JP2017145955A - クラッチ装置及び遮蔽装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品の共通化が可能なクラッチ装置を提供する。【解決手段】円筒状のクラッチドラム20と、クラッチドラム20の外周に配置されたクラッチ体30と、クラッチドラム20をワンウェイクラッチ機構C1を介して接続する被固定部11とを備えたクラッチ装置10であって、クラッチドラム20とクラッチ体30の連動と非連動とを切り替えるカムクラッチ機構C2を備え、ワンウェイクラッチ機構C1は被固定部11に対するクラッチドラム20の一方向の回転を規制するものであり、クラッチドラム20の軸方向両端にワンウェイクラッチ機構C1の一部が形成されるか、又は、クラッチドラム20の軸方向両端にワンウェイクラッチ機構C1を取付可能な取付部が形成される、クラッチ装置が提供される。【選択図】図3

Description

この発明は、クラッチケースの一方向の相対回転の規制と許容とを切り替えるクラッチ装置と、このクラッチ装置を備えた遮蔽装置に関するものである。
遮蔽装置の一種であるロールスクリーンには、プルコードや操作コード等の操作部を操作することによってスクリーンを所望高さまで引き下げ、この状態で操作部を手放すと、巻取パイプ内のクラッチ装置の回転規制作用によりスクリーンが所望高さに保持されるように構成されているものがある。このようなロールスクリーンは、上述した回転規制状態から操作部を下方へ引いてスクリーンを僅かに下降させると規制作用が解除され、巻取軸内に配設されたコイルスプリングの付勢力によりスクリーンが巻取パイプに巻き取られる。
このようなロールスクリーンのクラッチ装置として、例えば特許文献1に記載のものは、中心軸(非駆動側軸)に対してクラッチドラム(駆動側軸)が回転可能に配置され、巻取パイプに固定されるクラッチケースがクラッチドラムの外周を回転可能に配置されて構成される。このクラッチ装置は、中心軸とクラッチドラムの間に設けられたクラッチバネの締付及び弛緩を利用して中心軸とクラッチドラムの連結と非連結とを切替え、クラッチドラムの外周面に設けられたガイド溝上のクラッチボールの動作によってクラッチドラムとクラッチケースの相対回転の規制と許容とを切替えることによって、結果として中心軸に対するクラッチケースの回転の規制と許容とを切替えることができる。
特許第5226340号
しかしながら、特許文献1に記載のクラッチ装置では、クラッチ装置の中心軸をブラケット等の固定部分に取り付ける向きが一意に決まってしまうため、クラッチ装置の取付位置を左右で入れ替えるために固定部分に対して中心軸を逆向きに取り付ける場合や、ダブルロールスクリーンに適用する場合などには、回転規制方向の異なるクラッチ装置を別途用意する必要があり、製造コストが増加するという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、部品の共通化が可能なクラッチ装置を提供するものである。
本発明によれば、円筒状のクラッチドラムと、当該クラッチドラムの外周に配置されたクラッチ体と、前記クラッチドラムをワンウェイクラッチ機構を介して接続する被固定部とを備えたクラッチ装置であって、前記クラッチドラムと前記クラッチ体の連動と非連動とを切り替えるカムクラッチ機構を備え、前記ワンウェイクラッチ機構は前記被固定部に対する前記クラッチドラムの一方向の回転を規制するものであり、前記クラッチドラムの軸方向両端に前記ワンウェイクラッチ機構の一部が形成されるか、又は、前記クラッチドラムの軸方向両端に前記ワンウェイクラッチ機構を取付可能な取付部が形成される、クラッチ装置が提供される。
本発明のクラッチ装置を用いれば、構成部品は同じままクラッチドラムの組み付けの向きを変えることにより、クラッチ装置を左右いずれの方向にも取り付け可能となり、部品の共通化が可能となる。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記クラッチドラムと前記クラッチ体とを第1の向きに組み付けるとともに、前記クラッチドラムの軸方向一方に前記ワンウェイクラッチ機構の一部を形成するか、又は、前記クラッチドラムの軸方向一方に前記ワンウェイクラッチ機構を取り付けた場合に、前記前記被固定部に対する前記クラッチ体の一方向の規制と許容とを切り替え、前記クラッチドラムと前記クラッチ体とを第2の向きに組み付けるとともに、前記クラッチドラムの軸方向他方に前記ワンウェイクラッチ機構の一部を形成するか、又は、前記クラッチドラムの軸方向他方に前記ワンウェイクラッチ機構を取り付けた場合に、前記前記被固定部に対する前記クラッチ体の他方向の規制と許容とを切り替えるよう構成する。
好ましくは、前記被固定部は中心軸であり、前記クラッチドラムは当該中心軸に相対回転可能に取り付けられている。
好ましくは、前記クラッチドラムの軸方向両端に、それぞれ移動体を組込む移動体組込部を備え、前記中心軸には当該中心軸と一体に形成されるか又は当該中心軸と連動して回転するクラッチプレートが設けられており、前記ワンウェイクラッチ機構が、前記移動体を前記移動体組込部及び前記クラッチプレートで挟み込むことで形成される。
好ましくは、前記移動体組込部は、周方向外側に向かって開口する複数のドラム側係合溝を備え、前記クラッチプレートは、当該クラッチプレートの外縁部から全周に亘って軸方向に延びる傘状部を備えるとともに当該傘状部から径方向内側に向かって開口する複数のプレート側係合溝を備えており、前記ワンウェイクラッチ機構は、前記移動体の少なくとも1つが径方向外側へ移動して前記ドラム側係合溝及び前記プレート側係合溝と係合することによって、前記クラッチドラムの前記中心軸に対する一方向の回転を規制する。
好ましくは、前記クラッチドラムは、前記中心軸と嵌り合う小径孔と、当該小径孔の軸方向両側からクラッチドラムの軸方向両端まで連続する拡径孔とを備え、前記ワンウェイクラッチ機構は、ニードル式のワンウェイクラッチであって、前記拡径孔が、前記ワンウェイクラッチを取り付ける取付部とされる。
また、本発明は、円筒状のクラッチドラムと、当該クラッチドラムの外周に配置された被固定部と、前記クラッチドラムをワンウェイクラッチ機構を介して接続する回転軸とを備えたクラッチ装置であって、前記クラッチドラムと前記被固定部の連動と非連動とを切り替えるカムクラッチ機構を備え、前記ワンウェイクラッチ機構は前記回転軸に対する前記クラッチドラムの一方向の回転を規制するものであり、前記クラッチドラムの軸方向両端に前記ワンウェイクラッチ機構の一部が形成されるか、又は、前記クラッチドラムの軸方向両端に前記ワンウェイクラッチ機構を取付可能な取付部が形成されるものである。
また、本発明は、上記クラッチ装置を備えるとともに、一方向に付勢された回転体と、当該回転体の回転に伴って開閉可能な遮蔽部材とを備え、前記クラッチ装置が前記回転体の前記一方向の回転の規制と許容とを切り替える、遮蔽装置を提供するものである。
本発明の第1実施形態に係るロールスクリーンも示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。 図1のロールスクリーンのクラッチ装置を示す分解斜視図である。 図2のクラッチ装置の要部拡大断面図である。 図2のクラッチ装置のクラッチドラムのガイド溝の展開図である。 図2のクラッチ装置のワンウェイクラッチ機構を拡大して示す分解斜視図である。 図5のワンウェイクラッチ機構を図3のD−D断面で切った時の断面図である。 図3のE−E断面図である。 図5のワンウェイクラッチ機構の状態遷移を示す説明図である。 図2のクラッチ装置のクラッチドラムを異なる2つの方向から示す斜視図である。 図1のロールスクリーンのクラッチ装置をスクリーンの左側に取り付けた場合を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。 図2のクラッチ装置のクラッチドラムの挿入方向を示す模式図であり、(a)はスクリーン右側に取り付ける場合、(b)はスクリーンの左側に取り付ける場合を示す。 図2のクラッチ装置をスクリーンの左側に取り付ける場合のワンウェイクラッチ機構を示す、図6に対応する断面図である。 本発明の第2実施形態に係るダブルロールスクリーンを示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。 本発明の第3実施形態に係るクラッチ装置を示す分解斜視図である。要部拡大断面図である。 (a)は図14のクラッチ装置の要部拡大断面図であり、(b)はこのクラッチ装置のワンウェイクラッチ機構を図3のF−F断面で切った時の断面図である。 図14のクラッチ装置のクラッチドラムを異なる2つの方向から示す斜視図である。 本発明のクラッチ装置を横型ブラインドに適用する場合の例を示す説明図である。 本発明のクラッチ装置のクラッチケース側を固定して横型ブラインドに適用する場合の例を示す表である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
(第1実施形態)
(1)構成の説明
(1−1)ロールスクリーン全体の構成
図1に示す遮蔽装置としてのロールスクリーンは、窓の上枠等に固定される枠体1の両側にブラケット2a,2bが取り付けられ、これらブラケット2a,2bの間に回転体としての巻取パイプ3が回転可能に支持されており、その巻取パイプ3からスクリーン4が吊下支持されている。巻取パイプ3内には付勢手段としてのコイルスプリング5が配設されており、コイルスプリング5の一端は巻取パイプ3に固定され、他端は連結部材(図示せず)を介してブラケット2aに固定されていて、スクリーン4が巻戻された状態において、このスクリーン4を巻取る方向に巻取パイプ3を付勢している。また、スクリーン4の下端にはウェイトバー6が取り付けられている。そして、巻取パイプ3は、操作コード7の操作によってブラケット2b側に設けられたプーリー8を回転させると、、巻取パイプ3が反対方向に回転してスクリーン4が引き下げられるとともに、コイルスプリング5が蓄勢されるようになっている。
なお、以下の記載において、スクリーン4の巻取り時に各部材が回転する方向を巻取り方向、スクリーン4の巻戻し時に各部材が回転する方向を巻戻し方向と規定する。そして、本実施形態のロールスクリーンには、コイルスプリング5の付勢力に抗して巻取パイプ3の回転を規制し、スクリーン4を所望位置に吊り下げ支持するためのクラッチ装置10が設けられている。
(1−2)クラッチ装置
クラッチ装置10は、図2及び図3に示すように、被固定部としての中心軸11と、中心軸11に相対回転可能に取り付けられ、円筒形状のクラッチ体としてのクラッチドラム20と、このクラッチドラム20の外周に配置されるとともに巻取パイプ3に固定される円筒形状のクラッチケース30と、中心軸11と一体に回転するクラッチプレート40と、ガイド体としてのクラッチボール60とを主に備えている。
また、クラッチドラム20とクラッチプレート40の間には、移動体としてのワンウェイボール70が複数配置されている。加えて、クラッチドラム20には、スクリーン4の引き上げ速度を適宜に抑えるためのガバナ装置50が取り付けられている。なお、これらの部材は主に樹脂製とするのが好ましい。
<中心軸>
中心軸11は、クラッチプレート40が嵌合する角軸状の嵌合部12と、嵌合部12よりも大きな径を有しクラッチドラム20が挿入される丸軸部13と、挿入されたクラッチドラム20が当接して係止される薄肉の円盤部14と、角柱形に形成され、ブラケット2bの取付部(図示せず)と回転不能に嵌合する角軸部15とをこの順に有する。また、本実施形態において、丸軸部13には肉抜きがなされている。なお、ブラケット2bの取付部は、ブラケット2bの端部近傍に配置されるものの他、ブラケット2b端部から軸方向内側へ延出させ、当該延出部の端部に回転可能に取り付けたドラムキャップ(図示せず)に形成してもよく、角軸部15を当該ドラムキャップに固定することも可能である。
<クラッチドラム>
クラッチドラム20は、図2及び図9等に示すように、円周方向に設けられた無端状のガイド溝22を外周面21に有するとともに、軸方向に貫通する貫通孔23を有している。貫通孔23は、中心軸11の丸軸部13と嵌り合う小径孔23aと、この小径孔23aの軸方向両側からクラッチドラム20の軸方向両端まで連続し、小径孔23aよりも内径が大きい拡径孔23bR,23bLによって形成されている(図9参照)。加えて、クラッチドラム20の両端部には、それぞれ組込部25R,25L(移動体組込部)が形成されており、いずれかの組込部25R,25Lにワンウェイボール70が組込まれる。なお、拡径孔23bRと組込部25R、拡径孔23bLと組込部25Lがそれぞれ軸方向同じ側にあるとする(図9参照)。
組込部25R,25Lは、図5の拡大斜視図及び図6の断面図に示すように、軸方向外側へ突出する円筒状の突出部25aR,25aLに、周方向外側に向かって開口する複数のドラム側係合溝26R,26Lを有して形成される。ドラム側係合溝26R,26Lは、周方向に亘って等間隔に6つ設けられ、図6に示すように、突出部25aR,25aL外周面から径方向中心に向かう方向に対して周方向に傾斜した細長形状をなしている。また、その底部26aR,26aLは、ワンウェイボール70よりもわずかに大きい半円形となっている。そして、このような形状により、各ドラム側係合溝26R,26Lは、それぞれ1つのワンウェイボール70を収容することが可能となっている。
なお、組込部25Rと組込部25Lとは、図9(a)及びこれと同一のクラッチドラム20を反対側から見た図9(b)にそれぞれに示すように、各ドラム側係合溝26R,26Lの傾斜方向が異なっている。そして、クラッチドラム20はガイド溝22の形状を除いて、軸に垂直な面に対してほぼ左右対称な形状となっている。
<クラッチプレート>
クラッチプレート40は、図5及び図6に示すように、中心軸11の嵌合部12と嵌合する角孔である嵌合孔41を有する円盤部42と、円盤部42の外縁部から全周に亘って軸方向に延びる傘状部43と、傘状部43よりも径方向内側において軸方向に延びる円筒部44とを備えて形成される。傘状部43と円筒部44との間には、ワンウェイボール70が周回可能な周回溝45が形成される。
また、傘状部43には、径方向内側(中心軸側)に向かって開口する複数のプレート側係合溝46が形成されており、本実施形態においては、プレート側係合溝46は周方向に亘って等間隔に18個設けられている。なお、プレート側係合溝46の数は、溝を形成する樹脂の強度等に応じて適宜変更することができ、例えば、15個とすることも可能である。
<クラッチケース>
クラッチケース30は、外周に巻取パイプ3の内周に設けられた溝(図示せず)と嵌り合う4つのリブ31を有しており、巻取パイプ3と一体回転するようになっている。このクラッチケース30の内周面32には、内径が小さくなった狭径部33と、クラッチケース30の端部34から狭径部33まで軸方向に連続するスライド溝35とが形成されている。
(1−3)クラッチ装置の組付け
以上のような構成のクラッチ装置10を組み立てる際には、図2に示すように、まずクラッチドラム20を中心軸11の丸軸部13に挿入する。この際、クラッチ装置10を図1(a)に示すようにブラケット2b側に取り付ける場合は、クラッチドラム20の組込部25L側(突出部25aL)を円盤部14に当接させる(図2及び図11(a)参照)。
また、この時、図3、図3のE−E断面である図7及び図11(a)に示すように、摩擦抵抗体としてのコイルスプリング80を中心軸11とクラッチドラム20との間に配設する。
このコイルスプリング80は、中心軸11の丸軸部13に挿入されて円盤部14側に配置されるものであり、この状態でクラッチドラム20が中心軸11に挿入される。この時、クラッチドラム20内面の端部は内径が拡径した拡径孔23bLとなっているため、コイルスプリング80と干渉しないようになっている。そして、図7に示すように、この拡径孔23bLは断面形状が円周方向1ヶ所に凹部28を有するキー溝形状となっており、凹部28とコイルスプリング80の外周方向に突出する突出部81とが係合するようになっている。なお、このコイルスプリング80は、クラッチドラム20が中心軸11に対して巻取り方向(矢印Aの方向)に回転すると巻締まり、巻戻し方向(矢印Bの方向)に回転すると巻緩む向きに取り付けられる。
次に、クラッチドラム20の組込部25R側のドラム側係合溝26に6つのワンウェイボール70を配置した状態でクラッチプレート40を中心軸11に挿入し(この時の挿入方向を特許請求の範囲の第1の向きとする)、クラッチプレート40の嵌合孔41と中心軸11の嵌合部12を嵌合させ、中心軸11とクラッチプレート40をこれらが一体回転するよう固定する。この時、クラッチドラム20の拡径孔23bRとクラッチプレート40の円筒部44とが回転可能に嵌り合う(図5,図6参照)。これにより、ワンウェイボール70がクラッチドラム20のドラム側係合溝26とクラッチプレート40のプレート側係合溝46の間に収容される。なお、この固定には、必要に応じて接着剤を使用することができる。
ところで、クラッチドラム20の軸方向端部の外縁部近傍には、円周方向に亘って環状溝27が形成され、クラッチプレート40の外縁部近傍の、環状溝27と対向する位置には当該環状溝27と嵌り合う環状突起47が設けられている。そして、クラッチプレート40が中心軸11に挿入されると、同時に、環状溝27と環状突起47が相対回転可能な状態で嵌まり合うようになっている。
次に、クラッチドラム20及クラッチプレート40が組み付けられた中心軸11をクラッチケース30へ収容する。この際、クラッチドラム20のガイド溝22とクラッチケース30のスライド溝35との間にクラッチボール60を配設する。このクラッチボール60は樹脂製又は金属製の球体であり、クラッチドラム20とクラッチケース30の相対回転に伴ってスライド溝35内を移動しながらガイド溝22内を移動するようになっている。なお、スライド溝35がクラッチケース30の端部34まで連続していることで、クラッチ装置10を組み立てる際にクラッチボール60を容易に導入することが可能となっている。
中心軸11をクラッチケース30に挿入すると、中心軸11の円盤部14がクラッチケース30の狭径部33と当接することで中心軸11が軸方向に位置決めされる。この状態で、中心軸11の角軸側から止め輪51を挿入し、狭径部33に当接するよう嵌め込むことによって、クラッチドラム20とクラッチケース30とが軸方向(図3(a)の左右方向)に相対移動しないようになっている。そして、ガバナ装置50をクラッチドラム20に取り付ける。このガバナ装置50は、中心軸11及びクラッチドラム20をクラッチケース30に収容した状態で脱落を防止する効果も有している。
このように構成されたクラッチ装置10は、中心軸11に対するクラッチドラム20の巻取り方向の回転を規制するワンウェイクラッチ機構C1と、クラッチドラム20とクラッチケース30の連動と非連動とを切り替えるカムクラッチ機構C2とを有しており、これらの機構によって、中心軸11に対するクラッチケース30の巻取り方向の回転の規制と許容とを切り替えることが可能になっている。
(2)クラッチ装置の動作
以下に、これらワンウェイクラッチ機構C1とカムクラッチ機構C2の構成及び、これらの機構によるクラッチ装置10の動作を説明する。
(2−1)ワンウェイクラッチ機構の動作
ワンウェイクラッチ機構C1は、図6及び図8に示すように、中心軸11と一体に回転するクラッチプレート40と、クラッチドラム20の端部に設けられた組込部25(ここでは、25R)と、これらクラッチプレート40及び組込部25の間に配置された6つのワンウェイボール70とから構成される。このワンウェイクラッチ機構C1は、中心軸11(クラッチプレート40)に対するクラッチドラム20の巻取り方向の回転(図2及び図6の矢印Aの方向の回転)を規制するようになっている。
具体的には、クラッチドラム20が中心軸11及びクラッチプレート40に対して矢印Aの方向(特許請求の範囲の一方向)に回転しようとすると、各ドラム側係合溝26に収容されていたワンウェイボール70が自重により下方に移動する。すると、図8(a)に示すように、これらのワンウェイボール70のうち下方側に位置する少なくとも1つ(図8(a)では2つ)のワンウェイボール70がドラム側係合溝26の矢印B側に形成された係合壁面26b及びプレート側係合溝46と係合するため、中心軸11に対するクラッチドラム20の回転が規制されることとなる。
なお、ワンウェイボール70がドラム側係合溝26の係合壁面26b及びプレート側係合溝46と係合する際、傘状部43を外方へ押圧することになるが、本実施形態においては、環状溝27と環状突起47(図5参照)が嵌まり合っていることから、傘状部43が拡開してワンウェイボール70が脱落してしまうことが防止されている。
一方、クラッチドラム20が図8(a)の状態から中心軸11に対して矢印Bの方向に回転する場合は、図8(b)に示すように、ドラム側係合溝26の矢印A側に形成された非係合壁面26cがワンウェイボール70を下方側のプレート側係合溝46からすくい出すよう動作するため、ワンウェイボール70は、図8(c)に示すようにドラム側係合溝26の底部26a方向に移動して、中心軸11に対するクラッチドラム20の回転の規制が解除される。このような構成により、ワンウェイクラッチ機構C1は、ブラケット2bに固定された中心軸11に対し、クラッチドラム20の矢印A方向の回転を規制し、矢印B方向の回転を許容するようになっている。
以上のような構成によって、図8(c)の回転規制が解除された状態から、図8(a)に示す回転規制状態になるまでに中心軸11に対してクラッチドラム20が回転する角度(バックラッシュ)は、プレート側係合溝46の1つ分、すなわち、本実施形態では20度のみであり、クラッチドラム20は僅かな回転しかしないようになっている。
なお、ドラム側係合溝26の径方向中心に向かう方向に対する傾斜角度は、より傾斜させる(寝かせる)ほどワンウェイボール70との係合時の保持力は大きくなるが、突出部25a外周面と非係合壁面26cとのなす角が小さくなり、非係合壁面26c側の強度が弱くなる。したがって、この傾斜角度は、クラッチドラム20の材質によって適切な角度を選択することが好ましい。
(2−2)カムクラッチ機構の動作
カムクラッチ機構C2は、主にクラッチドラム20に設けられたガイド溝22、クラッチケース30に設けられたスライド溝35及びクラッチボール60から構成されており、クラッチドラム20とクラッチケース30の間の相対回転に伴ってクラッチボール60がスライド溝35内を軸方向に移動しながらガイド溝22内を移動するようになっている。
ここで、具体的なカムクラッチ機構C2の動作を図4に示すガイド溝22の展開図を用いて説明する。ガイド溝22は、円周方向に無端で延びる無端ループ22aと、無端ループ22aから分岐する分岐ループ22bとから構成され、分岐ループ22bには第1ロック溝22cと第2ロック溝22dとが形成されている。なお、本実施形態では、ガイド溝22はクラッチドラム20一周で2つの分岐ループ22bを備えているが、分岐ループ22bの数は、1つ、あるいは3つ以上としてもよい。
まず、クラッチケース30が中心軸11に対して巻戻し方向に回転するとき、クラッチケース30に対してクラッチボール60はスライド溝35に沿って軸方向にしか移動できないので、このクラッチボール60はクラッチケース30の回転に伴ってガイド溝22に沿って実線の矢印Xで示す方向へ相対的に移動し、分岐ループ22bを通って第1ロック溝22cに案内される。クラッチボール60が第1ロック溝22cに係止されると、クラッチケース30とクラッチドラム20とがクラッチボール60を介して係合され、第1係合状態Pとなる。この時、ワンウェイクラッチ機構C1は中心軸11に対するクラッチドラム20の巻戻し方向の回転(図2及び図6の矢印Bの方向の回転)を許容するようになっているため、クラッチケース30の回転が規制されることはなく、第1係合状態Pにおいてはクラッチケース30の巻戻し方向の回転に連動してクラッチドラム20も巻戻し方向に回転するようになる。
次に、第1係合状態Pでクラッチケース30が中心軸11に対して巻取り方向に回転すると、クラッチボール60は分岐ループ22b内を相対的に移動して第2ロック溝22dに案内される。クラッチボール60が第2ロック溝22dに係止されると、クラッチケース30とクラッチドラム20とはクラッチボール60を介して再び係合し、第2係合状態Qとなる。この時、ワンウェイクラッチ機構C1が中心軸11に対するクラッチドラム20の巻取り方向の回転(図2及び図6の矢印Aの方向の回転)を規制しているため、クラッチケース30は第2係合状態Qにおいて中心軸11に対して巻取り方向に回転不能となる。
そして、第2係合状態Qでクラッチケース30が中心軸11に対して再び巻戻し方向に回転すると、クラッチボール60は第2ロック溝22dと対向するガイド溝の斜面22eに当たって図4の左側へと移動し、分岐ループ22bから無端ループ22aへと移動するようになっている。
なお、クラッチボール60が無端ループ22a上にある時にクラッチケース30が固定軸に対して巻取り方向に回転する場合には、クラッチボール60は無端ループ22a上を破線の矢印Yで示す方向へ相対移動し続けるため、クラッチケース30の回転は規制されないようになっている。
(3)全体動作
ここで、上記のようなクラッチ装置10を備えたロールスクリーンの動作について説明する。
(3−1)巻戻し
操作コード7の操作によってロールスクリーンのスクリーン4をコイルスプリング5の付勢力に抗して引き下げて巻戻すと、巻取パイプ3を介してクラッチケース30が回転する。これに伴って、クラッチボール60が図4に示す矢印X方向へ移動し、分岐ループ22bの第1ロック溝22cに案内され第1係合状態Pとなって、巻取パイプ3、クラッチケース30及びクラッチドラム20が一体となって巻戻し方向(図2及び図6の矢印Bの方向)に回転する。
(3−2)巻戻し停止
スクリーン4を所望位置まで巻戻した後操作コード7を手放すと、スクリーン4はコイルスプリング5の付勢力により若干巻取られた後、その巻取りが停止される。すなわち、操作コード7を手放すと、巻取パイプ3及びこれと一体回転するクラッチケース30は巻取り方向(図2及び図6の矢印Aの方向)に回転し、クラッチボール60が第2ロック溝22dに案内されて、クラッチドラム20と係合する第2係合状態Qとなる。クラッチドラム20はワンウェイクラッチ機構C1によって巻取り方向に回転不能であるため、結果として巻取パイプ3の回転が規制され、スクリーン4の巻取りが停止される。
(3−3)巻取り
そして、スクリーン4の巻取りが停止された状態から操作コード7の操作によってスクリーン4を若干引き下げると、クラッチボール60は第2ロック溝22dと対向するガイド溝の斜面22eに当たって無端ループ22a側(図4の左側)へと移動する。これによって巻取パイプ3の巻取り方向への回転の規制が解除され、その後引き下げをやめて操作コード7を手放すと、クラッチボール60はガイド溝22の無端ループ22a内を図4の矢印Y方向へ周回し、スクリーン4は、コイルスプリング5の付勢力によって巻取られるようになる。
なお、クラッチドラム20の中心軸11に対する巻戻し方向の回転に対しては、上述したコイルスプリング80が若干の摩擦抵抗を与えるようになっている。これにより、第2係合状態Q(図4参照)においてクラッチケース30が巻戻り方向に回転してクラッチボール60が第2ロック溝22dと対向するガイド溝の斜面22eに当たった際に、クラッチドラム20がクラッチボール60(クラッチケース30)と連動して回転することを抑制している。その結果、クラッチボール60は確実に無端ループ22a側に移動することになり、クラッチボール60が第2ロック溝22dに戻って再び第2係合状態Qになってしまうことなく、クラッチドラム20(中心軸11)に対するクラッチケース30の巻取り方向への回転の規制がより確実に解除されるようになっている。以上のことから、本実施形態に係るロールスクリーンは僅かな戻り角の範囲内で確実にスクリーン4の規制を解除することができるようになっている。
(4)クラッチ装置の逆向きの取り付け
ところで、上記ではクラッチ装置10を図1に示すようにブラケット2b側(正面図において右側)に取り付ける場合の組付け及び動作について説明したが、同一の部材を用いて、図10に示すようにクラッチ装置10をブラケット2a側(正面図において左側)に取り付けることも可能である。つまり、図1(b)及び図10(b)の側面図に示すように、スクリーン4を垂下させる向き(ここでは、室外側)を同じにしたまま、クラッチ装置10の左右の位置を入れ替えることが可能となっている。これにより、操作コード7の取り付け位置をブラケット2a側に変更することができる。以下に、クラッチ装置10をブラケット2a側へ取り付ける場合のクラッチ装置10の組み立てについて説明する。
クラッチ装置10をブラケット2a側に取り付ける場合、まず、図10(a)に示すように、クラッチドラム20の組込部25R側(突出部25aR)が円盤部14に当接するようクラッチドラム20を中心軸11の丸軸部13に挿入する。この時、図3及び図3のE−E断面である図7に示すように、コイルスプリング80を中心軸11とクラッチドラム20の拡径孔23bRとの間に配設する。拡径孔23bRも、図7に示す拡径孔23bLと同様、断面形状が円周方向1ヶ所に凹部28を有するキー溝形状となっており、凹部28とコイルスプリング80の外周方向に突出する突出部81とが係合するようになっている。この場合も、コイルスプリング80はクラッチドラム20が中心軸11に対して巻取り方向(矢印Aの方向)に回転すると巻締まり、巻戻し方向(矢印Bの方向)に回転すると巻緩む方向に取り付けられる。
次に、組込部25L側のドラム側係合溝26に6つのワンウェイボール70を配置した状態でクラッチプレート40を中心軸11に挿入し(この時の挿入方向を特許請求の範囲の第2の向きとする)、クラッチプレート40の嵌合孔41と中心軸11の嵌合部12を嵌合させ、中心軸11とクラッチプレート40をこれらが一体回転するよう固定する。この際、クラッチドラム20の拡径孔23bR及び環状溝27とクラッチプレート40の円筒部44及び環状突起47がそれぞれ相対回転可能な状態で嵌まり合う。これにより、クラッチ装置10をスクリーン4の右側に取り付ける場合の図6に対応する図12に示すように、クラッチプレート40、クラッチドラム20の組込部25L及びこれらの間に配置された6つのワンウェイボール70によってワンウェイクラッチ機構C1が構成される。このワンウェイクラッチ機構C1が、中心軸11(クラッチプレート40)に対するクラッチドラム20の巻取り方向の回転(図12の矢印Aの方向の回転)を規制するようになっている。
そして、クラッチドラム20及クラッチプレート40が組み付けられた中心軸11をクラッチケース30へ収容する。以降の手順は、クラッチ装置10をブラケット2b側に取り付ける場合と同様である。このように、クラッチ装置10をブラケット2a側(左側)に取り付けた場合でも、ブラケット2b側(右側)に取り付けた場合と同一の動作を行うことが可能となっている。
(4)作用効果
上記のようなロールスクリーンでは、次に示す作用効果を得ることができる。
(イ)クラッチドラム20の組み付けの向きを変えることにより、構成部品は同じままクラッチ装置10をスクリーン4の左右いずれの位置にも取り付けることができるため、部品の共通化が可能となる。その結果、製造コストの削減を図ることが可能となる。
(ロ)クラッチ装置10の取り付け位置を変更するには、単にクラッチドラム20(及びコイルスプリング80)の取り付け方向を入れ替えるだけで良いので、遮蔽装置を製品化した後でも、使用状況の変化に応じて操作部等の位置を変更することができる。
なお、本発明は、以下の態様でも実施可能である。
・上記実施形態では、中心軸11とクラッチプレート40は別体として構成されていたが、これら中心軸11とクラッチプレート40を射出成形等で一体形成しても良い。なお、この場合は、中心軸11の円盤部14が中心軸11と別体として形成され、クラッチドラム20を中心軸11の角軸側から挿入してから、円盤部14を中心軸11に固定することになる。
・また、上記実施形態では、クラッチドラム20の組込部25はクラッチドラム20と一体に形成されていたが、組込部25をクラッチドラム20の軸方向端部に取付可能に構成することも可能である。この場合、ドラム側係合溝26はクラッチドラム20とは別体である組込部25に形成される。
・上記実施形態では、クラッチドラム20側にガイド溝22を設け、クラッチケース30側にスライド溝35を設けていたが、クラッチケース側にガイド溝22を設け、クラッチドラム20側にスライド溝を設けるようにしてもよい。また、ガイド溝22の形状は、従来既知の任意の形状を適用することができる。
・上記実施形態では、ワンウェイクラッチ機構C1を備えたクラッチ装置10をスプリングアシスト式のロールスクリーンに用いていたが、自重降下式の遮蔽装置(横型ブラインド、プリーツスクリーンやローマンシェード等)や、横方向に付勢されたアコーディオンタイプのものなどにも適用することができる。例えば、昇降コードを巻取コーンに巻取り、あるいは巻取コーンから巻戻すことでスラットを昇降させる自重降下式の横型ブラインドに本願のクラッチ装置を用いる場合、巻取コーン(巻取軸)が特許請求の範囲の「回転体」に相当し、遮蔽部材が自重によってコードを引っ張ることが特許請求の範囲の「付勢」に相当する。具体的には、クラッチ装置10の中心軸11を横型ブラインドのヘッドボックス(図示せず)に固定し、図17に示すようにクラッチケース30にギヤ36を形成して、当該ギヤ36と噛み合うギヤ101を介してクラッチケース30と巻取軸102が連動回転するよう構成する。このような構成とすることで、クラッチ装置10の動作により巻取軸102及び巻取コーン(図示せず)のスラットが降下する方向の回転の規制と許容とを切り替えることが可能となっている。このように、本発明のクラッチ装置を上記のような遮蔽装置に用いる場合も、クラッチ装置を異なる向きに取り付けることができることから、部品の共通化が可能となる。
また、本発明のクラッチ装置を横型ブラインドに適用する場合に、中心軸11(特許請求の範囲の回転軸)を巻取軸と連動させ、上述したクラッチケース30を固定する形態とすることも可能である(ここではクラッチケースが被固定部とされる)。この場合、スラットの引上げ時に巻取軸の回転に伴って中心軸11が図2のAの方向に回転するように構成する(図18の状態i参照)。この時、ワンウェイクラッチ機構C1は回転フリー方向に取り付けられているものの、コイルスプリング80(図3参照)の摩擦抵抗によって、回転軸11と連動してクラッチドラム20が回転するようになっている。これにより、図4に示すクラッチボール60はクラッチドラム20に対して同図の矢印Xで示す方向に相対移動し(実際にはクラッチドラムが回転する)、第1係合状態Pとなる。しかしながら、本変形例の場合、さらに巻取軸が回転すると、コイルスプリング80が滑ることでクラッチケース30に対してクラッチドラム20が引き続き回転できるようになっている(図18の状態ii参照)。その後、スラット引上げを止めると、スラットの自重により巻取軸の反対方向への回転が開始され、中心軸11も反対方向へ回転する。この時、ワンウェイクラッチ機構C1はロック状態となるため、中心軸11の回転に伴ってクラッチドラム20も回転する。そして、クラッチボール60が第2係合状態Qになると、クラッチケース30は回転不能であるため、クラッチドラム20も回転不能となる(図18の状態iii参照)。したがって、ワンウェイクラッチ機構C1もロック状態であることから、回転軸11は回転不能となり、巻取軸の回転が停止してスラットの自重降下が停止する。このように、中心軸11を巻取軸と連動させ、クラッチケース30を固定する形態としても、本発明のクラッチ装置を遮蔽装置のストッパとして使用することも可能である。なお、第2係合状態Qから回転軸11をスラット引上げ方向に回転させると、コイルスプリング80の摩擦抵抗によってクラッチドラム20が回転し、クラッチボール60は無端ループ22b側へ移動して(図18の状態iv参照)、この後スラット引上げを止めるとクラッチボール60は無端ループ22bを周回してスラットを降下させることが可能となる(図18の状態v参照)。
(第2実施形態)
次に、図13を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態のクラッチ装置10を遮蔽装置であるダブルロールスクリーンに適用したものを示す。以下、相違点を中心に説明する。
図13に示すダブルロールスクリーンは、枠体1の両側に取り付けられたブラケット2a,2bの間に回転体としての2つの巻取パイプ3X,3Yが回転可能に支持されている。これら巻取パイプ3X,3Yからはスクリーン4X,4Yがそれぞれ吊下支持され、巻取パイプ3内には付勢手段としてのコイルスプリング5X,5Yが配設されており、これらコイルスプリング5X,5Yが巻取パイプ3X,3Yを付勢している。なお、スクリーン4X,4Yを巻取る際の巻取パイプ3X,3Yの回転方向は、図13(b)に示すように、互いに逆方向となっている。
そして、各ロールスクリーンには、コイルスプリング5X,5Yの付勢力に抗して巻取パイプ3X,3Yの回転を規制し、スクリーン4X,4Yを所望位置に吊り下げ支持するためのクラッチ装置10X,10Yが設けられ、これらには上述した第1実施形態に記載のクラッチ装置10が用いられる。つまり、図11に示すように、クラッチドラム20の組み付けの向きを変えることにより、巻取パイプ3X,3Yの回転方向を互いに逆方向(図13(b)参照)とする構成のダブルロールスクリーンのクラッチ装置10X,10Yを同一の構成要素(部品)によって構成することができる。
このように、本発明のクラッチ装置10をダブルロールスクリーンに適用する場合にも、部品の共通化が可能となり、コスト削減を図ることが可能となる。
なお、実施形態は、以下の態様でも実施可能である。
・上述した実施形態では、クラッチ装置10を独立した2つのスクリーン4X,4Yを有するダブルロールスクリーンに適用したものであったが、このクラッチ装置10を、巻取方向の異なる2つの巻取軸(特許請求の範囲の「回転体」)を有し、これらの巻取軸が前後又は上下に配置された2つの生地を巻取コードを介してそれぞれ吊上げるツインタイプ/ダブルタイプのプリーツスクリーンにも用いることが可能である。
(第3実施形態)
図14〜図16は、第3実施形態に係るクラッチ装置10を示す。このクラッチ装置10は、ワンウェイクラッチ機構C1がワンウェイクラッチ90及びクラッチカラー91から構成され、クラッチドラム20が上記ワンウェイクラッチ90及びクラッチカラー91を取り付ける取付部を軸方向両端部に備えている点が第1実施形態のクラッチ装置10との主な相違点である。以下に、この相違点を中心に説明する。
本実施形態のクラッチ装置10のクラッチドラム20は、図15(a)に示すように、軸方向に貫通する貫通孔23を有し、貫通孔23は、中心軸11の丸軸部13と嵌り合う小径孔23aと、この小径孔23aの軸方向両側からクラッチドラム20の軸方向両端まで連続し、小径孔23aよりも内径が大きい拡径孔23bR,23bLによって形成される(図16参照)。本実施形態では、この拡径孔23bR,23bLがワンウェイクラッチ機構を取り付ける取付部として機能する。
一方、ワンウェイクラッチ90は、図15(b)に示すように、クラッチカラー91を挟んで中心軸11の周囲に配置される外輪92と、中心軸11と外輪92との間に配設されるニードル93とから主に構成される。このワンウェイクラッチ90については、従来基地の任意のものを適用することができるため、その詳細な説明を省略する。なお、クラッチカラー91は、中心軸11に対してニードル93が滑ってしまうことを防止するために設置されている。
以上のようなワンウェイクラッチ90を組み付けてワンウェイクラッチ機構C1を備えたクラッチ装置10を構成するには、図14に示すように、まず中心軸11にクラッチドラム20を挿入する。この際、第1実施形態と同様、クラッチドラム20を挿入する向きによってクラッチ装置10の取付位置を左右で変更可能となる。なお、本実施形態において、クラッチ装置10をブラケット2b側に取り付ける場合(図1(a)参照)は、クラッチドラム20の拡径孔23bL側を中心軸11の円盤部14に当接させる(図14参照)。
次に、クラッチカラー91及びワンウェイクラッチ90を、クラッチドラム20が挿入された中心軸11にこの順に挿入する。ここで、クラッチドラム20の小径孔23aと拡径孔23bRの内周の境目には段部23cが形成されており、この段部23cにワンウェイクラッチ90が当接するようになっている。また、拡径孔23bRには軸方向に延びる突条23dが円周方向3ヶ所から内向き突出しており、それぞれがワンウェイクラッチ90の外周面に形成される3つの溝90aと嵌り合うことでワンウェイクラッチ90が位置決めされるとともに、ワンウェイクラッチ90がクラッチドラム20に対して相対回転しないようになっている。
そして、クラッチドラム20及ワンウェイクラッチ90が組み付けられた中心軸11をクラッチケース30へ収容し、クラッチドラム20及びワンウェイクラッチ90の脱落を防止するクラッチカバー94を取り付ける。
上記のような構成のクラッチ装置10であっても、第1実施形態に準じた効果、すなわち、クラッチドラム20の組み付けの向きを変えることにより、構成部品は同じままクラッチ装置10をスクリーン4の左右いずれの位置にも取り付けることができるため、部品の共通化が可能となる。
C1:ワンウェイクラッチ機構、C2:カムクラッチ機構、10:クラッチ装置、11:中心軸(被固定部)、20:クラッチドラム、30:クラッチケース(クラッチ体)、23bR,23bL:拡径孔(取付部)

Claims (8)

  1. 円筒状のクラッチドラムと、当該クラッチドラムの外周に配置されたクラッチ体と、前記クラッチドラムをワンウェイクラッチ機構を介して接続する被固定部とを備えたクラッチ装置であって、
    前記クラッチドラムと前記クラッチ体の連動と非連動とを切り替えるカムクラッチ機構を備え、
    前記ワンウェイクラッチ機構は前記被固定部に対する前記クラッチドラムの一方向の回転を規制するものであり、
    前記クラッチドラムの軸方向両端に前記ワンウェイクラッチ機構の一部が形成されるか、又は、前記クラッチドラムの軸方向両端に前記ワンウェイクラッチ機構を取付可能な取付部が形成される、クラッチ装置。
  2. 前記クラッチドラムと前記クラッチ体とを第1の向きに組み付けるとともに、前記クラッチドラムの軸方向一方に前記ワンウェイクラッチ機構の一部を形成するか、又は、前記クラッチドラムの軸方向一方に前記ワンウェイクラッチ機構を取り付けた場合に、前記前記被固定部に対する前記クラッチ体の一方向の規制と許容とを切り替え、
    前記クラッチドラムと前記クラッチ体とを第2の向きに組み付けるとともに、前記クラッチドラムの軸方向他方に前記ワンウェイクラッチ機構の一部を形成するか、又は、前記クラッチドラムの軸方向他方に前記ワンウェイクラッチ機構を取り付けた場合に、前記前記被固定部に対する前記クラッチ体の他方向の規制と許容とを切り替えるよう構成した、請求項1に記載のクラッチ装置。
  3. 前記被固定部は中心軸であり、前記クラッチドラムは当該中心軸に相対回転可能に取り付けられている、請求項1又は請求項2に記載のクラッチ装置。
  4. 前記クラッチドラムの軸方向両端に、それぞれ移動体を組込む移動体組込部を備え、前記中心軸には当該中心軸と一体に形成されるか又は当該中心軸と連動して回転するクラッチプレートが設けられており、前記ワンウェイクラッチ機構が、前記移動体を前記移動体組込部及び前記クラッチプレートで挟み込むことで形成される、請求項3に記載のクラッチ措置。
  5. 前記移動体組込部は、周方向外側に向かって開口する複数のドラム側係合溝を備え、
    前記クラッチプレートは、当該クラッチプレートの外縁部から全周に亘って軸方向に延びる傘状部を備えるとともに当該傘状部から径方向内側に向かって開口する複数のプレート側係合溝を備えており、
    前記ワンウェイクラッチ機構は、前記移動体の少なくとも1つが径方向外側へ移動して前記ドラム側係合溝及び前記プレート側係合溝と係合することによって、前記クラッチドラムの前記中心軸に対する一方向の回転を規制する、請求項4に記載のクラッチ装置。
  6. 前記クラッチドラムは、前記中心軸と嵌り合う小径孔と、当該小径孔の軸方向両側からクラッチドラムの軸方向両端まで連続する拡径孔とを備え、
    前記ワンウェイクラッチ機構は、ニードル式のワンウェイクラッチであって、
    前記拡径孔が、前記ワンウェイクラッチを取り付ける取付部とされる、請求項3に記載のクラッチ装置。
  7. 円筒状のクラッチドラムと、当該クラッチドラムの外周に配置された被固定部と、前記クラッチドラムをワンウェイクラッチ機構を介して接続する回転軸とを備えたクラッチ装置であって、
    前記クラッチドラムと前記被固定部の連動と非連動とを切り替えるカムクラッチ機構を備え、
    前記ワンウェイクラッチ機構は前記回転軸に対する前記クラッチドラムの一方向の回転を規制するものであり、
    前記クラッチドラムの軸方向両端に前記ワンウェイクラッチ機構の一部が形成されるか、又は、前記クラッチドラムの軸方向両端に前記ワンウェイクラッチ機構を取付可能な取付部が形成される、クラッチ装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載のクラッチ装置を備えるとともに、一方向に付勢された回転体と、当該回転体の回転に伴って開閉可能な遮蔽部材とを備え、前記クラッチ装置が前記回転体の前記一方向の回転の規制と許容とを切り替える、遮蔽装置。
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