクの方向によらず出力回転部材4が空転してその回転は入力回転部材3に伝達されない。
図7(a)、(b)は、出力歯車7に矢印A方向の逆入力トルクが加えられたときの状態を示す。このときには、コイルばね10の大径側フック部10cが一端側の蓋12に拘束された状態で、ばね小径部10bが内筒14の回転(回転角度:θ)に伴って拡径する。そして、ばね小径側フック部10dがばね係合部19と反対側の凹部18周端壁に当接する(ばね小径部10bの拡径が進まなくなる)までに、ばね小径部10bと内筒14との間で滑りを生じるようになるので、出力回転部材4が空転する。
また、図8(a)、(b)に示すように、出力歯車7に矢印B方向の逆入力トルクが加えられたときは、まず、内筒14の回転に伴ってコイルばね10の小径側フック部10dが周方向に変位することにより、ばね大径部10aが大径側フック部10cを一端側の蓋12に拘束された状態で縮径していく。このとき、ばね大径部10aの縮径による弾性反力が前記所定値を超えても、入力回転部材3は回転不能状態にあるので、そのまま出力回転部材4のみが回転してばね大径部10aは縮径し続ける。そして、ばね小径側フック部10dがばね係合部19に当接すると、ばね大径部10aは内筒14に巻き付いていない状態でその縮径が進まなくなるので、ばね小径部10bと内筒14との間で滑りを生じて出力回転部材4が空転するようになる。
次に、図5のように入力回転部材3から出力回転部材4に回転を伝達している途中で、出力回転部材4が停止して回転不能となったときの動作を説明する。このときには、図9(a)、(b)に示すように、まず入力回転部材3のみが回転してばね大径部10aをさらに縮径させる。しかし、ばね係合部19がばね小径側フック部10dに当接すると、コイルばね10は両端のフック部10c、10dを同方向に押されるようになり、ばね大径部10aは内筒14に巻き付いていない状態でその縮径が進まなくなるので、ばね小径部10bと内筒14との間で滑りを生じ、入力回転部材3がコイルばね10と一体に空転する。
上述したように、この逆入力遮断ユニット2は、入力回転部材3の内周面と出力回転部材4の内筒14の外周面との間に一端側と他端側で径の異なるコイルばね10を組み込んだ構造としたので、前述した従来の逆入力遮断クラッチに比べて、部品点数が少なく安価に製造できるし、組立作業も簡単に行える。
また、コイルばね10の小径部10bと内筒14との間で滑りを生じるだけの小さい逆入力に対しても、出力回転部材4がスムーズに空転するようにしたので、メンテナンス等の際に出力回転部材4だけを回転させて効率よく作業を行うことができる。
また、入力回転部材3のばね係合部19の近傍に窓20を設け、組立時にはこの窓20にスペーサ21を挿通することによりコイルばね10を精度よく位置決めできるようにしたので、入力や逆入力に対する動作の安定性も高いものとなっている。
そして、上述した実施形態の紙送り装置は、紙送りローラ1の駆動部に上記逆入力遮断ユニット2を組み込んだものであるから、紙詰まりが生じたときには、ローラ1に挟まれた用紙Sを紙送りの順方向・逆方向のいずれの方向でも軽く引っ張るだけで(図1中の矢印参照)、簡単にローラ1を空転させて用紙Sを引き抜くことができる。
上述した実施形態では、逆入力遮断ユニットのコイルばねとして、テーパ状の大径部と一定径の小径部とが一体成形されたものを用いたが、コイルばねの大径部と小径部はそれぞれ互いに異なる一定径で形成するようにしてもよい。また、その大径部と小径部は、別体で形成して互いに連結することもできる。図10(a)はテーパ状の大径部10aと一定径の小径部10bとを連結した例、図10(b)はそれぞれ一定径に形成された大径部10aと小径部10bとを連結した例を示している。いずれの例でも、大径部10aと小径部10bの間に円形の連結板22を配し、大径部10aおよび小径部10bのばね長手方向中央側端に軸方向に延びるフック部10e、10fを形成して、これらの各フック部10e、10fをそれぞれ連結板22にあけた孔22aに嵌め込んで連結している。
また、入力回転部材3および出力回転部材4は、いずれも外部部材との回転伝達のための歯車6、7が一体形成されたものとしたが、これらの歯車は別体で形成するようにしてもよい。
1 紙送りローラ
2 逆入力遮断ユニット
3 入力回転部材
4 出力回転部材
5 固定軸
6、7、8、9 歯車
10 コイルばね
10a 大径部
10b 小径部
10c、10d、10e、10f フック部
11 外筒
12、13 蓋
14 内筒
17 ばね係止部
18 凹部
19 ばね係合部
20 窓
21 スペーサ
22 連結板
22a 孔
S 用紙

Claims (10)

  1. 筒状の入力回転部材と、この入力回転部材に通される内筒を有する出力回転部材とを同一軸心のまわりに回転するように配し、前記出力回転部材の内筒の外周面に、一端側と他端側で径の異なるコイルばねをその小径部に締め代をもたせて装着し、前記入力回転部材の一端側に前記コイルばねの大径側端部を係止するばね係止部を設け、前記入力回転部材の他端側には前記コイルばねの小径側端部と所定の周方向の隙間をおいて対向するばね係合部を設けて、前記入力回転部材に前記コイルばねの小径側から見た巻き方向の入力トルクが加えられたときには、入力回転部材の回転に伴ってコイルばねの大径部が縮径することにより、入力回転部材の回転が前記出力回転部材に伝達される一方、前記入力回転部材を回転不能とした状態において、前記出力回転部材にコイルばねの小径側から見た巻き方向の逆入力トルクが加えられたときは、前記内筒の回転に伴ってコイルばねの小径部が拡径することにより出力回転部材が空転し、また前記出力回転部材にコイルばねの大径側から見た巻き方向の逆入力トルクが加えられたときは、前記内筒の回転に伴ってコイルばねの小径側端部が入力回転部材のばね係合部に係合することにより、コイルばね小径部と内筒との間で滑りを生じて出力回転部材が空転するようにした逆入力遮断ユニット。
  2. 前記入力回転部材の両端に、前記内筒の外周面に回転自在に支持されて入力回転部材の軸受となる蓋を設けたことを特徴とする請求項1に記載の逆入力遮断ユニット。
  3. 前記コイルばねの大径部をテーパ状に形成し、小径部を一定径で形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の逆入力遮断ユニット。
  4. 前記コイルばねの大径部と小径部を、それぞれ互いに異なる一定径で形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の逆入力遮断ユニット。
  5. 前記コイルばねが、その大径部と小径部を別体で形成して互いに連結したものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の逆入力遮断ユニット。
  6. 前記内筒を固定軸に回転自在に嵌め込んだことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の逆入力遮断ユニット。
  7. 前記内筒が含油焼結金属で形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の逆入力遮断ユニット。
  8. 前記入力回転部材と出力回転部材の少なくとも一方に歯車が一体形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の逆入力遮断ユニット。
  9. 前記入力回転部材のばね係合部の近傍に窓を設け、この窓に挿通したスペーサに前記コイルばねの小径側端部が当接する状態でコイルばねを組み込むことにより、前記コイルばねの小径側端部とばね係合部との間に前記所定の周方向隙間が形成されるようにしたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の逆入力遮断ユニット。
  10. 径方向に対向配置した紙送りローラどうしを加圧接触させ、その一方を回転駆動することにより両ローラ間に供給された用紙を送り出す紙送り装置において、前記一方の紙送りローラの駆動部に、請求項1乃至9のいずれかに記載の逆入力遮断ユニットを組み込んだことを特徴とする紙送り装置。
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