JP2009030790A - 一方向クラッチ - Google Patents

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昌幸 石田
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Abstract

【課題】組み立て容易、製造容易な構造で、ロック性能を良好に維持できるようにする。
【解決手段】外輪1と内輪2との間に形成した周方向のくさび空間にクラッチ作動ころ10を配置して、そのクラッチ作動ころ10を弾性部材15によって前記くさび空間が狭まる方向へ付勢した一方向クラッチにおいて、周方向に隣り合う前記クラッチ作動ころ10,10間に荷重受けころ11を配置し、その荷重受けころ11を前記外輪1の軸心c周りの円筒面12に当接させるとともに弾性部材15による付勢力を前記クラッチ作動ころ10から前記荷重受けころ11を介して周方向に隣り合う別の前記クラッチ作動ころ10に伝達する。隣り合う複数のクラッチ作動ころ10に対する付勢力の伝達に際し保持器を介することを要しないので、付勢力伝達のために必要とされていた保持器の精度の高い加工が不要となり、組み立て容易、製造容易な構造で、ロック性能を良好に維持できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、係合子として、ころを用いた一方向クラッチに関するものである。
係合子を用いた一方向クラッチは、例えば、電機機器や事務機器の駆動部や、自動車のオルタネータやスタータモータ等の補機類の回転軸、その他各種機器類の回転軸に幅広く用いられている。
これらの一方向クラッチは、係合子として、ころを用いたものと、スプラグを用いたものとがある。
ころを係合子とする一方向クラッチとしては、例えば、図14に示すものがある。この一方向クラッチは、内輪2としてのシャフトの外周に環状の外輪1が配置され、その外輪1に、内径側に開口するポケット部3が周方向に沿って等間隔で複数設けられている。
各ポケット部3は、図14に示すように、少なくとも軸方向一端に開口するとともに、その各ポケット部3内の内径面には、周方向一方に向かうにつれて徐々に前記内輪2の外周面から遠ざかるカム面4が形成されている。このため、前記内輪2の外周面2aと前記カム面4との間で、周方向に伸びるくさび空間が形成されている。
各ポケット部3内にそれぞれころ(クラッチ作動ころ)10が収納されるとともに、その各ポケット部3内には、その各ころ10を前記内輪2の外周面2aと前記カム面4との間に噛み込む方向に付勢する弾性部材5が収納されている。
前記外輪1と前記内輪2とが軸周り一方向へ相対回転することにより、前記ころ10が前記内輪2の外周面2aと前記カム面4との間に噛み込んで、外輪1と内輪2とは結合し一体に回転する(係合状態)。
また、前記外輪1と前記内輪2とがその反対方向へ相対回転することにより、前記ころ10の噛み込みが解除されるとともに、前記外輪1と前記内輪2との結合が解除され、前記外輪1と前記内輪2とは相対回転可能な状態となる(空転状態)。
この空転状態、又は一方向クラッチの停止状態において、前記弾性部材5は、ころ10を軽く付勢して、そのころ10を前記カム面4と前記内輪2の外周面2aに押し当て、その姿勢及び位置をいわゆるスタンバイ状態に保持させる機能を有する。このスタンバイ状態の保持により、一方向クラッチの作動の安定性を向上させている(例えば、特許文献1参照)。
また、例えば、図15(a)(b)に示すように、外輪1と内輪2との間に環状に連続する空間を形成し、この前記外輪1の内周面1a又は内輪2の外周面2aにカム面4を形成する。このカム面4により、前記環状空間内において周方向に沿って複数のくさび空間を成すようにし、これらの各くさび空間に係合子としてのころ10が配置された一方向クラッチがある。
前記各ころ10は、図15(a)に示すように、軸方向一方側にリング部6aを有する第一保持器6と、軸方向他方側にリング部7aを有しそのリング部7aから軸方向へ立上がる柱部7bを有する第二保持器7とによって、周方向所定の間隔に保持されている。
第一保持器6は、外輪1の内径部に圧入固定され、第二保持器は前記環状空間内で周方向へ揺動自在に配置されている。
前記第一保持器6及び前記第二保持器7のいずれか一方に、弾性部材(バネ)5が前記環状空間の周方向へ向けて取り付けられており、このバネ5により、前記第二保持器7を周方向へ付勢し、その第二保持器7の柱部7bを介して前記各ころ10を前記くさび空間に噛み合う方向へ付勢している。
前記第二保持器7により全てのころ10が付勢されるので、各ころ10毎に設けられていた個別の弾性部材5を不要としている(例えば、特許文献2参照)。
なお、図15(a)は、内輪2が外輪1に対して矢印f方向へ相対回転した場合の空転状態、図15(b)は、内輪2が外輪1に対して矢印−f方向に相対回転した場合の係合状態を示す。
特開2000−356230号公報 特開2001−12512号公報
図14に示す一方向クラッチは、複数のころ10と、その各ころ10を押圧する弾性部材5が1対1になった構造のため弾性部材5のコストが高く、また、その組み込みに手間がかかるという問題がある。
また、各ころ10の径方向への脱落を防止するために、外輪1に設けた各ポケット部3の内径側への開口の周方向寸法wを、ころ10の直径rよりも僅かに小さい寸法にしている。
このため、各ころ10の周方向への移動量に制限があり、クラッチロック範囲が広く取れないという問題がある。
この点、図15(a)(b)に示す一方向クラッチによれば、各ころ10の周方向への移動量に制限はない。
しかし、各ころ10を付勢する前記第二保持器7は、リング部7aから一方向クラッチの軸方向に立ち上がる柱部7bを介して各ころ10をカム面4に押し付ける構造になっている。このため、その柱部7bのピッチ(周方向に隣り合う柱部7b,7b同士の間隔)精度を厳しく管理して製造する必要がある。
仮に、柱部7bのピッチにバラツキが大きいと、全てのころ10が同時にロックしない状態も生じ得るので、一方向クラッチのロック性能が悪くなるという問題がある。
そこで、この発明は、組み立て容易、製造容易な構造で、一方向クラッチのロック性能を良好に維持できるようにすることを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、同軸上に配置される外輪と内輪との間に環状空間を形成し、その環状空間に臨む前記外輪の内周面に周方向に傾斜するカム面を周方向に沿って複数形成してその各カム面と前記内輪の外周面との間にそれぞれくさび空間を形成し、前記各くさび空間にそれぞれクラッチ作動ころを配置して、前記外輪と前記内輪との間に配置した弾性部材によって前記各クラッチ作動ころを前記くさび空間が狭まる方向へ付勢した一方向クラッチにおいて、周方向に隣り合う前記クラッチ作動ころ同士を当接させ、その当接により、前記弾性部材による付勢力が、周方向に隣り合う一方の前記クラッチ作動ころから他方の前記クラッチ作動ころに伝達される構成を採用した。
また、他の構成として、周方向に隣り合う前記クラッチ作動ころ間に荷重受けころを配置し、その荷重受けころを介して付勢力を伝達してもよい。
すなわち、その構成は、同軸上に配置される外輪と内輪との間に環状空間を形成し、その環状空間に臨む前記外輪の内周面に周方向に傾斜するカム面を周方向に沿って複数形成してその各カム面と前記内輪の外周面との間にそれぞれくさび空間を形成し、前記各くさび空間にそれぞれクラッチ作動ころを配置して、前記外輪と前記内輪との間に配置した弾性部材によって前記各クラッチ作動ころを前記くさび空間が狭まる方向へ付勢した一方向クラッチにおいて、周方向に隣り合う前記クラッチ作動ころ間のうち少なくとも1箇所に荷重受けころを配置し、その荷重受けころを、周方向に隣り合う前記カム面間に形成した前記外輪の軸心周りの円筒面に当接させるとともに、前記弾性部材による付勢力が、前記荷重受けころの周方向一方側に位置する前記クラッチ作動ころから、前記荷重受けころ11を介して、周方向他方側に位置する別の前記クラッチ作動ころに伝達される構成を採用した。
周方向に隣り合う前記クラッチ作動ころ同士を当接させることにより、弾性部材による付勢力を、周方向一方のクラッチ作動ころから他方のクラッチ作動ころへ直接伝達されるようにした、あるいは、周方向一方側に位置するクラッチ作動ころから、荷重受けころを介して周方向他方側に位置する別のクラッチ作動ころに伝達するようにしたので、その隣り合う複数のクラッチ作動ころに対する付勢力の伝達に際し保持器を介することを要しない。
このため、付勢力伝達のために必要とされていた保持器の精度の高い加工が不要となり、組み立て容易、製造容易な構造で、一方向クラッチのロック性能を良好に維持できる。
また、保持器を使用しないで、ころが周方向に連続するいわゆる総ころ構造とし得ることにより、ころの公差によるロック性能への影響を低減することができる。
また、一つの弾性部材によって複数のクラッチ作動ころを付勢できるので、クラッチ作動ころ毎に一つ一つ弾性部材を配置することを要しない。このため、内外輪間に配置する弾性部材の数を低減できる。弾性部材の数が少なければコスト低減、省スペース化にも寄与し得るとともに、組み立て容易、製造容易な構造とすることができる。
なお、例えば、全ての前記クラッチ作動ころのうち半数以上の前記クラッチ作動ころは、周方向に隣り合う前記クラッチ作動ころから付勢力が伝達される構成を採用することができる。
このようにすれば、全てのクラッチ作動ころ毎に別々に弾性部材を配置した場合と比較して、配置する弾性部材の数を半数以下とすることができる。
また、共通の弾性部材によって付勢される一群の前記クラッチ作動ころにおける周方向に隣り合う前記クラッチ作動ころ間に、前記荷重受けころを一つずつ配置した構成とすることができる。
このように、クラッチ作動ころと荷重受けころの配置が交互であれば、クラッチ作動ころを周方向に密に配置することができ、所定の係合力を確保しやすい。
なお、周方向に隣り合うクラッチ作動ころ間において、弾性部材からの付勢力を伝達できるようにするためには、前記のように、その隣り合うクラッチ作動ころ間に荷重受けころが少なくとも一つ配置していればよいが、例えば、二つずつ、三つずつ、あるいはそれ以上の個数ずつ配置することはさしつかえない。また、クラッチ作動ころが周方向に連続してそのクラッチ作動ころ同士が当接する箇所が存在することも差し支えない。
なお、係合力を周方向に沿ってより均一に近づけるために、クラッチ作動ころは、周方向に沿ってできる限り等間隔に配置されることが望ましく、隣り合う各クラッチ作動ころ間には、各箇所に、同一径の荷重受けころを同数ずつ配置することが望ましい。
また、共通の弾性部材によって付勢される一群の前記クラッチ作動ころにおける全てのクラッチ作動ころに対する付勢力の伝達を、それぞれそのクラッチ作動ころの弾性部材側に隣り合う荷重受けころを介して伝達されるようにしてもよいし、その弾性部材に最も近いクラッチ作動ころについてのみ、弾性部材から直接付勢力が伝達されるようにしてもよい。
また、前記外輪と前記内輪との間に一つの弾性部材を配置し、前記一つの弾性部材の付勢力が、全ての前記クラッチ作動ころに伝達されるようにすれば、弾性部材の数の低減によるさらなるコスト低減、省スペース化にも寄与し得る。
このように、一つの弾性部材で全ての前記クラッチ作動ころを付勢する場合、例えば、前記クラッチ作動ころと前記荷重受けころとを全周に亘って交互に配置した構成を採用することができる。
このとき、前述の場合と同様、クラッチ作動ころは、周方向に沿ってできる限り等間隔であることが望ましく、その各荷重受けころを、全て同一径とすることが望ましいことはいうまでもない。
また、前記クラッチ作動ころと前記荷重受けころとは異径のものを採用してもよいが、例えば、両者を同径とすれば、共通の形状、大きさからなるころを採用することにより部品の共通化に寄与し得る。
さらに、クラッチ作動ころの内径側への脱落を防止する脱落防止材を設けた構成を採用することができる。
その構成は、前記外輪と前記内輪との間に樹脂又は金属の脱落防止材を設け、前記脱落防止材は、一方向クラッチの周方向に沿って伸びる環状部とその環状部から軸方向に伸びる複数の突出部と、周方向に隣り合う前記突出部間に設けられ前記クラッチ作動ころを脱落させない周方向幅の開口とを備え、前記クラッチ作動ころは、前記開口を介して前記内輪に臨むとともにその開口を挟む両側の前記突出部により内径側への脱落が阻止される構成を採用することができる。
このようにすれば、シャフトなどの内輪が挿入されていない状態においても、クラッチ作動ころ、荷重受けころが脱落しないようにし得る。
さらに、前記荷重受けころのころ中心と前記一方向クラッチの軸心との距離は、前記クラッチ作動ころのころ中心と前記一方向クラッチの軸心との距離よりも大きく設定されている構成を採用し得る。
このようにすれば、前記のように、クラッチ作動ころの内径側への脱落が防止される限りにおいて、そのクラッチ作動ころに挟まれた荷重受けころも、両側のクラッチ作動ころに支持されて内径側には脱落しないように維持される。このため、必ずしも荷重受けころが脱落防止材に直接触れる構成としなくともよいので、脱落防止材の構成を簡素化し得る。
また、脱落防止材を荷重受けころに直接触れる構成を採用してもよい。例えば、前記突出部を、その内径側及び外径側にそれぞれ前記一方向クラッチの軸心周りの円筒面を有する部材とし、その外径側の円筒面に前記荷重受けころが接する構成としてもよい。
このようにすれば、荷重受けころが脱落防止材に直接支持されることにより、その脱落を防止する構成とすることができる。
なお、これらの脱落防止材を周方向へ移動可能とすれば、その脱落防止材が各ころの周方向への移動量に制限を生じさせない。
このため、クラッチ作動ころにおけるロック範囲を広く確保することができ、その一方向クラッチに用いられる内輪(シャフト)に許容される公差を広く採ることができる。
さらに、前記脱落防止材が周方向へ移動可能である場合において、前記突出部は、前記クラッチ作動ころに接触することにより、前記クラッチ作動ころの周方向への動きを脱落防止材に伝達する機能を有する受部を備える構成を採用することができる。
このようにすれば、クラッチ作動ころの周方向の動きに合わせて脱落防止材が周方向へ動きやすくなる。このため、クラッチ作動ころと内輪との間に脱落防止材が噛み込むことを防止し得る。
また、その受部を、前記開口から周方向に沿って離れるにつれて徐々に外輪側へ近づく傾斜面で前記クラッチ作動ころに接触するようにすれば、前記クラッチ作動ころの周方向への動きが脱落防止材に伝達されやすくなる。
また、その傾斜面を、前記クラッチ作動ころの外周面に面接触する弧状面とすれば、受部とクラッチ作動ころが面接触することにより両者の一体性が高まり、前記クラッチ作動ころから脱落防止材への動きの伝達がより確実になる。
また、その傾斜面を、前記クラッチ作動ころの外周面に軸方向に沿って線接触する平面とし、その平面の面方向は、前記クラッチ作動ころの外周面への接触箇所における接線方向とすることもできる。
前記クラッチ作動ころと受部との接触が線接触であり、且つその線接触の方向がクラッチ作動ころの軸方向に並行であるので、そのクラッチ作動ころの周方向への動きが、脱落防止材に伝達されやすいといえる。
なお、前記平面の面方向は、その平面に接触する前記クラッチ作動ころの軸心と一方向クラッチの軸心とを通る径方向線に対して、径方向外側に向かって70度以下の角度を成すことが望ましい。
さらに、前記クラッチ作動ころの外周面と軸方向両端面との成す各稜線部に面取り部が設けられており、前記脱落防止材は軸方向両側に設けられて、前記各脱落防止材の突出部は、それぞれ前記面取り部よりも軸方向内側に入り込んでその先端が前記クラッチ作動ころの軸方向中央に又はその軸方向中央に至らない位置にある構成を採用することができる。
このようにすれば、クラッチ作動ころの軸方向両側に脱落防止材が配置されるので、片側にのみ脱落防止材が配置される場合と比較して、クラッチ作動ころの安定的な支持を阻害することなく前記突出部の前記環状部からの突出長さを相対的に短く抑えることができる。このため、脱落防止材の組み込みの際に、突出部を軸方向に沿って長く挿入する必要がなく、その組み込み作業が容易になる。
また、前記荷重受けころは、前記外輪と前記内輪との間のラジアル荷重を伝達できる機能を有するものとすることができる。
荷重受けころに対し、そのようなラジアル荷重の伝達機能を備えさせるためには、その荷重受けころと外輪の円筒面との間の隙間、荷重受けころと内輪の外周面との隙間、脱落防止材を用いる場合には、その脱落防止材と荷重受けころ及び内輪の外周面との各隙間の合計を小さくすることにより可能である。その隙間は、内外輪間に求められるラジアル荷重特性により、適宜最適な隙間を設定し得る。
また、前記環状空間の軸方向両端に、前記外輪と前記内輪との間のラジアル荷重を伝達できる機能を有する荷重受け部を設けることもできる。
この荷重受け部は、前記荷重受けころがラジアル荷重の伝達機能を備えない場合に設けてもよいし、あるいは、前記荷重受けころがラジアル荷重の伝達機能を備える場合にその伝達機能に加えて設けても良い。
さらに、前記環状空間の少なくとも軸方向一方の端部は、前記外輪の内径面に圧入固定した環状のプレートによって閉じられている構成とすれば、外輪内へクラッチ作動ころ及び荷重受けころを組み込んだ後にその環状のプレートを圧入する組立て方法を採用することができ、各ころ、及び脱落防止材を用いる場合はその脱落防止材を外輪内に組み込む際の作業性が良好となる。
また、前記脱落防止材の環状部は、径方向外側に向かって立ち上がるフランジ部を有し、そのフランジ部が前記プレートの内側端面に沿う構成を採用することができる。
脱落防止材に外径側に立ち上がるフランジ部を設けると、その脱落防止材の外径が大きくなって外輪内に組み込みにくくなるが、前記プレート圧入の構成において脱落防止材のフランジ部がプレートの内側端面に沿うようにすれば、プレート圧入前であれば、脱落防止材を外輪内に容易に収めることができる。
また、脱落防止材の他の構成として、前記突出部の内径側、外径側に、それぞれ前記一方向クラッチの軸心周りの円筒面を有する部材で構成する場合には、その突出部及び前記環状部が一枚の可撓性のあるシートを環状に曲げて形成し、前記曲げに伴う弾性力で外径側の荷重受けころに押し付けられている構成を採用することができる。
このようにすれば、脱落防止材を簡単なシート状の部材で構成することができるとともに、脱落防止材を曲げながら外輪内に収めれば容易に組み込むことができる。
この発明は、以上のように、弾性部材からクラッチ作動ころに作用する付勢力を、荷重受けころを介して周方向に隣り合う別のクラッチ作動ころに伝達するようにしたので、付勢力伝達のために必要とされていた保持器の精度の高い加工が不要となり、組み立て容易、製造容易な構造で、一方向クラッチのロック性能を良好に維持できる。
また、保持器を使用しないでいわゆる総ころ構造とし得ることにより、ころの公差によるロック性能への影響を低減することができる。
この発明の実施形態を図1乃至図4に基づいて説明する。この実施形態の一方向クラッチは、図1(a)(b)に示すように、環状の外輪1とシャフト(内輪)2とが、その外輪1の軸心c周りに同軸上に配置されている。
なお、内輪2は、このように軸状の部材で構成してもよいし、環状の内輪として、その内輪に軸を嵌める等によって連結した構成としてもよい。
外輪1は、図1(a)に示すように、円筒状の外周部1cと、その外周部1cの図中左側の端部(以下、「軸方向他方の端部」という)から内径方向に延びる側壁1aとを備えた断面L字状を成している。その軸方向他方の端部に設けた側壁1aは、外周部1cと一体に形成されている。
また、外周部1cの図中の右側の端部(以下、「軸方向一方の端部」という)に、環状のプレート26がその外周部1cの内径面に圧入固定されている。なお、外周部1cには、その内径面の表面硬度を向上させる熱処理が施されている。
前記側壁1aの内径面と、前記プレート26の内径面は、それぞれシャフト2の外周円筒面(外周面)2aに対し極わずかな隙間が生じる内径となっており、その両内径面とシャフト2の外周円筒面2aとの間で、シャフト2と外輪1間のラジアル荷重が伝達される荷重受け部25をそれぞれ構成するようになっている。
また、外輪1とシャフト2との間には環状空間が形成されており、その環状空間に臨む前記外周部1cにおける内径面には、周方向に傾斜するカム面4が、外輪1の周方向に沿って等間隔で複数形成されている。各カム面4は、図1(b)に示すように、周方向時計回りに進むにつれて徐々に外輪1の軸心cへ近づく方向へ傾斜して形成されている。このため、その各カム面4と前記シャフト2の外周円筒面2aとの間の空間は、それぞれ周方向のくさび空間を形成する。
また、その周方向に隣り合うカム面4,4間には、外輪1の軸心c周りの円筒面12が形成されている。その円筒面12は、前記カム面4の最大径部の内径よりもやや大きい内径を有している。
前記各くさび空間には、それぞれ一つずつクラッチ作動ころ10が配置されている。また、その周方向に隣り合う前記クラッチ作動ころ10,10間に荷重受けころ11が一つずつ配置され、すなわち、前記クラッチ作動ころ10と前記荷重受けころ11とは全周に亘って交互に配置されている。また、そのクラッチ作動ころ10と荷重受けころ11とは、同一の直径Rで且つ同一の長さLを有する共通のころを用いている。
なお、図1(b)では、隣り合うクラッチ作動ころ10,10間に荷重受けころ11を二つ配置した箇所が1箇所だけ含まれているが、このように荷重受けころ11の配置個数を部分的に増減することによって、クラッチ作動ころ10の周方向位置を調整することもできる。
荷重受けころ11は、その外径側において前記カム面4,4間の前記円筒面12に当接し、その内径側においてその各荷重受けころ11の内径側に設けた脱落防止材20に当接している。
その脱落防止材20は、前記各荷重受けころ11に接する前記軸心c周りの円筒部(突出部)21を有するとともに、その各円筒部21の軸方向一端が周方向に沿って伸びる環状部22に連結されている。前記脱落防止材20の円筒部21及び環状部22は、図3(a)(b)に示すように、全面に亘って厚さが一定である一枚の可撓性のある樹脂製又は金属製シートを環状に曲げて形成され、図3(c)に矢印で示すように、前記曲げに伴う弾性力で外径側の荷重受けころ11に押し付けられている。
また、その脱落防止材20は、周方向に隣り合う前記円筒部21,21間に前記クラッチ作動ころ10の直径Rよりも狭い周方向幅Wの開口23が設けられている。
その開口23の周方向幅Wが前記クラッチ作動ころ10の直径Rよりも狭いので、クラッチ作動ころ10は、その開口23を介して前記シャフト2の外周面2aに係脱可能に臨み、且つシャフト2を挿通しない状態においても、その開口23からクラッチ作動ころ10が脱落しないようになっている(図3(c)の鎖線に示す状態を参照)。
また、その脱落防止材20は、前記環状部22が、図1(a)に示すように、プレート26の内径面の一部に設けた凹部26aに入り込んで、その凹部26aの内径面とシャフト2の外周円筒面2aとの間に夾まれて保持され、その状態で周方向へ移動可能である。
さらに、前記クラッチ作動ころ10と前記荷重受けころ11とは同一の直径Rであり、その荷重受けころ11のころ中心dと前記軸心cとの距離r2は、クラッチ作動ころ10のころ中心eと前記軸心cとの距離r1よりも、前記円筒部21の径方向厚さVに相当する距離だけ大きく設定されている。
また、前記外輪1と前記シャフト2との間の環状空間内に、バネ(弾性部材)15が一つだけ配置されている。
そのバネ15は、外輪1に設けた内径側に向く突出部13のばね支持部14に嵌めて固定されており、その先端が、最も近い場所にあるクラッチ作動ころ10に直接当接して、バネ15は自然長よりも押し縮められた状態で維持されている。
このため、そのバネ15が伸びようとする弾性力が、クラッチ作動ころ10を周方向へ押す付勢力となって、そのクラッチ作動ころ10を前記くさび空間が狭まる方向へと付勢する。
また、そのクラッチ作動ころ10に対して周方向に隣り合う別のクラッチ作動ころ10に対しては、その両クラッチ作動ころ10,10間に配置された荷重受けころ11が、前記外輪1の円筒面12及び両クラッチ作動ころ10,10に当接した状態で維持されているので、その荷重受けころ11を介して周方向への同一の付勢力が伝達される。
このように、クラッチ作動ころ10、荷重受けころ11、クラッチ作動ころ10の順に順次付勢力が周方向に伝達され、全ての前記クラッチ作動ころ10に同一の付勢力が伝達される。すなわち、全てのクラッチ作動ころ10,10を一群のクラッチ作動ころ10として、それらを共通の弾性部材15で付勢したものである。
なお、この実施形態では、コイルバネ15をクラッチ作動ころ10に直接当接させているが、例えば、図6に示すように、コイルバネ15を荷重受けころ11に直接当接させてもよい。
この一方向クラッチの作用を説明すると、例えば、シャフト2が駆動側、外輪1が従動側のときは、図4(a)に示すように、シャフト2の回転力が矢印f方向であれば、クラッチ作動ころ10はくさび空間が径方向に狭まる方向に移動し、このため、クラッチが係合されて外輪1を同一方向(矢印fの方向)に回転させる。
一方、図4(b)に示すように、シャフト2の回転力が矢印−f方向であれば、クラッチ作動ころ10はくさび空間が径方向に拡がる方向に移動し、このため、クラッチの係合が解除されて、シャフト2の回転力は外輪1には伝達されず、クラッチオフ(遮断)の状態となる。
また、シャフト2が従動側、外輪1が駆動側のときは、上記と全く逆の関係で、すなわち、外輪1の回転力が矢印−fの方向であれば、クラッチが係合されてシャフト2を同一方向(矢印−fの方向)に回転させ、一方、外輪1の回転力が反対方向(矢印fの方向)であれば、外輪1の回転力はシャフト2に伝達されず、クラッチオフ(遮断)の状態となる。
このとき、周方向に並ぶ全てのクラッチ作動ころ10及び荷重受けころ11が、常に相互に当接した状態で維持されているので、その各クラッチ作動ころ10及び各荷重受けころ11の周方向への移動量(周方向への前記軸心c周りの移動角度)のばらつきが少なく、各クラッチ作動ころ10の係合力がより均一に近い状態となる。このため、クラッチのロック性能が、より安定したものとなる。
また、クラッチ作動ころ10及び荷重受けころ11の周方向への移動とともに、脱落防止材20も周方向へ移動可能であるので、その脱落防止材20が各ころ10,11の周方向への移動量に制限を生じさせない。
このため、前記クラッチの係合状態とクラッチオフの状態との間におけるクラッチ作動ころ10の周方向への移動範囲(ロック範囲)を広く確保することができ、その結果、シャフト2に許容される公差を広く採ることができる。
この一方向クラッチを組み立てる際には、図2に示すように、その断面L字状の外輪1の内側に、バネ15、クラッチ作動ころ10及び荷重受けころ11を順に並べていく。このとき、クラッチ作動ころ10はカム面4に、荷重受けころ11は円筒面12にそれぞれ当接するようにする。
シート状の脱落防止材20を曲げて環状にし、その状態で、前記クラッチ作動ころ10及び荷重受けころ11の内径側に挿入する。脱落防止材20は、その曲げに伴う弾性力で外径側に拡がり、前記円筒部21が荷重受けころ11に押し付けられる。
その後、外周部1cの軸方向一方の端部にプレート26を圧入固定し、脱落防止材20の環状部22がそのプレート26の凹部26a内に入り込んだ状態で保持される。
なお、この実施形態では、シャフト2の組み込みは、実際にこの一方向クラッチを機器類の回転軸等に組み付ける際に行われることとなるが、脱落防止材20を設けたことにより、シャフト2が無い状態であっても各ころ10,11は脱落しない。
また、内輪2としての前記シャフト2に代えて環状の内輪を採用して、一方向クラッチを機器類に組み付ける際には、その環状の内輪2に軸を嵌める等によって連結した構成としてもよい。
他の実施形態を図5(a)(b)に示す。この実施形態は、前記脱落防止材20の環状部22を、前記円筒部21の軸方向一端から径方向外側に向かって立ち上がるフランジ部22aで構成したものである。素材は、剛性の高い樹脂又は金属が用いられ、前述の実施形態で用いたシート状の脱落防止材20のように容易に変形しないようになっている。
なお、可撓性のある樹脂素材を採用してもよいが、各ころ10,11の脱落を阻止する機能を期待する場合は、そのころ10,11の重量を支えるに足りる剛性を必要とする。
この実施形態の脱落防止材20は、前記フランジ部22aが前記プレート26の内側端面に形成した凹部26bに入り込んで、その内側端面に沿って保持されているので、周方向への回転がガイドされている。
さらに他の実施形態を図5(c)に示す。この実施形態は、外輪1の軸方向一方の端部を閉じる前記プレート26に代えて、外周部1cの軸方向他方の端部に側壁1bを一体に形成したものである。外輪1は、外周部1cと軸方向両側の側壁1a,1bとで断面コ字状を成す。
前記シート状の脱落防止材20の環状部22が、軸方向一方の端部の側壁1bの内径部に設けた凹部1dに入り込んで保持されている。
また、図7(a)に示す実施形態は、脱落防止材20を省略した構成である。前記クラッチ作動ころ10と前記荷重受けころ11とは同一の直径Rであり、その荷重受けころ11のころ中心dと前記軸心cとの距離r2は、クラッチ作動ころ10のころ中心eと前記軸心cとの距離r1と等しく設定されている。
さらに、図7(b)に示す実施形態は、脱落防止材20を省略した構成であるとともに、前記荷重受けころ11の直径R’を前記クラッチ作動ころ10の直径Rよりもやや小径としたものである。このため、その荷重受けころ11のころ中心dと前記軸心cとの距離r2は、クラッチ作動ころ10のころ中心eと前記軸心cとの距離r1よりもやや小径に設定されている。
また、さらに他の実施形態として、例えば、図8に示すように、周方向に隣り合うクラッチ作動ころ10,10間に荷重受けころ11が介在せず、両クラッチ作動ころ10,10が周方向に連続する箇所が存在するようにした構成も採用し得る。図8に示す実施形態では、両クラッチ作動ころ10,10が周方向に連続する箇所を全体として1箇所設けているが、例えば、そのような連続する箇所を、2箇所、3箇所、あるいは4箇所以上設けてもよい。
さらに他の実施形態を図9乃至図10に示す。この実施形態は、前記脱落防止材20の環状部22を径方向外側に向かって立ち上がるフランジ部22aとし、前記突出部21をそのフランジ部22aから軸方向に伸びるように設け、その突出部21の外径面を前記クラッチ作動ころ10に当接する受部24としたものである。
また、この実施形態では、2つの弾性部材15により、すべてのクラッチ作動ころ10を係合方向に付勢している。このため、弾性部材15の数は増えるものの、前述の実施形態における1つの弾性部材15により全てのクラッチ作動ころ10を付勢する場合と比較して、各クラッチ作動ころ10に作用する付勢力がより均一に近くなるという効果が期待できる。
脱落防止材20は、図10(a)に示すように、一方向クラッチの軸方向両側に設けられており、その両脱落防止材20,20は同一素材で構成され、共通の形状、共通の大きさのものが用いられて部品の共通化を図っている。
その脱落防止材20は、図9(a)に示すように、周方向に隣り合う前記突出部21,21の対向縁21a,21a間に、前記クラッチ作動ころ10の直径よりも狭い周方向幅の開口23を備えている。前記クラッチ作動ころ10は、その開口23を介して前記内輪2に臨み、内輪2の外周面2aに係脱可能である。
脱落防止材20は、前述の実施形態と同様に剛性の高い樹脂又は金属が用いられ、各ころ10,11の重量を支えるに足りる剛性を有した素材が用いられている。このため、前記クラッチ作動ころ10は、その開口23を挟む両側の前記受部24に支持されて、内径側への脱落が阻止される。
脱落防止材20を金属製とする場合は、プレス成形によりフランジ部22aに対して突出部21を折り曲げるだけで容易に成形できるため、コストダウンに寄与し得る。また、この形状の脱落防止材20を軸方向から見れば、一目でクラッチ作動ころ10、荷重受けころ11の配置場所が確認できるので、各ころ10,11の組み込みが簡単である。
また、その受部24は、前記開口23から周方向に沿って離れるにつれて徐々に外輪1側へ近づく傾斜面24aで構成される。その傾斜面24aは、前記クラッチ作動ころ10の外周面10aに軸方向に沿って線接触する平面である。
その平面の面方向は、図10(c)に示すように、前記クラッチ作動ころ10の外周面10aへの接触箇所pにおける接線方向となっており、その接線方向は、前記クラッチ作動ころ10の軸心eと一方向クラッチの軸心cとを通る径方向線に対して、径方向外側に向かって角度αを成している。この実施形態では、その角度αを70度以下に設定している。
前記接触箇所pにおいて、前記受部24,24が前記クラッチ作動ころ10の外周面10aに接触し、この接触により、前記クラッチ作動ころ10の周方向への動きが、脱落防止材20に伝達されるようになっている。
このため、クラッチ作動ころ10の周方向の移動に伴って、受部24が周方向に押圧され、その押圧により脱落防止材20が周方向に移動する。このため、その脱落防止材20がクラッチ作動ころ10と内輪2との間に噛み込むことが防止される。
このとき、前記角度αが70度以下であることにより、そのクラッチ作動ころ10から脱落防止材20への動きの伝達がより確実に行われる。
なお、受部24は、開口23を挟んで周方向両側に設けられているので、クラッチ作動ころ10の周方向どちらの向きへの動きに対しても対応することができる。
また、この脱落防止材20によれば、内輪2と脱落防止材20との摺動面積を小さくできるため、クラッチ機能としての空転トルクの管理が簡単であるという効果も期待できる。
また、前記クラッチ作動ころ10の外周面10aと軸方向両端面10b,10bとの成す各稜線部に面取り部10c,10cが設けられている。なお、前記荷重受けころ11と前記クラッチ作動ころ10とは共通の形状、共通の大きさであるので、その荷重受けころ11の外周面11aと軸方向両端面11b,11bとの成す各稜線部にも、面取り部11c,11cが設けられている。
前記各脱落防止材20,20の突出部21,21は、それぞれ前記各面取り部10c,11cよりも軸方向内側に入り込んで、その各突出部21,21の先端は、それぞれ前記クラッチ作動ころ10の軸方向中央に至らない位置にある。
このように、軸方向両側から脱落防止材20が挿入されるので、クラッチ作動ころ10の安定的な支持を阻害することなく、片側一箇所当たりの突出部21の挿入長さを短くすることができる。このため、組み込み作業が容易である。
図10(a)(b)は、前述の各実施形態と同様、この状態で外輪1が図示しない外部部品に組み込み可能なAssy状態を示し、この状態で内輪2が組み込まれていない場合においても、前記クラッチ作動ころ10は突出部21に支持されて脱落しないようになっている。
また、前記荷重受けころ11のころ中心dと前記一方向クラッチの軸心cとの距離r2は、前記クラッチ作動ころ10のころ中心eと前記一方向クラッチの軸心cとの距離r1よりも大きく設定されているので、前記突出部21に支持されたクラッチ作動ころ10が脱落しなければ、荷重受けころ11は、その両側のクラッチ作動ころ10,10と外輪1の内周面1aに挟まれているので同じく脱落しないようになっている。
なお、軸方向に対向する両突出部21,21の先端を、前記クラッチ作動ころ10の軸方向中央に位置させてその両先端を当接させるようにしてもよい。
また、その図9及び図10(a)に示す前記脱落防止材20を、例えば、図11(a)(b)に示すように、一方向クラッチの軸方向片側のみに設けるようにした構成も考えられる。
図11(b)に示す実施形態の脱落防止材20は、図5(a)に示す実施形態と同様、前記フランジ部22aが前記プレート26の内側端面に形成した凹部26bに入り込んで、その内側端面に沿って保持されているので、周方向への回転がガイドされているものである。
さらに他の実施形態を図12に示す。この実施形態の脱落防止材20は、前記傾斜面24aを、前記クラッチ作動ころ10の外周面10aに面接触する弧状面としたものである。
受部24の傾斜面24aを、前記クラッチ作動ころ10の外周面10aに面接触する弧状面としたことにより、受部24とクラッチ作動ころ10との一体性が高まり、前記クラッチ作動ころ10から脱落防止材20への動きの伝達がより確実になる効果が期待できる。
さらに他の実施形態を図13に示す。この実施形態は、周方向に隣り合う2つのクラッチ作動ころ10同士を当接させ、その2つ1組のクラッチ作動ころ10,10を一群のクラッチ作動ころ10,10として、それらを共通の弾性部材15で付勢したものである。
この実施形態では、一方向クラッチ内に8つのクラッチ作動ころ10が配置されており、これらを4つの弾性部材15で付勢している。周方向に隣り合うクラッチ作動ころ10,10間に、荷重受けころ11は配置していない。
4つの弾性部材15を配置したことから、前述の図10(b)に示す2つの弾性部材15を用いた実施形態、あるいは、図1や図6、図8等に示す一つの弾性部材15で全てのクラッチ作動10を付勢した構成と比較して、各弾性部材15の付勢力が各荷重受けころ10に対して相対的にダイレクトに伝わりやすいといえる。このため、同等のトルク負荷能力を得ながら、ロック性能を向上させることができる。
また、相互に当接する二つの前記クラッチ作動ころ10は、図13に示す開口23’を挟む両側の前記受部24に支持されて、内径側への脱落が阻止されている。
すなわち、周方向に隣り合う前記突出部21,21の対向縁21a,21a間に、二つの前記クラッチ作動ころ10,10を同時に通過させることができない周方向幅の開口23’を備えている。開口23’は、クラッチ作動ころ10を脱落させない周方向幅となっている。
また、その両クラッチ作動ころ10,10は、前記開口23’を介してそれぞれ前記内輪2に臨み、内輪2の外周面2aに係脱可能である。
なお、図13は、周方向に並ぶ2つのクラッチ作動ころ10,10同士を当接させることにより、その2つのクラッチ作動ころ10,10に共通の弾性部材15の付勢力が伝達される構成としたが、例えば、周方向に当接状態で並ぶ3つ以上の前記クラッチ作動ころ10を前記一群のクラッチ作動ころ10として、それらを共通の弾性部材15で付勢するようにしてもよい。
一実施形態を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B断面図 同実施形態の分解斜視図 脱落防止材を示し、(a)は斜視図、(b)は環状に曲げた状態の斜視図、(c)はクラッチ作動ころとの位置関係を示す説明図 (a)は係合状態、(b)は空転状態を示す作用図 他の実施形態を示し、(a)は正面図、(b)は脱落防止材の斜視図、(c)はさらに他の実施形態を示す要部拡大正面図 さらに他の実施形態を示す側面図 (a)(b)は、さらに他の実施形態を示す要部拡大図 さらに他の実施形態を示す側面図 さらに他の実施形態の脱落防止材を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は正面図 図9の脱落防止材を用いた実施形態を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(b)の要部拡大図 (a)(b)は、それぞれ図9の脱落防止材を用いた他の実施形態を示す正面図 さらに他の実施形態を示し、(a)は側面図、(b)は(a)の要部拡大図 さらに他の実施形態を示す側面図 従来例の一部切断側面図 従来例の作用を示し、(a)は空転状態、(b)は係合状態を示す要部拡大図
符号の説明
1 外輪
2 内輪(シャフト)
3 ポケット部
4 カム面
5,15 弾性部材(バネ)
10 クラッチ作動ころ
10a,11a 外周面
10b,11b 端面
10c,11c 面取り部
11 荷重受けころ
12 円筒面
13 突出部
14 ばね支持部
20 脱落防止材
21 突出部(円筒部)
21a 対向縁
22 環状部
23,23’ 開口
24 受部
24a 傾斜面
25 荷重受け部
26 プレート

Claims (19)

  1. 同軸上に配置される外輪1と内輪2との間に環状空間を形成し、その環状空間に臨む前記外輪1の内周面に周方向に傾斜するカム面4を周方向に沿って複数形成してその各カム面4と前記内輪2の外周面2aとの間にそれぞれくさび空間を形成し、前記各くさび空間にそれぞれクラッチ作動ころ10を配置して、前記外輪1と前記内輪2との間に配置した弾性部材15によって前記各クラッチ作動ころ10を前記くさび空間が狭まる方向へ付勢した一方向クラッチにおいて、
    周方向に隣り合う前記クラッチ作動ころ10,10同士を当接させ、その当接により、前記弾性部材15による付勢力が、周方向に隣り合う一方の前記クラッチ作動ころ10から他方の前記クラッチ作動ころ10に伝達されることを特徴とする一方向クラッチ。
  2. 同軸上に配置される外輪1と内輪2との間に環状空間を形成し、その環状空間に臨む前記外輪1の内周面に周方向に傾斜するカム面4を周方向に沿って複数形成してその各カム面4と前記内輪2の外周面2aとの間にそれぞれくさび空間を形成し、前記各くさび空間にそれぞれクラッチ作動ころ10を配置して、前記外輪1と前記内輪2との間に配置した弾性部材15によって前記各クラッチ作動ころ10を前記くさび空間が狭まる方向へ付勢した一方向クラッチにおいて、
    周方向に隣り合う前記クラッチ作動ころ10,10間のうち少なくとも1箇所に荷重受けころ11を配置し、その荷重受けころ11を、周方向に隣り合う前記カム面4,4間に形成した前記外輪1の軸心c周りの円筒面12に当接させるとともに、前記弾性部材15による付勢力が、前記荷重受けころ11の周方向一方側に位置する前記クラッチ作動ころ10から、前記荷重受けころ11を介して、周方向他方側に位置する別の前記クラッチ作動ころ10に伝達されることを特徴とする一方向クラッチ。
  3. 全ての前記クラッチ作動ころ10のうち半数以上の前記クラッチ作動ころ10は、周方向に隣り合う前記クラッチ作動ころ10から付勢力が伝達されることを特徴とする請求項1又は2に記載の一方向クラッチ。
  4. 共通の弾性部材15によって付勢される一群の前記クラッチ作動ころ10における周方向に隣り合う全ての前記クラッチ作動ころ10,10間に、前記荷重受けころ11を一つずつ配置したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の一方向クラッチ。
  5. 前記外輪1と前記内輪2との間に一つの弾性部材15を配置し、前記一つの弾性部材15の付勢力が、全ての前記クラッチ作動ころ10に伝達されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の一方向クラッチ。
  6. 前記クラッチ作動ころ10と前記荷重受けころ11とを同径としたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の一方向クラッチ。
  7. 前記外輪1と前記内輪2との間に樹脂又は金属の脱落防止材20を設け、前記脱落防止材20は、一方向クラッチの周方向に沿って伸びる環状部22とその環状部22から軸方向に伸びる複数の突出部21と、周方向に隣り合う前記突出部21,21間に設けられ前記クラッチ作動ころ10を脱落させない周方向幅の開口23,23’とを備え、
    前記クラッチ作動ころ10は、前記開口23を介して前記内輪2に臨むとともにその開口23,23’を挟む両側の前記突出部21,21により内径側への脱落が阻止されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の一方向クラッチ。
  8. 前記荷重受けころ11のころ中心dと前記一方向クラッチの軸心cとの距離r2は、前記クラッチ作動ころ10のころ中心eと前記一方向クラッチの軸心cとの距離r1よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項7に記載の一方向クラッチ。
  9. 前記突出部21は、その内径側及び外径側にそれぞれ前記一方向クラッチの軸心c周りの円筒面を有する部材であり、その外径側の円筒面に前記荷重受けころ11が接することを特徴とする請求項7又は8に記載の一方向クラッチ。
  10. 前記脱落防止材20は、周方向へ移動可能であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の一方向クラッチ。
  11. 前記突出部21は、前記クラッチ作動ころ10に接触することにより、前記クラッチ作動ころ10の周方向への動きを脱落防止材20に伝達する機能を有する受部24を備えることを特徴とする請求項10に記載の一方向クラッチ。
  12. 前記受部24は、開口23から周方向に沿って離れるにつれて徐々に外輪1側へ近づく傾斜面24a,24aで前記クラッチ作動ころ10に接触することを特徴とする請求項11に記載の一方向クラッチ。
  13. 前記傾斜面24aは、前記クラッチ作動ころ10の外周面10aに面接触する弧状面であることを特徴とする請求項12に記載の一方向クラッチ。
  14. 前記傾斜面24aは、前記クラッチ作動ころ10の外周面10aに軸方向に沿って線接触する平面であり、その平面の面方向は、前記クラッチ作動ころ10の外周面10aへの接触箇所における接線方向であることを特徴とする請求項12に記載の一方向クラッチ。
  15. 前記平面の面方向は、その平面に接触する前記クラッチ作動ころ10の軸心eと一方向クラッチの軸心cとを通る径方向線に対して、径方向外側に向かって70度以下の角度を成すことを特徴とする請求項14に記載の一方向クラッチ。
  16. 前記クラッチ作動ころ10の外周面10aと軸方向両端面10b,10bとの成す各稜線部に面取り部10c,10cが設けられており、前記脱落防止材20は軸方向両側に設けられて、前記各脱落防止材20,20の突出部21,21は、それぞれ前記面取り部10cよりも軸方向内側に入り込んでその先端が前記クラッチ作動ころ10の軸方向中央に又はその軸方向中央に至らない位置にあることを特徴とする請求項7乃至15のいずれかに記載の一方向クラッチ。
  17. 前記荷重受けころ11は、前記外輪1と前記内輪2との間のラジアル荷重を伝達する機能を有することを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の一方向クラッチ。
  18. 前記環状空間の軸方向両端に、前記外輪1と前記内輪2との間のラジアル荷重を伝達する機能を有する荷重受け部25を設けたことを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の一方向クラッチ。
  19. 前記環状空間の少なくとも軸方向一方の端部は、前記外輪1の内径面に圧入固定した環状のプレート26によって閉じられていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の一方向クラッチ。
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