JP5844796B2 - 硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物 - Google Patents

硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物 Download PDF

Info

Publication number
JP5844796B2
JP5844796B2 JP2013507445A JP2013507445A JP5844796B2 JP 5844796 B2 JP5844796 B2 JP 5844796B2 JP 2013507445 A JP2013507445 A JP 2013507445A JP 2013507445 A JP2013507445 A JP 2013507445A JP 5844796 B2 JP5844796 B2 JP 5844796B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicone resin
group
resin
resin composition
cage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013507445A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2012133080A1 (ja
Inventor
悠子 村上
悠子 村上
齋藤 憲
憲 齋藤
正敏 湯浅
正敏 湯浅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel and Sumikin Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel and Sumikin Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumikin Chemical Co Ltd filed Critical Nippon Steel and Sumikin Chemical Co Ltd
Priority to JP2013507445A priority Critical patent/JP5844796B2/ja
Publication of JPWO2012133080A1 publication Critical patent/JPWO2012133080A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5844796B2 publication Critical patent/JP5844796B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F30/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal
    • C08F30/04Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal containing a metal
    • C08F30/08Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal containing a metal containing silicon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F299/00Macromolecular compounds obtained by interreacting polymers involving only carbon-to-carbon unsaturated bond reactions, in the absence of non-macromolecular monomers
    • C08F299/02Macromolecular compounds obtained by interreacting polymers involving only carbon-to-carbon unsaturated bond reactions, in the absence of non-macromolecular monomers from unsaturated polycondensates
    • C08F299/08Macromolecular compounds obtained by interreacting polymers involving only carbon-to-carbon unsaturated bond reactions, in the absence of non-macromolecular monomers from unsaturated polycondensates from polysiloxanes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F230/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal
    • C08F230/04Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal containing a metal
    • C08F230/08Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal containing a metal containing silicon
    • C08F230/085Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal containing a metal containing silicon the monomer being a polymerisable silane, e.g. (meth)acryloyloxy trialkoxy silanes or vinyl trialkoxysilanes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L43/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing boron, silicon, phosphorus, selenium, tellurium or a metal; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L43/04Homopolymers or copolymers of monomers containing silicon

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明は、硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物に関する。さらに詳しくは、かご型シルセスキオキサン樹脂を含有する硬化性シリコーン樹脂組成物及びこれを硬化させて得られるシリコーン樹脂硬化物に関する。
一般に、液晶表示素子用基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用基板、電子ペーパー用基板、TFT用基板、太陽電池用基板等の透明基板としては、ガラス板が広く用いられている。しかしながら、ガラス板は、割れやすい、曲げられない、比重が大きく軽量化に不向きである等の理由から、近年その代替として透明プラスチック板を用いることが検討されている。
一方、かご構造を有するシルセスキオキサンは、その特徴的な構造を利用することにより特異な機能を発現させることが可能であることから、様々な分野で注目されている。特に、かご型シルセスキオキサン樹脂の硬化物は、耐熱性、耐候性、光学特性、寸法安定性等に優れることから、ガラス板の代替となる透明プラスチック板の材料として期待されている。
このようなかご型シルセスキオキサン樹脂の硬化物としては、例えば、特開2009−79163号公報(特許文献1)において、硬化性官能基としてビニル基を有するかご型シルセスキオキサンとSiH基を有する化合物とビニル基を有する化合物とをヒドロシリル化反応せしめて得られるシルセスキオキサン硬化物が開示されている。しかしながら、同文献に記載されている硬化物においては、ある程度高い耐熱性及び透明性が達成されているものの、ガラス板の代替材料として用いる場合には線膨張係数が大きく、さらに、ヒドロシリル化反応において一般的に用いられる白金触媒は高価であり経済的に不利であるという問題を有していた。
また、特開2006−89685号公報(特許文献2)においては、[RSiO3/2]nで表され、(メタ)アクリロイル基を官能基として有するかご型シルセスキオキサン樹脂と不飽和化合物等とからなるシリコーン樹脂組成物をラジカル共重合させて得られたシリコーン樹脂共重合体が記載されている。
さらに、特開2004−143449号公報(特許文献3)においては、[RSiO3/2]nで表され、(メタ)アクリロイル基、グリシジル基及びビニル基のうちのいずれか一つを有するかご型シルセスキオキサン樹脂が開示されている。また、国際公開第2008/099850号(特許文献4)においては、ビニル基等を有するかご開裂型のシルセスキオキサン樹脂が開示されている。
特開2009−79163号公報 特開2006−89685号公報 特開2004−143449号公報 国際公開第2008/099850号
上記特許文献2に記載されているシリコーン樹脂共重合体においては、透明性が高く、ある程度小さい線膨張係数を有しているものの、同文献に記載されているシリコーン樹脂共重合体のようにかご型シルセスキオキサン骨格における全てのケイ素原子上に親水性基である(メタ)アクリロイル基を有する樹脂硬化物は、吸水性が高く、線膨張係数も大きくなるという問題を有していることを本発明者らは見出した。
また、上記特許文献3に記載されているかご型シルセスキオキサン樹脂や上記特許文献4に記載されているかご開裂型のシルセスキオキサン樹脂のうち、例えば、ビニル基のみを有する樹脂を用いて硬化物を製造すると、得られる硬化物に割れが生じたり、硬化物が白濁してしまうといった問題が生じることを本発明者らは見出した。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、優れた透明性、成形性及び低吸水性を有し、線膨張係数が十分に小さいシリコーン樹脂硬化物を得ることができる硬化性シリコーン樹脂組成物及びこれを硬化させて得られるシリコーン樹脂硬化物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、シリコーン樹脂組成物において、ビニル基と(メタ)アクリロイル基とを有する特定の構造のかご型シルセスキオキサン樹脂を含有する硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化させることにより、優れた透明性、成形性及び低吸水性を有し、線膨張係数が十分に小さいシリコーン樹脂硬化物を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、
下記一般式(1):
[CH=CHSiO3/2[RSiO3/2[RSiO3/2 ・・・(1)
{式(1)中、Rは、下記一般式(2):
CH=CR−CO−O−R− ・・・(2)
[式(2)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、アルキレン基、アルキリデン基及びフェニレン基からなる群より選択されるいずれか一種を示す。]
で表わされる(メタ)アクリロイル基を有する基を示し、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基及びフェニル基からなる群より選択されるいずれか一種を示し、n、m及びjは下記式(i)〜(iv):
n≧1 ・・・(i)、
m≧1 ・・・(ii)、
j≧0 ・・・(iii)、
n+m+j=h ・・・(iv)
[式(iv)中、hは8、10、12及び14からなる群より選択されるいずれかの整数を示す。]
で表わされる条件を満たす整数を示し、m及びjがそれぞれ2以上の場合にはR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。}
で表わされるかご型シルセスキオキサン樹脂と、ラジカル重合開始剤とを含有しており、
前記かご型シルセスキオキサン樹脂の含有量が10〜80質量%であるものである。
前記かご型シルセスキオキサン樹脂において、ビニル基の数と(メタ)アクリロイル基の数との比(全ビニル基数:全(メタ)アクリロイル基数)が1:4〜13:1であることが好ましい。また、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物としては、(メタ)アクリロイル基を有する不飽和化合物を更に含有することが好ましく、前記ラジカル重合開始剤の含有量が0.01〜10質量%であることが好ましい。また、本発明のシリコーン樹脂硬化物は、前記硬化性シリコーン樹脂組成物をラジカル重合させて得られたものである。
なお、本発明の構成によって前記目的が達成される理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物においては、硬化性官能基としてビニル基と(メタ)アクリロイル基とを組み合わせて含有していることにより、驚くべきことに、両官能基の優れた特性のみが失われずに発揮され、優れた透明性及び成形性が発揮されると共に、吸水性が低く、線膨張係数が十分に小さいシリコーン樹脂硬化物を得ることができると本発明者らは推察する。なお、本発明において、(メタ)アクリロイル基とは、メタクリロイル基及びアクリロイル基を意味する。
また、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物においては、官能基を2種以上含有しているために他の化合物との相溶性に優れており、更に他の化合物を含有せしめても均一な樹脂組成物を得ることができる。従って、得られるシリコーン樹脂硬化物において優れた透明性及び成形性が発揮されるものと本発明者らは推察する。
さらに、例えば、上記特許文献3や上記特許文献4に記載されている樹脂のうち、ビニル基のみを有する樹脂を用いて硬化物を製造する場合に(メタ)アクリロイル基を有する不飽和化合物を更に含有せしめて硬化物を製造しようとしても、ビニル基と(メタ)アクリロイル基との重合反応性に差があるためにかご型シルセスキオキサン樹脂が遊離して白濁してしまうが、本発明においては、上記のように官能基を2種以上含有しているため、硬化後においてもかご型シルセスキオキサン樹脂が遊離することなく透明性に優れた樹脂硬化物を得ることができる。
本発明によれば、優れた透明性、成形性及び低吸水性を有し、線膨張係数が十分に小さいシリコーン樹脂硬化物を得ることができる硬化性シリコーン樹脂組成物及びこれを硬化させて得られるシリコーン樹脂硬化物を提供することが可能となる。
合成例1で得られた樹脂混合物IのGPCの結果を示すクロマトグラムである。 合成例Iで得られた樹脂混合物IのH−NMRスペクトルを示すグラフである。 図2Aの拡大図である。 合成例Iで得られた樹脂混合物IのESI−MSスペクトルを示すグラフである。 合成例IIで得られた樹脂混合物IIのGPCの結果を示すクロマトグラムである。 合成例IIIで得られた樹脂混合物IIIのGPCの結果を示すクロマトグラムである。 合成例IVで得られた樹脂混合物IVのGPCの結果を示すクロマトグラムである。 合成例Vで得られた樹脂混合物VのGPCの結果を示すクロマトグラムである。 合成例VIで得られた樹脂混合物VIのGPCの結果を示すクロマトグラムである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物について説明する。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、かご型シルセスキオキサン樹脂と、ラジカル重合開始剤とを含有しており、前記かご型シルセスキオキサン樹脂の含有量が10〜80質量%である。
本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂は、下記一般式(1):
[CH=CHSiO3/2[RSiO3/2[RSiO3/2 ・・・(1)
で表わされる。
前記式(1)中、Rは、下記一般式(2):
CH=CR−CO−O−R− ・・・(2)
で表わされる(メタ)アクリロイル基を有する基を示す。前記式(2)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。Rとしては、立体構造の反発効果により、吸水性をより低減できるという観点から、メチル基が特に好ましい。また、前記式(2)中、Rは、アルキレン基、アルキリデン基及びフェニレン基からなる群より選択されるいずれか一種を示し、前記アルキレン基としては、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、線膨張係数が小さくなるという観点から、炭素数が1〜3であることが好ましく、前記アルキリデン基としては、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、例えば、プロパン−2−イリデン等が挙げられ、前記フェニレン基としては、例えば、無置換フェニレン基に加えて、低級アルキル基を有する1,2−フェニレン等が挙げられ、中でも、原料の入手が容易であるという観点から、炭素数が1〜3のアルキレン基が好ましい。これらの中でも、Rとしては、原料の入手が容易であり、架橋間距離が大きくならず、また、線膨張係数が小さくなるという観点から、プロピレン基がより好ましい。
また、前記式(1)中、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基及びアリル基からなる群より選択されるいずれか一種を示す。前記アルキル基の炭素数が前記上限を超えると分子運動性が増加するため線膨張係数が増加する。これらの中でも、Rとしては、線膨張係数が十分に小さくなるという観点から、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、アリル基がより好ましい。
さらに、前記式(1)中、n、m及びjは下記式(i)〜(iv):
n≧1 ・・・(i)、
m≧1 ・・・(ii)、
j≧0 ・・・(iii)、
n+m+j=h ・・・(iv)
[式(iv)中、hは8、10、12及び14からなる群より選択されるいずれかの整数を示す。]
で表わされる条件を満たす整数を示す。前記nが前記式(i)で表わされる条件を満たすことにより、本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂は1つ以上のビニル基を有するため、ラジカル重合による架橋間距離が短くなり線膨張係数が十分に小さい硬化物を得ることが可能となる。また、前記mが前記式(ii)で表わされる条件を満たすことにより、本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂は1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するため、ラジカル重合により透明な硬化物を得ることが可能となり、特に(メタ)アクリロイル基を有する不飽和化合物と共重合せしめる場合には相溶性が向上するためより透明な硬化物を得ることが可能となる。さらに、前記n、m及びjが前記式(i)〜(iv)で表わされる条件を満たすことにより、本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂はほぼ完全に縮合したかご型構造となるため、優れた透明性、成形性及び低吸水性を有し、線膨張係数が十分に小さいシリコーン樹脂硬化物を得ることが可能となる。なお、m及びjがそれぞれ2以上の場合にはR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
また、n、m及びjとしては、線膨張係数が十分に小さいシリコーン樹脂硬化物が得られるという観点から、下記式(v):
(n+m)/j≧1 ・・・(v)
で表わされる条件を満たすことがより好ましい。
さらに、本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂においては、前記nと前記mとの比(n:m)が1:4〜13:1であることがさらに好ましく、1:3〜13:1であることが特に好ましい。前記nの数が前記下限未満の場合には樹脂の架橋密度が減少してシリコーン樹脂硬化物の線膨張係数が大きくなる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合にはラジカル重合性が低いビニル基の含有量が多くなるために、シリコーン樹脂硬化物において未反応のビニル基が多く残存する傾向にあり、また、(メタ)アクリロイル基を有する不飽和化合物を更に含有せしめた場合に該不飽和化合物との相溶性が低下するため、かご型シルセスキオキサン樹脂が遊離してシリコーン樹脂硬化物が白濁する傾向にある。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物においては、このようなかご型シルセスキオキサン樹脂を用いることにより、優れた透明性、成形性及び低吸水性を有し、線膨張係数が十分に小さいシリコーン樹脂硬化物を得ることができる。
本発明に用いられる好ましいかご型シルセスキオキサン樹脂としては、例えば、上記一般式(1)中、nが7であり、mが1であり、jが0であり、Rが(CHであり、下記式(3):
[式(3)中、kは1〜3の整数を示す。]
で表わされる化合物、上記一般式(1)中、nが6であり、mが2であり、jが0であり、Rが(CHであり、下記式(4):
[式(4)中、kは1〜3の整数を示す。]
で表わされる化合物、上記一般式(1)中、nが4であり、mが4であり、jが0であり、Rが(CHであり、下記式(5):
[式(5)中、kは1〜3の整数を示す。]
で表わされる化合物、上記一般式(1)中、nが8であり、mが2であり、jが0であり、Rが(CHであり、下記式(6):
[式(6)中、kは1〜3の整数を示す。]
で表わされる化合物、上記一般式(1)中、nが6であり、mが2であり、jが2であり、Rが(CHであり、RがCHCH−であり、下記式(7):
[式(7)中、kは1〜3の整数を示す。]
で表わされる化合物、上記一般式(1)中、nが7であり、mが3であり、jが0であり、Rが(CHであり、下記式(8):
[式(8)中、kは1〜3の整数を示す。]
で表わされる化合物、上記一般式(1)中、nが6であり、mが4であり、jが0であり、Rが(CHであり、下記式(9):
[式(9)中、kは1〜3の整数を示す。]
で表わされる化合物、上記一般式(1)中、nが11であり、mが1であり、jが0であり、Rが(CHであり、下記式(10):
[式(10)中、kは1〜3の整数を示す。]
で表わされる化合物、上記一般式(1)中、nが10であり、mが2であり、jが0であり、Rが(CHであり、下記式(11):
[式(11)中、kは1〜3の整数を示す。]
で表わされる化合物、上記一般式(1)中、nが8であり、mが4であり、jが0であり、Rが(CHであり、下記式(12):
[式(12)中、kは1〜3の整数を示す。]
で表わされる化合物、上記一般式(1)中、nが10であり、mが4であり、jが0であり、Rが(CH)であり、下記式(13):
で表わされる化合物、上記一般式(1)中、nが6であり、mが4であり、jが4であり、Rが(CH)であり、RがCHCH−であり、下記式(14)で表わされる化合物が挙げられる。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において、前記かご型シルセスキオキサン樹脂としては、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記かご型シルセスキオキサン樹脂の含有量としては、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物に対して、前記かご型シルセスキオキサン樹脂の合計質量が10〜80質量%であることが必要である。前記かご型シルセスキオキサン樹脂の含有量が前記下限未満である場合にはシリコーン樹脂硬化物において、透明性、低熱膨張性、低吸水性、相溶性等の物性が低下する。他方、前記上限を超える場合には硬化性シリコーン樹脂組成物の粘度が増大して成形物の製造が困難となる。また、透明性、低熱膨張性、低吸水性がより良好となるという観点から、前記かご型シルセスキオキサン樹脂の含有量としては15〜80質量%であることが特に好ましい。
また、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において、前記かご型シルセスキオキサン樹脂全体におけるビニル基の数と全(メタ)アクリロイル基の数との比(全ビニル基数:全(メタ)アクリロイル基数)が1:4〜13:1であることが好ましい。前記ビニル基の含有量が前記下限未満である場合には樹脂の架橋密度が減少してシリコーン樹脂硬化物の線膨張係数が大きくなる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合にはラジカル重合性が低いビニル基の割合が多くなるために、シリコーン樹脂硬化物において未反応のビニル基が多く残存する傾向にある。また、低熱膨張性、低吸水性がより良好になるという観点から、前記比(全ビニル基数:全(メタ)アクリロイル基数)としては1:3〜13:1であることがより好ましい。
なお、本発明において、前記かご型シルセスキオキサン樹脂におけるビニル基の数と全(メタ)アクリロイル基の数との比は、H−NMR(機器名:JNM−ECA400、製造社名:JEOL、溶媒:重クロロホルム、温度:23℃、400MHz)を用いて測定されたビニル基及び(メタ)アクリロイル基のピークの積分比から求めることができる。
このようなかご型シルセスキオキサン樹脂の製造方法としては、例えば、下記一般式(15):
CH=CHSiX ・・・(15)
[式(15)中、Xはアルコキシ基、アセトキシ基、ハロゲン原子及びヒドロキシ基からなる群より選択されるいずれか一種の加水分解性基を示す。]
で表されるケイ素化合物(A)と、下記一般式(16):
SiY ・・・(16)
[式(16)中、Rは、上記式(1)中のRと同義であり、Yはアルコキシ基、アセトキシ基、ハロゲン原子及びヒドロキシ基からなる群より選択されるいずれか一種の加水分解性基を示す。]
で表されるケイ素化合物(B)と、下記一般式(17):
SiZ ・・・(17)
[式(17)中、Rは、上記式(1)中のRと同義であり、Zは、アルコキシ基、アセトキシ基、ハロゲン原子及びヒドロキシ基からなる群より選択されるいずれか一種の加水分解性基を示す。]
で表されるケイ素化合物(C)とを混合し、塩基性触媒存在下において、非極性溶媒及び/又は極性溶媒中で加水分解反応せしめると共に一部縮合させ、得られた加水分解反応生成物を更に非極性溶媒及び塩基性触媒の存在下で再縮合せしめる方法が挙げられる。
前記ケイ素化合物(A)としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、原料の入手が容易であるという観点から、ビニルトリメトキシシランを用いることが好ましい。
前記ケイ素化合物(B)としては、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、原料の入手が容易であるという観点から、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いることが好ましい。
前記ケイ素化合物(C)としてはフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ケイ素化合物(A)、前記ケイ素化合物(B)及び前記ケイ素化合物(C)の混合比としては、前記ケイ素化合物(A)及び前記ケイ素化合物(B)のモル比(Aのモル数:Bのモル数)が1:4〜13:1であり、前記ケイ素化合物(A)及び前記ケイ素化合物(B)の合計に対する前記ケイ素化合物(C)のモル比(A+Bのモル数:Cのモル数)が1:0〜5:2となるように混合することが好ましい。
前記加水分解反応に用いられる塩基性触媒としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド等の水酸化アンモニウム塩が挙げられる。これらの中でも、触媒活性が高いという観点からテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを用いることが好ましい。このような塩基性触媒の量としては、前記ケイ素化合物(A)〜(C)の全質量に対して0.01〜20質量%であることが好ましい。なお、前記塩基性触媒は、通常水溶液として使用される。
前記加水分解反応においては水の存在が必須であるが、これは前記塩基性触媒の水溶液から供給することもできるし、別途水として加えてもよい。水の量は加水分解性基を加水分解するのに十分な質量以上であればよく、前記ケイ素化合物(A)〜(C)の質量から算出される加水分解性基の理論量(質量)の1.0〜1.5倍量であることが好ましい。
また、前記加水分解反応においては、非極性溶媒及び/又は極性溶媒を用いることが好ましい。このような溶媒としては、非極性溶媒のみを用いると反応系が均一にならず、加水分解反応が十分に進行せずに未反応の加水分解性基が残存する傾向にあるという観点から、非極性溶媒及び極性溶媒の両方を用いるか、極性溶媒のみを用いることが好ましい。前記極性溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類、或いは他の極性溶媒を用いることができる。中でも、水と溶解性のある炭素数1〜6の低級アルコール類を用いることが好ましく、2−プロパノールを用いることがより好ましい。前記非極性溶媒及び/又は前記極性溶媒の使用量は、前記ケイ素化合物(A)〜(C)の合計モル濃度(モル/リットル:M)が0.01〜10Mとなる範囲であることが好ましい。
前記加水分解の反応条件としては、反応温度が0〜60℃であることが好ましく、20〜40℃であることがより好ましい。反応温度が前記下限未満の場合には、反応速度が遅くなるため加水分解性基が未反応の状態で残存してしまい、反応時間が長くなる傾向にある。他方、反応温度が前記上限を超える場合には、反応速度が速すぎるために複雑な縮合反応が進行し、結果として加水分解反応生成物の高分子量化が促進される傾向にある。また、前記加水分解の反応条件としては、反応時間が2時間以上であることが好ましい。反応時間が前記下限未満の場合には、加水分解反応が十分に進行せず加水分解性基が未反応の状態で残存してしまう傾向にある。
前記加水分解反応終了後に加水分解反応生成物を回収する方法としては、先ず、弱酸性溶液を用いて反応溶液を中性若しくは酸性よりにせしめ、次いで、水又は水含有反応溶媒を分離する方法が挙げられる。前記弱酸性溶液としては、硫酸希釈溶液、塩酸希釈溶液、クエン酸溶液、酢酸、塩化アンモニウム水溶液、リンゴ酸溶液、リン酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。また、前記水又は水含有反応溶媒を分離する方法としては、反応溶液を食塩水等で洗浄して水分やその他の不純物を十分に除去した後、無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤で乾燥させる等の手段が採用できる。
また、前記溶媒として極性溶媒を用いた場合に加水分解反応生成物を回収する方法としては、先ず、極性溶媒を減圧蒸発等により除去し、次いで、非極性溶媒を添加して加水分解反応生成物を溶解せしめた後、上記と同様に洗浄及び乾燥を行う方法が採用できる。また、前記溶媒として非極性溶媒を用いた場合には、非極性溶媒を蒸発等の手段で分離すれば加水分解反応生成物を回収することができるが、該非極性溶媒が次の再縮合反応で使用する非極性溶媒として使用可能であれば、これを分離する必要はない。
前記加水分解反応においては、加水分解と共に加水分解物の縮合反応が生じるため、前記加水分解反応において前記ケイ素化合物(A)〜(C)における加水分解性基の大部分、好ましくはほぼ全部がOH基に置換され、更に、前記縮合反応によりそのOH基の大部分、好ましくは80%以上が縮合されている。従って、前記加水分解反応生成物には、前記縮合により生成する重縮合物が含有されており、このような重縮合物は、反応条件により異なるが、数平均分子量が500〜10000の樹脂(又はオリゴマー)混合物であり、複数種のかご型、不完全なかご型、はしご型、ランダム型の構造を有するシロキサンからなる。
本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂の製造方法においては、前記加水分解反応生成物を更に、非極性溶媒及び塩基性触媒の存在下で加熱し、シロキサン結合を縮合(再縮合という)させることにより再縮合物(かご型構造のシロキサン)を選択的に製造することが好ましい。
前記非極性溶媒としては、水と溶解性が無いか、又はほとんど無いものであればよいが、炭化水素系溶媒であることが好ましい。前記炭化水素系溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の沸点の低い非極性溶媒を挙げることができ、中でもトルエンを用いることが好ましい。非極性溶媒の使用量としては、前記加水分解反応生成物を溶解するに足る量であること好ましく、前記加水分解反応生成物の合計質量に対して0.1〜20倍の質量であることが好ましい。
前記塩基性触媒としては、前記加水分解反応に使用される塩基性触媒が使用でき、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;テトラメルアンモニウムヒヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシド等の水酸化アンモニウム塩を挙げることができる。中でも、テトラアルキルアンモニウム等の非極性溶媒に可溶性の触媒が好ましい。このような塩基性触媒の量としては、前記加水分解反応生成物の0.01〜20質量%であることが好ましい。
前記再縮合反応の反応条件としては、反応温度が90〜200℃であることが好ましく、100〜140℃であることがより好ましい。反応温度が前記下限未満の場合には、再縮合反応をさせるために十分なドライビングフォースが得られず反応が進行しない傾向にある。他方、反応温度が前記上限を超える場合には、ビニル基や(メタ)アクリロイル基等の反応性有機官能基が自己重合反応を起こす可能性があるので、反応温度を抑制するか、重合禁止剤等を添加する必要が生じる傾向にある。また、前記再縮合反応の反応条件としては、反応時間が2〜12時間であることが好ましい。
また、再縮合に使用する加水分解反応生成物は前述のように洗浄及び乾燥せしめ、更に濃縮したものを用いることが好ましいが、これらの処理が施されていなくとも用いることができる。また、前記再縮合反応において、水は存在してもよいが積極的に加える必要はなく、塩基性触媒溶液から供給される水分程度に留めることが好ましい。但し、前記加水分解が十分に行われていない場合は、残存する加水分解性基を加水分解するに必要な量以上の水を添加することが好ましい。
本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂の製造方法においては、前記再縮合反応後に、反応溶液を洗浄して触媒を除去し、ロータリーエバポレーター等により濃縮せしめることにより得られる再縮合生成物中に、官能基の種類や反応条件や加水分解反応生成物の状態によって異なるが、上記式(3)〜(14)等で表わされる複数種の本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂の混合物が得られる。このような本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂の含有量は、前記再縮合生成物全体(樹脂混合物)の40質量%以上であることが好ましい。
本発明に係るラジカル重合開始剤としては、熱重合開始剤及び光重合開始剤が挙げられる。本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物においては、前記ラジカル重合開始剤により前記かご型シルセスキオキサン樹脂のラジカル重合が促進され、優れた強度及び剛性を有するシリコーン樹脂硬化物を得ることができる。
前記熱重合開始剤は、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を熱硬化せしめる場合に用いる。このような熱重合開始剤としては有機過酸化物が好ましく、前記有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド類、ジアシルキルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類、パーカーボネート類等が挙げられる。これらの中でも、触媒活性が高いという観点から、ジアルキルパーオキサイドが好ましい。前記ジアルキルパーオキサイドとしては、具体的には、シクロヘキサノンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキサパーオキシ)シクロヘキサノン、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等が挙げられる。前記熱重合開始剤としては、これらのうちの1種を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記光重合開始剤は、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物を光硬化せしめる場合に用いる。このような光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、チオキサンソン類、アシルホスフィンオキサイド類等の化合物を用いることが好ましい。具体的には、トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、チオキサンソン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、カンファーキノン、ベンジル、アンスラキノン、ミヒラーケトン等が挙げられる。前記光重合開始剤としては、これらのうちの1種を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係るラジカル重合開始剤としては、前記熱重合開始剤又は前記光重合開始剤をそれぞれ単独で使用してもよく、両方を組み合わせて用いてもよい。このようなラジカル重合開始剤の含有量としては、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物において0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがより好ましい。含有量が前記下限未満の場合には、組成物の硬化が不十分となるため得られる成形体の強度及び剛性が低くなる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、成形体が着色するといった問題が生じる傾向がある。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物としては、(メタ)アクリロイル基を有する不飽和化合物を更に含有することが好ましい。このような不飽和化合物を含有することにより、シリコーン樹脂組成物の粘度や樹脂剛性、強度等の所望の物性を有する硬化物を得ることが可能となる。
前記不飽和化合物としては、前記かご型シルセスキオキサン樹脂とラジカル共重合可能な(メタ)アクリロイル基を有していればよく、特に限定されないが、硬化性シリコーン樹脂組成物の粘度が高くなると硬化物の製造が困難となるという観点から、構造単位の繰り返し数が2〜20程度の重合体である反応性のオリゴマー、低分子量及び/又は低粘度の反応性モノマー等が好ましい。
前記反応性のオリゴマーとしては、エポキシアクリレート、エポキシ化アクリレート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ビニルアクリレート、ポリエン/チオール、シリコーンアクリレート、ポリスチリルエチルメタクリレート等が挙げられる。また、前記反応性モノマーとしては、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソボニルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート等の単官能モノマー;ジシクロペンタニルジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。前記不飽和化合物としては、これらのうちの1種を単独で使用しても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような不飽和化合物を含有する場合、その含有量としては、前記かご型シルセスキオキサン樹脂に対する質量比(かご型シルセスキオキサン樹脂:不飽和化合物)が10:90〜80:20となる質量であることが好ましい。含有量が前記下限未満の場合には、シリコーン樹脂組成物の粘度が増大して成形物の製造が困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、シリコーン樹脂硬化物において、透明性、低熱膨張性、低吸水性、相溶性等の物性が低下する傾向にある。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物としては、更に、本発明の効果を阻害しない範囲において、他の樹脂を含有することができる。
前記他の樹脂としては、例えば、前記かご型シルセスキオキサン樹脂の製造において副反応物として生成したラダー型シロキサン及びンダム型シロキサン等が挙げられる。このような樹脂を含有する場合、その含有量は、前記本発明に係るかご型シルセスキオキサン樹脂の含有量(質量)の合計をa、前記不飽和化合物の含有量(質量)をb、前記ラダー型シロキサン及びランダム型シロキサン等の含有量(質量)をcとすると、下記式:
10/90 ≦ a/(b+c) ≦ 80/20
で表わされる条件を満たすことが好ましく、下記式:
20/80 ≦ a/(b+c) ≦ 75/25
で表わされる条件を満たすことがより好ましい。前記かご型シルセスキオキサン樹脂の含有量が前記下限未満である場合にはシリコーン樹脂硬化物の透明性、低熱膨張性、低吸水性、相溶性等の物性が低下する傾向にある。他方、前記上限を超える場合には、シリコーン樹脂組成物の粘度が増大して成形物の製造が困難となる傾向にある。
また、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物としては、更に、本発明の効果を阻害しない範囲において、シリコーン樹脂硬化物の物性を改良するため及び/又はラジカル重合を促進するため等の目的で、熱重合促進剤、光開始助剤、鋭感剤等を含有することができる。さらに、本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物としては、有機/無機フィラー、無機質充填剤、可塑剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、着色剤、架橋剤、分散助剤、樹脂成分等の各種添加剤を含有していてもよい。
次いで、本発明のシリコーン樹脂硬化物について説明する。本発明のシリコーン樹脂硬化物は、前記硬化性シリコーン樹脂組成物をラジカル重合させて得られたものであることを特徴とするものである。前記ラジカル重合させる方法としては、加熱によって熱硬化せしめる方法及び光照射によって光硬化せしめる方法が挙げられる。本発明においては、前記熱硬化及び前記光硬化のいずれか1種の方法を単独で用いてもよく、両方の方法を組み合わせて用いてもよい。
前記熱硬化の条件としては、前記熱重合開始剤や熱重合促進剤等を適宜選択することにより、その反応温度は室温(25℃程度)〜200℃程度、反応時間は0.5〜10時間程度の広い範囲から選択することができる。また、本発明においては、前記硬化性シリコーン樹脂組成物を金型内やスチールベルト上で重合硬化させることで所望の形状の成形体とすることができる。このような成形体を得る方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形、トランスファー成形、カレンダー成形、キャスト(注型)成形といった一般的な成形加工方法の全てを適用することができる。
前記光硬化の方法としては、例えば、波長10〜400nmの紫外線や波長400〜700nmの可視光線を1〜1200秒間程度前記硬化性シリコーン樹脂組成物に照射する方法が挙げられる。前記波長は特に制限されないが、波長200〜400nmの近紫外線であることが好ましい。前記紫外線の発生源として用いられるランプとしては、例えば、低圧水銀ランプ(出力:0.4〜4W/cm)、高圧水銀ランプ(40〜160W/cm)、超高圧水銀ランプ(173〜435W/cm)、メタルハライドランプ(80〜160W/cm)等が挙げられ、用いる前記光重合開始剤、前記光開始助剤及び前記鋭感剤の種類に応じて適宜選択することができる。本発明においては、例えば、前記硬化性シリコーン樹脂組成物を石英ガラス等の透明素材で構成された型内に注入し、ラジカル重合により硬化せしめた後、型から脱型させることで所望の形状の成形体を製造する方法や、前記スチールベルト上で硬化せしめる方法等により所望の形状の成形体を得ることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、各合成例において、GPC、H−NMRの測定、質量分析はそれぞれ以下に示す方法により行った。
(GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ))
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)(装置名:HLC−8320GPC(東ソー社製)、溶媒:THF、カラム:超高速セミミクロSECカラム SuperH
シリーズ、温度:40℃、速度:0.6ml/min)を用いて行った。数平均分子量及び分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn))は標準ポリスチレン(商品名:TSK−GEL、東ソー社製)による換算値として求めた。
H−NMRの測定)
H−NMR測定器(装置名:JNM−ECA400(JEOL社製)、溶媒:重クロロホルム、温度:23℃、400MHz)を用いて測定した。得られた各構成単位のピークの積分値を求め、これらの比からビニル基の数と(メタ)アクリロイル基の数とのモル比を決定した。
(質量分析)
エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)装置(装置名:LC装置;Separation module 2690(Waters社製)、MS装置;ZMD4000(Micromass社製)、測定条件:エレクトロスプレーイオン化法、キャピラリ電圧:3.5kV、コーン電圧:+30V)を用いて測定した。
(合成例I)
先ず、撹拌機、滴下漏斗、温度計を備えた反応容器に、溶媒として2−プロパノール(IPA)120ml、トルエン150ml、塩基性触媒として5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)30.0mlを入れた。次いで、ビニルトリメトキシシラン(KBM−1003、信越化学工業株式会社製)53.36g(0.36mol)及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(SZ−6300、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)29.80g(0.12mol)を混合して滴下漏斗に入れ、前記反応容器内に、撹拌しながら室温(約25℃)で30分かけて滴下した。滴下終了後、加熱することなく2時間撹拌した。攪拌後の反応容器内の溶液(反応溶液)をクエン酸水溶液で中性(pH7)に調整した後、純水を添加して有機相と水相とに分液し、有機相に無水硫酸マグネシウム10gを添加して脱水した。前記無水硫酸マグネシウムを濾別し、ロータリーエバポレーターにより濃縮することで加水分解反応生成物(シルセスキオキサン)を48.49g得た。この加水分解反応生成物は種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
次いで、撹拌機、ディーンスターク、冷却管を備えた反応容器に、上記で得られた加水分解反応生成物45.0g、トルエン270ml、10%TMAH水溶液6.5mlを入れ、これを徐々に加熱して水を留去した。更に130℃まで加熱してトルエンの還流温度で再縮合反応を行った。なお、このときの温度は106℃であった。トルエンの還流後、2時間撹拌した後、反応を終了とした。攪拌後の反応容器内の溶液(反応溶液)をクエン酸水溶液で中性(pH7)に調整した後、純水を添加して有機相と水相とに分液し、有機相に無水硫酸マグネシウム10gを添加して脱水した。前記無水硫酸マグネシウムを濾別し、ロータリーエバポレーターにより濃縮することで樹脂混合物Iを39.15g得た。得られた樹脂混合物Iは種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
得られた樹脂混合物IのGPCの結果を示すクロマトグラムを図1に示す。この結果から、一般式(1)における(n+m)が14より大きいかご型シルセスキオキサン樹脂、ラダー型シロキサン、及びランダム型シロキサンを含むピーク1(Mw=4,959、Mw/Mn=1.23)と、前記(n+m)が14以下であるかご型シルセスキオキサン樹脂を含むピーク2(Mw=1,322、Mw/Mn=1.11)とが検出され、得られた樹脂混合物Iは次式(I):
[CH=CHSiO3/2[CH=C(CH)COOCSiO3/2・・・(I)
で表わされるかご型シルセスキオキサン樹脂を含む樹脂混合物であることが確認された。
また、得られた樹脂混合物IのH−NMRスペクトルを示すグラフを図2A〜図2Bに示す。この結果から、6.1〜5.7ppmにビニル基のピークが、並びに、5.5ppmにメタアクリロイル基のピークが検出され、これらのピーク積分比はメタアクリロイル基1に対してビニル基2.96であり、得られたかご型シルセスキオキサン樹脂中のビニル基の数とメタアクリロイル基の数との比(全ビニル基数:全メタアクリロイル基数)は2.96:1であることが確認された。なお、この比は仕込み時のビニル基とメタアクリロイル基とのモル比と同比率の官能基を有する縮合物が得られていることを示す。
さらに、得られた樹脂混合物IのESI−MSスペクトルを示すグラフを図3に示す。また、表1には、検出された主なピーク(m/z)と、それに相当する上記式(I)におけるn及びmの数値をまとめて示す。なお、検出されたピーク(m/z)は、上記式(I)(但し、nが1〜12であり、mが6〜14であり、nとmとの和が8〜14である。)で表されるかご型シルセスキオキサン樹脂の分子量に、アンモニウムイオンが付加した値である。この質量分析結果からも、ビニル基とメタアクリロイル基とを有するかご型シルセスキオキサン樹脂が得られたことが確認された。
(合成例II)
2−プロパノール(IPA)を110ml、トルエンを230mlとし、ビニルトリメトキシシランを70.76g(0.48mol)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを16.94g(0.07mol)としたこと以外は合成例Iと同様にして加水分解反応生成物(シルセスキオキサン)を47.60g得た。この加水分解反応生成物は種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
次いで、上記で得られた加水分解反応生成物を43.0g用い、トルエンを260mlとしたこと以外は合成例Iと同様にして樹脂混合物IIを36.55g得た。得られた樹脂混合物IIは種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
得られた樹脂混合物IIのGPCの結果を示すクロマトグラムを図4に示す。この結果から、一般式(1)における(n+m)が14より大きいかご型シルセスキオキサン樹脂、ラダー型シロキサン、及びランダム型シロキサンを含むピーク1(Mw=5,581、Mw/Mn=1.39)と、前記(n+m)が14以下であるかご型シルセスキオキサン樹脂を含むピーク2(Mw=1,171、Mw/Mn=1.11)とが検出され、得られた樹脂混合物IIは上記式(I)で表わされるかご型シルセスキオキサン樹脂を含む樹脂混合物であることが確認された。また、得られた樹脂混合物IIのH−NMRスペクトルから求めたかご型シルセスキオキサン樹脂中の全ビニル基数:全メタアクリロイル基数は6.89:1であった。
(合成例III)
2−プロパノール(IPA)を80ml、トルエンを160mlとし、ビニルトリメトキシシランを28.68g(0.19mol)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを48.06g(0.19mol)としたこと以外は合成例Iと同様にして加水分解反応生成物(シルセスキオキサン)を48.68g得た。この加水分解反応生成物は種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。次いで、上記で得られた加水分解反応生成物を45.0g用いたこと以外は合成例Iと同様にして樹脂混合物IIIを38.33g得た。得られた樹脂混合物IIIは種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
得られた樹脂混合物IIIのGPCの結果を示すクロマトグラムを図5に示す。この結果から、一般式(1)における(n+m)が14より大きいかご型シルセスキオキサン樹脂、ラダー型シロキサン、及びランダム型シロキサンを含むピーク1(Mw=6,047、Mw/Mn=1.05)と前記(n+m)が14以下であるかご型シルセスキオキサン樹脂を含むピーク2(Mw=1,891、Mw/Mn=1.41)が得られ、得られた樹脂混合物IIIは上記式(I)で表わされるかご型シルセスキオキサン樹脂を含む樹脂混合物であることが確認された。また、得られた樹脂混合物IIIのH−NMRスペクトルから求めたかご型シルセスキオキサン樹脂中の全ビニル基数:全メタアクリロイル基数は0.98:1であった。
(合成例IV)
2−プロパノール(IPA)を100ml、トルエンを200mlとし、ビニルトリメトキシシランを44.36g(0.30mol)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを29.73g(0.12mol)とし、更にエチルトリメトキシシラン(LS−890、信越化学工業株式会社製)8.99g(0.06mol)を混合して滴下漏斗に入れたこと以外は合成例Iと同様にして加水分解反応生成物(シルセスキオキサン)を47.09g得た。この加水分解反応生成物は種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
次いで、上記で得られた加水分解反応生成物を45.0g用い、トルエンの還流温度が105℃であったこと以外は合成例Iと同様にして樹脂混合物IVを38.20g得た。得られた樹脂混合物IVは種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
得られた樹脂混合物IVのGPCの結果を示すクロマトグラムを図6に示す。この結果から、一般式(1)における(n+m+j)が14より大きいかご型シルセスキオキサン樹脂、ラダー型シロキサン、及びランダム型シロキサンを含むピーク1(Mw=5,593、Mw/Mn=1.28)と、前記(n+m+j)が14以下であるかご型シルセスキオキサン樹脂を含むピーク2(Mw=1,344、Mw/Mn=1.11)とが検出され、得られた樹脂混合物IVは次式(IV):
[CH=CHSiO3/2[CH=C(CH)COOCSiO3/2[CHCHSiO3/2・・・(IV)
で表わされるかご型シルセスキオキサン樹脂を含む樹脂混合物であることが確認された。また、得られた樹脂混合物IVのH−NMRスペクトルから求めたかご型シルセスキオキサン樹脂中の全ビニル基数:全メタアクリロイル基数は4.96:2であった。
(合成例V)
2−プロパノール(IPA)を60ml、トルエンを120mlとし、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを69.27g(0.28mol)とし、ビニルトリメトキシシランを用いなかったこと以外は合成例Iと同様にして加水分解反応生成物(シルセスキオキサン)を48.36g得た。この加水分解反応生成物は種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
次いで、上記で得られた加水分解反応生成物を45.0g用い、トルエンを260mlとしたこと以外は合成例Iと同様にして樹脂混合物Vを41.4g得た。得られた樹脂混合物Vは種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
得られた樹脂混合物Vについて、GPCの結果を示すクロマトグラムを図7に示す。この結果から、全メタクリロキシプロピルかご型シルセスキオキサン樹脂を含むピーク1(Mw=1,769、Mw/Mn=1.08)が検出され、得られた樹脂混合物Vは次式(V):
[CH=C(CH)COOCSiO3/2・・・(V)
で表わされるかご型シルセスキオキサン樹脂を含む樹脂混合物であることが確認された。
(合成例VI)
2−プロパノール(IPA)を130ml、トルエンを260mlとし、ビニルトリメトキシシランを93.65g(0.632mol)とし、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いなかったこと以外は合成例Iと同様にして加水分解反応生成物(シルセスキオキサン)を44.03g得た。この加水分解反応生成物は種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
次いで、上記で得られた加水分解反応生成物を42.0g用い、トルエンを260mlとしたこと以外は合成例Iと同様にして樹脂混合物VIを38.24g得た。得られた樹脂混合物VIは種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
得られた樹脂混合物Vについて、GPCの結果を示すクロマトグラムを図8に示す。この結果から、一般式(1)におけるjが14より大きい全ビニルかご型シルセスキオキサン樹脂、ラダー型シロキサン、及びランダム型シロキサンを含むピーク1(Mw=3,229、Mw/Mn=1.40)と、前記jが14以下である全ビニルかご型シルセスキオキサン樹脂を含むピーク2(Mw=797、Mw/Mn=1.41)とが検出され、得られた樹脂混合物VIは次式(VI):
[CH=CHSiO3/2・・・(VI)
で表わされるかご型シルセスキオキサン樹脂を含む樹脂混合物であることが確認された。
(実施例1)
先ず、合成例Iで得られたビニル基とメタアクリロイル基とを有するかご型シルセスキオキサン樹脂を含む樹脂混合物I(かご型シルセスキオキサン樹脂含有量:45質量%)100質量部に対し、重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irg184、チバ・ジャパン株式会社製)1.0質量部及びジクミルパーオキサイド(パークミルD、日本油脂株式会社製)1.0質量部を混合し、硬化性シリコーン樹脂組成物を得た。
次いで、得られた硬化性シリコーン樹脂組成物をガラス板上に2g塗布し、高さ0.2mmの金属スペーサーを配置した後、さらに上からガラス板を被せ、ガラス板の自重で樹脂組成物を流延させて厚さを0.2mmとした後、30W/cmの高圧水銀ランプを用い、2000mJ/cmの積算露光量で硬化させた。さらに、窒素雰囲気下、200℃で1時間加熱し、ガラス板から剥離して約100mm×100mm×厚さ0.2mmのフィルム状のシリコーン樹脂硬化物を得た。
(実施例2)
合成例Iで得られたビニル基とメタアクリロイル基とを有するかご型シルセスキオキサン樹脂を含む樹脂混合物I 70質量部、及びジシクロペンタニルジアクリレート(DCP−A、共栄社化学株式会社製) 30質量部を混合した合計100質量部の混合物に対し、重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irg184、チバ・ジャパン株式会社製)1.0質量部及びジクミルパーオキサイド(パークミルD、日本油脂株式会社製)1.0質量部を混合し、硬化性シリコーン樹脂組成物を得た。また、得られた硬化性シリコーン樹脂組成物を用い、実施例1と同様にしてシリコーン樹脂硬化物を得た。
(実施例3)
樹脂混合物Iに代えて合成例IIで得られた樹脂混合物II(かご型シルセスキオキサン樹脂含有量:50質量%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物を得た。
(実施例4)
樹脂混合物Iに代えて合成例IIで得られた樹脂混合物IIを用いたこと以外は実施例2と同様にして硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物を得た。
(実施例5)
樹脂混合物Iに代えて合成例IIIで得られた樹脂混合物III(かご型シルセスキオキサン樹脂含有量:75質量%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物を得た。
(実施例6)
樹脂混合物Iに代えて合成例IIIで得られた樹脂混合物IIIを用いたこと以外は実施例2と同様にして硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物を得た。
(実施例7)
樹脂混合物Iに代えて合成例IVで得られた樹脂混合物IV(かご型シルセスキオキサン樹脂含有量:45質量%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物を得た。
(実施例8)
樹脂混合物Iに代えて合成例IVで得られた樹脂混合物IVを用いたこと以外は実施例2と同様にして硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物を得た。
(比較例1)
樹脂混合物Iに代えて合成例Vで得られた樹脂混合物Vを用いたこと以外は実施例1と同様にして硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物を得た。
(比較例2)
樹脂混合物Iに代えて合成例Vで得られた樹脂混合物Vを用いたこと以外は実施例2と同様にして硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物を得た。
(比較例3)
樹脂混合物Iに代えて合成例VIで得られた樹脂混合物VIを用いたこと以外は実施例1と同様にして硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物を得た。
(比較例4)
樹脂混合物Iに代えて合成例VIで得られた樹脂混合物VIを用いたこと以外は実施例2と同様にして硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物を得た。
実施例1〜8及び比較例1〜4において得られたシリコーン樹脂硬化物について、以下の方法によりフィルム成形性の評価、吸水率の測定、線膨張係数の測定、全光線透過率の測定を行った。
(フィルム成形性の評価)
シリコーン樹脂硬化物の割れを目視により以下の基準:
評価A:フィルムに割れ、破断は観察されない
評価B:フィルムに網目状の割れまたは、破断が観察される
に従って評価した。得られた結果を表2に示す。
(吸水率の測定)
先ず、得られたシリコーン樹脂硬化物を24時間、50℃において保持し、予備乾燥を行った。次いで、プラスチック―吸水率の求め方(JISK7209)に基づいて吸水率の測定を行った。得られた結果を表2に示す。
(線膨張係数の測定)
得られたシリコーン樹脂硬化物(5mm×5mm×厚さ1mm(厚さ0.2mmの試験片を5枚重ねたもの)について、機器名:TMA4000SA(BRUKER社製)を用いて熱機械分析法に基づき測定を行った(昇温速度:5℃/min、圧縮荷重:0.1N、温度範囲:50〜150℃)。
線膨張係数は、次式:
線膨張係数(ppm/K)=試験片1m当たりの変位量/温度変位量
により算出した。得られた結果を表2に示す。
(全光線透過率の測定)
得られたシリコーン樹脂硬化物(厚さ0.2mm)について、NDH2000(日本電色社製)を用いて全光の透過率を測定した。
透過率は、次式:
全光透過率(%)=透過光強度/入射光強度
により算出した。得られた結果を表2に示す。
表2に示した結果から明らかなように、実施例1〜8で得られたシリコーン樹脂硬化物は、いずれも優れた透明性、成形性及び低吸水性を有し、線膨張係数が十分に小さいことが確認された。他方、比較例1〜2で得られたシリコーン樹脂硬化物は、吸水率が高く、線膨張係数が高いことが確認され、比較例3〜4で得られたシリコーン樹脂硬化物は、フィルム成形性に劣ることが確認された。
また、不飽和化合物であるジシクロペンタニルジアクリレートを更に含有せしめた実施例2、4、6、8においても、透明性に優れたシリコーン樹脂硬化物が得られることが確認された。他方、比較例4においては、白濁したシリコーン樹脂硬化物が得られた。これは、ビニル基とメタアクリロイル基との重合反応性の違いにより、かご型シルセスキオキサン樹脂が遊離して相分離(白濁)したためと推察される。
以上説明したように、本発明によれば、優れた透明性、成形性及び低吸水性を有し、線膨張係数が十分に小さいシリコーン樹脂硬化物を得ることができる硬化性シリコーン樹脂組成物及びこれを硬化させて得られるシリコーン樹脂硬化物を提供することが可能となる。
このようなシリコーン樹脂硬化物は、液晶表示素子用基板、カラーフィルター用基板、有機EL表示素子用基板、電子ペーパー用基板、TFT用基板、太陽電池基板等の透明基板や、タッチパネル、透明電極付フィルム、導光板、保護フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、レンズシート等の光学フィルム用途や各種輸送機械、住宅の窓材等のガラス代替材料として、その利用範囲は広範となりその産業上の利用価値が極めて高いものである。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1):
    [CH=CHSiO3/2[RSiO3/2[RSiO3/2 ・・・(1)
    {式(1)中、Rは、下記一般式(2):
    CH=CR−CO−O−R− ・・・(2)
    [式(2)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、アルキレン基、アルキリデン基及びフェニレン基からなる群より選択されるいずれか一種を示す。]
    で表わされる(メタ)アクリロイル基を有する基を示し、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基及びフェニル基からなる群より選択されるいずれか一種を示し、n、m及びjは下記式(i)〜(iv):
    n≧1 ・・・(i)、
    m≧1 ・・・(ii)、
    j≧0 ・・・(iii)、
    n+m+j=h ・・・(iv)
    [式(iv)中、hは8、10、12及び14からなる群より選択されるいずれかの整数を示す。]
    で表わされる条件を満たす整数を示し、前記m及び前記jがそれぞれ2以上の場合にはR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。}
    で表わされるかご型シルセスキオキサン樹脂と、ラジカル重合開始剤とを含有しており、
    前記かご型シルセスキオキサン樹脂の含有量が10〜80質量%である硬化性シリコーン樹脂組成物。
  2. 前記かご型シルセスキオキサン樹脂において、ビニル基の数と(メタ)アクリロイル基の数との比(全ビニル基数:全(メタ)アクリロイル基数)が1:4〜13:1である請求項1に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  3. (メタ)アクリロイル基を有する不飽和化合物を更に含有する請求項1又は2に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  4. 前記ラジカル重合開始剤の含有量が0.01〜10質量%である請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の硬化性シリコーン樹脂組成物をラジカル重合させて得られたものであるシリコーン樹脂硬化物。
JP2013507445A 2011-03-31 2012-03-22 硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物 Active JP5844796B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013507445A JP5844796B2 (ja) 2011-03-31 2012-03-22 硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011079496 2011-03-31
JP2011079496 2011-03-31
JP2013507445A JP5844796B2 (ja) 2011-03-31 2012-03-22 硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物
PCT/JP2012/057269 WO2012133080A1 (ja) 2011-03-31 2012-03-22 硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2012133080A1 JPWO2012133080A1 (ja) 2014-07-28
JP5844796B2 true JP5844796B2 (ja) 2016-01-20

Family

ID=46930808

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013507445A Active JP5844796B2 (ja) 2011-03-31 2012-03-22 硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP5844796B2 (ja)
KR (1) KR101861774B1 (ja)
CN (1) CN103459447B (ja)
TW (1) TWI529202B (ja)
WO (1) WO2012133080A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6021605B2 (ja) * 2012-11-19 2016-11-09 新日鉄住金化学株式会社 かご型シルセスキオキサン化合物、それを用いた硬化性樹脂組成物及び樹脂硬化物
JP2015052695A (ja) * 2013-09-06 2015-03-19 富士フイルム株式会社 位相差板、液晶表示装置および位相差板の製造方法
KR102068219B1 (ko) 2016-01-28 2020-01-20 주식회사 엘지화학 다면체 올리고머 실세스퀴옥산의 제조 방법
KR102035831B1 (ko) 2016-03-17 2019-11-18 주식회사 엘지화학 다면체 올리고머 실세스퀴옥산 및 그 제조 방법
EP3511304A1 (de) * 2018-01-11 2019-07-17 Evonik Degussa GmbH Spezielle zusammensetzung organofunktioneller alkoxysilane und deren verwendung

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002363414A (ja) * 2001-06-12 2002-12-18 Asahi Kasei Corp 籠状シルセスキオキサン含有組成物
JP2003510337A (ja) * 1999-08-04 2003-03-18 ハイブリッド・プラスチックス 多面体オリゴマーシルセスキオキサンの形成方法
JP2004143449A (ja) * 2002-09-30 2004-05-20 Nippon Steel Chem Co Ltd 官能基を有するかご型シルセスキオキサン樹脂とその製造方法
WO2006035646A1 (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Nippon Steel Chemical Co., Ltd. シリカ含有シリコーン樹脂組成物及びその成形体
WO2008099850A1 (ja) * 2007-02-16 2008-08-21 Nippon Steel Chemical Co., Ltd. 官能基を有するかご開裂型シロキサン樹脂とその製造方法
JP2009167325A (ja) * 2008-01-17 2009-07-30 Nippon Steel Chem Co Ltd シラノール基含有硬化性籠型シルセスキオキサン化合物およびこれを用いた共重合体並びにそれらの製造方法
WO2009119253A1 (ja) * 2008-03-28 2009-10-01 新日鐵化学株式会社 シラノール基含有硬化性籠型シルセスキオキサン化合物、籠型構造含有硬化性シリコーン共重合体、及びこれらの製造方法、並びに硬化性樹脂組成物

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101345170B1 (ko) * 2006-07-13 2013-12-26 신닛테츠 수미킨 가가쿠 가부시키가이샤 필름 적층체 및 그 제조 방법
JP5328263B2 (ja) 2008-03-18 2013-10-30 昭和電工株式会社 磁気記録媒体の製造方法、磁気記録媒体、及び磁気記録再生装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003510337A (ja) * 1999-08-04 2003-03-18 ハイブリッド・プラスチックス 多面体オリゴマーシルセスキオキサンの形成方法
JP2002363414A (ja) * 2001-06-12 2002-12-18 Asahi Kasei Corp 籠状シルセスキオキサン含有組成物
JP2004143449A (ja) * 2002-09-30 2004-05-20 Nippon Steel Chem Co Ltd 官能基を有するかご型シルセスキオキサン樹脂とその製造方法
WO2006035646A1 (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Nippon Steel Chemical Co., Ltd. シリカ含有シリコーン樹脂組成物及びその成形体
WO2008099850A1 (ja) * 2007-02-16 2008-08-21 Nippon Steel Chemical Co., Ltd. 官能基を有するかご開裂型シロキサン樹脂とその製造方法
JP2009167325A (ja) * 2008-01-17 2009-07-30 Nippon Steel Chem Co Ltd シラノール基含有硬化性籠型シルセスキオキサン化合物およびこれを用いた共重合体並びにそれらの製造方法
WO2009119253A1 (ja) * 2008-03-28 2009-10-01 新日鐵化学株式会社 シラノール基含有硬化性籠型シルセスキオキサン化合物、籠型構造含有硬化性シリコーン共重合体、及びこれらの製造方法、並びに硬化性樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
KR101861774B1 (ko) 2018-05-28
CN103459447B (zh) 2015-03-25
WO2012133080A1 (ja) 2012-10-04
TWI529202B (zh) 2016-04-11
KR20140021634A (ko) 2014-02-20
CN103459447A (zh) 2013-12-18
TW201302864A (zh) 2013-01-16
JPWO2012133080A1 (ja) 2014-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6021605B2 (ja) かご型シルセスキオキサン化合物、それを用いた硬化性樹脂組成物及び樹脂硬化物
JP5000303B2 (ja) シリカ含有シリコーン樹脂組成物及びその成形体
JP4558643B2 (ja) シリコーン樹脂組成物及びその成形体
JP4409397B2 (ja) シリコーン樹脂組成物及び成形体
TWI476232B (zh) The silicone resin and the production method thereof are the same as those of the hardened resin composition containing the silicone resin
JP5844796B2 (ja) 硬化性シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂硬化物
JP2003137944A (ja) シリコーン樹脂組成物及びシリコーン樹脂成形体
US20070260008A1 (en) Silica-Containing Silicone Resin Composition and Its Molded Product
WO2009119253A1 (ja) シラノール基含有硬化性籠型シルセスキオキサン化合物、籠型構造含有硬化性シリコーン共重合体、及びこれらの製造方法、並びに硬化性樹脂組成物
JP2013129766A (ja) ガラス繊維複合化樹脂基板
KR101624924B1 (ko) 경화성 수지 조성물 및 경화물
JP5730009B2 (ja) 積層体
JP5698566B2 (ja) シリコーン樹脂組成物及びその成形体
JP5336399B2 (ja) 耐熱性複合型レンズ
WO2018110613A1 (ja) ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノシロキサン組成物、及びその硬化物、並びにポリオルガノシロキサンを含む電解コンデンサ用電解液及びそれを用いた電解コンデンサ
JP2020019870A (ja) 光硬化性シリコーン樹脂組成物及びその成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150501

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5844796

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250