JP2012021590A - スプリング式一方向クラッチ - Google Patents

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Seiichi Takada
声一 高田
Chiyori Sato
ちより 佐藤
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Abstract

【課題】軸方向にコンパクトな二重スプリング式一方向クラッチにおいて、空転時に、クラッチスプリングを硬度の高い側の回転部品の接触部位で滑りを生じさせることができるようにして、耐久性の向上を図ることである。
【解決手段】回転軸1の外周面とその回転軸1より硬度の低い外輪11の内周のクラッチ面13間に組込まれたクラッチスプリング21を、大径コイルスプリング部22と、その大径コイルスプリング部22の巻き終わり側端に連設された内向き反転部23と、その反転部23の端部に連設されて大径コイルスプリング部22の内側に配置された小径コイルスプリング部24とで形成する。大径コイルスプリング部22と小径コイルスプリング部24の巻き方向を同一とする。大径コイルスプリング部22の初期緊縛力を小径コイルスプリング24の初期緊縛力より強くして、回転軸1の空転時に、その回転軸1と小径コイルスプリング部24との接触部で滑りを生じさせるようにする。
【選択図】図1

Description

この発明は、駆動部材の一方向の回転を従動部材に伝達するスプリング式一方向クラッチに関する。
プリンタや複写機、ファクシミリなどの紙送り機構等に組込まれる一方向クラッチとして、クラッチスプリングの締め付けおよび解除によって一方向の回転トルクの伝達と遮断とを行うようにしたスプリング式のものが従来から知られている。
スプリング式一方向クラッチには、非特許文献1や特許文献1に記載されているように、クラッチスプリングが一重とされた一重スプリング式のものと、特許文献2に記載されているように、クラッチスプリングが二重とされた二重スプリング式とが存在する。
ここで、一重スプリング式の一方向クラッチにおいては、スプリングを同一軸上に配置された駆動軸(駆動アーバ)と従動軸(従動アーバ)の軸端部に跨る組付けとして、駆動軸の一方向の回転によりクラッチスプリングを縮径させ、そのクラッチスプリングが駆動軸と従動軸を締付ける作用により、駆動軸の一方向の回転を従動軸に伝えるようにしているが、伝達トルク容量が小さく、大きなトルクを伝達する場合には、巻き数の多いクラッチスプリングを用いる必要があるため、一方向クラッチが大型化するという問題がある。
一方、二重スプリング式一方向クラッチにおいては、2重とされたクラッチスプリングの大径コイルスプリング部を駆動輪の内周に形成されたクラッチ面に弾性接触させ、かつ、小径コイルスプリング部を従動輪の外周に形成されたクラッチ面に弾性接触させる組付けとし、駆動輪の一方向への回転時に、大径コイルスプリング部を拡径させ、かつ、小径コイルスプリング部を縮径させ、上記大径コイルスプリング部が駆動輪のクラッチ面を締付ける作用と、小径コイルスプリング部が従動輪のクラッチ面を締付ける作用により、駆動輪と従動輪を結合して駆動輪の一方向の回転トルクを従動輪に伝達するようにしているため、伝達トルク容量が大きく、軸方向長さのコンパクトな一方向クラッチを得ることができるという特徴を有している。
「機械要素活用マニュアル・ばね」、編者;ニッパツ・日本発条株式会社、発行;1995年2月15日、P.136
特開昭63−6229号公報 特開2008−101740号公報
ところで、特許文献2に記載された二重スプリング式一方向クラッチにおいては、上記のように、軸方向長さのコンパクト化を図ることができるという特徴を有するものの、駆動輪の空転状態において、クラッチスプリングは、駆動輪との接触部と従動輪との接触部のいずれの接触部で滑りを生じるか、その滑り部位を特定することができない。
このため、駆動輪と従動輪のいずれか一方が樹脂等で成形されて、その硬度が他方より低い場合、その硬度の低い回転部材とクラッチスプリングとの接触部で滑りが生じると、硬度の低い回転部品が摩耗し易く、耐久性に問題がある。
この発明の課題は、軸方向にコンパクトな二重スプリング式一方向クラッチにおいて、空転時に、クラッチスプリングを硬度の高い側の回転部品の接触部位で滑りを生じさせることができるようにして、耐久性の向上を図ることである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、回転軸と、その回転軸と硬度が相違し、内周に円筒状のクラッチ面が形成され、かつ、一端部に内向きのフランジが設けられた外輪と、前記クラッチ面と回転軸の外周面間に組込まれたクラッチスプリングと、前記外輪の他端部に嵌合されて前記フランジとでクラッチスプリングを抜止めする環状の蓋体とからなり、前記クラッチスプリングが、前記クラッチ面に締め代をもって嵌め合わされた大径コイルスプリング部と、その大径コイルスプリング部の巻き終わり側端に連設された内向き反転部と、その反転部の端部に連設され、大径コイルスプリング部の内側に配置されて回転軸の外周面に締め代をもって嵌め合わされた小径コイルスプリング部とを有してなり、その大径コイルスプリング部と小径コイルスプリング部を巻き方向と同一とし、前記回転軸と外輪のうち、硬度の高い側の回転部品に対するクラッチスプリングの初期緊縛力をP、硬度の低い側の回転部品に対するクラッチスプリングの初期緊縛力をPとしたとき、P<Pとした構成を採用したのである。
上記の構成からなるスプリング式一方向クラッチにおいては、回転軸と外輪の一方を駆動側とし、他方を従動側とする。いま、外輪を駆動側として、その外輪を大径コイルスプリング部の巻き方向に回転させると、大径コイルスプリング部が拡径してクラッチ面を締め付け、大径コイルスプリング部が外輪と共に回転する。
また、大径コイルスプリング部と小径コイルスプリング部は反転部を介して連設され、その小径コイルスプリング部と大径コイルスプリング部とは巻き方向が同一とされているため、小径コイルスプリング部が縮径して回転軸の外周面を締付けることになり、外輪の回転はクラッチスプリングを介して回転軸に伝達され、回転軸が外輪と同方向に回転する。
一方、外輪を上記と逆に、大径コイルスプリング部の巻き方向と反対の方向に回転させると、大径コイルスプリング部が縮径し、小径コイルスプリング部が拡径し、外輪の回転は回転軸に伝達されず、外輪が空転する。
このとき、クラッチスプリングの初期緊縛力は、回転軸と外輪のうち、硬度の低い側の回転部品に対して高く、高い側の回転部品に対して低く設定されているため、外輪の空転時、クラッチスプリングは硬度の高い回転部品との接触部で滑りが生じることになり、硬度の低い側の回転部品の摩耗を抑制することができる。
ここで、回転軸が駆動軸され、その駆動軸の硬度が外輪の硬度より高くされ、大径コイルスプリング部の初期緊縛力が小径コイルスプリング部の初期緊縛力より強くされている場合において、フランジの内面に、反転部の外周面と周方向で対向するストッパを設けると、駆動軸が小径コイルスプリング部を拡径する方向に回転した際に上記ストッパが反転部の周方向への移動を阻止することになるため、硬度の高い駆動軸と小径コイルスプリング部の接触部でより確実に滑りを生じさせることができる。
また、外輪の他端部に小径の円筒部を設け、その円筒部にリング状のラチェットホイールを設定角度回転自在に設け、そのラチェットホイールの外周に形成された歯に対してソレノイドにより進退されるラチェット爪を係脱自在とし、前記クラッチスプリングの両端それぞれに係合片を設け、大径コイルスプリング部の端部に形成された係合片を外輪に係止し、小径コイルスプリング部の端部に形成された係合片をラチェットホイールに係止することにより、駆動軸を小径コイルスプリング部の巻き方向に回転させて、その小径コイルスプリング部を縮径させ、かつ、大径コイルスプリング部を拡径させて、駆動軸の回転を外輪に伝達する回転トルクの伝達時に、ラチェット爪をラチェットホイールに向けて移動させて、そのラチェット爪をラチェットホイールの外周の歯に係合させると、ラチェットホイールが停止し、小径コイルスプリング部が拡径して、駆動軸から外輪への回転伝達を遮断することができる。
上記のように、ラチェットホイールと、そのラチェットホイールの回転を制御するラチェット爪とを設けることによって、上記ラチェットホイールの回転制御により、駆動軸から外輪への回転伝達と遮断とを制御することができる。
さらに、外輪の他端部に小径の円筒部を設け、その円筒部にリング状のラチェットホイールを設定角度回転自在に設け、そのラチェットホイールの外周に形成された歯に対してソレノイドにより進退されるラチェット爪を係脱自在とし、前記クラッチスプリングの小径コイルスプリング部の端部に係合片を設け、その係合片をラチェットホイールに係止し、前記フランジの内面に前記クラッチスプリングの反転部が嵌合される間隔をおいて一対の凸部を設けることにより、上記と同様に、ラチェットホイールの回転制御により、駆動軸から外輪への回転伝達と遮断とを制御することができる。
この発明に係るスプリング式一方向クラッチにおいて、フランジの内周面および蓋体の内周面をラジアル軸受面とすることにより、回転軸と外輪を精度よく相対回転させることができる。
上記のように、この発明に係るスプリング式一方向クラッチにおいては、回転軸と外輪のうち、硬度の高い側の回転部品に対するクラッチスプリングの初期緊縛力Pを硬度の低い側の回転部品に対するクラッチスプリングの初期緊縛力Pより小さくしたことにより、一方向クラッチの空転時、硬度の高い回転部品とクラッチスプリングとの接触部で滑りを生じさせることができ、硬度の低い側の回転部品の摩耗を抑制し、耐久性の向上を図ることができる。
また、外輪の内側に組込まれたクラッチスプリングを、外輪の一端部に設けたフランジと他端部に取付けた蓋体とで抜止めして、外輪とクラッチスプリングとをユニット化したことにより、取り扱いが容易となり、回転軸への組付けの容易化を図ることができる。
この発明に係るスプリング式一方向クラッチの第1の実施の形態を示す縦断面図 図1のII−II線に沿った断面図 図1に示されるクラッチスプリングの斜視図 この発明に係るスプリング式一方向クラッチの第2の実施の形態を示す縦断面図 図4のV−V線の沿った断面図 この発明に係るスプリング式一方向クラッチの第3の実施の形態を示す縦断面図 図6のVII−VII線の沿った断面図 この発明に係るスプリング式一方向クラッチの第4の実施の形態を示す縦断面図 図8のIX−IX線の沿った断面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図3は、この発明に係るスプリング式一方向クラッチの第1の実施の形態を示す。図1および図2に示すように、回転軸1の外側には外輪11が設けられている。
外輪11として、ここでは、外周に歯12を有するギヤからなるものを示したが、外輪11はギヤに限定されるものではない。例えば、プーリであってもよい。外輪11は合成樹脂の成形品とされ、その硬度は回転軸1の硬度より低く、内周には円筒状のクラッチ面13が設けられている。また、外輪11の一端部には内向きのフランジ14が設けられ、そのフランジ14の内周面がラジアル軸受面15とされている。
外輪11のクラッチ面13と回転軸1の外周面間にはクラッチスプリング21が組込まれている。また、外輪11の他端部内周には大径凹部16が形成され、その大径凹部16に蓋体31が嵌合されている。
蓋体31は、外周に周方向に延びる突出部32を有し、その突出部32は大径凹部16の内周に形成された環状の係合溝17に係合し、その係合によって蓋体31は抜止めされている。
蓋体31は、外輪11のフランジ14とで上記クラッチスプリング21を抜止めしており、その内周面はラジアル軸受面33とされている。
図3に示すように、クラッチスプリング21は、大径コイルスプリング部22と、その大径コイルスプリング部22の巻き終わり側端に連設された内向き反転部23と、その反転部23の端部に連設されて大径コイルスプリング部22の内側に配置された小径コイルスプリング部24とからなり、上記大径コイルスプリング部22と小径コイルスプリング部24の巻き方向は同一とされている。
図1および図2に示すように、大径コイルスプリング部22は、外輪11のクラッチ面13に締め代をもって嵌合され、一方、小径コイルスプリング部24は回転軸1の外周面に締め代をもって嵌合されている。
ここで、小径コイルスプリング部24が回転軸1の外周面を緊縛する初期緊縛力をP、大径コイルスプリング部22が回転軸1より硬度の低いクラッチ面13を緊縛する初期緊縛力をPとしたとき、P<Pの関係が成り立つようにそれぞれの緊縛力が設定されている。
上記の構成から成るスプリング式一方向クラッチにおいては、回転軸1と外輪11の一方を駆動側とし、他方を従動側とする。いま、外輪11を駆動側として、その外輪11を図2の矢印で示すように、大径コイルスプリング部22の巻き方向に回転させると、大径コイルスプリング部22が拡径してクラッチ面13を締め付け、大径コイルスプリング部22が外輪と共に回転する。
また、大径コイルスプリング部22と小径コイルスプリング部24は反転部23を介して連設され、その小径コイルスプリング部24と大径コイルスプリング部22とは巻き方向が同一とされているため、小径コイルスプリング部24が縮径して回転軸1の外周面を締付ける。このため、外輪11の回転はクラッチスプリング21を介して回転軸1に伝達され、回転軸1が外輪11と同方向に回転する。
一方、外輪11を上記と逆に、図2の矢印で示す方向と反対の方向(大径コイルスプリング部22の巻き方向と反対の方向)に回転させると、大径コイルスプリング部22が縮径し、その大径コイルスプリング部22に反転部23を介して連設された小径コイルスプリング部24が拡径し、外輪11の回転は回転軸1に伝達されず、外輪が空転する。
このとき、小径コイルスプリング部24が回転軸1の外周面を締め付ける初期緊縛力Pは大径コイルスプリング部22が上記回転軸1より硬度の低いクラッチ面13を締付ける初期緊縛力Pより弱いため、外輪11の空転時、クラッチスプリング21は硬度の高い回転軸1との接触部で滑りが生じることになり、硬度の低い外輪11のクラッチ面13が摩耗するというようなことがない。
なお、回転軸1を駆動側とし、外輪11を従動側として、その回転軸1を図2の点線で示す矢印の方向(小径コイルスプリング部24の巻き方向と逆の方向)に回転させると、小径コイルスプリング部24が縮径して、回転軸1の外周面を締め付けると共に、大径コイルスプリング部22が拡径してクラッチ面13を締め付け、回転軸1の回転は外輪11に伝達される。
上記と逆に、回転軸1を点線で示す矢印と反対の方向に回転させると、小径コイルスプリング部24は拡径し、大径コイルスプリング部22は縮径して、回転軸1の回転は外輪11に伝達されず、回転軸1が空転する。
このとき、小径コイルスプリング部24が回転軸1の外周面を締め付ける初期緊縛力Pは大径コイルスプリング部22が上記回転軸1より硬度の低いクラッチ面13を締付ける初期緊縛力Pより弱いため、回転軸1と小径スプリング部24との接触部において滑りが生じることになり、この場合も硬度の低い外輪11のクラッチ面13が摩耗するようなことはない。
第1の実施の形態では、外輪11の硬度が回転軸1の硬度より低い場合を例にとって説明したが、外輪11の硬度が回転軸1の硬度より高い場合には、大径コイルスプリング部22が外輪11のクラッチ面13を締付ける初期緊縛力を小径コイルスプリング部24が回転軸1を締付ける初期緊縛力より弱くして、一方向クラッチの空転時に、外輪11と大径コイルスプリング部22との接触部で滑りを生じさせるようにして、回転軸1の外周面の摩耗を抑制する。
なお、第1の実施の形態においては、クラッチスプリング21として、断面が円形の金属線材からなるものを示したが、断面が矩形の金属線材から形成されたものであってもよい。
図4および図5は、この発明に係るスプリング式一方向クラッチの第2の実施の形態を示す。この第2の実施の形態においては、回転軸1を駆動軸とし、その駆動軸1の硬度を外輪11の硬度より高くしている。
また、小径コイルスプリング部24が駆動軸1の外周面を締付ける初期緊縛力Pと大径コイルスプリング部22が外輪11のクラッチ面13を締付ける初期緊縛力Pの関係を、P≦Pとしている。
さらに、外輪11のフランジ14の内面に、クラッチスプリング21に設けられた反転部23の外周面と周方向で対向するストッパ18を設けている。
他の構成は第1の実施の形態と同一であるため、同一の部品には同一の符号を付して説明を省略する。
上記の構成からなるスプリング式一方向クラッチにおいて、駆動軸1が図5の矢印で示す方向に回転すると、小径コイルスプリング部24が縮径して駆動軸1の外周面を強く締付けると共に、その小径コイルスプリング部24に反転部23を介して連設された大径コイルスプリング部22が拡径してクラッチ面13を強く締め付け、駆動軸1の回転はクラッチスプリング21を介して外輪11に伝達され、外輪11が駆動軸1と同方向に回転する。
また、駆動軸1が図5の矢印で示す方向と反対の方向に回転すると、小径コイルスプリング部24が拡径する。このとき、反転部23はストッパ18に当接して停止状態に保持されるため、大径コイルスプリング部22は初期緊縛力によってクラッチ面13を締付ける状態を維持し、駆動軸1の回転は外輪11に伝達されず、駆動軸1が空転する。
このとき、小径コイルスプリング部24が駆動軸1の外周面を締付ける緊縛力は大径コイルスプリング部22がクラッチ面13を締付ける緊縛力より小さいため、駆動軸1と小径コイルスプリング部24との接触部で滑りが生じ、駆動軸1より硬度の低い外輪11のクラッチ面13が摩耗するのを防止することができる。
図6および図7は、この発明に係るスプリング式一方向クラッチの第3の実施の形態を示す。この実施の形態においては、外輪11の蓋体31側の端部に小径の円筒部19を設け、その円筒部19にリング状のラチェットホイール40を嵌合し、そのラチェットホイール40の外周に形成された歯41に対してソレノイド42により進退されるラチェット爪43を係脱自在とし、また、クラッチスプリング21の両端それぞれに係合片25、26を設け、大径コイルスプリング部22の端部に形成された係合片25を外輪11に係止し、小径コイルスプリング部24の端部に形成された係合片26をラチェットホイール40に係止している点で第2の実施の形態で示すスプリング式一方向クラッチと相違している。
このため、第2の実施に形態で示すスプリング式一方向クラッチと同一の部品には同一の符号を付して説明を省略する。
ここで、ラチェットホイール40の内周には複数の突片44が周方向に間隔をおいて設けられ、一方、円筒部19の端面には、それぞれの突片44が挿入される切欠部45が形成され、その切欠部45と突片44との間に回転方向すきま46が設けられ、その回転方向すきま46の範囲内において、ラチェットホイール40は外輪11に対して相対的に回転自在とされている。
また、大径コイルスプリング部22の端部に形成された係合片25は、外輪11の内周に形成された係合孔27に対する係合により外輪11に係止され、一方、小径コイルスプリング部24の端部に形成された係合片26は、複数の突片44の一つに形成された切欠き28に対する係合によってラチェットホイール40に係止されている。
上記の構成からなるスプリング式一方向クラッチにおいて、駆動軸1が図7の矢印で示す方向(小径コイルスプリング部24の巻き方向と反対の方向)に回転すると、小径コイルスプリング部24が縮径して駆動軸1の外周面を締付け、また、その小径コイルスプリング部24の端部に反転部23を介して連設された大径コイルスプリング部22が拡径してクラッチ面13を締め付け、駆動軸1の回転がクラッチスプリング21および係合片27を介して外輪11に伝達され、外輪11が駆動軸1と同方向に回転する。
このとき、小径コイルスプリング部24の端部に形成された係合片26はラチェットホイール40に設けられた突片44に係止されているため、ラチェットホイール40も外輪11と同方向に回転する。
外輪11およびラチェットホイール40の回転状態において、ソレノイド42の作動により、ラチェット爪43をラチェットホイール40に向けて移動させ、そのラチェット爪43をラチェットホイール40の外周に形成された歯41に係合させると、ラチェットホイール40が停止し、そのラチェットホイール40と駆動軸1が相対回転する。
このとき、小径コイルスプリング部24の端部に設けられた係合片26は突片44に係止されているため、ラチェットホイール40と外輪11の相対回転により、小径コイルスプリング部24が拡径し、駆動軸1から外輪11への回転伝達が遮断する。また、大径コイルスプリング部22の端部の係合片25は外輪11に係止されているため、外輪11は停止し、駆動軸1が空転する。
また、ソレノイド42の作動により、ラチェット爪43をラチェットホイール40から離反する方向に移動させて歯41に対する係合を解除すると、小径コイルスプリング部24が縮径し、駆動軸1の回転が外輪11に伝達される。
このように、第3の実施の形態においては、駆動軸1から外輪11に回転が伝達される状態において、ラチェット爪43をラチェットホイール40の歯41に対して係合および解除することによって、外輪11への回転伝達と遮断とを制御することができる。
また、ラチェットホイール40およびクラッチスプリング21はフランジ14と蓋体31とで抜止めされて、ラチェットホイール40、クラッチスプリング21および外輪11がユニット化されているため、取り扱いが容易となり、駆動軸1に対する組付けの容易化を図ることができる。
なお、駆動軸1を図7の矢印で示す方向と反対の方向に回転すると、小径コイルスプリング部24が拡径して、駆動軸1から外輪11への回転伝達が遮断されて駆動軸1が空転し、小径コイルスプリング部24と駆動軸1との接触部で滑りが生じる。
図8および図9は、この発明に係るスプリング式一方向クラッチの第4の実施の形態を示す。この実施の形態においては、第3の実施の形態で示す係合片25を省略し、その代わりに外輪11のフランジ14の内面に一対の凸部47を設け、その一対の凸部47間にクラッチスプリング21の反転部23を嵌め込むようにしている点で第3の実施の形態と相違する。このため、第3の実施の形態と同一の部品には同一の符号を付して説明を省略する。
ここで、一対の凸部47と反転部23との間には、小径コイルスプリング部24の拡径および縮径を可能とする回転方向すきま48が設けられている。
上記第4の実施の形態に示すスプリング式一方向クラッチにおいても、駆動軸1が図9の矢印で示す方向に回転すると、小径コイルスプリング部24が縮径し、かつ、大径コイルスプリング部22が拡径し、同時に反転部23が一方の凸部47に係合して、駆動軸1の回転が外輪11に伝達される。また、小径コイルスプリング部24の端部の係合片26がラチェットホイール40に係止されているため、ラチェットホイール40も外輪11と共に回転する。
外輪11の回転状態において、ソレノイド42の作動により、ラチェット爪43をラチェットホイール40に向けて移動させて歯41に係合させると、ラッチェットホイール40が停止し、小径コイルスプリング部24が拡径して、駆動軸1から外輪11への回転伝達が遮断される。また、他方の凸部47が反転部48の外周面に当接して外輪11が停止する。
このように、第4の実施の形態においても、駆動軸1から外輪11に回転が伝達される状態において、ラチェット爪43をラチェットホイール40の歯41に対して係合および解除することによって、外輪11への回転伝達と遮断とを制御することができる。
1 回転軸(駆動軸)
11 外輪
13 クラッチ面
14 フランジ
15 ラジアル軸受面
18 ストッパ
19 円筒部
21 クラッチスプリング
22 大径コイルスプリング部
23 反転部
24 小径コイルスプリング部
25 係合片
26 係合片
31 蓋体
33 ラジアル軸受面
40 ラチェットホイール
41 歯
42 ソレノイド
43 ラチェット爪
47 凸部

Claims (7)

  1. 回転軸と、その回転軸と硬度が相違し、内周に円筒状のクラッチ面が形成され、かつ、一端部に内向きのフランジが設けられた外輪と、前記クラッチ面と回転軸の外周面間に組込まれたクラッチスプリングと、前記外輪の他端部に嵌合されて前記フランジとでクラッチスプリングを抜止めする環状の蓋体とからなり、前記クラッチスプリングが、前記クラッチ面に締め代をもって嵌め合わされた大径コイルスプリング部と、その大径コイルスプリング部の巻き終わり側端に連設された内向き反転部と、その反転部の端部に連設され、大径コイルスプリング部の内側に配置されて回転軸の外周面に締め代をもって嵌め合わされた小径コイルスプリング部とを有してなり、その大径コイルスプリング部と小径コイルスプリング部を巻き方向と同一とし、前記回転軸と外輪のうち、硬度の高い側の回転部品に対するクラッチスプリングの初期緊縛力をP、硬度の低い側の回転部品に対するクラッチスプリングの初期緊縛力をPとしたとき、P<Pとしたスプリング式一方向クラッチ。
  2. 前記回転軸が駆動軸とされ、その駆動軸の硬度が外輪の硬度より高くされ、前記大径コイルスプリング部の初期緊縛力が小径コイルスプリング部の初期緊縛力より強くされた請求項1に記載のスプリング式一方向クラッチ。
  3. 前記フランジの内面に、前記反転部の外周面と周方向で対向して前記駆動軸が小径コイルスプリング部を拡径する方向に回転した際に前記反転部の周方向への移動を阻止して駆動軸と小径コイルスプリング部との接触部で滑りを生じさせるストッパを設けた請求項2に記載のスプリング式一方向クラッチ。
  4. 前記外輪の他端部に小径の円筒部を設け、その円筒部にリング状のラチェットホイールを設定角度回転自在に設け、そのラチェットホイールの外周に形成された歯に対してソレノイドにより進退されるラチェット爪を係脱自在とし、前記クラッチスプリングの両端それぞれに係合片を設け、大径コイルスプリング部の端部に形成された係合片を外輪に係止し、小径コイルスプリング部の端部に形成された係合片を前記ラチェットホイールに係止した請求項2又は3に記載のスプリング式一方向クラッチ。
  5. 前記外輪の他端部に小径の円筒部を設け、その円筒部にリング状のラチェットホイールを設定角度回転自在に設け、そのラチェットホイールの外周に形成された歯に対してソレノイドにより進退されるラチェット爪を係脱自在とし、前記クラッチスプリングの小径コイルスプリング部の端部に係合片を設け、その係合片をラチェットホイールに係止し、前記フランジの内面に前記クラッチスプリングの反転部が嵌合される間隔をおいて一対の凸部を設けた請求項2又は3に記載のスプリング式一方向クラッチ。
  6. 前記フランジの内周面および蓋体の内周面をラジアル軸受面とした請求項1乃至5のいずれかの項に記載のスプリング式一方向クラッチ。
  7. 前記外輪が、ギヤおよびプーリの一種からなる請求項1乃至6のいずれかの項に記載のスプリング式一方向クラッチ。
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