WO2007018023A1

WO2007018023A1 - 一方向クラッチ

Info

Publication number: WO2007018023A1
Application number: PCT/JP2006/314373
Authority: WO
Inventors: Koji Yoneyama
Original assignee: Exedy Corporation
Priority date: 2005-08-05
Filing date: 2006-07-20
Publication date: 2007-02-15
Also published as: CN101243265A; JP2007046618A; CN101243265B; JP4182091B2

Abstract

　この一方向クラッチ１は、外軸３と、ローラ６及び波状板ばね７と、カバー８と、プレート９とを有する。外軸３は軸部材２の外周側に配置され内周部から外周側に窪むように設けられた複数のポケット部１１を有する。ローラ６及び波状板ばね７は、複数のポケット部１１に収納され、波状板ばね７はローラ６を周方向に付勢する。カバー８及びプレート９はポケット部１１の軸方向の側面を覆うように配置されている。プレート９は、複数のポケット部１１に挿入されて、プレート９を外軸３に支持するための複数の突出部３０を有している。

Description

明細書

一方向クラッチ

技術分野

[0001] 本発明は、軸部材に設けられた一方向クラッチに関する。

背景技術

[0002] 一方向クラッチは、一般的に、外軸と、ローラ及び弾性部材と、カバーと、プレートと、を備えている。外軸は軸部材の外周側に配置された複数のポケット部を有している。ローラ及び弾性部材は複数のポケット部に収納されている。また、カバーはポケット部の軸方向の一方を覆うように配置されており、プレートはポケット部の軸方向の他方を覆うように配置されて、る。

[0003] この一方向クラッチでは、軸部材が第 1の方向に回転すると、ローラがポケット部や弾性部材などによって移動不能状態となり、軸部材の動力がローラによって外軸に伝達される。一方、軸部材が第 1の方向とは逆の第 2の方向に回転するときには、ポケット部の内部でローラが移動可能な状態となっている。このためにローラはポケット部にお、て空転し、軸部材の動力は外軸に伝達されな！、。

[0004] このような一方向クラッチにおいて、例えば特許文献 1に示された一方向クラッチでは、プレートに突出部を設けるとともに、この突出部を外軸に設けられた取り付け用の孔に嵌合することで、プレートが外軸に取り付けられている。

特許文献 1 :特開 2003— 172377号公報

発明の開示

[0005] 従来の一方向クラッチでは、外軸にプレートを取り付けるために外軸に孔を設け、プレートに外軸の孔に嵌合する突出部を設ける必要がある。このため、外軸及びプレートの両方をカ卩ェすることが必要である。

[0006] 本発明の課題は、外軸にプレートを支持するための構造を簡単にすることにある。

[0007] 請求項 1に記載の一方向クラッチは、軸部材に取り付け可能であり、環状の外軸と、ローラ及び付勢部材と、カバーと、環状のプレートとを有する。外軸は、軸部材の外周側に配置され、内周部力外周側に窪むように設けられた複数のポケット部を有する。ローラは複数のポケット部に収納されている。付勢部材は、複数のポケット部に収納され、ローラを周方向に付勢する。カバーはポケット部の軸方向の一方を覆うように配置されている。プレートは、ポケット部の軸方向の他方を覆うように配置されており、複数のポケット部の少なくとも 1つに挿入されて、プレートを外軸に支持するための複数の支持部を有している。

[0008] この一方向クラッチでは、ローラは付勢部材によって常に周方向の一方向（第 1方向）に付勢されている。そして、軸部材が第 1方向に回転すると、軸部材の回転に伴つてローラが第 1方向にさらに移動させられる。この状態では、ローラは軸部材と外軸との間に食い込んで移動することができず、軸部材からの動力はローラを介して外軸に伝達される。一方、軸部材が第 1方向とは逆の方向に回転すると、軸部材の回転によってローラが付勢部材の付勢力に抗して付勢部材側に移動する。このとき、軸部材とポケット部との間にはローラが動くことのできるスペースがあるために、ローラは軸部材と外軸との間で空転し、動力は軸部材力外軸に伝達されない。

[0009] このような一方向クラッチにおいては、プレートは、このプレートに設けられた支持部によって外軸のポケット部に支持され、プレートを支持するための構造が簡単になる。すなわち、プレートを支持するための構成をプレート側のみに形成するだけでよい

[0010] 請求項 2に記載の一方向クラッチは、請求項 1の一方向クラッチであって、複数の支持部は、プレートの内周端部をカバー側に折り曲げて形成されたものである。

[0011] この場合は、プレートの支持部の構成が簡単になる。

[0012] 請求項 3に記載の一方向クラッチは、請求項 2の一方向クラッチであって、複数の支持部は、複数のポケット部のそれぞれにおいて、ポケット部の周方向両端部に当接するように設けられている。

[0013] 請求項 4に記載の一方向クラッチは、請求項 3の一方向クラッチであって、複数の支持部は、外軸が軸部材に装着されていない状態で、ローラ及び付勢部材がポケット部から脱落するのを防止する。

[0014] 請求項 5に記載の一方向クラッチは、請求項 1の一方向クラッチであって、付勢部材は、一端がポケット部の端部に当接し、他端がローラに当接可能な波状の板ばねである。

図面の簡単な説明

[0015] [図 1]一方向クラッチ 1の平面図。

[図 2]—方向クラッチ 1の断面図。

[図 3]動力遮断状態のポケット部 11の拡大図。

[図 4]動力伝達状態のポケット部 11の拡大図。

[図 5]突出部 30の拡大図。

[図 6]他の実施形態に係る突出部 31の拡大図。

[図 7]他の実施形態に係る突出部 32の拡大図。

符号の説明

[0016] 1 一方向クラッチ

3 外軸

6 ローラ

7 波状板ばね

8 カバー

11 ポケット部

30 突出部

発明を実施するための最良の形態

[0017] 図 1及び図 2に示す一方向クラッチ 1は、軸部材 2に設けられており、軸部材 2の外周に設けられた外軸 3と、外軸 3の内部に設けられたローラ 6及び波状板ばね 7と、それぞれ外軸 3の側面を覆うカバー 8及びプレート 9と、を有して、る。

[0018] 外軸 3は、軸部材 2から動力が伝達される環状の部材であって、内周側には複数のポケット部 11 (この実施形態では 6個）を有している。また、周方向に等間隔に並べて 6個の孔 13が配置されており、隣り合う 2つの孔 13の間に合計 6個のポケット部 11が配置されている。孔 13には図示しないボルトが挿入され、このボルトによって、一方向クラッチ 1が駆動系の他の部材に取り付けられる。

[0019] 6個のポケット部 11はそれぞれ同じ形状であるので、以下に 1つのポケット部 11についてのみ説明する。 [0020] ポケット部 11は、図 1に示すように、外軸 3の内周端に、内周端力も外周側に凹むように設けられている。そして、このポケット部 11は、径方向に延びる第 1側壁部 21と、周方向に延びる第 2側壁部 22と、第 1側壁部 21と第 2側壁部 22とをつなぐ第 3側壁部 23と、径方向に延びる第 4側壁部 24と、周方向に延びる第 5側壁部 25と、第 4側壁部 24と第 5側壁部 25とをつなぐ第 6側壁部 26と、第 2側壁部 22と第 5側壁部 25とをつなぐ第 7側壁部 27とを有する。第 1側壁部 21は、外軸 3の内周部から外周部に向かって平面上に形成されている。第 2側壁部 22は、ローラ 6の外周側が接触する部分であって、波状板ばね 7が配置されている側力もローラ 6が配置されている側に向かって徐々に外軸の内周部との距離が短くなるように形成されている。第 3側壁部 23は、第 1側壁部 21と第 2側壁部 22とを滑らかにつなぐ部分である。第 4側壁部 24 は後述する波状板ばね 7の一端が支持されて、る部分であって、外軸 3の内周部から外周部に向力つて径方向に平面上に形成されている。第 5側壁部 25は第 2側壁部 22よりも内周側に形成されている。第 6側壁部 26は第 4側壁部 24と第 5側壁部 25とを滑らかにつなぐ部分である。第 7側壁部 27は、第 2側壁部 22と第 5側壁部 25とを滑らかにつなぐ部分である。

[0021] ローラ 6は、複数のポケット部 11の内部に収納された円柱状の部材であって、軸部材 2から伝達される動力を外軸 3に伝達するための部材である。また、ローラ 6は波状板ばね 7によってポケット部 11の第 1側壁部 21側に付勢されている。

[0022] 波状板ばね 7は、複数のポケット部 11のそれぞれに収納されており、ローラ 6を周方向に付勢する部材である。波状板ばね 7は、一端がローラ 6と接触しており他端はポケット部 11の第 4側壁部 24近傍に位置して、る。

[0023] カバー 8は、ポケット部 11の軸方向の一側面を覆うように配置された部材であって、図 2に示すように、ローラ 6や波状板ばね 7がポケット部 11から飛び出さな、ようにするために設けられた環状の板状部 8aと、環状の板状部 8aの外周に設けられた円筒部 8bとを有している。

[0024] プレート 9は、ポケット部 11の軸方向のカバー 8が配置されていない方の側面を覆うように配置された環状の部材であり、ローラ 6や波状板ばね 7が軸方向に飛び出すのを防止している。また、プレート 9の内周部には、カバー 8側に向力つて突出した板状の突出部 30が 12力所設けられている。この突出部 30は、図 5に拡大して示すように、プレート 9の内周端部の一部をカバー側に折り曲げて形成した部分であって、図 3 及び図 4に示すように、ポケット部 11内周端部の周方向両端部のそれぞれに接触するように設けられている。また、突出部 30は、この一方向クラッチ 1が軸部材 2に装着されて、な、状態で、ローラ 6がポケット部 11の第 1側壁部 21に接触して、る際に、ローラ 6と波状板ばね 7とにそれぞれ平面部分 (外周側の面)で接触するように配置されている。

[0025] 次に動作について説明する。

[0026] 軸部材 2が外軸 3に対して図 1に示す R方向に相対回転すると、軸部材 2の回転によってローラ 6がポケット部 11の第 1側壁部 21側に移動する。すると、図 4に示すように、ポケット部 11の第 1側壁部 21と軸部材 2の外周面との間に嚙み込んで、軸部材 2 と外軸 3とによってローラ 6の移動が規制される。これにより、ローラ 6を介して軸部材 2 のトルクが外軸 3に伝達される。

[0027] 逆に、軸部材 2が外軸 3に対して Rの逆方向に相対回転すると、軸部材 2の回転によってローラ 6が波状板ばね 7の付勢力に抗してポケット部 11の第 4側壁部 24側に移動する。すると、図 3に示すように、ポケット部 11の第 2側壁部 22と軸部材 2の外周面との間に隙間が形成され、ローラ 6がポケット部 11の内部で空転する。この場合は、軸部材 2と外軸 3とがフリー状態となる。これにより、軸部材 2からのトルクは外軸 3側に伝達されない。

[0028] この一方向クラッチ 1を軸部材 2に取り付ける際には、プレート 9の突出部 30を外軸 3のポケット部 11の内周側に挿入し、これによりプレート 9が外軸 3に支持される。このために、この一方向クラッチ 1全体をユニットとして仮組み付けすることができ、一方向クラッチ 1を軸部材 2に取り付けやすくなる。また、この一方向クラッチ 1を軸部材 2に装着する前段階で、突出部 30によってローラ 6及び波状板ばね 7がポケット部 11から脱落しに《なる。このために、軸部材 2に対して一方向クラッチ 1を取り付ける際に、組み付け作業がより容易になる。

[0029] [他の実施形態]

(a)上記実施形態では、プレート 9の内周部の一部を内周側に突出させておき、その突出部をカバー側に折り曲げて形成した力突出部の構成はこれに限定されない

[0030] 例えば、図 6に示すように、プレート 9の内周部において、内周端の外周側に、所定の長さの円周方向スリット 9aを形成し、さらにそのスリット 9aの円周方向の中間部に内周側に貫通する切り込みを形成し、左右の部分をカバー側に折り曲げて突出部 31を形成してちょい。

[0031] また、図 7に示すように、プレートの内周部において、 1つのポケット部の円周方向長さにわたって 2つのスリット 9bを形成し、その各スリット 9bの端部に内周側に貫通する切り込みを形成し、その端部側をカバー側に折り曲げて突出部 32を形成しても良い。

[0032] (b)前記実施形態では、プレートの突出部を、複数のポケット部のすべてに挿入されるように形成した力複数のポケット部の一部に挿入されるようにしてもよい。

産業上の利用可能性

[0033] 本発明では、外軸の一側面にプレートを取り付けるための構造が簡単になる。

Claims

請求の範囲

[1] 軸部材に設けられる一方向クラッチであって、

前記軸部材の外周側に配置可能であり、内周部力外周側に窪むように設けられた複数のポケット部を有する環状の外軸と、

前記複数のポケット部に収納されたローラと、

前記複数のポケット部に収納され前記ローラを周方向に付勢する付勢部材と、前記ポケット部の軸方向の一方を覆うように配置されたカバーと、

前記ポケット部の軸方向の他方を覆うように配置された環状のプレートと、を備え、前記プレートは、前記複数のポケット部の少なくとも 1つに挿入されて、前記プレートを前記外軸に支持するための複数の支持部を有する、

一方向クラッチ。

[2] 前記複数の支持部は、前記プレートの内周端部を前記カバー側に折り曲げて形成されたものである、請求項 1に記載の一方向クラッチ。

[3] 前記複数の支持部は、前記複数のポケット部のそれぞれにお、て、ポケット部の周方向両端部に当接するように設けられて、る、請求項 2に記載の一方向クラッチ。

[4] 前記複数の支持部は、前記外軸が前記軸部材に装着されて!、な!、状態で、前記ローラ及び前記付勢部材が前記ポケット部から脱落するのを防止する、請求項 3に記載の一方向クラッチ。

[5] 前記付勢部材は、一端が前記ポケット部の端部に当接し、他端が前記ローラに当接可能な波状の板ばねである、請求項 1に記載の一方向クラッチ。