JP2004026786A - ビタミン製剤 - Google Patents

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Shinji Ninomiya
二宮 伸二
Koji Akimoto
秋元 浩二
Hideyoshi Imanishi
今西 英恵
Tadashi Makino
槙野 正
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Abstract

【課題】すぐれた美肌、皮膚美白効果を有する製剤を提供する。
【解決手段】アスコルビン酸、トコフェロールおよびL−システインを、アスコルビン酸:トコフェロール:L−システインの重量比500〜700:30〜70:120〜200の割合で含有することを特徴とする製剤。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚におけるメラニン色素生成、沈着を抑制し、しみ・そばかすを緩和し、すぐれた美肌、皮膚美白効果を発揮する製剤、特に薄層糖衣錠に関する。
【0002】
【従来の技術】
しみ・そばかすは、主に紫外線によって体内でつくられる過剰なメラニン色素が原因であることが知られており、従来からメラニン色素の生成、沈着を抑制してしみ・そばかすを緩和することにより肌の美化、皮膚美白を達成するための種々の医薬や化粧料が開発されている。
これらの開発は未だ継続されており、美肌、皮膚美白効果のより優れた製品の開発が要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の主な目的は、すぐれた美肌、皮膚美白効果を発揮する製剤を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために種々検討を重ねた結果、アスコルビン酸、トコフェロールおよびL−システインを特定の割合で配合すると、体内でのメラニン生成の様々な過程で作用し、メラニン色素の生成、沈着が効果的に抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
(1)アスコルビン酸:トコフェロール:L−システインの重量比が500〜700:30〜70:120〜200の割合で含有することを特徴とする製剤、
(2)美肌用である上記(1)記載の製剤、
(3)色素沈着緩和用である上記(1)記載の製剤、
(4)錠剤の剤形である上記(1)〜(3)のいずれか1に記載の製剤、
(5)薄層糖衣錠である上記(1)記載の製剤等を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるアスコルビン酸としてはビタミンC類であればいずれでもよく、例えば、アスコルビン酸のほか、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム等の塩が使用できる。
トコフェロールとしてはビタミンE類であればいずれでもよく、例えば、酢酸dl−α−トコフェロール、酢酸d−α−トコフェロール、コハク酸d−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸d−α−トコフェロールカルシウム等が使用できる。
L−システインとしては、その塩、例えば塩酸塩等を使用してもよい。
本発明においては、これらの成分を、アスコルビン酸:トコフェロール:L−システインの重量比200〜2000:10〜100:30〜300、好ましくは500〜700:30〜70:120〜200となるような割合で錠剤に配合する。これにより、すぐれたメラニン色素の生成、沈着抑制効果が得られる。
【0007】
本発明の製剤には、上記の成分に加えて、他の成分を配合することもできる。
例えば、ビタミンB類(例、塩酸チアミン、硝酸チアミン、塩酸フルスルチアミン、硝酸ビスチアミン、チアミンジスルフィド、塩酸ジセチアミン、オクトチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、フルスルチアミン、ベンフォチアミン、リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキサール、シアノコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、メコバラミン等)、パントテン酸カルシウム、パントテン酸カルシウムタイプS、ビオチン、ニコチン酸アミド、ニコチン酸、パントテン酸ナトリウム、葉酸、オロチン酸、ガンマ−オリザノール、ウルソデオキシコール酸、グルクロノラクトン、グルクロン酸アミド、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスピリン、アセトアミノフェン、エテンザミド、イブプロフェン、ケトプロフェン、インドメタシン、シメチジン、ファモチジン、イソプロピルアンチピリン、塩酸ジフェンヒドラミン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、メキタジン、フマル酸クレマスチン、塩酸クロペラスチン、塩酸フェニルプロパノールアミン、臭化水素酸デキストロメトルファン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、塩酸ノスカピン、ノスカピン、dl−塩酸メチルエフェドリン、グアイフェネシン、塩化リゾチーム、イブプロフェン、カフェイン、無水カフェイン、エテンザミド、イソプロピルアンチピリン、サリチル酸、カルバマゼピン、バルプロ酸ナトリウム、1−メントール、dl−メントール等が挙げられ、これらは単独で、あるいは2種以上を併用して配合することができる。
【0008】
本発明の製剤は、常法に従って種々の剤形の製剤とすることができ、錠剤とすることが好ましい。特に限定するものではないが、本出願人の出願に係る特願2001−300501号に開示される薄層糖衣錠とすることが好ましく、そこに記載される製造法が好適に採用できる。
すなわち、薄層糖衣錠の糖衣層形成のための糖衣液に用いられる糖質としては、ショ糖(精製白糖、白糖)、果糖、ブドウ糖、乳糖、トレハロースのような単糖類、二糖類、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、粉末還元麦芽糖水飴、還元乳糖のような糖アルコール等が挙げられる。シュガーレス化には糖アルコールが好ましく、特に、後に記載する、素錠への糖衣液の噴霧により糖衣錠を製造する場合は、エリスリトールが好ましい。糖衣液中の糖質の量は、糖衣液中の固形分として10〜99%(重量%、以下同じ)、好ましくは、20〜95%である。
糖衣液に用いられる賦形剤としては、タルク、沈降炭酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、含水二酸化ケイ素、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロサイト、乾燥水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、クロスポビドン、カルメロース、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシスターチナトリウム等が挙げられる。
糖衣液中の賦形剤の量は、糖衣液中の固形分として0.01〜60%、好ましくは0.1〜50%である。
【0009】
糖衣液に用いられる結合剤としては、アラビアゴム末、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(HPMC2208)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906(HPMC2906)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(HPMC2910)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、結晶セルロース、粉末セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、トウモロコシデンプン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール(PVA)、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、ゼラチン、キサンタンガム、トラガント、トラガント末、マクロゴール200、マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1000、マクロゴール1500、マクロゴール1540、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール20000、ポリオキシエチレン[105]ポリオキシプロピレン[5]グリコール等が挙げられる。
【0010】
結晶セルロースを結合剤として用いる場合は、平均粒子径60μm以下のグレードのものを用いるのが好ましい。具体的には、アビセルPH−F20、アビセルPH−M25、アビセルPH−M15、アビセルPH−M8、アビセルPH−101、セオラスKG−801、セオラスKG−802(旭化成)が好ましい。
糖衣液中の結合剤の量は、糖衣液中の固形分として0.1〜60%、好ましくは1〜50%である。
【0011】
また、薄層糖衣錠には、服用性の向上を目的として、糖衣層に香りおよび味を付与することもでき、例えば、着香剤または香料、矯味剤を適量、糖衣液に混合することにより付与できる。
使用することのできる着香剤または香料としては、例えば、ハッカ油、ユーカリ油、ケイヒ油、ウイキョウ油、チョウジ油、オレンジ油、レモン油、ローズ油、フルーツフレーバー、ミントフレーバー、ペパーミントパウダー、dl−メントール、l−メントール等が挙げられる。
矯味剤としては、糖、糖アルコール、高甘味度甘味剤、酸味剤を配合することができる。
矯味剤として本発明で用いられる糖および糖アルコールは、ショ糖、トレハロース、乳糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、粉末還元麦芽糖水飴等が挙げられる。
矯味剤として本発明で用いられる高甘味度甘味剤は、人工的に合成された甘味剤のうち、その甘味度が砂糖の数倍以上のもの、好ましくは約100倍以上のものをいい、具体的には、例えば、アスパルテーム、ステビア、サッカリン、グリチルリチン二カリウム、ソーマチン、スクラロース、アセスルファームK等が挙げられる。
矯味剤として用いられる酸味剤は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸等が挙げられる。
【0012】
糖衣を施す素錠は、常法により調製すればよい。例えば、薬物を適当な賦形剤、結合剤等とともに、混合、造粒後、打錠して調製する。
L−システインは、不快な臭いを有するので、水または有機溶媒で造粒せず、そのまま混合工程で配合し、素錠を製すると、不快な臭いが低減されたL−システイン配合素錠を製造できる。また、粒子径が100μm以下のものの含有割合が50%以下、好ましくは30%以下のものを配合しても、不快な臭いが低減されたL−システイン配合素錠を製造でき、両者を併用した場合は、さらに不快な臭いが低減されたL−システイン配合素錠を製造できる。L−システインは圧縮成形性が悪いが、セルロース誘導体(例えば、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等)の配合により改善される。また、打錠時の杵面への粉末の付着(スティッキング)は、ステアリン酸マグネシウムを素錠重量に対して0.3〜3%、好ましくは0.5〜2.5%配合することにより改善される。
また、常法に従い、素錠に防水膜を施してもよい。
【0013】
上記のような糖質、賦形剤および結合剤を上記の割合で精製水中に溶解または懸濁することにより、糖衣液を調製する。本発明においては、所望により、素錠に加え、糖衣層中に薬物を含有させてもよく、特に限定するものではないが、素錠中に配合すると、他の薬物と相互反応してしまうような薬物は糖衣層中に含有させることができる。糖衣層とは、下掛け(subcoating)層、中掛け(smoothing)層、上掛け(coloring)層、艶出し(polishing)層のうちから選択される1つ以上の層をいう。上掛け層は着色剤を含むシロップ液をコーティングすることが多いが、着色剤を含まないシロップ層をコーティングすることもある。シロップ液は糖衣液と同じような糖質、賦形剤および結合剤を含んでもよく、また、糖衣液と異なる糖質だけのもの、糖質と結合剤から成る場合、糖質と賦形剤からなる場合等がある。艶出し液としては、カルナウバロウ、白ロウなどのワックス類、エタノール、メタノール、n−ヘキサン等の有機溶媒に溶解または懸濁させた溶液を用いることもできる。
【0014】
薄層糖衣錠を製造するには、常法に従い、例えば、上記のような糖衣液を手かけにより、および/または0.1〜1000μmの液滴として素錠に噴霧し、素錠重量の5〜60%の糖衣を施す。好ましくは噴霧することにより、短時間で小型の薄層糖衣錠剤を得ることができる。このとき、必要に応じて、糖衣液とともに、散布剤も用いることができる。散布剤としては、タルク、沈降性カルシウム、カオリン、デンプン、アラビアゴム末、結晶セルロース、ショ糖、トレハロース、エリスリトール、マルチトール、粉末還元麦芽糖水飴、乳糖、マンニトール等から1種または2種以上を選択することができる。得られた薄層糖衣錠は、不快な臭いをマスキングし、ウイスカーの発生を防止する効果を有し、糖アルコールの使用により、シュガーレス化することができる。また、低水分(平衡相対湿度(ERH)40%以下)の錠剤が得られるため、高水分で分解する薬物を安定化することができる。
【0015】
本発明の製剤において、アスコルビン酸の投与量は、例えば成人1日当たり200〜2000mg、好ましくは500〜700mg程度、トコフェロールの投与量は、例えば成人1日当たり30〜300mg、好ましくは30〜70mg程度、L−システインの投与量は、例えば成人1日当たり30〜300mg、好ましくは120〜200mgである。
【0016】
【実施例】
以下に実施例および試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
アスコルビン酸900g、リボフラビン18g、コハク酸d−α−トコフェロール(レギュラー粒度品)75g、パントテン酸カルシウム タイプS 69.3g、結晶セルロース(セオラスKG801、旭化成)83.7g、粉末還元麦芽糖水アメ117gを流動層造粒機(FD−3SN、パウレック)にて、6%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)水溶液900gを噴霧することにより、流動層造粒する。その後、整粒機(パワーミル、昭和化学機械)にて整粒し、整粒末を得た。
得られた整粒末878gに、L−システイン(粒子径100μm以下、15%)160g、結晶セルロース(セオラスKG801、旭化成)84g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC(LH31)、信越化学)60g、特殊ケイ酸カルシウム(フローライトRE、徳山曹達)6g、ステアリン酸マグネシウム12gを混合機(タンブラー混合機、昭和化学機械)にて混合し、得られた混合末をロータリー式打錠機で、直径8.8mmの臼、曲率半径7.0mmのR面杵にて、1錠当たりの重量300mg、厚さ5.2mmとなるように製錠し、素錠を得た。素錠4錠当たりの処方を表1に示す。
【0017】
【表1】
Figure 2004026786
【0018】
上記の素錠300gに、精製白糖54g、タルク24g、結晶セルロース(アビセルPH−F20)10g、アラビアゴム末12gを精製水83.5gに溶解、懸濁した糖衣液を用い、ハイコーター(HCT−MINI、フロイント産業)にて、素錠に対して素錠重量の15%量コーティングし、更にその上に、精製白糖50g、タルク18g、酸化チタン10g、結晶セルロース(アビセルPH−F20)10g、アラビアゴム末12gを精製水83.5gに溶解、懸濁した糖衣液を用い、素錠に対して素錠重量の20%量コーティングした。続いて、精製白糖94g、アラビアゴム末6gを精製水83.5gに溶解させたシロップ液を素錠に対して5%量コーティングし、薄層の糖衣錠を得た。なお、薄層の糖衣錠に、艶だし液(カルナウバロウ、白ロウを溶解させたエタノール−n−ヘキサン溶液)を微量、コーティングし、艶だしを行った。
【0019】
実施例2
実施例1の素錠300gに、エリスリトール50g、タルク28g、結晶セルロース(アビセルPH−F20)10g、アラビアゴム末12gを精製水120gに溶解、懸濁した糖衣液を用い、ハイコーター(HCT−MINI、フロイント産業)にて、素錠に対して素錠重量の35%量コーティングし、更にその上に、エリスリトール89g、アラビアゴム末10g、マクロゴール6000 1gを精製水160gに溶解させた糖衣液を素錠に対して5%量コーティングし、薄層の糖衣錠を得た。なお、薄層の糖衣錠に、艶だし液(カルナウバロウ、白ロウを溶解させたエタノール−n−ヘキサン溶液)を微量、コーティングし、艶だしを行った。
【0020】
実施例3
アスコルビン酸2700g、リボフラビン54g、コハク酸d−α−トコフェロール(レギュラー粒度品)225g、粉末還元麦芽糖水アメ351g、結晶セルロース(セオラスKG−801、旭化成)240.8gを流動層造粒機(FD−5S、パウレック)にて、6%ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)水溶液2700gを噴霧することにより、流動層造粒する。その後、整粒機(パワーミル、昭和化学機械)にて整粒し、整粒末を得た。
得られた整粒末3318gに、L−システイン640g、パントテン酸カルシウム タイプS184.8g、結晶セルロース(セオラスKG−801、旭化成)345.2g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC(LH31)、信越化学)240g、特殊ケイ酸カルシウム(フローライトRE、徳山曹達)24g、ステアリン酸マグネシウム48gを混合機(タンブラー混合機、昭和化学機械)にて混合し、得られた混合末をロータリー式打錠機で、直径8.8mmの臼、曲率半径7.0mmのR面杵にて、1錠当たりの重量300mg、厚さ5.2mmとなるように製錠し、素錠を得た。
上記の素錠3240gに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5MW)120gを精製水1080gに溶解したコーティング液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−500、バウレック)にて、素錠重量に対して2%量コーティングし、更にその上に、エリスリトール918.5g、タルク485.3g、酸化チタン34.7g、結晶セルロース(アビセルPH−F20)86.6g、アラビアゴム末207.9gを精製水2827gに溶解、懸濁したコーティング液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−500、バウレック)にて素錠重量に対して38%量コーティングした。更にその上に、エリスリトール540g、マクロゴール6000 60gを精製水980gに溶解したコーティング液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−500、バウレック)にて素錠重量に対して5%量コーティングし、コーティング錠を得た。なお、当該コーティング錠に、艶だし液(カルナウバロウ、白ロウを溶解させたエタノール−n−ヘキサン溶液)を微量、コーティングし、艶だしを行った。
【0021】
試験例1
色素沈着の効果を褐色モルモット(Weiser−Maples系褐色モルモット(東京実験動物)、体重200〜250g)を用いて検討した。褐色モルモットの背部を除毛し、0.384J/cmの紫外線(UVB)を1日1回、週3回で計6回照射して、色素沈着させた。アスコルビン酸600mg/kg群(以下1群)、アスコルビン酸600mg/kg+L−システイン160mg/kg群(以下2群)、アスコルビン酸600mg/kg+L−システイン160mg/kg+コハク酸d−α−トコフェロール50mg/kg群(以下3群)及び対照群(日本薬局方注射用水)の計4群、各群雄12例に、投与検体を紫外線照射開始前1週間および開始後6週間の計7週間連日経口投与し、経日的に紫外線照射部位および非照射部位の皮膚色(明度;L*値)測定を行った。また、最終投与翌日、モルモットを安楽死させて測定部位皮膚を摘出し、芋川らの方法(Imokawa G.,et al.,Arch Dermatol.Res.,278,352,1986)により皮膚標本をdopa(dihydroxy−phenylanine)染色を行い、dopa反応陽性メラノサイト数計測を実施し、組織学的に色素沈着緩和効果を検討した。
結果を表2〜5および図1〜7に示す。
【0022】
【表2】
Figure 2004026786
表2および図1および2から明らかなように、対照群(コントロール)にみられる照射部位のL*値の低下は、紫外線照射開始後18日および21日では、1〜3群のいずれの群においても有意な改善が認められ、その改善の効果は3群、2群、1群の順で高かった。さらに、紫外線照射後35日までの間、3群においては対照群と比較して有意な改善が認められた。
【0023】
【表3】
Figure 2004026786
表3および図3から明らかなように、対照群(コントロール)にみられる非照射部位と照射部位のL*値の差の増大は、紫外線照射開始後18日、21日および35日では、3群において有意に減少した。
【0024】
【表4】
Figure 2004026786
表4および図4および5から明らかなように、対照群(コントロール)にみられる変化率の低下は、紫外線照射開始後18日では、2群および3群のいずれの群においても有意な改善が認められた。また、紫外線照射開始後21日では、1〜3群のいずれの群においても有意な改善が認められ、その改善の効果は3群、2群、1群の順で高かった。
【0025】
【表5】
Figure 2004026786
表5および図6および7から明らかなように、紫外線照射部位のdopa反応陽性メラノサイト数は、対照群(コントロール)と2群および3群の比較において有意な減少が認められた。さらに、1群と2群および3群の比較においても有意な減少が認められた。このdopa反応陽性メラノサイト数の減少効果は3群、2群、1群の順で高く、非照射部位と照射部位の差およびdopa反応陽性メラノサイト数の増加率を指標とした場合であっても同様の結果であった。
以上のように、褐色モルモットにアスコルビン酸を経口投与することによりわずかに認められる紫外線照射時における皮膚のメラニン色素産生、メラニン色素沈着の軽減に対する効果は、L−システインさらにコハク酸d−α−トコフェロールを組み合わせることにより有意に増強した。
また、この効果を最大に得るためにはアスコルビン酸、L−システイン、コハク酸d−α−トコフェロールの配合比率を500〜700:120〜200:30〜70とすることが必要である。
【0026】
【発明の効果】
本発明のビタミンC類を主薬とする製剤は、ビタミンC類、ビタミンE類およびL−システインを含み、紫外線照射時における皮膚のメラニン色素生成、沈着を軽減する上で有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は表2のデータをグラフ化したものである。
【図2】図2は表2のデータをグラフ化したものである。
【図3】図3は表3のデータをグラフ化したものである。
【図4】図4は表4のデータをグラフ化したものである。
【図5】図5は表4のデータをグラフ化したものである。
【図6】図6のAおよびBは、各々、表5のデータをグラフ化したものである。
【図7】図7のAおよびBは、各々、表5のデータをグラフ化したものである。

Claims (5)

  1. アスコルビン酸:トコフェロール:L−システインの重量比が500〜700:30〜70:120〜200の割合で含有することを特徴とする製剤。
  2. 美肌用である請求項1記載の製剤。
  3. 色素沈着緩和用である請求項2記載の製剤。
  4. 錠剤の剤形である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製剤。
  5. 薄層糖衣錠である請求項1記載の製剤。
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