JP2001122788A - 医薬用固形組成物 - Google Patents

医薬用固形組成物

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JP2001122788A
JP2001122788A JP30151499A JP30151499A JP2001122788A JP 2001122788 A JP2001122788 A JP 2001122788A JP 30151499 A JP30151499 A JP 30151499A JP 30151499 A JP30151499 A JP 30151499A JP 2001122788 A JP2001122788 A JP 2001122788A
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Kenichi Kawakami
健一 川上
Kazuaki Shiozawa
一晃 塩澤
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KOKANDOU SEIYAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ビタミンB12類を安定に含有する医薬用固形組
成物を提供する。 【解決手段】ビタミンB12類を酒石酸カリウムナトリウ
ムに含有せしめた固形組成物を調製する。該組成物は、
投与量に必要な程度の少量のビタミンB12類を均一かつ
安定に保持することができ、この効果は他のビタミン類
が製剤中に共存するときも失われない。本発明による
と、安定化されたビタミンB12類を含有する医薬製剤を
実用上有利に供給できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビタミンB12類を
安定に配合してなる医薬用固形組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】シアノコバラミンをはじめとするビタミ
ンB12類は、抗貧血薬として有用であり、種々の悪性貧
血と、それに伴う神経症状、栄養性神経疾患、妊娠授乳
期などでビタミンB12欠乏症などを認めた際に投与され
る。その投与量は、例えばシアノコバラミンヒおよびド
ロキソコバラミンの場合、1日当たりの投与ないし配合
量は1〜1500μgであって、他のビタミン類と比べ
ても非常に少量である。
【0003】このように配合量が少ないことから、ビタ
ミンB12類を経口投与するための固形組成物を調製する
とき、賦形剤に倍散したり(倍散法)、あるいは水など
の水性溶媒に溶かして(溶液法)、含量の均一性を保つ
必要がある。また、ビタミンB12類はpH、光、熱、水
分などの影響により、それ自身の安定性が低下すること
や、希釈されたり、あるいは他の薬物(例えば、ビタミ
ンB 1、ビタミンB6、ビタミンC、ニコチン酸アミドな
どの異種ビタミン類)、添加剤(乳糖、金属イオンな
ど)などと共存するときに安定性が低下することが知ら
れている。従来、これらの異種ビタミン類と共にビタミ
ンB12類を含有するビタミン製剤においては、ビタミン
12類の安定化を図るためにいくつかの製剤学的工夫が
提案されている。例えば、異種ビタミン類とビタミンB
12類との接触を避けるために、積層錠や有核錠にするこ
とや、あるいは素錠、フィルム錠、糖衣錠等を製剤化す
る際に低水分化を行うことが挙げられる。しかしなが
ら、前者の場合には製剤工程が複雑になったり、錠剤の
形状が大きくなるなどの問題があり、また後者の場合と
りわけ糖衣錠においてはビタミンB12類の安定化の度合
いをなお満足させるものではなかった。
【0004】ところで、顆粒剤、錠剤などの経口投与製
剤を製造する場合には、成分粒子を相互に結合させる目
的で結合剤が使用される。一般に、かかる結合剤として
は、効果の確実性と崩壊性の点から、ヒドロキシプロピ
ルセルロース(以下、HPCと略称する)、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース(以下、HMPCと略称す
る)、ポピドンなどが繁用されている(経口投与製剤の
処方設計,薬業時報社第98−99頁および第123−
124頁,1998年)。
【0005】しかしながら、これらの結合剤を用いて製
造した、異種のビタミン類とビタミンB12類とが共存す
るビタミン製剤では、ビタミンB12類の安定化を図るこ
とができず、ビタミンB12類の含量の低下を招く問題が
あった。また造粒を行う際に、前述のビタミンB12類の
水溶液を用いる溶液法の場合には、結合剤や賦形剤など
を含む混合末に対するなじみが悪く、含量の均一性を図
ることができない恐れがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、ビタミ
ンB12類を含有する固形状組成物を調製しようとすると
き、ビタミンB12類の安定化や均一な分散化、異種ビタ
ミン類との安定な共存化などを図るうえにおいて、技術
的に考慮すべき課題が多い。本発明の目的は、上記の技
術的課題の解決されたビタミンB12類を含有する医薬用
固形状組成物を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記の
課題に鑑み、本発明者らは、ビタミンB12類を安定化す
るための物質を広範囲に亘って鋭意検索したところ、意
外にも酒石酸カリウムナトリウムにその効果があること
を見出し、さらに種々検討して本発明を完成したもので
ある。すなわち、本願発明は、次の発明を包含する。 1)ビタミンB12類を酒石酸カリウムナトリウムに含有
させることを特徴とする医薬用固形組成物。 2) さらに水溶性結合剤および/または有機溶媒可溶
性結合剤を配合してなる上記1)項記載の医薬用固形組
成物。 3) 被覆剤でコーティングしてなる上記1)または
2)項記載の医薬用固形組成物。
【0008】本発明の医薬用固形組成物は、投与量に必
要な程度の少量のビタミンB12類を均一に含有してお
り、保存中も安定に保持される。この安定化効果は、製
剤中に他の薬物(ビタミンB1類、ニコチン酸アミド、
ビタミンCなど)が共存するときも充分に発揮され、し
かも本組成物の調製は簡易に作業性よく実施できる。従
って、本発明によると、安定化されたビタミンB12類含
有製剤を実用上有利に供給することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の医薬用固形組成物は、ビ
タミンB12類を酒石酸カリウムナトリウムに含有せしめ
てなるものであるが、その形態はこれらを含有する粒状
ないし粉末状の組成物と、さらにこの組成物を中間製品
として利用した医薬用製剤、例えば錠剤、丸剤、カプセ
ル剤、顆粒剤、細粒剤、粉粒(粉末)剤等を包含する。
ビタミンB12類としてはシアノコバラミン、ヒドロキソ
コバラミン、メチルコバラミンなどのコバラミン類縁化
合物あるいはこれらの薬理学的に許容し得る塩(例、塩
酸塩、酢酸塩など)が挙げられ、いずれも本発明の対象
となり得る。とりわけ、シアノコバラミンが好対象であ
る。
【0010】一方、酒石酸カリウムナトリウムは、別名
がロシェル塩あるいはセニエット塩と称されているもの
であり、本発明では「日本医薬品添加剤協会 編集 医
薬品添加物辞典 薬事日報社発行(1994年)」にC
44KNaO6・4H2Oとしてリストされている性状の
ものを用いることができる。本発明の医薬用固形組成物
の調製にあたり、この酒石酸カリウムナトリウムはこの
まま結晶で、あるいはスクリーンミル等の粉砕機や乳鉢
などで微細化して使用することができる。本発明におい
てこの酒石酸カリウムナトリウムは、結合剤として使用
するのが好ましい。
【0011】本発明の医薬用固形組成物におけるビタミ
ンB12類と酒石酸カリウムナトリウムの配合割合は、一
般にビタミンB12類の1重量部に対し、酒石酸カリウム
ナトリウム(C44KNaO6・4H2Oとして)を1〜
10,000重量部であるが、好ましくは1〜2,00
0重量部であり、より好ましくは5〜500重量部の割
合である。酒石酸カリウムナトリウム量が上記の範囲を
下回るときは組成物中でのビタミンB12類の安定性向上
が期待できなくなり、一方上記の範囲を上回るときはビ
タミンB12類の均一な分散が期待できなくなる。
【0012】本組成物におけるビタミンB12類および酒
石酸カリウムナトリウムの具体的含量は、例えば1日当
たり必要なビタミンB12類の配合量あるいは投与量を考
慮して組成物中の含量を決定しそれに対して酒石酸カリ
ウムナトリウムを上記のような範囲となるように配合す
ればよい。通常、ビタミンB12類の1日当たり投与量が
1〜1,500μgとなるように、最終製剤中の含量を
適宜決定すればよい。次に、本発明の医薬用固形組成物
の調製法につき説明する。
【0013】ビタミンB12類を酒石酸カリウムナトリウ
ムに含有せしめる方法は、均一分散をなし得る手段であ
れば特に限定されるものではないが、たとえば次の方法
が挙げられる。 (A)ビタミンB12類および酒石酸カリウムナトリウム
を微粉末状態でよく混合する。この方法は簡易ではある
が、後の方法に比べて分散の完全化を期す点において若
干劣るので、製剤化の種類等を考慮して可能な程度にお
いて採用することが望ましい。
【0014】(B)ビタミンB12類および酒石酸カリウ
ムナトリウムのいずれか一方を(通常ビタミンB12
を)、水または水で希釈した有機溶媒(例えば、メタノ
ール、エタノールなど)に溶解または懸濁させ、これを
固形状の一方に添加し、混合後、乾燥、粉砕、整粒等を
適宜行って本発明の固形組成物を得る。混合は、例えば
練合など、この技術分野における混合法を適宜採用でき
る。また攪拌造粒機や転動造粒機などを用いて造粒し、
これを乾燥、整粒して粒状の組成物として得ることもで
きる。なお、いずれか一方の液はスプレーを用いて噴霧
しながら添加してもよい。
【0015】(C)ビタミンB12類および酒石酸カリウ
ムナトリウムのいずれか一方を(通常ビタミンB12
を)、水または水で希釈した有機溶媒(メタノール、エ
タノールなど)に溶解または懸濁させた液を、医薬品添
加物を加えた固形状の一方に添加し、混合後、乾燥、粉
砕、整粒等を適宜行って本発明の固形組成物を得る。こ
の場合、ビタミンB12類の均一な分散化を効果的に果た
し得るので有利である。いずれか一方の液はスプレーを
用いて噴霧しながら添加してもよい。
【0016】(D)一旦、ビタミンB12類および酒石酸
カリウムナトリウムを、水または水で希釈し有機溶媒
(メタノール、エタノールなど)に溶解または懸濁さ
せ、これを医薬品添加物に加えたのち混合し、次いで乾
燥したのち、必要により粉砕、整粒等を行って本発明の
固形組成物を得る。液はスプレーを用いて噴霧しながら
添加してもよい。 (E)1重量%〜飽和濃度のビタミンB12類水溶液を調
製し、この液中に酒石酸カリウムナトリウムを添加する
ことによって、ビタミンB12類と酒石酸カリウムナトリ
ウムとからなる複合体を形成し、そして乾燥後、必要に
より粉砕、整粒等を行って本発明の固形組成物を得る。
【0017】(F)1重量%〜飽和濃度のビタミンB12
類水溶液を調製し、この液中に酒石酸カリウムナトリウ
ムを添加することによって、ビタミンB12類と酒石酸カ
リウムナトリウムとからなる複合体を形成し、それを乾
燥させるか水に分散させたまま、医薬品添加物に添加
し、混合後、乾燥、粉砕、整粒等を適宜行って本発明の
固形組成物を得る。また本発明では、上記(A)〜
(F)において使用する水または水で希釈した有機溶媒
に、後述する医薬品添加物の結合剤、安定化剤または保
存剤を配合しておいてもよい。その配合時はビタミンB
12類または酒石酸カリウムナトリウムを溶解または懸濁
させる前でも後であってもよい。
【0018】上記における医薬品添加物とは、日本薬局
方製剤総則の製剤通則に規定されているもので、具体的
には「日本医薬品添加剤協会 編集 医薬品添加物辞典
薬事日報社発行(追補1995まで)」 に収載されて
いる添加物である。そのうち、代表的なものとしては、
賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、安定化剤、保存
剤、矯味剤、着色剤などが例示される。中でも、本発明
の組成物には、賦形剤、結合剤および崩壊剤からなる群
より選ばれる少なくとも1種を使用するのが好ましく、
より好ましくは賦形剤および結合剤を使用するのがよ
い。
【0019】上記賦形剤としては、例えば乳糖、トウモ
ロコシデンプンなどのデンプン類、結晶セルロース、D
−マンニトール、無水リン酸水素カルシウム、白糖、軽
質無水ケイ酸、カルメロース、デキストリンなどがあげ
られる。崩壊剤としては、トウモロコシデンプン、カル
メロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、
クロスポピドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロー
ス(以下、L−HPCと略称する)、部分α化デンプン
などがあげられる。
【0020】結合剤としては、水溶性結合剤および/ま
たは有機溶媒可溶性結合剤が用いられる。上記水溶性結
合剤としては、例えば乳糖、α化デンプン、セルロース
類、高分子化合物などがあげられる。具体的に、α化デ
ンプンとしては、例えばデンプンを水に分散しこれを加
熱して得られるものや、さらに乾燥したものが挙げられ
る。ここでいうα化デンプンとしては、トウモロコシデ
ンプン、バレイショデンプン、コムギデンプン、コメデ
ンプン、タピオカデンプン等の各種デンプン類をα化し
たものが挙げられ、このようなものとしては、例えば日
本薬局方外成分規格集にあるα化デンプンまたは部分α
化デンプンなどがあげられる。中でも、部分α化デンプ
ンが好ましく用いられる。
【0021】セルロース類としては、たとえばHMPC
2208、HMPC2906、HMPC2910、HP
C、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、結晶セルロース、メチルセルロ
ースなどがあげられる。高分子化合物としては、たとえ
ばポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキ
ストリン、アラビアゴム、ゼラチン、プルラン、トラガ
ント末、カンテン、シクロデキストリンなどがあげられ
る。
【0022】有機溶媒可溶性の結合剤としては、たとえ
ばセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースフタレート、エチルセルロース等の
有機溶媒可溶性セルロース誘導体があげられる。以上例
示した結合剤のうちでも、本発明ではとりわけα化デン
プン、部分α化デンプン、ゼラチン、HPC、L−HP
C、HMPC2208、HMPC2906、HMPC2
910、ヒドロキシメチルセルロース、デキストリン、
シクロデキストリン、乳糖、トウモロコシデンプン、ト
ラガント末、カンテン、プルランおよびアラビアゴムか
らなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく使用さ
れる。
【0023】流動化剤としては、軽質無水ケイ酸、タル
ク、含水二酸化ケイ素などがあげられる。安定化剤とし
ては、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸塩などがあ
げられる。保存剤としては、パラオキシ安息香酸エステ
ル類などがあげられる。矯味剤としては、白糖、D−ソ
ルビトール、キシリトールなどがあげられる。着色剤と
しては、タール色素、カラメル、ベンガラ、酸化チタ
ン、リボフラビンなどがあげられる。
【0024】本発明のビタミンB12類と酒石酸カリウム
ナトリウムとを含有する固形組成物は、ビタミンB12
以外にも他の薬物を適宜配合せしめた医薬製剤として利
用することができる。他の薬物としては、種々の医薬
品、医薬部外品、食品等の製造において配合される成分
であって、具体的には医薬品製造指針 別冊 一般用医
薬品製造[輸入]承認基準(’95 薬業時報社,第10
1−116頁)等に記載されているビタミンB1類(塩
酸チアミン、硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、チアミ
ンジスルフィド、チアミンジセチル硫酸エステル塩等の
ビタミンB1塩、塩酸ジセチアミン、塩酸フルスルチア
ミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミ
ン、ビスベンチアミン、フルスルチアミン、プロスルチ
アミン、ベンフォチアミン、シコチアミンなどのビタミ
ンB1誘導体など)、ビタミンB6類(塩酸ピリドキシ
ン、リン酸ピリドキサール)、ニコチン酸類(ニコチン
酸、ニコチン酸アミドなど)の他、ビタミンA類(ビタ
ミンA油、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、
肝油など)、ビタミンD類(エルゴカルシフェロール、
コレカルシフェロールなど)、ビタミンE類(コハク酸
d-α−トコフェロール、コハク酸dl-α−トコフェロ
ールまたはその塩、酢酸d-α−トコフェロールな
ど)、ビタミンB2類(フラビンアデニンジヌクレオチ
ドナトリウム、リボフラビン、リン酸リボフラビンナト
リウム、酪酸リボフラビン)、ビタミンC(アスコルビ
ン酸またはその塩など)、パントテン酸類(パンテノー
ル、パントテン酸塩など)、ビオチン、アスパラギン酸
カリウム・マグネシウム等量混合物、イノシトールヘキ
サンニコチネート、ウルソデスオキシコール酸、システ
イン類(L−塩酸システイン、L−システインなど)、
オロチン酸、γ−オリザノール、カルシウム塩類(グリ
セロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、沈降炭
酸カルシウム、乳酸カルシウム、無水リン酸水素カルシ
ウム、リン酸水素カルシウムなど)、グルクロン酸類
(グルクロノラクトン、グルクロン酸アミドなど)、コ
ンドロイチン硫酸ナトリウム、加工、ニンジン末または
エキス、ヨクイニン末またはエキスなど、さらにビタミ
ン含有保健薬等に用いられるカフェイン、無水カフェイ
ン、塩化カルニチン、葉酸、ミネラル群(マグネシウ
ム、カルシウム、鉄など)、生薬類(ロクジョウ末、ゴ
オウなど)、制酸剤(ケイ酸マグネシウム、合成ヒドロ
タルサイトなど)などがあげられる。
【0025】これらの薬物は1種または2種以上を、本
発明の目的に支障のない範囲で適量あるいは適当な配合
割合で適宜添加することができる。本発明の組成物にお
いては、これらの薬物が製剤中に共存するときもビタミ
ンB12類が安定に保持される。例えばビタミンB12類と
酒石酸カリウムナトリウムとに、ビタミンB1類を配合
したもの;ニコチン酸アミドを配合したもの;ビタミン
Cを配合したもの;ビタミンB1類およびビタミンB6
を配合したもの;ビタミンB1類、ビタミンB6類および
γ−オリザノールを配合したもの;ビタミンB1類、ビ
タミンB6類、ビタミンB2類およびγ−オリザノールを
配合したもの等の、本発明の医薬用固形組成物があげら
れる。
【0026】また、上記の方法によって得られた組成物
は、これをさらに被覆剤でコーティングすることもでき
る。このコーティングによってビタミンB12類がより一
層安定された組成物を得ることができる。かかるコーテ
ィングに使用する被覆剤としては、例えばHPC、HP
MC、メチルセルロースなどの水溶性セルロース、ポリ
ビニルアセタールジエチルアミノアセテートなどの酸性
領域で可溶な被覆剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
アセテートサクシネートまたはアクリル系コポリマーな
どの腸溶性基剤、エチルセルロースなどの水不溶性の基
剤、ゼラチン、セラック、アルギン酸ナトリウムのほ
か、カルナウバロウ、サラシミツロウ、パラフィン、モ
ノグリセリン酸パルミテート、モノグリセリン酸ステア
レート、パラフィン、マクロゴールなどのワックス類、
デンプン類を加熱固化した糊液などがあげられる。これ
らは単独または2種以上を組み合わせて、1層または2
層以上からなる多層のコーティング層を形成することが
できる。被覆剤の使用量は、組成物全量に対して0.1
〜50重量%、好ましくは0.3〜20重量%である。
【0027】さらに被覆剤に他の成分、例えば被覆助剤
(ポリエチレングリコール、硬化ヒマシ油等)、増量剤
(乳糖、グラニュー糖などの糖類、でんぷん等)、着色
剤(タール色素、カラメル、ベンガラ、酸化チタン、リ
ボフラビン等)、矯味剤(甘味剤、香料等)を適宜添加
してもよい。本発明の組成物は、所望により滑沢剤(ス
テアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タ
ルクなど)や、上述した医薬品添加物を添加することに
より製剤化されていてもよい。製剤化自体は、公知の手
段を採用することができ、前記に挙げたように、錠剤、
丸剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤等の剤形とする。ま
たこれらの剤形は白糖などの糖成分または前出の医薬品
添加物辞典に収載されているコーティング剤で、剤皮を
施すこともできる。さらには、有核錠、積層錠とした
り、糖衣錠中の糖衣層成分中に本発明の組成物を添加し
て製剤化してもよい。
【0028】
【実施例】以下に、実施例、比較例および実験例を挙げ
て本発明をさらに具体的に説明する。 実施例1 ビタミンB12類としてシアノコバラミンを使用し、その
0.02gを蒸留水5mlに溶解した。一方、酒石酸カ
リウムナトリウム(四水塩)0.2gを乳鉢に取り、そ
こに上記シアノコバラミン水溶液0.5mlを添加し、
必要に応じて蒸留水を加えながら充分に練合後、45℃
で真空乾燥した。この乾燥物を粉砕し、本発明の医薬用
固形組成物(粉末)を得た。
【0029】比較例1 酒石酸カリウムナトリウムに代えて乳糖を用いた以外
は、実施例1と同様の方法により固形組成物を得た。 比較例2 酒石酸カリウムナトリウムに代えてヒドロキシプロピル
セルロースを用いた以外は、実施例1と同様の方法によ
り固形組成物を得た。
【0030】実施例2 ヒドロキシルプロピルセルロース0.5gおよび乳糖
5.5gを乳鉢に取り混合した。ここに、予め酒石酸カ
リウムナトリウム0.3gを実施例1で調製したシアノ
コバラミン溶液0.25mlに溶解した水溶液を添加
し、必要に応じて蒸留水を加えながら充分に練合後、4
5℃で真空乾燥した。その乾燥物を、12メッシュ篩を
通過させて本発明の医薬用固形組成物(粒状)を得た。
【0031】実施例3 実施例1で得られた組成物を熱ヘキサン法でコーティン
グした。被覆剤としてはサラシミツロウを使用した。サ
ラシミツロウ0.3gを加温したヘキサンに溶かし、攪
拌しながら組成物を添加し、室温まで冷却後、ろ過し
た。ろ過物を45℃で真空乾燥して、コーティングした
固形組成物を得た。 比較例3 比較例2で得られた組成物を実施例3と同様にして被覆
することにより、コーティングした固形組成物を得た。
【0032】実験例1 実施例1および比較例1〜2の組成物の各々に塩酸フル
スルチアミン1g(シアノコバラミンに対して500倍
量)を、また実施例2の組成物に塩酸フルスルチアミン
2g(シアノコバラミンに対して2000倍量)を混合
し、ガラス瓶中(開放系)で60℃、関係湿度(RH)
84%において1週間(実施例1、比較例1および2)
および55℃、関係湿度84%で2週間(実施例2)で
放置する過酷試験に供した後、シアノコバラミン残存率
を測定した。なお、シアノコバラミン残存率の測定は液
体クロマトグラフィー法(測定波長:550nm、カラ
ム:chemcoPak)により行った。
【0033】それらの測定結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】実験例2 実施例1および3と、比較例2および4の組成物のそれ
ぞれに、ニコチン酸アミド1gを混合し、ガラス瓶中
(開放系)50℃、RH78%で1週間放置する過酷試
験に供した。実験例1と同様にシアノコバラミンの残存
率を測定した。その結果を下記表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】実施例4 下記の表3に示す処方の錠剤を作成するために、まずシ
アノコバラミンおよび酒石酸カリウムナトリウムを除く
各成分(粉末)を造粒機に入れ予備混合した。一方、シ
アノコバラミンと酒石酸カリウムナトリウムとを水に溶
解し、得られた水溶液を前記予備混合物に添加して練合
後、8メッシュ篩を通過させて顆粒化させ、次いで45
℃で真空乾燥した。
【0038】上記の乾燥物を20メッシュ篩で篩過し、
得られた顆粒にステアリン酸マグネシウムを添加混合
し、ロータリー式錠剤機を用いて、外径7.5mm、1
35mgの錠剤(本発明の医薬用固形組成物)を得た。
【0039】
【表3】
【0040】実施例5 下記の表4に示す処方の錠剤を作成するために、結晶セ
ルロースとヒドロキシプロピルセルロースとを造粒機に
仕込み、そこに酢酸ヒドロキソコバラミンおよび酒石酸
ナトリウムカリウムの混合水溶液を添加して練合後、4
0℃で真空乾燥し、得られた乾燥物を整粒機にかけて細
粒とした。得られた細粒と下記処方の残り活性成分とを
流動造粒機に仕込み、常法に従い流動層造粒し、ロータ
リー式錠剤機を用いて打錠し、外径7.5mmの錠剤
(本発明の医薬用固形組成物)を得た。そして、その素
錠にプルランを結合剤としたタルク含有のショ糖糖衣液
を用いて常法により糖衣を施し、糖衣錠とした。
【0041】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/00 A61K 9/14 Fターム(参考) 4C076 AA29 AA31 AA36 AA44 CC23 DD29 DD41 DD43Q DD59 DD60 DD61 DD67 EE31 EE32 EE38 EE55 FF63 4C086 AA01 AA02 CB04 HA28 MA02 MA03 MA05 MA34 NA03 ZA01 ZA55 ZC24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビタミンB12類を酒石酸カリウムナトリウ
    ムに含有させることを特徴とする医薬用固形組成物。
  2. 【請求項2】さらに水溶性結合剤および/または有機溶
    媒可溶性結合剤を配合してなる請求項1記載の医薬用固
    形組成物。
  3. 【請求項3】被覆剤でコーティングしてなる請求項1ま
    たは2記載の医薬用固形組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006143613A (ja) * 2004-11-17 2006-06-08 Shionogi & Co Ltd ビタミン組成物
JP2007530683A (ja) * 2004-03-31 2007-11-01 ビーピーエスアイ ホールディングス,インコーポレーテッド 経口摂取可能な基材の腸溶性コーティング
JP2010013478A (ja) * 2002-02-07 2010-01-21 Takeda Chem Ind Ltd フィルムコーティング錠
WO2017187194A1 (en) * 2016-04-29 2017-11-02 University Of Central Lancashire Solid dosage form

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