JP6832325B2 - 回転許容装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コイルばねを円形断面の内輪に装着して、両者の間に所定値以上の回転トルク(コイルばねが緩む方向の回転トルク)が加えられた場合に相対的な回転を許容するよう作動する装置、つまり、トルクヒンジやトルクリミッタ等の、内輪の外周面に弾性的に装着されるコイルばねを備えた回転許容装置に関する。
上述の回転許容装置には、下記特許文献1に記載されたトルクヒンジと呼ばれるものがある。このトルクヒンジは、回転動作に抵抗トルクを付与するものであり、上方へ開放した複写機の蓋を開放位置で停止させるため等に用いられる。下記特許文献1に記載されたトルクヒンジについて図18及び図19を参照して説明する。
図18に示すとおり、ほぼ90°の角度範囲に亘って開閉可能となった蓋体CMには、蓋体CMと一体的に回転する回転シャフトRSが固定され、回転シャフトRSの両端にはトルクヒンジTHが設置されている。トルクヒンジTHのハウジングHGは、複写機等の本体側に固定されて回転不能となっている。
トルクヒンジTHのハウジングHG内には、図19(a)の断面図に示すとおり、円筒状の内輪IRと、内輪IRの外周面に弾性的に装着されたコイルばねCSと、内輪IRの内周面に固定された一方向クラッチOWとが配置されている。コイルばねCSの一端部はハウジングHGに形成されたスリット内に挿入され、コイルばねCSはハウジングHGに対して相対回転不能に固定されている。ハウジングHG内の円形断面の内部空間はシールド部材SEにより閉鎖され、蓋体CMと一体となった回転シャフトRSが、ハウジングHG、一方向クラッチOW及びシールド部材SEを貫通するように挿入されている。
一方向クラッチOWは、図19(b)に示すとおり、円筒状の主部MPと、主部MPの内周面に形成された複数の楔形凹所に配置された複数のローラーROとを有する。回転シャフトRSが矢印で示す方向に回転すると、回転シャフトRSと主部MPとの間にローラーROが噛み込まれ、一方向クラッチOWを介して回転シャフトRSと内輪IRとが一体的に回転する。これにより、コイルばねCSと内輪IRとの間の摩擦力に基づく抵抗トルクが回転シャフトRSに作用する。
トルクヒンジTHにおいては、蓋体CMが下降して閉じる方向に回転シャフトRSが回転する場合に、一方向クラッチOWを介して回転シャフトRSと内輪IRとが一体的に回転するようになっている。このため、蓋体CMが下降する方向には、内輪IRとコイルばねCSとの間の摩擦力に基づく抵抗トルクが発生し、蓋体CMから手を離したときでも、蓋体CMが自重により落下することがない。内輪IRとコイルばねCSとの間の摩擦力に基づく抵抗トルクは、一般に、蓋体CMの自重に基づく閉じ方向の回転トルクよりも僅かに大きい値に設定されるので、蓋体CMを閉じる際には、手動により蓋体CMに閉じ方向への回転トルクを僅かに加えると、内輪IRとコイルばねCSとの相対的な回転が許容され、蓋体CMが下降する。一方、蓋体CMを開く方向に回転シャフトRSが回転すると、一方向クラッチOWにより内輪IRに対して回転シャフトRSが空転する。したがって、蓋体CMの開き方向の操作に対しては、トルクヒンジTHの抵抗トルクは作用せず、開き操作に要する力が増大することはない。
また、回転許容装置には、上述のトルクヒンジだけでなく、下記特許文献2に記載されたトルクリミッタと呼ばれるものもあり、このトルクリミッタについて図20を参照して説明する。
トルクリミッタTLは、円筒状の内輪Nと、内輪Nの外周面に弾性的に装着されたコイルばねBと、内輪N及びコイルばねBが収容される円形断面の内部空間を有するハウジングGと、ハウジングGの軸方向一端部に嵌め込まれたシールド部材Sとを備える。コイルばねBの一端部はハウジングGの端面に固定され、コイルばねBの他端部はシールド部材Sに固定されており、コイルばねBはハウジングGに対して相対回転不能となっている。
そして、トルクリミッタTLにおいては、内輪NとコイルばねBとの間に所定値以上の回転トルクが加えられた場合には、内輪NとコイルばねBとの間の摩擦力に抗して内輪NとコイルばねBとが相対的に回転することになる。これによって、モータ又は被駆動機器の一方に連結される内輪Nと、モータ又は被駆動機器の他方に連結されるハウジングGとの間の回転伝達が遮断されるので、モータに過負荷が作用するのが防止される。
特開2001−208108号公報 特開2006−307934号公報
しかし、上記特許文献1に記載されたトルクヒンジや、上記特許文献2に記載されたトルクリミッタ等の回転許容装置においては、コイルばねが内輪の外周面に螺旋状に巻き付けられているため、内輪とコイルばねとの間の摩擦力に抗して内輪とコイルばねとが相対的に回転すると「ねじ」の回転と類似の現象が生じ、内輪又はコイルばねを軸方向に動かす軸方向分力が発生し、この軸方向分力によって動かされた内輪又はコイルばねがシールド部材に当接することになる。シールド部材は、組立性等を考慮し、弾性変形を利用してハウジングに固定される(いわゆるスナップフィット)ことが多いので、軸方向分力が作用すると、シールド部材がハウジングから離脱してしまうという問題がある。
また、トルクヒンジ等の回転許容装置では、コイルばねがハウジングに対しては相対回転不能に固定されており、コイルばねの端部のフック部はハウジング又はシールド部材に当接して保持される。コイルばねはばね鋼等の硬質材料で製造されるが、ハウジングやシールド部材は合成樹脂等の比較的軟質の材料で形成されることが多く、この場合には、コイルばねのフック部が当接するハウジングやシールド部材が損傷するおそれがある。
上記事実に鑑みてなされた本発明の課題は、ハウジングからのシールド部材の離脱を防止することができ、あるいはコイルばねのフック部とシールド部材等との当接部の損傷を防止することが可能な回転許容装置を提供することである。
上記課題を解決するために本発明が提供するのは以下の回転許容装置である。すなわち、「円形断面の内輪と、前記内輪の外周面に弾性的に装着されたコイルばねとを備え、前記内輪と前記コイルばねとの間に所定値以上の回転トルクが加えられた場合に前記内輪と前記コイルばねとの相対的な回転を許容する回転許容装置であって、前記内輪及び前記コイルばねが収容される円形断面の内部空間を有するハウジングと、前記ハウジングの軸方向一端部に嵌め込まれたシールド部材とを備え、前記コイルばねは前記ハウジングに対して相対回転不能に固定されており、さらに、前記内輪又は前記コイルばねと前記シールド部材との間には環状板が設置され、前記環状板の外周縁には周方向に間隔をおいて径方向外方に突出する複数の突出片が形成されていると共に、前記複数の突出片は前記ハウジングの内周面に周方向に間隔をおいて形成された複数の嵌合凹所に嵌合しており、前記環状板は、前記内輪の端部又は前記コイルばねの端部に当接し、前記内輪と前記コイルばねとが相対的に回転したときに生じる軸方向分力を受けることを特徴とする回転許容装置」である。ここで、「回転許容装置」とは、内輪とコイルばねとの間に所定値以上の回転トルクが加えられた場合に両者の相対的な回転を許容する装置であって、トルクヒンジ、トルクリミッタ、あるいはコイルばねを用いたスプリングクラッチを含むものとする。
好ましくは、前記コイルばねの一端部には軸方向に延びるフック部が形成され、前記環状板の周方向一部分は切り欠かれていて前記環状板の周方向一端部には軸方向に延びるフック受け部が形成されており、前記フック部が前記フック受け部に当接して前記コイルばねが前記ハウジングに対して相対回転不能に固定されている。
あるいは、前記コイルばねの一端部には軸方向に延びるフック部が形成され、前記環状板の前記複数の突出片のいずれかに前記フック部が当接して前記コイルばねが前記ハウジングに対して相対回転不能に固定されていてもよい。
また、前記複数の嵌合凹所のそれぞれは、前記ハウジングの軸方向一端部から軸方向に延出する第一の部分と、前記第一の部分の延出端から周方向片側に延びる第二の部分とを有し、前記シールド部材には周方向に間隔をおいて軸方向片側に延びる複数の嵌合片が形成されており、前記複数の嵌合片は前記複数の嵌合凹所の前記第一の部分に嵌合し、前記環状板の前記複数の突出片は前記複数の嵌合凹所の前記第二の部分に嵌合しているのが好適である。
前記内輪及び前記コイルばねが金属材料により形成され、前記ハウジング及び前記シールド部材が合成樹脂材料により形成されているのが好都合である。
本発明が提供する回転許容装置においては、内輪とコイルばねとが相対的に回転(コイルばねが緩む方向に回転)したときに生じる軸方向分力は、ハウジングの嵌合凹所に突出片が嵌合している環状板が内輪の端部又はコイルばねの端部に当接することによって受けることとなる。したがって、本発明の回転許容装置は、シールド部材に軸方向分力が作用することがないので、ハウジングからのシールド部材の離脱を防止することができる。
本発明の回転許容装置における、コイルばねのシールド部材への取付け部分の構造として、「コイルばねの一端部には軸方向に延びるフック部が形成され、環状板の周方向一部分は切り欠かれていて環状板の周方向一端部には軸方向に延びるフック受け部が形成されており、フック部がフック受け部に当接してコイルばねがハウジングに対して相対回転不能に固定されている」場合には、コイルばねと内輪とが相対的に回転する際にコイルばねが緩むことにより生じるフック部の反力は、環状板のフック受け部に作用する。フック部はシールド部材に直接当接することはないので、シールド部材が合成樹脂等の軟質材料から形成されていたとしても、コイルばねのフック部によりシールド部材が損傷することはない。
あるいは、本発明の回転許容装置における、コイルばねのシールド部材への取付け部分の構造として、「コイルばねの一端部には軸方向に延びるフック部が形成され、環状板の複数の突出片のいずれかにフック部が当接してコイルばねがハウジングに対して相対回転不能に固定されている」場合には、コイルばねと内輪とが相対的に回転する際にコイルばねが緩むことにより生じるフック部の反力は環状板に作用する。フック部はシールド部材に直接当接することはないので、シールド部材が合成樹脂等の軟質材料から形成されていたとしても、コイルばねのフック部によりシールド部材が損傷することはない。
また、本発明の回転許容装置における、ハウジング、環状板及びシールド部材の結合部分の構造として、「(ハウジングの)複数の嵌合凹所のそれぞれは、ハウジングの軸方向一端部から軸方向に延出する第一の部分と、第一の部分の延出端から周方向片側に延びる第二の部分とを有し、シールド部材には周方向に間隔をおいて軸方向片側に延びる複数の嵌合片が形成されており、複数の嵌合片は複数の嵌合凹所の第一の部分に嵌合し、環状板の複数の突出片は複数の嵌合凹所の第二の部分に嵌合している」場合には、環状板に周方向の荷重が作用してもシールド部材の嵌合片によって環状板の回転が阻止される。したがって、環状板が所要位置から移動することがなく、軸方向分力を環状板が確実に受けることになるので、ハウジングからのシールド部材の離脱を確実に防止することができる。
本発明に従って構成された回転許容装置の第一の実施形態の正面図及び断面図。 図1に示す回転許容装置の分解斜視図。 図1に示すハウジングの正面図及び断面図。 図1に示すシールド部材の斜視図。 図1に示すハウジングにシールド部材を装着する直前の段階における斜視図。 本発明に従って構成された回転許容装置の第二の実施形態の正面図及び断面図。 図6に示す回転許容装置の分解斜視図。 図6に示すハウジングの正面図及び断面図。 本発明に従って構成された回転許容装置の第三の実施形態の正面図及び断面図。 図9に示す回転許容装置の分解斜視図。 図9に示すハウジングの正面図及び断面図。 図9に示すシールド部材の斜視図。 図9に示す環状板の斜視図。 本発明に従って構成された回転許容装置の第四の実施形態の正面図及び断面図。 図14に示す回転許容装置の分解斜視図。 図14に示すシールド部材の斜視図。 図14に示すハウジングにシールド部材を装着する直前の段階における斜視図。 複写機の蓋を支持する従来のトルクヒンジを示す斜視図。 図18に示すトルクヒンジの内部構造図。 従来のトルクリミッタの断面図。
まず、本発明に従って構成された回転許容装置の第一の実施形態について図1ないし図5を参照しつつ説明する。
図1及び図2を参照して説明すると、回転許容装置としてのトルクヒンジ2は、円形断面の内輪4と、内輪4の外周面に弾性的に装着されたコイルばね6と、内輪4の内周面に固定された一対の一方向クラッチ8と、内輪4及びコイルばね6が収容される円形断面の内部空間を有するハウジング10と、ハウジング10の軸方向一端部に嵌め込まれたシールド部材12と、内輪4とシールド部材12との間に設置された環状板14とを備える。
内輪4は、鋼材等の適宜の金属材料から円筒状に形成されている。図2に示すとおり、内輪4の内周面には軸方向に延びる線状突起4aが周方向に間隔をおいて複数形成されている。
コイルばね6は、鋼材等の適宜の金属材料から形成されている。図2に示すとおり、コイルばね6の一端部には軸方向に延びるフック部6aが形成されている。内輪4に装着される前の自由状態におけるコイルばね6の内径は内輪4の外径よりも若干小さく、コイルばね6は圧入によって内輪4の外周面に弾性的に装着されている。
一方向クラッチ8は、内輪4の内周面に固定された円筒状の主部16と、主部16の内周面に周方向に間隔をおいて形成された複数の楔形凹所(図示していない。)に配置された複数の円柱状のローラー(図示していない。)とを有する。主部16の外周面には、軸方向に延びる嵌合溝16aが周方向に間隔をおいて複数形成されている。嵌合溝16aと内輪4の線状突起4aとが嵌合することにより、一方向クラッチ8は内輪4の内周面に相対回転不能に固定されている。
図示していないが、図1の断面図の右側から見て、楔型凹所の径方向寸法は反時計方向に向かって次第に狭くなっていると共に、各楔型凹所には反時計方向に向かってローラーを押し付けるばねが配置されている。そして、一方向クラッチ8に挿入された回転シャフト(図示していない。)が図1の断面図の右側から見て反時計方向に回転すると、回転シャフトと主部16との間にローラーが噛み込まれるため、回転シャフトに加えられた回転トルクが所定値以上の場合には、回転シャフトと一方向クラッチ8とが一体的に回転する。一方、図1の断面図の右側から見て時計方向に回転シャフトが回転すると、回転シャフトと主部16との間にローラーが噛み込まれないので、一方向クラッチ8に対して回転シャフトが空転する。なお、第一の実施形態のトルクヒンジ2は、一対の一方向クラッチ8を備えているが、一方向クラッチ8の個数は任意でよい。
図3を参照してハウジング10について説明する。ハウジング10は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の適宜の合成樹脂から形成されている。ハウジング10は、円形状の端面壁18と、端面壁18の周縁から軸方向片側に延びる円筒状の周面壁20とを含み、全体として有底円筒状に形成されている。ハウジング10においては、端面壁18の内面と周面壁20の内面とで円形断面の内部空間22が規定されている。
端面壁18の中心部分には、上記回転シャフトが通過する円形状の通過開口24が形成されている。周面壁20の内面には、周方向に等間隔をおいて複数(図示の実施形態では4個)の嵌合凹所26が形成されている。図3に示すとおり、各嵌合凹所26は、周面壁20の軸方向一端部(開放端)から軸方向に延出する第一の部分26aと、第一の部分26aの延出端から周方向片側に延びる第二の部分26bとを有する。また、周面壁20の開放端の内面には、シールド部材12を装着するための環状の装着溝28が形成されている。このように構成されたハウジング10は、トルクヒンジ2が設置される機器に回転不能に固定される。
図2及び図4を参照してシールド部材12について説明する。全体として円盤状のシールド部材12は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の適宜の合成樹脂から形成されている。シールド部材12の外周面には周方向に延びる環状突起30が設けられている。シールド部材12がハウジング10の開放端に押し込まれると、環状突起30がハウジング10の装着溝28に嵌合してシールド部材12がハウジング10に固定される。
シールド部材12の中心部分には、上記回転シャフトが通過する円形状の通過開口32が形成されている。図4に示すとおり、シールド部材12の内面には通過開口32の周縁から突出する円筒部34が形成され、この円筒部34の径方向外方には、コイルばね6のフック部6aを収容可能な矩形状の収容凹所36が周方向に等間隔をおいて複数(図示の実施形態では4個)形成されている。
また、シールド部材12の外周縁には、周方向に等間隔をおいて軸方向片側に延びる複数(図示の実施形態では4個)の嵌合片38が形成されている。各嵌合片38の周方向寸法は、ハウジング10の嵌合凹所26の第一の部分26aの周方向寸法に対応しており、シールド部材12がハウジング10に固定される際は、各嵌合凹所26の第一の部分26aに各嵌合片38が嵌合する。
図2及び図5を参照して環状板14について説明する。環状板14は、鋼材等の適宜の金属材料から形成されている。図2に示すとおり、環状板14の外周縁には、周方向に等間隔をおいて径方向外方に突出する複数(図示の実施形態では4個)の突出片40が形成されている。そして、環状板14をハウジング10に装着する際は、各突出片40を各嵌合凹所26の第一の部分26aを通過させた後、図5の紙面上方から見て時計方向に環状板14を回転させる。これによって、図5に示すとおり、各突出片40が各嵌合凹所26の第二の部分26bに嵌合して、環状板14がハウジング10に固定される。
図2に示すとおり、環状板14の周方向一部分は切り欠かれていて、環状板14の周方向一端部には軸方向に延びるフック受け部42が形成されている。そして、図5に示すとおり、環状板14がハウジング10に装着されると、環状板14のフック受け部42にコイルばね6のフック部6aが当接し、コイルばね6がハウジング10に対して相対回転不能に固定される。
第一の実施形態では図1に示すとおり、環状板14がハウジング10に固定された際には、環状板14と内輪4とが軸方向に見て重複しており、コイルばね6に対して内輪4が相対的に回転したときに内輪4に生じる軸方向分力を環状板14が受けるようになっている。
上述したとおりのトルクヒンジ2の作動について説明する。トルクヒンジ2においては、一方向クラッチ8に挿入された回転シャフトに図1の断面図の右側から見て反時計方向の回転トルクが作用すると、回転シャフトと主部16との間にローラーが噛み込まれるため、一方向クラッチ8を介して内輪4にも反時計方向の回転トルクが作用する。しかし、内輪4の外周面にはコイルばね6が弾性的に装着されていると共にコイルばね6がハウジング10に対して相対回転不能に固定されているので、反時計方向の回転トルクが所定値未満である場合には、内輪4とコイルばね6との間の摩擦力により、内輪4、一方向クラッチ8及び回転シャフトの回転は阻止される。
図1の断面図の右側から見て反時計方向の回転トルクが所定値以上になると、内輪4とコイルばね6との間の摩擦力に抗して、コイルばね6に対して内輪4が相対的に回転し、かつ、ハウジング10の端面壁18側にコイルばね6を軸方向に動かす軸方向分力が生じると共に、シールド部材12側に内輪4を軸方向に動かす軸方向分力が生じる。トルクヒンジ2においては、内輪4の端部と環状板14とが当接しているので、内輪4に生じる軸方向分力は、ハウジング10に固定された環状板14が受け、シールド部材12に軸方向分力が作用することはない。したがって、トルクヒンジ2においては、シールド部材12がスナップフィットにより固定されていても、ハウジング10からのシールド部材12の離脱を防止することができる。なお、内輪4に軸方向分力が生じる前は内輪4と環状板14とが当接しておらず、内輪4に軸方向分力が生じた際に内輪4と環状板14とが当接するようになっていてもよい。
また、トルクヒンジ2においては、シールド部材12の各嵌合片38がハウジング10の各嵌合凹所26の第一の部分26aに嵌合し、環状板14の各突出片40が各嵌合凹所26の第二の部分26bに嵌合しているので、環状板14に周方向の荷重が作用してもシールド部材12の嵌合片38によって環状板14の回転が阻止される。したがって、トルクヒンジ2においては、環状板14が所要位置から移動することがなく、内輪4の軸方向分力を環状板14が確実に受けることになるので、ハウジング10からのシールド部材12の離脱を確実に防止することができる。
さらに、トルクヒンジ2においては、内輪4とコイルばね6とが相対的に回転する際にコイルばね6が緩むことにより生じるフック部6aの反力は、金属製の環状板14のフック受け部42に作用する。このため、コイルばね6のフック部6aはシールド部材12に直接当接することはないので、シールド部材12が合成樹脂等の軟質材料から形成されていても、フック部6aによりシールド部材12が損傷することはない。
次に、本発明に従って構成された回転許容装置の第二の実施形態について図6ないし図8を参照しつつ説明する。なお、第二の実施形態の説明では、第一の実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付しその説明を省略する。
図6及び図7を参照して説明すると、回転許容装置としてのトルクヒンジ50は、円形断面の内輪4と、内輪4の外周面に弾性的に装着されたコイルばね6と、内輪4の内周面に固定された一対の一方向クラッチ8と、内輪4及びコイルばね6が収容される円形断面の内部空間を有するハウジング52と、ハウジング52の軸方向一端部に嵌め込まれたシールド部材54と、コイルばね6とシールド部材54との間に設置された環状板56と、ハウジング52に付設された補助プレート58とを備える。
第二の実施形態では、コイルばね6のフック部6aがシールド部材54側ではなく、ハウジング52の端面壁60側に配置されているが、それ以外のコイルばね6の構成は第一の実施形態と第二の実施形態とで共通である。
また、第二の実施形態では、内輪4に対して逆向きに一対の一方向クラッチ8が固定されている。すなわち、一方向クラッチ8に挿入された回転シャフトが図6の断面A−Aの右側から見て時計方向に回転すると、回転シャフトと主部16との間にローラーが噛み込まれ、回転シャフトと一方向クラッチ8とが一体的に回転する。一方、図6の断面A−Aの右側から見て反時計方向に回転シャフトが回転すると、回転シャフトと主部16との間にローラーが噛み込まれず、一方向クラッチ8に対して回転シャフトが空転するようになっている。
図8を参照してハウジング52について説明する。合成樹脂製のハウジング52は、円形状の端面壁60と、端面壁60の周縁から軸方向片側に延びる円筒状の周面壁62とを含み、全体として有底円筒状に形成されている。ハウジング52においては、端面壁60の内面と周面壁62の内面とで円形断面の内部空間64が規定されている。
端面壁60の中心部分には円形状の通過開口66が形成され、この通過開口66の径方向外方の端面壁60の内面には、コイルばね6のフック部6aを収容可能な矩形状の収容凹所68が周方向に等間隔をおいて複数形成されている。複数の収容凹所68のいずれか1個にコイルばね6のフック部6aが収容されることにより、コイルばね6がハウジング52に対して相対回転不能に固定される。また、フック部6aが収容される収容凹所68には、断面コ字状に屈曲された金属製の補助プレート58が付設される。補助プレート58が付設されることで、ハウジング52の端面壁60におけるフック部6aとの当接部分に応力が集中して、ハウジング52にクラックが発生するのを防止することができる。
周面壁62の内面には周方向に等間隔をおいて複数の嵌合凹所70が形成されている。各嵌合凹所70は、周面壁62の軸方向一端部(開放端)から軸方向に延出する第一の部分70aと、第一の部分70aの延出端から周方向片側に延びる第二の部分70bとを有する。また、周面壁62の開放端の内面には、周方向に間隔をおいて周方向に延びる複数の装着溝72が形成されている。このように構成されたハウジング52は、トルクヒンジ50が設置される機器に回転不能に固定される。
図7に示すとおり、全体として円盤状の合成樹脂製シールド部材54の中心部分には円形状の通過開口74が形成されている。シールド部材54の外周面には、周方向に間隔をおいて周方向に延びる複数の弧状突起76が設けられている。また、シールド部材54の外周縁には、周方向に等間隔をおいて軸方向片側に延びる複数の嵌合片78が形成されている。各嵌合片78の周方向寸法は、ハウジング52の嵌合凹所70の第一の部分70aの周方向寸法に対応している。
図7を参照して説明を続けると、金属製の環状板56の外周縁には、周方向に等間隔をおいて径方向外方に突出する複数の突出片80が形成されている。環状板56は、各突出片80が各嵌合凹所70の第二の部分70bに嵌合することによって、ハウジング52に固定されている。
図6の断面A−Aの右側から見て時計方向に所定値以上の回転トルクが回転シャフトに加えられると、内輪4とコイルばね6との間の摩擦力に抗して、コイルばね6に対して内輪4が相対的に回転し、かつ、ハウジング52の端面壁60側に内輪4を軸方向に動かす軸方向分力が生じると共に、シールド部材54側にコイルばね6を軸方向に動かす軸方向分力が生じる。第二の実施形態では図6に示すとおり、環状板56とコイルばね6とが軸方向に見て重複しており、コイルばね6に対して内輪4が相対的に回転したときにコイルばね6に生じる軸方向分力を、コイルばね6の端部に当接している環状板56が受けるので、シールド部材54には軸方向分力が作用することはない。したがって、トルクヒンジ50においては、シールド部材54がスナップフィットにより固定されていても、ハウジング52からのシールド部材54の離脱を防止することができる。なお、コイルばね6に軸方向分力が生じる前はコイルばね6と環状板56とが当接しておらず、コイルばね6に軸方向分力が生じた際にコイルばね6と環状板56とが当接するようになっていてもよい。
次に、本発明に従って構成された回転許容装置の第三の実施形態について図9ないし図13を参照しつつ説明する。
図9及び図10を参照して説明すると、回転許容装置としてのトルクリミッタ82は、円形断面の内輪84と、内輪84の外周面に弾性的に装着されたコイルばね86と、内輪84及びコイルばね86が収容される円形断面の内部空間を有するハウジング88と、ハウジング88の軸方向一端部に嵌め込まれたシールド部材90と、内輪84とシールド部材90との間であって、かつコイルばね86とシールド部材90との間に設置された環状板92と、ハウジング88に付設された補助プレート94とを備える。
図10に示すとおり、全体として円筒状である金属製の内輪84は、外径が比較的大きい大径部84aと、大径部84aよりも外径が小さい小径部84bとを有し、大径部84aと小径部84bとの間には環状端面84cが形成されている。図9の断面A−Aに示すとおり、内輪84の内径は一定である。
図10に示すとおり、金属製のコイルばね86の一端部には軸方向片側に延びる第一のフック部86aが形成され、コイルばね86の他端部には軸方向他側に延びる第二のフック部86bが形成されている。また、内輪84に装着される前の自由状態におけるコイルばね86の内径は、内輪84の大径部84aの外径よりも若干小さく、コイルばね86は圧入によって内輪84の大径部84aの外周面に弾性的に装着されている。
図11を参照してハウジング88について説明する。合成樹脂製のハウジング88は、円形状の端面壁96と、端面壁96の周縁から軸方向片側に延びる円筒状の周面壁98とを含み、全体として有底円筒状に形成されている。ハウジング88においては、端面壁96の内面と周面壁98の内面とで円形断面の内部空間100が規定されている。
端面壁96の中心部分には円形状の通過開口102が形成され、この通過開口102の径方向外方の端面壁96の内面には、コイルばね86の第一のフック部86aを収容可能な矩形状の収容凹所104が周方向に等間隔をおいて複数形成されている。複数の収容凹所104の少なくとも1個には、断面コ字状に屈曲された金属製の補助プレート94が付設される。
周面壁98の内面には周方向に等間隔をおいて複数の嵌合凹所106が形成されている。各嵌合凹所106は、周面壁98の軸方向一端部(開放端)から軸方向に延出する第一の部分106aと、第一の部分106aの延出端から周方向片側に延びる第二の部分106bとを有する。また、周面壁98の開放端の内面には環状の装着溝108が形成されている。このように構成されたハウジング88はモータ等の駆動源又は被駆動機器のいずれか一方に連結され、駆動源又は被駆動機器のいずれか他方は内輪84に連結される。
図10及び図12を参照してシールド部材90について説明する。全体として円盤状の合成樹脂製シールド部材90の外周面には、周方向に延びる環状突起110が設けられている。シールド部材90の中心部分には、内輪84の小径部84bが通過する円形状の通過開口112が形成されている。図12に示すとおり、シールド部材90の内面には、コイルばね86の第二のフック部86bを収容可能な矩形状の収容凹所114が周方向に等間隔をおいて複数形成されている。また、シールド部材90の外周縁には、周方向に等間隔をおいて軸方向片側に延びる複数の嵌合片116が形成されている。各嵌合片116の周方向寸法は、ハウジング88の嵌合凹所106の第一の部分106aの周方向寸法に対応している。
図10及び図13を参照して環状板92について説明する。金属製の環状板92の外周縁には、周方向に等間隔をおいて径方向外方に突出する複数の突出片118が形成されている。環状板92は、各突出片118が各嵌合凹所106の第二の部分106bに嵌合することによって、ハウジング88に固定されている。また、環状板92の外周縁の突出片118間には、軸方向片側に延びる複数の当接片120a、120b、120cが形成されている。図10及び図13を参照することによって理解されるとおり、各当接片120a、120b、120cの軸方向寸法はコイルばね86の巻き方向に対応しており、当接片120aの軸方向寸法よりも当接片120bの軸方向寸法の方が大きく、当接片120bの軸方向寸法よりも当接片120cの軸方向寸法の方が大きくなっている。
図13に示すとおり、環状板92の周方向一部分は切り欠かれていて、環状板92の周方向一端部には軸方向に延びるフック受け部122が形成されている。そして、図9の断面C−Cに示すとおり、環状板92がハウジング88に装着されると、環状板92のフック受け部122にコイルばね86の第二のフック部86bが当接し、コイルばね86がハウジング88に対して相対回転不能に固定される。
図9の断面A−Aの右側から見て時計方向又は反時計方向に所定値以上の回転トルクが内輪84に加えられると、内輪84とコイルばね86との間の摩擦力に抗して、コイルばね86に対して内輪84が相対的に回転すると共に、コイルばね86又は内輪84をシールド部材90側に動かす軸方向分力が生じる。第三の実施形態では図9に示すとおり、内輪84の環状端面84cと環状板92とが軸方向に見て重複していると共に、コイルばね86と環状板92の当接片120a、120b、120cとが軸方向に見て重複している。
このため、シールド部材90側に動かす軸方向分力が内輪84に生じた場合には、内輪84の環状端面84cと環状板92とが当接することによって、内輪84に生じた軸方向分力を環状板92が受ける。また、シールド部材90側に動かす軸方向分力がコイルばね86に生じた場合には、コイルばね86の端面と環状板92の当接片120a、120b、120cとが当接することによって、コイルばね86に生じた軸方向分力を環状板92が受けることになる。したがって、トルクリミッタ82においては、シールド部材90に軸方向分力が作用することはなく、シールド部材90がスナップフィットにより固定されていても、ハウジング88からのシールド部材90の離脱を防止することができる。
なお、第三の実施形態のトルクリミッタ82においては、コイルばね86に対する内輪84の双方向の回転(正転及び逆転)を可能にするため、コイルばね86は、ハウジング88に対して僅かに回転することが許容されているが、ハウジング88に対して実質上相対回転不能に固定されている。すなわち、コイルばね86の第一のフック部86aは、ハウジング88の収容凹所104に収容され、コイルばね86の第二のフック部86bは、シールド部材90の収容凹所114に収容されると共に環状板92のフック受け部122に当接することにより、コイルばね86はハウジング88に対して実質上相対回転不能に固定されている。
次に、本発明に従って構成された回転許容装置の第四の実施形態について図14ないし図17を参照しつつ説明する。なお、第四の実施形態の説明では、第一の実施形態と同一の構成要素に同一の符号を付しその説明を省略する。
図14及び図15を参照して説明すると、回転許容装置としてのトルクヒンジ124は、円形断面の内輪4と、内輪4の外周面に弾性的に装着されたコイルばね6と、内輪4の内周面に固定された一対の一方向クラッチ8と、内輪4及びコイルばね6が収容される円形断面の内部空間を有するハウジング10と、ハウジング10の軸方向一端部に嵌め込まれたシールド部材126と、内輪4とシールド部材126との間に設置された環状板128とを備える。
第四の実施形態では、内輪4、コイルばね6、一方向クラッチ8及びハウジング10の構成は第一の実施形態と同一であり、コイルばね6のフック6aがシールド部材126側に配置されていることも同一である。また、第四の実施形態では、内輪4に対する一方向クラッチ8の向きも第一の実施形態と同一である。すなわち、一方向クラッチ8に挿入された回転シャフトが図14の断面図の右側から見て反時計方向に回転すると、回転シャフトと主部16との間にローラーが噛み込まれ、回転シャフトに加えられた回転トルクが所定値以上の場合には、回転シャフトと一方向クラッチ8とが一体的に回転する。一方、図14の断面図の右側から見て時計方向に回転シャフトが回転すると、回転シャフトと主部16との間にローラーが噛み込まれず、一方向クラッチ8に対して回転シャフトが空転するようになっている。
図15及び図16を参照してシールド部材126について説明する。全体として円盤状の合成樹脂製シールド部材126の外周面には、周方向に延びる環状突起130が設けられている。また、シールド部材126の中心部分には円形状の通過開口132が形成されている。図16に示すとおり、シールド部材126の内面には、コイルばね6のフック部6aを収容可能な矩形状の収容凹所134が周方向に等間隔をおいて複数形成されている。また、シールド部材126の外周縁には、周方向に等間隔をおいて軸方向片側に延びる複数の嵌合片136が形成されている。各嵌合片136の周方向寸法は、ハウジング10の嵌合凹所26の第一の部分26aの周方向寸法に対応している。
図15を参照して環状板128について説明する。金属製の環状板128の外周縁には、周方向に等間隔をおいて径方向外方に突出する複数の突出片138が形成されている。各突出片138は、大径部138aと、大径部138aよりも外径が小さい小径部138bとを有する。大径部138aの外径はハウジング10の嵌合凹所26の内径に対応しており、小径部138bの外径はハウジング10の内周面のうち嵌合凹所26以外の部分に対応している。また、環状板128の内径は、一方向クラッチ8の内径およびシールド部材126の通過開口132の直径に対応している。
環状板128をハウジング10に装着する際は、各突出片138の大径部138aを各嵌合凹所26の第一の部分26aを通過させた後、図17の紙面上方から見て時計方向に環状板128を回転させる。これによって、図17に示すとおり、各突出片138の大径部138aが各嵌合凹所26の第二の部分26bに嵌合して、環状板138がハウジング10に固定される。また、図17に示すとおり、環状板128がハウジング10に装着されると、環状板1128の小径部138bの端部にコイルばね6のフック部6aが当接し、コイルばね6がハウジング10に対して相対回転不能に固定される。
第四の実施形態では図14に示すとおり、環状板128がハウジング10に固定された際には、環状板128と内輪4とが軸方向に見て重複しており、コイルばね6に対して内輪4が相対的に回転したときに内輪4に生じる軸方向分力を環状板128が受けるようになっている。
図14の断面図の右側から見て反時計方向に所定値以上の回転トルクが回転シャフトに加えられると、内輪4とコイルばね6との間の摩擦力に抗して、コイルばね6に対して内輪4が相対的に回転し、かつ、ハウジング10の端面壁18側にコイルばね6を軸方向に動かす軸方向分力が生じると共に、シールド部材126側に内輪4を軸方向に動かす軸方向分力が生じる。トルクヒンジ124においては、内輪4の端部と環状板128とが当接しているので、内輪4に生じる軸方向分力は、ハウジング10に固定された環状板128が受け、シールド部材126に軸方向分力が作用することはない。したがって、トルクヒンジ124においては、シールド部材126がスナップフィットにより固定されていても、ハウジング10からのシールド部材126の離脱を防止することができる。なお、内輪4に軸方向分力が生じる前は内輪4と環状板128とが当接しておらず、内輪4に軸方向分力が生じた際に内輪4と環状板128とが当接するようになっていてもよい。
また、トルクヒンジ124においては、内輪4とコイルばね6とが相対的に回転する際にコイルばね6が緩むことにより生じるフック部6aの反力は、金属製の環状板128の突出片138に作用する。このため、コイルばね6のフック部6aはシールド部材126に直接当接することはないので、シールド部材126が合成樹脂等の軟質材料から形成されていても、フック部6aによりシールド部材126が損傷することはない。また、図示の実施形態の各突出片138は、大径部138aと小径部138bとを有しており、周方向において40〜60°程度に亘って設けられているのでコイルばね6の反力が作用しても環状板128が損傷することがない。
2:トルクヒンジ(第一の実施形態)
4:内輪
6:コイルばね
6a:フック部
10:ハウジング
12:シールド部材
14:環状板
22:ハウジングの内部空間
26:嵌合凹所(ハウジング)
26a:第一の部分
26b:第二の部分
38:嵌合片(シールド部材)
40:突出片(環状板)
42:フック受け部
50:トルクヒンジ(第二の実施形態)
52:ハウジング
54:シールド部材
56:環状板
64:ハウジングの内部空間
70:嵌合凹所(ハウジング)
70a:第一の部分
70b:第二の部分
78:嵌合片(シールド部材)
80:突出片(環状板)
82:トルクリミッタ(第三の実施形態)
84:内輪
86:コイルばね
86a:第一のフック部
86b:第二のフック部
88:ハウジング
90:シールド部材
92:環状板
100:ハウジングの内部空間
106:嵌合凹所(ハウジング)
106a:第一の部分
106b:第二の部分
116:嵌合片(シールド部材)
118:突出片(環状板)
122:フック受け部
124:トルクヒンジ(第四の実施形態)
126:シールド部材
128:環状板
136:嵌合片(シールド部材)
138:突出片(環状板)
138a:大径部
138b:小径部

Claims (5)

  1. 円形断面の内輪と、前記内輪の外周面に弾性的に装着されたコイルばねとを備え、前記内輪と前記コイルばねとの間に所定値以上の回転トルクが加えられた場合に前記内輪と前記コイルばねとの相対的な回転を許容する回転許容装置であって、
    前記内輪及び前記コイルばねが収容される円形断面の内部空間を有するハウジングと、前記ハウジングの軸方向一端部に嵌め込まれたシールド部材とを備え、前記コイルばねは前記ハウジングに対して相対回転不能に固定されており、さらに、
    前記内輪又は前記コイルばねと前記シールド部材との間には環状板が設置され、
    前記環状板の外周縁には周方向に間隔をおいて径方向外方に突出する複数の突出片が形成されていると共に、前記複数の突出片は前記ハウジングの内周面に周方向に間隔をおいて形成された複数の嵌合凹所に嵌合しており、
    前記環状板は、前記内輪の端部又は前記コイルばねの端部に当接し、前記内輪と前記コイルばねとが相対的に回転したときに生じる軸方向分力を受けることを特徴とする回転許容装置。
  2. 前記コイルばねの一端部には軸方向に延びるフック部が形成され、
    前記環状板の周方向一部分は切り欠かれていて前記環状板の周方向一端部には軸方向に延びるフック受け部が形成されており、
    前記フック部が前記フック受け部に当接して前記コイルばねが前記ハウジングに対して相対回転不能に固定されている、請求項1記載の回転許容装置。
  3. 前記コイルばねの一端部には軸方向に延びるフック部が形成され、
    前記環状板の前記複数の突出片のいずれかに前記フック部が当接して前記コイルばねが前記ハウジングに対して相対回転不能に固定されている、請求項1記載の回転許容装置。
  4. 前記複数の嵌合凹所のそれぞれは、前記ハウジングの軸方向一端部から軸方向に延出する第一の部分と、前記第一の部分の延出端から周方向片側に延びる第二の部分とを有し、
    前記シールド部材には周方向に間隔をおいて軸方向片側に延びる複数の嵌合片が形成されており、前記複数の嵌合片は前記複数の嵌合凹所の前記第一の部分に嵌合し、前記環状板の前記複数の突出片は前記複数の嵌合凹所の前記第二の部分に嵌合している、請求項1から3までのいずれかに記載の回転許容装置。
  5. 前記内輪及び前記コイルばねが金属材料により形成され、前記ハウジング及び前記シールド部材が合成樹脂材料により形成されている、請求項1から4までのいずれかに記載の回転許容装置。
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