JP2995226B2 - カルシウム含有チユアブル錠 - Google Patents

カルシウム含有チユアブル錠

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JP2995226B2
JP2995226B2 JP15300992A JP15300992A JP2995226B2 JP 2995226 B2 JP2995226 B2 JP 2995226B2 JP 15300992 A JP15300992 A JP 15300992A JP 15300992 A JP15300992 A JP 15300992A JP 2995226 B2 JP2995226 B2 JP 2995226B2
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0053Mouth and digestive tract, i.e. intraoral and peroral administration
    • A61K9/0056Mouth soluble or dispersible forms; Suckable, eatable, chewable coherent forms; Forms rapidly disintegrating in the mouth; Lozenges; Lollipops; Bite capsules; Baked products; Baits or other oral forms for animals

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なカルシウム含有チ
ユアブル錠に関し、より詳細には、カルシウム塩、低粘
度ヒドロキシアルキルセルロース及び高粘度ヒドロキシ
アルキルセルロースを含有することを特徴とするチユア
ブル錠に関する。
【0002】
【従来の技術】現代食生活の変化に伴い食物からのカル
シウム摂取量が減少しており、特に女性において、カル
シウム欠乏によって生じる精神的なイライラや不眠症、
ひいては骨粗鬆症等の疾患が増加する傾向にある。この
ため、食物以外からも積極的にカルシウムを補給できる
ような医薬品、例えばカルシウム塩を含有する錠剤又は
顆粒剤が市販されている。
【0003】しかしながら、現在市販されているこれら
の医薬品は服用にあたって水を必要とするものであり、
いつどこででも服用できるといった手軽なものではな
い。また、カルシウムの1日必要量は一般に約300〜
600mgと言われているが、かかる多量のカルシウム
を上記の錠剤や顆粒剤で補給しようとすると服用用量や
服用回数が増えてしまい、服用には水が必要であること
もあって極めて煩雑となる。
【0004】そのため、1日必要量として十分な量のカ
ルシウムを手軽に補給できるような新規な剤形が、強く
要望されていた。
【0005】ところで、従来から、チユアブル錠と呼ば
れる製剤が知られている。この製剤は、口中で噛む又は
舐める等して徐々に溶解させて服用するものであるた
め、医薬品を水無しで経口投与できるものである。ま
た、通常の錠剤よりも大きく成型することができるた
め、他の製剤に比べて、1錠中に配合できる医薬品の量
を多くすることができるという利点がある。そして、既
に制酸剤等の分野では、炭酸カルシウムを含有するチユ
アブル錠が提案されている(例えば、米国特許第4,4
46,135号)。
【0006】しかしながら、カルシウム塩を服用すると
金属塩特有のザラザラした感じが強く、口内感触が悪い
ことが知られている。この口内感触の悪さは、長時間口
中に含まれているチユアブル錠においては特に重大な問
題となる。
【0007】また、カルシウム塩のうち、特に炭酸カル
シウムを配合した錠剤を打錠する場合には、ラミネーシ
ョンやキャッピング等の打錠障害が発生し易く、あるい
は、打錠後に割れ易いということが知られている(特開
昭49−47296号公報)。かかる製剤技術上の欠点
は、通常の錠剤よりも径の大きなチユアブル錠を製造し
ようとする場合に、特に重大な問題となる。
【0008】前述した米国特許第4,446,135号に
おいてハーベイ(Harvey A.)等は、チユアブ
ル錠に配合する炭酸カルシウムの粒子径を予め5〜50
ミクロンの範囲に調製することによって、チユアブル錠
の口内感触をある程度改善することに成功している。し
かしながら、この方法はチユアブル錠の製造工程に新た
にカルシウム塩の粉砕・篩過工程を追加するものであ
り、製造コストの面で必ずしも有利な方法であるとは言
い難い。また、もう一つの欠点であるラミネーションや
キャッピング発生等の打錠障害の問題を何ら解決するも
のではない。
【0009】したがって、服用時の口内感触の悪さを解
消し、かつ、製造コストや製剤技術上の問題を解決した
カルシウム含有チユアブル錠は、未だ開発されていない
のが現状であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製造工程で
何ら特別な処理を行なうことなく、口内感触が良好で且
つ打錠障害の発生し難いカルシウム含有チユアブル錠を
提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべく
鋭意検討を重ねた結果、本発明者は、チユアブル錠に低
粘度ヒドロキシアルキルセルロース及び高粘度ヒドロキ
シアルキルセルロースを配合することにより、カルシウ
ム塩に由来する口内感触の悪さや、打錠障害の発生を軽
減できることを知見し、更に検討を重ねて、本発明を完
成した。
【0012】すなわち、本発明は、カルシウム塩、低粘
度ヒドロキシアルキルセルロース及び高粘度ヒドロキシ
アルキルセルロースを含有することを特徴とする新規な
チユアブル錠を提供するものである。本発明によれば、
配合するカルシウム塩の粒子径を細かくするという面倒
な工程を行なうことなく服用時の口内感触が良好なチユ
アブル錠を製造することができ、また、打錠時にキャッ
ピングやラミネーション等の打錠障害も発生し難い。そ
して、本発明が提供するチユアブル錠によれば、水無し
で十分な量のカルシウムを手軽に補給することができ
る。
【0013】以下に、本発明について更に詳細に説明す
る。
【0014】なお、本明細書において「ヒドロキシアル
キルセルロース」とは、ヒドロキシアルキル基で置換さ
れたセルロース誘導体をいい、ヒドロキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、お
よびヒドロキシプロピルメチルセルロース等を例示する
ことができるが、好ましくは、ヒドロキシプロピルセル
ロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースであ
る。
【0015】「低粘度ヒドロキシアルキルセルロース」
とは、2%の水溶液とした場合の粘度が20℃において
約50cps以下のヒドロキシアルキルセルロースをい
い、好ましくは約3〜20cps、特に好ましくは約6〜
10cpsの範囲内にあるものをいう。また「高粘度ヒド
ロキシアルキルセルロース」とは、2%の水溶液とした
場合の粘度が20℃において約150cps以上のヒドロ
キシアルキルセルロースをいい、好ましくは約400〜
4,000cps、特に好ましくは約1,000〜4,000
cpsの範囲内にあるものをいう。
【0016】本発明のカルシウム含有チユアブル錠にお
いて配合されるヒドロキシアルキルセルロースは、高粘
度のものと低粘度のものとを組合せて用いる。この場
合、重合度の差により粘度の異なるものを組合せること
ができれば、同種類のヒドロキシアルキルセルロースを
組合せてもよく、異なる種類のヒドロキシアルキルセル
ロースを組合せてもよい。
【0017】このように、粘度の異なるヒドロキシアル
キルセルロースを組合せて配合することによって、カル
シウム含有チユアブル錠服用時の口内感触の悪さや、カ
ルシウム塩として炭酸カルシウムを用いた場合に特に生
じ易い打錠障害を軽減することができる。
【0018】低粘度ヒドロキシアルキルセルロース及び
高粘度ヒドロキシアルキルセルロースの配合量は厳密に
制限されるものではなく、製剤中のカルシウム塩の量に
よって適宜変えることができるが、一般には、製剤全重
量を基準として、各々独立に、約1〜10重量%、好ま
しくは約2〜8重量%、より好ましくは約3〜6重量%
であることができる。
【0019】また、低粘度ヒドロキシアルキルセルロー
スと高粘度ヒドロキシアルキルセルロースとの配合割合
は厳密に制限されるものではなく、製剤中のカルシウム
塩の量によって適宜変えることができるが、一般には、
低粘度のものと高粘度のものとの重量比が1/3〜3/
1の範囲、好ましくは1/2〜2/1の範囲、より好ま
しくは1/1〜3/2の範囲であることができる。
【0020】本発明のチユアブル錠に用いられるカルシ
ウム塩は、通常、医薬品として使用できるものであれば
よく、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カ
ルシウム等の無機塩や、グルコン酸カルシウム、乳酸カ
ルシウム、L-アスパラギン酸カルシウム、クエン酸カ
ルシウム、グリセロリン酸カルシウム等の有機塩を例示
することができる。なかでも無機カルシウム塩が好まし
く、炭酸カルシウムが特に好ましい。炭酸カルシウムは
それ自体に苦味がなく、重量当りのカルシウム含量が高
いため、製剤原末も少量で適用できる。したがって、カ
ルシウム塩として炭酸カルシウムを選択すれば、苦味が
無くコンパクトな、服用のし易いチユアブル錠を得るこ
とができる。
【0021】本発明で用いられる炭酸カルシウムとして
は、沈降炭酸カルシウムが好ましい。
【0022】カルシウム塩の配合量は厳密に制限される
ものではなく、適宜選択することができるが、一般に
は、製剤全重量を基準として約1〜60重量%、好まし
くは約10〜40重量%、特に好ましくは約20〜35
重量%であることができる。
【0023】本発明のチユアブル錠には、以上の必須成
分に加えて、必要に応じて、製剤技術上一般に用いられ
る種々の添加剤を配合することができる。かかる添加剤
としては、例えば、製剤技術上許容される賦形剤、結合
剤、滑沢剤、保存剤、安定化剤、着色剤、矯味剤等を例
示することができる。
【0024】ここで、賦形剤としては、通常の製剤技術
において用いられているものであればよく、例えばトウ
モロコシデンプン、微結晶セルロース、乳糖、白糖、ブ
ドウ糖、粉末還元麦芽糖水飴、果糖、D-ソルビトール
及びD-マンニトールが挙げられるが、好ましくはD-マ
ンニトールを用いることができる。その使用量は厳密に
制限されるものではなく、製剤技術上通常用いられる量
であればよいが、一般には、製剤全重量を基準として約
20〜80重量%、好ましくは約30〜60重量%であ
ることができる。
【0025】結合剤としては、例えば、アカシア末、ア
ラビアゴム、ゼラチン、トラガントガム、部分α化デン
プン、ポリビニルピロリドン等を用いることができる。
その使用量は、一般に、製剤全重量を基準として約1〜
10重量%であることができる。
【0026】滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マ
グネシウム、タルク、軽質無水ケイ酸、硬化植物油等が
挙げられるが、好ましくはステアリン酸マグネシウム、
軽質無水ケイ酸及び硬化植物油を用いることができる。
その使用量は厳密に制限されるものではなく、製剤技術
上通常用いられる量であればよいが、一般には、製剤全
重量を基準として約0.2〜3重量%、好ましくは約0.
5〜2重量%であることができる。
【0027】着色剤としては、例えば、タール色素、レ
ーキ色素、ベンガラ、銅クロロフイル、リボフラビン、
コーヒー、ココア、カルミン等が挙げられる。その使用
量は厳密に制限されるものではないが、製剤全重量を基
準として約0.05〜0.3重量%であることができる。
【0028】矯味剤としては、甘味料、酸味料、着香料
等を適宜組み合せて用いることができる。ここで、甘味
料としては、例えば、アスパルテーム、サッカリン、ス
テビア等が挙げられるが、好ましくはアスパルテームを
用いることができる。その使用量は厳密に制限されるも
のではないが、製剤全重量を基準として約0.01〜3
重量%であることができる。また、酸味料としては、例
えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、アジピン
酸、マレイン酸等が挙げられるが、好ましくはアジピン
酸及びクエン酸を用いることができる。その使用量は厳
密に制限されるものではないが、製剤全重量を基準とし
て約0.1〜10重量%であることができる。更に、着
香料としては、例えばレモンフレーバー、オレンジフレ
ーバー、アップルフレーバー、ストロベリーフレーバ
ー、メロンフレーバー、ペパーミントフレーバー等が挙
げられるが、好ましくはレモンフレーバーを用いること
ができる。その使用量は厳密に制限されるものではない
が、製剤全重量を基準として約0.05〜2重量%であ
ることができる。
【0029】なお、本発明のチユアブル錠には、以上の
構成成分に加えて、カルシウム塩以外の金属塩及び各種
のビタミンを配合することもできる。
【0030】ここで配合し得る金属塩としては、フマル
酸第一鉄、硫酸第一鉄、クエン酸第一鉄ナトリウム、コ
ハク酸第一鉄、グルクロン酸第一鉄、オロトン酸第一
鉄、アミノ酢酸第一鉄、ポリマレテル鉄、溶性ピロリン
酸第二鉄、乾燥水酸化第一鉄ゲル等の有機又は無機鉄
塩;炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム等のマグネシ
ウム塩を例示することができるが、好ましくは、鉄塩と
してフマル酸第一鉄及び溶性ピロリン酸第二鉄、マグネ
シウム塩として炭酸マグネシウムを用いることができ、
これらの金属塩の1種又は2種以上を適宜組合せて配合
することができる。上記で例示した金属塩の中には、カ
ルシウム塩と同様にそれ自体では口内感触の悪いものも
含まれているが、かかる金属塩を配合した場合でも、本
発明のチユアブル錠であれば口内感触が悪化することは
ない。
【0031】また、ビタミンとしては、ビタミンA、ビ
タミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、シアノコバラ
ミン、アスコルビン酸、ビタミンD、ビタミンE、ニコ
チン酸アミド、パントテン酸カルシウム、葉酸等又はこ
れらの誘導体を例示することができ、好ましくは、アス
コルビン酸、ビタミンD及びビタミンE又はこれらの誘
導体を用いることができる。これらのビタミンは、1種
又は2種以上を適宜組合せて配合することができる。
【0032】以上の金属塩及びビタミンのそれぞれの配
合量は厳密に制限されるものではなく、配合する目的に
合わせて適宜選択することができるが、一般に、製剤全
重量を基準として約0.05〜10重量%であることが
できる。
【0033】以上の構成成分からなる本発明のカルシウ
ム含有チユアブル錠は、通常の製剤化技術に従って調製
することができるが、例えば、以下の調製法がある。
【0034】低粘度ヒドロキシアルキルセルロースの1
部を水に溶解する。配合されるべき矯味剤及び滑沢剤を
除く他の構成成分を均一に混合したのち、上記で得られ
た水溶液を用いて常法に従って造粒する。得られた顆粒
を乾燥した後、粉砕し、得られた粉末に必要に応じて矯
味剤を加えて混合する。得られた混合物に滑沢剤を加え
てさらに混合し常法に従って打錠すれば、本発明のチユ
アブル錠を製造することができる。
【0035】以上のとおり、本発明のチユアブル錠を製
造する場合には、従来技術で行なわれているカルシウム
塩の微粉末化や粒子径の調整を行なう必要がなく、ま
た、キャッピングやラミネーション等の打錠障害も発生
し難い。
【0036】チユアブル錠の大きさは特に制限されるも
のでなく、炭酸カルシウムの投与量や1回服用時の服用
数量によって適宜選択することができるが、例えば、1
回1錠の服用とする場合には、直径が約10〜24m
m、好ましくは約10〜22mm、特に好ましくは約1
0〜20mmであることができ、1錠の重量が約0.4
〜3g、好ましくは約0.6〜2g、特に好ましくは約
1〜2gであることができる。
【0037】
【実施例】以下に本発明を、製造例ならびに試験例によ
って、更に詳細に説明するが、本発明がこれらの記載に
よって何ら限定されるものでないことは言うまでもな
い。 製造例1 後記第2表Aの処方に従つて、以下の方法で本発明のカ
ルシウム含有チユアブル錠を製造した。
【0038】沈降炭酸カルシウム、フマル酸第一鉄、炭
酸マグネシウム、D-マンニトール、ヒドロキシプロピ
ルセルロース(日本曹達(株)製Type H、高粘度
品)の各全量及びヒドロキシプロピルセルロース(日本
曹達(株)製Type L、低粘度品)の一部を均一に
混合する。残りのヒドロキシプロピルセルロース(低粘
度品)を水に溶解し、この水溶液を用いて上記の混合物
を流動層造粒法によって造粒し、得られた顆粒を乾燥し
た後粉砕する。得られた粉末とビタミンE(50%スプ
レードライ)、アスコルビン酸(90%顆粒)、アスパ
ルテーム、アジピン酸及びレモンフレーバー(スプレー
ドライ)とを均一に混合する。これにステアリン酸マグ
ネシウムとフロイント産業(株)製硬化ヒマシ油(ラブ
リワックス101R)を添加して混合し、常法に従って
打錠することによって、直径15.7mmで1錠1,40
0mgのチユアブル錠を得た。
【0039】製造例2 後記第2表処方B、C及びDに従つて、上記製造例1に
記載の方法に準じて、本発明のカルシウム含有チユアブ
ル錠を製造した。
【0040】製造例3 後記第2表処方Eに従つて、以下の方法で本発明のカル
シウム含有チユアブル錠を製造した。
【0041】沈降炭酸カルシウム、フマル酸第一鉄、炭
酸マグネシウム、ビタミンE(50%スプレードラ
イ)、D−マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロー
ス(日本曹達(株)製、Type H、高粘度品)の各全
量、並びに、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達
(株)製 Type L、低粘度品)及び軽質無水ケイ酸の
各一部を均一に混合する。残りのヒドロキシプロピルセ
ルロース(低粘度品)を水に溶解し、この水溶液を用い
て上記の混合物を造粒し、得られた顆粒を乾燥した後粉
砕する。得られた粉末と、結晶セルロース、アスコルビ
ン酸(90%顆粒)、アスパルテーム、アジピン酸及び
レモンフレーバー(スプレードライ)とを均一に混合す
る。これにステアリン酸マグネシウムと残りの軽質無水
ケイ酸を添加して混合し、常法に従つて打錠することに
よつて、直径17mmで1錠1,400mgのチユアブ
ル錠を得た。
【0042】試験例1:官能試験(1) 年齢19〜41才の女性28名を対象として、本発明の
剤形であるチユアブル錠と通常の剤形である錠剤とで、
どちらの剤形を好ましいと感じるかを試す官能試験を行
った。
【0043】本発明の製剤として、上記製造例1で製造
した処方Aのチユアブル錠を用いた。一方、比較製剤と
して、処方Aと配合成分及び比率が同一であるが剤形の
小さな錠剤(直径8mm、1錠280mg)を用いた。
【0044】試験は、各被験者に本発明のチユアブル錠
と比較製剤とをそれぞれ服用させ、どちらが好ましいと
感じたか、およびその理由を聞く方法で行った。なお、
各製剤を、同量のカルシウムを投与する場合について比
較するため、本発明のチユアブル錠は1錠を服用するも
のとし、比較製剤は5錠を服用するものとした。また、
比較製剤5錠は、水とともに飲み込む方法で服用するこ
とにした。
【0045】それぞれの製剤を他方の製剤よりも好まし
いと答えた被験者の数及び割合を求め、その結果を下記
第1表に示した。
【0046】
【表1】 上記の表から、被験者のうちの大多数が本発明のチユア
ブル錠を通常の錠剤よりも好ましいと感じたことが明ら
かである。そして、本発明のチユアブル錠を選択した理
由としては、「服用用量が1回1錠であるため手軽であ
る」が最も多く、24名中10名であった。逆に、通常
の錠剤を選択しなかった理由としては、「1回に5錠の
服用用量は多すぎる」が最も多く、24名中13名であ
った。
【0047】試験例2:官能試験(2) 本発明のチユアブル錠の口内感触の良否を調べるため、
本発明の処方と異なる処方(後記第2表処方F及びG)
に従つて、上記製造例1に記載の方法に準じて炭酸カル
シウム含有チユアブル錠を製造した。得られたチユアブ
ル錠(処方F及びG)と上記製造例1〜3で得られた本
発明のチユアブル錠(処方A〜E)を服用して、以下の
基準で口内感触を評価した。
【0048】◎:口内感触が良好 ○:口内感触がほぼ良好 △:口内感触が不良 なお、被験者は男性1名とした。
【0049】結果を、後記第2表の最下段に示した。
【0050】表から明らかなとおり、本発明の処方によ
るチユアブル錠(A〜E)は、いずれも良好又はほぼ良
好な口内感触を示した。これに対して、本発明の処方以
外の処方で製造したチユアブル錠(処方F及びG)は、
いずれも口内にザラツキ感が残り、口内感触が不良であ
つた。
【0051】試験例3:官能試験(3) 本発明のカルシウム含有チユアブル錠の口内感触の良否
を調べるため、上記製造例1で得られた本発明のチユア
ブル錠(処方A)と、本発明の処方と異なる処方(後記
第2表処方H)により上記製造例1に記載した方法に準
じて製造したチユアブル錠とを、年齢22〜28才の女
性22名に服用させ、このときの口内感触に関する感想
を聞いた。
【0052】この結果、処方Hにより製造したチユアブ
ル錠については、「粉っぽい」又は「砂っぽい」という
感想が6名の被験者から、および「舌触りが悪い」とい
う感想が2名の被験者から出され、これらを合計する
と、被験者総数の1/3が口内感触の悪さを訴えた。こ
れに対して、本発明のチユアブル錠(処方A)を服用し
て、口内感触の悪さを訴えた被験者は、28名中1名の
みであつた。
【0053】試験例4:キヤツピング発生試験 後記第2表処方Iに従つて、カルシウム含有錠剤(直径
8.7mm、1錠280mg)を製造し、打錠の際のキ
ヤツピング発生率を、上記製造例1及び3(処方A及び
E)の本発明のチユアブル錠の場合と比較した。
【0054】処方Iの炭酸カルシウム含有錠剤は、製剤
技術上通常行なわれる乾式造粒法を用いて製造したもの
であるが、直径が本発明のチユアブル錠よりも小さいに
もかかわらず、キヤツピング発生率が90%と極めて高
かった。これに対して、本発明のチユアブル錠を製造し
た上記製造例1及び3において、キヤツピング発生率は
0%であつた。
【0055】本試験の結果から、本発明のチユアブル錠
を製造する場合には、他の処方で炭酸カルシウム含有錠
剤を製造する場合に比べて打錠障害の発生頻度が極めて
低いことが判明した。
【0056】
【表2】 1) 低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達
(株)製:粘度6〜10cps) 2) 高粘度ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達
(株)製:粘度1000〜4000cps)3) ポリビニルピロリドン K−304) 硬化ヒマシ油(フロイント産業(株)製:融点85〜
87°、ヨウ素価2.5以下)
【0057】
【表3】 1) 低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達
(株)製:粘度6〜10cps) 2) 高粘度ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達
(株)製:粘度1000〜4000cps)3) ポリビニルピロリドン K−304) 硬化ヒマシ油(フロイント産業(株)製:融点85〜
87°、ヨウ素価2.5以下)
【0058】
【表4】 1) 低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達
(株)製:粘度6〜10cps) 2) 高粘度ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達
(株)製:粘度1000〜4000cps)3) ポリビニルピロリドン K−304) 硬化ヒマシ油(フロイント産業(株)製:融点85〜
87°、ヨウ素価2.5以下)
【0059】
【発明の効果】本発明のカルシウム含有チユアブル錠の
口内感触は良好であり、製造時に打錠障害の問題も生じ
ない。また、本発明のチユアブル錠によれば、従来のカ
ルシウム製剤に比べて多量のカルシウムを、水無しで手
軽に摂取することができる。
【0060】したがって、本発明のカルシウム含有チユ
アブル錠は、現代食生活におけるカルシウム摂取量の不
足から生じる骨や歯の脆弱化を防止し、また、骨粗鬆症
を予防する医薬品として、極めて有用である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 33/06 A61K 9/20 A61K 47/38

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシウム塩、2%の水溶液の粘度が2
    0℃において50cps以下である低粘度ヒドロキシア
    ルキルセルロース及び2%の水溶液の粘度が20℃にお
    いて150cps以上である高粘度ヒドロキシアルキル
    セルロースを含有することを特徴とするチユアブル錠。
  2. 【請求項2】 製剤全重量を基準として (a)カルシウム塩 1〜60重量% (b)低粘度ヒドロキシアルキルセルロース 1〜10
    重量%、及び (c)高粘度ヒドロキシアルキルセルロース 1〜10
    重量% を含有することを特徴とする請求項1記載のチユアブル
    錠。
  3. 【請求項3】 低粘度ヒドロキシアルキルセルロース
    が、2%の水溶液の粘度が20℃において3〜20cp
    sの範囲内にある低粘度ヒドロキシアルキルセルロース
    である請求項1又は2記載のチユアブル錠。
  4. 【請求項4】 高粘度ヒドロキシアルキルセルロース
    が、2%の水溶液の粘度が20℃において400〜40
    00cpsの範囲内にある高粘度ヒドロキシアルキルセ
    ルロースである請求項1〜3のいずれかに記載のチユア
    ブル錠。
  5. 【請求項5】 ヒドロキシアルキルセルロースが、ヒド
    ロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
    ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチル
    メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセル
    ロースである請求項1〜4のいずれかに記載のチユアブ
    ル錠。
  6. 【請求項6】 低粘度ヒドロキシアルキルセルロースと
    高粘度ヒドロキシアルキルセルロースの配合割合が重量
    比で1/3〜3/1の範囲内にある請求項1〜5のいず
    れかに記載のチユアブル錠。
  7. 【請求項7】 カルシウム塩が炭酸カルシウムである請
    求項1〜6のいずれかに記載のチユアブル錠。
  8. 【請求項8】 鉄塩、マグネシウム塩、ビタミンC及び
    ビタミンEのうち少なくとも1種以上を含有する請求項
    〜7のいずれかに記載のチユアブル錠。
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