JP2012214505A - 薄層糖衣錠およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不快な臭いのマスキングおよびウイスカーの発生の防止に有用で、シュガーレス化が可能であり、製造時間も短く、小型化、低水分化が可能な薄層糖衣錠を提供すること。
【解決手段】素錠に対し、ショ糖や糖アルコール、特にエリスリトールのような糖質、賦形剤および結合剤を含む糖衣液を手がけし、あるいは0.1〜1000μmの液滴として噴霧して、素錠重量の10〜60%の糖衣を施す。
【選択図】なし

Description

本発明は、薄層糖衣錠およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、不快な臭いのマスキングおよびウイスカーの防止、高水分で分解する薬物の安定化、製剤の小型化、製造時間の短縮を可能にするための薄層の糖衣を施した薄層糖衣錠およびその製造方法に関する。
従来の糖衣錠は、一般に、素錠に対し、ショ糖液からなる糖衣液を用いて、素錠重量の70〜110%の糖衣を施すことによって製造していた。このように、被覆量が多いことと被膜が結晶性物質であるショ糖からなるため、従来の糖衣には、(1)不快な臭いをマスキングできる、(2)ウイスカーの発生を防止できるという利点があった。しかし、同時に、(3)製剤の大型化、(4)製造時間の長期化、(5)製剤の高水分化(平衡相対湿度(ERH)60%程度)による、薬物の経時的な安定性の悪化という欠点があった。
一方、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を固形分中に50%以上含むフィルムコーティングは、コーティング液の固形分濃度が20%以下であり、粘性も低いので、1000μm以下の液滴にしてコーティングすることができる。このため、素錠に対して素錠重量の3〜5%という少ない量でも十分に素錠表面を均一にコーティングすることができる。したがって、従来の糖衣の欠点である(3)〜(5)をもたない。しかし、HPMCは非結晶性物質であり、被膜の透過性が高いので、HPMCフィルム錠は、従来の糖衣の利点である(1)および(2)をもたない。HPMCのフィルムコーティング液に乳糖、マンニトール等の糖質を添加することもあるが、これらを添加しても、HPMCが主体であるため、従来の糖衣の利点である(1)および(2)をもつことはなかった。
さらに、従来の糖衣より被覆量を減らした薄層糖衣錠の製造方法が特開昭62−5910号や特開平11−116467号において開示されているが、これらは、糖衣層中の糖をショ糖に限定しており、シュガーレス化の薄層糖衣錠を興じするものではない。また、特開平11−116467号では、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)またはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を主成分とするフィルムコーティング液を糖衣層の表面にさらに被覆するという煩雑な方法が記載されている。しかしながら、これらは、不快な臭いのマスキング、ウイスカーの発生の防止、製剤の低水分化を目的にしておらず、錠剤の小型化のみを目的とした薄層糖衣錠であった。
特開昭62−5910号 特開平11−116467号
本発明の目的は、不快な臭いのマスキングおよびウイスカーの発生の防止に有用で、シュガーレス化が可能であり、かつ、製造時間も短く、錠剤の小型化が可能で、錠剤の低水分化(平衡相対湿度(ERH)40%以下)による高水分で分解する薬物の安定化が可能な薄層糖衣錠の製造方法およびその薄層糖衣錠を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、糖質、賦形剤および結合剤を含む糖衣液を用いれば、素錠重量の5〜60%の糖衣を被覆することにより、不快な臭いのマスキングおよびウイスカー発生の防止ができること、また、糖質として糖アルコールを使用することが可能であり、これにより、シュガーレス化ができることを見出した。
また、発明者らは、不快な臭いを有する薬物としてL−システインを素錠に配合する場合、水または有機溶媒で造粒せず、そのまま混合工程で配合し、素錠を製することにより、驚くべきことに、不快な臭いを低減することを見出した。さらに、粒子径100μm以下のものの割合が50%以下のものを用いると、より不快な臭いが低減されることも見出した。このような、L−システインを配合する素錠を本発明の方法によって薄層糖衣で被覆することによって、不快な臭いが全くしない糖衣錠を製造することができることも見出した。
さらに、本発明の薄層糖衣錠は、従来の糖衣に比べて、錠剤の小型化が可能であり、製造時間も短く、さらに、錠剤を低水分化(平衡相対湿度(ERH)40%以下)できるため、高水分で分解する薬物の安定性も従来の糖衣より良好となることも見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1) 素錠重量の5〜60%の、糖質、賦形剤および結合剤を含む糖衣層を有する薄層糖衣錠、
(2) 糖質が、糖および糖アルコールからなる群から選択される1種以上の糖質である上記(1)記載の薄層糖衣錠、
(3) 糖がショ糖およびトレハロース、糖アルコールが、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、トレハロース、マルチトール、粉末還元麦芽糖水飴および還元乳糖からなる群から選択される1種以上のものである上記(2)記載の薄層糖衣錠、
(4) 糖アルコールがエリスリトールである上記(2)記載の薄層糖衣錠、
(5) 不快な臭いを有する薬物を配合した素錠を用いた上記(1)〜(4)いずれか1項記載の薄層糖衣錠、
(6) 不快な臭いを有する薬物が、L−システインおよびビタミンB1類からなる群から選択される1種以上のものである上記(5)記載の薄層糖衣錠、
(7) L−システインを水または有機溶媒で造粒せず、そのまま混合工程で配合し、製した素錠を用いた上記(5)記載の薄層糖衣錠。
(8) 薬物が、粒子径100μm以下の粒子の含有割合が50%以下のL−システインである上記(6)記載の薄層糖衣錠、
(9) 薬物が、塩酸チアミン、硝酸チアミンおよび塩酸フルスルチアミン等からなる群から選択されるビタミンB1類である上記(6)記載の薄層糖衣錠、
(10) 高水分で分解する薬物を配合した素錠を用いた上記(1)〜(4)いずれか1項記載の薄層糖衣錠、
(11) 高水分で分解する薬物がL−システイン、ビタミンB類、ビタミンC類、ビタミンE類、パントテン酸カルシウムおよびビオチンからなる群から選択される1種以上のものである上記(10)記載の薄層糖衣錠、
(12) ウイスカーを発生する薬物を配合した素錠を用いた上記(1)〜(4)いずれか1項記載の薄層糖衣錠、
(13) ウイスカーを発生する薬物がイブプロフェン、カフェイン、無水カフェイン、エテンザミドおよびイソプロピルアンチピリンからなる群から選択される1種以上のものである上記(12)記載の薄層糖衣錠、
(14) シュガーレス化した糖衣錠である上記(1)〜(13)いずれか1項記載の薄層糖衣錠、
(15) 下掛けを有する糖衣錠である上記(1)〜(14)いずれか1項記載の薄層糖衣錠、
(16) さらに、糖衣層に薬物を含む上記(1)〜(15)いずれか1項記載の薄層糖衣錠、
(17) 平衡相対湿度40%以下である上記(1)〜(16)いずれか1項記載の薄層糖衣錠、
(18) 素錠に対し、糖質、賦形剤および結合剤を含む糖衣液を手がけし、および/または0.1〜1000μmの液滴として噴霧して、素錠重量の5〜60%の糖衣を施すことを特徴とする薄層糖衣錠の製造方法、および
(19) 液滴を噴霧する上記(18)記載の薄層糖衣錠の製造方法
を提供するものである。
本発明における薄層糖衣錠の糖衣層形成のための糖衣液に用いられる糖質としては、ショ糖(精製白糖、白糖)、果糖、ブドウ糖、乳糖、トレハロースのような単糖類、二糖類、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、粉末還元麦芽糖水飴、還元乳糖のような糖アルコール等が挙げられる。シュガーレス化には糖アルコールが好ましく、特に、後に記載する、素錠への糖衣液の噴霧により糖衣錠を製造する場合は、エリスリトールが好ましい。
糖衣液中の糖質の量は、糖衣液中の固形分として10〜99%(重量%、以下同じ)、好ましくは、20〜95%である。
糖衣液に用いられる賦形剤としては、タルク、沈降炭酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、含水二酸化ケイ素、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロサイト、乾燥水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、クロスポビドン、カルメロース、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシスターチナトリウム等が挙げられる。
糖衣液中の賦形剤の量は、糖衣液中の固形分として0.01〜60%、好ましくは0.1〜50%である。
糖衣液に用いられる結合剤としては、アラビアゴム末、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(HPMC2208)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906(HPMC2906)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(HPMC2910)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、結晶セルロース、粉末セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、トウモロコシデンプン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール(PVA)、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、ゼラチン、キサンタンガム、トラガント、トラガント末、マクロゴール200、マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1000、マクロゴール1500、マクロゴール1540、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール20000、ポリオキシエチレン[105]ポリオキシプロピレン[5]グリコール等が挙げられる。
結晶セルロースを結合剤として用いる場合は、平均粒子径60μm以下のグレードのものを用いるのが好ましい。具体的には、アビセルPH−F20、アビセルPH−M25、アビセルPH−M15、アビセルPH−M8、アビセルPH−101、セオラスKG−801、セオラスKG−802(旭化成)が好ましい。
本発明で用いられる糖衣液中の結合剤の量は、糖衣液中の固形分として0.1〜60%、好ましくは1〜50%である。
素錠に配合する薬物としては、特に、不快な臭いを有する薬物、高水分で分解する薬物、ウイスカーを発生する薬物を用いることができる。
本発明で素錠に用いられる不快な臭いを有する薬物としては、L−システインや、塩酸チアミン、硝酸チアミンおよび塩酸フルスルチアミン等からなる群から選択されるビタミンB1類等が挙げられる。
L−システインの場合、水または有機溶媒で造粒せず、そのまま混合工程で配合し、素錠を製すると、不快な臭いが低減されたL−システイン配合素錠を製造できる。また、粒子径が100μm以下のものの含有割合が50%以下、好ましくは30%以下のものを配合しても、不快な臭いが低減されたL−システイン配合素錠を製造でき、両者を併用した場合は、さらに不快な臭いが低減されたL−システイン配合素錠を製造できる。L−システインは圧縮成形性が悪いが、セルロース誘導体(例えば、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等)の配合により改善される。また、打錠時の杵面への粉末の付着(スティッキング)は、ステアリン酸マグネシウムを素錠重量に対して0.3〜3%、好ましくは0.5〜2.5%配合することにより改善される。
本発明で素錠に用いられる高水分で分解する薬物としては、上記の不快な臭い有する薬物の他、ビタミンB類(例、塩酸チアミン、硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、チアミンジスルフィド、塩酸ジセチアミン、オクトチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、フルスルチアミン、ベンフォチアミン、リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール、シアノコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、メコバラミン等)、ビタミンC類(例、アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム等)、ビタミンE類(例、酢酸dl−α−トコフェロール、酢酸d−α−トコフェロール、コハク酸d−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸d−α−トコフェロールカルシウム等)が挙げられる。さらに、パントテン酸カルシウム、パントテン酸カルシウムタイプS、ビオチン、ニコチン酸アミド、ニコチン酸、パントテン酸ナトリウム、葉酸、L−システイン、L−塩酸システイン、オロチン酸、ガンマ−オリザノール、ウルソデオキシコール酸、グルクロノラクトン、グルクロン酸アミド、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスピリン、アセトアミノフェン、エテンザミド、イブプロフェン、ケトプロフェン、インドメタシン、シメチジン、ファモチジン、イソプロピルアンチピリン、塩酸ジフェンヒドラミン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、メキタジン、フマル酸クレマスチン、塩酸クロペラスチン、塩酸フェニルプロパノールアミン、臭化水素酸デキストロメトルファン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、塩酸ノスカピン、ノスカピン、dl−塩酸メチルエフェドリン、グアイフェネシン、塩化リゾチーム等が挙げられる。
本発明で素錠に用いられるウイスカーを発生する薬物としては、イブプロフェン、カフェイン、無水カフェイン、エテンザミド、イソプロピルアンチピリン、サリチル酸、カルバマゼピン、バルプロ酸ナトリウム、1−メントール、dl−メントール等が挙げられる。
上記した薬物は、素錠中に単独で、あるいは2種以上を併用して配合される。
また、本発明により製造される薄層糖衣錠には、服用性の向上を目的として、糖衣層に香りおよび味を付与することもでき、例えば、着香剤または香料、矯味剤を適量、糖衣液に混合することにより付与できる。
本発明で使用することのできる着香剤または香料としては、例えば、ハッカ油、ユーカリ油、ケイヒ油、ウイキョウ油、チョウジ油、オレンジ油、レモン油、ローズ油、フルーツフレーバー、ミントフレーバー、ペパーミントパウダー、dl−メントール、l−メントール等が挙げられる。
矯味剤としては、糖、糖アルコール、高甘味度甘味剤、酸味剤を配合することができる。
矯味剤として本発明で用いられる糖および糖アルコールは、ショ糖、トレハロース、乳糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、粉末還元麦芽糖水飴等が挙げられる。
矯味剤として本発明で用いられる高甘味度甘味剤は、人工的に合成された甘味剤のうち、その甘味度が砂糖の数倍以上のもの、好ましくは約100倍以上のものをいい、具体的には、例えば、アスパルテーム、ステビア、サッカリン、グリチルリチン二カリウム、ソーマチン、スクラロース、アセスルファームK等が挙げられる。
矯味剤として本発明で用いられる酸味剤は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸等が挙げられる。
本発明において糖衣を施す素錠は、常法により調製すればよい。例えば、薬物を適当な賦形剤、結合剤等とともに、混合、造粒後、打錠して調製する。
また、常法に従い、素錠に防水膜を施してもよい。
上記のような糖質、賦形剤および結合剤を上記の割合で精製水中に溶解または懸濁することにより、糖衣液を調製する。本発明においては、所望により、素錠に加え、糖衣層中に薬物を含有させてもよく、特に限定するものではないが、素錠中に配合すると、他の薬物と相互反応してしまうような薬物は糖衣層中に含有させることができる。糖衣層とは、下掛け(subcoating)層、中掛け(smoothing)層、上掛け(coloring)層、艶出し(polishing)層のうちから選択される1つ以上のそうをいう。上掛け層は着色剤を含むシロップ液をコーティングすることが多いが、着色剤を含まないシロップ層をコーティングすることもある。シロップ液は糖衣液と同じような糖質、賦形剤および結合剤を含んでもよく、また、糖衣液と異なる糖質だけのもの、糖質と結合剤から成る場合、糖質と賦形剤からなる場合等がある。艶出し液としては、カルナウバロウ、白ロウなどのワックス類、エタノール、メタノール、n−ヘキサン等の有機溶媒に溶解または懸濁させた溶液を用いることもできる。
本発明の薄層糖衣錠を製造するには、常法に従い、例えば、上記のような糖衣液を手かけにより、および/または0.1〜1000μmの液滴として素錠に噴霧し、素錠重量の5〜60%の糖衣を施す。好ましくは噴霧することにより、短時間で小型の薄層糖衣錠剤を得ることができる。このとき、必要に応じて、糖衣液とともに、散布剤も用いることができる。散布剤としては、タルク、沈降性カルシウム、カオリン、デンプン、アラビアゴム末、結晶セルロース、ショ糖、トレハロース、エリスリトール、マルチトール、粉末還元麦芽糖水飴、乳糖、マンイトール等から1種または2種以上を選択することができる。得られた薄層糖衣錠は、不快な臭いをマスキングし、ウイスカーの発生を防止する効果を有し、糖アルコールの使用により、シュガーレス化することができる。また、低水分(平衡相対湿度(ERH)40%以下)の錠剤が得られるため、高水分で分解する薬物を安定化することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
アスコルビン酸1000g、リボフラビン12g、コハク酸d−α−トコフェロール(レギュラー粒度品)50g、パントテン酸カルシウム タイプS 46.2g、結晶セルロース(セオラスKG801、旭化成)95.8g、乳糖95.8gを流動層造粒機(FD−3SN、パウレック)にて、6%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)水溶液903.3gを噴霧することにより、流動層造粒する。その後、整粒機(パワーミル、昭和化学機械)にて整粒し、整粒末を得た。
得られた整粒末1083.2gに、L−システイン(粒子径100μm以下、15%)128g、結晶セルロース(セオラスKG801、旭化成)128g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC(LH31)、信越化学)72g、特殊ケイ酸カルシウム(フローライトRE、徳山曹達)7.2g、ステアリン酸マグネシウム21.6gを混合機(タンブラー混合機、昭和化学機械)にて混合し、得られた混合末をロータリー式打錠機で、直径9mmの臼、曲率半径7.5mmのR面杵にて、1錠当たりの重量300mg、厚さ4.9mmとなるように製錠し、素錠を得た。素錠6錠当たりの処方を表1に示す。
Figure 2012214505
上記の素錠300gに、精製白糖54g、タルク24g、結晶セルロース(アビセルPH−F20)10g、アラビアゴム末12gを精製水83.5gに溶解、懸濁した糖衣液を用い、ハイコーター(HCT−MINI、フロイント産業)にて、素錠に対して素錠重量の15%量コーティングし、更にその上に、精製白糖50g、タルク18g、酸化チタン10g、結晶セルロース(アビセルPH−F20)10g、アラビアゴム末12gを精製水83.5gに溶解、懸濁した糖衣液を用い、素錠に対して素錠重量の20%量コーティングした。続いて、精製白糖94g、アラビアゴム末6gを精製水83.5gに溶解させたシロップ液を素錠に対して5%量コーティングし、薄層の糖衣錠を得た。なお、薄層の糖衣錠に、艶だし液(カルナウバロウ、白ロウを溶解させたエタノール−n−ヘキサン溶液)を微量、コーティングし、艶だしを行った。
実施例2
実施例1の素錠300gに、エリスリトール50g、タルク28g、結晶セルロース(アビセルPH−F20)10g、アラビアゴム末12gを精製水120gに溶解、懸濁した糖衣液を用い、ハイコーター(HCT−MINI、フロイント産業)にて、素錠に対して素錠重量の35%量コーティングし、更にその上に、エリスリトール89g、アラビアゴム末10g、マクロゴール6000 1gを精製水160gに溶解させた糖衣液を素錠に対して5%量コーティングし、薄層の糖衣錠を得た。なお、薄層の糖衣錠に、艶だし液(カルナウバロウ、白ロウを溶解させたエタノール−n−ヘキサン溶液)を微量、コーティングし、艶だしを行った。
実施例3
アスコルビン酸2700g、リボフラビン54g、コハク酸d−α−トコフェロール(レギュラー粒度品)225g、粉末還元麦芽糖水飴351g、結晶セルロース(セオラスKG−801、旭化成)240.8gを流動層造粒機(FD−5S、パウレック)にて、6%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)水溶液2700gを噴霧することにより、流動層造粒する。その後、整粒機(パワーミル、昭和化学機械)にて整粒し、整粒末を得た。
得られた整粒末3318gに、L−システイン640g、パントテン酸カルシウム タイプS184.8g、結晶セルロース(セオラスKG−801、旭化成)345.2g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC(LH31)、信越化学)240g、特殊ケイ酸カルシウム(フローライトRE、徳山曹達)24g、ステアリン酸マグネシウム48gを混合機(タンブラー混合機、昭和化学機械)にて混合し、得られた混合末をロータリー式打錠機で、直径8.8mmの臼、曲率半径7.0mmのR面杵にて、1錠当たりの重量300mg、厚さ5.2mmとなるように製錠し、素錠を得た。
上記の素錠3240gに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5MW)120gを精製水1080gに溶解したコーティング液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−500、バウレック)にて、素錠重量に対して2%量コーティングし、更にその上に、エリスリトール918.5g、タルク485.3g、酸化チタン34.7g、結晶セルロース(アビセルPH−F20)86.6g、アラビアゴム末207.9gを精製水2827gに溶解、懸濁したコーティング液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−500、バウレック)にて素錠重量に対して38%量コーティングした。更にその上に、エリスリトール540g、マクロゴール6000 60gを精製水980gに溶解したコーティング液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−500、バウレック)にて素錠重量に対して5%量コーティングし、コーティング錠を得た。なお、該コーティング錠に、艶だし液(カルナウバロウ、白ロウを溶解させたエタノール−n−ヘキサン溶液)を微量、コーティングし、艶だしを行った。
比較例1
アスコルビン酸1000g、リボフラビン12g、コハク酸d−α−トコフェロール(レギュラー粒度品)50g、パントテン酸カルシウム タイプS 46.2g、L−システイン(粒子径100μm以下60%)160g、結晶セルロース(セオラスKG801、旭化成)95.8g、乳糖95.8gを流動層造粒機(FD−3SN、パウレック)にて、6%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)水溶液903.3gを噴霧することにより、流動層造粒した。その後、整粒機(パワーミル、昭和化学機械)にて、整粒し、整粒末を得た。
得られた整粒末1211.2gに、結晶セルロース(セオラスKG801、旭化成)128g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC(LH31)、信越化学)72g、特殊ケイ酸カルシウム(フローライトRE、エーザイ)7.2g、ステアリン酸マグネシウム21.6gを混合機(タンブラー混合機、昭和化学機械)にて混合し、得られた混合末をロータリー式打錠機で、直径9mmの臼、曲率半径7.5mmのR面杵にて、1錠当たりの重量300mg、厚さ4.9mmとなるように製錠し、素錠を得た。素錠6錠当たりの処方は表1と同じである。
上記の素錠300gに、ハイコーター(HCT−MINI、フロイント産業)を用い、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5MW)45g、マクロゴール6000 9g、酸化チタン 6gを精製水401.5gに溶解させた水溶液を素錠に対して、5%量コーティングしたフィルム錠を得た。
L−システイン由来の不快臭の評価
実施例1、実施例2および比較例1の錠剤について、L−システイン由来の不快臭を、5名のパネラーによる官能試験によって評価した。結果を表2に示す。
Figure 2012214505
−:L−システイン由来の不快臭が全くない
±:L−システイン由来の不快臭がほとんどない
+:L−システイン由来の不快臭がある
++:L−システイン由来の不快臭が強くある
+++:L−システイン由来の不快臭が著しく強くある
実施例1、2および3の薄層糖衣錠は、不快臭が全くなく、本発明により、不快な臭いが低減されたL−システイン配合錠剤を製造することができた。
比較例2
12インチオニオンパン装着した糖衣機(NO16−D、菊水製作所)にて、実施例1の素錠990gに、表3に示す組成の糖衣液と表4に示す組成の散布剤を用い、素錠に対して、素錠重量の60%量のサブコーティングを施し、更にその上に、表3に示す組成の糖衣液のみを用い、素錠重量の26%量のスムーズコーティングを施した。続いて、精製白糖100gを精製水50gに溶解させたシロップ夜を素錠に対して、14%量のシロップコーティングを施し、糖衣錠を得た。次いで、糖衣錠に、艶だし液(カルナウバロウ、白ロウを溶解させたエタノール・n−へキサン溶液)を微量、コーティングし、艶だしを行った。
Figure 2012214505
Figure 2012214505
糖衣錠中の薬物の安定化の評価
本発明によって低水分化することにより、糖衣錠中の薬物を安定化できることを確認するために、実施例2と比較例2の錠剤の水分と50℃1ヶ月保存品のパントテン酸カルシウムの残存率を比較した。
試験方法
試料溶液調製法
試料粉末[パントテン酸カルシウム(C1832CaN210)約0.01gに対応する量]を精密に量り、0.05mol/Lリン酸二水素アンモニウム溶液を正確に100mL加える。20分間激しく振り混ぜ抽出した後、遠心分離し、上澄み液を孔径0.45μmのフィルターでろ過し、ろ液を試料溶液とする。
標準溶液調整法
パントテン酸カルシウム(タイプS)[パントテン酸カルシウム(C1832CaN210)約0.01gに対応する量]を精密に量り、0.05mol/Lリン酸二水素アンモニウム溶液を加えて溶かし、正確に100mLとして標準溶液とする。
HPLC条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)
カラム:YMC−PackODSAM−302(15cm×4.6mmID.)
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:0.05mol/リン酸二水素アンモニウム溶液(pH3.5)*1/メタノール混液(19:1)
流量:毎分約1.0mL
注入量:20μL
*1:リン酸二水素アンモニウム5.75gを水に溶かし1000mLとした後、薄めたリン酸(1→10)を加えてpH3.5に調整する。
結果を表5に示す。
Figure 2012214505
比較例2の糖衣錠は、水分が高いが、実施例2の薄層糖衣錠は、低水分化することができた。そのため、比較例2の糖衣錠中のパントテン酸カルシウムの安定性は悪かったが、実施例2の薄層糖衣錠中のパントテン酸カルシウムの安定性はよかった。
本発明により、糖衣錠を低水分化することができ、高水分で分解する薬物の安定性を向上させることができた。
実施例4
コハク酸トコフェロールカルシウム517.9g、塩酸ピリドキシン500g、ガンマ−オリザノール50g、軽質無水ケイ酸(サイリシア320)77.25g、結晶セルロース(アビセルPH101)210.85gを6%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)水溶液1150gを用いて、流動層造粒機(FD−3SN、パウレック)にて、造粒、乾燥した。得られた造粒末を整粒機(パワーミル、昭和化学機械)にて整粒した。この整粒末をE群整粒末とする。
一方、塩酸フルスルチアミン545.8g、結晶セルロース(アビセルPH101)179.865gを流動層造粒機(FD−3SN、パウレック)にて、6%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)水溶液275gを噴霧することにより、流動層造粒する。なお、HPC−L水溶液を噴霧する前に、酢酸ヒドロキソコバラミン7.835g、を7%水溶液として噴霧した。得られた造粒末を整粒機(パワーミル、昭和化学機械)にて整粒し、整粒末を得た。この整粒末をT群整粒末とする。
E群整粒末570g、T群整粒末300gに、軽質無水ケイ酸(サイリシア320)11.1g、結晶セルロース(アビセルPH101)137.3g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L‐HPC(LH31))83.4g、ステアリン酸マグネシウム8.2gを混合機(タンブラー混合機、昭和化学機械)にて混合し、得られた混合末をロータリー式打錠機で、直径8mmの臼、曲率半径6.5mmのR面杵にて、1錠当たりの重量185mg、厚さ4.25mmとなるように製錠し、素錠を得た。素錠3錠当たりの処方を表6に示す。
Figure 2012214505
上記の素錠300gに実施例1と同じ糖衣液処方、コーティング量の薄層糖衣を施した。
比較例3
実施例4の素錠300gに、ハイコーター(HCT−MINI、フロイント産業)を用い、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5MW)45g、マクロゴール6000 9g、酸化チタン 6gを精製水401.5gに溶解させた水溶液を素錠に対して5%量コーティングしたフィルム錠を得た。
塩酸フルスルチアミン由来の不快臭の評価
実施例4および比較例3の錠剤について、塩酸フルスルチアミン由来の不快臭を、5名のパネラーによる官能試験によって評価した。結果を表7に示す。
Figure 2012214505
実施例5
イブプロフェン900g、乳糖940g、結晶セルロース(アビセルPH101、旭化成)700gを流動層造粒機(FD−3SN、パウレック)にて、6%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)水溶液1334gを噴霧することにより、流動層造粒した。その後、整粒機(パワーミル、昭和化学機械)にて整粒し、整粒末を得た。
得られた整粒末1350gに、結晶セルロース(アビセルPH101、旭化成)214.2g、クロスカルメロースナトリウム(アクジゾル、旭化成)82.5g、ステアリン酸マグネシウム3.3gを混合機(タンブラー混合機、昭和化学機械)にて混合し、得られた混合末をロータリー式打錠機で、直径8.5mmの臼、曲率半径6mmのR面杵にて、1錠当たりの重量275mg、厚さ4.8mmとなるように製錠し、素錠を得た。
上記の素錠300gに、精製白糖54g、タルク24g、結晶セルロース(アビセルPH−F20)10g、アラビアゴム末 12gを精製水83.5gに溶解、懸濁した糖衣液を用い、ハイコーター(HCT−20、フロイント産業)にて、素錠に対して素錠重量の35%量コーティングした。続いて、精製白糖94g、アラビアゴム末6gを精製水83.5gに溶解させたシロップ液を素錠に対して、5%量コーティングし、薄層の糖衣錠を得た。なお、薄層の糖衣錠に、艶だし液(カルナウバロウ、白ロウを溶解させたエタノール−n−ヘキサン溶液)を微量、コーティングし、艶だしを行った。
比較例4
実施例5の素錠300gに、ハイコーター(HCT‐MINI、フロイント産業)を用い、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5MW)27g、乳糖24g、酸化チタン9gを精製水240gに溶解させた水溶液を素錠に対して、5%量コーティングしたフィルム錠を得た。
ウイスカーの発生度合いの評価法
実施例5および比較例4の錠剤を用いて、ウイスカーの発生度合いを評価した。
錠剤からのウイスカーの発生度合いの試験は、6Kのガラス瓶に錠剤を100錠入れ、密栓で50℃1ヶ月保存し、ウイスカーの発生によるガラス瓶のくもりの度合いを肉眼で観察することによって評価した。ガラス瓶のくもりの程度が大きい程、ウイスカーの発生が大きいことを示す。結果を表8に示す。
Figure 2012214505
−:ガラス瓶のくもりが全くない
±:ガラス瓶のくもりがほとんどない
+:ガラス瓶のくもりがある
++:ガラス瓶のくもりが強くある
+++:ガラス瓶のくもりが著しく強くある

Claims (18)

  1. 素錠重量の5〜60%の、糖質、賦形剤および結合剤を含む糖衣層を有する薄層糖衣錠であって、該賦形剤が、沈降炭酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、含水二酸化ケイ素、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロサイト、乾燥水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、クロスポビドン、カルメロース、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロースおよびカルボキシスターチナトリウムから選択される1種またはそれ以上の賦形剤であり、該結合剤が、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、結晶セルロース、粉末セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、トウモロコシデンプン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、ゼラチン、キサンタンガム、トラガント、トラガント末、マクロゴール200、マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1000、マクロゴール1500、マクロゴール1540、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール20000およびポリオキシエチレン[105]ポリオキシプロピレン[5]グリコールから選択される1種またはそれ以上の結合剤である、薄層糖衣錠。
  2. 糖質が、糖および糖アルコールからなる群から選択される1種以上の糖質である請求項1記載の薄層糖衣錠。
  3. 糖がショ糖およびトレハロース、糖アルコールが、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、粉末還元麦芽糖水飴および還元乳糖からなる群から選択される1種以上のものである請求項2記載の薄層糖衣錠。
  4. 不快な臭いを有する薬物を配合した素錠を用いた請求項1〜3いずれか1項記載の薄層糖衣錠。
  5. 不快な臭いを有する薬物が、L−システインおよびビタミンB1類からなる群から選択される1種以上のものである請求項4記載の薄層糖衣錠。
  6. L−システインを水または有機溶媒で造粒せず、そのまま混合工程で配合し、製した素錠を用いた請求項5記載の薄層糖衣錠。
  7. 薬物が、粒子径100μm以下の粒子の含有割合が50%以下のL−システインである請求項5または6記載の薄層糖衣錠。
  8. 薬物が、塩酸チアミン、硝酸チアミンおよび塩酸フルスルチアミン等からなる群から選択されるビタミンB1類である請求項5記載の薄層糖衣錠。
  9. 高水分で分解する薬物を配合した素錠を用いた請求項1〜3いずれか1項記載の薄層糖衣錠。
  10. 高水分で分解する薬物がL−システイン、ビタミンB類、ビタミンC類、ビタミンE類、パントテン酸カルシウムおよびビオチンからなる群から選択される1種以上のものである請求項9記載の薄層糖衣錠。
  11. ウイスカーを発生する薬物を配合した素錠を用いた請求項1〜3いずれか1項記載の薄層糖衣錠。
  12. ウイスカーを発生する薬物がイブプロフェン、カフェイン、無水カフェイン、エテンザミドおよびイソプロピルアンチピリンからなる群から選択される1種以上のものである請求項11記載の薄層糖衣錠。
  13. シュガーレス化した糖衣錠である請求項1〜12いずれか1項記載の薄層糖衣錠。
  14. 下掛けを有する糖衣錠である請求項1〜13いずれか1項記載の薄層糖衣錠。
  15. さらに、糖衣層に薬物を含む請求項1〜14いずれか1項記載の薄層糖衣錠。
  16. 平衡相対湿度40%以下である請求項1〜15いずれか1項記載の薄層糖衣錠。
  17. 素錠に対し、糖質、賦形剤および結合剤を含む糖衣液を手がけし、および/または0.1〜1000μmの液滴として噴霧して、素錠重量の5〜60%の糖衣を施すことを特徴とする薄層糖衣錠の製造方法であって、該賦形剤が、沈降炭酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、含水二酸化ケイ素、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロサイト、乾燥水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、クロスポビドン、カルメロース、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロースおよびカルボキシスターチナトリウムから選択される1種またはそれ以上の賦形剤であり、該結合剤が、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、結晶セルロース、粉末セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、トウモロコシデンプン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、ゼラチン、キサンタンガム、トラガント、トラガント末、マクロゴール200、マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1000、マクロゴール1500、マクロゴール1540、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール20000およびポリオキシエチレン[105]ポリオキシプロピレン[5]グリコールから選択される1種またはそれ以上の結合剤である、製造方法。
  18. 液滴を噴霧する請求項17記載の薄層糖衣錠の製造方法。
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