JP4775879B2 - ビタミン組成物 - Google Patents
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Description
この中で、ビタミンB12類は、神経・筋肉の円滑な働きに必要であり、ビタミンB1主薬製剤、ビタミンB6主薬製剤またはビタミンB1・B6主薬製剤等に配合される重要なビタミンである。しかしながら、ビタミンB12類は、安定性が悪く、安定化を向上させるための様々なの検討が行われている。例えば、特許文献1には、ビタミンB12類含有溶剤を用いてビタミンB1類を含む造粒物を製造し、その造粒物を打錠して錠剤を製造し、ビタミンB12類を安定化させていることが記載されている。特許文献2には、ビタミンB1類およびビタミンB12類を含有する造粒物を製造し、この造粒物とビタミンB6類を混合、打錠し、ビタミンB12類を安定化させていることが記載されている。特許文献3には、ビタミンB12類とゼラチンの混合水溶液を粉末担体に吸着させ、この吸着物を高分子でコーティングすることによって、ビタミンB12類を安定化させていることが記載されている。特許文献4には、アルファ化デンプン類とビタミンB12類をセルロース系高分子又はアクリル系高分子でコーティングすることによって、ビタミンB12類を安定化させていることが記載されている。
(1)ビタミンE類を含むことを特徴とするビタミンB12類含有顆粒状組成物であり、当該顆粒状組成物80mgを20mLの水に溶解または懸濁した溶液のpHが4以上であることを特徴とする顆粒状組成物。
(2)上記の顆粒状組成物80mgを20mLの水に溶解または懸濁した溶液のpHが5以上であることを特徴とする上記(1)記載の顆粒状組成物。
(3)無機酸付加塩を含有しない上記(1)または(2)に記載の顆粒状組成物。
(4)無機酸付加塩であるビタミン類を含有しない上記(1)または(2)に記載の顆粒状組成物。
(5)無機酸付加塩であるビタミンB1類および/またはビタミンB6類を含有しない上記(1)または(2)に記載の顆粒状組成物。
(6)ビタミンB2類を含有する上記(1)から(5)のいずれかに記載の顆粒状組成物。
(7)ビタミンB12類がシアノコバラミン、ヒドロキソコバラミンおよびメチルコバラミンから選択される1または2以上である上記(1)記載の顆粒状組成物。
(8)ビタミンE類がコハク酸d−α−トコフェロールまたはコハク酸dl−α−トコフェロールカルシウムである上記(1)記載の顆粒状組成物。
(9)ビタミンE類がコハク酸dl−α−トコフェロールカルシウムである上記(1)記載の顆粒状組成物。
(10)上記(1)から(9)のいずれかに記載の顆粒状組成物を打錠することによって得られる錠剤。
(11)上記(1)から(9)のいずれかに記載の顆粒状組成物と、ビタミンB1類、ビタミンB2類およびビタミンB6類から選択される1または2以上を混合し、打錠して得られる錠剤。
(12)上記(1)から(9)のいずれかに記載の顆粒状組成物と、ビタミンB1類、ビタミンB2類、ビタミンB6類およびパントテン酸カルシウムから選択される1または2以上を混合し、打錠して得られる錠剤。
(13)上記(10)から(12)のいずれかに記載の錠剤に被覆層を形成してなる被覆錠剤。
(14)ニコチン酸アミドを含有した被覆層を形成してなる上記(13)記載の被覆錠剤。
(15)ビタミンE類としてコハク酸dl−α−トコフェロールカルシウムを含有する上記(10)から(12)のいずれかに記載の錠剤に、ニコチン酸アミドを含有した被覆層を形成してなる被覆錠剤。
(16)1錠剤または1被覆錠剤あたりのビタミンB12類の含有量が0.001〜0.2重量%である上記(10)〜(15)のいずれかに記載の錠剤または被覆錠剤。
(17)上記(1)から(9)のいずれかに記載の顆粒状組成物と、ビタミンB1類、ビタミンB2類およびビタミンB6類から選択される1または2以上を混合し、打錠することを特徴とする錠剤の製造方法。
(18)上記(1)から(9)のいずれかに記載の顆粒状組成物と、ビタミンB1類、ビタミンB2類、ビタミンB6類およびパントテン酸カルシウムから選択される1または2以上を混合し、打錠することを特徴とする錠剤の製造方法。
(19)ビタミンE類を顆粒状組成物に含有させ、かつ当該顆粒状組成物80mgを20mLの水に溶解または懸濁した溶液のpHが4以上となるように当該顆粒状組成物を調製することを特徴とするビタミンB12類を安定化する方法。
ような刊行物に記載されている顆粒剤の一般的な方法で製造すればよい。例えば、押し出し造粒法、流動層造粒法、転動造粒法、転動流動層造粒法、攪拌造粒法、圧縮造粒法等があるが、好ましくは流動層造粒法である。また、当該顆粒状組成物の乾燥条件は、製剤成分の混合時、造粒時に使用する水量等によっても変化するが、給気温度は通常約50〜100℃、好ましくは55〜95℃、排気温度は通常約35〜68℃、好ましくは38〜65℃である。
なお、素錠を成形した後、素錠をフィルムコーティング基剤のみで被覆してもよいし、糖衣基剤のみで被覆してもよい。また、素錠をフィルムコーティング基剤で被覆後、糖衣基剤で被覆してもよい。
シウムを配合した錠剤、実施例4、5は、ニコチン酸アミドを配合した錠剤である。
(実施例1の顆粒状組成物の製造法)
表1のコハク酸d−α−トコフェロール、賦形剤としてD−マンニトール、結晶セルロースおよび崩壊剤としてカルメロースカルシウムを所定量V型混合機(8LV型混合機)にいれ、混合した。その後、上記混合した粉末を下記条件によって、流動層造粒機(WSG5型)中で流動させながら、ヒドロキシプロピルセルロース(HPCSL、6.0w/v%)およびシアノコバラミン(0.6w/v%)を溶解した水溶液を噴霧し、顆粒状組成物を製造した。この顆粒状組成物をA−1顆粒とする。また、別途、表1の塩酸ジセチアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸カルシウムタイプS、賦形剤として結晶セルロースおよび崩壊剤としてカルメロースカルシウムを所定量V型混合機(8LV型混合機)にいれ、混合した。その後、上記混合した粉末を下記条件によって、流動層造粒機(WSG5型)中で流動させながら、ヒドロキシプロピルセルロース(HPCSL、6.0w/v%)を溶解した水溶液を噴霧し、顆粒状組成物を製造した。この顆粒状組成物をB−1顆粒とする。
(実施例1の錠剤の製造法)
上記A−1顆粒、B−1顆粒のそれぞれの顆粒状組成物とともに、表1記載の結合剤である結晶セルロース、崩壊剤であるカルメロースカルシウムおよび滑沢剤であるステアリン酸マグネシウム(植物性)を、顆粒外添加物として所定量V型混合機にいれ、混合する。その後、上記混合物を下記条件によって、単発式錠剤機(ロータリー型S30K−T30)によって打錠し、錠剤を製造した。
(実施例1の糖衣錠の製造法)
表1に示す白糖、プルラン、アラビアゴム末、タルク、沈降炭酸カルシウム、酸化チタン、および黄色5号の所定量を118mLの水に溶解・懸濁し、その溶液をパンコーティング装置(糖衣パン、菊水製作所)内で下記条件によって、上記錠剤に噴霧し、仕上げにポリッシングワックスをかけることにより、錠剤を糖衣層で被覆した。
表1のコハク酸d−α−トコフェロール、酪酸リボフラビン、賦形剤としてD−マンニトール、結晶セルロースおよび崩壊剤としてカルメロースカルシウムを所定量V型混合機にいれ、混合した。その後、上記混合した粉末を下記条件によって、流動層造粒機(WSG5型)中で流動させながら、ヒドロキシプロピルセルロース(HPCSL、6.0w/v%)およびシアノコバラミン(0.6w/v%)を溶解した水溶液を噴霧し、顆粒状組成物を製造した。この顆粒状組成物をA−2顆粒とする。また、別途、表1の塩酸ジセチアミン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸カルシウムタイプS、賦形剤としてD−マンニトール、結晶セルロースおよび崩壊剤としてカルメロースカルシウムを所定量V型混合機(8LV型混合機)にいれ、混合した。その後、上記混合した粉末を下記条件によって、流動層造粒機(WSG5型)中で流動させながら、ヒドロキシプロピルセルロース(HPCSL、6.0w/v%)を溶解した水溶液を噴霧し、顆粒状組成物を製造した。この顆粒状組成物をB−2顆粒とする。
(実施例2の錠剤、糖衣錠の製造法)
錠剤および糖衣錠の製造方法は、顆粒状組成物として上記組成物とすること以外は、実施例1と同様である。
実施例A−2顆粒のコハク酸−d−トコフェロールをコハク酸−dl−α−トコフェロールカルシウム(ビタミンE含量96.54%)に変更した以外は、実施例2と同様である。
表2の塩酸ジセチアミン、酪酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸カルシウムタイプS、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、賦形剤としてD−マンニトール、結晶セルロースおよび崩壊剤としてカルメロースカルシウムを所定量V型混合機(8LV型混合機)にいれ、混合した。その後、上記混合した粉末を下記条件によって、流動層造粒機(WSG5型)で流動させながら、ヒドロキシプロピルセルロース(HPCSL、6.0w/v%)およびシアノコバラミン(0.6w/v%)を溶解した水溶液を噴霧し、顆粒状組成物を製造した。
(参考例1の錠剤の製造法)
上記顆粒状組成物とともに、表2記載の結合剤である結晶セルロースおよび崩壊剤としてカルメロースカルシウムおよび滑沢剤であるステアリン酸マグネシウム(植物性)を、顆粒外添加物として所定量V型混合機(8LV型混合機)にいれ、混合する。その後、上記混合物を下記条件によって、単発式錠剤機(ロータリー型S30K−T30)によって打錠し、錠剤を製造した。
(参考例1の糖衣錠の製造法)
表2に示す白糖、プルラン、アラビアゴム末、タルク、沈降炭酸カルシウム、酸化チタン、および黄色5号の所定量を118mLの水に溶解・懸濁し、その溶液をパンコーティング装置(糖衣パン、菊水製作所)内で下記条件によって、上記錠剤に噴霧し、仕上げにポリッシングワックスを掛けることにより、錠剤を糖衣層で被覆した。
(参考例2)
表2の塩酸ジセチアミン、酪酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸カルシウムタイプS、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、賦形剤としてD−マンニトール、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロースおよび崩壊剤としてカルメロースカルシウムを所定量V型混合機(8LV型混合機)にいれ、混合した。その後、上記混合した粉末を下記条件によって、流動層造粒機(WSG5型)中で流動させながら、ヒドロキシプロピルセルロース(HPCSL、6.0w/v%)を溶解した水溶液を噴霧し、顆粒状組成物を製造した。この顆粒状組成物をC−2顆粒とする。
(参考例2の錠剤の製造法)
上記C−2顆粒とともに、表2記載の結合剤である結晶セルロースおよび崩壊剤としてカルメロースカルシウムおよび滑沢剤であるステアリン酸マグネシウム(植物性)を、顆粒外添加物として所定量V型混合機(8LV型混合機)にいれ、混合する。その後、上記混合物を下記条件によって、単発式錠剤機(ロータリー型S30K−T30)によって打錠し、錠剤を製造した。
(参考例2のフィルムコーティング錠剤の製造法)
表2に示すシアノコバラミン(0.03w/v%)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPCSL、7.5w/v%)、および白糖の所定量を8mLの水に溶解し、その溶液をパンコーティング装置(ハイコーターHC48、フロイント産業)内で下記条件によって噴霧することにより、上記錠剤をフィルムコーティングした。
(参考例2の糖衣錠の製造法)
上記フィルムコーティング錠剤に、表2の糖衣層を参考例1と同様に被覆し、糖衣錠を製造した。
(参考例3)
表2の塩酸ジセチアミン、賦形剤としてD−マンニトール、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロースおよび崩壊剤としてカルメロースカルシウムを所定量V型混合機にいれ、混合した。その後、上記混合した粉末を下記条件によって、流動層造粒機中で流動させながら、シアノコバラミン(0.6w/v%)およびヒドロキシプロピルセルロース(HPCSL、6.0w/v%)を溶解した水溶液を噴霧し、顆粒状組成物を製造した。この顆粒状組成物をC−3顆粒とする。また、別途、表1のリボフラビン、塩酸ピリドキシン、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、パントテン酸カルシウムタイプS、賦形剤として結晶セルロースおよび崩壊剤としてカルメロースカルシウムを所定量V型混合機(8LV型混合機)にいれ、混合した。その後、上記混合した粉末を下記条件によって、流動層造粒機(WSG5型)中で流動させながら、ヒドロキシプロピルセルロース(HPCSL、6.0w/v%)を溶解した水溶液を噴霧し、顆粒状組成物を製造した。この顆粒状組成物をD−3顆粒とする。
(参考例3の錠剤の製造法)
上記C−3顆粒、D−3顆粒とともに、表2記載の結合剤である結晶セルロース、崩壊剤であるカルメロースカルシウムおよび滑沢剤であるステアリン酸マグネシウム(植物性)を、顆粒外添加物として所定量V型混合機(8LV型混合機)にいれ、混合する。その後、上記混合物を下記条件によって、単発式錠剤機(ロータリー型S30K−T30)によって打錠し、錠剤を製造した。
(参考例3の糖衣錠の製造法)
参考例1の糖衣錠の製造法と同様に、製造した。
表3のコハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、リボフラビン、賦形剤としてD−マンニトール、結晶セルロースおよび崩壊剤としてカルメロースカルシウムを所定量V型混合機にいれ、混合した。その後、上記混合した粉末を下記条件によって、流動層造粒機中で流動させながら、ヒドロキシプロピルセルロース(HPCSL、6.0w/v%)およびシアノコバラミン(0.6w/v%)を溶解した水溶液を噴霧し、顆粒状組成物を製造した。この顆粒状組成物をA−4顆粒とする。また、別途、表3の塩酸ジセチアミン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸カルシウムタイプS、賦形剤としてD−マンニトール結晶セルロースおよび崩壊剤としてカルメロースカルシウムを所定量V型混合機(8LV型混合機)にいれ、混合した。その後、上記混合した粉末を下記条件によって、流動層造粒機(WSG5型)中で流動させながら、ヒドロキシプロピルセルロース(HPCSL、6.0w/v%)を溶解した水溶液を噴霧し、顆粒状組成物を製造した。この顆粒状組成物をB−4顆粒とする。
(実施例4の錠剤の製造法)
上記A−4顆粒、B−4顆粒のそれぞれの顆粒状組成物、表3の結合剤として結晶セルロースおよび崩壊剤としてカルメロースカルシウムおよび滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(植物性)を所定量V型混合機(8LV型混合機)にいれ、混合する。その後、上記混合物を下記条件によって、単発式錠剤機(ロータリー型S30K−T30)によって打錠し、錠剤を製造した。
(実施例4の糖衣剤の製造法)
表3に示すヒドロキシプロピルメチルセルロース、白糖およびタルクの所定量を10mLの水に溶解・懸濁し、その溶液をパンコーティング装置(ハイコーターHC48、フロイント産業)内で下記条件によって上記錠剤へ噴霧することにより、上記錠剤を被覆した。さらに、表3に示すニコチン酸アミド、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびタルクの所定量を9mLの水に溶解・懸濁し、その溶液をパンコーティング装置(ハイコーターHC48、フロイント産業)内で下記条件によって噴霧することにより、上記錠剤をフィルムコーティングした。
表3に示す白糖、プルラン、アラビアゴム末、タルク、沈降炭酸カルシウム、酸化チタン、および黄色5号の所定量を96mLの水に溶解・懸濁し、その溶液をパンコーティング装置(糖衣パン、菊水製作所)内で下記条件によって、上記錠剤に噴霧し、仕上げにポリッシングワックスを掛けることにより、フィルムコーティング錠剤を糖衣層で被覆した。
実施例4のコハク酸dl−α−トコフェロールカルシウムをコハク酸d−α−トコフェロールに変更した以外は、実施例4と同様である。
送風温度 60℃
送風量 2m3/分
スプレー液速 50g/分
スプレー圧 0.15Mpa
ノズル径 φ1.8mm
回転数 33rpm
杵 φ9.0mm
打錠圧 5kN
給気管径 φ50mm
給気速度 1.5m3/分
給気温度 55℃
パン回転数 25rpm
給気風量 1.5m3/分
給気温度 55℃
パン回転数 25rpm
スプレー液速 7〜8g/分
スプレー圧 0.2MPa
ノズル径 φ0.8mm
保存条件:40℃±2℃/75%±5%RH ポリ瓶密栓
ビタミンB12類の残存率測定の操作は、直射日光を避け、遮光した容器を用いて行う。また,以下の方法で複数回試験した結果の平均値を定量値とする。
本品1個に、水30mLを正確に加えた後、20分間超音波照射し、さらに30分間激しく振り混ぜる。この液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、初めのろ液3mLを除き、次のろ液を試料溶液とする。別に定量用シアノコバラミン約24mgを精密に量り、水に溶かし、正確に200mLとする。この液5mLを正確に量り、水を加えて正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り、水を加えて正確に30mLとし、標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液100μLずつを正確にとり、次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い、シアノコバラミンのピーク面積AT,ASを測定する。
・検出器:紫外吸光光度計(測定波長:365nm)
・カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする(L−カラム ODS)。
・カラム温度:25℃付近の一定温度
・移動相A:リン酸二水素アンモニウム5.8gを水に溶かし、1000mLとする。この液にアンモニア試液を加えてpH7.0に調整し、pH7.0の0.05mol/Lリン酸二水素アンモニウム緩衝液とする。この液4容量に液体クロマトグラフ用メタノールを1容量加える。
・移動相B:リン酸二水素アンモニウム5.8gを水に溶かし、1000mLとする。この液にアンモニア試液を加えてpH7.0に調整し、pH7.0の0.05mol/Lリン酸二水素アンモニウム緩衝液とする。この液3容量に液体クロマトグラフ用メタノールを2容量加える。
移動相の送液:移動相A及びBの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する。
定量用シアノコバラミンは、「ビタミンB12」内規適合品を使用した。ただし、定量時において、換算した乾燥物に対し、シアノコバラミン99.0%以上を含む。減圧・0.67kPa以下、酸化リン(V)、100℃、4時間乾燥したものをデシケーター(シリカゲル)で保存する。
シアノコバラミン[ビタミンB12類]を配合した上記錠剤を経時試験し、シアノコバラミンの残存率を測定した。
ニコチン酸アミドを配合した糖衣錠においても、シアノコバラミンとビタミンE類を同一の顆粒状組成物に配合した場合、かつビタミンB1類およびビタミンB6類を配合しない実施例4、5の場合、1月後のシアノコバラミンの残存率は、90%以上であった。特に、ビタミンE類をコハク酸−dl−α−トコフェロールカルシウムとした実施例4の場合、1月後の残存率は98%以上であった。
シアノコバラミンを含有する顆粒状組成物(実施例1〜3、参考例3)のpHを測定した。1錠剤あたりの顆粒状組成物(実施例1のA−1顆粒:79.03mg、実施例2のA−2顆粒:84.03mg、実施例3のA−3顆粒:90.03mg、参考例3のC−3顆粒:70.03mg)を20mLの蒸留水に溶解、懸濁し、室温下においてpH計測機(HORIBA pH/ION METER F−23型)にて測定した。その結果、下記表7の通り、ビタミンB1類を配合した参考例3では、pH4未満となったが、ビタミンB1類およびビタミンB6類を配合せず、ビタミンE類を配合した実施例1〜3の場合、pHが4以上であった。
したがって、ビタミンE類を顆粒状組成物に含有させ、かつ当該顆粒状組成物約80mgを20mLの水に溶解または懸濁した溶液のpHが4以上となるように当該顆粒状組成物を調製することによって、ビタミンB12類を安定化できることが明らかとなった。
Claims (17)
- 20〜99.9重量%のビタミンE類を含有し、無機酸付加塩であるビタミンB 1 類および/またはビタミンB 6 類を含有しないことを特徴とするビタミンB12類含有顆粒状組成物であり、当該顆粒状組成物80mgを20mLの水に溶解または懸濁した溶液のpHが4以上であることを特徴とする顆粒状組成物。
- 上記の顆粒状組成物80mgを20mLの水に溶解または懸濁した溶液のpHが5以上であることを特徴とする請求項1記載の顆粒状組成物。
- ビタミンB2類を含有する請求項1または記載の顆粒状組成物。
- ビタミンB12類がシアノコバラミン、ヒドロキソコバラミンおよびメチルコバラミンから選択される1または2以上である請求項1記載の顆粒状組成物。
- 0.0025〜0.075重量%のビタミンB 12 類を含有する請求項1記載の顆粒状組成物。
- ビタミンE類がコハク酸d−α−トコフェロールまたはコハク酸dl−α−トコフェロールカルシウムである請求項1記載の顆粒状組成物。
- ビタミンE類がコハク酸dl−α−トコフェロールカルシウムである請求項1記載の顆粒状組成物。
- さらに、D−マンニトール、結晶セルロース、カルメロースカルシウムおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる1または2以上を含有する請求項1記載の顆粒状組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の顆粒状組成物を打錠することによって得られる錠剤。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の顆粒状組成物と、ビタミンB1類、ビタミンB2類、ビタミンB6類およびパントテン酸カルシウムから選択される1または2以上を混合し、打錠して得られる錠剤。
- 請求項9または10記載の錠剤に被覆層を形成してなる被覆錠剤。
- ニコチン酸アミドを含有した被覆層を形成してなる請求項11記載の被覆錠剤。
- ビタミンE類としてコハク酸dl−α−トコフェロールカルシウムを含有する請求項9または10記載の錠剤に、ニコチン酸アミドを含有した被覆層を形成してなる被覆錠剤。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の顆粒状組成物と、ビタミンB1類、ビタミンB2類、ビタミンB6類およびパントテン酸カルシウムから選択される1または2以上を混合し、打錠することを特徴とする錠剤の製造方法。
- 20〜99.9重量%のビタミンE類を顆粒状組成物に含有させ、無機酸付加塩であるビタミンB 1 類および/またはビタミンB 6 類を含有させず、かつ当該顆粒状組成物80mgを20mLの水に溶解または懸濁した溶液のpH が4以上となるように当該顆粒状組成物を調製することを特徴とするビタミンB12類を安定化する方法。
- 0.0025〜0.075重量%のビタミンB 12 類を含有する請求項15記載の方法。
- さらに、D−マンニトール、結晶セルロース、カルメロースカルシウムおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる1または2以上を含有する請求項15記載の方法。
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