JP2017145954A - ワンウェイクラッチ及びこれを備えた遮蔽装置 - Google Patents

ワンウェイクラッチ及びこれを備えた遮蔽装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回転規制作用時の2つの回転部材の間の相対回転を低減することができるワンウェイクラッチを提供する。【解決手段】本発明によれば、第1回転部材と第2回転部材の一方向の相対回転を規制し、他方向の回転を許容するワンウェイクラッチであって、複数の第1係合溝と、複数の第2係合溝と、前記第1係合溝及び第2係合溝の間に配置された複数の移動体とを備え、前記移動体の少なくとも1つが、自重により径方向外側へ移動して前記第1係合溝及び第2係合溝と係合することによって、前記第1回転部材と前記第2回転部材の相対回転を規制するワンウェイクラッチが提供される。【選択図】図6

Description

この発明は、2つの回転部材の間の一方向の相対回転を規制し、他方向の相対回転を許容するワンウェイクラッチと、これを備えた遮蔽装置に関するものである。
従来、この種のワンウェイクラッチとして、相対回転可能に且つ軸方向に沿って同心的に並設された中心軸及びクラッチドラムと、これらの2つの回転部材を渡り巻回されたクラッチバネとを有し、クラッチバネの締付及び弛緩を利用して、中心軸及びクラッチドラムの連結と非連結とを切り換えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5226340号
しかしながら、特許文献1に記載のようなクラッチバネを用いる構成では、規制すべき他方向の回転に対しても、弛緩したクラッチバネが締付状態となるまでに中心軸とクラッチドラムが若干相対回転してしまう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、回転規制作用時の2つの回転部材の間の相対回転を低減することができるワンウェイクラッチを提供するものである。
本発明によれば、第1回転部材と第2回転部材の一方向の相対回転を規制し、他方向の回転を許容するワンウェイクラッチであって、複数の第1係合溝と、複数の第2係合溝と、前記第1係合溝及び第2係合溝の間に配置された複数の移動体とを備え、前記移動体の少なくとも1つが、自重により径方向外側へ移動して前記第1係合溝及び第2係合溝と係合することによって、前記第1回転部材と前記第2回転部材の相対回転を規制するワンウェイクラッチが提供される。
本発明のワンウェイクラッチを用いれば、第1回転部材と第2回転部材の一方向の回転に対してその回転を規制するまでの戻り角を低減することが可能となる。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記第1係合溝は、前記第1回転部材又は当該第1回転部材と一体に回転する部材に設けられ且つ前記第1回転部材の周方向に沿って並ぶように設けられ、前記第2係合溝は、前記第2回転部材又は当該第2回転部材に取り付けられた部材に設けられ且つ前記第2回転部材の周方向に沿って並ぶように設けられている。
好ましくは、前記第1係合溝は、軸方向外側又は径方向外側の少なくとも一方に向かって開口するとともに、前記径方向に対して周方向に傾斜した細長形状とされ、前記第2係合溝は、径方向内側に向かって開口している。
好ましくは、前記第1回転部材は中心軸であり、前記第2回転部材は前記中心軸回りに回転可能なクラッチドラムであって、前記第1係合溝は、前記中心軸に取り付けられたクラッチプレートに形成され、前記第2係合溝は、当該クラッチドラムの軸方向端部に形成され、前記移動体は、前記第2係合溝のそれぞれに配置される。
好ましくは、前記第1係合溝は、径方向外側に向かって開口し、前記第2係合溝は、前記クラッチプレートの外縁部から軸方向に延びる傘状部に形成されるとともに、前記第1係合溝と対向するよう径方向内側に向かって開口している。
好ましくは、前記クラッチドラムの軸方向端部の外縁部近傍には円周方向に亘って環状溝が形成され、前記クラッチプレートの外縁部近傍の、前記環状溝と対向する位置には当該環状溝と嵌り合う環状突起が設けられる。
また、本発明は、上記ワンウェイクラッチを有するクラッチ装置を備えるとともに、一方向に付勢された回転体と、当該回転体の回転に伴って開閉可能な遮蔽部材とを備えた遮蔽装置であって、前記クラッチ装置が前記回転体の前記一方向の回転の規制と許容とを切り替える、遮蔽装置を提供するものである。
本発明の第1実施形態に係るロールスクリーンを示す正面図である。 図1のロールスクリーンのクラッチ装置を示す分解斜視図である。 図2のクラッチ装置の要部拡大断面図である。 図2のクラッチ装置のクラッチドラムのガイド溝の展開図である。 図2のクラッチ装置のワンウェイクラッチ機構を拡大して示す分解斜視図である。 図5のワンウェイクラッチ機構を図3のD−D断面で切った時の断面図である。 図3のE−E断面図である。 図5のワンウェイクラッチ機構の状態遷移を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係るワンウェイクラッチ機構の形状を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
(第1実施形態)
(1−1)ロールスクリーン全体の構成
図1に示す遮蔽装置としてのロールスクリーンは、窓の上枠等に固定される枠体1の両側にブラケット2a,2bが取り付けられ、これらブラケット2a,2bの間に回転体としての巻取パイプ3が回転可能に支持されており、その巻取パイプ3からスクリーン4が吊下支持されている。巻取パイプ3内には付勢手段としてのコイルスプリング5が配設されており、コイルスプリング5の一端は巻取パイプ3に固定され、他端は連結部材(図示せず)を介してブラケット2aに固定されていて、スクリーン4が巻戻された状態において、このスクリーン4を巻取る方向に巻取パイプ3を付勢している。また、スクリーン4の下端のウェイトバー6に取り付けられたプルコード7を引いてスクリーン4を引き下げると、巻取パイプ3が反対方向に回転するとともに、コイルスプリング5が蓄勢されるようになっている。
なお、以下の記載において、スクリーン4の巻取り時に各部材が回転する方向を巻取り方向、スクリーン4の巻戻し時に各部材が回転する方向を巻戻し方向と規定する。そして、本実施形態のロールスクリーンには、コイルスプリング5の付勢力に抗して巻取パイプ3の回転を規制し、スクリーン4を所望位置に吊り下げ支持するためのクラッチ装置10が設けられている。
(1−2)クラッチ装置
クラッチ装置10は、図2及び図3に示すように、ブラケット2b(図1参照)に回転不能に支持される、第1回転部材としての中心軸11と、中心軸11に相対回転可能に取り付けられる円筒形状の、第2回転部材としてのクラッチドラム20と、このクラッチドラム20の外周に配置されるとともに巻取パイプ3に固定される円筒形状のクラッチケース30と、中心軸11に取り付けられたクラッチプレート40と、ガイド体としてのクラッチボール60とを主に備えている。なお、中心軸11とクラッチプレート40は相対回転不能となっている。
また、クラッチドラム20とクラッチプレート40の間には、移動体としてのワンウェイボール70が複数配置されている。加えて、クラッチドラム20には、スクリーン4の引き上げ速度を適宜に抑えるためのガバナ装置50が取り付けられている。なお、これらの部材は主に樹脂製とするのが好ましい。
<中心軸>
中心軸11は、クラッチプレート40が嵌合する角軸状の嵌合部12と、嵌合部12よりも大きな径を有しクラッチドラム20が挿入される丸軸部13と、挿入されたクラッチドラム20が当接して係止される薄肉の円盤部14と、角柱形に形成され、ブラケット2bの取付部(図示せず)と回転不能に嵌合する角軸部15とをこの順に有する。また、本実施形態において、丸軸部13には肉抜きがなされている。なお、ブラケット2bの取付部は、ブラケット2bの端部近傍に配置されるものの他、ブラケット2b端部から軸方向内側へ延出させ、当該延出部の端部に回転可能に取り付けたドラムキャップ(図示せず)に形成してもよく、角軸部15を当該ドラムキャップに固定することも可能である。
なお、クラッチ装置10の各部材の軸方向(長手方向)の向きについて、以下の説明において、中心軸11の嵌合部12側を嵌合部側、角軸部15側を角軸側とする。
<クラッチドラム>
クラッチドラム20は、図2及び図4等に示すように、円周方向に設けられた無端状のガイド溝22を外周面21に有するとともに、軸方向に貫通する貫通孔23を有している。貫通孔23は、中心軸11の丸軸部13と嵌り合う小径孔23aと、この小径孔23aの軸方向両側からクラッチドラム20の軸方向両端まで連続し、小径孔23aよりも内径が大きい拡径孔23bとによって形成されている(図3参照)。加えて、クラッチドラム20の両端部には、ワンウェイボール70を組込むための組込部25を有している。
組込部25は、図5の拡大斜視図及び図6の断面図に示すように、軸方向外側へ突出する円筒状の突出部25aに、周方向外側に向かって開口する複数のドラム側係合溝26(特許請求の範囲における第1係合溝)を有して形成される。ドラム側係合溝26は、周方向に亘って等間隔に6つ設けられ、図6に示すように、突出部25a外周面から径方向中心に向かう方向に対して周方向に傾斜した細長形状をなしている。また、その底部26aは、ワンウェイボール70よりもわずかに大きい半円形となっている。そして、このような形状により、各ドラム側係合溝26は、それぞれ1つのワンウェイボール70を収容することが可能となっている。
なお、本実施形態において、クラッチドラム20の組込部25は軸方向両端に形成されていることから、クラッチドラム20はガイド溝22の形状を除いて、軸方向にほぼ左右対称な形状となっている。
<クラッチプレート>
クラッチプレート40は、図5及び図6に示すように、中心軸11の嵌合部12と嵌合する角孔である嵌合孔41を有する円盤部42と、円盤部42の外縁部から全周に亘って軸方向に延びる傘状部43と、傘状部43よりも径方向内側において軸方向に延びる円筒部44とを備えて形成される。傘状部43と円筒部44との間には、ワンウェイボール70が周回可能な周回溝45が形成される。
また、傘状部43には、径方向内側(中心軸側)に向かって開口する複数のプレート側係合溝46(特許請求の範囲における第2係合溝)が形成されており、本実施形態においては、プレート側係合溝46は周方向に亘って等間隔に18個設けられている。なお、プレート側係合溝46の数は、溝46を形成する樹脂の強度等に応じて適宜変更することができ、例えば、15個とすることも可能である。
<クラッチケース>
クラッチケース30は、外周に巻取パイプ3の内周に設けられた溝(図示せず)と嵌り合う4つのリブ31を有しており、巻取パイプ3と一体回転するようになっている。このクラッチケース30の内周面32には、内径が小さくなった狭径部33と、クラッチケース30の端部34から狭径部33まで軸方向に連続するスライド溝35とが形成されている。
(1−2)クラッチ装置の組み立て
以上のような構成のクラッチ装置10を組み立てる際には、図3に示すように、まずクラッチドラム20を中心軸11の丸軸部13に挿入して、クラッチドラム20の一端側(角軸側)の組込部25を円盤部14に当接させる。
この際、図3及び図3のE−E断面である図7に示すように、摩擦抵抗体としてのコイルスプリング80を中心軸11とクラッチドラム20との間に配設する。
このコイルスプリング80は、中心軸11の丸軸部13に挿入されて円盤部14側に配置されるものであり、この状態でクラッチドラム20が中心軸11に挿入される。この時、クラッチドラム20内面の端部は内径が拡径した拡径孔23bとなっているため、コイルスプリング80と干渉しないようになっている。そして、図7に示すように、この拡径孔23bは断面形状が円周方向1ヶ所に凹部28を有するキー溝形状となっており、凹部28とコイルスプリング80の外周方向に突出する突出部81とが係合するようになっている。なお、このコイルスプリング80は、クラッチドラム20が中心軸11に対して巻取り方向に回転すると巻締まり、巻戻し方向に回転すると巻緩む方向に取り付けられる。
次に、クラッチドラム20の他端側(嵌合部側)の組込部25のドラム側係合溝26に6つのワンウェイボール70を配置した状態でクラッチプレート40を中心軸11に挿入し、クラッチプレート40の嵌合孔41と中心軸11の嵌合部12を嵌合させ、中心軸11とクラッチプレート40をこれらが一体回転するよう固定する。これにより、ワンウェイボール70がクラッチドラム20のドラム側係合溝26とクラッチプレート40のプレート側係合溝46の間に収容される。なお、この固定には、必要に応じて接着剤を使用することができる。
ところで、クラッチドラム20の軸方向端部の外縁部近傍には、円周方向に亘って環状溝27が形成され、クラッチプレート40の外縁部近傍の、環状溝27と対向する位置には当該環状溝27と嵌り合う環状突起47が設けられている。そして、クラッチプレート40が中心軸11に挿入されると、同時に、環状溝27と環状突起47が相対回転可能な状態で嵌まり合うようになっている。
次に、クラッチドラム20及クラッチプレート40が組み付けられた中心軸11をクラッチケース30へ収容する。この際、クラッチドラム20のガイド溝22とクラッチケース30のスライド溝35との間にクラッチボール60を配設する。このクラッチボール60は樹脂製又は金属製の球体であり、クラッチドラム20とクラッチケース30の相対回転に伴ってスライド溝35内を移動しながらガイド溝22内を移動するようになっている。なお、スライド溝35がクラッチケース30の端部34まで連続していることで、クラッチ装置10を組み立てる際にクラッチボール60を容易に導入することが可能となっている。
中心軸11をクラッチケース30に挿入すると、中心軸11の円盤部14がクラッチケース30の狭径部33と当接することで中心軸11が軸方向に位置決めされる。この状態で、中心軸11の角軸側から止め輪51を挿入し、狭径部33に当接するよう嵌め込むことによって、クラッチドラム20とクラッチケース30とが軸方向(図3(a)の左右方向)に相対移動しないようになっている。そして、ガバナ装置50をクラッチドラム20に取り付ける。このガバナ装置50は、中心軸11及びクラッチドラム20をクラッチケース30に収容した状態で脱落を防止する効果も有している。
このように構成されたクラッチ装置10は、中心軸11に対するクラッチドラム20の巻取り方向の回転を規制するワンウェイクラッチ機構C1(特許請求の範囲のワンウェイクラッチ)と、クラッチドラム20とクラッチケース30の連動と非連動とを切り替えるカムクラッチ機構C2とを有しており、これらの機構によって、中心軸11に対するクラッチケース30の巻取り方向の回転の規制と許容とを切り替えることが可能になっている。
(2)クラッチ装置の動作
以下に、これらワンウェイクラッチ機構C1とカムクラッチ機構C2の構成及び、これらの機構によるクラッチ装置10の動作を説明する。
(2−1)ワンウェイクラッチ機構の動作
ワンウェイクラッチ機構C1は、図6及び図8に示すように、中心軸11に取り付けられたクラッチプレート40と、クラッチドラム20の端部に設けられた組込部25と、これらクラッチプレート40及び組込部25の間に配置された6つのワンウェイボール70とから構成される。このワンウェイクラッチ機構C1は、中心軸11(クラッチプレート40)に対するクラッチドラム20の巻取り方向の回転(図2及び図6の矢印Aの方向の回転)を規制するようになっている。
具体的には、クラッチドラム20が中心軸11及びクラッチプレート40に対して矢印Aの方向(特許請求の範囲の一方向)に回転しようとすると、各ドラム側係合溝26に収容されていたワンウェイボール70が自重により下方に移動する。すると、図8(a)に示すように、これらのワンウェイボール70のうち下方側に位置する少なくとも1つ(図8(a)では2つ)のワンウェイボール70がドラム側係合溝26の矢印B側に形成された係合壁面26b及びプレート側係合溝46と係合するため、中心軸11に対するクラッチドラム20の回転が規制されることとなる。
なお、ワンウェイボール70がドラム側係合溝26の係合壁面26b及びプレート側係合溝46と係合する際、傘状部43を外方へ押圧することになるが、本実施形態においては、環状溝27と環状突起47(図5参照)が嵌まり合っていることから、傘状部43が拡開してワンウェイボール70が脱落してしまうことが防止されている。
一方、クラッチドラム20が図8(a)の状態から中心軸11に対して矢印Bの方向に回転する場合は、図8(b)に示すように、ドラム側係合溝26の矢印A側に形成された非係合壁面26cがワンウェイボール70を下方側のプレート側係合溝46からすくい出すよう動作するため、ワンウェイボール70は、図8(c)に示すようにドラム側係合溝26の底部26a方向に移動して、中心軸11に対するクラッチドラム20の回転の規制が解除される。このような構成により、ワンウェイクラッチ機構C1は、ブラケット2bに固定された中心軸11に対し、クラッチドラム20の矢印A方向の回転を規制し、矢印B方向の回転を許容するようになっている。
以上のような構成によって、図8(c)の回転規制が解除された状態から、図8(a)に示す回転規制状態になるまでに中心軸11に対してクラッチドラム20が回転する角度(バックラッシュ)は、プレート側係合溝46の1つ分、すなわち、本実施形態では20度のみであり、クラッチドラム20は僅かな回転しかしないようになっている。
なお、ドラム側係合溝26の径方向中心に向かう方向に対する傾斜角度は、より傾斜させる(寝かせる)ほどワンウェイボール70との係合時の保持力は大きくなるが、突出部25a外周面と非係合壁面26cとのなす角が小さくなり、非係合壁面26c側の強度が弱くなる。したがって、この傾斜角度は、クラッチドラム20の材質によって適切な角度を選択することが好ましい。
(2−2)カムクラッチ機構の動作
カムクラッチ機構C2は、主にクラッチドラム20に設けられたガイド溝22、クラッチケース30に設けられたスライド溝35及びクラッチボール60から構成されており、クラッチドラム20とクラッチケース30の間の相対回転に伴ってクラッチボール60がスライド溝35内を軸方向に移動しながらガイド溝22内を移動するようになっている。
ここで、具体的なカムクラッチ機構C2の動作を図4に示すガイド溝22の展開図を用いて説明する。ガイド溝22は、円周方向に無端で延びる無端ループ22aと、無端ループ22aから分岐する分岐ループ22bとから構成され、分岐ループ22bには第1ロック溝22cと第2ロック溝22dとが形成されている。なお、本実施形態では、ガイド溝22はクラッチドラム20一周で2つの分岐ループ22bを備えているが、分岐ループ22bの数は、1つ、あるいは3つ以上としてもよい。
まず、クラッチケース30が中心軸11に対して巻戻し方向に回転するとき、クラッチケース30に対してクラッチボール60はスライド溝35に沿って軸方向にしか移動できないので、このクラッチボール60はクラッチケース30の回転に伴ってガイド溝22に沿って実線の矢印Xで示す方向へ相対的に移動し、分岐ループ22bを通って第1ロック溝22cに案内される。クラッチボール60が第1ロック溝22cに係止されると、クラッチケース30とクラッチドラム20とがクラッチボール60を介して係合され、第1係合状態Pとなる。この時、ワンウェイクラッチ機構C1は中心軸11に対するクラッチドラム20の巻戻し方向の回転(図2及び図6の矢印Bの方向の回転)を許容するようになっているため、クラッチケース30の回転が規制されることはなく、第1係合状態Pにおいてはクラッチケース30の巻戻し方向の回転に連動してクラッチドラム20も巻戻し方向に回転するようになる。
次に、第1係合状態Pでクラッチケース30が中心軸11に対して巻取り方向に回転すると、クラッチボール60は分岐ループ22b内を相対的に移動して第2ロック溝22dに案内される。クラッチボール60が第2ロック溝22dに係止されると、クラッチケース30とクラッチドラム20とはクラッチボール60を介して再び係合し、第2係合状態Qとなる。この時、ワンウェイクラッチ機構C1が中心軸11に対するクラッチドラム20の巻取り方向の回転(図2及び図6の矢印Aの方向の回転)を規制しているため、クラッチケース30は第2係合状態Qにおいて中心軸11に対して巻取り方向に回転不能となる。
そして、第2係合状態Qでクラッチケース30が中心軸11に対して再び巻戻し方向に回転すると、クラッチボール60はロック溝22dと対向するガイド溝の斜面22eに当たって図4の左側へと移動し、分岐ループ22bから無端ループ22aへと移動するようになっている。
なお、クラッチボール60が無端ループ22a上にある時にクラッチケース30が固定軸に対して巻取り方向に回転する場合には、クラッチボール60は無端ループ22a上を破線の矢印Yで示す方向へ相対移動し続けるため、クラッチケース30の回転は規制されないようになっている。
(3)全体動作
ここで、上記のようなクラッチ装置10を備えたロールスクリーンの動作について説明する。
(3−1)巻戻し
ロールスクリーンのスクリーン4をコイルスプリング5の付勢力に抗して引き下げて巻戻すと、巻取パイプ3を介してクラッチケース30が回転する。これに伴って、クラッチボール60が図4に示す矢印X方向へ移動し、分岐ループ22bの第1ロック溝22cに案内され第1係合状態Pとなって、巻取パイプ3、クラッチケース30及びクラッチドラム20が一体となって巻戻し方向(図2及び図6の矢印Bの方向)に回転する。
(3−2)巻戻し停止
スクリーン4を所望位置まで巻戻した後スクリーン4を手放すと、スクリーン4はコイルスプリング5の付勢力により若干巻取られた後、その巻取りが停止される。すなわち、スクリーン4を手放すと、巻取パイプ3及びこれと一体回転するクラッチケース30は巻取り方向(図2及び図6の矢印Aの方向)に回転し、クラッチボール60が第2ロック溝22dに案内されて、クラッチドラム20と係合する第2係合状態Qとなる。クラッチドラム20はワンウェイクラッチ機構C1によって巻取り方向に回転不能であるため、結果として巻取パイプ3の回転が規制され、スクリーン4の巻取りが停止される。
(3−3)巻取り
そして、スクリーン4の巻取りが停止された状態からスクリーン4を若干引き下げると、クラッチボール60はロック溝22dと対向するガイド溝の斜面22eに当たって無端ループ22a側(図4の左側)へと移動する。これによって巻取パイプ3の巻取り方向への回転の規制が解除され、その後引き下げをやめてスクリーン4を手放すと、クラッチボール60はガイド溝22の無端ループ22a内を図4の矢印Y方向へ周回し、スクリーン4は、コイルスプリング5の付勢力によって巻取られるようになる。
なお、クラッチドラム20の中心軸11に対する巻戻し方向の回転に対しては、上述したコイルスプリング80が若干の摩擦抵抗を与えるようになっている。これにより、第2係合状態Q(図4参照)においてクラッチケース30が巻戻り方向に回転してクラッチボール60がロック溝22dと対向するガイド溝の斜面22eに当たった際に、クラッチドラム20がクラッチボール60(クラッチケース30)と連動して回転することを抑制している。その結果、クラッチボール60は確実に無端ループ22a側に移動することになり、クラッチボール60が第2ロック溝22dに戻って再び第2係合状態Qになってしまうことなく、クラッチドラム20(中心軸11)に対するクラッチケース30の巻取り方向への回転の規制がより確実に解除されるようになっている。以上のことから、本実施形態に係るロールスクリーンは僅かな戻り角の範囲内で確実にスクリーン4の規制を解除することができるようになっている。
(4)作用効果
上記のようなロールスクリーンでは、次に示す作用効果を得ることができる。
(イ)スクリーン4を所望位置に位置決めした後手放してから、クラッチ装置10が作動するまでにスクリーン4が巻戻る戻り量は、ワンウェイクラッチ機構C1による中心軸11に対するクラッチドラム20のプレート側係合溝46の1つ分の回転及び、第1係合状態Pから第2係合状態Qに至るまでに生じるクラッチドラム20に対するクラッチケース30の回転に起因するもののみとなっている。そのため、ワンウェイクラッチ機構としてクラッチバネを用いる構成に比べて、スクリーン4の戻り量が低減されている。
(ロ)ワンウェイクラッチ機構としては、既存のワンウェイクラッチ(ニードル式)を用いることも考えられるが、本実施形態に係るワンウェイクラッチ機構C1はニードルをバネで付勢する構成に比べて単純な構成であり、部品点数を削減するとともに、生産コストを削減することも可能となる。
なお、本発明は、以下の態様でも実施可能である。
・上記実施形態では、クラッチプレート40が中心軸11クラッチドラム20は中心軸11の丸軸部13に挿入されることで相対回転可能に取り付けられていたが、

・上記実施形態では、クラッチドラム20のドラム側係合溝26は突出部25aの外周面から一定の角度で真っ直ぐに開口していたが、溝を途中で湾曲させてもよく、菱型形状とすることも可能である。
・上記実施形態では、中心軸11とクラッチプレート40は別体として構成されていたが、これら中心軸11とクラッチプレート40を射出成形等で一体形成しても良い。なお、この場合は、中心軸11の円盤部14が中心軸11と別体として形成され、クラッチドラム20を角軸側から挿入してから、円盤部14を中心軸11に固定することになる。
・また、上記実施形態では、クラッチドラム20の組込部25はクラッチドラム20と一体に形成されていたが、組込部25をクラッチドラム20の軸方向端部に取付可能に構成することも可能である。この場合、ドラム側係合溝26はクラッチドラム20とは別体である組込部25に形成される。
・上記実施形態では、径方向外側に向かって開口する細長形状の第1係合溝がクラッチドラム20に設けられ、径方向内側に向かって開口する第2係合溝が中心軸と一体に回転するクラッチプレート40に形成されていたが、軸方向外側又は径方向外側の少なくとも一方に向かって開口する細長形状の第1係合溝を中心軸又はこれと一体に回転する部材と一体回転するように設け、径方向内側に向かって開口する第2係合溝をクラッチドラム又はこれと一体に回転する部材と一体回転するように設けても良い。
・上記実施形態では、クラッチドラム20側にガイド溝22を設け、クラッチケース30側にスライド溝35を設けていたが、クラッチケース側にガイド溝22を設け、クラッチドラム20側にスライド溝を設けるようにしてもよい。また、ガイド溝22の形状は、従来既知の任意の形状を適用することができる。
・上記実施形態では、ワンウェイクラッチ機構C1を備えたクラッチ装置10をスプリングアシスト式のロールスクリーンに用いていたが、自重降下式の遮蔽装置(横型ブラインド、プリーツスクリーンやローマンシェード等)や、横方向に付勢されたアコーディオンタイプのものなどにも適用することができる。例えば、クラッチ装置を自重降下式の横型ブラインドに用いる場合、巻取コーンが特許請求の範囲の「回転体」に相当し、遮蔽部材が自重によってコードを引っ張ることが特許請求の範囲の「付勢」に相当する。なお、本発明のクラッチ装置を自重降下式のブラインド等遮蔽部材が閉じる方向に付勢されている遮蔽装置に導入した場合にも、戻り角が少ないため遮蔽部材の位置決めを正確に行うことができるようになっている。
(第2実施形態)
次に、図9を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に類似しており、以下、相違点を中心に説明する。
本実施形態では、図9に示すように、クラッチドラム20の軸方向端面が面一となっており、ワンウェイボール70を組込む組込部25が、この端面に形成され軸方向外側に向かって開口するドラム側係合溝26によって構成される点が主に異なっている。また、ドラム側係合溝26の数が3つである点及び、クラッチプレート40のプレート側係合溝46の数が15個である点も、第1実施形態と異なっている。
このような構成であっても、中心軸11に対してクラッチドラム20が矢印Bの方向へ回転しようとすると、下方側に位置する少なくとも1つのワンウェイボール70がドラム側係合溝26及びプレート側係合溝46と係合するため、中心軸11に対するクラッチドラム20の回転が規制されることとなる。
C1:ワンウェイクラッチ機構(ワンウェイクラッチ)、11:中心軸(第1回転部材))、20:クラッチドラム(第2回転部材)、26:ドラム側係合溝(第1係合溝)、46:プレート側係合溝(第2係合溝)、70:ワンウェイボール(移動体)

Claims (7)

  1. 第1回転部材と第2回転部材の一方向の相対回転を規制し、他方向の回転を許容するワンウェイクラッチであって、
    複数の第1係合溝と、複数の第2係合溝と、前記第1係合溝及び第2係合溝の間に配置された複数の移動体とを備え、
    前記移動体の少なくとも1つが、自重により径方向外側へ移動して前記第1係合溝及び第2係合溝と係合することによって、前記第1回転部材と前記第2回転部材の相対回転を規制するワンウェイクラッチ。
  2. 前記第1係合溝は、前記第1回転部材又は当該第1回転部材と一体に回転する部材に設けられ且つ前記第1回転部材の周方向に沿って並ぶように設けられ、
    前記第2係合溝は、前記第2回転部材又は当該第2回転部材に取り付けられた部材に設けられ且つ前記第2回転部材の周方向に沿って並ぶように設けられている、請求項1に記載のワンウェイクラッチ。
  3. 前記第1係合溝は、軸方向外側又は径方向外側の少なくとも一方に向かって開口するとともに、前記径方向に対して周方向に傾斜した細長形状とされ、
    前記第2係合溝は、径方向内側に向かって開口している、請求項1又は請求項2に記載のワンウェイクラッチ。
  4. 前記第1回転部材は中心軸であり、前記第2回転部材は前記中心軸回りに回転可能なクラッチドラムであって、
    前記第1係合溝は、前記中心軸に取り付けられたクラッチプレートに形成され、
    前記第2係合溝は、当該クラッチドラムの軸方向端部に形成され、
    前記移動体は、前記第2係合溝のそれぞれに配置される、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のワンウェイクラッチ。
  5. 前記第1係合溝は、径方向外側に向かって開口し、前記第2係合溝は、前記クラッチプレートの外縁部から軸方向に延びる傘状部に形成されるとともに、前記第1係合溝と対向するよう径方向内側に向かって開口している、請求項4に記載のワンウェイクラッチ。
  6. 前記クラッチドラムの軸方向端部の外縁部近傍には円周方向に亘って環状溝が形成され、前記クラッチプレートの外縁部近傍の、前記環状溝と対向する位置には当該環状溝と嵌り合う環状突起が設けられる、請求項4又は請求項5に記載のワンウェイクラッチ。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか記載のワンウェイクラッチを有するクラッチ装置を備えるとともに、一方向に付勢された回転体と、当該回転体の回転に伴って開閉可能な遮蔽部材とを備えた遮蔽装置であって、
    前記クラッチ装置が前記回転体の前記一方向の回転の規制と許容とを切り替える、遮蔽装置。
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