JP2012214565A - かご型シルセスキオキサン共重合体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化性官能基及び芳香環を含有するかご型シルセスキオキサン骨格を有するかご型シルセスキオキサン共重合体、並びに、その製造方法であって、前記かご型シルセスキオキサン共重合体の構造を容易に制御することができる製造方法を提供する。
【解決手段】一般式(1):[RSiO3/2[RSiO3/2[RSiO3/2・・(1){式(1)中、Rは、不飽和結合含有基を示し、Rは、エポキシ基含有基を示す}で表されるかご型シルセスキオキサン樹脂(A)と、芳香族ジオール化合物(B)とを、第三アミン化合物、第四アンモニウム化合物、第三ホスフィン化合物及び第四ホスホニウム化合物からなる群より選択される少なくとも一種の重合触媒(C)の存在下において、100〜140℃の温度条件で重合反応せしめてかご型シルセスキオキサン共重合体を得ることを特徴とするかご型シルセスキオキサン共重合体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、かご型シルセスキオキサン共重合体及びその製造方法に関する。
かご型構造を有するシルセスキオキサン又はその誘導体を用いた共重合体は、剛直な骨格を有するため、耐熱性、耐候性、光学特性、寸法安定性等に優れた材料として期待されている。このような共重合体の製造方法としては、例えば、2003年発行の「Chem.Mater.」の第15巻の第264〜268頁(非特許文献1)において、不完全縮合構造のシルセスキオキサン(完全な8面体構造ではなく、少なくとも一箇所以上が開裂しており、空間が閉じていない構造のもの)をシロキサン結合で連結させる共重合体の製造方法が開示されている。この製造方法は、不完全なかご型シルセスキオキサンに有機金属化合物を介してアミン等を導入した後、芳香族イミド化合物やフェニルエーテル等で架橋する方法である。また、1993年発行の「Macromolecules」の第26巻の第2141〜2142頁(非特許文献2)においては、不完全なかご型シルセスキオキサンが有しているシラノール基とアミノシラン等とを反応させた共重合体の製造方法が開示されている。
しかしながら、上記非特許文献1及び2に記載のシルセスキオキサン共重合体の製造方法では、得られる共重合体の構造が不明瞭で安定性に欠けるという問題を有していた。また、このような製造方法により得られる共重合体においては、かご型シルセスキオキサンからなる主鎖にモノマーがグラフト重合され、それが架橋点となってゲル化される場合があるため、得られる成形体の成形性や透明性が劣り、さらに、耐熱性や耐候性が未だ十分ではないという問題を有していた。
また、特開2006−265243号公報(特許文献1)には、先ず、3つの加水分解性基を有するシラン化合物を1価のアルカリ金属水酸化物の存在下、有機溶媒中で加水分解することで反応活性基(−Si−ONa)を有する不完全なかご型シルセスキオキサンを合成せしめ、次いで、この不完全なかご型シルセスキオキサンに対してジクロロシランを反応させることによりかご型シルセスキオキサンとジクロロシランの残基との共重合体を得る方法が開示されている。
また、特開2010−195986号公報(特許文献2)には、シラノール基を有する不完全なかご型シルセスキオキサンと有機ジオール化合物とをジクロロシランを添加して縮合反応せしめることにより共重合体を得る方法が開示されている。
さらに、特開2009−227863号公報(特許文献3)には、塩基性触媒を用いてシラノール基を含有するかご型シロキサン化合物にジアルコキシシランを付加させた後、前記シラノール基を縮合させることで共重合体を得る方法等が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の共重合体の製造方法では、塩等の副生成物が生成するという問題を有しており、上記特許文献1〜3に記載の共重合体の製造方法においては、一度生成したかご型シルセスキオキサンを開裂させる工程が必要であるため、経済的に不利になるという傾向にあった。
特開2006−265243号公報 特開2010−195986号公報 特開2009−227863号公報
Michael E.Wrightら、Chem.Mater.、2003年、第15巻、第264〜268頁 Joseph D.Lichtenhanら、Macromolecules、1993年、第26巻、第2141〜2142頁
優れた耐熱性、耐候性、光学特性、及び成形性等を有する成形体を得るためは、材料となる共重合体において、かご型シルセスキオキサン骨格を主鎖とする他、さらに、例えば、芳香環を導入する方法や、硬化性官能基を導入して硬化性に優れた共重合体を得ることが挙げられる。しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の共重合体の製造方法においては、かご型シルセスキオキサン骨格を主鎖とする共重合体において、芳香環や硬化性官能基を含有する構造を容易に再現性よく得ることや、分子量やその構造を制御することについて未だ不十分であるということを本発明者らは見出した。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、硬化性官能基及び芳香環を含有するかご型シルセスキオキサン骨格を有するかご型シルセスキオキサン共重合体、並びに、その製造方法であって、前記かご型シルセスキオキサン共重合体の構造を容易に制御することができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、かご型シルセスキオキサン共重合体の製造方法において、硬化性官能基及びエポキシ基を有する特定の構造のかご型シルセスキオキサン樹脂と芳香族ジオール化合物とを、重合触媒の存在下において特定の温度条件で重合反応せしめることにより、硬化性官能基及び芳香環を含有するかご型シルセスキオキサン骨格を有する構造のかご型シルセスキオキサン共重合体が容易に且つ再現性よく得られることを見出した。また、該重合反応によれば、反応時間を調整するだけで容易に且つ任意にかご型シルセスキオキサン共重合体の重量平均分子量を調整することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のかご型シルセスキオキサン共重合体の製造方法は、
下記一般式(1):
[RSiO3/2[RSiO3/2[RSiO3/2 ・・(1)
{式(1)中、Rは、下記一般式(2)〜(4):
−R−OCO−CR=CH ・・・(2)、
−R−CR=CH ・・・(3)、
−CH=CH ・・・(4)
[式(2)〜(3)中、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキレン基又はフェニレン基を示し、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又はアルキル基を示す。]
で表わされる基のうちのいずれか一種を示し、Rは、下記一般式(5):
[式(5)中、iは1〜3の整数を示す。]
で表わされる基又は下記一般式(6):
[式(6)中、jは1〜3の整数を示す。]
で表わされる基を示し、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基、水素原子、アルコキシ基及びアルキルシロキシ基からなる群より選択されるいずれか一種を示し、n、m及びkは、下記式(i)〜(iii):
n≧1 ・・・(i)、
m≧1 ・・・(ii)、
n+m+k=h ・・・(iii)
[式(iii)中、hは8、10、12及び14からなる群より選択されるいずれかの整数を示す。]
で表わされる条件を満たす整数であり、前記n、前記m及び前記kがそれぞれ2以上の場合には前記R、前記R及び前記Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。}
で表されるかご型シルセスキオキサン樹脂(A)と、
芳香族ジオール化合物(B)とを、
第三アミン化合物、第四アンモニウム化合物、第三ホスフィン化合物及び第四ホスホニウム化合物からなる群より選択される少なくとも一種の重合触媒(C)の存在下において、100〜140℃の温度条件で重合反応せしめてかご型シルセスキオキサン共重合体を得ることを特徴とするものである。
前記重合反応においては、前記芳香族ジオール化合物(B)の水酸基の数と、前記かご型シルセスキオキサン樹脂(A)のエポキシ基の数との比(水酸基の数:エポキシ基の数)が、0.5:1〜1.3:1であることが好ましく、また、前記かご型シルセスキオキサン共重合体の重量平均分子量が5000〜400000であることが好ましい。
また、本発明のかご型シルセスキオキサン共重合体は、下記一般式(7):
{式(7)中、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ上記一般式(2)〜(4)で表わされる基のうちのいずれか一種を示し、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ上記一般式(5)で表わされる基又は上記一般式(6)で表わされる基を示し、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基、水素原子、アルコキシ基及びアルキルシロキシ基からなる群より選択されるいずれか一種を示し、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ下記一般式(8):
[式(8)中、iは1〜3の整数を示す。]
で表わされる2価の基又は下記一般式(9):
[式(9)中、jは1〜3の整数を示す。]
で表わされる2価の基を示し、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ2価の芳香族炭化水素基を示し、n、m、k及びpは、上記式(i)〜(iii)及び下記式(iv):
1≦p≦m ・・・(iv)
で表わされる条件を満たす整数であり、Rは、下記一般式(10):
[式(10)中、R、R、R、R、n、m、k及びpは、前記R、前記R、前記R、前記R、前記n、前記m、前記k及び前記pとそれぞれ同義であり、前記n、前記mと前記pとの差、前記k及び前記pがそれぞれ2以上の場合には前記R、前記R、前記R、及び前記Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
で表わされる基又は水酸基を示し、qは、3〜400の整数を示す。}
で表されることを特徴とするものである。
なお、本発明の構成によって前記目的が達成される理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明においては、(メタ)アクリロイル基等の硬化性官能基とエポキシ基とを有する特定の構造のかご型シルセスキオキサン樹脂を用いることにより、前記硬化性官能基が導入された共重合体を得ることができる。また、前記エポキシ基と芳香族ジオールとが重付加反応するため、芳香環とかご型シルセスキオキサン骨格とが線状に連結され、芳香環を含有するかご型シルセスキオキサン骨格を有するかご型シルセスキオキサン共重合体を容易に得ることができる。さらに、この反応によれば、副反応がおこりにくく、塩等の副生成物もないので、精製等の後処理工程が容易である。さらに、この製造方法によれば、反応時間を調整するだけで容易に且つ任意にかご型シルセスキオキサン共重合体の重量平均分子量を調整することができる。また、前記かご型シルセスキオキサン樹脂におけるエポキシ基の数を調整することにより、かご型シルセスキオキサン共重合体の構造を制御することが可能であり、例えば、直鎖状の共重合体となるように制御すること等が可能である。
このように、本発明により得られる共重合体は、硬化性官能基及び芳香環を含有するかご型シルセスキオキサン骨格を有しているため、前記硬化性官能基をラジカル共重合反応せしめて前記共重合体内及び/又は共重合体間を架橋させることにより、簡易に、より確実に、緻密で剛直な三次元網目構造を形成させることができる。従って、本発明により得られる共重合体を用いて得られる成形体は、優れた耐熱性、耐候性、光学特性、及び成形性を有することができると本発明者らは推察する。
本発明によれば、硬化性官能基及び芳香環を含有するかご型シルセスキオキサン骨格を有するかご型シルセスキオキサン共重合体、並びに、その製造方法であって、前記かご型シルセスキオキサン共重合体の構造を容易に制御することができる製造方法を提供することが可能となる。
実施例1で得られた反応生成物のGPCの結果を示すクロマトグラムである。 実施例1で得られた精製後の反応生成物のGPCの結果を示すクロマトグラムである。 実施例1で得られた精製後の反応生成物のH−NMRスペクトルを示すグラフである。 図3Aの拡大図である。 実施例2で得られた反応生成物のGPCの結果を示すクロマトグラムである。 比較例1で得られた反応生成物のGPCの結果を示すクロマトグラムである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明のかご型シルセスキオキサン共重合体の製造方法は、かご型シルセスキオキサン樹脂(A)と、芳香族ジオール化合物(B)とを、重合触媒(C)の存在下において、100〜140℃の温度条件で重合反応せしめてかご型シルセスキオキサン共重合体を得ることを特徴とするものである。
本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂(A)は、下記一般式(1):
[RSiO3/2[RSiO3/2[RSiO3/2 ・・(1)
で表わされる。前記式(1)中、Rは、下記一般式(2)〜(4):
−R−OCO−CR=CH ・・・(2)、
−R−CR=CH ・・・(3)、
−CH=CH ・・・(4)
で表わされる基のうちのいずれか一種の硬化性官能基を有する基を示す。
前記式(2)〜(3)中、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキレン基又はフェニレン基を示す。前記アルキレン基としては、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、線膨張係数が十分に小さい硬化物が得られるという観点から、炭素数が1〜3であることが好ましく、前記フェニレン基としては、例えば、無置換フェニレン基に加えて、低級アルキル基を有する1,2−フェニレン等が挙げられる。これらの中でも、前記Rとしては、原料の入手が容易であるという観点から、炭素数が1〜3のアルキレン基が好ましく、架橋間距離が大きくならず、線膨張係数がが十分に小さい硬化物が得られるという観点から、プロピレン基がより好ましい。
また、前記式(2)〜(3)中、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又はアルキル基を示す。前記アルキル基としては、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、立体障害によるラジカル重合反応阻害が抑制されるという観点から、炭素数が1〜3であることが好ましい。このようなRとしては、硬化物を得る際のラジカル重合の反応性がさらに優れるという観点から、メチル基がより好ましい。
本発明においては、このような硬化性官能基を有するかご型シルセスキオキサン樹脂を用いることにより、優れた耐熱性、耐候性、光学特性、及び成形性を有する硬化物をラジカル重合によって得ることが可能なかご型シルセスキオキサン共重合体を得ることができる。このようなRとしては、原料の入手が容易であり硬化物を得る際のラジカル重合の反応性が高いという観点から、メタクリロキシプロピル基がより好ましい。
また、前記式(1)中、Rは、下記一般式(5):
[式(5)中、iは1〜3の整数を示す。]
で表わされる基又は下記一般式(6):
[式(6)中、jは1〜3の整数を示す。]
で表わされる基を示す。本発明の製造方法においては、このようなエポキシ基(OCC−C−)を有するかご型シルセスキオキサン樹脂を用いることにより、エポキシ基がジオール化合物(B)の水酸基と選択的に重合するため、効率よく芳香環及びかご型シルセスキオキサン骨格を有するかご型シルセスキオキサン共重合体を得ることができる。このようなRとしては、原料の入手が容易であるという観点から、グリシドキシプロピル基がより好ましい。
さらに、前記式(1)中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基、水素原子、アルコキシ基及びアルキルシロキシ基からなる群より選択されるいずれか一種を示す。前記アルキル基としては、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、かご型シルセスキオキサン骨格を得ることが容易であるという観点から、炭素数が2〜10であることが好ましく、前記シクロアルキル基としては、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルエチル基等が挙げられる。中でも、入手が容易であるという観点から、シクロヘキシル基が好ましい。前記シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられ、中でも、入手が容易であるという観点から、シクロペンテニル基が好ましい。また、前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピル基等が挙げられ、中でも、好ましい前記加水分解性基と同様の基にするという観点から、メトキシ基が好ましい。さらに、前記アルキルシロキシ基としては、例えば、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基、ジメチルシロキシ基、t-ブチルジメチルシロキシ基等が挙げられる。これらの中でも、前記Rとしては、かご型シルセスキオキサン骨格を得ることが容易であるという観点から、炭素数が2〜10のアルキル基、フェニル基がより好ましい。
また、前記式(1)中、n、m及びkは下記式(i)〜(iii):
n≧1 ・・・(i)、
m≧1 ・・・(ii)、
n+m+k=h ・・・(iii)
[式(iii)中、hは8、10、12及び14からなる群より選択されるいずれかの整数を示す。]
で表わされる条件を満たす整数を示す。また、前記n、前記m及び前記kがそれぞれ2以上の場合には前記R 前記R及び前記Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。前記n、m及びkが前記式(i)〜(iii)で表わされる条件を満たすかご型シルセスキオキサン樹脂は、1つ以上の硬化性官能基及び1つ以上のエポキシ基を有し、且つ、ほぼ完全に縮合したかご型構造の骨格を有しているため、下記の芳香族ジオール(B)と組み合わせて用いることにより、効率的且つ容易に硬化性官能基及び芳香環を含有するかご型シルセスキオキサン骨格を有するかご型シルセスキオキサン共重合体を得ることができる。
また、本発明の製造方法においては、前記mの値によりかご型シルセスキオキサン共重合体の構造を制御することができる。例えば、直鎖状のかご型シルセスキオキサン共重合体を得ることができるという観点からは、前記mとしては、1〜3であることがより好ましい。さらに、前記n、m及びkとしては、架橋密度が高く強度に優れた硬化物が得られるという観点から、下記式(v):
(n+m)/k≧1 ・・・(v)
で表わされる条件を満たすことがより好ましい。
さらに、前記かご型シルセスキオキサン樹脂における硬化性官能基の数とエポキシ基の数との比(全硬化性官能基数:全エポキシ基数)が1:13〜13:1であることが好ましい。前記硬化性官能基の含有量が前記下限未満である場合には、得られる硬化物の剛性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、得られる硬化物の成形性が低下する傾向にある。また、直鎖状のかご型シルセスキオキサン共重合体をより効率よく合成するという観点から、前記比(全硬化性官能基数:全エポキシ基数)としては10:3〜13:1であることがより好ましい。
なお、本発明において、前記かご型シルセスキオキサン樹脂における硬化性官能基の数と全エポキシ基の数との比は、H−NMR(機器名:JNM−ECA400(日本電子株式会社製)、溶媒:クロロホルム-d、温度:22.7℃、400MHz)を用いて測定された硬化性官能基及びエポキシ基のピークの積分比から求めることができる。
また、本発明のかご型シルセスキオキサン共重合体の製造方法において、前記かご型シルセスキオキサン樹脂としては、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このようなかご型シルセスキオキサン樹脂を得る方法としては、例えば、下記一般式(11):
SiX ・・・(11)
[式(11)中、Rは、上記一般式(1)中のRと同義であり、Xはアルコキシ基、アセトキシ基、ハロゲン原子及びヒドロキシ基からなる群より選択されるいずれか一種の加水分解性基を示す。]
で表わされるケイ素化合物(a)、下記一般式(12):
SiX ・・・(12)
[式(12)中、Rは、上記一般式(1)中のRと同義であり、Xは上記一般式(11)中のXと同義である。]
で表わされるケイ素化合物(b)、及び下記一般式(13):
SiX ・・・(13)
[式(13)中、Rは、上記一般式(1)中のRと同義であり、Xは上記一般式(11)中のXと同義である。]
で表わされるケイ素化合物(c)を、水と有機極性溶媒と有機非極性溶媒とからなる混合溶媒及び塩基性触媒存在下で加水分解せしめると共に縮合せしめることにより得ることができる。
前記ケイ素化合物(a)としては、例えば、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。中でも、原料の入手が容易であるという観点から、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。前記ケイ素化合物(a)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ケイ素化合物(b)としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシルエチル)トリメトキシシランが好ましい。前記ケイ素化合物(b)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ケイ素化合物(c)としては、例えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン等が挙げられる。前記ケイ素化合物(c)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ケイ素化合物(a)、前記ケイ素化合物(b)及び前記ケイ素化合物(c)の混合比としては、混合モル比(a:b:c)が下記式(vi):
a:b:c=n:m:k ・・・(vi)
[式(v)中、n、m及びkは上記式(1)中のn、m及びkと同義である。]
で表わされることが好ましい。また、かご型シルセスキオキサン樹脂における硬化性官能基の数とエポキシ基の数との比(全硬化性官能基数:全エポキシ基数)が好ましい範囲(1:13〜13:1(より好ましくは10:3〜13:1))になる傾向にあるという観点から、前記nと前記mとの比(n:m)が8:5〜13:1であることがさらに好ましく、10:3〜13:1であることが特に好ましい。また、前記nと前記mとの合計に対する前記kの比(n+m:k)が1:0〜1:3であることがさらに好ましい。
前記加水分解反応においては水の存在が必要である。前記水の量としては、前記ケイ素化合物(a)〜(c)における加水分解性基を加水分解するのに十分な質量以上であればよく、前記ケイ素化合物(a)〜(c)の質量から算出される加水分解性基の数の理論量(モル)の1.0〜1.5倍モルに相当する質量であることが好ましい。なお、前記水としては、後述する塩基性触媒の水溶液に含有される水を本発明に係る水として用いてもよい。
前記有機極性溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類;アセトン;テトラヒドロフラン等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、効率的にかご型シルセスキオキサン骨格を形成するという観点から、水と溶解性のある炭素数1〜6の低級アルコール類を用いることが好ましく、2−プロパノールを用いることがより好ましい。
前記有機非極性溶媒としては、水と溶解性が無いか、又はほとんど無いものであればよいが、炭化水素系溶媒であることが好ましい。前記炭化水素系溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の沸点の低い非極性溶媒が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、沸点が低いために作業が容易になるという観点から、トルエンを用いることがより好ましい。
前記水と前記有機極性溶媒と前記有機非極性溶媒とからなる混合溶媒において、前記有機極性溶媒と前記有機非極性溶媒との混合比(有機極性溶媒:有機非極性溶媒(質量比))としては、1:0.1〜1:10であることが好ましく、1:1〜1:3であることがより好ましい。前記有機極性溶媒の含有量が前記下限未満である場合には、反応系が均一にならず、加水分解反応が十分に進行せずに未反応の加水分解性基が残存する傾向にある。他方、前記上限を超える場合には、かご型シルセスキオキサン骨格形成の効率が低下し、得られる生成物が高分子量化する傾向にある。
前記水と前記有機極性溶媒と前記有機非極性溶媒とからなる混合溶媒の使用量としては、前記ケイ素化合物(a)〜(c)のモル濃度(モル/リットル:M)が0.01〜10Mの範囲であることが好ましい。
前記塩基性触媒としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド等の水酸化アンモニウム塩が挙げられる。本発明に係る塩基性触媒としては、これらのうちの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、触媒活性が高いという観点からテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを用いることが好ましい。このような塩基性触媒の量としては、前記ケイ素化合物(a)〜(c)の合計質量に対して0.1〜10質量%であることが好ましい。なお、前記塩基性触媒は、通常水溶液として使用されるため、この塩基性触媒の水溶液に含有される水を本発明に係る前記水として用いてもよい。
前記加水分解の反応条件としては、反応温度が0〜50℃であることが好ましく、20〜40℃であることがより好ましい。反応温度が前記下限未満の場合には、反応速度が遅くなるため加水分解性基が未反応の状態で残存してしまい、反応時間が長くなる傾向にある。他方、反応温度が前記上限を超える場合には、反応速度が速すぎるために複雑な縮合反応が進行し、結果として加水分解生成物の高分子量化が促進される傾向にある。また、前記加水分解の反応条件としては、反応時間が2時間以上であることが好ましい。反応時間が前記下限未満の場合には、加水分解反応が十分に進行せず加水分解性基が未反応の状態で残存してしまう傾向にある。
前記加水分解反応においては、前記加水分解と共に加水分解物の縮合が起きる。したがって、前記加水分解により前記ケイ素化合物(a)〜(c)における加水分解性基の大部分、好ましくはほぼ全部がOH基に置換され、前記縮合によりそのOH基の大部分、好ましくは95%以上が縮合されるため、前記加水分解反応において得られる生成物中にかご型シルセスキオキサン樹脂を得ることができる。このようなかご型シルセスキオキサン樹脂の含有量としては、加水分解反応において得られる生成物全体に対して50質量%以上であることが好ましい。
なお、このような生成物においては、本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂の他に、反応の副生成物として、複数種の不完全なかご型のシルセスキオキサン樹脂、はしご型シルセスキオキサン樹脂、ランダム型シルセスキオキサン樹脂等が含有されている。
次いで、前記加水分解反応後に、かご型シルセスキオキサン樹脂を含有する前記生成物を、有機非極性溶媒及び塩基性触媒の存在下で加熱し、シロキサン結合を再縮合させることが好ましい。このような再縮合処理を施すことにより、本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂をより高収率で得ることができる。
前記有機非極性溶媒としては、前記加水分解反応において記載した有機非極性溶媒と同様のものを挙げることができ、前記加水分解反応において用いたものをそのまま用いてもよい。このような有機非極性溶媒としては、トルエンを用いることが好ましい。前記有機非極性溶媒の使用量としては、前記生成物を溶解できる量であればよく、前記生成物の合計質量に対して0.1〜20倍の質量であることが好ましい。
前記塩基性触媒としては、前記加水分解反応において記載した塩基性触媒と同様のものを挙げることができ、前記加水分解反応において用いたものをそのまま用いてもよい。このような塩基性触媒としては、テトラアルキルアンモニウム等の非極性溶媒に可溶性の触媒を用いることが好ましい。このような塩基性触媒の使用量としては、前記生成物の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。
前記再縮合の反応条件としては、反応温度が50〜90℃であることが好ましく、60〜80℃であることがより好ましい。反応温度が前記下限未満の場合には、再縮合反応をさせるために十分なドライビングフォースが得られず反応が進行しない傾向にある。他方、反応温度が前記上限を超える場合には、加水分解により置換されたOH基とエポキシ基とが重合反応するため、かご型シルセスキオキサン樹脂を得ることが困難になる傾向にあり、重合禁止剤等を添加する必要が生じる傾向にある。また、前記再縮合の反応条件としては、反応時間が1〜10時間であることが好ましい。
前記再縮合後、得られたかご型シルセスキオキサン樹脂の回収方法としては、先ず、弱酸性溶液を用いて反応溶液を中性若しくは酸性よりに調整し、次いで、水を含有する前記混合溶媒を分離する方法が挙げられる。前記弱酸性溶液としては、硫酸希釈溶液、塩酸希釈溶液、クエン酸溶液、酢酸、塩化アンモニウム水溶液、リンゴ酸溶液、リン酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。また、前記混合溶媒を分離する方法としては、反応溶液を食塩水等で洗浄して水分やその他の不純物を十分に除去した後、無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤で乾燥させる等の方法を用いることができる。
このような方法により得られた反応生成物中において、かご型シルセスキオキサン樹脂の含有量としては、再縮合処理後の生成物において50質量%以上であることが好ましい。含有量が前記下限以上であれば、前記生成物をかご型シルセスキオキサン樹脂を含有する樹脂としてそのまま重合反応等に用いることができる傾向にある。
また、このようなかご型シルセスキオキサン樹脂を含有する再縮合生成物としては、分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))が1.10以下であることが好ましく、1.03〜1.10の範囲にあることがより好ましい。化合物の分子量分布は通常、1.00〜1.01の範囲にあることが好ましいが、分子量分布が1.10以下であれば、前記再縮合生成物をかご型シルセスキオキサン樹脂を含有する樹脂組成物としてそのまま共重合反応に用いることができる傾向にある。また、本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂としては、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、このような分子量分布であるとき、再縮合生成物の数平均分子量としては、600〜2500であることが好ましく、1000〜2000であることがより好ましい。なお、本発明において、前記分子量分布及び前記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)(装置名:HLC−8320GPC(東ソー株式会社製)、溶媒:テトラヒドロフラン、カラム:TSKgel SuperH―RC(東ソー株式会社製)、温度:40℃、速度:0.6ml/min)を用いて測定され、標準ポリスチレン(商品名:TSKstandardPOLYSTYRENE、東ソー株式会社製)により換算することにより求められる。
本発明に係る芳香族ジオール化合物(B)としては、p−フェニレン、m−フェニレン、スルホニルジフェニレン、及びカルボニルジフェニレンからなる群より選択されるいずれか一種の2価の芳香族炭化水素基に、2個のフェノール性水酸基が結合した構造を有する化合物であることが好ましい。このような芳香族ジオール化合物(B)としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールS(4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン)、ビスフェノ−ルK(4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン)、ビスフェノールA、ビスフェノールF、メチルハイドロキノン、クロロハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジクロロビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、ビスフェノールACP、ビスフェノールL、ビスフェノールV等が挙げられる。中でも、入手が容易であるという観点から、ビスフェノールAが好ましい。また、本発明に係る芳香族ジオール化合物(B)としては1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る重合触媒(C)としては、第三アミン化合物、第四アンモニウム化合物、第三ホスフィン化合物及び第四ホスホニウム化合物からなる群より選択される少なくとも一種の重合触媒であることが必要である。このような重合触媒(C)を用いることにより、エポキシ化合物である前記かご型シルセスキオキサン樹脂(A)とジオール化合物である芳香族ジオール化合物(B)との共重合体が得られる。
前記第三アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、トリベンジルアミン等が挙げられる。
前記第四アンモニウム化合物としては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム、水酸化テトライソプロピルアンモニウム、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、水酸化トリエチルベンジルアンモニム等の水酸化第四アンモニウム化合物;塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラn−プロピルアンモニウム、塩化テトライソプロピルアンモニウム、塩化テトラn−ブチルアンモニウム、塩化トリメチルベンジルアンモニウム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム等の塩化第四アンモニウム化合物;臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラn−プロピルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラn−ブチルアンモニウム、臭化トリメチルベンジルアンモニウム、臭化トリエチルベンジルアンモニウム等の臭化第四アンモニウム化合物;沃化テトラメチルアンモニウム、沃化テトラエチルアンモニウム、沃化テトラn−プロピルアンモニウム、沃化テトライソプロピルアンモニウム、沃化テトラn−ブチルアンモニウム、沃化トリメチルベンジルアンモニウム、沃化トリエチルベンジルアンモニウムなどの沃化第四アンモニウム化合物等が挙げられる。
前記第三ホスフィン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリn−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリノニルフェニルホスフィン等が挙げられる。。
前記第四ホスホニウム化合物としては、例えば、水酸化テトラメチルホスホニウム等の水酸化第四ホスホニウム化合物;塩化テトラメチルホスホニウム、塩化テトラn−ブチルホスホニウム、塩化テトラフェニルホスホニウム、臭化テトラn−ブチルホスホニウム、臭化メチルトリフェニルホスホニウム、臭化エチルトリフェニルホスホニウム、臭化n−ブチルトリフェニルホスホニウム(ブチルトリフェニルホスホニウムブロミド)等のハロゲン化第四ホスホニウム化合物;エチルトリフェニルホスホニウムアセテート等の酢酸第四ホスホニウム化合物などが挙げられる。
これらの重合触媒(C)の中でも、穏やかに重合が進行し、高分子量の共重合体が得られるという観点から、臭化n−ブチルトリフェニルホスホニウム等の第四ホスホニウム化合物が好ましい。また、本発明に係る重合触媒(C)としては、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の製造方法においては、前記芳香族ジオール化合物(B)の水酸基の数(芳香族ジオール化合物の仕込み量(g)/水酸基当量(g/eq))と、前記かご型シルセスキオキサン樹脂(A)のエポキシ基の数(かご型シルセスキオキサン樹脂の仕込み量(g)/エポキシ当量(g/eq))との比(水酸基の数:エポキシ基の数)が、0.5:1〜1.3:1であることが好ましい。前記水酸基の数の割合が前記下限未満の場合には未反応のエポキシ基が多数残留する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には未反応の水酸基が多数残留する傾向にある。また、前記比(水酸基の数:エポキシ基の数)としては、未反応残基を低減するという観点から、1.2:1〜1:1.2であることがより好ましい。
なお、前記エポキシ当量はJISK7236に基づいた方法により求めることができる。また、前記水酸基当量(水酸基価ともいう)は、JISK0070に基づいた方法により求めることができる。
前記重合触媒(C)の使用量としては、前記芳香族ジオール化合物(B)1モルに対して、0.001〜10モル%であることが好ましく、0.005〜5モル%であることがより好ましい。重合触媒(C)の使用量が前記下限未満の場合には重合反応速度が遅く非経済的となる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には重合反応速が早く反応を制御することが困難となる傾向にある。
本発明の製造方法においては、前記かご型シルセスキオキサン樹脂(A)、前記芳香族ジオール化合物(B)及び前記重合触媒(C)を混合して加熱することにより、前記かご型シルセスキオキサン樹脂(A)におけるエポキシ基と、前記芳香族ジオール化合物(B)における水酸基とを重合反応せしめて、前記かご型シルセスキオキサン樹脂(A)及び前記芳香族ジオール化合物(B)からなる共重合体を得る。
前記重合反応においては、更に重合溶媒を加えてもよい。前記重合溶媒としては、終始反応系を均一に保持できる溶媒であることが好ましく、例えば、トルエン、クロルベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソプロピルケトン、アセトフェノン、N,N−ジメチルフォルムアマイド、N,N−ジメチルアセトアマイド、N‐メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ピリジン等の非プロトン性有機溶剤が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。このような重合溶媒を用いる場合、その含有量は、重合反応させる混合物全体において50質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。含有量が前記上限を超える場合には溶媒の割合が多くなり重合反応が遅くなるため、経済的に不利になる傾向にある。
なお、前記重合触媒(C)の添加時期は特に制限されず、反応混合物を加熱する前から添加してもよいし、反応混合物が所定の温度に達してから添加してもよい、また、前記重合触媒(C)の添加方法も特に制限されず、前記重合触媒(C)を単独で添加してもよいし、前記重合溶媒に溶解した溶液を添加してもよい。
前記重合反応としては、不活性ガス雰囲気下において行うことが好ましい。前記不活性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。また、前記加熱温度としては、100〜140℃の範囲であることが必要である。温度が前記下限未満の場合には前記かご型シルセスキオキサン樹脂(A)及び前記芳香族ジオール化合物(B)が重合せず、かご型シルセスキオキサン共重合体を得ることが困難である。他方、前記上限を超える場合には、硬化性官能基の架橋反応やシロキサン結合の分解反応等の副反応が生じやすい。
また、本発明の製造方法においては、前記重合反応の反応時間を調整するだけで容易に且つ任意にかご型シルセスキオキサン共重合体の重量平均分子量を調整することができ、目的に応じた設計が可能である。このような反応時間としては、0.5〜20時間であることが好ましく、0.5〜15時間であることがより好ましく、0.5〜10時間であることがさらに好ましい。反応時間が前記下限未満の場合には、触媒の添加量にもよるが、目的の分子量のかご型シルセスキオキサン共重合体を得ることが困難となる傾向にある。他方、前記上限を超える場合には、硬化性官能基の架橋反応やシロキサン結合の分解反応等の副反応が生じる傾向にあり、また、経済的にも不利となる傾向にある。さらに、前記重合反応は、常圧下で行っても加圧下で行ってもよいが、重合設備が安価になり経済的であるという観点から、本発明では常圧下で反応を行うことが好ましい。
このような重合反応により得られた反応生成物中には、本発明に係るかご型シルセスキオキサン共重合体が得られる。このようなかご型シルセスキオキサン共重合体の含有量としては、反応生成物中に60質量%以上であることが好ましい。また、前記かご型シルセスキオキサン共重合体としては、重量平均分子量が5000〜500000であることが好ましく、7000〜400000であることがより好ましい。重量平均分子量が前記下限未満の場合には未反応のかご型シルセスキオキサン樹脂(A)及び芳香族ジオール化合物(B)が多数残留する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には得られる硬化物のハンドリング性が低下し成形が困難となる傾向にある。
なお、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)(装置名:HLC−8320GPC(東ソー株式会社製)、溶媒:テトラヒドロフラン、カラム:TSKgel SuperH―RC(東ソー株式会社製)、温度:40℃、速度:0.6ml/min)を用いて測定され、標準ポリスチレン(TSKstandardPOLYSTYRENE、東ソー株式会社製)により換算することにより求められる。
本発明のかご型シルセスキオキサン共重合体は、下記一般式(7):
で表わされることを特徴とするものである。本発明のかご型シルセスキオキサン共重合体は、前記本発明のかご型シルセスキオキサン共重合体の製造方法により得ることができる。
前記式(7)中、R、R、Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ上記式(1)中のR、R、Rと同義である。また、前記式(7)中、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ下記一般式(8):
[式(8)中、iは1〜3の整数を示す。]
で表わされる2価の基又は下記一般式(9):
[式(9)中、jは1〜3の整数を示す。]
で表わされる2価の基を示す。前記Rは、前記かご型シルセスキオキサン樹脂(A)に由来するかご型シルセスキオキサン骨格と前記芳香族ジオール化合物(B)とを連結する基である。このようなRとしては、原料の入手が容易であるという観点から、上記一般式(8)で表わされる基がより好ましい。
さらに、前記式(7)中、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ2価の芳香族炭化水素基を示す。前記2価の芳香族炭化水素基とは、p−フェニレン、m−フェニレン、スルホニルジフェニレン、及びカルボニルジフェニレンからなる群より選択されるいずれか一種の基である。このような2価の芳香族炭化水素基としては、前記芳香族ジオール化合物(B)として挙げた化合物から2個の水酸基を除いた残基が挙げられる。
また、前記式(7)中、n、m、k及びpは、上記式(i)〜(iii)及び下記式(iv):
1≦p≦m ・・・(iv)
で表わされる条件を満たす整数である。また、Rは、下記一般式(10):
[式(10)中、R、R、R、R、n、m、k及びpは、前記R、前記R、前記R、前記R、前記n、前記m、前記k及び前記pとそれぞれ同義であり、前記n、前記mと前記pとの差、前記k及び前記pがそれぞれ2以上の場合には前記R、前記R、前記R、及び前記Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
で表わされる基又は水酸基を示す。
さらに、前記式(7)中、qは、3〜400の整数を示す。qの値が前記下限未満である場合には得られる硬化物の耐熱性、成形性が低下し、前記上限を超える場合には得られる硬化物のハンドリング性が低下し成形が困難となる。また、このようなqの値としては、得られる硬化物のハンドリング性がより優れるという観点から、5〜300であることが特に好ましい。
本発明のかご型シルセスキオキサン共重合体は、1分子中に少なくとも1以上の硬化性官能基を有し、エポキシ基を有することもできるため、硬化樹脂の耐熱性、熱安定性、耐薬品性、機械物性、成形性の向上に有効である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例において、GPC、H−NMRの測定は以下に示す方法により行った。
(GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ))
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)(装置名:HLC−8320GPC(東ソー株式会社製)、溶媒:テトラヒドロフラン、カラム:TSKgel SuperH―RC(東ソー株式会社製)、温度:40℃、速度:0.6ml/min)を用いて測定した。重量平均分子量は、標準ポリスチレン(TSKstandardPOLYSTYRENE、東ソー株式会社製)による換算値として求めた。
H−NMRの測定)
H−NMR測定器(機器名:JNM−ECA400(日本電子株式会社製)、溶媒:クロロホルム-d、温度:22.7℃、400MHz)を用いて測定した。得られた各構成単位のピークの積分値を求め、これらの比から各官能基に由来するピーク同士の積分比を決定した。
(合成例1)
先ず、撹拌機、滴下漏斗、温度計を備えた反応容器に、溶媒として2−プロパノール(IPA)180ml、トルエン360ml、塩基性触媒として5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)34.1gを入れた。次いで、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MTMS)(SZ6030、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)111.76g(0.45モル)及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GTMS)(KBM403、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)35.48g(0.15モル)を混合して滴下漏斗に入れ、前記反応容器内に、撹拌しながら室温(約25℃)で2時間かけて滴下した。滴下終了後、加熱することなくさらに2時間撹拌した。
撹拌後、反応容器から滴下漏斗を取り外して、新たに冷却管を備えた。反応容器内の溶液を70℃において3時間攪拌し、再縮合反応を行った。再縮合反応後の溶液(反応溶液)に中和剤として5%クエン酸水溶液11.4gを添加して10分攪拌した後、飽和食塩水で中性になるまで水洗した。次いで、無水硫酸マグネシウム10gを添加して脱水し、前記無水硫酸マグネシウムを濾別した後にロータリーエバポレーターにより濃縮することでシルセスキオキサン樹脂組成物を96.26g得た。この反応において、回収率は92%であり、得られたかご型シルセスキオキサン樹脂組成物は種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
得られたシルセスキオキサン樹脂組成物についてGPC測定を行い、得られたシルセスキオキサン樹脂組成物中に、次式(I):
[CH=C(CH)COOCSiO3/2[CHOCH−O−(CHSiO3/2・・・(I)
で表わされるかご型シルセスキオキサン樹脂が得られたことを確認した。また、得られたかご型シルセスキオキサン樹脂において、H−NMRによるピークの積分比から、全メタアクリロイル基の数と全グリシジル基の数との比は6:2であった。
(実施例1)
撹拌機、冷却管、温度計を備えた反応容器に、合成例1で得られたシルセスキオキサン樹脂組成物6.66g(かご型シルセスキオキサン樹脂として5.66g(9.3mmol)、エポキシ当量:717g/eq)とビスフェノールA1.05g(9.2mmol、水酸基当量:114g/eq)とを装入し(水酸基の数:エポキシ基の数=0.92:1.00)、120℃に加熱後、30分間攪拌してビスフェノールAを溶解した。次いで、反応容器に4%ブチルトリフェニルホスホニウムブロミドを0.077g(400ppm)装入し、120℃において3.5時間攪拌して反応生成物を得た。得られた反応生成物のGPCの結果を示すクロマトグラムを図1に示す。図1中、ピーク1はビスフェノールA、ピーク2はかご型シルセスキオキサン樹脂、ピーク3はかご型シルセスキオキサン共重合体を示す。図1に示すように、かご型シルセスキオキサン共重合体が得られていることが確認された。また、得られたかご型シルセスキオキサン共重合体の重量平均分子量は19200であった。
また、反応時間0.75、2、3、3.5時間における反応生成物についてそれぞれGPC測定を行った。各反応時間におけるビスフェノールA、かご型シルセスキオキサン樹脂及び生成物(かご型シルセスキオキサン共重合体)の各ピークの面積比率をそれぞれ表1に示す。表1に示すように、反応時間が経過するにつれてビスフェノールAとかご型シルセスキオキサン樹脂の面積比率が減少し、生成物の面積比率が増加していることから、目的とするかご型シルセスキオキサン共重合体が得られていることが確認された。
次いで、得られた反応生成物(反応時間:3.5時間)7.80gをトルエン100mlに溶解し、水を添加して洗浄した後、減圧蒸留により溶媒を除去して粘性液体を得た。得られた粘性液体を、テトラヒドロフラン(THF)30mlに溶解し、ヘキサン150mlに滴下して再沈澱を行い、反応生成物の精製を行った。精製後の反応生成物は4.34gであり、収率は56%であった。
精製後の反応生成物のGPCの結果を示すクロマトグラムを図2に示す。図2中、ピーク1はビスフェノールA、ピーク2はかご型シルセスキオキサン樹脂、ピーク3はかご型シルセスキオキサン共重合体を示す。図2に示すように、かご型シルセスキオキサン共重合体が得られていることが確認された。また、得られたかご型シルセスキオキサン共重合体の重量平均分子量は22600であった。なお、このとき、未反応のビスフェノールAは面積比率で2.8%であった。
また、精製後の反応生成物のH−NMRスペクトルを図3A〜図3Bに示す。図3A〜図3Bに示すように、アクリル基に由来するピーク(5.5ppm、6.0ppm)及び芳香環に由来するピーク(6.7ppm、7.0ppm)が検出され、この結果からも、得られた共重合体がかご型シルセスキオキサン樹脂とビスフェノールAとの共重合体であることが確認された。
(実施例2)
撹拌機、冷却管、温度計を備えた反応容器に、合成例1で得られたシルセスキオキサン樹脂組成物8.92g(かご型シルセスキオキサン樹脂として7.59g(12.4mmol)、エポキシ当量:718g/eq)、ビスフェノールA1.40g(12.2mmol、水酸基当量:114g/eq)及びキシレン2.58gを装入し(水酸基の数:エポキシ基の数=0.86:1.00)、120℃に加熱後、30分間攪拌してビスフェノールAを溶解した。次いで、反応容器に4%ブチルトリフェニルホスホニウムブロミドを0.103g(400ppm)装入し、120℃において8時間攪拌して反応生成物を得た。得られた反応生成物のGPCの結果を示すクロマトグラムを図4に示す。図4中、ピーク1はビスフェノールA、ピーク2はかご型シルセスキオキサン樹脂、ピーク3はかご型シルセスキオキサン共重合体を示す。図4に示すように、かご型シルセスキオキサン共重合体が得られていることが確認された。また、得られたかご型シルセスキオキサン共重合体の重量平均分子量は24500であった。
(比較例1)
4%ブチルトリフェニルホスホニウムブロミドを装入後の反応条件を90℃において4時間としたこと以外は実施例1と同様にして反応生成物を得た。得られた反応生成物のGPCの結果を示すクロマトグラムを図5に示す。図5中、ピーク1はビスフェノールA、ピーク2はかご型シルセスキオキサン樹脂を示す。図5に示すように、かご型シルセスキオキサン共重合体が得られないことが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、硬化性官能基及び芳香環を含有するかご型シルセスキオキサン骨格を有するかご型シルセスキオキサン共重合体、並びに、その製造方法であって、前記かご型シルセスキオキサン共重合体の構造を容易に制御することができる製造方法を提供することが可能となる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1):
    [RSiO3/2[RSiO3/2[RSiO3/2 ・・(1)
    {式(1)中、Rは、下記一般式(2)〜(4):
    −R−OCO−CR=CH ・・・(2)、
    −R−CR=CH ・・・(3)、
    −CH=CH ・・・(4)
    [式(2)〜(3)中、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキレン基又はフェニレン基を示し、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又はアルキル基を示す。]
    で表わされる基のうちのいずれか一種を示し、Rは、下記一般式(5):
    [式(5)中、iは1〜3の整数を示す。]
    で表わされる基又は下記一般式(6):
    [式(6)中、jは1〜3の整数を示す。]
    で表わされる基を示し、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基、水素原子、アルコキシ基及びアルキルシロキシ基からなる群より選択されるいずれか一種を示し、n、m及びkは、下記式(i)〜(iii):
    n≧1 ・・・(i)、
    m≧1 ・・・(ii)、
    n+m+k=h ・・・(iii)
    [式(iii)中、hは8、10、12及び14からなる群より選択されるいずれかの整数を示す。]
    で表わされる条件を満たす整数であり、前記n、前記m及び前記kがそれぞれ2以上の場合には前記R、前記R及び前記Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。}
    で表されるかご型シルセスキオキサン樹脂(A)と、
    芳香族ジオール化合物(B)とを、
    第三アミン化合物、第四アンモニウム化合物、第三ホスフィン化合物及び第四ホスホニウム化合物からなる群より選択される少なくとも一種の重合触媒(C)の存在下において、100〜140℃の温度条件で重合反応せしめてかご型シルセスキオキサン共重合体を得ることを特徴とするかご型シルセスキオキサン共重合体の製造方法。
  2. 前記重合反応において、前記芳香族ジオール化合物(B)の水酸基の数と、前記かご型シルセスキオキサン樹脂(A)のエポキシ基の数との比(水酸基の数:エポキシ基の数)が、0.5:1〜1.3:1であることを特徴とする請求項1に記載のかご型シルセスキオキサン共重合体の製造方法。
  3. 前記かご型シルセスキオキサン共重合体の重量平均分子量が5000〜400000であることを特徴とする請求項1又は2に記載のかご型シルセスキオキサン共重合体の製造方法。
  4. 下記一般式(7):
    {式(7)中、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ下記一般式(2)〜(4):
    −R−OCO−CR=CH ・・・(2)、
    −R−CR=CH ・・・(3)、
    −CH=CH ・・・(4)
    [式(2)〜(3)中、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキレン基又はフェニレン基を示し、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又はアルキル基を示す。]
    で表わされる基のうちのいずれか一種を示し、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ下記一般式(5):
    [式(5)中、iは1〜3の整数を示す。]
    で表わされる基又は下記一般式(6):
    [式(6)中、jは1〜3の整数を示す。]
    で表わされる基を示し、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基、水素原子、アルコキシ基及びアルキルシロキシ基からなる群より選択されるいずれか一種を示し、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ下記一般式(8):
    [式(8)中、iは1〜3の整数を示す。]
    で表わされる2価の基又は下記一般式(9):
    [式(9)中、jは1〜3の整数を示す。]
    で表わされる2価の基を示し、Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ2価の芳香族炭化水素基を示し、n、m、k及びpは、下記式(i)〜(iv):
    n≧1 ・・・(i)、
    m≧1 ・・・(ii)、
    n+m+k=h ・・・(iii)、
    1≦p≦m ・・・(iv)
    [式(iii)中、hは8、10、12及び14からなる群より選択されるいずれかの整数を示す。]
    で表わされる条件を満たす整数であり、Rは、下記一般式(10):
    [式(10)中、R、R、R、R、n、m、k及びpは、前記R、前記R、前記R、前記R、前記n、前記m、前記k及び前記pとそれぞれ同義であり、前記n、前記mと前記pとの差、前記k及び前記pがそれぞれ2以上の場合には前記R、前記R、前記R、及び前記Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
    で表わされる基又は水酸基を示し、qは、3〜400の整数を示す。}
    で表されることを特徴とするかご型シルセスキオキサン共重合体。
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