JP2012214776A - 透明基板用エポキシ組成物、プリプレグ、及び透明基板 - Google Patents

透明基板用エポキシ組成物、プリプレグ、及び透明基板 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性及び透明性が高く、熱膨張係数の低い透明基板を得ることができる透明基板用エポキシ組成物を提供することを目的とする。また、前記透明基板用エポキシ組成物を含有するプリプレグ、及び前記プリプレグを用いて製造された透明基板を提供することを目的とする。
【解決手段】分子内に水酸基を1個有する水酸基含有エポキシ化合物と、分子内に水酸基を有さない水酸基不含有エポキシ化合物と、硬化開始剤と、ナノサイズのシリカを有機溶剤に分散させたシリカゾルとを含有し、前記水酸基含有エポキシ化合物と前記水酸基不含有エポキシ化合物との含有比率は、質量比で、5:95〜70:30であることを特徴とする透明基板用エポキシ組成物を用いる。また、前記透明基板用エポキシ組成物をガラスクロスに含浸させて得られたプリプレグを用いる。また、透明基板は、前記プリプレグを用いて製造される。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明基板用エポキシ組成物、前記透明基板用エポキシ組成物を含有するプリプレグ、及び前記プリプレグを用いて製造された透明基板に関する。
TFT液晶表示装置等の液晶表示装置に用いられる基板や、カラーフィルタ用の基板等として用いられているガラス基板の代わりに、割れにくく、屈曲等の成形や軽量化が可能なプラスチック基板を用いることが検討されている。このようなガラス基板の代わりに用いられるプラスチック基板としては、例えば、ガラス繊維基材に樹脂組成物を含浸させ、その含浸させた樹脂組成物を硬化させることによって得られる透明基板を用いることが検討されている。
このような透明基板は、液晶表示装置やカラーフィルタ等の製品の製造時に高温にさらされることがあるので、高温等の過酷な環境下であっても寸法が維持されること等の寸法安定性が高いことが求められている。このような寸法安定性を高めるためには、熱膨張係数(CTE)が低く、耐熱性が高いことが必要になってくる。
熱膨張係数を低下させるためには、透明基板を構成する樹脂組成物に無機充填材を添加することが考えられる。そして、その無機充填材としては、得られた基板の透明性を確保するために、微細なものを用いることが考えられる。
微細な無機充填材を含有したものとしては、例えば、特許文献1に記載のものが挙げられる。特許文献1には、熱硬化性樹脂もしくは紫外線硬化性樹脂、粉体状の無機充填剤、繊維状の無機充填剤を必須成分としたプラスチック複合透明シートであって、プラスチック複合透明シートの全重量100重量%に対し、粉体状と繊維状の無機充填剤の合計量が50〜95質量%を占め、なおかつ粉体状と繊維状の無機充填剤の重量比率が2/98〜95/5であり、さらに粉体状の無機充填剤の平均粒子径が1〜100nmであるプラスチック複合透明シートが挙げられる。
特開2005−68241号公報
特許文献1によれば、高い表面平滑性を有し、低線膨張係数で透明性に優れたプラスチック複合透明シートが得られることが開示されている。
しかしながら、耐熱性が不充分である場合があった。また、耐熱性を高めるために、シートに含有される樹脂組成物中の無機充填材の含有量を増やすことが考えられる。そうすると、得られたシートの透明性が低下する場合があった。また、無機充填材の含有量を増やすと、シートを製造する際に用いる、ワニス状にした樹脂組成物の流動性が低下し、好適な形状のシートが得られない場合があった。
このことは、本発明者等は、以下のことによると推察した。
まず、無機充填材と樹脂成分との親和性が低いことによると考えた。このことにより、無機充填材が凝集しやすく、透明性が低下すると考えた。さらに、ワニス状にした樹脂組成物に、チクソ性が発現し、流動性が低下すると考えた。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、耐熱性及び透明性が高く、熱膨張係数の低い透明基板を得ることができる透明基板用エポキシ組成物を提供することを目的とする。また、前記透明基板用エポキシ組成物を含有するプリプレグ、及び前記プリプレグを用いて製造された透明基板を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る透明基板用エポキシ組成物は、分子内に水酸基を1個有する水酸基含有エポキシ化合物と、分子内に水酸基を有さない水酸基不含有エポキシ化合物と、硬化開始剤と、ナノサイズのシリカを有機溶剤に分散させたシリカゾルとを含有する。そして、前記水酸基含有エポキシ化合物と前記水酸基不含有エポキシ化合物との含有比率は、質量比で、5:95〜70:30であることを特徴とするものである。
前記水酸基含有エポキシ化合物と前記水酸基不含有エポキシ化合物との含有比率は、好ましくは、質量比で、40:60〜70:30である。
また、前記透明基板用エポキシ組成物において、前記シリカの平均粒子径が、50nm以下であり、前記シリカの含有量は、前記水酸基含有エポキシ化合物、前記水酸基不含有エポキシ化合物、及び前記シリカゾルの固形分の合計100質量部に対して、10〜90質量部であることが好ましい。より好ましくは、30〜60質量部である。
また、前記透明基板用エポキシ組成物において、前記水酸基含有エポキシ化合物及び前記水酸基不含有エポキシ化合物が、いずれも固体状であることが好ましい。
また、本発明の他の一態様に係るプリプレグは、前記透明基板用エポキシ組成物をガラスクロスに含浸させて得られたプリプレグである。
また、本発明の他の一態様に係る透明基板は、前記プリプレグを用いて製造された透明基板である。
本発明によれば、耐熱性及び透明性が高く、熱膨張係数の低い透明基板を得ることができる透明基板用エポキシ組成物を提供することができる。また、前記透明基板用エポキシ組成物を含有するプリプレグ、及び前記プリプレグを用いて製造された透明基板が提供される。
実施例1,2及び比較例1に係る樹脂板の動的粘弾性測定の結果を示すグラフである。 実施例1及び比較例1に係る樹脂板の熱機械分析測定の結果を示すグラフである。 実施例1に係る樹脂板の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。 実施例1及び比較例2に係る透明基板の動的粘弾性測定の結果を示すグラフである。 実施例1に係る透明基板の熱機械分析測定の結果を示すグラフである。
以下に、本発明に係る実施形態を具体的に説明する。
本発明の実施形態に係る透明基板用エポキシ組成物は、分子内に水酸基を1個有する水酸基含有エポキシ化合物と、分子内に水酸基を有さない水酸基不含有エポキシ化合物と、硬化開始剤と、ナノサイズのシリカを有機溶剤に分散させたシリカゾルとを含有する。
このような透明基板用エポキシ組成物は、それを用いて透明基板を製造すれば、耐熱性及び透明性が高く、熱膨張係数の低い透明基板を得ることができる。
このことは、以下のことによると考えられる。なお、以下のメカニズムは、本発明者等の推定によるものであり、本発明は、以下のメカニズムに限定されるものではない。
まず、透明基板を構成する成分として、分子内に水酸基を1個有する水酸基含有エポキシ化合物を用いることによって、その水酸基が、シリカゾルに含まれるシリカのシラノール基と相互作用すると考えられる。
また、透明基板用エポキシ組成物に含有されるシリカゾルが、ナノサイズのシリカを有機溶剤に分散させたものであるので、水酸基含有エポキシ化合物とシリカゾルとの親和性が高くなると考えられる。
これらのことから、得られた樹脂組成物中のシリカの分散性が高いものとなり、シリカの凝集等を抑制できると考えられる。すなわち、硬化開始剤で硬化可能なエポキシ化合物中にナノサイズのシリカが均一に分散されたエポキシ組成物が得られると考えられる。
そして、このエポキシ組成物を、Bステージ化させる温度、例えば、150℃まで加熱させると、水酸基含有エポキシ化合物の水酸基とシリカのシラノール基との相互作用がより強くなると考えられる。そして、水酸基含有エポキシ化合物の水酸基とシリカのシラノール基との相互作用を強固なものとした後に、エポキシ組成物が硬化する温度、例えば、170℃以上まで加熱させると、その相互作用を維持しつつ、エポキシ組成物が硬化すると考えられる。
これらのことから、エポキシ化合物中にナノサイズのシリカが均一に分散した状態で、水酸基含有エポキシ化合物の水酸基とシリカのシラノール基との相互作用が強固に維持された硬化物が得られると考えられる。すなわち、得られた硬化物は、エポキシ化合物の硬化物を構成するエポキシ樹脂の骨格が、硬いシリカで拘束された構造が形成されていると考えられる。このことから、得られた硬化物は、有機成分であるエポキシ化合物の硬化物と、無機成分であるシリカとが分子レベルで均一に混ざり合った構造が形成され、いわゆる、有機無機のハイブリッド効果を発揮できると考えられる。
このハイブリッド効果により、得られた硬化物は、シリカ等の無機充填材を添加しない場合と比較して、熱膨張係数が大幅に低減されると考えられる。さらに、シリカ等の無機充填材を添加しない場合であれば、ガラス転移温度となる温度以上に加熱しても、弾性率の大きな低下が発現しない、いわゆるTgレスになり、高い耐熱性を実現できると考えられる。
そして、得られた硬化物中に、ナノサイズのシリカが均一に分散されているので、シリカが比較的多量に含有されていても、優れた透明性を維持できると考えられる。
以上のことから、上記のような構成の透明基板用エポキシ組成物を用いれば、耐熱性及び透明性が高く、熱膨張係数の低い透明基板を得ることができると考えられる。
以下、本実施形態に係る透明基板用エポキシ組成物の各成分について、詳細に説明する。
本実施形態で用いる水酸基含有エポキシ化合物は、分子内に水酸基を1個有するエポキシ化合物であれば、特に限定されない。すなわち、分子内に1個の水酸基とエポキシ基とを有する化合物であれば、特に限定されない。また、この水酸基含有エポキシ化合物は、モノマーであっても、オリゴマーであっても、ポリマーであってもよいが、オリゴマーであることが好ましい。また、水酸基含有エポキシ化合物がオリゴマーやポリマーである場合、末端に水酸基が結合されているものが好ましい。また、この水酸基含有エポキシ化合物は、1分子当たり水酸基を1つ有するものであるが、例えば、オリゴマーやポリマーである場合、片方の末端に水酸基が結合されているものが好ましい。
また、本実施形態で用いることができる水酸基含有エポキシ化合物としては、例えば、脂環式エポキシ樹脂、及びノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、市販品を用いてもよく、例えば、ダイセル化学工業株式会社製のEHPE3150等を使用することができる。
また、本実施形態に係る透明基板用エポキシ組成物には、この水酸基含有エポキシ化合物以外に、分子内に水酸基を有さない水酸基不含有エポキシ化合物を含有する。そうすることによって、耐熱性及び透明性がより高く、熱膨張係数のより低い透明基板を製造することができるエポキシ組成物が得られる。さらに、この水酸基不含有エポキシ化合物は、透明基板を製造する際に、ガラスクロスを含有したプリプレグを用いる場合に、透明性の向上に特に寄与する。
このことは、以下のことによると考えられる。
まず、エポキシ組成物中の水酸基が多すぎると、シリカのシラノール基との相互作用が強固なものになりすぎて、透明基板用エポキシ組成物の硬化反応が促進しすぎると考えられる。よって、保存安定性が低下する、すなわち、透明基板用エポキシ組成物のライフが短くなると考えられる。また、シリカのシラノール基との相互作用が強固なものになりすぎて、シリカの分散性が低下する傾向もあると考えられる。これらのことから、透明基板用エポキシ組成物において、水酸基含有エポキシ化合物だけではなく、分子内に水酸基を有さない水酸基不含有エポキシ化合物をさらに含有することによって、エポキシ組成物中の水酸基数をより好適に調整することができると考えられる。すなわち、この水酸基数を調整することによって、水酸基含有エポキシ化合物の水酸基とシリカのシラノール基との相互作用を調整することができると考えられる。このことにより、耐熱性及び透明性がより高く、熱膨張係数のより低い透明基板を得ることができるエポキシ組成物が得られると考えられる。さらに、得られた透明基板用エポキシ組成物は、そのライフが長く、保存安定性に優れたものになると考えられる。
また、透明基板を製造する際に、ガラスクロスを含有したプリプレグを用いる場合には、エポキシ化合物の硬化物が、ガラスクロスの屈折率により近似するようになると考えられる。このことによって、得られた透明基板の透明性をより高めることができると考えられる。
また、本実施形態で用いることができる水酸基不含有エポキシ化合物は、分子内に水酸基を有しないエポキシ化合物であれば、特に限定されない。すなわち、分子内にエポキシ基を有し、水酸基を有さない化合物であれば、特に限定されない。また、この水酸基不含有エポキシ化合物は、モノマーであっても、オリゴマーであっても、ポリマーであってもよいが、モノマーであることが好ましい。また、この水酸基不含有エポキシ化合物がモノマーである場合、重合した際、架橋点となりうる多官能型であることが好ましい。すなわち、分子内にエポキシ基を2つ以上有するものであることが好ましい。
また、本実施形態で用いることができる水酸基不含有エポキシ化合物としては、市販品を用いてもよく、例えば、株式会社プリンテック製のテクモアVG3101等を使用することができる。
また、本実施形態に係る透明基板用エポキシ組成物において、水酸基含有エポキシ化合物と水酸基不含有エポキシ化合物との含有比率は、水酸基含有エポキシ化合物と水酸基不含有エポキシ化合物との種類等によって異なるが、例えば、質量比で、5:95〜70:30であり、40:60〜70:30であることが好ましい。水酸基含有エポキシ化合物の含有比率が5重量%を下回ると、エポキシ組成物中の水酸基総数が少なくなりすぎてシリカのシラノール基との相互作用が十分得られず、樹脂とシリカとの親和性が低くなってシリカの分散性が十分低下する恐れがある。この含有比率が40重量%以上であれば、シリカとの良好な親和性を期待でき、好適な分散性を実現できる。逆に、その含有比率が70重量%を超えると、エポキシ組成物中の水酸基が多すぎることとなり、シリカのシラノール基との相互作用が強固なものになりすぎて、透明基板用エポキシ組成物の硬化反応が促進しすぎる恐れがある。また、保存安定性が低下し、透明基板用エポキシ組成物のライフが短くなる恐れもある。これらのことから、水酸基含有エポキシ化合物と水酸基不含有エポキシ化合物との含有比率は、上述の範囲とすることが好ましく、そうすることによって、耐熱性及び透明性がより高く、熱膨張係数のより低い透明基板を製造することができるエポキシ組成物が得られる。このことは、上述したような、水酸基含有エポキシ化合物の水酸基とシリカのシラノール基との相互作用を好適に調整できることによると考えられる。
次に、本実施形態で用いる硬化開始剤は、上述したエポキシ化合物、具体的には、水酸基含有エポキシ化合物や水酸基不含有エポキシ樹脂の硬化反応を開始させることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、光によって酸を発生する光酸発生剤や光によって塩基を発生する光塩基発生剤等の光によって硬化を開始できる光硬化開始剤、熱によって酸を発生する酸発生剤や熱によって塩基を発生する熱塩基発生剤等の熱硬化開始剤、及び光によっても熱によっても硬化を開始できる光・熱硬化開始剤等が挙げられる。
また、本実施形態において、硬化開始剤として、カチオン重合開始剤を用いることが好ましい。そうすることによって、耐熱性及び透明性がより高く、熱膨張係数のより低い透明基板を得ることができることに加え、保存性に優れたエポキシ組成物が得られる。
このことは、以下のことによると考えられる。まず、硬化開始剤として、カチオン重合開始剤を用いることによって、水酸基含有エポキシ化合物や水酸基不含有エポキシ化合物を好適に硬化させることができると考えられる。さらに、カチオン重合開始剤を用いた場合、所定の温度以下、例えば、常温等において、前記硬化が開始されることを充分に抑制できると考えられる。これらのことから、好適な透明基板を得ることができるだけではなく、保存性にも優れたエポキシ組成物が得られると考えられる。
また、硬化開始剤としては、分子中に水酸基が1つ以下のものが好ましく、分子中に水酸基を有さないものがより好ましい。さらに、分子中に水酸基を有さないカチオン重合開始剤がより好ましい。
また、本実施形態で用いることができる硬化開始剤としては、例えば、芳香族スルホニウム塩やSbF 系スルホニウム塩等が挙げられる。これらは、市販品を用いてもよく、例えば、三新化学工業株式会社製のサンエイドSI−150等を使用することができる。
このような硬化開始剤の含有量としては、水酸基含有エポキシ化合物、水酸基不含有エポキシ化合物、及びシリカゾルの固形分の合計100質量部に対して、1〜10質量部質量部であることが好ましく、2〜7質量部であることがより好ましい。硬化開始剤の含有量を調整することによって、好適に硬化させることができる。すなわち、硬化開始剤が過剰に含まれることで発生しうる硬化歪みや、硬化開始剤が過剰に含まれることで発生する、硬化に寄与しない酸や塩基等の成分によって硬化物、すなわち透明基板が脆弱化することを抑制でき、さらに、硬化不足の発生も抑制できる。
次に、本実施形態で用いるシリカゾルは、ナノサイズのシリカを有機溶剤に分散させたものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、平均粒子径50nm以下のシリカを、分散媒としての有機溶剤に分散させたもの、すなわち、有機溶剤分散コロイダルシリカ等が挙げられる。このような平均粒子径のシリカを分散させたシリカゾルを用いることによって、耐熱性及び透明性がより高く、熱膨張係数のより低い透明基板を製造することができる透明基板用エポキシ組成物が得られる。このことは、前記シリカが、耐熱性の向上や熱膨張係数の低下に寄与でき、さらに、得られた硬化物の透明性を阻害しない大きさであることによると考えられる。また、前記シリカの平均粒子径は、5〜50nmであることがより好ましく、5〜20nmであることがさらに好ましい。なお、ここで平均粒子径とは、体積平均粒子径のことを指す。体積平均粒子径は、例えば、レーザ回折法等によって測定することができる。
また、上述したようなシリカゾルは、シリカを、固形分濃度10〜40質量%となるように、有機溶剤に分散させたものが好ましい。また、有機溶剤としては、特に限定されず、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。この中でも、メチルエチルケトンが好ましく用いられる。分散媒として、メチルエチルケトンを用いたシリカゾルを用いれば、耐熱性及び透明性がより高く、熱膨張係数のより低い透明基板を製造することができる透明基板用エポキシ組成物が得られる。このことは、水酸基含有エポキシ化合物や水酸基不含有エポキシ化合物との親和性が高まり、シリカの分散性が高まることによると考えられる。
また、本実施形態で用いることができるシリカゾルとしては、市販品を用いてもよく、例えば、日産化学工業株式会社製の「MEK−ST」シリーズ等を使用することができる。
また、シリカゾルは、そのpHが、4.7〜8.5であることが好ましい。そうすることによって、水酸基含有エポキシ化合物や水酸基不含有エポキシ化合物の硬化が好適に進行し、透明性のより高い透明基板が得られる。また、硬化開始剤として、カチオン重合開始剤を用いた場合、このようなpHのシリカゾルを用いることによって、透明性のより高い透明基板が得られ、さらに、保存性に優れたエポキシ組成物が得られる。このことは、所定の温度以下、例えば、常温等において、前記硬化が開始されることを充分に抑制できることによると考えられる。
また、シリカゾルは、シリカ及び有機溶剤以外に、硫酸、カルボン酸、及びアンモニア等のpH調整剤や、分散剤を含有していてもよい。pH調整剤を含有することによって、pHを、例えば、上記範囲内に調整することができる。また、分散剤を含有することによって、シリカの分散性をより高めることができる。
このようなシリカゾルの含有量としては、シリカゾルの固形分、すなわち、シリカが、水酸基含有エポキシ化合物、水酸基不含有エポキシ化合物、及びシリカゾルの固形分の合計100質量部に対して、10〜90質量部であることが好ましく、30〜60質量部であることがより好ましい。そうすることによって、シリカが過剰に含まれることで発生しうる透明基板の脆弱化を抑制し、さらに、透明基板の熱膨張係数をより低下させることができる。特に、30〜60質量部とすると、水酸基含有エポキシ化合物および水酸基不含有エポキシ化合物との上述した配合において、樹脂とシリカとの親和性を好適に制御することが容易となる。
また、本実施形態に係る透明基板用エポキシ組成物には、本発明の目的とする所望の特性を阻害しない範囲で従来公知の添加剤、例えば、硬化促進剤、難燃剤、難燃助剤、着色剤、シリコーン可とう剤、及びイオントラップ剤等を必要に応じて添加してもよい。また、本実施形態に係る透明基板用エポキシ組成物には、上述した以外の樹脂成分を含有させることも可能であるが、分子中に水酸基を2個以上有するものを含まないことが望ましい。
また、本実施形態に係る透明基板用エポキシ組成物の調製方法としては、特に限定されないが、例えば、以下のようにして調整することができる。例えば、上述した各成分を所定の含有量となるように、同時又は順次配合し、各成分が均一に分散するように、ディスパー等で混合することによって、ワニス状態のエポキシ化合物(ワニス)が得られる。混合時に、必要に応じて加熱処理や冷却処理を施してもよいが、室温で混合してもよい。また、上記各成分を配合する順番には特に制限はない。また、ワニスを調製する際、シリカゾルに含まれる有機溶剤以外に、別途、有機溶剤を添加してもよい。ここで用いられる有機溶剤としては、水酸基含有エポキシ化合物や水酸基不含有エポキシ化合物等を溶解させ、また、シリカゾルに含まれる有機溶剤と混ざり合い、さらに、硬化反応を阻害しないものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、メチルエチルケトン等が挙げられる。
得られたワニスを用いてプリプレグを製造する方法としては、例えば、得られたワニスを繊維質基材に含浸させた後、乾燥する方法が挙げられる。
プリプレグを製造する際に用いられる繊維質基材としては、具体的には、例えば、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロス、ガラス不織布、アラミド不織布、ポリエステル不織布、パルプ紙、及びリンター紙等が挙げられる。この中でも、ガラスクロスが、透明性や機械強度等に優れた透明基板が得られる点から好ましい。なお、繊維質基材の厚みとしては、例えば、0.04〜0.3mmのものを一般的に使用できる。
ワニスの繊維質基材への含浸は、浸漬及び塗布等によって行われる。この含浸は、必要に応じて複数回繰り返すことも可能である。また、この際、組成や濃度の異なる複数のワニスを用いて含浸を繰り返し、最終的に希望とする組成及び固形分量に調整することも可能である。
ワニスが含浸された繊維質基材は、所望の加熱条件、例えば、80〜170℃で1〜10分間加熱されることにより半硬化状態(Bステージ)のプリプレグが得られる。このプリプレグを製造する際、メチルエチルケトン等の有機溶剤も揮発する。
このようにして得られたプリプレグを用いて透明基板を作製する方法としては、プリプレグを加熱加圧する方法や、複数枚重ねたものを加熱加圧成形して積層一体化する方法等が挙げられる。加熱加圧条件は、製造する透明基板の厚みやプリプレグ中のエポキシ組成物の種類等により適宜設定することができるが、例えば、温度を170〜210℃、圧力を3.5〜4.0Pa、時間を60〜150分間とすることができる。
本実施形態に係る透明基板用エポキシ組成物は、硬化物の、透明性及び耐熱性が高く、熱膨張係数の低いものである。このため、この透明基板用エポキシ組成物を用いて得られたプリプレグを用いて、透明基板を製造すると、得られた透明性基板は、透明性及び耐熱性が高く、熱膨張係数の低いものとなる。
以下に、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
まず、水酸基含有エポキシ化合物(ダイセル化学工業株式会社製のEHPE3150)114gと、水酸基不含有エポキシ化合物(株式会社プリンテック製のテクモアVG3101)70.5gと、シリカゾル(ゾルA)377.5gと、硬化開始剤(カチオン重合開始剤:三新化学工業株式会社製のサンエイドSI−150)11.9gとを、室温でディスパー攪拌した。その際、メチルエチルケトンが、得られるワニス100質量部に対して、47質量部となるように、メチルエチルケトンを添加した。そうすることによって、ワニス状のエポキシ組成物(ワニス)が得られた。
ゾルAは、シリカゾル(メチルエチルケトン分散シリカゾル:日産化学工業株式会社製のMEK−ST、固形分濃度:30質量%、体積平均粒子径:15μm、pH:3−4、分散媒:メチルエチルケトン)を、pH調整剤等で、pH8.2に調整したゾルである。
この実施例1では、「EHPE3150」:「テクモアVG3101」は、約62:38である。また、シリカ固形分の含有量は、樹脂組成物全体に対して、約38重量%である。
なお、シリカゾルのpHは、シリカゾル、メタノール、水を質量比で1:1:1の割合で配合し溶解させることでpH評価用液を調製し、この調製したpH評価用液をpHメータで測定した値をpH値とした。
[実施例2]
実施例1において、水酸基含有エポキシ化合物(EHPE3150)89.1g、水酸基不含有エポキシ化合物(株式会社プリンテック製のテクモアVG3101)95.04gとした以外は、実施例1と同様にしてワニスを得た。
この実施例2では、「EHPE3150」:「テクモアVG3101」は、約48.4:51.6である。また、シリカ固形分の含有量は、樹脂組成物全体に対して、約38重量%である。
[比較例1]
前記シリカゾルを配合しないこと以外、実施例と同様である。
[比較例2]
エポキシ化合物として、実施例1における水酸基含有エポキシ化合物(EHPE3150)を用いず、全量を分子内に水酸基を有さない水酸基不含有エポキシ化合物(テクモアVG3101)を用いた以外、実施例1と同様である。すなわち、VG3101の配合量を184.5gとした以外は、実施例1と同様の配合とした。
まず、実施例1、2及び比較例1を、以下のように評価した。
実施例1、2及び比較例1に係るワニスを用いて、樹脂板を作製した。
具体的には、樹脂板を、以下のように作製した。
まず、ワニスを150℃の熱板上で2分間加熱攪拌させた。そうすることによって、有機溶剤が揮発して、このワニスがBステージ化すると考えられる。さらに、その加熱の際に、水酸基含有エポキシ化合物の水酸基とシリカのシラノール基との相互作用がより強くなると考えられる。
次に、このワニスを室温まで冷却させた。そうすることによって、このワニスは固化された。そして、この固化されたものを乳鉢と乳棒とで粉砕させた。この粉砕物を紙で作製した型に入れ、直圧プレスで板状に成形した。そうすることによって、樹脂板が得られた。
実施例1、2及び比較例1に係る樹脂板を用いて、動的粘弾性測定を行った。
具体的には、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製のEXSTAR DMS 6000を用いて、昇温速度5℃/分、曲げモード、周波数0.1Hzで行った。
得られた結果は、図1に示す。なお、図1は、実施例1、2及び比較例1に係る樹脂板の動的粘弾性測定の結果を示すグラフである。具体的には、動的粘弾性測定で得られる貯蔵弾性率E’とtanδとの、温度依存性曲線を示す。また、左縦軸は、貯蔵弾性率E’(Pa)を示し、右縦軸は、tanδを示し、横軸は、温度(℃)を示す。
また、図1において、曲線11、12は、それぞれ実施例1、2に係る樹脂板の、貯蔵弾性率E’の温度依存性曲線を示す。また、曲線13は、比較例1に係る樹脂板の、貯蔵弾性率E’の温度依存性曲線を示す。また、曲線14,15は、それぞれ実施例1、2に係る樹脂板の、tanδの温度依存性曲線を示す。また、曲線16は、比較例1に係る樹脂板の、tanδの温度依存性曲線を示す。
図1からわかるように、実施例1、2に係る樹脂板は、温度上昇に伴う弾性率の低下が、比較例1と比較して、なだらかであった。また、比較例1に係る樹脂板の、tanδの温度依存性曲線からわかるように、ガラス転移が確認される。つまり、130℃付近にガラス転移温度Tgを有することがわかる。なお、Tgは、粘弾性測定で得られるtanδの温度依存性曲線のピークトップで評価した。これに対して、実施例1、2に係る樹脂板の、tanδの温度依存性曲線からは、ガラス転移が確認できなかった。
これらのことから、実施例1、2に係る樹脂板のほうが、比較例1より耐熱性が高いことがわかる。すなわち、実施例1、2の場合、330℃程度まで温度が上昇しても、ガラス転移現象が発現せず、弾性率の急激な低下が抑制されることがわかる。
次に、実施例1及び比較例1に係る樹脂板を用いて、熱機械分析測定(TMA)を行った。
具体的には、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製のEXSTAR TMA 6000を用いて、昇温速度5℃/分、圧縮モードで行った。
TMAの測定条件を追記致しました。
得られた結果は、図2に示す。なお、図2は、実施例1及び比較例1に係る樹脂板の熱機械分析測定の結果を示すグラフである。具体的には、熱機械分析測定で得られる、TMAにおける縮みの、温度依存性曲線を示す。また、縦軸は、縮み(μm)を示し、横軸は、温度(℃)を示す。
また、図2において、曲線21は、実施例1に係る樹脂板の、TMAにおける縮みの温度依存性曲線を示す。また、曲線22は、比較例1に係る樹脂板の、TMAにおける縮みの温度依存性曲線を示す。
図2からわかるように、実施例1の場合、TMAにおける縮みの温度依存性曲線の傾きが、比較例1より小さい。この温度依存性曲線の、各温度での傾きは、その温度での熱膨張係数である。よって、実施例1の場合、ほぼ全部の温度領域において、比較例1より熱膨張係数が小さいことがわかる。特に、比較例1の場合、図1からわかるガラス転移温度Tgである130℃付近から、急激に傾きが大きくなることがわかる。このことから、Tg以上での温度領域における熱膨張係数が大きいことがわかる。
以上のことから、実施例1の場合、得られた樹脂板の、耐熱性が高く、熱膨張係数が小さい、寸法安定性に優れたものが得られることがわかる。このことは、実施例1では、シリカが均一に分散しており、それによって、有機無機のハイブリッド効果が充分に発揮されているからであると考えられる。
このことは、実施例1に係る樹脂板の走査型電子顕微鏡(SEM)観察からも支持される。図3は、実施例1に係る樹脂板の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
図3からわかるように、シリカに由来すると思われる円31は、大きさが約15nmであることがわかる。このことから、シリカは凝集せず、均一に分散していることがわかる。なお、円32は、不純物である。
また、実施例1及び比較例1に係る樹脂板のヘイズを測定した。具体的には、日本電色工業株式会社製のヘイズメータNDH2000を用いて、JIS K 7136(ISO 14782に対応)の「プラスチック透明材料のヘイズの求め方」に準じて、ヘイズを測定した。
その結果、実施例1に係る樹脂板のヘイズが、2.43であり、比較例1に係る樹脂板のヘイズが、2.68であった。
このことから、実施例1に係る樹脂板は、シリカを含有させているにもかかわらず、シリカを含有させていない比較例1の場合と比較しても、良好なレベルでヘイズが維持されていることがわかる。すなわち、実施例1に係るエポキシ組成物を用いれば、透明性の高い樹脂板が得られることがわかる。このことは、シリカがナノサイズと小さく、その小さなシリカが均一に分散していることによると考えられる。
次に、実施例1と比較例2に係るワニスを用いて、それぞれガラスクロスを含む透明基板を作製した。
具体的には、透明基板を、以下のように作製した。
まず、ワニスを、厚み25μmのガラスクロスに含浸させた。そのワニスを含浸させたガラスクロスを150℃のオーブンで加熱させた。そうすることによって、プリプレグが得られた。このプリプレグを作製する際の加熱によって、有機溶剤が揮発して、このワニスがBステージ化すると考えられる。さらに、その加熱の際に、水酸基含有エポキシ化合物の水酸基とシリカのシラノール基との相互作用がより強くなると考えられる。
次に、このプリプレグを2枚積層し、その積層体の両面を離型フィルムで挟みこんだ。そして、離型フィルムで挟みこんだ積層体を、直圧プレスした。そうすることによって、ガラスクロスを含む透明基板(GCシート)が得られた。
実施例1と比較例2に係るGCシートを用いて、動的粘弾性測定を行った。具体的には、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製のEXSTAR DMS 6100を用いて、昇温速度5℃/分、曲げモード、周波数0.1Hzで行った。
得られた結果は、図4に示す。なお、図4は、実施例1及び比較例2に係るGCシートの動的粘弾性測定の結果を示すグラフである。具体的には、動的粘弾性測定で得られる貯蔵弾性率E’とtanδとの、温度依存性曲線を示す。なお、図4の軸は、図1の軸と同様のパラメータを示す。また、図4において、曲線41は、実施例1における貯蔵弾性率E’の温度依存性曲線を示し、曲線42は、比較例2における貯蔵弾性率E’の温度依存性曲線を示す。また、曲線43は、実施例1におけるtanδの温度依存性曲線を示し、曲線44は、比較例2におけるtanδの温度依存性曲線を示す。
図4からわかるように、実施例1に係るエポキシ組成物を用いて製造したGCシートの場合であっても、樹脂板の場合と同様、ガラス転移を確認できなかった。このことから、実施例1に係るエポキシ組成物を用いて、GCシートを製造した場合、得られたGCシートは耐熱性が充分に高いことがわかる。一方、比較例2に係るエポキシ組成物を用いて製造したGCシートでは、tanδの温度依存性曲線からわかるように、280〜290℃付近にピークトップが現れており、この温度付近にガラス転移温度Tgを有することがわかる。
これらのことから、比較例2のように樹脂配合中の水酸基の含有量を好適に制御することなく、ナノサイズのシリカを有機溶剤に分散させたシリカゾルを単に含有させただけでは、耐熱性が充分に高まらないことがわかった。一方、樹脂配合中の水酸基の含有量を好適なレベルとなるよう調整したエポキシ化合物とシリカゾルを併用した実施例1では耐熱性を向上させることができることがわかった。
次に、実施例1に係るGCシートを用いて、熱機械分析測定(TMA)を行った。具体的には、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製のEXSTAR TMA 6000を用いて、昇温速度10℃/分、引張モードで行った。
得られた結果は、図5に示す。なお、図5は、実施例1に係るGCシートの熱機械分析測定の結果を示すグラフである。具体的には、熱機械分析測定で得られる、TMAにおける伸びの、温度依存性曲線を示す。なお、図5の軸は、図2の軸と同様のパラメータを示す。また、図5において、曲線51は、TMAにおける伸びの温度依存性曲線を示す。
この図5に示す曲線51から、シリカを含有していなければ、Tgが発現したであろう130℃付近の熱膨張係数を算出した結果、9ppm程度であることがわかった。このことから、実施例1に係るGCシートの熱膨張係数は非常に小さいことがわかった。
本明細書は、上述したように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
本発明の一態様に係る透明基板用エポキシ組成物は、分子内に水酸基を1個有する水酸基含有エポキシ化合物と、分子内に水酸基を有さない水酸基不含有エポキシ化合物と、硬化開始剤と、ナノサイズのシリカを有機溶剤に分散させたシリカゾルとを含有し、前記水酸基含有エポキシ化合物と前記水酸基不含有エポキシ化合物との含有比率は、質量比で、5:95〜70:30であることを特徴とする。
このような構成によれば、耐熱性及び透明性が高く、熱膨張係数の低い透明基板を得ることができる透明基板用エポキシ組成物を提供することができる。
このことは、以下のことによると考えられる。
まず、透明基板を構成する成分として、分子内に水酸基を1個有する水酸基含有エポキシ化合物を用いることによって、その水酸基が、シリカゾルに含まれるシリカのシラノール基と相互作用すると考えられる。同時に、分子内に水酸基を有さない水酸基不含有エポキシ化合物が、樹脂組成系の中に水酸基が過剰に存在することを抑制し、シリカのシラノール基と必要以上に相互作用を奏することを抑制すると考えられる。
また、透明基板用エポキシ組成物に含有されるシリカゾルが、ナノサイズのシリカを有機溶剤に分散させたものであるので、水酸基含有エポキシ化合物とシリカゾルとの親和性が高くなると考えられる。
これらのことから、得られた樹脂組成物中のシリカの分散性が高いものとなり、シリカの凝集等を抑制できると考えられる。すなわち、硬化開始剤で硬化可能なエポキシ化合物中にナノサイズのシリカが均一に分散されたエポキシ組成物が得られると考えられる。
そして、このエポキシ組成物を、Bステージ化させる温度、例えば、150℃まで加熱させると、水酸基含有エポキシ化合物の水酸基とシリカのシラノール基との相互作用がより強くなると考えられる。そして、水酸基含有エポキシ化合物の水酸基とシリカのシラノール基との相互作用を強固なものとした後に、エポキシ組成物が硬化する温度、例えば、170℃以上まで加熱させると、その相互作用を維持しつつ、エポキシ組成物が硬化すると考えられる。
これらのことから、エポキシ化合物中にナノサイズのシリカが均一に分散した状態で、水酸基含有エポキシ化合物の水酸基とシリカのシラノール基との相互作用が強固に維持された硬化物が得られると考えられる。すなわち、得られた硬化物は、エポキシ化合物の硬化物を構成するエポキシ樹脂の骨格が、硬いシリカで拘束された構造が形成されていると考えられる。このことから、得られた硬化物は、有機成分であるエポキシ化合物の硬化物と、無機成分であるシリカとが分子レベルで均一に混ざり合った結合も形成された構造が形成され、いわゆる、有機無機のハイブリッド効果を発揮できると考えられる。
このハイブリッド効果により、得られた硬化物は、シリカ等の無機充填材を添加しない場合と比較して、熱膨張係数が大幅に低減されると考えられる。さらに、シリカ等の無機充填材を添加しない場合であれば、ガラス転移温度となる温度以上に加熱しても、弾性率の大きな低下が発現しない、いわゆるTgレスになり、高い耐熱性を実現できると考えられる。
そして、得られた硬化物中に、ナノサイズのシリカが均一に分散されているので、シリカが比較的多量に含有されていても、優れた透明性を維持できると考えられる。
そして、上記効果は、前記水酸基含有エポキシ化合物と前記水酸基不含有エポキシ化合物との含有比率を、質量比で5:95〜70:30とすることで得られる。特に、上記効果をより好適に得るには、前記水酸基含有エポキシ化合物と前記水酸基不含有エポキシ化合物との含有比率は、質量比で、40:60〜70:30であることが好ましい。
以上のことから、上記のような構成の透明基板用エポキシ組成物を用いれば、耐熱性及び透明性が高く、熱膨張係数の低い透明基板を得ることができると考えられる。
また、前記透明基板用エポキシ組成物において、前記シリカの平均粒子径が、50nm以下であることが好ましい。
このような構成によれば、耐熱性及び透明性がより高く、熱膨張係数のより低い透明基板を得ることができる透明基板用エポキシ組成物を提供することができる。
このことは、前記シリカが、耐熱性の向上や熱膨張係数の低下に寄与でき、さらに、得られた硬化物の透明性を阻害しない大きさであることによると考えられる。このとき、前記シリカの含有量は、前記水酸基含有エポキシ化合物、前記水酸基不含有エポキシ化合物、及び前記シリカゾルの固形分の合計100質量部に対して、10〜90質量部であることが好ましく、より好ましくは30〜60質量部である。
また、前記透明基板用エポキシ組成物において、前記硬化開始剤が、カチオン重合開始剤であることが好ましい。
このような構成によれば、耐熱性及び透明性がより高く、熱膨張係数のより低い透明基板を得ることができることに加え、保存性に優れたエポキシ組成物が得られる。
このことは、以下のことによると考えられる。
まず、前記硬化開始剤として、カチオン重合開始剤を用いることによって、前記水酸基含有エポキシ化合物を好適に硬化させることができると考えられる。さらに、カチオン重合開始剤を用いた場合、所定の温度以下、例えば、常温等において、前記硬化が開始されることを充分に抑制できると考えられる。これらのことから、好適な透明基板を得ることができるだけではなく、保存性にも優れたエポキシ組成物が得られると考えられる。
また、前記透明基板用エポキシ組成物において、分子内に水酸基を有さない水酸基不含有エポキシ化合物をさらに含有することが好ましい。
このような構成によれば、耐熱性及び透明性がより高く、熱膨張係数のより低い透明基板を得ることができるエポキシ組成物が得られる。
また、本実施形態に係る透明基板用エポキシ組成物には、この水酸基含有エポキシ化合物以外に、分子内に水酸基を有さない水酸基不含有エポキシ化合物を含有することが好ましい。そうすることによって、耐熱性及び透明性がより高く、熱膨張係数のより低い透明基板を製造することができるエポキシ組成物が得られる。さらに、この水酸基不含有エポキシ化合物は、透明基板を製造する際に、ガラスクロスを含有したプリプレグを用いる場合に、透明性の向上に特に寄与する。
このことは、以下のことによると考えられる。
まず、エポキシ組成物中の水酸基が多すぎると、シリカのシラノール基との相互作用が強固なものになりすぎて、透明基板用エポキシ組成物の硬化反応が促進しすぎると考えられる。よって、保存安定性が低下する、すなわち、透明基板用エポキシ組成物のライフが短くなると考えられる。また、シリカのシラノール基との相互作用が強固なものになりすぎて、シリカの分散性が低下する傾向もあると考えられる。これらのことから、透明基板用エポキシ組成物において、水酸基含有エポキシ化合物だけではなく、分子内に水酸基を有さない水酸基不含有エポキシ化合物をさらに含有することによって、エポキシ組成物中の水酸基数をより好適に調整することができると考えられる。すなわち、この水酸基数を調整することによって、水酸基含有エポキシ化合物の水酸基とシリカのシラノール基との相互作用を調整することができると考えられる。このことにより、耐熱性及び透明性がより高く、熱膨張係数のより低い透明基板を得ることができるエポキシ組成物が得られると考えられる。さらに、得られた透明基板用エポキシ組成物は、そのライフが長く、保存安定性に優れたものになると考えられる。
また、透明基板を製造する際に、ガラスクロスを含有したプリプレグを用いる場合には、エポキシ化合物の硬化物が、ガラスクロスの屈折率により近似するようになると考えられる。このことによって、得られた透明基板の透明性をより高めることができると考えられる。
また、前記透明基板用エポキシ組成物において、前記水酸基含有エポキシ化合物及び前記水酸基不含有エポキシ化合物が、いずれも固体状であることが好ましい。
このような構成によれば、耐熱性のより高い透明基板を得ることができるエポキシ組成物が得られる。このことは、透明基板を構成する樹脂成分が、固体状のエポキシ化合物に由来するからであると考えられる。
さらに、得られたプリプレグは、タック性が少ない。このことにより、このプリプレグは、透明基板の製造時に取り扱いがしやすいもの、すなわち、ハンドリング性の高いものである。
また、本発明の他の一態様に係るプリプレグは、前記透明基板用エポキシ組成物をガラスクロスに含浸させて得られたプリプレグである。
このような構成によれば、耐熱性及び透明性がより高く、熱膨張係数のより低い透明基板を得ることができるプリプレグを提供することができる。このことは、ガラスクロスに含浸されている成分が、前記透明基板用エポキシ組成物であることによると考えられる。すなわち、透明性の高い硬化物となる透明基板用エポキシ組成物と、透明性の高いガラスクロスとを用いており、さらに、その硬化物の、耐熱性が高く、熱膨張係数が低いことよると考えられる。
また、本発明の他の一態様に係る透明基板は、前記プリプレグを用いて製造された透明基板である。
このような構成によれば、耐熱性及び透明性がより高く、熱膨張係数のより低い透明基板を提供することができる。

Claims (7)

  1. 分子内に水酸基を1個有する水酸基含有エポキシ化合物と、
    分子内に水酸基を有さない水酸基不含有エポキシ化合物と、
    硬化開始剤と、
    ナノサイズのシリカを有機溶剤に分散させたシリカゾルとを含有し、
    前記水酸基含有エポキシ化合物と前記水酸基不含有エポキシ化合物との含有比率は、質量比で、5:95〜70:30であることを特徴とする透明基板用エポキシ組成物。
  2. 前記水酸基含有エポキシ化合物と前記水酸基不含有エポキシ化合物との含有比率は、質量比で、40:60〜70:30である請求項1に記載の透明基板用エポキシ組成物。
  3. 前記シリカの平均粒子径が、50nm以下であり、
    前記シリカの含有量は、前記水酸基含有エポキシ化合物、前記水酸基不含有エポキシ化合物、及び前記シリカゾルの固形分の合計100質量部に対して、10〜90質量部である請求項1又は請求項2に記載の透明基板用エポキシ組成物。
  4. 前記シリカの含有量は、前記水酸基含有エポキシ化合物、前記水酸基不含有エポキシ化合物、及び前記シリカゾルの固形分の合計100質量部に対して、30〜60質量部である請求項3に記載の透明基板用エポキシ組成物。
  5. 前記水酸基含有エポキシ化合物及び前記水酸基不含有エポキシ化合物が、いずれも固体状である請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明基板用エポキシ組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明基板用エポキシ組成物をガラスクロスに含浸させて得られたことを特徴とするプリプレグ。
  7. 請求項6に記載のプリプレグを用いて製造されたことを特徴とする透明基板。
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