JP5328263B2 - 磁気記録媒体の製造方法、磁気記録媒体、及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法、磁気記録媒体、及び磁気記録再生装置 Download PDF

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Description

本発明は、ハードディスク装置等に用いられる磁気記録媒体、その製造方法、および前記磁気記録媒体を備えた磁気記録再生装置に関するものである。
近年、磁気ディスク装置、フロッピー(登録商標)ディスク装置、磁気テープ装置等の磁気記録装置の適用範囲は著しく増大され、その重要性が増すと共に、これらの装置に用いられる磁気記録媒体について、その記録密度の著しい向上が図られつつある。
特にMRヘッド(磁気抵抗効果型ヘッド)、およびPRML(Partial Response Maximum Likelihood)技術の導入以来面記録密度の上昇はさらに激しさを増し、近年ではさらにGMRヘッド(巨大磁気抵抗効果型ヘッド)、TMRヘッド(トンネル磁気抵抗型ヘッド)なども導入され1年に約100%ものペースで増加を続けている。
これらの磁気記録媒体については、今後更に高記録密度を達成することが要求されており、そのために、磁気記録層の高保磁力化と高信号対雑音比(SN比)、高分解能を達成することが要求されている。また、近年では高面記録密度を達成するために媒体の絶対膜厚が薄くなっており、これに伴い記録磁化が熱的擾乱によって弱められるという現象が問題となりつつあり、特に記録の熱的安定性が大きな技術的課題となっている。とりわけ、前述のSN比を改善しようとするとこの熱的安定性が低下するケースが多く、これら2つの両立が開発の目標となっている。これは、一般的にSN比に優れた媒体では磁性層を構成する磁性粒子の結晶粒サイズが微細であることが多く、このことは媒体ノイズに有効である反面、磁性の熱的安定性の観点からは不安定領域に近いと言えるためである。
また、近年では線記録密度の向上と同時にトラック密度の増加によって面記録密度を上昇させようとする努力も続けられており、最新の磁気記録装置においてはトラック密度110kTPIにも達している。しかし、トラック密度を上げていくと、隣接するトラック間の磁気記録情報が互いに干渉し合い、その境界領域の磁化遷移領域がノイズ源となりSN比を損なうという問題が生じやすくなる。このことはそのままビットエラーレート(Bit Error rate)の低下につながるため記録密度の向上に対して障害となっている。
また、トラック間距離が近づくために、磁気記録装置は極めて高精度のトラックサーボ技術を要求されると同時に、記録を幅広く実行し、再生は隣接トラックからの影響をできるだけ排除するために記録時よりも狭く実行する方法が一般的に用いられている。この方法ではトラック間の影響を最小限に抑えることができる反面、再生出力を十分得ることが困難であり、そのために十分なSN比を確保することがむずかしいという問題がある。以上のような媒体の熱的安定性を確保するために近年用いられているのが垂直磁気記録媒体である。
このように垂直磁気記録媒体は高記録密度化のための技術として用いられているが、垂直磁気記録においてもさらなる高記録密度化をするためには、トラック密度を増加する必要がある。また、垂直磁気記録媒体においてもトラック密度を増加させることで問題となる記録端部の書きにじみ(フリンジ)を低減させる必要がある。
このフリンジを解決する方法の1例として、ディスクリートトラック媒体がある(例えば以下の特許文献1、2参照)。
特許文献1には、データ部を凸部、ガードバンド部を凹部としたディスクリート媒体の構造が提案されている。しかしながら、凹部型のガードバンド部を設けることはディスク表面に凹凸部を存在させることになるため、記録再生ヘッドの浮上特性に影響を与えるという問題があるため好ましくない。
特許文献2には、ガードバンド部を埋め込み材で埋め込みし、ディスク表面を平坦としたディスクリート媒体が提案されている。そして、ガードバンド部材として酸化物、窒化物、炭化物、硼化物、重合化合物が例示されている。
ディスクリート媒体のガードバンド部に酸化物等を埋め込む方法としては、例えば、スパッタ法等を用いて、ディスクリート媒体のガードバンド部およびデータ部にも酸化物等を成膜後、その表面をイオンビームエッチング等によってエッチングし、ディスクリート媒体のデータ部を再度、表出させ、ディスクリート媒体の表面にガードバンド部によりパターン化させたデータ部を形成する方法が採用される。そしてその表面に保護膜を形成し、ディスクリート媒体とする。
また、特許文献3には、ディスクリート媒体のガードバンド部(非磁性領域)を形成するに際して、流動性を有する光硬化性の樹脂を用いることが記載されている。
なお、特許文献4には、光硬化反応を生じる機能を有する重量平均分子量が1000以上50000以下のシロキサン系高分子化合物をナノインプリントに用いることが記載されている。また、特許文献5には、水素化シルセスキオキサンポリマーと溶媒との混合物を基板表面に塗布し、その塗布面に微細パターンの型押しをし、溶剤の除去および加水分解硬化により、基板表面に微細SiOパターンを形成する方法が記載されている。
特開平6−259709号公報 特開平9−97419号公報 特開2005−100496号公報 特開2007−072374号公報 特開2003−100609号公報
特許文献2に記載された酸化物、窒化物、炭化物、硼化物、重合化合物をディスクリート媒体のガードバンド部材に用いた場合、エッチング後の表面が荒れてしまい、その表面に保護膜を形成しても、表面粗度の悪いディスクリート媒体が製造される場合があった。また、特許文献2に記載された酸化物、窒化物、炭化物、硼化物、重合化合物をガードバンド部材としてディスクリート媒体を製造し、これをハードディスクドライブに組み込んだ場合、ハードディスクドライブの使用環境によっては、磁気記録媒体に腐食が発生してハードディスクドライブが破損し、また磁気記録媒体の電磁変換特性が悪化してしまう問題があった。
本発明者らがこれらの問題が発生する理由について解析、検討したところ、ディスクリート媒体の製造に際し、ガードバンド部材に用いる材料の塗布特性およびエッチング特性が悪いためにガードバンド部材のエッチング後の表面に凹凸が生じてしまい、その表面に保護膜を形成した場合、保護膜にその凹凸が引き継がれて表面粗度の悪いディスクリート媒体が製造されることが明らかになった。また、スパッタ法によりガードバンド部材を形成した場合、磁性層の凹部に非磁性材料が緻密に充填されず、この箇所に空隙が生じ、ハードディスクドライブの使用環境によっては、この空隙から腐食が発生することが明らかになった。
このような空隙を生じさせないためには、ガードバンド部を、液状物質を硬化させて形成する方法が考えられる。そして、ガードバンド部を形成するための液状物質としてはスピン・オン・グラス等の酸化ケイ素化合物が知られているが、これらの物質は粘性が高いため磁性層の凹部に緻密に充填するのが難しかった。また粘性の低いスピン・オン・グラス等も知られているが、これらの物質は硬化時の収縮率が大きく、この収縮時に磁性層の凹部に空隙が生じ、また、磁性層の凸部に歪みを与え、この空隙や歪みが磁気記録媒体の腐食の基点となることが明らかになった。
本発明は、高記録密度を実現する磁気記録方式のディスクリート媒体またはパターン媒体において、媒体表面の平滑性が高く、また、耐環境性の高い磁気記録媒体を高い生産性で製造することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意努力検討した結果、非磁性基板上に少なくとも、非磁性材料により磁気的に分離された記録層、保護膜を有する磁気記録媒体の製造に際し、非磁性材料として活性エネルギー線で硬化する有機ケイ素化合物を用いることにより表面平滑性の高い磁気記録媒体を提供でき、またこの磁気記録媒体は耐環境性にも優れることを見出し、本発明を完成させた。
これは、本発明の製造に用いる有機ケイ素化合物が、磁気記録媒体の磁性層等を構成する材料に対し濡(ぬ)れ性が高く、また化合物自体の表面張力および粘性も低いため、記録層の凹部に緻密に充填されること、さらに、硬化時の収縮率が低いため微細構造である記録層に歪みを与えることが少なく、加えて凝固時の表面も平滑であるとの知見に基づくものである。
また、本発明のる有機ケイ素化合物は、高度に構造制御された骨格を有するため、イオンビーム等を用いたドライエッチングに対して、優れたエッチング特性を有し、平滑なエッチング面が得られるとの特性を有する。
これらの知見の基づいた本発明は以下に関する。
(1) 非磁性基板上に少なくとも、記録層、保護膜を有する磁気記録媒体の製造方法であって、基板上に連続した記録層を形成する工程、パターニングしたレジスト層を形成する工程、このレジストパターンに基づいて記録層を部分的に除去する工程、記録層および記録層を除去した箇所に活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物を塗布する工程、有機ケイ素化合物を活性エネルギー線により硬化させる工程、有機ケイ素化合物をエッチングして磁性層を表出させる工程、保護膜を形成する工程をこの順で有し、前記有機ケイ素化合物は、同一分子内に以下の式(1)で表されるシルセスキオキサン骨格を有するシルセスキオキサン骨格含有化合物を含有し、
Figure 0005328263
前記シルセスキオキサン骨格含有化合物を、Si−H基及び前記シルセスキオキサン骨格を有する篭型シルセスキオキサン(A)と、前記硬化性官能基及び該硬化性官能基以外の炭素―炭素不飽和結合を有する化合物(B)とをヒドロシリル化反応させて製造することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
(2) 活性エネルギー線硬化性官能基が、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、オキセタニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリル基の群から選ばれる何れか1種以上であることを特徴とする上記(1)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(3) 活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物が、以下の式で表される化合物の何れかを含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
Figure 0005328263
(式中、Rは、YまたはYRSiO−を表し、RおよびRは炭素数1〜10の脂肪族基または芳香族炭化水素基を表す。また、aは4もしくは5、bは1もしくは2を、cは1〜3を示す。また、式中Yは以下の式の何れかを示す。)
Figure 0005328263
(上記式中、Rは以下に示すいずれかの構造であり、Rは水素またはメチル基、R10〜R14は水素原子または炭素数1から6までのアルキル基、もしくは炭素数1から4までのトリアルキルシリル基を示し、R15は、水素原子または炭素数1から6までのアルキル基、炭素数1から4までのトリアルキルシリル基、もしくはアリール基を示す。)
Figure 0005328263
(上記式において、R〜Rは水素またはメチル基であり、Rは炭素数が2〜8のアルキレン基である。)
(4) 有機ケイ素化合物を塗布する際の該物質の粘度が、25℃において10mPa・s〜100万mPa・sの範囲内であり、有機ケイ素化合物を塗布する表面に形成している凹凸が、凹部の最小幅が100nm以下、最大深さが20nm以上であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一項に記載の磁気記録媒体の製造方法
(5前記シルセスキオキサン骨格が、前記シルセスキオキサン骨格含有化合物の分子量の5%以上の範囲であることを特徴とする上記(〜(4)の何れか一項に記載の磁気記録媒体の製造方法
(6) 前記篭型シルセスキオキサン(A)が、式(2)で表されることを特徴とする上記()〜()の何れか一項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
Figure 0005328263
(式中、Rは、水素またはHRSiO−を表し、RおよびRは炭素数1〜10の脂肪族基または芳香族炭化水素基を表す。)
) 前記化合物(B)が、以下に示す化合物(a)、化合物(b)および化合物(c)からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(の何れか一項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
Figure 0005328263
(上記式中、Rは以下に示すいずれかの構造であり、Rは水素またはメチル基である。)
Figure 0005328263
(上記式において、R〜Rは水素またはメチル基であり、Rは炭素数が2〜8のアルキレン基である。)
) 有機ケイ素化合物が、さらに硬化剤を含むことを特徴とする上記()〜()の何れか一項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
) 前記硬化性官能基がエポキシ基であり、前記硬化剤が酸無水物であることを特徴とする上記()に記載の磁気記録媒体の製造方法。
10) 有機ケイ素化合物が、さらにポリチオール化合物を含み、前記硬化性官能基がメタ(アクリル)基であることを特徴とする上記()〜()の何れか一項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
11) 有機ケイ素化合物が、さらにビニルエーテル基を有する化合物を含み、前記硬化性官能基がエポキシ基であることを特徴とする上記()または()の何れか一項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
12) 前記活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物の塗布に、スピンコートまたはディップ法を用いることを特徴とする上記(1)〜(11)の何れか一項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
13) 有機ケイ素化合物のエッチングに、イオンビームエッチング法を用いることを特徴とする上記(1)〜(12)の何れか一項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
14請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法を用いて製造された磁気記録媒体であって、非磁性基板上に、少なくとも非磁性材料により磁気的に分離された記録層と保護膜とを有する磁気記録媒体であって、非磁性材料が、活性エネルギー線により硬化した有機ケイ素化合物であることを特徴とする磁気記録媒体。
15) 磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装置であって、磁気記録媒体が上記(14)に記載の磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記録再生装置。
本発明の磁気記録媒体は、磁気記録パターンの周囲の非磁性領域を形成するに際し、液体状の活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物を用いる。この物質は分子量が大きいにもかかわらず粘性が低く、また、活性エネルギー線による硬化時の収縮も少ない。また、イオンミリング等のエッチング特性も良好であり、平滑なエッチング面が得られる。よって、この物質を非磁性材料により磁気的に分離された記録層を有する磁気記録媒体の製造に用いた場合、磁気記録パターン部とその周囲の非磁性材料との境界領域に空隙が生ずることなく、また、微細形状である磁気記録パターン部に歪みを与えることがなく、また、平滑性の高い磁気記録媒体を製造できる効果を有する。そして、この方法で製造された磁気記録媒体は表面が平滑であるため、磁性層と磁気記録再生ヘッドとの間隔を低減することが可能となり、高記録密度に対応することが可能であり、また、高温高湿の環境において使用する場合においても磁気記録媒体の腐食が発生せず、耐環境性の高いハードディスクドライブを提供可能となる効果を有する。
本発明は、非磁性基板上に少なくとも、記録層、保護膜を有する磁気記録媒体、いわゆるパターン媒体、ディスクリート媒体、ビットパターン媒体を製造する方法であって、基板上に連続した記録層を形成する工程、パターニングしたレジスト層を形成する工程、このレジストパターンに基づいて記録層を部分的に除去する工程、記録層および記録層を除去した箇所に活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物を塗布する工程、有機ケイ素化合物を活性エネルギー線により硬化させる工程、有機ケイ素化合物をエッチングして磁性層を表面に発現させる工程、保護膜を形成する工程をこの順で有することを特徴とする。
本発明では、磁気記録パターンの周囲を構成する非磁性領域を製造するに際し、活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物を用いる。本発明の、活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物とは、例えば、次のような式の物質を含有する化合物である。
Figure 0005328263
(式中、Rは、YまたはYRSiO−を表し、RおよびRは炭素数1〜10の脂肪族基または芳香族炭化水素基を表す。また、aは4もしくは5、bは1もしくは2を、cは1〜3を示す。また、式中Yは以下の式に示す。)
Figure 0005328263
(上記式中、Rは以下に示すいずれかの構造であり、Rは水素またはメチル基、R10〜R14は水素原子または炭素数1から6までのアルキル基、もしくは炭素数1から4までのトリアルキルシリル基を示し、R15は、水素原子または炭素数1から6までのアルキル基、炭素数1から4までのトリアルキルシリル基、もしくはアリール基を示す。)
Figure 0005328263
(上記式において、R〜Rは水素またはメチル基であり、Rは炭素数が2〜8のアルキレン基である。)
本発明では、前述の有機ケイ素化合物を構成すると活性エネルギー線硬化性官能基として、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、オキセタニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリル基の群から選ばれる何れか1種以上を用いるのが好ましい。このような官能基を用いることにより有機ケイ素化合物の流動性を高めることが可能となり、また、有機ケイ素化合物を硬化させる際の収縮率を低減させることが可能となる。これにより、この有機ケイ素化合物を記録層の凹部に緻密に充填することが可能となり、また、化合物が硬化した後も記録層に歪みを与えることがない。加えて、この化合物は高度に構造制御された骨格を有するため、硬化したこの化合物をエッチングした際、平滑なエッチング面を得ることが可能となる。
また本発明では、有機ケイ素化合物を塗布する際の該物質の粘度を、25℃において10mPa・s〜100万mPa・sの範囲内、より好ましくは、1000mPa・s〜1万mPa・sの範囲内とするのが好ましい。このような粘度範囲の有機ケイ素化合物を用いることにより、化合物を、凹部の最小幅が100nm以下、最大深さが20nm以上の微細な記録層の凹部に緻密に充填させることが可能となり、また、凝固時の表面も平滑とできるため、エッチング後においても平滑な面を得ることが可能となる。
本発明の活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物(以下、単に「硬化性組成物」ともいう)として、同一分子内に、以下の式(1)で表されるシルセスキオキサン骨格と、硬化性官能基とを有するシルセスキオキサン骨格含有化合物(以下単に「シルセスキオキサン骨格含有化合物」ともいう)を用いるのが好ましい。
Figure 0005328263
本発明の硬化性組成物においては、式(1)で表されるシルセスキオキサン骨格が、シルセスキオキサン骨格含有化合物の分子量の5%以上、より好ましくは8%〜65%の範囲であることが好ましい。5%より少ないと、酸素エッチング耐性が低くなることがあり、あまりに式(1)で表されるシルセスキオキサン骨格の割合が高くなりすぎると、硬化性組成物の溶媒への溶解性が低くなり充填材として取り扱いが困難になる上に、同一濃度での粘性が高くなり、更に硬化速度も遅くなる傾向にある。
なお、式(1)で表されるシルセスキオキサン骨格のシルセスキオキサン骨格含有化合物の分子量に対する%の計算方法は、以下の通りである。
式(1)の式量は416.7であり、例えば、オクタキスジメチルシリルオキシシルセスキオキサンとメタクリル酸アリルとを反応させたシルセスキオキサン骨格含有化合物では、分子量が2027.26であることから、
416.7/2027.26=20.6%
となる。
該シルセスキオキサン骨格含有化合物は、Si−H基及び前記シルセスキオキサン骨格を有する篭型シルセスキオキサン(A)と、前記硬化性官能基及び該硬化性官能基以外の炭素―炭素不飽和結合を有する化合物(B)とをヒドロシリル化反応させることにより製造することができる。
<篭型シルセスキオキサン(A)>
該篭型シルセスキオキサン(A)としては、以下の式(2)で表される同一分子中に−Si−H基を有した化合物が挙げられる。
Figure 0005328263
上記式(2)中、Rは、水素またはHRSiO−を表す。RおよびRは炭素数1〜10の脂肪族基または芳香族炭化水素基を表す。
前記シルセスキオキサン骨格含有化合物は、前記篭型シルセスキオキサン(A)を使用し、その−Si−H基とヒドロシリル化反応を行える炭素―炭素不飽和結合およびそれ以外に硬化性官能基を有する化合物(化合物(B))と反応させることにより合成することが出来る。
式(2)で示される篭型シルセスキオキサン(A)としては、具体的には、オクタキス(ジメチルシリルオキシ)シルセスキオキサン、オクタキス(メチルフェニルシリルオキシ)シルセスキオキサン、オクタキス(ジメチルフェニルシリルオキシ)シルセスキオキサン、ユニ(トリメチリシリルオキシ)ヘプタキス(ジメチルシリルオキシ)シルセスキオキサン、ビス(トリメチルシリルオキシ)ヘキサキス(ジメチルシリルオキシ)シルセスキオキサン、トリス(トリメチルシリルオキシ)ペンタキス(ジメチルシリルオキシ)シルセスキオキサン、テトラキス(トリメチルシリルオキシ)テトラキス(ジメチルシリルオキシ)シルセスキオキサン、ペンタキス(トリメチルシリルオキシ)トリス(ジメチルシリルオキシ)シルセスキオキサン、ヘキサキス(トリメチルシリルオキシ)ビス(ジメチルシリルオキシ)シルセスキオキサン、ヘプタキス(トリメチルシリルオキシ)ユニ(ジメチルシリルオキシ)シルセスキオキサン、水素化シルセスキオキサン等が挙げられる。
これらの化合物のうち、例えば水素化シルセスキオキサンは、Inorg. Chem., 30, 2707(1991)に開示された方法を用いて、塩化鉄触媒によりトリクロロシランを加水分解することにより合成出来る。また、オクタキス(置換シリルオキシ)シルセスキオキサンは、J. Organomet. Chem., 441, 373 (1992)に開示の方法を用いて、Si20 8−のテトラメチルアンモニウム塩とジメチルクロロシラン、メチルフェニルクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、トリメチルクロロシランのような塩素化アルキル置換ケイ素化合物と反応させること等により合成することが出来る。
<化合物(B)>
前記の−Si−H基とヒドロシリル化反応を行える炭素―炭素不飽和結合としては、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
また、シルセスキオキサン骨格含有化合物が有する硬化性官能基は、活性エネルギー線または熱により反応する硬化性官能基であり、中でも活性エネルギー線により反応する(メタ)アクリロイル基やエポキシ基が好ましい。ここで本願明細書におけるエポキシ基とは、通常の意味で用いられる、直接結合した2つの炭素原子が酸素原子によって橋かけされている三角形の構造を持つ基のほかに、直接または他の原子(おもに炭素原子)を介して結合している二つの炭素原子が酸素原子によって橋かけされている構造を持つ基を意味し、グリシジル基、オキセタニル基、シクロヘキセンオキサイド基などを含む。
分子内にこれらの両方の官能基を有する化合物、すなわち硬化性官能基及び該硬化性官能基以外の炭素―炭素不飽和結合を有する化合物(化合物(B))としては、アリルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸アリル等のエポキシ基とアリル基を有する化合物、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸エチレングリコールモノアリルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノアリルエーテル、(メタ)アクリル酸プロピレングリコールモノアリルエーテル、(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコールモノアリルエーテル等の(メタ)アクリロイル基とアリル基を含む化合物、プロパルギル(メタ)アクリレート、3−チル−3−ヒドロキシメチルオキセタンのアリルエーテル等の化合物が挙げられる。
化合物(B)としては、活性エネルギー線により硬化を行うことが出来る(メタ)アクリロイル基やシクロヘキセンオキサイド基等のエポキシ基を有する化合物が好ましい。
化合物(B)のその他の具体例としては、以下の構造式で示される化合物(a)〜(c)が挙げられる。
Figure 0005328263
上記式中、Rは以下に示すいずれかの構造であり、Rは水素またはメチル基である。
Figure 0005328263
上記式において、R〜Rは水素またはメチル基であり、Rは炭素数が2〜8のアルキレン基である。
<シルセスキオキサン骨格含有化合物の製造方法>
本願における硬化性官能基を有するシルセスキオキサン骨格含有化合物は、Si−H基及び前記特定のシルセスキオキサン骨格を有する篭型シルセスキオキサン(A)と、硬化性官能基及び該硬化性官能基以外の炭素―炭素不飽和結合を有する化合物(B)とをヒドロシリル化反応によって結合させることにより製造される。
一般的なヒドロシリル化反応を以下に示す。
Figure 0005328263
例えば、上記篭型シルセスキオキサン(A)として、下記式(d)のオクタキスジメチルシリルオキシシルセスキオキサン、化合物(B)として下記式(e)のメタクリル酸アリルとを反応させた場合、下記式(f)で表される構造の化合物が主に生成する。
Figure 0005328263
Figure 0005328263
Figure 0005328263
本願における硬化性官能基を有するシルセスキオキサン骨格含有化合物は、上記のような方法で、すなわち篭型シルセスキオキサン(A)と化合物(B)とを反応させて製造することができる。また、後の硬化反応に影響を及ぼさない範囲で、−Si−Hと反応することが出来る炭素−炭素二重結合のみを持つ化合物も化合物(B)の代わりに一部使用することが出来る。
このような化合物としては、アリルアルコール、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
また、ゲル化に注意する必要はあるが、前述した炭素−炭素二重結合のみを持つ化合物として不飽和基を複数有する化合物を少量なら使用することも出来る。
これらの化合物としてはジアリルエーテル、ジメチルジビニルシラン、ジビニルメチルフェニルシラン、ジフェニルジビニルシラン、1,4−ビス(ジメチルビニルシリル)ベンゼン、1,1,3,3−テトラフェニルジビニルシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(ジメチルビニルシロキシ)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルビニルシロキシ)ベンゼン、テトラビニルシラン等が挙げられる。
これらは多官能の水素化シルセスキオキサンと反応してゲル化しないモル比以下に使用量を抑えなければならない。
また、Si−H基を有する化合物としても、硬化性組成物の硬化物のエッチング速度の選択性が損なわれない範囲でSi−H基及び前記特定のシルセスキオキサン骨格を有する篭型シルセスキオキサン(A)以外のSi−H基を有する化合物をシルセスキオキサン骨格含有化合物の製造に併用することが出来る。
このような化合物としては例えば、フェニルシランのようなモノアルキルシラン、ジフェニルシラン、メチルフェニルシランのようなジアルキルシランのような、ケイ素原子に2個以上の水素基を有するもの、または以下の一般式群で表されるポリハイドロジェンシロキサン化合物が挙げられる。
Figure 0005328263
上記式において、Rは、炭素数が1から5のアルキル基を示し、R〜Rは炭素数1から8のアルキル基、またはフェニル基を示し、(YSiO3/2は篭状および梯子状シルセスキオキサンを示し、mおよびnは独立に1から500までの整数であり、Yは以下に示す式で表されるいずれかの構造である。
Figure 0005328263
上記式においてRは水素またはメチル基を表し、Xは以下に示す式で表されるいずれかの構造である。
Figure 0005328263
上記式においてR〜Rはそれぞれ独立に水素またはメチル基であり、R10は炭素数が2〜8のアルキレン基である。また上記式において波線を示したところがケイ素原子と結合する部位である。
シルセスキオキサン骨格含有化合物を製造するためにヒドロシリル化反応を行う場合の篭型シルセスキオキサン(A)と化合物(B)との使用割合は、Si−H基と反応させる炭素−炭素不飽和結合がSi−H基より多くなる割合が好ましく、炭素−炭素不飽和結合/Si−H基のモル比が1.0以上であることが好ましく、特に1.02〜1.50であることが好ましい。
反応のさせ方としては化合物(B)を先に篭型シルセスキオキサン(A)と反応させ、前述の低沸点の硬化性官能基を持たない炭素−炭素二重結合のみを持つ化合物を後から反応させる方法が好ましい。その理由は、過剰に用いた炭素−炭素二重結合のみを持つ化合物を蒸留等により除去しやすいからである。
また、化合物(B)を、活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物の中に残存させたままで、その硬化性組成物を用いて微細パターン転写工程を行っても差し支えない。
前記ヒドロシリル化反応を行う際には触媒を用いることが好ましい。このような付加反応触媒としては、白金触媒、ロジウム触媒、パラジウム触媒、ルテニウム触媒などが挙げられるが、白金触媒がより好ましい。また、白金触媒として塩化白金酸、塩化白金酸とアルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン化合物との反応物、塩化白金酸とビニル基含有シロキサンとの反応物、白金オレフィン錯体、白金ビニル基含有シロキサン錯体、白金カルボニル錯体等などを例示することができる。これらはアルコール等の溶媒に溶解または分散させて使用することが好ましい。
具体的には、2%ジビニルテトラメチルジシロキサン白金錯体キシレン溶液(GELEST INC.製)等を使用することが好ましい。
前記付加反応触媒の使用量は特に制限はなく、添加量は反応に有効な量で十分であり、具体的にはヒドロシリル化反応を行う原料、つまり篭型シルセスキオキサン(A)および化合物(B)、場合によってはそれらに化合物(B)以外の−Si−Hと反応することが出来る炭素−炭素二重結合のみを持つ化合物や篭型シルセスキオキサン(A)以外のSi−H基を有する化合物を加えた総量に対して、白金等の金属元素分として、質量基準で0.01〜10000ppm、好ましくは0.1〜1000ppmとなる量である。
前記ヒドロシリル化反応の反応温度は、通常0〜250℃である。シルセスキオキサン骨格含有化合物の硬化性官能基となる官能基の重合反応を防止する意味では、0〜100℃が好ましい。また、原料系によっては反応速度が遅い場合があるので、このような場合には40℃以上に加熱することが望ましいが、加熱する場合には硬化性官能基に応じて、重合禁止剤を反応系に添加しておくことが望ましい。
また、水分によって前記反応が不安定になる場合があるので、必要に応じ、アルゴンや窒素の雰囲気下で反応を実施することもできる。
これらの反応は発熱が激しく、必要に応じて反応溶媒を使用することが出来る。例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶媒、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、イソプロパノールプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのアルコール系溶媒又はこれらの混合溶媒を使用することができる。
これらの中では芳香族炭化水素系溶媒又は脂肪族炭化水素系溶媒が好ましい。また、シアノ基含有化合物を反応溶媒として使用することもできる。
<活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物中のその他の成分>
本発明の活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物中に含まれるシルセスキオキサン骨格含有化合物中の硬化性官能基が(メタ)アクリロイル基の場合には、前記シルセスキオキサン骨格含有化合物単独あるいは(メタ)アクリロイル基と共重合できる官能基を持った化合物の共存下でのラジカル重合、あるいはポリチオールとの重付加を併用したラジカル重合を行うことが出来る。
また、前記硬化性官能基がエポキシ基の場合には、前記シルセスキオキサン骨格含有化合物単独あるいはビニルエーテル基のようなエポキシ基と共重合できる官能基を有する化合物との共存下でのカチオン重合や、酸無水物を硬化剤として用いた重付加等の重合を行うことが出来る。
シルセスキオキサン骨格含有化合物中の硬化性官能基が(メタ)アクリロイル基の場合、本発明の活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物を後述の方法で硬化させる際、前記シルセスキオキサン骨格含有化合物に加えて(メタ)アクリロイル基と共重合できる官能基を持った他の化合物との共存下でラジカル重合を行なえば、本発明の活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物が硬化する際の硬化速度を調整することが可能である。
このような(メタ)アクリロイル基と共重合できる官能基を持った化合物としては、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニル基、アリル基、マレイル基、フマル基等を持つ化合物があるが、この中でも特に(メタ)アクリロイル基持つ化合物が好ましく、(メタ)アクリル酸エステルの構造を1つ以上有するモノマーまたはオリゴマーが好適に用いられる。
前記(メタ)アクリル酸エステルの構造を1つ以上有するモノマーまたはオリゴマーとしては、単官能もしくは多官能の(メタ)アクリレートが使用でき、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−sec−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシフェニルエチル、エチレングリコールジ(メタ)クリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン等である。
また(メタ)アクリロイル基と共重合できる官能基を持つ化合物として、さらには、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、N−グリシジル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を付加させたいわゆるエポキシアクリレートも用いることが出来る。
(メタ)アクリロイル基と共重合できる官能基を持つ化合物の他の例として、以下のものも挙げることができる。
ポリイソシアネート化合物、たとえば、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、m−またはp−キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートまたはその変性物や重合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなど、活性水素含有(メタ)アクリレート系モノマーとして、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールメタクリレートアクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどと反応させたウレタンアクリレートなども用いることが出来る。
スチレン及びその誘導体も(メタ)アクリロイル基と共重合できる官能基を持つ化合物として用いることができ、例えば、スチレン、2,4−ジメチル−α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、2,4,5−トリメチルスチレン、ペンタメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−ビニルビフェニル、3−ビニルビフェニル、4−ビニルビフェニル、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−ビニル−p−ターフェニル、1−ビニルアントラセン、α−メチルスチレン、o−イソプロペニルトルエン、m−イソプロペニルトルエン、p−イソプロペニルトルエン、2,4−ジメチル−α−メチルスチレン、2,3−ジメチル−α−メチルスチレン、3,5−ジメチル−α−メチルスチレン、p−イソプロピル−α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロピルベンゼン等である。
(メタ)アクリロニトリル及びその誘導体も(メタ)アクリロイル基と共重合できる官能基を持つ化合物として用いることができ、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等である。
有機カルボン酸のビニルエステル及びその誘導体も(メタ)アクリロイル基と共重合できる官能基を持つ化合物として用いることができ、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、アジピン酸ジビニル等である。
有機カルボン酸のアリルエステル及びその誘導体も(メタ)アクリロイル基と共重合できる官能基を持つ化合物として用いることができ、例えば、酢酸アリル、安息香酸アリル、アジピン酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル等である。
フマル酸のジアルキルエステル及びその誘導体も(メタ)アクリロイル基と共重合できる官能基を持つ化合物として用いることができ、例えば、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジ−sec−ブチル、フマル酸ジイソブチル、フマル酸ジ−n−ブチル、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル、フマル酸ジベンジル等である。
マレイン酸のジアルキルエステル及びその誘導体も(メタ)アクリロイル基と共重合できる官能基を持つ化合物として用いることができ、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジ−sec−ブチル、マレイン酸ジイソブチル、マレイン酸ジ−n−ブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、マレイン酸ジベンジル等である。
イタコン酸のジアルキルエステル及びその誘導体も(メタ)アクリロイル基と共重合できる官能基を持つ化合物として用いることができ、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジイソプロピル、イタコン酸ジ−sec−ブチル、イタコン酸ジイソブチル、イタコン酸ジ−n−ブチル、イタコン酸ジ−2−エチルヘキシル、イタコン酸ジベンジル等である。
有機カルボン酸のN−ビニルアミド誘導体も(メタ)アクリロイル基と共重合できる官能基を持つ化合物として用いることができ、例えば、N−メチル−N−ビニルアセトアミド等である。
マレイミド及びその誘導体も(メタ)アクリロイル基と共重合できる官能基を持つ化合物として用いることができ、例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等である。
ポリチオールとの重付加を併用したラジカル重合において、(メタ)アクリル酸基と併用できるポリチオール化合物としては、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパン−トリス−(β−チオプロピネート)、トリス−2−ヒドロキシエチル−イソシアヌレート・トリス−β−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼンなどがあげられる。
シルセスキオキサン骨格含有化合物中の硬化性官能基がエポキシ基の場合、本発明の活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物を後述の方法で硬化させる際、前記シルセスキオキサン骨格含有化合物に加えてエポキシ基と共重合できる官能基を持った他の化合物との共存下でカチオン重合を行なえば、本発明の活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物が硬化する際の硬化速度を調整することが可能である。
このようなエポキシ基と共重合できる官能基を持った化合物としては、ビニルエーテル基を有する化合物用いることが出来、このような化合物としては、例えば、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ポリエステルジビニルエーテル、ポリウレタンポリビニルエーテル等が挙げられる。
またエポキシ基と共重合できる官能基を持った化合物として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、N−グリシジル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂などの、一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物が挙げられる。
具体的には、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名エピコート828、1002、1004等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;
ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名エピコート806、807、4005P、東都化成(株)製の商品名YDF−170等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;
ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名エピコート152、154、日本化薬(株)製の商品名EPPN−201等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂;
日本化薬(株)製の商品名EOCN−125S、103S、104S等のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;
ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名エピコートYX−4000,YL−6640等のビフェニル型エポキシ樹脂;
ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名エピコート1031S、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の商品名アラルダイト0163、ナガセ化成(株)製の商品名デナコールEX−611、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−421、E−411、EX−321等の多官能エポキシ樹脂;
ジャパンエポキシレジン(株)製の商品名エピコート604、東都化成(株)製の商品名YH−434、三菱ガス化学(株)製の商品名TETRAD−X、TETRAD−C、日本化薬(株)製の商品名GAN、住友化学(株)製の商品名ELM−120等のアミン型エポキシ樹脂;
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の商品名アラルダイトPT810等の複素環含有エポキシ樹脂;
ダイセル化学工業(株)製のEHPE3150、EHPE3150CE、セロキサイド2000、セロキサイド2021、セロキサイド2081,エポリードPB3600エポリードGT401等の脂環式エポキシ樹脂;
ダイセル化学工業(株)製のエポリードPB3600等のエポキシ化ポリブタジエンが挙げられ、これらは1種単独で又は2種類以上組み合わせて使用することができる。
また、オキセタニル基を有する化合物も用いることが出来、このようなものとしては、1,3−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチル−2−ヒドロキシメチルオキセタン等が挙げられる。
前記硬化性官能基がエポキシ基、特にグリシジル基である場合、酸無水物化合物を硬化剤として使用し、重付加により硬化することができる。酸無水物化合物としては無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香族酸無水物類、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸等の環状脂肪酸無水物が挙げられる。
これらの酸無水物の使用量は、エポキシ基に対し、0.7〜1.2当量、好ましくは0.8〜1.1当量である。また硬化促進剤としてイミダゾール類、三級アミン類、有機ホスフィン化合物を用いることができる。
本発明の硬化性組成物を硬化させるには活性エネルギー線硬化と熱硬化の二つの方法があり、特に前述のラジカル重合、カチオン重合の場合には、重合様式に応じてそれぞれ最適な重合開始剤を必要に応じて添加することが望ましい。
前記硬化性官能基が(メタ)アクリロイル基、または(メタ)アクリロイル基であり、硬化性組成物が前記ポリチオール化合物を含有する場合には、ラジカル重合開始剤を用いるのが好ましい。
熱重合の場合には、熱ラジカル開始剤としてメチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセテートパーオキサイド、アセチルアセテートパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイド、m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−S−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−m−トルイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシアセテート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンなどの、有機過酸化物、または、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(4−ヒドロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]などの、アゾ化合物などが挙げられる。
前記硬化性官能基がエポキシ基である場合の重合開始剤としては、メラミン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタシルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−エチル−4’−イミダゾリル−(1’)〕−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−S−トリアジン イソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾール イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾール イソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ〔1,2−a〕ベンズイミダゾール、4,4’−メチレンビス(2−エチル−5−メチルイミダゾール)、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライドなどの、イミダゾール類や、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7、及びそのフェノール塩、オクチル塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、オルソフタル酸塩、またはフェノールノボラック樹脂塩、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノネン−5、及びそのフェノールノボラック樹脂塩などの、有機強塩基類及びその塩、4級ホスホニウムブロマイド、芳香族ジメチルウレア、脂肪族ジメチルウレアなどの、ウレア類などのアニオン系開始剤、トリフェニルシラノールなどのシラノール系のカチオン触媒や、アルミニウムトリス(アセチルアセトン)などのアルミキレート系触媒などを挙げることができる。
また、本発明の微細パターンの形成方法に用いられる活性エネルギー線は、上記シルセスキオキサン骨格含有化合物の官能基に作用して硬化性組成物を硬化させるものであれば特に限定されるものではない。例えば、紫外線、X線等の放射線、電子線を挙げることができる。これらの中では紫外線や電子線を好適に使用できる。
電子線を用いた場合、重合開始剤が無くても(メタ)アクリロイル基は反応して硬化できるが、本組成物に用いる活性エネルギー線と官能基との組み合わせによって、必要に応じて重合開始剤を添加することが望ましい。
前記硬化性官能基が(メタ)アクリロイル基、あるいは(メタ)アクリロイル基であり、ポリチオール化合物を硬化性組成物に含有させる場合、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−フェニル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1などの、アセトフェノン系光ラジカル重合開始剤や、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタールなどの、ベンゾイン系光ラジカル重合開始剤や、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどの、ベンゾフェノン系光ラジカル重合開始剤や、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどの、チオキサントン系光ラジカル重合開始剤、α−アシロキシムエステル、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、4’,4’’−ジエチルイソフタロフェノンなどの、ケトン系光ラジカル重合開始剤や、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−イミダゾールなどの、イミダゾール系光ラジカル重合開始剤や、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤や、カルバゾール系光ラジカル重合開始剤や、トリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、p−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−クロルフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄−ヘキサフルオロホスフェートなどの、ルイス酸のオニウム塩などの光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
前記硬化性官能基がエポキシ基である場合や、硬化性官能基がエポキシ基であり、かつビニルエーテル基を有する化合物を硬化性組成物に含有させる場合には、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のスルホニウム塩系、またはヨードニウム塩系、ジアゾニウム塩系、アレン−イオン錯体系などの、光カチオン重合開始剤が挙げられる。
これらの重合開始剤は単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができ、硬化性組成物100質量部に対し、0.01〜10質量部で用いることが好ましい。
本発明の硬化性組成物においては重合開始剤、硬化剤の他に粘度調整剤、分散剤、表面調整剤などの添加剤を加えることができる。その場合には、その合計が硬化性組成物の合計100質量部に対して、30質量部以下となるようにすることが好ましい。添加剤の量が多すぎると、本発明の硬化性組成物を用いて得られる微細パターンのエッチング性能が劣ってしまうおそれがある。
また本発明の硬化性組成物には、塗布性向上のため必要に応じて溶媒等を添加することができる。希釈溶媒としては、前記シルセスキオキサン骨格含有化合物の製造反応の反応時に用いた溶媒をそのまま使用することも出来るし、反応溶媒を減圧下に留去した後、違う溶媒で希釈することも出来る。
このような溶媒としては、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶媒、2−プロパノール、ブタノールおよびヘキサノールプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール系溶媒等を挙げることができる。
以下に、本発明の磁気記録媒体を製造する方法の一例について、図面を用いて具体的に説明する。なお、本発明の製造方法は下記の製造プロセスに限定されるものではない。
(1) 円盤状の非磁性基板1上に、軟磁性裏打ち層2、配向制御層3、連続した記録層4、必要に応じて、保護膜5を順次形成して記録層6を形成する(図1(A)参照)。なお、図1(A)においては、円盤状の非磁性基板1の表面側磁気記録領域の一部分のみを拡大して示している。
(2) 上記(1)の工程で形成した記録層6の表面にレジスト7を塗布して媒体8を得る。必要に応じて焼成を行い余分な有機溶剤等を除去する(図1(B)参照)。
(3) 所望のトラック間、ビット間距離にあわせて設計された凹凸部9aを表面に形成された金属製の型(スタンパー)9を上記(2)に記載した工程で得た媒体8の表面に密着させ、高圧でプレスすることにより先の媒体8の表面にトラック形状、またはビット形状の凹凸部10を形成する(以下インプリントプロセスと呼ぶ)(図1(C)参照)。なお、先のスタンパー9は実際には円盤状の非磁性基板1に合致する形状の円盤状であるが、図1(C)ではスタンパー9の凹凸部10の一部分のみを示している。
(4) ドライエッチング、反応性イオンエッチングなどの手法を用いて上記(3)に記載した工程で得られた媒体表面のレジスト7、保護膜5、連続した記録層4、配向制御層3、軟磁性裏打ち層2の一部を剥ぎ取る。
この処理の結果、上記(3)に記載した工程で形成されたトラックの凹凸に沿った磁気記録層の一部からなる凹凸部11が残ることになる(以下エッチングプロセスと呼ぶ)。
ここで得られる凹凸部11は、磁気記録するべきトラック部またはビット部の凸部11aとこれらの凸部11aの間に位置する凹溝11bとが直径方向に間欠的に形成された構造となる(図1(D)参照)。
(5) これらの構造の上から、本発明の活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物を堆積させ、堆積層12を形成し、非磁性基板1の直径方向に間欠的に形成された先の凸部11a、11aの間に形成された凹溝11bに該化合物を充填させる(以下埋め込みプロセスと呼ぶ)。
このとき磁気記録媒体上の凹溝11bの奥までこの化合物を充填することが必要である(図1(E)参照)。
(6) その後、例えばイオンエッチング等のドライエッチングなどにより磁気記録媒体表面に残る凹凸を平滑化して磁気記録媒体表面を平滑面13とする(以下平滑化プロセスと呼ぶ)。この処理により各凹溝11bの内部に非磁性材料からなる磁気記録パターンの分離部14が形成され、これらの磁気記録パターンの分離部14により区画されるように各記録トラック部またはビット部15が形成される(図1(F)参照)。
(7) 最後に再びプラズマCVDなどの成膜方法を用いて保護膜16となるべきDLC(Diamond Like Carbon)膜を成膜する(図1(G)参照)。また、必要に応じて保護膜16の上に潤滑層17を形成する。
以上の工程により、図1(H)に示す構造の磁気記録媒体Aを得ることができる。
この形態において得られた磁気記録媒体Aは、円盤状の非磁性基板1の表面に、軟磁性裏打ち層2と配向制御層3と連続した記録層4と保護膜5を順次形成してなる記録層6が積層され、該記録層6は、同心円状の所定幅の記録トラック部またはビット部15を構成するように複数の凹溝11bにより分離され、各凹溝11bには活性エネルギー線で硬化した有機ケイ素化合物が充填されて磁気記録パターンの分離部14が形成され、これらの磁気記録パターンの分離部14と記録トラック部15とを覆って保護膜16と潤滑層17が形成されている。
前述した工程で用いる非磁性基板1としては、Alを主成分とした例えばAl−Mg合金等のAl合金基板や、結晶化ガラス、アモルファスガラス、シリコン、チタン、セラミックス、カーボン、各種樹脂からなる基板など、非磁性基板であれば任意のものを用いることができる。結晶化ガラス基板としては、リチウム系結晶化基板を用いることができ、アモルファス基板としては、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスが挙げることができる。
前記非磁性基板1の平均表面粗さRaを1nm以下、好ましくは0.5nm以下とすると、後工程で形成する連続した記録層4の垂直配向性が良好となる、更に、インプリント工程での圧力分布が小さくなり、加工の均一性が向上する点から好ましい。
前記非磁性基板1の表面の微小うねりWaを0.3nm以下とすると、インプリント工程での圧力分布が小さくなり、加工の均一性が向上する点から好ましい。
前記軟磁性裏打ち層2は、軟磁性材料からなるもので、この材料としてはFe、Co、Niを含む材料を挙げることができる。この材料としては、FeCo合金(FeCoB、FeCoSiB、FeCoZr、FeCoZrBなど)、FeTa合金(FeTaN、FeTaCなど)、Co合金(CoTaZr、CoZrNb、CoBなど)を挙げることができる。
前記軟磁性裏打ち層2を積層構造とすることが好ましい。即ち、軟磁性膜の間にRu、Re、Cuを設け、所定の厚さにすることで、上下に設けられた軟磁性膜を反強磁性結合させることができるためである。このような構成とすることで、垂直磁気記録媒体特有の問題であるWATE(Wide AREA Track Erasure)の現象を改善することが可能となる。
前記配向制御膜3は、その上に設けられる連続した記録層4の結晶配向性や結晶サイズを制御するためのものである。この膜に用いられる材料は、hcp構造またはfcc構造を有するものが好適である。特にRuが好ましい。
前記配向制御膜3の厚さは30nm以下であることが好ましい。配向制御膜3の厚さが30nmを超えると記録再生時における磁気ヘッドと軟磁性裏打ち層2との距離が大きくなるため、OW特性(オーバーライト特性)や再生信号の分解能が低下するため好ましくない。
前記連続した記録層4はその磁化容易軸を基板面に対し垂直方向に有しているものが好ましい。この層の磁性合金としては公知のものを使用できるが、本発明では特に、グラニュラー構造の磁性合金を用いるのが好ましい。
特に本発明では記録層を、少なくともCoとPtと酸化物を含んだグラニュラー構造の磁性材料で構成するのが好ましく、さらにSNR特性改善などの目的で、これにCr、B、Cu、Ta、Zrなどの元素を添加するのが好ましい。
前記記録層4をグラニュラー構造の磁性層とする場合の酸化物としては、SiO、SiO、Cr、CoO、Ta、TiOを挙げることができる。これら酸化物の体積率は15〜40体積%であることが好ましい。酸化物の体積率が15体積%未満であると、SNR特性が不十分となるため好ましくない。酸化物の体積率が40体積%を超えると、高記録密度に対応するだけの保磁力を得ることができないため好ましくない。
前記記録層4のニュークリエーション磁界(−Hn)は1.5(kOe)以上であることが好ましい。−Hnが1.5(kOe)未満であると、熱揺らぎが発生するので好ましくない。
記録層4の厚さは6〜18nmであることが好ましい。酸化物グラニュラー層4の厚さがこの範囲であると、十分な出力を確保することができ、OW特性の悪化が生じないために好ましい。
前述したインプリントプロセスで用いるスタンパー9は、金属プレートに電子線描画などの方法を用いて微細なトラックパターンを形成したものであり、材料としてはインプリントプロセスに耐えうる硬度、耐久性が要求される。例えばNiなどが使用されるが、前述の目的に合致するものであれば材料は問わない。
前述の磁気記録媒体上に塗布されるレジスト7は広く工業的に使用されているフォトレジストなど、さまざまな種類のものを使用することができる。通常はスピンコートなどを用いて薄く均一に塗布した後、オーブンで一定温度、所望の処理時間で焼成をかけ、不要な有機溶剤などを除去することが多い。このプロセスに関しては使用するレジスト7の性質に合わせて適宜プロセスを調整することができる。
前述のエッチングプロセスには、反応性イオンエッチング、イオンミリングなどの方法を適宜用いることができる。連続した記録層4を完全に切断し、凹溝(磁気記録パターンの分離部の元になる部分)を形成後、記録トラック部15の上部に残ったレジストを除去する。
前述の埋め込みプロセスにおいて、磁気記録パターンの分離部15にあたる埋め込み材料として、活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物を用いる。本発明で磁気記録パターンの分離部15にあたる埋め込み材料として、活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物を用いる理由は前述の通りであるが、より詳細にまとめると以下となる。
(1)本材料は、表面張力および粘性が低く、また、磁気記録媒体の磁性層等を構成する材料に対し濡(ぬ)れ性が高いため、記録層の凹部に緻密に充填でき、また、内部に空隙を生じさせることがない。これにより、磁気記録媒体の腐食が発生しにくくなる。
(2)本材料は、硬化時の収縮率が低いため、微細構造である記録層に歪みを与えることが少ない。これにより、磁気記録媒体の腐食が発生しにくくなる。
(3)本材料は、高度に構造制御された骨格を有するため、凝固時の表面が平滑であり、また、イオンビーム等を用いたドライエッチングに対して、優れたエッチング特性を有し、平滑なエッチング面が得られる。これにより磁気記録媒体の表面平滑性を高めることが可能となり磁気記録密度を高めることが可能となる。
(4)本材料は、磁気記録パターンの分離部15の埋め込み材料として、微細な凹凸に対して充填性が高いため、今までより微細で、また分離部が深く分離特性に優れた磁気記録パターンを製造することが可能となり、これにより記録密度を飛躍的に向上させた磁気記録媒体を提供することが可能となる。すなわち、本発明では、磁気記録パターンを形成する分離部15として、その最小幅を100nm以下、最大深さを20nm以上の微細で深い分離領域を形成することが可能となる。
前述の埋め込みプロセスでは、極めて微細で深い凹溝11bに均一に該非磁性材料を充填する必要があるので、どのようなプロセス条件を用いるかは重要である。本発明では、前記活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物をスピンコートまたはディップ法を用いて塗布するのが好ましい。本発明では、この方法を採用することにより、充填部分の空隙をなくすことが可能となり、隙間の部分が大気中の酸素などのガスと接触し磁気記録媒体の腐食が発生することを防ぐことができる。
前述の平坦化プロセスでは、埋め込みプロセス後に生じるであろう媒体表面の凹凸を、磁気記録媒体として十分なレベルまで平滑にする処理とする。この手段としては、CMP(Chemical mechanical polish)、IBE(Ion Bean Etching:イオンビームエッチング)などが用いられる。媒体の性能を損なわず、媒体表面を十分平滑に加工できる限りにおいてはいかなる手法を用いても本発明の効果には支障ないが、本発明では、乾式プロセスであるイオンビームエッチング法を用いるのが、そのエッチング面の汚染を低減できる点で好ましい。本発明では、磁気ヘッドの浮上量ができるだけ小さいことが高密度磁気記録の実現には有効である。従って本発明の磁気記録媒体においての表面粗さ(Ra)は、1nm以下、更には、0.5nm以下であることが好ましく、中でも0.3nm以下であることが好ましい。
最後に保護膜16を形成する。一般的にはDLC(Diamond Like Carbon)の薄膜をP−CVDなどを用いて成膜するが、手法はこの限りではない。ここでの保護膜は一般的に磁気記録媒体保護膜として使用されているものと同じと考えてよい。保護層としてはこの他、C、水素化C、窒素化C、アルモファスC、SiC等の炭素質層やSiO、Zr、TiNなど、通常用いられる保護層材料を用いることができる。また、前述の保護層16が2層以上の層から構成されていてもよい。保護層の膜厚は1〜10nm、特に1〜5nmであり、耐久性を確保できる範囲でできるだけ薄く設定することが好ましい。
保護層16の上には潤滑層17を形成する。潤滑層17に用いる潤滑剤としては、フッ素系潤滑剤、炭化水素系潤滑剤及びこれらの混合物等が挙げられ、通常1〜4nmの厚さで潤滑層を形成する。
本発明の磁気記録装置は、少なくとも上述した構造の磁気記録媒体Aと、これを記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対運動させる手段と、磁気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処理手段を有する磁気記憶装置である。
さらに上述の磁気ヘッドの再生部をGMRヘッドあるいはTMRヘッドで構成することにより、高記録密度においても十分な信号強度を得ることができ、高記録密度を持った磁気記憶装置を実現することができる。またこの磁気ヘッドを、浮上量を0.005μm〜0.020μmと、従来よりも低い高さで浮上させると、出力が向上して高い装置S/Nが得られ、大容量で高信頼性の磁気記憶装置を提供することができる。また、最尤復号法による信号処理回路を組み合わせるとさらに記録密度を向上でき、例えば、トラック密度100kTPI以上、線記録密度1000kbpI以上、1平方インチ当たり100Gビット/インチ以上の記録密度で記録・再生する場合にも十分なS/Nが得られる。
より具体的には、図2に示すように磁気記録再生装置が構成される。図2に示すこの例の磁気記録再生装置Bは、上面側が開口した矩形箱状の筐体21と、筐体21の開口を塞ぐ図示略のトップカバーを有する。
筐体21内には、上述の構成を有する磁気記録媒体22、この磁気記録媒体22を支持および回転させる駆動手段としてのスピンドルモータ23、磁気記録媒体22に対して磁気信号の記録および再生を行う磁気ヘッド24(単磁極ヘッド)、磁気ヘッド24を先端に搭載したサスペンションを有しかつ磁気ヘッド24を磁気記録媒体22に対して移動自在に支持するヘッドアクチュエータ25、ヘッドアクチュエータ25を回転自在に支持する回転軸26、回転軸26を介してヘッドアクチュエータ25を回転および位置決めするボイスコイルモータ27、ヘッドアンプ回路28が収納されている。
(活性エネルギー線硬化性官能基としてメタクリル基を用いた、シルセスキオキサン骨格含有化合物の合成)
温度計と冷却管とを取り付けた3口フラスコにオクタキスジメチルシリルオキシシルセスキオキサン(アルドリッチ製:PSS−Octakis(dimethylsilyloxy)substituted)1.0g(0.98mmol)、メタクリル酸アリル1.98g(15.7mmol、Si−H基基準2.0倍)、トルエン30mlを加えて、Ar気流下、室温で撹拌した。2%ジビニルテトラメチルジシロキサン白金錯体キシレン溶液(GELEST INC.製)0.093g(白金金属の重量は原料仕込みの1000ppm)を少しずつ添加した。2時間室温で撹拌した後、減圧でトルエン溶媒を留去し(全体の硬化性樹脂組成物の上記式(1)の骨格の%:20.6%)、得られた生成物をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに固形分濃度10%になるように溶解した。
得られた溶液に光ラジカル重合開始剤2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(Darocure 1173 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)社製)を固形分100部に対し、3部添加し溶解させた後、0.2μmのフィルターでろ過し、活性エネルギー線硬化性官能基としてメタクリル基を用いた、シルセスキオキサン骨格含有硬化性組成物を調整した。生成物の重量平均分子量は約3000であった。
(実施例1〜3、比較例1〜5)
洗浄済みのHD用ガラス基板(オハラ(株)製、外径0.85インチ)をセットした真空チャンバをあらかじめ1.0×10−5Pa以下に真空排気した。さらに、当該基板上に、65Fe−25Co−10B(原子%)を加熱なしで50nm、Ruを0.8nm、ついで65Fe−25Co−10B(原子%)を50nm成膜し、軟磁性裏打ち層を形成した。
ついで、Ruからなる配向制御膜を20nm、65Co−10Cr−15Pt−10SiO(原子%)からなる記録層を12nm、カーボンからなる保護膜を4nm形成した。
次に、保護膜まで形成した媒体を真空チャンバ内から取り出し、表面にレジストをスピンコートで塗布した。塗布した後に約100℃の恒温槽で20分焼成して余分な溶剤を除去した。
次にあらかじめ用意していたNi製スタンパーを用いてインプリントを施して複数のサンプルを形成した。スタンパーは、トラックピッチ(Track pitch)150nmの同心円状の凹溝が形成されたものとした。
次にこれらのサンプルを高真空チャンバ内にセットし、イオンビームエッチングを用いて同心円状の各凹溝(磁気記録パターンの分離部に対応する円環溝)の部分の記録層を含む記録膜を除去した。
その後、この表面に、前述のシルセスキオキサン骨格含有化合物(実施例1〜3)、SiO(比較例1)、炭素(比較例2)、ニッケル(比較例3)、SiO系スピン・オン・グラス(比較例4)を平均膜厚が80nmになるように堆積させた。なお、比較例5については凹溝に何も堆積させなかった。ここで実施例1〜3で用いたシルセスキオキサン骨格含有化合物の粘度は、1171mPa・sであった。
これらの膜の堆積は、実施例1〜3、比較例4はスピンコートで、比較例1〜3はスパッタ法により行った。スピンコートは、組成物0.5mlをスピンコーター内にセットした基板上に滴下し、基板を500rpmで5秒間回転、次いで3000rpmで2秒間、さらに5000rpmで20秒間回転させることにより行った。
その後、イオンビームエッチングを用いて各トラック部において記録層が露出し、その表面を1nm程度エッチングしたところまで表面平滑化をおこなった。最後に、CVD法によってDLC膜を厚さ4nm形成し、潤滑材を2nm塗布して磁気記録媒体を作製した。
(実施例4)
磁気記録媒体の記録膜表面に堆積させる、活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物を次の方法により合成した。
温度計と冷却管とを取り付けた3口フラスコに、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン2.0g(8.3mmol)、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸アリル6.4g(34.9mmol、Si−H基基準1.05倍)およびトルエン50gを加えて、Ar気流下、室温で撹拌した。そこに2%ジビニルテトラメチルジシロキサン白金錯体のキシレン溶液0.82g(白金金属の重量は原料仕込みの1000ppm)を4回に分けて少しずつ添加した。2時間室温で撹拌した後、減圧下でトルエン溶媒を留去し、プロピレングリコールモノメチルアセテートに固形分濃度5%になるように溶解した。
得られた溶液に光カチオン重合開始剤トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートを固形分100質量部に対し、2質量部添加し溶解させた後、0.2μmのフィルターでろ過した。得られた化合物の粘度は1300mPa・sであった。
合成された化合物を、実施例1と同様の方法で記録膜表面に堆積させて磁気記録媒体を製造した。
(グライドヒット評価)
実施例1〜4、比較例1〜5で製造した磁気記録媒体についてグライド検査を行った。検査ヘッドと磁気記録媒体表面の間の機械的なスペーシングは8nmとし、検査ヘッドから、磁気記録媒体表面の突起物との衝突に起因するシグナルの数をカウントすることにより行った。
(耐腐食性(コロージョン)評価)
実施例1〜4、比較例1〜5で製造した磁気記録媒体について耐環境性評価を実施した。評価は、磁気記録媒体を温度80℃、湿度85%の大気環境下に96時間保持し、その後、磁気記録媒体の表面に生ずる5ミクロンφ以上のコロージョンスポットの数をカウントすることにより行った。
(評価結果)
実施例1〜4及び比較例1〜5について、上記のグライドヒット評価及び耐腐食性評価の結果を下記の表1に示す。
本発明の製造方法による磁気記録媒体である実施例1〜4は、表1に示すように、表面の平滑性が高く、また、耐環境性の高いものであった。
Figure 0005328263
本発明に係る磁気記録媒体の製造方法を示すもので、図1(A)は基板上に記録層を形成した状態を示す断面図、図1(B)はレジストを形成した状態を示す断面図、図1(C)はスタンパーによりインプリントした状態を示す断面図、図1(D)はエッチングにより各部を除去した状態を示す断面図、図1(E)は堆積層を形成した状態を示す断面図、図1(F)は表面を平滑化した状態を示す断面図、図1(G)は保護層を形成した状態を示す断面図、図1(H)は潤滑層を形成した状態を示す断面図である。 本発明に係る磁気記録再生装置の一例を示す構成図である。
符号の説明
1…非磁性基板、2…軟磁性裏打ち層、3…配向性御層、4…酸化物グラニュラー層、5…保護層、6…記録層、7…レジスト、8…媒体、9…スタンパー、11…凹凸部、11a…凸部、11b…凹溝、12…堆積層、14…磁気記録パターンの分離部、15…記録トラック部、16…保護膜、17…潤滑層

Claims (15)

  1. 非磁性基板上に少なくとも、記録層、保護膜を有する磁気記録媒体の製造方法であって、
    基板上に連続した記録層を形成する工程、
    パターニングしたレジスト層を形成する工程、
    このレジストパターンに基づいて記録層を部分的に除去する工程、
    記録層および記録層を除去した箇所に活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物を塗布する工程、
    有機ケイ素化合物を活性エネルギー線により硬化させる工程、
    有機ケイ素化合物をエッチングして磁性層を表出させる工程、
    保護膜を形成する工程をこの順で有し、
    前記有機ケイ素化合物は、同一分子内に以下の式(1)で表されるシルセスキオキサン骨格を有するシルセスキオキサン骨格含有化合物を含有し、
    Figure 0005328263
    前記シルセスキオキサン骨格含有化合物を、Si−H基及び前記シルセスキオキサン骨格を有する篭型シルセスキオキサン(A)と、前記硬化性官能基及び該硬化性官能基以外の炭素―炭素不飽和結合を有する化合物(B)とをヒドロシリル化反応させて製造することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 活性エネルギー線硬化性官能基が、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、オキセタニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリル基の群から選ばれる何れか1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物が、以下の式で表される化合物の何れかを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
    Figure 0005328263
    (式中、Rは、YまたはYRSiO−を表し、RおよびRは炭素数1〜10の脂肪族基または芳香族炭化水素基を表す。また、aは4もしくは5、bは1もしくは2を、cは1〜3を示す。また、式中Yは以下の式の何れかを示す。)
    Figure 0005328263
    (上記式中、Rは以下に示すいずれかの構造であり、Rは水素またはメチル基、R10〜R14は水素原子または炭素数1から6までのアルキル基、もしくは炭素数1から4までのトリアルキルシリル基を示し、R15は、水素原子または炭素数1から6までのアルキル基、炭素数1から4までのトリアルキルシリル基、もしくはアリール基を示す。)
    Figure 0005328263
    (上記式において、R〜Rは水素またはメチル基であり、Rは炭素数が2〜8のアルキレン基である。)
  4. 有機ケイ素化合物を塗布する際の該物質の粘度が、25℃において10mPa・s〜100万mPa・sの範囲内であり、
    有機ケイ素化合物を塗布する表面に形成している凹凸が、凹部の最小幅が100nm以下、最大深さが20nm以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 前記シルセスキオキサン骨格が、前記シルセスキオキサン骨格含有化合物の分子量の5%以上の範囲であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記篭型シルセスキオキサン(A)が、式(2)で表されることを特徴とする請求項の何れか一項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
    Figure 0005328263
    (式中、Rは、水素またはHRSiO−を表し、RおよびRは炭素数1〜10の脂肪族基または芳香族炭化水素基を表す。)
  7. 前記化合物(B)が、以下に示す化合物(a)、化合物(b)および化合物(c)からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
    Figure 0005328263
    (上記式中、Rは以下に示すいずれかの構造であり、Rは水素またはメチル基である。)
    Figure 0005328263
    (上記式において、R〜Rは水素またはメチル基であり、Rは炭素数が2〜8のアルキレン基である。)
  8. 有機ケイ素化合物が、さらに硬化剤を含むことを特徴とする請求項の何れか一項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  9. 前記硬化性官能基がエポキシ基であり、前記硬化剤が酸無水物であることを特徴とする請求項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  10. 有機ケイ素化合物が、さらにポリチオール化合物を含み、前記硬化性官能基がメタ(アクリル)基であることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  11. 有機ケイ素化合物が、さらにビニルエーテル基を有する化合物を含み、前記硬化性官能基がエポキシ基であることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  12. 前記活性エネルギー線硬化性官能基を有する有機ケイ素化合物の塗布に、スピンコートまたはディップ法を用いることを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  13. 有機ケイ素化合物のエッチングに、イオンビームエッチング法を用いることを特徴とする請求項1〜12の何れか一項記載の磁気記録媒体の製造方法。
  14. 請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法を用いて製造された磁気記録媒体であって、
    非磁性基板上に、少なくとも非磁性材料により磁気的に分離された記録層と保護膜とを有する磁気記録媒体であって、
    非磁性材料が、活性エネルギー線により硬化した有機ケイ素化合物であることを特徴とする磁気記録媒体。
  15. 磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装置であって、
    磁気記録媒体が請求項14に記載の磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記録再生装置。
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