JP2011089570A - 逆入力遮断クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】一方向の入力トルクの伝達を行う逆入力遮断クラッチの駆動ロスを低減する。
【解決手段】入力回転部材1を構成する外輪10と出力軸2との間の楔形空間12に配されるころ3を、ハウジング7から摺動ばね5を介して回転抵抗を受ける保持器4で保持するとともに、その保持器4にフライホイール6を取り付けて、一定方向の入力トルクが加えられたときは、保持器4でころ3を外輪10および出力軸2と係合させて出力軸2にトルクを伝達し、その入力トルクの供給が停止したときには、保持器4がフライホイール6と一体に惰走してころ3と外輪10および出力軸2との係合状態を解除することにより、逆入力トルクに対して出力軸2が空転するようにした。これにより、従来のクラッチに比べて摺動ばね5とハウジング7との間の摩擦力を小さく設定して、その摩擦力に起因する駆動ロスを低減することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、入力側に加えられる入力トルクを出力側に伝達し、出力側に加えられる逆入力トルクは入力側に伝達されないようにする逆入力遮断クラッチに関する。
逆入力遮断クラッチは、同一軸心のまわりに回転する入力回転部材と出力回転部材とをトルク伝達可能に連結し、その連結部に逆入力遮断機構、すなわち入力回転部材に加えられる入力トルクを出力回転部材に伝達し、出力回転部材に加えられる逆入力トルクは入力回転部材に伝達しない機構を設けたものである。そのうち、逆入力トルクに対して出力回転部材を空転させる方式のものは、例えば、複写機やプリンタ等の事務機の紙送り装置に、紙詰まりを生じた用紙を容易に引き抜けるようにするための手段として組み込まれている。
ところで、逆入力遮断クラッチの使用条件としては、入力回転部材の回転方向が一方向に限定されている場合、例えば用紙を送る方向が一定の紙送り装置に組み込まれるような場合がある。そこで、本出願人は、このような使用条件のもとで一方向の入力トルクのみを伝達し、逆入力トルクに対しては出力回転部材を空転させる構造の逆入力遮断クラッチを提案した(特許文献1参照。)。
上記特許文献1に記載された逆入力遮断クラッチの具体的な構造は、入力回転部材の径方向内側に入力回転部材と同心状態に出力回転部材を配し、その出力回転部材の外周面を円筒面とし、入力回転部材の内周面に所定の周方向間隔をおいて複数のポケットを設け、これらの各ポケットの底側に同一方向に傾斜するカム面を設けて、各ポケットのカム面と出力回転部材の円筒面との間に周方向の一側で次第に狭小となる楔形空間を形成し、各ポケットに、ころと、ころを楔形空間の広大側へ向けて付勢する付勢ばねと、ころを挟んで付勢ばねと対向する位置に配される押さえ板とを収容し、固定部材と摺動する摺動ばねを押さえ板に係合させて押さえ板の制動機構を形成したものである。
このクラッチでは、入力回転部材に所定の一方向の入力トルクが加えられると、ころが固定部材から摺動ばねを介して回転抵抗を受ける押さえ板に押され、付勢ばねの弾性力に抗して楔形空間の狭小側へ相対移動して入力回転部材および出力回転部材と係合(ロック)することにより、出力回転部材にトルクが伝達されるようになっている。一方、出力回転部材に逆入力トルクが加えられたときは、付勢ばねがころおよび押さえ板を楔形空間の広大側へ押すことにより、ころの入力回転部材および出力回転部材との係合が解除された状態となるので、出力回転部材が空転して入力回転部材にはトルクが伝達されない。
特開2005−351422号公報
上述した特許文献1に記載の逆入力遮断クラッチは、二方向の入力トルクを伝達する構造のものよりもコンパクト化することが可能である。しかし、入力トルクが加えられたときに確実にころを入力回転部材および出力回転部材と係合させるために、押さえ板でころを押す力が付勢ばねの弾性力よりも大きくなるように摺動ばねと固定部材との間の摩擦力(制動機構の制動力)を設定する必要があるので、その摩擦力に起因する駆動ロスが大きいという難点がある。
そこで、本発明は、一方向の入力トルクの伝達を行う逆入力遮断クラッチの駆動ロスを低減することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の逆入力遮断クラッチは、同一軸心のまわりに回転する入力回転部材と出力回転部材とを径方向内外に配し、前記入力回転部材の出力回転部材との対向面に所定の周方向間隔をおいて同一方向に傾斜するカム面を設けて、各カム面とこれに対向する前記出力回転部材の円筒面との間に周方向の一側で次第に狭小となる楔形空間を形成し、各楔形空間にころを配するとともに、前記入力回転部材と出力回転部材との間に、前記各ころをポケットに収容して入力回転部材および出力回転部材と係脱自在に保持する保持器を配し、この保持器に回転抵抗を付与する制動機構を設けて、前記入力回転部材に一定方向の入力トルクが加えられたときは、前記保持器でころを楔形空間の狭小側へ相対移動させて入力回転部材および出力回転部材と係合させることにより、出力回転部材にトルクが伝達されるようにするとともに、前記入力トルクの供給が停止したときに前記保持器でころを楔形空間の広大側へ移動させて前記ころと入力回転部材および出力回転部材との係合状態を解除するロック解除機構を設け、前記出力回転部材に逆入力トルクが加えられたときには、出力回転部材が空転して入力回転部材にトルクが伝達されないようにした構成を採用した。
すなわち、前述した従来のクラッチの付勢ばねに代えて、入力トルクの供給が停止したときに保持器でころと入力回転部材および出力回転部材との係合状態を解除するロック解除機構を設けることにより、ころの係合に必要な制動機構の制動力を従来よりも小さく設定して、その制動力に起因する駆動ロスを低減できるようにしたのである。
上記の構成において、前記ロック解除機構としては、前記保持器にフライホイールを取り付け、前記入力トルクの供給が停止したときに、前記保持器がフライホイールと一体に惰走して前記ころを楔形空間の広大側へ押し出すようにしたものを採用するとよい。
一方、前記制動機構としては、前記保持器に固定部材と摺動する摺動部材を係合させたものを採用することができる。ここで、前記摺動部材を、弾性体で形成され、その弾性力により前記固定部材に押し付けられるものとすれば、保持器に安定した回転抵抗を付与でき、クラッチ動作を安定させることができる。また、前記摺動部材として、金属製線材を少なくともその両端部が互いに重なり合うように巻いた摺動ばねを採用すれば、組み込み前の摺動ばねが他の部品に絡みにくくなり、クラッチを組み立てやすくなる。
また、前記保持器の内周側のポケット開口幅を、前記ころの直径よりも小さくすることにより、クラッチ組立て時には、入力回転部材と出力回転部材のうちの径方向外側に配された部材と保持器とで、ころをポケット開口から内周側へ脱落しないように保持できるようになり、組立て作業を効率よく行うことができる。
さらに、前記保持器のポケットの周方向両側の壁面を、前記ころの半径以上の曲率半径をもつ凹円弧面とすれば、保持器がころを押して入力回転部材および出力回転部材と係合させたりその係合を解除したりする際に、ころの移動がスムーズになり、クラッチ動作の安定性を向上させることができる。
そして、本発明の逆入力遮断クラッチは、駆動ロスの低減が強く求められる用途に適用した場合に効果が大きい。その使用形態としては、例えば、駆動ローラと従動ローラとを径方向で対向させ、前記駆動ローラをモータで駆動することにより前記両ローラ間に供給された用紙を送り出すようにした紙送り装置に、前記入力回転部材がモータの出力側に連結され前記出力回転部材が駆動ローラの入力側に連結される状態で組み込む場合や、外部回転体からのトルクを受けて、電気回路内のスイッチの一方の接点を他方の接点へ押し付けるスイッチ切替手段を備えた電気回路開閉機構に、前記入力回転部材が外部回転体の出力側に連結され前記出力回転部材がスイッチ切替手段の入力側に連結される状態で組み込む場合がある。
本発明の逆入力遮断クラッチは、上述したように、従来のクラッチの付勢ばねに代えて、入力トルクの供給が停止したときに保持器でころと入力回転部材および出力回転部材との係合状態を解除するロック解除機構を設けたものであるから、ころの係合に必要な制動機構の制動力を従来よりも小さく設定して、その制動力に起因する駆動ロスを低減することができる。
第1実施形態の逆入力遮断クラッチの分解斜視図 図1のクラッチの縦断正面図 図2のIII−III線に沿った断面図 a、bは、それぞれ図1のクラッチの動作を説明する要部の断面図 第2実施形態の逆入力遮断クラッチの縦断正面図 図5のクラッチの要部の分解斜視図 図1のクラッチの使用例の説明図 図5のクラッチの使用例の説明図 図8の矢印A方向からの矢視図
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1乃至図4は第1の実施形態を示す。この逆入力遮断クラッチは、図1乃至図3に示すように、入力回転部材1と、入力回転部材1の径方向内側に配される出力回転部材としての出力軸2と、入力回転部材1と出力軸2との間に配される複数のころ3と、各ころ3を保持する保持器4と、保持器4と係合する摺動ばね5と、保持器4と一体回転するフライホイール6と、入力回転部材1の径方向外側に配される固定部材としてのハウジング7とで基本的に構成されている。その出力軸2およびハウジング7は、入力回転部材1と同心状態に配されている。
前記ハウジング7は、円筒状部材の内周面を軸方向に3段に形成したもので、その一端側に設けられたフランジ7aには固定用の取付孔7bがあけられている。また、その一端側内周には、入力回転部材1を通す円板状の蓋8が嵌め込まれている。
前記入力回転部材1は、二段円筒状の入力軸9の大径部内周に外輪10を嵌め込んだものである。その入力軸9と外輪10とは、入力軸9大径部内周面の軸方向リブ9aを外輪10外周面の回り止め溝10aに嵌め込むことにより一体に回転するようになっている。また、入力軸9は、その大径部をハウジング7の最大内径部で回転自在に支持され、ハウジング7に嵌め込まれた蓋8で抜け止めされている。そして、入力軸9の小径部には、断面がD字状に形成された部分にこれと合致する孔形状の入力歯車11が嵌め込まれ、この入力歯車11から入力回転部材1に入力トルクが加えられるようになっている。
前記外輪10の内周面には、所定の周方向間隔をおいて同一方向に傾斜するカム面10bが設けられており、このカム面10bと出力軸2の外周円筒面との間に周方向の一側で次第に狭小となる楔形空間12が形成されている。そして、各楔形空間12に前記ころ3が一つずつ配されている。
前記保持器4は、ハウジング7の最小内径部に挿入されて回転自在に支持される円筒部4aと、この円筒部4aの一端に設けられたフランジ4bと、円筒部4aの一端面に立設された複数の柱部4cとからなり、隣接する柱部4cどうしの間にころ3を収容するポケット13が形成されている。そして、その各柱部4cが外輪10と出力軸2との間に挿入され、フランジ4bがハウジング7の中間内径部の内周面と対向する状態で、ポケット13に収容したころ3を外輪10および出力軸2と係脱自在に保持するようになっている。また、そのフランジ4bの外周部には摺動ばね5と係合する凸部4dが設けられ、円筒部4aの他端にはフライホイール6を取り付けるための凹部4eが設けられている。
この保持器4の内周側のポケット13開口幅はころ3の直径よりも小さく形成され、クラッチ組立て途中でポケット13にころ3を収容した保持器4の柱部4cを外輪10の内周側に挿入したときに、ころ3が内周側へ脱落しないようになっている。また、ポケット13の周方向両側の壁面(各柱部4cの周方向端面)はころ3の半径以上の曲率半径をもつ凹円弧面に形成され、後述するように柱部4cでころ3を押したときに、ころ3がスムーズに移動するようになっている。なお、ポケットの壁面は、この実施形態のような形状とすることが望ましいが、平面や円弧面以外の凹形曲面とすることもできる。
前記摺動ばね5は、金属製線材を環状に巻いたもので、ハウジング7の中間内径部の内周面と摺動する摺動部5aと、摺動部5aの両端から内側に延びるフック部5bとからなる。その摺動部5aは両端部が互いに重なり合うように巻かれ、組み込み前の摺動ばね5が他の部品に絡みにくく、クラッチを組み立てやすくなっている。そして、両フック部5bが保持器フランジ4bの凸部4dに引っ掛けられて保持器4に係合するとともに、摺動部5aが弾性的に縮径した状態でハウジング7の中間内径部の内周面に押し付けられ、これにより保持器4に回転抵抗を付与する制動機構が形成されている。
前記フライホイール6は、ハウジング7の外側に配される円筒部6aと、出力軸2を通す蓋部6bと、蓋部6bの内面に設けられた突出部6cとからなり、その突出部6cが保持器円筒部4aの凹部4eに嵌め込まれて、保持器4と一体回転するようになっている。これにより、後述するようにころ3と外輪10および出力軸2との係合状態を解除するロック解除機構が形成されている。
また、フライホイール6および入力歯車11は、それぞれに隣接する位置で出力軸2に嵌め込まれた止め輪14、15により抜け止めされている。
次に、この逆入力遮断クラッチの動作について説明する。まず、図4(a)に示すように、入力回転部材1に所定の一方向(図中の矢印方向)の入力トルクが加えられたときには、外輪10がそのカム面10bでころ3を押してころ3とともに保持器4およびフライホイール6を回転させようとするが、保持器4はハウジング7から摺動ばね5を介して回転抵抗を受けてその場に留まろうとするため、保持器4の柱部4cに押されたころ3が相対的に楔形空間12の狭小側へ移動して外輪10および出力軸2と係合し、出力軸2にトルクが伝達される。
一方、上記のように入力側から出力側へのトルク伝達が行われているときに入力トルクの供給が停止すると、図4(b)に示すように、入力回転部材1も停止するが、保持器4は慣性の大きいフライホイール6と一体に惰走して(図中の矢印方向)ころ3を楔形空間12の広大側へ押し出し、ころ3と外輪10および出力軸2との係合状態が解除される。その後、保持器4が受ける回転抵抗により、保持器4、フライホイール6およびころ3が係合解除状態で停止する。この係合解除状態では、出力軸2に逆入力トルクが加えられても、出力軸2が空転して入力回転部材1にはトルクが伝達されない。
この逆入力遮断クラッチは、上述したように、入力回転部材1を構成する外輪10と出力軸2との間の楔形空間12に配されるころ3を、ハウジング7から摺動ばね5を介して回転抵抗を受ける保持器4で保持し、一定方向の入力トルクの供給が停止したときには、フライホイール6と一体に惰走する保持器4でころ3と外輪10および出力軸2との係合状態を解除して逆入力トルクが遮断されるようにしたので、前述した従来のクラッチよりも摺動ばね5とハウジング7との間の摩擦力を小さく設定して、その摩擦力に起因する駆動ロスを低減することができる。
また、クラッチ組立て作業の途中では、外輪10と保持器4とでころ3をポケット13開口から内周側へ脱落しないように保持できるので、組立て作業を従来よりも効率よく行える。そのほか、従来のクラッチでは、一般に金属で形成される入力回転部材にカム面を含む複雑な形状のポケットの加工を行う必要があるが、このクラッチの外輪10にはカム面10bのみを加工すればよく、ポケット13を有する保持器4は合成樹脂の射出成形により製作できるので、製造時の加工コストを削減できるという利点もある。
図5および図6に示す第2の実施形態は、第1実施形態をベースとして、入力トルクの供給機構を変更したものである。この実施形態の入力回転部材16は、有蓋円筒状の外環17の内周に外輪10を嵌め込み、外環17の開放側端部の外周に環状の軸受部材18を圧入したもので、その外環17の閉塞側端部と軸受部材18をハウジング7の最大内径部で回転自在に支持され、ハウジング7の一端側内周に嵌め込まれた蓋19で抜け止めされている。そして、ハウジング7の最大内径部に窓7cをあけるとともに、外環17の外周面にハウジング7の窓7cから挿入される外部入力歯車20と噛み合う歯17aを設けて、外部入力歯車20から入力回転部材16に入力トルクが加えられるようにしている。
なお、上述した各実施形態では、入力回転部材の径方向内側に出力軸(出力回転部材)を配しているが、本発明は入力回転部材を出力回転部材の径方向内側に配した逆入力遮断クラッチにも適用することができる。
次に、本発明の逆入力遮断クラッチの使用例について説明する。図7は第1実施形態のクラッチを事務機の紙送り装置に組み込んだ例を示す。この紙送り装置は、径方向に対向配置した駆動ローラ21と従動ローラ22とを加圧接触させ、駆動ローラ21を図示省略したモータで回転させることにより、両ローラ21、22間に供給された用紙Sを送り出すものであり、そのモータと駆動ローラ21との間に第1実施形態のクラッチが組み込まれている。
具体的には、前記モータの主軸に取り付けた駆動歯車(図示省略)とクラッチの入力軸9に取り付けた入力歯車11とを噛み合わせるとともに、クラッチの出力軸2を駆動ローラ21の回転軸としている。また、各ローラ21、22はそれぞれの回転軸を左右の側壁23、24に回転自在に支持されており、その一方の側壁23にクラッチのハウジング7のフランジ7aが固定されている。これにより、前記モータからの入力トルクはクラッチを介して駆動ローラ21に伝達される一方、駆動ローラ21からの逆入力トルクに対しては駆動ローラ21が空転し、トルクがモータに伝達されないようになっている。従って、紙詰まりが生じた際には、装置停止後に詰まった用紙Sを引っ張るだけで、駆動ローラ21および従動ローラ22を空転させながら用紙Sを引き抜いて紙詰まりを解消することができる。
図8および図9は第2実施形態のクラッチを事務機の定着装置に組み込んだ例を示す。この定着装置は、径方向に対向配置した定着ローラ25と加圧ローラ26とを加圧接触させ、定着ローラ25の一部を電磁誘導加熱するIHコイル27を設けて、各ローラ25、26を図示省略したモータで回転させることにより、両ローラ25、26間に供給された用紙Sを送り出しながら、定着ローラ25で用紙Sを加熱して、用紙S上に形成されたトナー像を用紙Sに定着させるものである。そして、両ローラ25、26の回転が停止したときにIHコイル27の電源を切る電気回路開閉機構の中に、第2実施形態のクラッチが組み込まれている。
前記電気回路開閉機構は、IHコイル27に電力を供給する電気回路28の途中にスイッチ29を設け、このスイッチ29のオン状態とオフ状態とを切り替えるスイッチ切替手段を設けたものである。そのスイッチ切替手段は、スイッチ29の一方の接点29aが取り付けられる揺動レバー30と、スイッチ29の一方の接点29aが他方の接点29bから離れる方向に揺動レバー30を付勢する戻しばね31と、加圧ローラ26からのトルクを受けて揺動レバー30を戻しばね31の付勢力に抗して回動させることにより、一定の力で一方の接点29aを他方の接点29bへ押し付けるトルクリミッタ32とからなる。そして、第2実施形態のクラッチは、その外環17の歯17aが加圧ローラ26の回転軸に取り付けた外部入力歯車20と噛み合い、出力軸2に取り付けた出力歯車33がトルクリミッタ32の入力歯車34と噛み合う状態で組み込まれている。また、クラッチのハウジング7は、そのフランジ7aで定着装置の側壁35に固定されている。
上記の構成により、加圧ローラ26が回転している間は、加圧ローラ26からの入力トルクがクラッチを介してトルクリミッタ32に伝達され、スイッチ29がオン状態になって定着ローラ25が加熱される。一方、加圧ローラ26が停止すると、クラッチの出力軸2がフリーとなりトルクリミッタ32からクラッチへの逆入力が遮断されるようになるので、戻しばね31の作用によりトルクリミッタ32が逆転するとともにスイッチ29がオフ状態になって定着ローラ25の加熱は中止される。従って、定着装置がトラブル等で停止しても、定着ローラ25の過度の温度上昇を防止することができる。
1 入力回転部材
2 出力軸(出力回転部材)
3 ころ
4 保持器
5 摺動ばね
6 フライホイール
7 ハウジング(固定部材)
8 蓋
9 入力軸
10 外輪
10b カム面
11 入力歯車
12 楔形空間
13 ポケット
16 入力回転部材
17 外環
17a 歯
18 軸受部材
19 蓋
20 外部入力歯車
21 駆動ローラ
22 従動ローラ
25 定着ローラ
26 加圧ローラ
27 IHコイル
28 電気回路
29 スイッチ
29a、29b 接点
30 揺動レバー
31 戻しばね
32 トルクリミッタ
33 出力歯車
34 入力歯車

Claims (9)

  1. 同一軸心のまわりに回転する入力回転部材と出力回転部材とを径方向内外に配し、前記入力回転部材の出力回転部材との対向面に所定の周方向間隔をおいて同一方向に傾斜するカム面を設けて、各カム面とこれに対向する前記出力回転部材の円筒面との間に周方向の一側で次第に狭小となる楔形空間を形成し、各楔形空間にころを配するとともに、前記入力回転部材と出力回転部材との間に、前記各ころをポケットに収容して入力回転部材および出力回転部材と係脱自在に保持する保持器を配し、この保持器に回転抵抗を付与する制動機構を設けて、前記入力回転部材に一定方向の入力トルクが加えられたときは、前記保持器でころを楔形空間の狭小側へ相対移動させて入力回転部材および出力回転部材と係合させることにより、出力回転部材にトルクが伝達されるようにするとともに、前記入力トルクの供給が停止したときに前記保持器でころを楔形空間の広大側へ移動させて前記ころと入力回転部材および出力回転部材との係合状態を解除するロック解除機構を設け、前記出力回転部材に逆入力トルクが加えられたときには、出力回転部材が空転して入力回転部材にトルクが伝達されないようにした逆入力遮断クラッチ。
  2. 前記ロック解除機構が、前記保持器にフライホイールを取り付け、前記入力トルクの供給が停止したときに、前記保持器がフライホイールと一体に惰走して前記ころを楔形空間の広大側へ押し出すようにしたものであることを特徴とする請求項1に記載の逆入力遮断クラッチ。
  3. 前記制動機構が、前記保持器に固定部材と摺動する摺動部材を係合させたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の逆入力遮断クラッチ。
  4. 前記摺動部材が、弾性体で形成され、その弾性力により前記固定部材に押し付けられるものであることを特徴とする請求項3に記載の逆入力遮断クラッチ。
  5. 前記摺動部材が、金属製線材を少なくともその両端部が互いに重なり合うように巻いた摺動ばねであることを特徴とする請求項4に記載の逆入力遮断クラッチ。
  6. 前記保持器の内周側のポケット開口幅を、前記ころの直径よりも小さくしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
  7. 前記保持器のポケットの周方向両側の壁面を、前記ころの半径以上の曲率半径をもつ凹円弧面としたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
  8. 駆動ローラと従動ローラとを径方向で対向させ、前記駆動ローラをモータで駆動することにより前記両ローラ間に供給された用紙を送り出すようにした紙送り装置に、前記入力回転部材がモータの出力側に連結され前記出力回転部材が駆動ローラの入力側に連結される状態で組み込まれることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
  9. 外部回転体からのトルクを受けて、電気回路内のスイッチの一方の接点を他方の接点へ押し付けるスイッチ切替手段を備えた電気回路開閉機構に、前記入力回転部材が外部回転体の出力側に連結され前記出力回転部材がスイッチ切替手段の入力側に連結される状態で組み込まれることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の逆入力遮断クラッチ。
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