JP6688235B2 - コイルばねを利用したロックタイプ双方向クラッチ - Google Patents
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Description
一方、出力軸Oが回転しようとした際には、その回転方向に応じ、出力係止片OEがコイルばねSの2個のフック部Fのいずれか(回転方向の前方にあるフック部F)に当接してこれを押す。この際には、押す力はばねの締め方向(コイルばねSと内輪Nとの間の摩擦力が増大する方向)に作用し、また、コイルばねSが装着された内輪NはハウジングHに固定されているため、出力係止片OEが回転することはない。即ち、出力軸Oの回転は入力軸Iに伝達されず遮断される。
コイルばねを内輪に巻き付けたクラッチ装置においては、入力軸側から回転した際に、コイルばねが内輪の外周面を摺動するが、このときに、コイルばねに所謂ビビリ振動が生じることがある。このビビリ振動は一種の自励振動であって、コイルばねの内周面と内輪の外周面との間で生じる、比較的大きい静摩擦力と比較的小さい動摩擦力との差によって生じるものと考えられている。入力軸から出力軸への回転動力の伝達中に、上記のビビリ振動が発生すると、異音が生じたり、コイルばねに振動による繰り返し荷重がかかり破損につながる虞がある。
本発明の課題は、コイルばねを利用したロックタイプ双方向クラッチにおいて生じる上述のような問題点を解決することにある。
「共通の回転軸を中心として回転可能な入力軸及び出力軸を備え、前記入力軸からの正・逆方向の回転は前記出力軸に伝達されると共に、前記出力軸からの前記入力軸への回転の伝達は、前記出力軸を回転不能として遮断されるロックタイプ双方向クラッチであって、
断面円形の内部空間が設けられた固定のハウジングと、前記ハウジングに固定された軸状の内輪と、前記内輪に軸方向に並列して装着された複数個のコイルばねとを備え、
前記複数個のコイルばねの夫々は、線材を巻回して形成され、夫々の軸方向の両端には外方に曲げられたフック部が周方向の異なる位置に形成され、夫々の内周面は前記内輪の外周面と接触し、
前記入力軸及び出力軸には、軸方向に延びる断面円弧状の入力係止片及び出力係止片が夫々形成され、前記入力係止片及び出力係止片は、周方向に2個の間隙が存在するよう、組み合わされて設置され、
前記2個の間隙の夫々には、前記複数個のコイルばねの夫々の両端のフック部が挿入され、
前記出力係止片の周方向両端の断面は円弧状に形成されると共に、前記出力係止片と当接する前記複数個のコイルばねのフック部は対応する円弧状に形成されており、
前記入力軸が回転したときは、前記入力係止片が前記複数個のコイルばねの夫々のフック部をばねの緩み方向に押して、前記複数個のコイルばねの夫々のフック部が前記入力係止片及び前記出力係止片によって挟持された状態で、前記複数個のコイルばねと共に前記出力軸を回転させ、前記出力軸に回転力を加えたときは、前記出力係止片が前記複数個のコイルばねの夫々のフック部をばねの締め方向に押して、前記出力軸が回転不能となる」
ことを特徴とするロックタイプ双方向クラッチとなっている。
前記入力軸が前記入力係止片を固着した入力板部材を有すると共に、前記出力軸が前記出力係止片を固着した出力板部材を有し、前記入力板部材と前記出力板部材とが面接触するのが好ましい。この際には、前記入力板部材の中央には嵌合部が形成されていると共に、前記出力板部材の中央には被嵌合部が形成されているのがよい。
こうした点は図8のクラッチ装置と同様であるが、本発明のロックタイプ双方向クラッチでは、内輪に複数個のコイルばねが軸方向に並列に装着される点で図8のクラッチ装置とは相違する。つまり、本発明では、複数のコイルばねが独立して内輪上を摺動すると同時に、入力係止片及び出力係止片は、複数のコイルばねの端部と当接することとなる。
ここで、本発明におけるロックタイプ双方向クラッチにおいては、複数個のコイルばねが並列に内輪に装着されている。そのため、個々のコイルばねは個別にビビリ振動が生じうるものの、これらは相互に相殺し合い、複数個のコイルばね全体としては内輪との間におけるビビリ振動の発生は回避される。これは、複数個のコイルばねの夫々は、微視的にみれば内輪との間では摩擦の状態が異なり、ビビリ振動の位相等がずれて相互に相殺し合うものと考えられる。
この場合に、本発明のロックタイプ双方向クラッチでは、出力係止片がフック部を押す力は複数個のコイルばねのフック部に分散される。そのため、個々のフック部に作用する力は大幅に減少し、出力軸に大きなトルクが作用したとしても、コイルばねのフック部の破損を防止することができる。
入力係止片22の断面形状は、周方向に略90度の角度範囲に渡って延在する扇形であり、その周方向両端は周方向に対して直角である。入力係止片22は、その軸方向基端部が入力板部材21に固着されている。
出力係止片34の断面形状は、周方向に略150度の角度範囲に渡って延在する扇形であり、その周方向両端の断面は共に円弧状(図示の実施例においては、周方向外側に向かって突出する円弧状)に形成されている。出力係止片34は、その軸方向基端部が出力板部材33の外周面に固着されている。
出力軸部32は、図5(b)に示すとおり、全体として断面円形の中実棒状部材であって、その軸線方向両端部には、直径方向に対向する一対の平面状の切欠き38及び39が設けられている。出力軸本体部31と出力軸部32とは、切欠き38を出力貫通開口37に圧入し、肩部38aを凹部35に突き当てるようにして組み合わされ、出力軸3を構成する。切欠き39が設けられた軸方向他端部は図示しない昇降装置等に接続される。
まず、複数個のコイルばね5を、夫々の内周面が内輪4の外周面と接触するように、内輪4に軸方向に並列して装着し、複数個のコイルばね5の夫々のフック部51を、周方向に整合した位置におく(図1のA−A断面図を参照)。そして、複数個のコイルばね5が装着された内輪4を、切欠き41をハウジング1の係合突起15に係合させて、ハウジング1に固定する。
図2(a)の左側の縦断面図の矢印に示すように、入力軸2が、例えば、駆動源のモーターにより回転軸oの周りを時計方向(軸方向の右方から見て)に回転すると、入力軸2に形成された入力係止片22も回転軸oの周りを同方向に回転する。回転軸o周りに回転した入力係止片22は、複数個のコイルばね5の夫々の軸方向の一方の端部、即ち回転方向前方にあるコイルばね5のフック部51(図の上側に示されるフック部51)に当接し、フック部51をばねの緩み方向に押して内輪4に対する複数個のコイルばね5の夫々の締付力を弱める。さらに、入力係止片22は、夫々のフック部51を介して出力係止片34を押し、これにより複数個のコイルばね5の夫々のフック部51が入力係止片22及び出力係止片34によって挟持された状態で、夫々のコイルばね5の内輪4に対する締付力を弱めながら出力係止片34をコイルばね5と共に回転させる。
また、本実施例においては、内輪4の軸方向端部が出力軸3の出力板部材33に設けられた凹部35に、出力板部材33の被嵌合部36が入力軸2の入力板部材21に設けられた嵌合部24に、夫々嵌合している。そのため、入力軸2及び出力軸3が、ラジアル方向及びスラスト方向に軸受されることとなり、回転の伝達中における入力軸2及び出力軸3の芯ぶれや振動が防止される。
また、本発明のロックタイプ双方向クラッチでは、出力係止片34の周方向両端の断面が円弧状に形成されると共に、出力係止片34と当接する複数個のコイルばね5のフック部51が対応する円弧状に形成されている。そのため、出力係止片34がフック部51を押した際には、これに係る力は円弧状に形成されたフック部51の内周面全体に分散され、上記の力がフック部51の特定部位に局部的に集中することが回避され、フック部51が耐えうる荷重の上限値を大きくすることができる。換言すると、出力軸3に大きなトルクが作用した場合であっても、フック部51は破断することなく、出力軸3はロック状態を維持し、出力軸3からの入力軸2への回転の伝達を遮断することが可能となる。
2 入力軸
22 入力係止片
3 出力軸
34 出力係止片
4 内輪
5 コイルばね
51 フック部
6 間隙
Claims (4)
- 共通の回転軸を中心として回転可能な入力軸及び出力軸を備え、前記入力軸からの正・逆方向の回転は前記出力軸に伝達されると共に、前記出力軸からの前記入力軸への回転の伝達は、前記出力軸を回転不能として遮断されるロックタイプ双方向クラッチであって、
断面円形の内部空間が設けられた固定のハウジングと、前記ハウジングに固定された軸状の内輪と、前記内輪に軸方向に並列して装着された複数個のコイルばねとを備え、
前記複数個のコイルばねの夫々は、線材を巻回して形成され、夫々の軸方向の両端には外方に曲げられたフック部が周方向の異なる位置に形成され、夫々の内周面は前記内輪の外周面と接触し、
前記入力軸及び出力軸には、軸方向に延びる断面円弧状の入力係止片及び出力係止片が夫々形成され、前記入力係止片及び出力係止片は、周方向に2個の間隙が存在するよう、組み合わされて設置され、
前記2個の間隙の夫々には、前記複数個のコイルばねの夫々の両端のフック部が挿入され、
前記出力係止片の周方向両端の断面は円弧状に形成されると共に、前記出力係止片と当接する前記複数個のコイルばねのフック部は対応する円弧状に形成されており、
前記入力軸が回転したときは、前記入力係止片が前記複数個のコイルばねの夫々のフック部をばねの緩み方向に押して、前記複数個のコイルばねの夫々のフック部が前記入力係止片及び前記出力係止片によって挟持された状態で、前記複数個のコイルばねと共に前記出力軸を回転させ、前記出力軸に回転力を加えたときは、前記出力係止片が前記複数個のコイルばねの夫々のフック部をばねの締め方向に押して、前記出力軸が回転不能となる、ことを特徴とするロックタイプ双方向クラッチ。 - 前記複数個のコイルばねは何れも同一のものである、請求項1に記載のロックタイプ双方向クラッチ。
- 前記入力軸が前記入力係止片を固着した入力板部材を有すると共に、前記出力軸が前記出力係止片を固着した出力板部材を有し、前記入力板部材と前記出力板部材とが面接触する、請求項1又は2に記載のロックタイプ双方向クラッチ。
- 前記入力板部材の中央には嵌合部が形成されていると共に、前記出力板部材の中央には被嵌合部が形成されている、請求項3に記載のロックタイプ双方向クラッチ。
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