JP2020019870A - 光硬化性シリコーン樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂組成物を硬化させる際に生じる酸素阻害の影響を減少させ、酸素を遮断する高価な設備を不要とし、十分な耐擦傷性を得ることを可能とする光硬化性シリコーン樹脂組成物を提供する。【解決手段】[RSiO3/2]n(但し、Rは(メタ)アクリロイル基を有する基であり、nは8、10又は12である)で表され、構造単位中に篭型構造を有するシリコーン樹脂と、シリコーン樹脂とラジカル共重合が可能な不飽和化合物を、1:99〜99:1の重量割合で配合したシリコーン樹脂組成物に、一般式(2)で表されるα−ヒドロキシアセトフェノン型光重合開始剤を1〜10重量%配合したことを特徴とする光硬化性シリコーン樹脂組成物。(式中、Arは置芳香族基、R6、R7はアルキル基、nは1または2である)【選択図】なし
Description
本発明は、高い耐擦傷性および透明性等に優れた成形体を得ることができる光硬化性シリコーン樹脂組成物、及びこれを硬化させて得られた三次元架橋体であるシリコーン樹脂成形体に関する。
近年、ディスプレイやモバイル機器、家電製品、自動車部品等、あらゆる分野において意匠性や軽量化、薄型化のニーズが強まっており、表面保護部材として、これまでのガラスや金属に替わり、プラスチックや軽量化金属などが用いられている。しかし、プラスチックや一部の軽量化金属は表面硬度が低く、傷つきやすいという課題がある。そこで、表面を保護するハードコート層を設ける方法が用いられている。
こうしたハードコート層にはアクリル系組成物が多く用いられている。アクリル系組成物は、一般に、紫外線や電子線などの活性エネルギー線照射によるラジカル反応により成膜するため、短時間かつ低温で硬化可能であり、配合する樹脂組成により靱性が保持できるため、塗料、接着剤などに広く用いられている。
本発明者等は、シリコーン樹脂組成物中のかご型シリコーン樹脂の有する反応性官能基数を増加させ、これとラジカル共重合が可能な不飽和化合物を特定比率で配合することで高表面硬度、耐熱性、機械的特性、寸法安定性等のバランスの優れた無機ガラスの代替用途に好適に用いられる透明なシリコーン樹脂成形体を与えることが可能であることを、特許文献1や特許文献2で開示している。また、かご型シリコーン樹脂の製造方法については、特許文献3で開示している。しかし、かかるシリコーン樹脂組成物について、ラジカル重合反応による硬化を大気中で行った場合、酸素阻害の影響を受けるため、十分な耐擦傷性を得ることは困難であり、酸素を遮断する高価な設備が必要となるため、一般的な塗工設備には適用できないという課題があった。
シリコーン樹脂と不飽和化合物と光重合開始剤を含む光硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化させる際に生じる酸素阻害の影響を減少させ、酸素を遮断する高価な設備を不要とし、十分な耐擦傷性を得ることを可能とする光硬化性シリコーン樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、シリコーン樹脂組成物について、その組成中のラジカル重合可能な不飽和化合物と光ラジカル重合開始剤の組合せについて鋭意検討した結果、特定の光ラジカル重合開始剤を使用することにより、上記課題が解決し得ることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、光硬化性シリコーン樹脂組成物であって、
一般式(1)
[RSiO3/2]n (1)
(但し、Rは(メタ)アクリロイル基を有する有機官能基であり、nは8、10又は12である)で表され、構造単位中に篭型構造を有するポリオルガノシルセスキオキサンを主たる成分とするシリコーン樹脂と、
分子中に−R3−CR4=CH2又は−CR4=CH2(但し、R3はアルキレン基、アルキリデン基又は−OCO−基を示し、R4は水素又はアルキル基を示す)で表される不飽和基を少なくとも1個含み、前記シリコーン樹脂とラジカル共重合が可能な不飽和化合物を、
1:99〜99:1の重量割合で配合したシリコーン樹脂組成物に、
一般式(2)
(但し、Arは置換または非置換の芳香族基であり、R6およびR7は独立に置換または非置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、nは1または2である)で表されるα−ヒドロキシアセトフェノン型光重合開始剤を1〜10重量%配合したことを特徴とする光硬化性シリコーン樹脂組成物である。
一般式(1)
[RSiO3/2]n (1)
(但し、Rは(メタ)アクリロイル基を有する有機官能基であり、nは8、10又は12である)で表され、構造単位中に篭型構造を有するポリオルガノシルセスキオキサンを主たる成分とするシリコーン樹脂と、
分子中に−R3−CR4=CH2又は−CR4=CH2(但し、R3はアルキレン基、アルキリデン基又は−OCO−基を示し、R4は水素又はアルキル基を示す)で表される不飽和基を少なくとも1個含み、前記シリコーン樹脂とラジカル共重合が可能な不飽和化合物を、
1:99〜99:1の重量割合で配合したシリコーン樹脂組成物に、
一般式(2)
(但し、Arは置換または非置換の芳香族基であり、R6およびR7は独立に置換または非置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、nは1または2である)で表されるα−ヒドロキシアセトフェノン型光重合開始剤を1〜10重量%配合したことを特徴とする光硬化性シリコーン樹脂組成物である。
上記不飽和化合物は、その10〜100重量%が、分子中に−R3−CR4=CH2又は−CR4=CH2(但し、R3はアルキレン基、アルキリデン基又は−OCO−基を示し、R4は水素又はアルキル基を示す)で表される不飽和基を少なくとも3個含む非シリコーン型の多官能不飽和化合物であることがよい。
また、上記不飽和化合物は、その10〜100重量%が下記一般式(3)で表される脂環式多官能不飽和化合物であることも好ましい。
(式中、Zは下記式(3a)又は式(3b)で表される何れかの基を示し、Rは水素又はメチル基を示す)
(式中、Zは下記式(3a)又は式(3b)で表される何れかの基を示し、Rは水素又はメチル基を示す)
上記シリコーン樹脂は、一般式(3)
RSiX3 (3)
(但し、Rは(メタ)アクリロイル基を有する有機官能基であり、Xは加水分解性基を示す)で表されるケイ素化合物を極性溶媒及び塩基性触媒存在下で加水分解反応させると共に一部縮合させ、得られた加水分解生成物を更に非極性溶媒及び塩基性触媒存在下で再縮合させて得られたものであり、分子中ケイ素原子数と(メタ)アクリロイル基数が等しく、且つかご型構造を有するものであることがよい。
RSiX3 (3)
(但し、Rは(メタ)アクリロイル基を有する有機官能基であり、Xは加水分解性基を示す)で表されるケイ素化合物を極性溶媒及び塩基性触媒存在下で加水分解反応させると共に一部縮合させ、得られた加水分解生成物を更に非極性溶媒及び塩基性触媒存在下で再縮合させて得られたものであり、分子中ケイ素原子数と(メタ)アクリロイル基数が等しく、且つかご型構造を有するものであることがよい。
また、本発明は上記の光硬化性シリコーン樹脂組成物を、ラジカル共重合させて得られたシリコーン樹脂成形体である。
更に本発明は、上記の光硬化性シリコーン樹脂組成物を、大気下でエネルギー線を照射してラジカル共重合させることを特徴とするシリコーン樹脂成形体の製造方法である。
以下、本発明について更に説明する。
本発明の光硬化性シリコーン樹脂組成物は、前記一般式(1)で表されるシリコーン樹脂(以下、本シリコーン樹脂ともいう)と、分子中に−R3−CR4=CH2又は−CR4=CH2で表される不飽和基を少なくとも1個含み、前記シリコーン樹脂とラジカル共重合が可能な不飽和化合物(以下、不飽和化合物ともいう)とを、1:99〜99:1の重量割合で配合したシリコーン樹脂組成物と、前記一般式(2)で表されるα−ヒドロキシアセトフェノン型光重合開始剤を含む。
本発明の光硬化性シリコーン樹脂組成物は、前記一般式(1)で表されるシリコーン樹脂(以下、本シリコーン樹脂ともいう)と、分子中に−R3−CR4=CH2又は−CR4=CH2で表される不飽和基を少なくとも1個含み、前記シリコーン樹脂とラジカル共重合が可能な不飽和化合物(以下、不飽和化合物ともいう)とを、1:99〜99:1の重量割合で配合したシリコーン樹脂組成物と、前記一般式(2)で表されるα−ヒドロキシアセトフェノン型光重合開始剤を含む。
本発明に用いられる本シリコーン樹脂は、上記一般式(1)で表され、構造単位中に篭型構造を有するポリオルガノシルセスキオキサン(篭型ポリオルガノシルセスキオキサンともいう。ポリオルガノシルセスキオキサンをシルセスキオキサンもいう。)を主成分とする。
一般式(1)において、Rは(メタ)アクリロイル基を有する有機官能基であって、nは8、10又は12である。(メタ)アクリロイル基を有する有機官能基としては、下記一般式(4)で表される基が挙げられる。一般式(4)中、mは1〜3の整数であり、R1は水素原子又はメチル基である。
CH2=CR1‐COO−(CH2)m− (4)
一般式(1)において、Rは(メタ)アクリロイル基を有する有機官能基であって、nは8、10又は12である。(メタ)アクリロイル基を有する有機官能基としては、下記一般式(4)で表される基が挙げられる。一般式(4)中、mは1〜3の整数であり、R1は水素原子又はメチル基である。
CH2=CR1‐COO−(CH2)m− (4)
本シリコーン樹脂は、分子中のケイ素原子上に(メタ)アクリロイル基を有する有機官能基を有する。一般式(1)中のnが8、10、12である篭型ポリオルガノシルセスキオキサンの具体的な構造としては、下記構造式(5)、(6)及び(7)に示すような篭型構造体が挙げられる。なお、下記式中のRは、一般式(1)におけるRと同じものを表す。
本シリコーン樹脂は、上記特許文献3等に記載の方法で製造可能である。例えば、RSiX3で表されるケイ素化合物を極性溶媒及び塩基性触媒存在下で加水分解反応させると共に一部縮合させ、得られた加水分解生成物を更に非極性溶媒及び塩基性触媒存在下で再縮合させて得ることができる。ここで、Rは前記一般式(4)で表される基であり、Xは加水分解性基を示す。好ましいRの具体例を示せば、3−メタクリロキシプロピル基、メタクリロキシメチル基、3−アクリロキシプロピル基が例示される。
加水分解性基Xは、加水分解性を有する基であれば特に限定されず、アルコキシル基、アセトキシ基等が挙げられるが、アルコキシル基であることが好ましい。アルコキシル基としてはメトキシ基、エトキシ基、n−及びi−プロポキシ基、n−、i−及びt−ブトキシ基等が挙げられる。メトキシ基は反応性が高いため好ましい。
RSiX3で表されるケイ素化合物の中で好ましい化合物を示せば、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシラン、3−メタクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリクロロシランが挙げられる。中でも、原料の入手が容易である3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いることが好ましい。
加水分解反応に用いられる塩基性触媒としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物、あるいはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシドなどの水酸化アンモニウム塩が例示される。これらの中でも、触媒活性が高い点からテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましく用いられる。塩基性触媒は、通常水溶液として使用される。
加水分解反応条件については、反応温度は0〜60℃が好ましく、20〜40℃がより好ましい。反応温度が0℃より低いと、反応速度が遅くなり加水分解性基が未反応の状態で残存してしまい反応時間を多く費やす結果となる。一方、60℃より高いと反応速度が速すぎるために複雑な縮合反応が進行し結果として加水分解生成物の高分子量化が促進される。また、反応時間は2時間以上が好ましい。反応時間が2時間に満たないと、加水分解反応が十分に進行せず加水分解性基が未反応の状態で残存してしまう状態となる。
加水分解反応は水の存在が必須であるが、これは塩基性触媒の水溶液から供給することもできるし、別途水として加えてもよい。水の量は加水分解性基を加水分解するに足る量以上、好ましくは理論量の1.0〜1.5倍量である。また、加水分解時には有機極性溶媒を用いることが必要で、有機極性溶媒としてはメタノール、エタノール、2−プロパノールなどのアルコール類、或いは他の有機極性溶媒を用いることができる。好ましくは、水と溶解性のある炭素数1〜6の低級アルコール類であり、2−プロパノールを用いることがより好ましい。非極性溶媒を用いると反応系が均一にならず加水分解反応が十分に進行せず未反応のアルコキシル基が残存してしまい好ましくない。
加水分解反応終了後は、水又は水含有反応溶媒を分離する。水又は水含有反応溶媒の分離は、減圧蒸発等の手段が採用できる。水分やその他の不純物を十分に除去するためには、非極性溶媒を添加して加水分解反応生成物を溶解させ、この溶液を食塩水等で洗浄し、その後無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤で乾燥させる等の手段が採用できる。非極性溶媒を、蒸発等の手段で分離すれば、加水分解反応生成物を回収することができるが、非極性溶媒が次の反応で使用する非極性溶媒として使用可能であれば、これを分離する必要はない。
加水分解反応では加水分解と共に、加水分解物の縮合反応が生じる。加水分解物の縮合反応が伴う加水分解生成物は、通常、数平均分子量が1400〜5000の無色の粘性液体となる。加水分解生成物は、反応条件により異なるが数平均分子量が1400〜3000のオリゴマーとなり、加水分解性基Xの大部分、好ましくはほぼ全部がOH基に置換され、更にそのOH基の大部分、好ましくは95%以上が縮合されている。加水分解生成物の構造については、複数種のかご型、はしご型、ランダム型のシルセスキオキサンであり、かご型構造をとっている化合物についても完全なかご型構造の割合は少なく、かごの一部が開いている不完全なかご型の構造が主となっている。したがって、この加水分解で得られた加水分解生成物を、更に、塩基性触媒存在下、有機溶媒中で加熱することによりシロキサン結合を縮合(再縮合という)させることによりかご型構造のシルセスキオキサンを選択的に製造する。
水又は水含有反応溶媒を分離したのち、非極性溶媒及び塩基性触媒の存在下に再縮合反応を行う。再縮合反応の反応条件については、反応温度は100〜200℃の範囲が好ましく、さらには110〜140℃がより好ましい。また、反応温度が低すぎると再縮合反応をさせるために十分なドライビングフォースが得られず反応が進行しない。反応温度が高すぎると(メタ)アクリロイル基が自己重合反応を起こす可能性があるので、反応温度を抑制するか、重合禁止剤などを添加する必要がある。反応時間は2〜12時間が好ましい。非極性溶媒の使用量は加水分解反応生成物を溶解するに足る量であることがよく、塩基性触媒の使用量は加水分解反応生成物に対し、0.1〜10wt%の範囲である。
非極性溶媒としては、水と溶解性の無い又は殆どないものであればよいが、炭化水素系溶媒が好ましい。かかる、炭化水素系溶媒としてはトルエン、ベンゼン、キシレンなどの沸点の低い非極性溶媒がある。中でもトルエンを用いることが好ましい。塩基性触媒としては、加水分解反応に使用される塩基性触媒が使用でき、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物、あるいはテトラメルアンモニウムヒヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエチルアンモニウムヒドロキシドなどの水酸化アンモニウム塩が挙げられるが、テトラアルキルアンモニウム等の非極性溶媒に可溶性の触媒が好ましい。
また、再縮合に使用する加水分解生成物は水洗、脱水し濃縮したものを用いるのが好ましいが、水洗、脱水を行わなくても使用できる。この反応の際、水は存在してもよいが、積極的に加える必要はなく、塩基性触媒溶液から持ち込まれる水分程度にとどめることがよい。なお、加水分解生成物の加水分解が十分に行われていない場合は、残存する加水分解性基を加水分解するに必要な理論量以上の水分が必要であるが、通常は加水分解反応が十分に行われる。再縮合反応後は、触媒を水洗し取り除き濃縮し、シルセスキオキサン混合物が得られる。
このようにして得られるシルセスキオキサンは、反応条件や加水分解生成物の状態により異なるが、構成成分は、複数種かご型シルセスキオキサンが全体の70%以上であり、残りはラダー型、ランダム架橋型のシルセスキオキサンと予想されている。これらは分離が困難で多大な手間がかかるため、本発明においては、一般式(1)で表されるかご型シルセスキオキサンを70%以上含有するシルセスキオキサンを本発明のシリコーン樹脂とする。なお、かご型シルセスキオキサン含有量が70%以上であれば得られる効果に差異はない。複数種のかご型シルセスキオキサンの構成成分は一般式(5)で表されるT8が
20〜40%、一般式(6)で表されるT10が40〜50%でその他の成分は一般式(7)で表されるT12である。T8はシロキサン混合物を20℃以下で放置することで針状の結晶として析出させ分離することができる。
20〜40%、一般式(6)で表されるT10が40〜50%でその他の成分は一般式(7)で表されるT12である。T8はシロキサン混合物を20℃以下で放置することで針状の結晶として析出させ分離することができる。
本発明で使用する本シリコーン樹脂は、T8〜T12の混合物であってもよく、これからT8等の1又は2を分離又は濃縮したものであってもよい。また、本発明で使用する本シリコーン樹脂は、上記製法で得られたシリコーン樹脂に限定されるものではない。
本発明のシリコーン樹脂組成物において、シリコーン樹脂と共重合可能な不飽和化合物は、不飽和基を少なくとも1個以上含む。
上記不飽和基は、−R3−CR4=CH2又は−CR4=CH2(但し、R3はアルキレン基、アルキリデン基又は−OCO−基を示し、R4は水素又はアルキル基を示す)で表される。R3がアルキレン基、アルキリデン基である場合は、それらの炭素数は1〜6であることが好ましく、R4がアルキル基である場合はメチル基が好ましい。
上記不飽和基は、−R3−CR4=CH2又は−CR4=CH2(但し、R3はアルキレン基、アルキリデン基又は−OCO−基を示し、R4は水素又はアルキル基を示す)で表される。R3がアルキレン基、アルキリデン基である場合は、それらの炭素数は1〜6であることが好ましく、R4がアルキル基である場合はメチル基が好ましい。
好ましくは、上記不飽和基を2個以上又は3個以上有する多官能不飽和化合物を10〜100重量%含む。かかる多官能不飽和化合物を配合することで、高表面硬度の成形体を得ることができる。多官能不飽和化合物はケイ素原子を有しない非シリコーン型の化合物であることが好ましい。
上記多官能不飽和化合物としては、モノマーやオリゴマーが挙げられ、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を例示することができる。また、これら以外にもペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールの一部又は全部のヒドロキシ基をエチレン、イソプロピレン等のグリコールやγ-ブチロラクトン等で変性して得られる骨格の末端ヒドロキシ基を、さらに−R3−CR4=CH2又は−CR4=CH2(但し、R3はアルキレン基、アルキリデン基又は−O−C(=O)−基を示し、R4は水素又はアルキル基を示す)で表される不飽和基で変性した化合物等も用いることができる。あるいは、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル共重合体アクリレートなどが例示できる。また、これらの多官能不飽和化合物は、それぞれ単独で使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。
上記多官能不飽和化合物としては、モノマーやオリゴマーが挙げられ、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を例示することができる。また、これら以外にもペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールの一部又は全部のヒドロキシ基をエチレン、イソプロピレン等のグリコールやγ-ブチロラクトン等で変性して得られる骨格の末端ヒドロキシ基を、さらに−R3−CR4=CH2又は−CR4=CH2(但し、R3はアルキレン基、アルキリデン基又は−O−C(=O)−基を示し、R4は水素又はアルキル基を示す)で表される不飽和基で変性した化合物等も用いることができる。あるいは、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル共重合体アクリレートなどが例示できる。また、これらの多官能不飽和化合物は、それぞれ単独で使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。
また、上記不飽和化合物は、脂環式多官能不飽和化合物を10〜100重量%含有させることで、低吸水性の成形体とすることができる。脂環式多官能不飽和化合物としては、前記一般式(3)で表される化合物が好ましい。一般式(3)で表される脂環式不飽和化合物において、Zが式(3a)で表される基である場合の具体的な化合物としては、Rが水素であるジシクロペンタニルジアクリレート(又は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジアクリレート)、Zが式(3b)で表される基である場合の具体的な化合物としては、Rが水素であるペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンジアクリレートがある。
また、上記不飽和化合物には、表面硬度を低下させない範囲で反応性の単官能または他の2官能モノマー(不飽和化合物)を配合してもよい。単官能モノマーとしては、スチレン、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソボニルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート等を例示することができる。反応性他の2官能モノマーとしては、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート等を例示することができる。
単官能モノマーは、上記不飽和化合物中に20wt%以下含まれることが好ましく、より好ましくは10wt%以下である。10wt以上配合すると表面硬度が低下する傾向にあるので好ましくない。
単官能モノマーは、上記不飽和化合物中に20wt%以下含まれることが好ましく、より好ましくは10wt%以下である。10wt以上配合すると表面硬度が低下する傾向にあるので好ましくない。
上記シリコーン樹脂と、上記不飽和化合物を配合したものをシリコーン樹脂組成物といい、このシリコーン樹脂組成物に光重合開始剤を配合したものを光硬化性シリコーン樹脂組成物という。
配合は、シリコーン樹脂と、不飽和化合物を先に配合してもよく、シリコーン樹脂と、不飽和化合物と、光重合開始剤を同時に配合してもよく、配合の順番は任意である。また、後記するように光硬化性シリコーン樹脂組成物には、各種添加剤を含むことができるが、これらの配合の順番も任意であり、シリコーン樹脂組成物中にこれらの添加剤を含むこともできる。
配合は、シリコーン樹脂と、不飽和化合物を先に配合してもよく、シリコーン樹脂と、不飽和化合物と、光重合開始剤を同時に配合してもよく、配合の順番は任意である。また、後記するように光硬化性シリコーン樹脂組成物には、各種添加剤を含むことができるが、これらの配合の順番も任意であり、シリコーン樹脂組成物中にこれらの添加剤を含むこともできる。
本発明の光硬化性シリコーン樹脂組成物に用いられる光重合開始剤は、反応性および透明性の観点から、一般式(2)で表されるα−ヒドロキシアセトフェノン型開始剤を1〜10重量%の範囲で配合する。式中R5は、光吸収効率を高めるための置換または非置換の芳香族基であり、芳香環が2個以上結合した構造がより好ましい。具体的には、フェニル、ビフェニリル等やこれらにアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ等が置換した基挙げられる。
式中のR6、R7は、開裂効率を促進する目的で電子供与性の有機基が好ましく、具体的には独立に置換または非置換の炭素数1〜6のアルキル基である。より具体的には、メチル、エチル等が挙げられる。
nは1または2であるが、好ましくは2である。
式中のR6、R7は、開裂効率を促進する目的で電子供与性の有機基が好ましく、具体的には独立に置換または非置換の炭素数1〜6のアルキル基である。より具体的には、メチル、エチル等が挙げられる。
nは1または2であるが、好ましくは2である。
具体的化合物としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン等を例示できる。好ましくは、酸素阻害を抑制する目的で、アクリレート同士のラジカル重合によるゲル化速度を上げるため、1分子中に開裂部位を2個以上有し、光吸収効率のよい芳香環構造を有する反応性の高い光重合開始剤が良く、好ましくは、反応性の観点から、nが2で、1分子中に開裂部位を2個以上有する2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン等が例示できる。また、光重合開始剤と組み合わせて効果を発揮する光開始助剤や鋭感剤を併用することもできる。
本発明のシリコーン樹脂組成物には、本発明の目的から外れない範囲で各種添加剤を添加することができる。各種添加剤として有機/無機フィラー、可塑剤、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、核剤、着色剤、架橋剤、分散助剤、樹脂成分等を例示することができる。
本発明の光硬化性シリコーン樹脂共重合体は、光照射によって硬化させることで製造することができ、波長10〜400nmの紫外線や波長400〜700nmの可視光線を照射することで、硬化した成形体を得ることができる。用いる光の波長は特に制限されるものではないが、特に波長200〜400nmの近紫外線が好適に用いられる。紫外線発生源として用いられるランプとしては、低圧水銀ランプ(出力:0.4〜4W/cm)、高圧水銀ランプ(40〜160W/cm)、超高圧水銀ランプ(173〜435W/cm)、メタルハライドランプ(80〜160W/cm)等を例示することができる。
光照射によって成形体(シリコーン樹脂共重合体または硬化物)を得る方法としては、酸素遮断雰囲気下あるいは大気雰囲気下のどちらであってもよいが、本発明の組成物は大気雰囲気下での重合硬化であっても、良好な成形体を与える。例えば任意のキャビティ形状を有し、石英ガラス等の透明素材で構成された金型内に注入し、紫外線ランプで紫外線を照射して重合硬化を行い、金型から脱型させることで所望の形状の成形体を製造する方法や、金型を用いない場合には、例えば移動するスチールベルト上にドクターブレードやロール状のコーターを用いて本発明の光硬化性シリコーン樹脂組成物を塗布し、紫外線ランプで重合硬化させることで、シート状の成形体を製造する方法等を例示することができる。
成形体の形状は任意であり、フィルムや塗膜等であってもよい。この成形体は、本発明の光硬化性シリコーン樹脂組成物をラジカル共重合させて得られる。本発明の成形体は、このシリコーン樹脂組成物を成形硬化又はこの光硬化性シリコーン樹脂共重合体を成形して得られる。本発明の成形体または硬化物は、架橋重合体であって、この場合、熱硬化性樹脂と同様な成形硬化法が採用できる。
成形体の形状は任意であり、フィルムや塗膜等であってもよい。この成形体は、本発明の光硬化性シリコーン樹脂組成物をラジカル共重合させて得られる。本発明の成形体は、このシリコーン樹脂組成物を成形硬化又はこの光硬化性シリコーン樹脂共重合体を成形して得られる。本発明の成形体または硬化物は、架橋重合体であって、この場合、熱硬化性樹脂と同様な成形硬化法が採用できる。
更に、ポリカーボネートやポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、金属板、ガラス等の各種基材に、本発明の光硬化性シリコーン樹脂組成物を塗布、あるいは各種溶剤で希釈して塗布することにより、ハードコート被膜としての成形体を形成する方法が例示できる。具体的には、流涎法、ローラーコート法、バーコート法、噴霧コート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、フローコート法、カーテンコート法およびディッピング法が挙げられる。なお、塗工膜厚は、乾燥、紫外線ランプによる硬化後の形成膜厚を考慮して、固形分濃度により調整する。固形分濃度の調整に溶剤を用いた場合には、塗布後は、溶剤を乾燥等により除去することが好ましい。乾燥温度は、用いる基材が変形しない条件とし、乾燥時間は、生産性の観点から1時間以下が好ましい。また、耐擦傷性および付着性の観点から、ハードコーティング被膜の厚みは0.5〜100μm、好ましくは1〜60μmである。
本発明の光硬化性シリコーン樹脂組成物によれば、高い耐擦傷性を有し、高透明性で、高い耐熱性を有する成形体を得ることができ、大気雰囲気下でも十分な性能が得られることから、例えば、ディスプレイ、モバイル機器の筐体、家電製品や自動車内装材、建築部材などの様々な用途の表面保護部材として適する。
以下、本発明の実施例を示す。なお、下記の実施例に使用したシリコーン樹脂は、下記の合成例に示した方法で得たものである。
合成例1
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた反応容器に、溶媒として2−プロパノール(IPA)40mlと塩基性触媒として5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を装入した。滴下ロートにIPA15mlと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MTMS:東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製 SZ−6300)12.69gを入れ、反応容器を撹拌しながら、室温でMTMSのIPA溶液を30分かけて滴下した。MTMS滴下終了後、加熱することなく2時間撹拌した。2時間撹拌後溶媒を減圧下で溶媒を除去し、トルエン50mlで溶解した。反応溶液を飽和食
塩水で中性になるまで水洗した後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで加水分解生成物(シルセスキオキサン)を8.6g得た。このシルセスキオキサンは種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
次に、撹拌機、ディンスターク、冷却管を備えた反応容器に上記で得られたシルセスキオキサン20.65gとトルエン82mlと10%TMAH水溶液3.0gを入れ、徐々に加熱し水を留去した。更に130℃まで加熱しトルエンを還流温度で再縮合反応を行った。このときの反応溶液の温度は108℃であった。トルエン還流後2時間撹拌した後、反応を終了とした。反応溶液を飽和食塩水で中性になるまで水洗した後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで目的物であるかご型シルセスキオキサン(混合物)を18.77g得た。得られたかご型シルセスキオキサン
(S1)は種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
再縮合反応後の反応物の液体クロマトグラフィー分離後の質量分析を行ったところ上記構造式(5)、(6)及び(7)の分子構造にアンモニウムイオンが付いた分子イオンが確認され、構成比率はT8:T10:T12:その他が約2:4:1:3であり、かご型構造を主たる成分とするシリコーン樹脂であることが確認できる。なお、T8、T10、及びT12は、それぞれ式(5)、(6)及び(7)に対応する。
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた反応容器に、溶媒として2−プロパノール(IPA)40mlと塩基性触媒として5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(TMAH水溶液)を装入した。滴下ロートにIPA15mlと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MTMS:東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製 SZ−6300)12.69gを入れ、反応容器を撹拌しながら、室温でMTMSのIPA溶液を30分かけて滴下した。MTMS滴下終了後、加熱することなく2時間撹拌した。2時間撹拌後溶媒を減圧下で溶媒を除去し、トルエン50mlで溶解した。反応溶液を飽和食
塩水で中性になるまで水洗した後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで加水分解生成物(シルセスキオキサン)を8.6g得た。このシルセスキオキサンは種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
次に、撹拌機、ディンスターク、冷却管を備えた反応容器に上記で得られたシルセスキオキサン20.65gとトルエン82mlと10%TMAH水溶液3.0gを入れ、徐々に加熱し水を留去した。更に130℃まで加熱しトルエンを還流温度で再縮合反応を行った。このときの反応溶液の温度は108℃であった。トルエン還流後2時間撹拌した後、反応を終了とした。反応溶液を飽和食塩水で中性になるまで水洗した後、無水硫酸マグネシウムで脱水した。無水硫酸マグネシウムをろ別し、濃縮することで目的物であるかご型シルセスキオキサン(混合物)を18.77g得た。得られたかご型シルセスキオキサン
(S1)は種々の有機溶剤に可溶な無色の粘性液体であった。
再縮合反応後の反応物の液体クロマトグラフィー分離後の質量分析を行ったところ上記構造式(5)、(6)及び(7)の分子構造にアンモニウムイオンが付いた分子イオンが確認され、構成比率はT8:T10:T12:その他が約2:4:1:3であり、かご型構造を主たる成分とするシリコーン樹脂であることが確認できる。なお、T8、T10、及びT12は、それぞれ式(5)、(6)及び(7)に対応する。
実施例1
合成例1で得たメタクリロイル基を全てのケイ素原子上に有した篭型シリコーン樹脂(S1):50重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製カヤラッドDPHA):50重量部、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル-プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン-1‐オン(IGM社製Omnirad127):5重量部を混合し、透明な光硬化性シリコーン樹脂組成物を得た。
合成例1で得たメタクリロイル基を全てのケイ素原子上に有した篭型シリコーン樹脂(S1):50重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製カヤラッドDPHA):50重量部、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル-プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン-1‐オン(IGM社製Omnirad127):5重量部を混合し、透明な光硬化性シリコーン樹脂組成物を得た。
次に、PET基材(厚さ188μm)にバーコーターを用いて、厚さ10μmになるようにキャスト(流延)し、30W/cmの高圧水銀ランプを用い、2000mJ/cm2の積算露光量で硬化させ、PET基材表面にシリコーン樹脂成形体の層を形成してなるPET積層体を得た。
各種特性の評価は以下の方法で測定した。評価結果を表1に示す。
[耐擦傷性]
PET積層体試験片を、#0000スチールウールを用いて荷重500g/cm2の荷重下で10往復試験を行い、目視で傷の本数を評価した。
〇:傷なし
×:傷が1本以上
[鉛筆硬度]
PET積層体試験片について、JIS K 5600に準拠し、三菱鉛筆ユニを用いて750g荷重、45度の角度で引掻き、傷のつかない硬度を目視で判定した。
○:2H以上
×:2H未満
[着色性]
PET積層体試験片について、分光光度計(島津製作所製UV3600)を用いて、PET基材をブランクとしてYI測定を行い判定した。
○:YIが1.0未満
×:YIが1.0以上
[耐擦傷性]
PET積層体試験片を、#0000スチールウールを用いて荷重500g/cm2の荷重下で10往復試験を行い、目視で傷の本数を評価した。
〇:傷なし
×:傷が1本以上
[鉛筆硬度]
PET積層体試験片について、JIS K 5600に準拠し、三菱鉛筆ユニを用いて750g荷重、45度の角度で引掻き、傷のつかない硬度を目視で判定した。
○:2H以上
×:2H未満
[着色性]
PET積層体試験片について、分光光度計(島津製作所製UV3600)を用いて、PET基材をブランクとしてYI測定を行い判定した。
○:YIが1.0未満
×:YIが1.0以上
実施例2〜5及び比較例1〜2
配合組成を表1に示す重量割合とした他は、実施例1と同様にして樹脂成形体の層を形成してなるPET積層体を得た。
配合組成を表1に示す重量割合とした他は、実施例1と同様にして樹脂成形体の層を形成してなるPET積層体を得た。
表中の略号は次のとおり。
S1:合成例1で得られたシリコーン樹脂
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)
A−TMPT:トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学(株)製)
DCPA:ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(共栄社化学(株)製)
U1:ウレタンアクリレートオリゴマー1(共栄社化学(株)製UF−503)
U2:ウレタンアクリレートオリゴマー2(新中村化学(株)製UA−122P)
P−1:2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル-プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン-1‐オン(IGM(株)製Omnirad127)
P−2:1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(IGM(株)製Omnirad184)
P−3:構造非公開カルボニル型(IGM(株)製Omnirad754)
S1:合成例1で得られたシリコーン樹脂
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)
A−TMPT:トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学(株)製)
DCPA:ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(共栄社化学(株)製)
U1:ウレタンアクリレートオリゴマー1(共栄社化学(株)製UF−503)
U2:ウレタンアクリレートオリゴマー2(新中村化学(株)製UA−122P)
P−1:2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル-プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン-1‐オン(IGM(株)製Omnirad127)
P−2:1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(IGM(株)製Omnirad184)
P−3:構造非公開カルボニル型(IGM(株)製Omnirad754)
Claims (6)
- 一般式(1)
[RSiO3/2]n (1)
(但し、Rは(メタ)アクリロイル基を有する有機官能基であり、nは8、10又は12である)で表され、構造単位中に篭型構造を有するポリオルガノシルセスキオキサンを主たる成分とするシリコーン樹脂と、
分子中に−R3−CR4=CH2又は−CR4=CH2(但し、R3はアルキレン基、アルキリデン基又は−OCO−基を示し、R4は水素又はアルキル基を示す)で表される不飽和基を少なくとも1個含み、前記シリコーン樹脂とラジカル共重合が可能な不飽和化合物を、
1:99〜99:1の重量割合で配合したシリコーン樹脂組成物に、
一般式(2)
(但し、Arは置換または非置換の芳香族基であり、R6およびR7は独立に置換または非置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、nは1または2である)
で表されるα−ヒドロキシアセトフェノン型光重合開始剤を1〜10重量%配合したことを特徴とする光硬化性シリコーン樹脂組成物。 - シリコーン樹脂とラジカル共重合が可能な不飽和化合物の10〜100重量%が、分子中に−R3−CR4=CH2又は−CR4=CH2(但し、R3はアルキレン基、アルキリデン基又は−OCO−基を示し、R4は水素又はアルキル基を示す)で表される不飽和基を少なくとも3個含む非シリコーン型の多官能不飽和化合物である請求項1記載の光硬化性シリコーン樹脂組成物。
- シリコーン樹脂が、一般式(3)
RSiX3 (3)
(但し、Rは(メタ)アクリロイル基を有する有機官能基であり、Xは加水分解性基を示す)で表されるケイ素化合物を極性溶媒及び塩基性触媒存在下で加水分解反応させると共に一部縮合させ、得られた加水分解生成物を更に非極性溶媒及び塩基性触媒存在下で再縮合させて得られたものであり、分子中ケイ素原子数と(メタ)アクリロイル基数が等しく、且つかご型構造を有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性シリコーン樹脂組成物。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化性シリコーン樹脂組成物を、ラジカル共重合させて得られたシリコーン樹脂成形体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化性シリコーン樹脂組成物を、大気下でエネルギー線を照射してラジカル共重合させることを特徴とするシリコーン樹脂成形体の製造方法。
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