JP2013091703A - 樹脂組成物、それを用いた樹脂成形体、及び樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、それを用いた樹脂成形体、及び樹脂成形体の製造方法 Download PDF

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恵 佐藤
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Abstract

【課題】優れた表面硬度の樹脂成形体を得る樹脂組成物、成形体、及び製造方法を提供する。
【解決手段】(A)式(1):[RSiO3/2[RSiO3/2[RSiO3/2・・(1){Rは、アルケニル基を有する有機基、Rは、エポキシ基を有する有機基、Rはアルキル基等、n、m及びkは、式:n≧1(i)、m≧1(ii)、n+m+k=h(iii)[式(iii)中、hは8、10、12及び14からなる群から選択されるいずれかの整数]で表わされる条件を満たす整数}のかご型シルセスキオキサン樹脂と、(B)カチオン重合開始剤と、(C)ラジカル重合開始剤と、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、それを用いた樹脂成形体、及び樹脂成形体の製造方法に関する。
プラスチック材料は優れた力学特性を有すると共に優れた成型性・軽量性を有しており、その特性を活かして、光学部品、自動車部品、建材、シート素材等の様々な用途に用いられている。しかしながら、一般的なプラスチック材料は無機ガラス等の無機材料と比べると表面硬度、バリア性、耐薬品性、難燃性、耐熱性等が劣るといった欠点を有しており、特に表面硬度が低く傷つきやすいことから、実用的な展開が大きく制限されていた。
従って、このような欠点を補うことを目的として、前記プラスチック材料の表面にコート方法等により有機系物質の薄膜からなるハードコート層を形成させたり、真空蒸着法やスパッタリング方法等により金属酸化物の薄膜からなるハードコート層を形成させたりする方法が開発されており、このようなハードコート層の材料としては、生産性やコストの観点から、シリコーン系、アクリレート系、有機・無機ハイブリッド系等の有機系ハードコート材料が注目されている。また、前記有機系ハードコート材料の中でも、手軽にハードコート層が得られ、且つ基板である前記プラスチック材料との密着性が高いという観点からは紫外線硬化型のものが汎用されている。
前記有機系ハードコート材料を用いて前記ハードコート層を形成する方法としては、前記プラスチック材料の表面に前記ハードコート材料を塗布して硬化せしめる前記コート方法の他に、先ずハードコート層(ハードコートフィルム)を作製してこれを前記プラスチック材料と貼り合わせるラミネート方法、及び、前記ハードコートフィルムをプラスチック成型用の金型内面に装着し、そこに前記プラスチック材料を射出し、プラスチック材料の成型と同時に成型品の表面にハードコートを転写するフィルムインモールド成型方法が挙げられる。近年では、生産性やコストの観点から、前記フィルムインモールド成型方法の需要が広がっており、例えば、携帯電話やパソコン等の筐体、自動車内装の加工にも使用されている。なお、前記ハードコートフィルムとしては、基材となるフィルムにハードコート材料を塗工し、これを前記プラスチック材料と共に一体成型するものや、剥離処理が施された離型フィルムにハードコート材料を塗工し、成型加工後に離型フィルムを取り除くものがある。
近年、例えば、自動車分野においては、CO排出規制のための軽量化を目的として窓のプラスチック化が進められており、より優れた表面硬度を有するハードコート層が必要となっている。このようなハードコート層の表面硬度を向上させることを目的としたハードコート材料としては、特開2011−6620号公報(特許文献1)において、アルコキシシラン化合物、弾性ゴム粒子、光酸発生剤又は光塩基発生剤、及び光ラジカル重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性組成物が記載されており、特開2011−001456号公報(特許文献2)において、ポリオルガノシロキサン、カチオン重合開始剤を含有する熱又は活性エネルギー線硬化性組成物が記載されている。
また、例えば、光学分野においては、昨今の携帯電話機器に代表されるように、機器の軽量化、ディスプレイが露出した製品形状の市場拡大、さらに意匠性による差別化を図るため、特に前記フィルムインモールド成型方法の需要が広がっており、所望する形状に適応可能な屈曲性や成形性を有するハードコート層の開発が求められている。このようなハードコート層の屈曲性等を向上させることを目的としたハードコート材料としては、特開2011−088962号公報(特許文献3)において、エポキシ(メタ)アクリレート、光ラジカル重合開始剤、及び防汚剤を含有する紫外線硬化型ハードコート樹脂組成物が記載されている。
しかしながら、上記特許文献1〜2に記載されている樹脂組成物からなるハードコート用樹脂硬化物においては、表面硬度はある程度向上しているものの、フィルムの伸度が小さいために前記フィルムインモールド成型方法のような成型方法に用いることが困難である。また、上記特許文献3に記載されている樹脂組成物からなるハードコート成型物においては、表面硬度が未だ十分ではないという問題を有していた。このように、従来のハードコート層等に用いられる樹脂成形体においては、表面硬度を高くしようとすると伸度が小さくなって柔軟性に欠けるため成型性が低下し、他方、所望の形状に成型するために柔軟性を向上させようとすると十分な表面硬度が達成されないという問題を有していた。
特開2011−006620号公報 特開2011−001456号公報 特開2011−088962号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、所望の形状を有し且つ優れた表面硬度を有する樹脂成形体を容易に得ることができる樹脂組成物、これを重合せしめて得られる樹脂成形体、及び樹脂成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、アクリル基等の炭素−炭素二重結合を有する基(以下、場合によりラジカル硬化性官能基という)及びエポキシ基を有する特定のかご型シルセスキオキサン樹脂の前記エポキシ基をカチオン重合せしめることにより、優れた伸度を有する高伸度樹脂成形体が得られることを見出した。また、前記ラジカル硬化性官能基をラジカル重合せしめることにより、優れた表面硬度を有する高硬度樹脂成形体が得られることを見出した。これらの知見に基づき、本発明者らは、前記かご型シルセスキオキサン樹脂とカチオン重合開始剤とラジカル重合開始剤とを含有する樹脂組成物をカチオン重合及びラジカル重合により硬化せしめることにより、成型性に優れた高伸度樹脂成形体及び高硬度樹脂成形体がそれぞれ得られることを見出した。また、前記高伸度樹脂成形体をさらにラジカル重合せしめることにより高硬度樹脂成形体を得られることを見出した。
さらに、本発明者らは、このような樹脂組成物を用いることにより、例えば、先ずカチオン重合せしめて得られる前記高伸度樹脂成形体を所望の形状に成型し、次いで、これをさらにラジカル重合せしめて表面硬度を向上させることにより、所望の形状を有する高硬度の樹脂成形体を容易に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の樹脂組成物は、
(A)下記一般式(1):
[RSiO3/2[RSiO3/2[RSiO3/2 ・・(1)
{式(1)中、Rは、下記一般式(2)〜(4):
−R−OCO−CR=CH ・・・(2)
−R−CR=CH ・・・(3)
−CH=CH ・・・(4)
[式(2)〜(3)中、Rは、それぞれ独立にアルキレン基又はフェニレン基を示し、Rは、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。]
で表わされる基のうちのいずれか1種を示し、Rは、下記一般式(5):
Figure 2013091703
[式(5)中、iは1〜3の整数を示す。]
で表わされる基又は下記一般式(6):
Figure 2013091703
[式(6)中、jは1〜3の整数を示す。]
で表わされる基を示し、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基、水素原子、アルコキシ基及びアルキルシロキシ基からなる群から選択されるいずれか1種を示し、n、m及びkは、下記式(i)〜(iii):
n≧1 ・・・(i)
m≧1 ・・・(ii)
n+m+k=h ・・・(iii)
[式(iii)中、hは8、10、12及び14からなる群から選択されるいずれかの整数を示す。]
で表わされる条件を満たす整数であり、前記n、前記m及び前記kがそれぞれ2以上の場合には前記R、前記R及び前記Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。}
で表されるかご型シルセスキオキサン樹脂と、
(B)カチオン重合開始剤と、(C)ラジカル重合開始剤と、を含有することを特徴とするものである。
前記本発明の樹脂組成物としては、前記(B)カチオン重合開始剤が熱重合開始剤であり、前記(C)ラジカル重合開始剤が光重合開始剤であることが好ましい。また、前記本発明の樹脂組成物としては、(D)エポキシ基及び/又は(メタ)アクリル基を有する化合物をさらに含有することが好ましい。
また、本発明の樹脂成形体は、前記本発明の樹脂組成物をカチオン重合及び/又はラジカル重合せしめたものであることを特徴とするものである。前記本発明の樹脂成形体としては、前記樹脂組成物を60〜150℃で加熱して熱カチオン重合せしめたものであることが好ましい。また、前記樹脂組成物に紫外線を照射して光ラジカル重合せしめたものであることも好ましい。さらに、前記本発明の樹脂成形体としては、60〜150℃で加熱して熱カチオン重合せしめた後に紫外線を照射して光ラジカル重合せしめたものであることが好ましい。
さらに、本発明の樹脂成形体の製造方法は、前記本発明の樹脂組成物を60〜150℃で加熱して熱カチオン重合せしめた後に紫外線を照射して光ラジカル重合せしめることにより樹脂成形体を得ることを特徴とするものである。
なお、本発明の構成によって前記目的が達成される理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の樹脂組成物においては、第1に、エポキシ基をカチオン重合開始剤を用いて重合せしめるが、エポキシ基同士の架橋密度は低いために優れた伸度を有する高伸度樹脂成形体が得られると本発明者らは推察する。また、本発明の樹脂組成物においては、第2に、アクリル基等のラジカル硬化性官能基をラジカル重合開始剤を用いて重合せしめるが、このようなラジカル硬化性官能基同士の架橋密度は高いために優れた表面硬度を有する上記高硬度樹脂成形体が得られると本発明者らは推察する。
従って、前記高伸度樹脂成形体と前記高硬度樹脂成形体とを制御して得ることができるため、本発明の樹脂組成物は、例えば、前記フィルムインモールド成型方法に用いるハードコート材料として好適に用いることができる。すなわち、先ず本発明の樹脂組成物をカチオン重合せしめて得られる前記高伸度樹脂成形体をプラスチック成型用の金型に装着し、ここにプラスチック材料を射出して成型せしめた後、さらにラジカル重合せしめて表面硬度を向上させることにより、所望の形状を有し、且つ、優れた表面硬度を有する樹脂成形体を容易に得ることができる。
本発明によれば、所望の形状を有し且つ優れた表面硬度を有する樹脂成形体を容易に得ることができる樹脂組成物、これを重合せしめて得られる樹脂成形体、及び樹脂成形体の製造方法を提供することが可能となる。
合成例1で得られた樹脂混合物1のGPCの結果を示すクロマトグラムである。 合成例2で得られた樹脂混合物2のGPCの結果を示すクロマトグラムである。 合成例3で得られた樹脂混合物3のGPCの結果を示すクロマトグラムである。 合成例4で得られた樹脂混合物4のGPCの結果を示すクロマトグラムである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。先ず、本発明の樹脂組成物について説明する。
本発明の樹脂組成物は、(A)かご型シルセスキオキサン樹脂と、(B)カチオン重合開始剤と、(C)ラジカル重合開始剤と、を含有することを特徴とする。
<(A)かご型シルセスキオキサン樹脂>
本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂は、下記一般式(1):
[RSiO3/2[RSiO3/2[RSiO3/2 ・・(1)
で表わされる。前記式(1)中、Rは、下記一般式(2)〜(4):
−R−OCO−CR=CH ・・・(2)
−R−CR=CH ・・・(3)
−CH=CH ・・・(4)
で表わされる基のうちのいずれか1種のラジカル硬化性官能基を有する基を示す。本発明において、前記ラジカル硬化性官能基とは、炭素−炭素二重結合を有しており、ラジカル重合により架橋される基のことを指す。前記式(2)〜(3)中、Rは、それぞれ独立にアルキレン基又はフェニレン基を示す。前記アルキレン基としては、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、樹脂成形体を製造した場合に結合距離が短く熱的に安定となるという観点から、炭素数が1〜3であることが好ましい。前記フェニレン基としては、例えば、無置換フェニレン基に加えて、低級アルキル基を有する1,2−フェニレン等が挙げられる。これらの中でも、前記Rとしては、原料の入手が容易であるという観点から、炭素数が1〜3のアルキレン基が好ましく、ラジカル重合によりより架橋密度が高い樹脂成形体が得られるという観点から、プロピレン基がより好ましい。
また、前記式(2)〜(3)中、Rは、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。前記アルキル基としては、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、ラジカル重合の反応性がより優れるという観点から、炭素数が1〜3であることが好ましい。このようなRとしては、ラジカル重合の反応性がさらに優れるという観点から、メチル基がより好ましい。
本発明においては、このようなラジカル硬化性官能基を有するかご型シルセスキオキサン樹脂を用いることにより、優れた表面硬度を有すると共に、優れた耐熱性、耐候性、及び光学特性を有する樹脂成形体をラジカル重合によって得ることが可能となる。このようなRとしては、原料の入手が容易であり樹脂成形体を得る際のラジカル重合の反応性が高いという観点から、メタクリロキシプロピル基がより好ましい。
また、前記式(1)中、Rは、下記一般式(5):
Figure 2013091703
[式(5)中、iは1〜3の整数を示す。]
で表わされる基又は下記一般式(6):
Figure 2013091703
[式(6)中、jは1〜3の整数を示す。]
で表わされる基を示す。本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂はこのようなエポキシ基(OCC−C−)を有するため、カチオン重合せしめることができ、十分に優れた伸度を有し、変形量の大きい形状にも成型可能な低伸度樹脂成形体を得ることができる。このようなRとしては、原料の入手が容易でるという観点から、グリシドキシプロピル基、エポキシシクロヘキシル基がより好ましい。
さらに、前記式(1)中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基、水素原子、アルコキシ基及びアルキルシロキシ基からなる群から選択されるいずれか1種を示す。前記アルキル基としては、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、かご型シルセスキオキサンの骨格を得ることが容易であるという観点から、炭素数が2〜10の鎖状アルキル基であることが好ましい。前記シクロアルキル基としては、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルエチル基等が挙げられ、中でも、入手が容易であるという観点から、シクロヘキシル基が好ましい。前記シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられ、中でも、入手が容易であるという観点から、シクロペンテニル基が好ましい。また、前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピル基等が挙げられ、中でも、反応性が高いという観点から、メトキシ基が好ましい。さらに、前記アルキルシロキシ基としては、例えば、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基、ジメチルシロキシ基、t−ブチルジメチルシロキシ基等が挙げられる。これらの中でも、前記Rとしては、かご型シルセスキオキサンの骨格を得ることが容易であるという観点から、炭素数が2〜10のアルキル基、フェニル基がより好ましい。
さらに、前記式(1)中、n、m及びkは、下記式(i)〜(iii):
n≧1 ・・・(i)
m≧1 ・・・(ii)
n+m+k=h ・・・(iii)
[式(iii)中、hは8、10、12及び14からなる群から選択されるいずれかの整数を示す。]
で表わされる条件を満たす整数を示す。前記nが前記式(i)で表わされる条件を満たすことにより、本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂は1つ以上のラジカル硬化性官能基を有するため、ラジカル重合せしめることができ、また、重合による架橋間距離が短くなって架橋密度が大きくなるため、十分に優れた表面硬度を有する樹脂成形体を得ることが可能となる。また、前記mが前記式(ii)で表わされる条件を満たすことにより、本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂は1つ以上のエポキシ基を有するため、カチオン重合せしめることができ、十分に優れた伸度を有する高伸度樹脂成形体を得ることが可能となる。さらに、前記n、m及びkが前記式(iii)で表わされる条件を満たすことにより、本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂はほぼ完全に縮合したかご型構造となるため、剛直な構造を有する架橋構造を形成することができ、表面硬度が優れる樹脂成型体を得ることができ、さらに、2種以上の官能基を樹脂中に容易に導入することが可能となる。なお、前記n、前記m及び前記kがそれぞれ2以上の場合には前記R、前記R及び前記Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
また、本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂において、前記nと前記mとの比(n:m)としては、1:1〜13:1であることが好ましく、8:3〜13:1であることがより好ましい。前記nの数が前記下限未満の場合には樹脂成形体の架橋密度が減少して表面硬度が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合にはエポキシ基の割合が減るためカチオン重合により得られる樹脂成形体の強度が低下する傾向にある。また、樹脂成型体の架橋密度が増加して表面硬度がより向上する傾向にあるという観点から、前記nと前記mとの合計に対する前記kの比(n+m:k)としては、1:0〜1:1であることが好ましく、kは0であることがより好ましい。
なお、本発明において、前記nと前記mとの比(n:m)、すなわち、前記かご型シルセスキオキサン樹脂におけるラジカル硬化性官能基の数とエポキシ基の数との比は、H−NMR(機器名:JNM−ECA400(日本電子株式会社製)、溶媒:クロロホルム−d、温度:22.7℃、400MHz)を用いて測定されたラジカル硬化性官能基及びエポキシ基のピークの積分比から求めることができる。
また、本発明の樹脂組成物としては、前記かご型シルセスキオキサン樹脂のうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このようなかご型シルセスキオキサン樹脂を得る方法としては、例えば、下記一般式(7):
SiX ・・・(7)
[式(7)中、Rは、上記一般式(1)中のRと同義であり、Xはアルコキシ基、アセトキシ基、ハロゲン原子及びヒドロキシ基からなる群より選択されるいずれか1種の加水分解性基を示す。]
で表わされるケイ素化合物(a)、下記一般式(8):
SiX ・・・(8)
[式(8)中、Rは、上記一般式(1)中のRと同義であり、Xは上記一般式(7)中のXと同義である。]
で表わされるケイ素化合物(b)、及び下記一般式(9):
SiX ・・・(9)
[式(9)中、Rは、上記一般式(1)中のRと同義であり、Xは上記一般式(7)中のXと同義である。]
で表わされるケイ素化合物(c)を、水と有機極性溶媒と有機非極性溶媒とからなる混合溶媒及び塩基性触媒存在下で加水分解せしめると共に縮合せしめることにより得ることができる。
前記ケイ素化合物(a)としては、例えば、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。これらの中でも、原料の入手が容易であるという観点から、前記ケイ素化合物(a)としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。前記ケイ素化合物(a)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ケイ素化合物(b)としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシランが好ましい。前記ケイ素化合物(b)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ケイ素化合物(c)としては、例えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン等が挙げられる。前記ケイ素化合物(c)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ケイ素化合物(a)、前記ケイ素化合物(b)及び前記ケイ素化合物(c)の混合比としては、混合モル比(a:b:c)が下記式(vi):
a:b:c=n:m:k ・・・(vi)
[式(vi)中、n、m及びkは上記式(1)中のn、m及びkと同義である。]
で表わされることが好ましい。また、得られるかご型シルセスキオキサン樹脂においてラジカル硬化性官能基の数とエポキシ基の数との比(全ラジカル硬化性官能基数:全エポキシ基数)が好ましい範囲(1:1〜13:1(より好ましくは8:3〜13:1))になる傾向にあるという観点から、前記nと前記mとの比(n:m)としては、1:1〜13:1(であることがさらに好ましく、8:3〜13:1であることが特に好ましい。また、前記nと前記mとの合計に対する前記kの比(n+m:k)としては、樹脂成型体の架橋密度が増加して表面硬度がより向上する傾向にあるという観点から、1:0〜1:1であることが好ましく、kが0であることがより好ましい。
前記混合溶媒において、前記水の量としては、前記ケイ素化合物(a)〜(c)における加水分解性基を加水分解するのに十分な質量以上であればよく、前記ケイ素化合物(a)〜(c)の質量から算出される加水分解性基の数の理論量(モル)の1.0〜1.5倍モルに相当する質量であることが好ましい。なお、前記水としては、後述する塩基性触媒の水溶液に含有される水をそのまま用いてもよい。
前記混合溶媒において、前記有機極性溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類;アセトン;テトラヒドロフラン等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、効率的にかご型シルセスキオキサン骨格を形成するという観点から、水と溶解性のある炭素数1〜6の低級アルコール類を用いることが好ましく、2−プロパノールを用いることがより好ましい。
前記混合溶媒において、前記有機非極性溶媒としては、水と溶解性が無いか、又はほとんど無いものであればよいが、生産性の観点からは、炭化水素系溶媒であることが好ましい。前記炭化水素系溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の沸点の低い非極性溶媒が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、沸点が低いために作業が容易になるという観点から、トルエンを用いることがより好ましい。
前記混合溶媒において、前記有機極性溶媒と前記有機非極性溶媒との混合比(有機極性溶媒:有機非極性溶媒(質量比))としては、1:0.1〜1:10であることが好ましく、1:1〜1:3であることがより好ましい。前記有機極性溶媒の含有量が前記下限未満である場合には、反応系が均一にならず、加水分解反応が十分に進行せずに未反応の加水分解性基が残存する傾向にある。他方、前記上限を超える場合には、かご型シルセスキオキサン骨格形成の効率が低下し、得られる生成物が高分子量化する傾向にある。また、前記混合溶媒の使用量としては、前記ケイ素化合物(a)〜(c)のモル濃度(モル/リットル:M)が0.01〜10Mの範囲となる量であることが好ましい。
前記塩基性触媒としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド等の水酸化アンモニウム塩が挙げられる。本発明に係る塩基性触媒としては、これらのうちの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、触媒活性が高いという観点からテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを用いることが好ましい。このような塩基性触媒の量としては、前記ケイ素化合物(a)〜(c)の合計質量に対して0.1〜10質量%であることが好ましい。なお、前記塩基性触媒は、通常水溶液として使用されるため、この塩基性触媒の水溶液に含有される水を前記混合溶媒の水として用いてもよい。
前記加水分解において、反応時間としては2時間以上であることが好ましく、反応温度としては0〜50℃であることが好ましく、20〜40℃であることがより好ましい。前記反応時間及び反応温度が前記下限未満の場合には、加水分解性基が未反応の状態で残存してしまう傾向にある。他方、反応温度が前記上限を超える場合には、反応速度が速すぎるために複雑な縮合反応が進行し、結果として加水分解生成物の高分子量化が促進される傾向にある。
このような加水分解反応により得られる生成物中に目的とするかご型シルセスキオキサン樹脂を得ることができるが、本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂を得る方法としては、ランダムに縮合したシルセスキオキサンの含有量が低下し、目的とするかご型シルセスキオキサン樹脂をより高収率で得ることができる傾向にあるという観点から、前記加水分解反応後に、前記生成物を有機非極性溶媒及び塩基性触媒の存在下で加熱し、シロキサン結合を再縮合せしめる工程をさらに備えていることが好ましい。
前記再縮合において用いる有機非極性溶媒及び前記塩基性触媒としては、前記加水分解反応において挙げたものとそれぞれ同様のものを挙げることができ、前記加水分解反応において用いたものをそのまま用いてもよい。前記有機非極性溶媒としては、トルエンを用いることが好ましく、その使用量としては、前記生成物を溶解できる量であればよく、前記生成物の合計質量に対して0.1〜20倍の質量であることが好ましい。また、前記塩基性触媒としては、テトラアルキルアンモニウム等の非極性溶媒に可溶性の触媒を用いることが好ましく、その使用量としては、前記生成物の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。
前記再縮合の反応条件としては、反応温度が50〜90℃であることが好ましく、60〜80℃であることがより好ましい。反応温度が前記下限未満の場合には、再縮合反応をさせるために十分なドライビングフォースが得られず反応が進行しない傾向にある。他方、反応温度が前記上限を超える場合には、加水分解により置換されたOH基とエポキシ基とが重合反応するため、目的のかご型シルセスキオキサン樹脂を得ることが困難になる傾向にあり、重合禁止剤等を添加する必要が生じる傾向にある。また、前記再縮合の反応条件としては、反応時間が1〜10時間であることが好ましい。なお、本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂を得る方法としては、90℃を超えて加熱する工程を備えていないことが好ましい。90℃を超えて加熱すると前記生成物がゲル化してしまい目的のかご型シルセスキオキサン樹脂を得ることが困難となる傾向にある。
このような方法により本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂を含有する反応組成物を得ることができる。なお、このような反応組成物においては、本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂の他に、反応の副生成物として、複数種の不完全なかご型のシルセスキオキサン樹脂、はしご型シルセスキオキサン樹脂、ランダム型シルセスキオキサン樹脂等が含有される。このような反応組成物において、本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂の含有量としては、反応組成物をそのまま本発明の樹脂組成物に用いることができるという観点から、前記反応組成物全体に対して50質量%以上であることが好ましい。また、前記と同様の観点から、前記反応組成物において、本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂の含有量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したピーク面積の割合が50面積%以上であることが好ましい。
<(B)カチオン重合開始剤>
本発明に係るカチオン重合開始剤は前記かご型シルセスキオキサン樹脂の有するエポキシ基同士を選択的に重合せしめるため、本発明の樹脂組成物により優れた伸度を有し、変形量の大きい形状にも成形可能な高伸度樹脂成形体を得ることができる。前記カチオン重合開始剤としては、熱カチオン重合開始剤であっても光カチオン重合開始剤であってもよいが、前記高伸度樹脂成形体を選択的に得るために後述のラジカル重合開始剤と異なる重合形態であることが好ましく、且つ、プラスチックと共に成形する場合に成型後のプラスチックを加熱する必要がないという観点から、熱カチオン重合開始剤であることが好ましい。すなわち、本発明に係るカチオン重合開始剤が熱カチオン重合開始剤であり、後述のラジカル重合開始剤が光ラジカル重合開始剤である場合には、例えば、本発明の樹脂組成物をプラスチック材料と共に成型せしめる際において、先ず、熱カチオン重合せしめることにより高伸度樹脂成形体が選択的に得られる。次いで、これを成型用の金型に装着して前記プラスチック材料と共に成型せしめた後、紫外線を照射して光ラジカル重合せしめることにより樹脂成形体の表面硬度が向上するため、所望の形状を有し且つ優れた表面硬度を有する樹脂成形体を容易に得ることができる。さらに、この方法によれば、一般に熱可塑性であるプラスチックを成型後に加熱する必要がないため、本発明の樹脂組成物は、特にフィルムインモールド成型方法に用いるハードコート材料として好適に用いることができる。
前記熱カチオン重合開始剤としては、加熱によりブレンステッド酸、ルイス酸等のカチオン種を発生するものであればよく、例えば、オルガノシラン及び有機アルミニウム化合物触媒;スルホニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩;ヘテロポリ酸を用いることができる。また、前記カチオン種を発生する温度は触媒によって異なり、多くは50℃以上であるが、本発明に係る熱カチオン重合開始剤としては、常温での保存性に優れるという観点から、前記温度が100℃以上であることが好ましい。
前記オルガノシランとしては、具体的には、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリエチルシラン、プロポキシトリプロピルシラン、ブトキシトリブチルシラン、メトキシトリオクチルシラン、メトキシトリフェニルシラン、メトキシトリベンジルシラン、トリフェニルヒドロキシシラン等の1官能シラン化合物;ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジブチルシラン、ジプロポキシジプロピルシラン、ジメトキシジラウリルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシジベンジルシラン、メトキシベンジルオキシジプロピルシラン、メトキシ2−エチルヘキシルオキシジプロピルシラン、ジフェニルシランジオール等の2官能シラン化合物;トリメトキシメチルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリプロポキシプロピルシラン、トリメトキシステアリルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシベンジルシラン、メトキシジベンジルオキシプロピルシラン、メトキシトリヒドロキシシラン、フェニルトリヒドロキシシラン等の3官能シラン化合物;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、トリメトキシベンジルオキシシラン、ジメトキシジ2−エチルヘキシルシラン、テトラヒドロキシシラン等の4官能シラン化合物;上記した3官能シラン化合物及び/又は4官能シラン化合物の低縮合物(約2〜50量体);ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルプロピルトリメトキシシラン等の反応性珪素基含有エチレン性不飽和モノマー及び必要に応じてその他のラジカル重合性不飽和モノマーとの(共)重合体等が挙げられる。前記オルガノシランとしては、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組合せて用いてもよい。前記3官能シラン化合物及び/又は4官能シラン化合物の低縮合物(約2〜50量体)としては、市販のシリコーン樹脂を用いてもよく、反応性、入手の容易さから、トリフェニルシラノール、SH6018(東レシリコーン(株)製:水酸基当量400、分子量1600のメチフェニルポリシロキサン)等を用いることが好ましい。
前記有機アルミニウム化合物としては、アルコキシド、キレート化物等が挙げられ、具体的には、例えば、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウム−sec−ブチレート等のアルコキシド類、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(プロピルアセテート)アルミニウム、トリス(ブチルアセトアセテート)アルミニウム、プロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(プロピオニルアセトナト)アルミニウム、トリス(アセトアセトナト)アルミニウム等のケト・エノール互変異性体のキレート化合物等が挙げられる。前記有機アルミニウム化合物としては、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組合せて用いてもよい。これらの中でも、硬化性、経済性を考慮すると、前記有機アルミニウム化合物としては、アルミニウムトリイソプロポキシド、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、トリス(アセトアセトナト)アルミニウムが好ましい。
前記ホスホニウム塩としては、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルジベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−メトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3,5−ジニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、β−ナフチルメチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。このようなスルホニウム塩の市販品としては、例えば、サンエイドSI−L85、サンエイドSI−L110、サンエイドSI−L145、サンエイドSI−L160、サンエイドSI−H15、サンエイドSI−H20、サンエイドSI−H25、サンエイドSI−H40、サンエイドSI−H50、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−80、サンエイドSI−100(三新化学工業株式会社製)、CP−77(株式会社ADEKA製)、TA90、TA100、TA120(サンアプロ株式会社製)等が挙げられる。これらの中でも、入手の容易さから、サンエイドSI類、TA類、CP−77を用いることが好ましい。
前記ヘテロポリ酸とは、水中においてモリブデン(VI)イオンやタングステン(VI)イオン等からなるオキソ酸が重合して高分子のポリオキソ酸となる際において、同種のオキソ酸同士のみが重合するのではなく、あるオキソ酸の周りに別種のオキソ酸が重合することにより得られる化合物のことをいう。中心のオキソ酸を形成する元素をヘテロ元素、その周りで重合するオキソ酸の元素をポリ元素と呼ぶ。前記ヘテロ元素としては、Si、P、As、S、Fe、Co等が挙げられ、前記ポリ元素としては、Mo、W、V等が挙げられる。前記重合時においては前記ヘテロ元素に対する前記ポリ元素の数が多種類あるため、これらの組合わせにより、多くのヘテロポリ酸を得ることが可能である。本発明においてはこのようなヘテロポリ酸を特に制限なく使用することができるが、硬化性能、入手の容易さから、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸を用いることが好ましく、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸を用いることがより好ましい。また、前記ヘテロポリ酸としては、そのナトリウム塩、セシウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等も用いることができる。
<(C)ラジカル重合開始剤>
本発明に係るラジカル重合開始剤は前記かご型シルセスキオキサン樹脂の有するラジカル硬化性官能基同士を高い架橋密度で重合せしめるため、優れた表面硬度を有する樹脂成形体を得ることができる。前記ラジカル重合開始剤としては、熱ラジカル重合開始剤であっても光ラジカル重合開始剤であってもよいが、上述のように、前記カチオン重合開始剤と異なる重合形態であることが好ましく、且つ、プラスチックと共に成形する場合に成型後のプラスチックを加熱する必要がないという観点から、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
前記光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾイル系、ベンゾフェノン系、チオキサンソン系、アシルホスフィンオキサイド系のもの等が挙げられ、具体的には、トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、チオキサンソン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、カンファーキノン、ベンジル、アンスラキノン、ミヒラーケトン等が挙げられる。前記光ラジカル開始剤としては、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物において、前記かご型シルセスキオキサン樹脂の含有量としては、前記樹脂組成物100質量部に対して50〜99.9質量部であることが好ましい。前記含有量が前記下限未満である場合には樹脂成形体の表面硬度が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、硬化が不十分となり目的とする表面硬度を得ることが困難となる傾向にある。
また、本発明の樹脂組成物において、前記カチオン重合開始剤の含有量としては、前記樹脂組成物100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましい。前記含有量が前記下限未満である場合にはカチオン重合の反応速度が遅くなるため樹脂成形体の生産効率が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には得られる樹脂成形体の耐久性が低下する傾向にある。
さらに、前記カチオン重合開始剤の含有量としては、前記樹脂組成物中のエポキシ基の反応率を90%以上とすることができ、好適な伸度及び強度を有する高伸度樹脂成形体を得ることができる傾向にあるという観点から、前記樹脂組成物中のエポキシ基1モルに対して0.005〜0.04モル%となる含有量であることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物において、前記ラジカル重合開始剤の含有量としては、前記樹脂組成物100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましい。前記含有量が前記下限未満である場合にはラジカル重合の反応率が低下して架橋が不十分となるため得られる樹脂成形体の表面硬度が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えてラジカル重合開始剤を含有せしめてもさらなる反応率の向上は見込めないため経済的に不利となる傾向にある。
さらに、前記ラジカル重合開始剤の含有量としては、前記樹脂組成物中のラジカル硬化性官能基の反応率を70〜95%とすることができ、好適な表面硬度及び弾性を有する高硬度脂成形体を得ることができる傾向にあるという観点から、前記樹脂組成物中のラジカル硬化性反応基1モルに対して0.002〜0.02モル%となる含有量であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、このように前記(A)かご型シルセスキオキサン樹脂、前記(B)カチオン重合開始剤及び前記(C)ラジカル重合開始剤を含有しているため、カチオン重合されることで優れた伸度を有する高伸度樹脂成形体を得ることができるため所望の形状に成型することが可能となり、また、ラジカル重合されることで優れた表面硬度を有する高硬度樹脂成形体を得ることができる。
本発明の樹脂組成物としては、さらに成型性及び得られる樹脂成形体の表面硬度を向上させることができるという観点から、前記(A)かご型シルセスキオキサン樹脂以外の、(D)エポキシ基及び/又は(メタ)アクリル基を有する化合物をさらに含有していることが好ましい。このような化合物としては、前記かご型シルセスキオキサン樹脂からなる架橋構造に取り込まれるようにエポキシ基及び/又は(メタ)アクリル基を有する化合物が好ましい。
前記エポキシ基を有する化合物としては、例えば、分子内に2個以上のエポキシ基を有するグリシジル化合物、又は脂環式エポキシ化合物が好ましく、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、水添ビスフェノール型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、変性ノボラック型エポキシ化合物、トリスフェノールメタン型エポキシ化合物、ポリエチレングリコール型エポキシ化合物、トリメチロールプロパン型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物等が挙げられる。より具体的には、例えば、ビスフェノールA型グリシジルジエーテル、ビスフェノールF型グリシジルジエーテル、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、キシレンジオキセタン、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニルが挙げられる。
前記(メタ)アクリル基を有する化合物としては、例えば、分子内に2個以上の(メタ)アクリル基を有する多官能アクリレートが好ましく、具体的には、脂肪族アクリレート、脂環式アクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。より具体的には、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型EO変性ジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、フェノールノボラック型エポキシアクリレート、トリスフェノールメタン型エポキシアクリレート、ポリエチレングリコール型エポキシアクリレート、トリメチロールプロパン型エポキシアクリレート、ポリイソシアネートと水酸基を有するアクリレートとを反応させた多官能ウレタンアクリレート、ポリイソシアネートとポリオールと水酸基を有するアクリレートとを反応させた多官能ウレタンアクリレートが挙げられる。
前記エポキシ基及び(メタ)アクリル基を有する化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、エポキシシクロへキシル(メタ)アクリレート、エポキシノボラック樹脂アクリレート等が挙げられる。
本発明においては、本発明の樹脂組成物中のエポキシ基の全モル数が前記樹脂組成物100g中において0.04モル以上であることが好ましく、0.07〜0.3モルであることがより好ましい。前記エポキシ基の全モル数が前記下限未満である場合にはカチオン重合において十分な架橋が形成されず、得られる高伸度樹脂成形体の強度が低下してハンドリング性が低下する傾向にある。他方、前記上限を超える場合には十分な伸度が得られず成型性が低下する傾向にある。
また、本発明においては、本発明の樹脂組成物中のラジカル硬化性官能基の全モル数が前記樹脂組成物100g中において0.2モル以上であることが好ましく、0.3〜1.5モルであることがより好ましい。前記ラジカル硬化性官能基の全モル数が前記下限未満である場合にはラジカル重合において十分な架橋が形成されず、得られる樹脂成形体の表面硬度が低下する傾向にある。他方、前記上限を超える場合には硬化収縮が大きくなり成型体が変形する要因となる傾向にある。
従って、前記(D)エポキシ基及び/又は(メタ)アクリル基を有する化合物が本発明の樹脂組成物中にさらに含有される場合、その含有量としては、前記樹脂組成物中のエポキシ基の全モル数((A)及び(D)におけるエポキシ基の合計モル数)及びラジカル硬化性官能基の全モル数((A)及び(D)におけるラジカル硬化性官能基の全モル数)が上記範囲内となるように調整することが好ましい。
なお、本発明において、前記エポキシ基の含有量は、レーザーラマン分光光度計(日本分光(株)製、NRS−3100)を用いて、樹脂成形体中におけるエポキシ基由来の1240cm−1付近のピークを測定することにより求められる。また、前記ラジカル硬化性官能基の含有量は、赤外分光光度計(日本分光(株)製、FT/IR6000)を用いて、樹脂成形体中におけるラジカル硬化性官能基由来の6200cm−1付近のピークを測定することにより求められる。
さらに、前記(D)化合物が本発明の樹脂組成物中にさらに含有される場合、その含有量としては、前記(A)かご型シルセスキオキサン樹脂100質量部に対して100質量部以下であることが好ましい。前記含有量が前記上限を超える場合には成型に必要な伸度及び強度と樹脂成型体の表面硬度の両立が困難となる傾向にある。
また、本発明の樹脂組成物としては、本発明の効果を阻害しない範囲内において、各種添加剤をさらに含有していてもよい。前記添加剤としては、例えば、光開始助剤、鋭感剤、有機/無機フィラー、可塑剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、核剤、着色剤、架橋剤、分散助剤、樹脂成分等が挙げられる。
次いで、本発明の樹脂成形体及びその製造方法について説明する。本発明の樹脂成形体は、本発明の樹脂組成物をカチオン重合及び/又はラジカル重合せしめることにより得られるものである。
本発明においては、第1に、本発明の樹脂組成物をカチオン重合せしめることにより優れた伸度を有する本発明の樹脂成形体(高伸度樹脂成形体)が得られる。このような高伸度樹脂成形体は変形量の大きい形状にも成型可能であり、また、さらに後述のラジカル重合により高硬度の樹脂成形体を得ることができる。従って、前記高伸度樹脂成形体を先ず所望の形状に成型してからラジカル重合せしめることにより所望の形状を有し且つ優れた表面硬度を有する本発明の樹脂成形体(高硬度樹脂成形体)を得ることができる。
前記カチオン重合としては、加熱による熱重合であっても光照射による光重合であってもよいが、後述のラジカル重合をする場合には該ラジカル重合と異なる重合形態であることが好ましく、且つ、プラスチックと共に成形する場合に成型後のプラスチックを加熱する必要がないという観点から、熱カチオン重合であることが好ましい。
前記熱カチオン重合における加熱温度としては、例えば、後述の基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレ−ト等のポリエステルを用いる場合には、60〜150℃であることが好ましく、60〜120℃であることが好ましく、80〜120℃であることが特に好ましい。前記加熱温度が前記下限未満である場合には、用いる熱カチオン重合開始剤の貯蔵安定性が悪くなるため樹脂成形体の量産性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には前記基材フィルムが変形する傾向にある。
前記熱カチオン重合における加熱時間としては、前記樹脂組成物中のエポキシ基の含有量や前記カチオン重合開始剤の含有量に応じて適宜調整することができるが、5分〜4時間であることが好ましく、10分〜3時間であることがより好ましい。前記加熱時間が前記下限未満である場合にはエポキシ基が多く残存する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には生産効率が悪くなる傾向にある。
また、前記熱カチオン重合において、前記樹脂組成物中のエポキシ基の反応率は90%以上となることが好ましい。前記反応率が前記下限未満である場合には得られる高伸度樹脂成形体の強度が低下してハンドリング性が低下する傾向にある。なお、本発明において、このようなエポキシ基の反応率は、レーザーラマン分光光度計(日本分光(株)製、NRS−3100)を用いて、樹脂組成物中及び樹脂成形体中におけるエポキシ基由来の1240cm−1付近のピークを測定して比較することにより求められる。
本発明においては、第2に、本発明の樹脂組成物をラジカル重合せしめることにより優れた表面硬度を有する本発明の樹脂成形体(高硬度樹脂成形体)が得られる。このような高硬度樹脂成形体としては、所望の形状を有し且つ優れた表面硬度を有することができるという観点から、本発明の樹脂組成物から得られた前記本発明の高伸度樹脂成形体をさらにラジカル重合せしめることにより得られたものであることが好ましい。
また、前記ラジカル重合としては、加熱による熱重合であっても光照射による光重合であってもよいが、前記カチオン重合と異なる重合形態であることが好ましく、且つ、プラスチックと共に成形する場合に成型後のプラスチックを加熱する必要がないという観点から、光ラジカル重合であることが好ましい。
前記光ラジカル重合において、光照射の条件としては、波長10〜400nmの紫外線、波長400〜700nmの可視光線を照射することが好ましく、波長200〜400nmの近紫外線を照射することがより好ましい。また、積算露光量としては、2000〜10000mJ/cmであることが好ましい。前記光(紫外線)発生源としては、低圧水銀ランプ(出力:0.4〜4W/cm)、高圧水銀ランプ(40〜160W/cm)、超高圧水銀ランプ(173〜435W/cm)、メタルハライドランプ(80〜160W/cm)、パルスキセノンランプ(80〜120W/cm)、無電極放電ランプ(80〜120W/cm)等が挙げられる。
このように、本発明の樹脂組成物によれば高伸度の樹脂成形体及び高硬度の樹脂成形体を得ることができるため、所望の形状を有し且つ優れた表面硬度を有する樹脂成形体を容易に得ることができる。例えば、本発明の樹脂成形体をハードコート層として用いる場合の製造方法を例に挙げて説明すると、以下の方法が挙げられる。先ず、基材フィルム上に前記本発明の樹脂組成物を所定の厚みに塗布した後、これを加熱することによりカチオン重合せしめ、本発明の高伸度樹脂成形体からなるシートを得る。次いで、前記シートを前記基材フィルムを取り除いた単層シート又は前記基材フィルムと一体化した複合シートとしてプラスチック成型用の金型に装着し、そこにプラスチック材料を射出し、前記プラスチック材料の成型と同時に前記シートを成型する。次いで、成型された前記シートに紫外線を照射してラジカル重合せしめることにより、所望の形状を有し且つ優れた表面硬度を有するハードコート層(樹脂成形体)を前記プラスチック成型品の表面に容易に形成することができる。
前記基材フィルムの材質としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルホン、シクロオレフィン系ポリマー等が挙げられる。また、前記基材フィルムとしては、表面にあらかじめ剥離処理が施された離型フィルムであってもよい。また、前記複合シートとして用いる場合には易接着処理が施されたフィルムであってもよい。また、本発明の樹脂組成物を用いる場合には成型後に加熱を必要としないため、前記プラスチック材料としては、適宜公知のものを用いることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、各合成例、実施例及び比較例において、GPC、伸度測定、表面硬度測定、エポキシ基の反応率測定、ラジカル硬化性官能基の反応率測定はそれぞれ以下に示す方法により行った。
(GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ))
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)(装置名:HLC−8320GPC
(東ソー社製)、溶媒:THF、カラム:超高速セミミクロSECカラム SuperH
シリーズ、温度:40℃、速度:0.6ml/min)を用いて行った。
(伸度測定)
各実施例及び比較例において第1の重合及び第2の重合後の樹脂成形体からそれぞれ8mm×80mmの小片を切り出し、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルムに挟み、室温(25℃)において引張試験機(東洋精機(株)製、VE5050)を用いて引張試験を行い、伸度を測定した。
(表面硬度測定)
各実施例及び比較例において得られた樹脂成形体について、JIS K 5600に従い、鉛筆引っかき試験機を用いて室温(25℃)における表面硬度の測定を行った。樹脂成形体の表面に対して鉛筆を45度の角度で接触させ、上から750gの荷重をかけて1cm引っかき、3回のうち2回以上傷が付かない硬度を表面硬度とした。
(エポキシ基の反応率測定)
重合前の樹脂組成物及び第1の重合後の樹脂成形体について、レーザーラマン分光光度計(日本分光(株)製、NRS−3100)を用いて、エポキシ基由来の1240cm−1付近のピーク高さを測定した。前記樹脂組成物におけるピーク高さ(a)と前記樹脂成形体におけるピーク高さ(b)とから、次式:
反応率(%)=(1−高さ(b)/高さ(a))×100
により反応率(%)を算出した。また、エポキシ基の反応率が100%であることの確認は、示差走査熱量測定(セイコーインスツル(株)製、DSC6200)を用いて、エポキシ基由来の発熱ピークを測定し、このピークが観測されないことにより行った。
(ラジカル硬化性官能基の反応率測定)
重合前の樹脂組成物及び第2の重合後の樹脂成形体について、赤外分光光度計(日本分光(株)製、FT/IR6000)を用いて、ラジカル硬化性官能基(アクリル基)由来の6200cm−1付近のピーク高さを測定した。前記樹脂組成物におけるピーク高さ(a)と前記樹脂成形体におけるピーク高さ(b)とから、前記エポキシ基の反応率と同様にして反応率(%)を算出した。
(合成例1)
先ず、撹拌機、滴下漏斗、温度計を備えた反応容器に、溶媒として2−プロパノール(IPA)180ml、トルエン360ml、塩基性触媒として5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)34.1gを入れた。次いで、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MTMS)(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、SZ6030)111.76g(0.45モル)及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GTMS)(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、KBM403)35.48g(0.15モル)を混合して滴下漏斗に入れ、前記反応容器内に室温(約25℃)で2時間かけて撹拌しながら滴下した。滴下終了後、加熱することなくさらに2時間撹拌した。
撹拌後、前記反応容器から前記滴下漏斗を取り外して、新たに冷却管を備えた。次いで、前記反応容器内の溶液を70℃において2時間攪拌し、再縮合反応を行った。再縮合反応後の溶液(反応溶液)に中和剤として5%クエン酸水溶液11.4gを添加して10分間攪拌した後、飽和食塩水で中性になるまで水洗した。次いで、無水硫酸マグネシウム20gを添加して脱水し、前記無水硫酸マグネシウムを濾別した後にロータリーエバポレーターにより濃縮することでシルセスキオキサン樹脂混合物1を96.26g得た。この反応において、回収率は92%であり、得られたシルセスキオキサン樹脂混合物1は種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。また、GPCの結果より前記式(1)で表わされるかご型シルセスキオキサン樹脂(但し、nが6であり、mが2である。)が得られたことが確認され、その含有量は前記樹脂混合物1全体に対して84質量%であった。GPCの結果を示すクロマトグラムを図1に示す。図1中、ピーク1はかご型シルセスキオキサン樹脂を示す。
(合成例2)
2−プロパノール(IPA)を145ml、トルエンを290ml、5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を30gとし、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MTMS)を104.3g(0.42モル)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GTMS)を14.18g(0.06モル)とし、さらに、5%クエン酸水溶液を10.3gとしたこと以外は合成例1と同様にしてシルセスキオキサン樹脂混合物2を80g得た。この反応において、回収率は94%であり、得られたシルセスキオキサン樹脂混合物2は種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。また、GPCの結果より前記式(1)で表わされるかご型シルセスキオキサン樹脂(但し、nが7であり、mが1である。)が得られたことが確認され、その含有量は前記樹脂混合物2全体に対して81質量%であった。GPCの結果を示すクロマトグラムを図2に示す。図2中、ピーク1はかご型シルセスキオキサン樹脂を示す。
(合成例3)
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GTMS)35.48gに代えて2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン(ECTMS)(信越化学(株)製、KBM303)を36.96g(0.15モル)とし、さらに、5%クエン酸水溶液を11.3gとしたこと以外は合成例1と同様にしてシルセスキオキサン樹脂混合物3を103.19g得た。この反応において、回収率は96%であり、得られたシルセスキオキサン樹脂混合物3は種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。また、GPCの結果より前記式(1)で表わされるかご型シルセスキオキサン樹脂(但し、nが6であり、mが2である。)が得られたことが確認され、その含有量は前記樹脂混合物3全体に対して82質量%であった。GPCの結果を示すクロマトグラムを図3に示す。図3中、ピーク1はかご型シルセスキオキサン樹脂を示す。
(合成例4)
2−プロパノール(IPA)を145ml、トルエンを290ml、5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を30gとし、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GTMS)を113.44g(0.48モル)とし、さらに、5%クエン酸水溶液を10.3gとしたこと以外は合成例1と同様にしてシルセスキオキサン樹脂混合物4を74g得た。この反応において、回収率は92%であり、得られたシルセスキオキサン樹脂混合物4は種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。また、GPCの結果よりかご型シルセスキオキサン樹脂(前記式(1)におけるnが0であり、mが8である。)が得られたことが確認され、その含有量は前記樹脂混合物4全体に対して80質量%であった。GPCの結果を示すクロマトグラムを図4に示す。図4中、ピーク1はかご型シルセスキオキサン樹脂を示す。
(実施例1)
先ず、合成例2で得られたシルセスキオキサン樹脂混合物2(かご型シルセスキオキサン樹脂換算で100質量部)に対して、カチオン重合開始剤(三新化学工業製、SI100、固形分換算で1質量部)、ラジカル重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2質量部)を添加して混合し、樹脂組成物を得た。
次いで、厚さ50μmのPETフィルム上に前記樹脂組成物を塗布し、透明なガラス板を用いて、樹脂組成物の厚さが0.065mmとなるようにプレス圧成形し、100℃において3時間加熱した後に120℃において1時間加熱して第1の重合をさせ、シート状の樹脂成形体を得た。この樹脂成形体について、伸度測定及びエポキシ基の反応率測定を行った。
次いで、前記樹脂成形体を3kW/cmの高圧水銀ランプを用い、波長365nm、積算露光量8800mJ/cmで第2の重合をさせ、シート状の樹脂成形体を得た。この樹脂成形体について、伸度測定、表面硬度測定及びラジカル硬化性官能基の反応率測定を行った。伸度測定、エポキシ基の反応率測定、表面硬度測定及びラジカル硬化性官能基の反応率測定の結果を樹脂組成物の組成と共に表1に示す。
(実施例2〜5)
樹脂組成物の組成を表1に示す組成としたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。また、これらの樹脂組成物をそれぞれ用い、樹脂組成物の厚さを表1に示す厚さとしたこと以外は実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。伸度測定、エポキシ基の反応率測定、表面硬度測定及びラジカル硬化性官能基の反応率測定の結果を各樹脂組成物の組成と共に表1に示す。なお、表1において、合成例1〜3の質量はシルセスキオキサン樹脂混合物1〜3の質量をかご型シルセスキオキサン樹脂の質量に換算した値を示し、DPHAとは、ジペンタエリスリトール ヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)のことを指す。
(比較例1)
先ず、合成例4で得られたシルセスキオキサン樹脂混合物4(かご型シルセスキオキサン樹脂換算で100質量部)に対して、カチオン重合開始剤(株式会社ADEKA製、CP−77、固形分換算で0.5質量部)を添加して混合し、樹脂組成物を得た。次いで、厚さ50μmのPETフィルム上に前記樹脂組成物を塗布し、透明なガラス板を用いて、樹脂組成物の厚さが0.070mmとなるようにプレス圧成形し、60℃において4時間加熱した後に150℃において2時間加熱して第1の重合をさせ、シート状の樹脂成形体を得た。この樹脂成形体について、伸度測定及びエポキシ基の反応率測定を行った。結果を樹脂組成物の組成と共に表1に示す。なお、表1において、合成例4の質量はシルセスキオキサン樹脂混合物4の質量をかご型シルセスキオキサン樹脂の質量に換算した値を示す。
(比較例2)
先ず、特開2004−143449号公報の実施例1の製造方法と同様にして得られた下記式(10)及び(11):
Figure 2013091703
Figure 2013091703
で表されるかご型シルセスキオキサン樹脂(前記式(1)におけるnがそれぞれ8及び10であり、mが0である。)を主成分とするかご型シルセスキオキサン樹脂(比較樹脂1)20質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、DPHA)65質量部、ジシクロペンタニルジアクリレート(共栄社化学(株)製、ライトアクリレートDCP−A)15質量部に対し、ラジカル重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)0.02質量部を添加して混合し、樹脂組成物を得た。
次いで、厚さ50μmのPETフィルム上に前記樹脂組成物を塗布し、透明なガラス板を用いて、樹脂組成物の厚さが0.070mmとなるようにプレス圧成形し、3kW/cmの高圧水銀ランプを用い、波長365nm、積算露光量8800mJ/cmで重合させてシート状の樹脂成形体を得た。この樹脂成形体について、伸度測定、表面硬度測定及びラジカル硬化性官能基の反応率測定を行った結果を樹脂組成物の組成と共に表1に示す。
Figure 2013091703
以上説明したように、本発明によれば、所望の形状を有し且つ優れた表面硬度を有する樹脂成形体を容易に得ることができる樹脂組成物、これを重合せしめて得られる樹脂成形体、及び樹脂成形体の製造方法を提供することが可能となる。このような樹脂組成物、樹脂成形体、及び樹脂成形体の製造方法は、特に、プラスチック成型品のハードコート層に利用することができ、非常に有用である。

Claims (8)

  1. (A)下記一般式(1):
    [RSiO3/2[RSiO3/2[RSiO3/2 ・・(1)
    {式(1)中、Rは、下記一般式(2)〜(4):
    −R−OCO−CR=CH ・・・(2)
    −R−CR=CH ・・・(3)
    −CH=CH ・・・(4)
    [式(2)〜(3)中、Rは、それぞれ独立にアルキレン基又はフェニレン基を示し、Rは、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。]
    で表わされる基のうちのいずれか1種を示し、Rは、下記一般式(5):
    Figure 2013091703
    [式(5)中、iは1〜3の整数を示す。]
    で表わされる基又は下記一般式(6):
    Figure 2013091703
    [式(6)中、jは1〜3の整数を示す。]
    で表わされる基を示し、Rは、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基、水素原子、アルコキシ基及びアルキルシロキシ基からなる群から選択されるいずれか1種を示し、n、m及びkは、下記式(i)〜(iii):
    n≧1 ・・・(i)
    m≧1 ・・・(ii)
    n+m+k=h ・・・(iii)
    [式(iii)中、hは8、10、12及び14からなる群から選択されるいずれかの整数を示す。]
    で表わされる条件を満たす整数であり、前記n、前記m及び前記kがそれぞれ2以上の場合には前記R、前記R及び前記Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。}
    で表されるかご型シルセスキオキサン樹脂と、
    (B)カチオン重合開始剤と、(C)ラジカル重合開始剤と、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記(B)カチオン重合開始剤が熱カチオン重合開始剤であり、前記(C)ラジカル重合開始剤が光ラジカル重合開始剤であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. (D)エポキシ基及び/又は(メタ)アクリル基を有する化合物をさらに含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の樹脂組成物をカチオン重合及び/又はラジカル重合せしめたものであることを特徴とする樹脂成形体。
  5. 前記樹脂組成物を60〜150℃で加熱して熱カチオン重合せしめたものであることを特徴とする請求項4に記載の樹脂成形体。
  6. 前記樹脂組成物に紫外線を照射して光ラジカル重合せしめたものであることを特徴とする請求項4に記載の樹脂成形体。
  7. 前記樹脂組成物を60〜150℃で加熱して熱カチオン重合せしめた後に紫外線を照射して光ラジカル重合せしめたものであることを特徴とする請求項4〜6のうちのいずれか一項に記載の樹脂成形体。
  8. 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の樹脂組成物を60〜150℃で加熱して熱カチオン重合せしめた後に紫外線を照射して光ラジカル重合せしめることにより樹脂成形体を得ることを特徴とする樹脂成形体の製造方法。
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