JPWO2015072442A1 - 錠剤 - Google Patents
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Abstract
欠損の種類に対応した解析に基づいて、実際の生産スケールの製造工程において生じる欠損の発生を確実に抑制できる形状パラメータを有する錠剤を提供する。胴部4と、胴部4の上下面の少なくとも一方の面から凸状に形成されたカップ部6と、を有する錠剤2であって、カップ部6の高さ寸法であるカップ部深さをDとし、胴部4の直径をLとする場合において、D/Lの値が0.13以上0.50以下である、錠剤を提供する。
Description
本発明は、錠剤に関し、より詳細には、形状に特徴を有する錠剤に関する。
錠剤は、一定の形状に成型された固体の製剤であって、医薬品の中で最も多用されている剤形である。現在、圧縮成型(「打錠」という)により錠剤を製造する場合が多いが、打錠工程により形成された錠剤は、多くの場合、コーティング装置に運ばれてコーティングを行い、その後、検査、梱包を行って出荷される。このとき、打錠工程以降の錠剤の搬送経路で受ける様々な衝撃により、錠剤に欠損(欠け、割れ、摩損等)が発生することがある。また、発送された以降においても、錠剤が物理的な衝撃を受けて欠損が発生することがあり得る。
搬送中を始めとする様々な状況で錠剤が衝撃を受けて欠損が生じるのを防ぐため、欠損が生じにくい形状の錠剤の開発が強く望まれている。例えば、特許文献1には、錠剤の欠損の発生を防ぐため、素錠(コーティング無の錠剤)の上下面の曲率直径が、素錠直径の1.7〜2.0倍である糖衣状素錠が提案されている。
特許文献2には、錠剤の欠損の発生を防ぐため、カップ部の周縁部の表面が、胴部の上下面に対し35〜50°の立ち上り角度を有する錠剤が提案されている。
特許文献3には、錠剤の欠損の発生を防ぐため、カップ部の周縁部が面取りされており、面取部の寸法及び立ち上り角度、並びにカップ部の高さ寸法であるカップ部深さを所定の数値範囲内に規定した錠剤が提案されている。
特許文献2には、錠剤の欠損の発生を防ぐため、カップ部の周縁部の表面が、胴部の上下面に対し35〜50°の立ち上り角度を有する錠剤が提案されている。
特許文献3には、錠剤の欠損の発生を防ぐため、カップ部の周縁部が面取りされており、面取部の寸法及び立ち上り角度、並びにカップ部の高さ寸法であるカップ部深さを所定の数値範囲内に規定した錠剤が提案されている。
錠剤に欠損が発生する場所(例えば、錠剤の端部、錠剤の中央部)、欠損の大きさ、欠損の形状は異なるので、本質的に欠損を抑制可能な剤形を定めるためには、欠損の種類に対応した解析を行って、それに対応した形状パラメータ(形状を規定する仕様)を見出すことが重要である。しかし、特許文献1〜3の何れの文献においても、欠損の種類に対応した具体的な解析はなされておらず、実際の生産スケールの製造工程において、確実に様々な種類の欠損の発生を抑制できるか不確定である。
従って、本発明の目的は上記の問題を解決し、欠損の種類に対応した解析に基づいて、実際の生産スケールの製造工程において生じる欠損の発生を確実に抑制できる形状パラメータを有する錠剤を提供することにある。
以上のような目的を達成するため、本発明の錠剤の1つの実施態様は、胴部と、該胴部の上下面の少なくとも一方の面から凸状に形成されたカップ部と、を有する錠剤であって、前記カップ部の高さ寸法であるカップ部深さをDとし、前記胴部の直径をLとする場合において、D/Lの値が0.13以上0.50以下である、錠剤である。
発明の錠剤のその他の実施態様は、更に、前記カップ部の頂部における曲率半径をRとする場合において、R/Lの値が0.50以上1.00以下である、錠剤である。
本発明の欠損の発生を抑制可能な錠剤の形状を決定する方法の1つの実施態様は、
錠剤に発生する欠損の種類を特定するステップ1と、
ステップ1で特定した欠損の種類に対応した欠損の試験方法を定めるステップ2と、
複数の形状パラメータを有する錠剤を製造して、ステップ2で定めた試験方法を実施して試験データを取得するステップ3と、
ステップ3で取得した試験データに基づいて、統計的手法(例えば、PLS回帰分析)を用いて、形状パラメータをインプットデータとして、ステップ2で定めた試験方法の結果をアウトプットデータとして算出可能な相関式を定めるステップ4と、
ステップ4で定めた相関式に基づいて定めた複数の形状パラメータを有する錠剤に対してステップ2で定めた試験方法を実施して、ステップ4で定めた相関式を実証するステップ5と、
ステップ5で実証された相関式に基づいて定めた複数の形状パラメータを有する錠剤について、実際の製造ラインで搬送して、実際に発生した欠損の個数を調べる検証試験を行なうステップ6と、を含む。
錠剤に発生する欠損の種類を特定するステップ1と、
ステップ1で特定した欠損の種類に対応した欠損の試験方法を定めるステップ2と、
複数の形状パラメータを有する錠剤を製造して、ステップ2で定めた試験方法を実施して試験データを取得するステップ3と、
ステップ3で取得した試験データに基づいて、統計的手法(例えば、PLS回帰分析)を用いて、形状パラメータをインプットデータとして、ステップ2で定めた試験方法の結果をアウトプットデータとして算出可能な相関式を定めるステップ4と、
ステップ4で定めた相関式に基づいて定めた複数の形状パラメータを有する錠剤に対してステップ2で定めた試験方法を実施して、ステップ4で定めた相関式を実証するステップ5と、
ステップ5で実証された相関式に基づいて定めた複数の形状パラメータを有する錠剤について、実際の製造ラインで搬送して、実際に発生した欠損の個数を調べる検証試験を行なうステップ6と、を含む。
上述のような本発明に係る錠剤は、欠損の種類に対応した解析に基づいて定められた形状パラメータを有し、実際の生産スケールの製造工程において生じる欠損の発生を確実に抑制することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。
(錠剤の形状)
始めに、本発明の錠剤の実施形態の外形を、図1(a)〜(c)に示す。
錠剤2は、円形の断面形状を有する(つまり円筒形である)胴部4と、胴部4の上下面から凸状に形成されたカップ部6とを有する。なお、図1に示す実施形態では、胴部4の上下面にカップ部6を有するが、少なくとも一方の面にカップ部6が設けられていればよく、カップ部6を有さない側は、例えば、平面形状を有していてもよいし、凹形状を有していてもよい。また、本発明の錠剤の実施形態には、割線を有する場合も含まれる。
(錠剤の形状)
始めに、本発明の錠剤の実施形態の外形を、図1(a)〜(c)に示す。
錠剤2は、円形の断面形状を有する(つまり円筒形である)胴部4と、胴部4の上下面から凸状に形成されたカップ部6とを有する。なお、図1に示す実施形態では、胴部4の上下面にカップ部6を有するが、少なくとも一方の面にカップ部6が設けられていればよく、カップ部6を有さない側は、例えば、平面形状を有していてもよいし、凹形状を有していてもよい。また、本発明の錠剤の実施形態には、割線を有する場合も含まれる。
図1(a)に示す錠剤は、カップ部6が1つの曲率半径を有する曲面で構成されており、形状を規定する形状パラメータとして、カップ部6の頂部における曲率半径R、カップ部6の高さ寸法であるカップ部深さD、及び胴部4の直径Lを挙げることができる。なお、カップ部6の頂部における曲率半径RをトップRと称することがある。
図1(b)に示す錠剤では、カップ部6が中央部と周縁部とから構成され、周縁部にトップRよりも小さな曲率半径R’の曲面を有する点で、図1(a)の錠剤と異なる。なお、このカップ部6の周縁部の曲面の曲率半径R’を、ボトムRと称することがある。また、図1(a)のようなボトムRを有さず、カップ部6がトップRだけで形成される錠剤を、シングルRの錠剤と称することもある。
図1(c)に示す錠剤は、カップ部6の周囲にランド8と称する段差部を有する点で、図1(a)、(b)の錠剤と異なる。図1(c)の錠剤の場合には、原則として、胴部4の直径Lは、図1(a)、(b)の錠剤に場合に比べて、ランド8の分(ランドの幅×2)だけ長くなる。なお、ランド8を有する図1(c)の形状は、ボトムRを有する場合も、ボトムRを有さない場合もあり得る。
図1(b)に示す錠剤では、カップ部6が中央部と周縁部とから構成され、周縁部にトップRよりも小さな曲率半径R’の曲面を有する点で、図1(a)の錠剤と異なる。なお、このカップ部6の周縁部の曲面の曲率半径R’を、ボトムRと称することがある。また、図1(a)のようなボトムRを有さず、カップ部6がトップRだけで形成される錠剤を、シングルRの錠剤と称することもある。
図1(c)に示す錠剤は、カップ部6の周囲にランド8と称する段差部を有する点で、図1(a)、(b)の錠剤と異なる。図1(c)の錠剤の場合には、原則として、胴部4の直径Lは、図1(a)、(b)の錠剤に場合に比べて、ランド8の分(ランドの幅×2)だけ長くなる。なお、ランド8を有する図1(c)の形状は、ボトムRを有する場合も、ボトムRを有さない場合もあり得る。
本発明に係る錠剤は、胴部4と、カップ部6とを有し、カップ部6の頂部にトップRの曲面が構成されていれば、図1(a)〜(c)に示す実施形態に限られるものではない。例えば、カップ部が、トップR及びボトムRだけでなく、その他の曲率半径を有する曲面を含む場合も含まれるし、非球面の曲面を有する場合も含まれるし、ボトムRの代わりに直線的な面取り部分を有する場合も含まれる。また、1種類の薬剤で構成された錠剤だけでなく、複数の錠剤を層状にした多層錠や、内核と外層とを有する有核錠も含まれる。つまり、本発明に係る錠剤は、錠剤(固形医薬品)として製造可能なあらゆる薬剤に適用可能である。
(錠剤の製造工程)
次に、図1に示すような錠剤を製造するための製造工程の概略を説明する。ここでは、一般的な顆粒打錠法の工程を示す。
一般的な錠剤の製造工程では、まず原薬を粉砕し、粉砕された原薬、賦形剤、結合剤、崩壊剤等を秤量し、均一になるように混合する一次混合を行う。次に、造粒、乾燥の工程を経て、顆粒(粉末)の大きさをそろえる整粒を行い、顆粒(粉末)に滑沢剤を混ぜる二次混合を行って、打錠用の顆粒(粉末)を製造する。
次に、打錠用の顆粒(粉末)を打錠機で圧縮成形して錠剤(素錠)を形成する。素錠にフィルムコーティングを施す必要がある場合は、得られた素錠を、搬送手段を用いて、コーティング装置に運んでフィルムコーティングを行い、素錠を高分子の膜で覆う。その後、検査を行い、梱包を行って仕向地へ出荷する。
次に、図1に示すような錠剤を製造するための製造工程の概略を説明する。ここでは、一般的な顆粒打錠法の工程を示す。
一般的な錠剤の製造工程では、まず原薬を粉砕し、粉砕された原薬、賦形剤、結合剤、崩壊剤等を秤量し、均一になるように混合する一次混合を行う。次に、造粒、乾燥の工程を経て、顆粒(粉末)の大きさをそろえる整粒を行い、顆粒(粉末)に滑沢剤を混ぜる二次混合を行って、打錠用の顆粒(粉末)を製造する。
次に、打錠用の顆粒(粉末)を打錠機で圧縮成形して錠剤(素錠)を形成する。素錠にフィルムコーティングを施す必要がある場合は、得られた素錠を、搬送手段を用いて、コーティング装置に運んでフィルムコーティングを行い、素錠を高分子の膜で覆う。その後、検査を行い、梱包を行って仕向地へ出荷する。
図2は、コーティング錠の場合に、打錠からコーティングの工程までの製造・搬送装置及び錠剤の流れを示す一つの模式図である。なお、錠剤の流れを図2の矢印で示す。打錠機10における打錠工程では、打錠圧、打錠速度などが品質に影響し、例えば、打錠圧が低いと錠剤の強度が低下し、高すぎると欠損が生じる打錠障害が起きることがある。
その後、錠剤(素錠)は水平コンベア12で横方向へ運ばれ、リフタ14で上方へ運ばれた後、重力によりダウンシュート(搬送路)16内を滑り落ちて、錠剤コンテナ18へ到達する。重力によりダウンシュート(搬送路)16内を滑り落ちた素錠が、錠剤コンテナ18の内壁または錠剤コンテナ18内に滞留した素錠に衝突した衝撃により、欠損が生じる場合がある。
その後、錠剤(素錠)は水平コンベア12で横方向へ運ばれ、リフタ14で上方へ運ばれた後、重力によりダウンシュート(搬送路)16内を滑り落ちて、錠剤コンテナ18へ到達する。重力によりダウンシュート(搬送路)16内を滑り落ちた素錠が、錠剤コンテナ18の内壁または錠剤コンテナ18内に滞留した素錠に衝突した衝撃により、欠損が生じる場合がある。
錠剤コンテナ18で滞留していた素錠が、再び、重力によりダウンシュート(搬送路)16内を滑り落ちて、フロア22の下方に配置されたコーティング装置20へ到達する。重力によりダウンシュート(搬送路)16内を滑り落ちた素錠が、コーティング装置20の内壁またはコーティング装置20の錠剤受入領域内に滞留した素錠に衝突した衝撃により、欠損が生じる場合がある。
以上のように、図2において斜線部で示した、打錠機10、錠剤コンテナ18及びコーティング装置20の錠剤受入領域において、錠剤に欠損が発生し易くなる。
以上のように、図2において斜線部で示した、打錠機10、錠剤コンテナ18及びコーティング装置20の錠剤受入領域において、錠剤に欠損が発生し易くなる。
(錠剤の欠損の種類)
製造工程において発生する錠剤の主な欠損を分類すると、図3(a)及び(b)に示すような欠損に分類することができる。主要な欠損の種類の1つとして、図3(a)に示すような、錠剤のカップ部の周縁部に比較的小さな欠損が生じる「スモールエッジクラック(Small edge cracking)」を挙げることができる。その他の主要な欠損の種類の1つとして、図3(b)に示すような、錠剤のカップ部の中央部を含む比較的大きな領域が帽子状に剥離した「キャッピングクラック(Capping like cracking)」を挙げることができる。
なお、一般的に、カップ部6の高さ寸法であるカップ部深さDの値が小さく、カップ部の周縁部の立ち上り角度が小さい場合に、スモールエッジクラックが生じ易く、一方、カップ部深さDの値が大きく、立ち上り角度が大きい場合には、キャッピングクラックが生じ易いと言われている。
製造工程において発生する錠剤の主な欠損を分類すると、図3(a)及び(b)に示すような欠損に分類することができる。主要な欠損の種類の1つとして、図3(a)に示すような、錠剤のカップ部の周縁部に比較的小さな欠損が生じる「スモールエッジクラック(Small edge cracking)」を挙げることができる。その他の主要な欠損の種類の1つとして、図3(b)に示すような、錠剤のカップ部の中央部を含む比較的大きな領域が帽子状に剥離した「キャッピングクラック(Capping like cracking)」を挙げることができる。
なお、一般的に、カップ部6の高さ寸法であるカップ部深さDの値が小さく、カップ部の周縁部の立ち上り角度が小さい場合に、スモールエッジクラックが生じ易く、一方、カップ部深さDの値が大きく、立ち上り角度が大きい場合には、キャッピングクラックが生じ易いと言われている。
(錠剤の欠損に対する評価法)
次に、スモールエッジクラック及びキャッピングクラックといった欠損の種類に応じた錠剤の評価法について説明を行なう。
次に、スモールエッジクラック及びキャッピングクラックといった欠損の種類に応じた錠剤の評価法について説明を行なう。
<摩損度>
摩損度とは、錠剤の衝撃に対する脆さや削れやすさを数量的に表現した物性値であり、具体的には、錠剤の初期質量に対する減少質量の質量百分率で示される。「スモールエッジクラック」に対する錠剤の評価としては、この摩損度の測定が適切であり、摩損度の測定方法の一例を下記に示す。
まず錠剤10錠を精密に量り(この重量をW0とする)、錠剤をガラス筒(例えば、全長33.6cm、外径3.5cm、内径2.65cm)に充填する。全長の中央位置に金属製ふるい(直径4cm、サイズ5.5メッシュ、線形0.5インチ)を有するガラス筒を、錠剤摩損度試験に取り付け、例えば、振動幅12.2cmの上下運動を、1分間あたり250往復の条件にて、2分間作動させる。動作終了後、ガラス筒から錠剤を取り出し、ふるいで軽く揺すり、粉及び錠剤の破片を除いたのち、ふるい上の錠剤総質量を精密に量る(この重量をWとする)。また、キャッピングクラックや破損を起こした錠剤があれば、必要に応じて、その数を明記する。
摩損度とは、錠剤の衝撃に対する脆さや削れやすさを数量的に表現した物性値であり、具体的には、錠剤の初期質量に対する減少質量の質量百分率で示される。「スモールエッジクラック」に対する錠剤の評価としては、この摩損度の測定が適切であり、摩損度の測定方法の一例を下記に示す。
まず錠剤10錠を精密に量り(この重量をW0とする)、錠剤をガラス筒(例えば、全長33.6cm、外径3.5cm、内径2.65cm)に充填する。全長の中央位置に金属製ふるい(直径4cm、サイズ5.5メッシュ、線形0.5インチ)を有するガラス筒を、錠剤摩損度試験に取り付け、例えば、振動幅12.2cmの上下運動を、1分間あたり250往復の条件にて、2分間作動させる。動作終了後、ガラス筒から錠剤を取り出し、ふるいで軽く揺すり、粉及び錠剤の破片を除いたのち、ふるい上の錠剤総質量を精密に量る(この重量をWとする)。また、キャッピングクラックや破損を起こした錠剤があれば、必要に応じて、その数を明記する。
以上のように、振動前の錠剤の質量をW0、振動後の錠剤の質量をWとすると、摩損度は下記の式で算出される。
摩損度(%)=(W0−W)÷W0×100
摩損度が小さい方がスモールエッジクラックの発生を少なくすることができると考えられるので、スモールエッジクラックのような欠損が発生しにくい錠剤であると評価することができる。
摩損度(%)=(W0−W)÷W0×100
摩損度が小さい方がスモールエッジクラックの発生を少なくすることができると考えられるので、スモールエッジクラックのような欠損が発生しにくい錠剤であると評価することができる。
<応力緩和時間>
応力緩和時間は、錠剤の塊としての弾力の時間的変化を評価するものであり、「キャッピングクラック」に対する錠剤の評価としては、下記に示すような「応力緩和時間」の測定が適切である。応力緩和時間測定方法の一例を下記に示す。
まず、試験を行なう錠剤を水平面上に載置し、平面状の底部を有するプローブを降下させ、錠剤と接触後、反力がP(例えば、1kg)となるまで降下を継続し、反力がPとなった時点で降下を停止して(時間T0)、時間T(例えば、10秒)だけプローブをその位置で保持する。時間T0での反力P0及び時間T経過後の反力Pを計測することにより、時間T0における初期応力S0、及び時間T経過後の応力Sを算出することができる。
応力緩和時間は、錠剤の塊としての弾力の時間的変化を評価するものであり、「キャッピングクラック」に対する錠剤の評価としては、下記に示すような「応力緩和時間」の測定が適切である。応力緩和時間測定方法の一例を下記に示す。
まず、試験を行なう錠剤を水平面上に載置し、平面状の底部を有するプローブを降下させ、錠剤と接触後、反力がP(例えば、1kg)となるまで降下を継続し、反力がPとなった時点で降下を停止して(時間T0)、時間T(例えば、10秒)だけプローブをその位置で保持する。時間T0での反力P0及び時間T経過後の反力Pを計測することにより、時間T0における初期応力S0、及び時間T経過後の応力Sを算出することができる。
錠剤の応力減衰がマクスウエルモデルに従うと仮定すると、応力緩和時間は下記の式で算出される。
応力緩和時間(s)=−loge(S/S0)/T
つまり、マクスウエルモデルに従う応力緩和曲線を時間−応力グラフに示した場合、時間応力緩和時間は、時間T0における応力緩和曲線の接線と時間軸との交点(応力がS0の1/eとなる時点)である。
応力緩和時間が短いことは、荷重を逃がす性能が高くてキャッピングクラックの発生を少なくすることができると考えられるので、キャッピングクラックのような欠損が発生しにくい錠剤であると評価することができる。
応力緩和時間(s)=−loge(S/S0)/T
つまり、マクスウエルモデルに従う応力緩和曲線を時間−応力グラフに示した場合、時間応力緩和時間は、時間T0における応力緩和曲線の接線と時間軸との交点(応力がS0の1/eとなる時点)である。
応力緩和時間が短いことは、荷重を逃がす性能が高くてキャッピングクラックの発生を少なくすることができると考えられるので、キャッピングクラックのような欠損が発生しにくい錠剤であると評価することができる。
(錠剤の形状及び欠損の相関関係の構築)
以上のように、錠剤の製造中に生じる欠損は、主に、スモールエッジクラック及びキャッピングクラックに分類することができ、欠損の種類に応じた評価法として、摩損度及び応力緩和時間を用いることが適切であることが判明した。これを踏まえ、本発明者は、実際の錠剤(素錠)の試験データに基づいて、錠剤の形状と錠剤に生じる欠損との関係をモデル化して、錠剤の形状及び欠損の相関式(予測式)を構築することを試みた。
以上のように、錠剤の製造中に生じる欠損は、主に、スモールエッジクラック及びキャッピングクラックに分類することができ、欠損の種類に応じた評価法として、摩損度及び応力緩和時間を用いることが適切であることが判明した。これを踏まえ、本発明者は、実際の錠剤(素錠)の試験データに基づいて、錠剤の形状と錠剤に生じる欠損との関係をモデル化して、錠剤の形状及び欠損の相関式(予測式)を構築することを試みた。
<相関式構築の基礎となる試験データの取得>
具体的には、まず、形状、質量、密度、物性値等が異なる様々な錠剤を実際に製造し、実際に摩損度及び応力緩和時間を求めて、複数の試験データを取得した。形状的な仕様を示す形状パラメータとしては、上述のようなカップ部深さD、トップR(カップ部頂部の曲率半径)、ボトムR(周縁部曲面の曲率半径)、胴部直径L、ランドの寸法を例示することができるが、これに限られるものではない。実際に、形状パラメータの異なる38の形状について、質量、密度、物性値等が異なる110の錠剤を製造して、試験データ(摩損度及び応力緩和時間)を取得した。
具体的には、まず、形状、質量、密度、物性値等が異なる様々な錠剤を実際に製造し、実際に摩損度及び応力緩和時間を求めて、複数の試験データを取得した。形状的な仕様を示す形状パラメータとしては、上述のようなカップ部深さD、トップR(カップ部頂部の曲率半径)、ボトムR(周縁部曲面の曲率半径)、胴部直径L、ランドの寸法を例示することができるが、これに限られるものではない。実際に、形状パラメータの異なる38の形状について、質量、密度、物性値等が異なる110の錠剤を製造して、試験データ(摩損度及び応力緩和時間)を取得した。
<形状パラメータと摩損度及び応力緩和時間との間の相関式の構築>
次に、取得した複数の試験データに対して、PLS(Partial Least Squares:部分的最小二乗法)回帰分析を用いて、形状パラメータから摩損度及び応力緩和時間を求める相関式の構築を試みた。
PLS回帰分析は、出力変数と入力変数との内積を最大化する潜在変数を選択する分析手法であり、重回帰分析(OLS)及び主成分分析(PCR)の中間的な性質を有すると言える。PLS回帰分析は、以下のような利点を有する。
−入力変数間に強い相関がある場合でも、適切な潜在変数の数を選択することで多重共線性の問題を回避することができる。
−主成分分析(PCR)に比べて、より少ない潜在変数を用いて出力変数を推定できる。−試験データ数が少なくても安定した結果を得ることができる。
上記の形状パラメータのうち、例えば、質量及び胴部の直径L(例えば、質量が増えれば胴部の直径が増える傾向にある)や、カップ部深さD及びトップR(詳細は図9を用いて後述する)は、ある相関関係を有するので、PLS回帰分析を用いてモデル化することが適切である。
次に、取得した複数の試験データに対して、PLS(Partial Least Squares:部分的最小二乗法)回帰分析を用いて、形状パラメータから摩損度及び応力緩和時間を求める相関式の構築を試みた。
PLS回帰分析は、出力変数と入力変数との内積を最大化する潜在変数を選択する分析手法であり、重回帰分析(OLS)及び主成分分析(PCR)の中間的な性質を有すると言える。PLS回帰分析は、以下のような利点を有する。
−入力変数間に強い相関がある場合でも、適切な潜在変数の数を選択することで多重共線性の問題を回避することができる。
−主成分分析(PCR)に比べて、より少ない潜在変数を用いて出力変数を推定できる。−試験データ数が少なくても安定した結果を得ることができる。
上記の形状パラメータのうち、例えば、質量及び胴部の直径L(例えば、質量が増えれば胴部の直径が増える傾向にある)や、カップ部深さD及びトップR(詳細は図9を用いて後述する)は、ある相関関係を有するので、PLS回帰分析を用いてモデル化することが適切である。
PLS回帰分析を用いて、錠剤の形状パラメータをインプットデータとし、摩損度及び応力緩和時間をアウトプットデータとする相関式(予測式)を構築した。構築した相関式として下記を例示することができるが、これに限られるものではない。
摩損度=残差+(回帰係数×トップR)+(回帰係数×カップ部深さD)+・・・
次に、構築した相関式による計算値と上述の試験データとの当てはまりを確認し、誤差が許容範囲内であることを検証するバリデーションを行って、錠剤の形状パラメータと、摩損度及び応力緩和時間との間の相関式を確定した。
摩損度=残差+(回帰係数×トップR)+(回帰係数×カップ部深さD)+・・・
次に、構築した相関式による計算値と上述の試験データとの当てはまりを確認し、誤差が許容範囲内であることを検証するバリデーションを行って、錠剤の形状パラメータと、摩損度及び応力緩和時間との間の相関式を確定した。
次に、形状パラメータとして、カップ部深さD、トップR、ボトムR、胴部直径Lの値を様々に変更した錠剤データをインプットデータとして、確定した相関式に入力し、多数の摩損度及び応力緩和時間(アウトプットデータ)を算出した。図4及び5のグラフには、相関式で算出した多数のアウトプトデータがプロットされている。この場合、質量、密度、顆粒物性値等は同一であり、形状パラメータのみの違いによる摩損度及び応力緩和時間の傾向を調べた。
各グラフにおいて、横軸に摩損度(%)を示し、縦軸に応力緩和時間(s)を示す。図4には、胴部直径L=9.5mmの様々な形状パラメータを有する錠剤における摩損度及び応力緩和時間がプロットされている。図5(a)には、胴部直径L=8.5mmの様々な形状パラメータを有する錠剤における摩損度及び応力緩和時間がプロットされ、図5(b)には、胴部直径L=10.5mmの様々な形状パラメータを有する錠剤における摩損度及び応力緩和時間がプロットされている。
各グラフにおいて、横軸に摩損度(%)を示し、縦軸に応力緩和時間(s)を示す。図4には、胴部直径L=9.5mmの様々な形状パラメータを有する錠剤における摩損度及び応力緩和時間がプロットされている。図5(a)には、胴部直径L=8.5mmの様々な形状パラメータを有する錠剤における摩損度及び応力緩和時間がプロットされ、図5(b)には、胴部直径L=10.5mmの様々な形状パラメータを有する錠剤における摩損度及び応力緩和時間がプロットされている。
<D/L及びR/Lと摩損度及び応力緩和時間との間の関係>
本発明者は、図4及び5に示すグラフを始めとして、確定した相関式により算出したデータについて鋭意検討を行った結果、カップ部深さDを胴部直径Lで割った値であるD/L及びトップRを胴部直径Lで割った値であるR/Lと、摩損度及び応力緩和時間との間に相関があることを知見した。
例えば、図4を用いて説明すると、D/Lが小さい場合には、アウトプットデータがグラフの右上側に位置し、D/Lが大きくなるにつれて、アウトプットデータがグラフの左下側に移っていく傾向にあることを知見した。
R/Lについては、R/Lが大きい場合には、アウトプットデータがグラフの上側に位置し、R/Lが小さくなるにつれて、アウトプットデータがグラフの下側に移っていく傾向にあることを知見した。
図5(a)、(b)のグラフにおいても、同様に、D/Lが小さい場合には、アウトプットデータがグラフの右上側に位置し、D/Lが大きくなるにつれて、アウトプットデータがグラフの左下側に移っていく傾向にあり、R/Lが大きい場合には、アウトプットデータがグラフの上側に位置し、R/Lが小さくなるにつれて、アウトプットデータがグラフの下側に移っていく傾向にあることを知見した。なお、胴部の直径Lが大きくなると、質量も増える傾向にあるので、胴部の直径Lが増加すると、摩損度及び応力緩和時間が増加する傾向にあるが、同じLの値においては、D/L及びR/Lと摩損度及び応力緩和時間との間で同様な傾向を示した。
本発明者は、図4及び5に示すグラフを始めとして、確定した相関式により算出したデータについて鋭意検討を行った結果、カップ部深さDを胴部直径Lで割った値であるD/L及びトップRを胴部直径Lで割った値であるR/Lと、摩損度及び応力緩和時間との間に相関があることを知見した。
例えば、図4を用いて説明すると、D/Lが小さい場合には、アウトプットデータがグラフの右上側に位置し、D/Lが大きくなるにつれて、アウトプットデータがグラフの左下側に移っていく傾向にあることを知見した。
R/Lについては、R/Lが大きい場合には、アウトプットデータがグラフの上側に位置し、R/Lが小さくなるにつれて、アウトプットデータがグラフの下側に移っていく傾向にあることを知見した。
図5(a)、(b)のグラフにおいても、同様に、D/Lが小さい場合には、アウトプットデータがグラフの右上側に位置し、D/Lが大きくなるにつれて、アウトプットデータがグラフの左下側に移っていく傾向にあり、R/Lが大きい場合には、アウトプットデータがグラフの上側に位置し、R/Lが小さくなるにつれて、アウトプットデータがグラフの下側に移っていく傾向にあることを知見した。なお、胴部の直径Lが大きくなると、質量も増える傾向にあるので、胴部の直径Lが増加すると、摩損度及び応力緩和時間が増加する傾向にあるが、同じLの値においては、D/L及びR/Lと摩損度及び応力緩和時間との間で同様な傾向を示した。
グラフの左下側にあるアウトプットデータの方が、摩損度も低く、応力緩和時間も短くなるので、欠損に対して強い錠剤であると言える。D/Lが小さい値から大きい値になること、及びR/Lが大きい値から小さい値になることは、カップ部の凸部が平坦な形状からより隆起した形状になることを意味し、その方が欠損に対して強い傾向を示すことがこのモデル解析で判明した。
なお、同様なR/Lの値であっても、ボトムRを有する場合と有さない場合を比較すると、ボトムRを有する場合には、ボトムRがない場合に比べて、摩損度が減少し、応力緩和時間が増加する傾向にあることが判明した。これは、ボトムRを有する場合には、カップ部の周縁部の立ち上り角度が増して錠剤端部の強度が高まるので、摩損度が減少したと考えられる。一方、ボトムRを有する場合には、トップRだけの錠剤に比べて形状の一体性が低くなるので、応力緩和時間が増加したと考えられる。ただし、何れの場合も、D/L及びR/Lに比べれば、ボトムRの影響は小さいと言える。
なお、同様なR/Lの値であっても、ボトムRを有する場合と有さない場合を比較すると、ボトムRを有する場合には、ボトムRがない場合に比べて、摩損度が減少し、応力緩和時間が増加する傾向にあることが判明した。これは、ボトムRを有する場合には、カップ部の周縁部の立ち上り角度が増して錠剤端部の強度が高まるので、摩損度が減少したと考えられる。一方、ボトムRを有する場合には、トップRだけの錠剤に比べて形状の一体性が低くなるので、応力緩和時間が増加したと考えられる。ただし、何れの場合も、D/L及びR/Lに比べれば、ボトムRの影響は小さいと言える。
本発明者が、D/L及びR/Lの値に対応した摩損度及び応力緩和時間に関して、更に詳細に分析、検討を行った結果、特に、D/Lの値が0.13以上の場合、及びR/Lの値が1.00以下の場合に、摩損度及び応力緩和時間の両方について非常に良好な結果を示すことが判明した。ここで、D/Lの値が0.13以上の錠剤及びR/Lの値が1.00以下の錠剤の計算結果が、図4及び5のグラフにおいて、黒丸でプロットされている。また、D/Lの値が0.13より小さい錠剤及びR/Lの値が1.00より大きい錠剤の計算結果が、図4及び5のグラフにおいて、白抜きの丸でプロットされている。
なお、カップ部深さD及びトップRは相関関係を有するので(詳細は図9を参照して下記に説明する)、例えば、D/LまたはR/Lの値のどちらか一方が定まると、他方も所定の範囲内の値に収まると考えられる。よって、D/Lの値が0.13以上の条件、及びR/Lの値が1.00以下の条件の両方が満たされる場合が、より好ましいと言えるが、D/Lの値が0.13以上の条件、及びR/Lの値が1.00以下の条件の少なくとも一方を満たせば、摩損度及び応力緩和時間で比較的良好な結果を示すと考えられる。
なお、カップ部深さD及びトップRは相関関係を有するので(詳細は図9を参照して下記に説明する)、例えば、D/LまたはR/Lの値のどちらか一方が定まると、他方も所定の範囲内の値に収まると考えられる。よって、D/Lの値が0.13以上の条件、及びR/Lの値が1.00以下の条件の両方が満たされる場合が、より好ましいと言えるが、D/Lの値が0.13以上の条件、及びR/Lの値が1.00以下の条件の少なくとも一方を満たせば、摩損度及び応力緩和時間で比較的良好な結果を示すと考えられる。
そこで、表1に示す形状パラメータを有する錠剤がどのような摩損度及び応力緩和時間となるのかを予測式を用いて予測した結果を表2及び図6に示す。
表2及び図6から、D/Lの値が0.13より小さくかつR/Lの値が1.00より大きい錠剤サンプル1、2及び5のような形状を有する錠剤は、摩損度が高く、応力緩和時間も長いことがわかる。特に、これらの3つのサンプルのうち、D/Lの値が最も小さくR/Lの値が最も大きい錠剤サンプル1のような形状を有する錠剤は、摩損度及び応力緩和時間の値が最も大きくなっている。
一方、D/Lの値が0.13以上でありかつR/Lの値が1.00以下の錠剤である錠剤サンプル3のような形状を有する錠剤は、摩損度が低く、応力緩和時間も短いことがわかる。また、D/Lの値が0.13以上であるが、R/Lの値が1.00を僅かに越える錠剤サンプル4のような形状を有する錠剤も、摩損度が低く、応力緩和時間も比較的短いと言えるが、錠剤サンプル3に比べて応力緩和時間が長くなっている。
一方、D/Lの値が0.13以上でありかつR/Lの値が1.00以下の錠剤である錠剤サンプル3のような形状を有する錠剤は、摩損度が低く、応力緩和時間も短いことがわかる。また、D/Lの値が0.13以上であるが、R/Lの値が1.00を僅かに越える錠剤サンプル4のような形状を有する錠剤も、摩損度が低く、応力緩和時間も比較的短いと言えるが、錠剤サンプル3に比べて応力緩和時間が長くなっている。
<カップ部深さD及びトップRの関係の説明>
次に、カップ部深さD及びトップRの関係を図9に示す。図9に示す錠剤は、ボトムR及びランドが存在せず、トップRの両端部間の距離が胴部直径Lに一致するようになっている。図9において、胴部直径Lに対応する中心角をθとすると、
R=L/2×(1/sin(θ/2))
D=R−R×cos(θ/2)
の関係がある。
よって、R/L=1.00の場合には、θ=60°となり、
D/L=1−cos(60°/2)≒0.134
となる。
次に、カップ部深さD及びトップRの関係を図9に示す。図9に示す錠剤は、ボトムR及びランドが存在せず、トップRの両端部間の距離が胴部直径Lに一致するようになっている。図9において、胴部直径Lに対応する中心角をθとすると、
R=L/2×(1/sin(θ/2))
D=R−R×cos(θ/2)
の関係がある。
よって、R/L=1.00の場合には、θ=60°となり、
D/L=1−cos(60°/2)≒0.134
となる。
ボトムRの有無、ランドの有無、製造誤差、測定誤差を考慮すると、D/Lの下限値を0.13〜0.14の範囲の値に、R/Lの下限値を0.95〜1.00の範囲の値に設定するのが適切であると考えられる。よって、D/Lの値0.13〜0.14と、R/Lの値0.95〜1.00とは対応関係にあると言える。
R/Lの値が0.95〜1.00以下の条件、及びD/Lの値が0.13〜0.14以上の条件の両方を満たす場合がより好ましいが、R/L及びD/Lの条件のうちの少なくとも一方が満たされれば、摩損度及び応力緩和時間の両方について比較的良好な結果が得られると考えられる。
R/Lの値が0.95〜1.00以下の条件、及びD/Lの値が0.13〜0.14以上の条件の両方を満たす場合がより好ましいが、R/L及びD/Lの条件のうちの少なくとも一方が満たされれば、摩損度及び応力緩和時間の両方について比較的良好な結果が得られると考えられる。
(検証試験)
上述の相関式に基づく検討結果を踏まえ、2つの検証試験を行った。胴部の直径L=8.5mm及び10.5mmの錠剤において、D/Lの値が0.13以上であり、R/Lの値が1.00以下となる代表的な形状パラメータを選択して実施例とし、D/Lの値が0.13より小さく、R/Lの値が1.00より大きくなる代表的な形状パラメータを選択して比較例として、検証試験を行った。
上述の相関式に基づく検討結果を踏まえ、2つの検証試験を行った。胴部の直径L=8.5mm及び10.5mmの錠剤において、D/Lの値が0.13以上であり、R/Lの値が1.00以下となる代表的な形状パラメータを選択して実施例とし、D/Lの値が0.13より小さく、R/Lの値が1.00より大きくなる代表的な形状パラメータを選択して比較例として、検証試験を行った。
<検証試験1>
生産現場と同等の製造ラインにて、同一の製造条件で、カップ部深さD及びトップRが異なる2種類の錠剤を製造し、製造された2種類の各ロットの最終製品(実施例1及び比較例1)で認められた欠損の発生数を比較する検証試験を行った。
ここで、同一の条件とは、錠剤の質量、密度及び硬度が同等になるようにすることを意味する。以下の試験では、1ロットとして約52.5kgの最終製品(フィルムコーティング錠)を製造し、最終製品中に発生した欠損を確認する試験を行った。また、実施例1及び比較例1の摩損度及び応力緩和時間も計測した。
生産現場と同等の製造ラインにて、同一の製造条件で、カップ部深さD及びトップRが異なる2種類の錠剤を製造し、製造された2種類の各ロットの最終製品(実施例1及び比較例1)で認められた欠損の発生数を比較する検証試験を行った。
ここで、同一の条件とは、錠剤の質量、密度及び硬度が同等になるようにすることを意味する。以下の試験では、1ロットとして約52.5kgの最終製品(フィルムコーティング錠)を製造し、最終製品中に発生した欠損を確認する試験を行った。また、実施例1及び比較例1の摩損度及び応力緩和時間も計測した。
下記の表3に実施例1及び比較例1の成分を示す。化合物A、D−マンニトール、部分アルファー化デンプン及びクロスポビドンを流動層造粒機に入れ、ヒドロキシプロピルセルロース溶液を用いて造粒し、得られた造粒物及びステアリン酸マグネシウムを混合し、得られた打錠用顆粒を打錠して素錠を製造した。更に、素錠をコーティング機に入れ、ヒプロメロース、タルク、マクロゴール6000、酸化チタン、及び黄色三二酸化鉄からなるコーティング用分散末を精製水に分散させたコーティング液を噴霧してコーティングし、最後にカルナウバロウ及びタルクを添加し最終製品を得た。
表4に実施例1及び比較例1の形状パラメータ、物性値、R/L及びD/Lの値、摩損度及び応力緩和時間、並びに錠剤の端部に欠損が生じた錠剤数(重欠陥数及び軽欠陥数の合計数)を示す。図7に応力緩和時間と摩損度の関係を表すグラフを示す。錠剤の端部に生じた欠損は、上述のスモールエッジクラックだけでなく、キャッピングクラックも端部までクラックが生じている場合には含まれる。なお、表4に記載された欠損の数値は、錠剤20万錠当たりの個数で表わされている。
表4に実施例1及び比較例1の形状パラメータ、物性値、R/L及びD/Lの値、摩損度及び応力緩和時間、並びに錠剤の端部に欠損が生じた錠剤数(重欠陥数及び軽欠陥数の合計数)を示す。図7に応力緩和時間と摩損度の関係を表すグラフを示す。錠剤の端部に生じた欠損は、上述のスモールエッジクラックだけでなく、キャッピングクラックも端部までクラックが生じている場合には含まれる。なお、表4に記載された欠損の数値は、錠剤20万錠当たりの個数で表わされている。
表4及び図7に示すように、R/Lが1.00以下で、D/Lが0.13以上の錠剤である実施例1は、R/Lが1.00より大きく、D/Lが0.13未満の錠剤である比較例1に比べて、摩損度が低く、応力緩和時間が短くなっており、上述の相関式に基づく検討結果と同一の結果が得られた。
特に、表4に示すように、実施例1では、欠損を生じた錠剤数が19錠/20万錠であり、比較例1では、欠損を生じた錠剤数が811錠/20万錠であって、欠損の発生数において顕著な差が出た。D/Lが0.13以上であるという条件、及びR/Lが1.00以下であるという条件が、錠剤の欠損の発生における重要な指標であることが、生産ラインと同等の設備を有するパイロットスケールにおける検証試験で実証された。よって、D/Lが0.13以上であり、R/Lが1.00以下である形状を採用することによって、実際の生産スケールにおける錠剤の製造において、欠損の発生を十分に抑制できることが実証された。
特に、表4に示すように、実施例1では、欠損を生じた錠剤数が19錠/20万錠であり、比較例1では、欠損を生じた錠剤数が811錠/20万錠であって、欠損の発生数において顕著な差が出た。D/Lが0.13以上であるという条件、及びR/Lが1.00以下であるという条件が、錠剤の欠損の発生における重要な指標であることが、生産ラインと同等の設備を有するパイロットスケールにおける検証試験で実証された。よって、D/Lが0.13以上であり、R/Lが1.00以下である形状を採用することによって、実際の生産スケールにおける錠剤の製造において、欠損の発生を十分に抑制できることが実証された。
<検証試験2>
共通の組成の打錠用粉末または顆粒及び打錠機を用いて、同等の質量、密度及び硬度となるようにラボスケールで製造した2種類の素錠(コーティング無)について、生産現場の搬送経路を通過させ、搬送後の錠剤で認められた欠損の発生数を比較する検証試験を行った。検証用の錠剤である実施例2及び比較例2として、胴部直径Lが共に10.5mmであって、カップ部深さD及びトップRが異なる2種類の錠剤を用いて、生産現場の搬送経路を通過させて試験を行った。また、実施例2及び比較例2の摩損度及び応力緩和時間も計測した。
共通の組成の打錠用粉末または顆粒及び打錠機を用いて、同等の質量、密度及び硬度となるようにラボスケールで製造した2種類の素錠(コーティング無)について、生産現場の搬送経路を通過させ、搬送後の錠剤で認められた欠損の発生数を比較する検証試験を行った。検証用の錠剤である実施例2及び比較例2として、胴部直径Lが共に10.5mmであって、カップ部深さD及びトップRが異なる2種類の錠剤を用いて、生産現場の搬送経路を通過させて試験を行った。また、実施例2及び比較例2の摩損度及び応力緩和時間も計測した。
下記の表5に実施例2及び比較例2の成分を示す。ラボスケールにて化合物A、D−マンニトール、部分アルファー化デンプン及びクロスポビドンを流動層造粒機に入れ、ヒドロキシプロピルセルロース溶液を用いて造粒し、得られた造粒物及びステアリン酸マグネシウムを混合し、得られた打錠用顆粒を打錠して錠剤を製造した。
表6に実施例2及び比較例2の形状パラメータ、物性値、R/L及びD/Lの値、摩損度及び応力緩和時間、並びに錠剤の端部に欠損が生じた錠剤数(重欠陥数及び軽欠陥数の合計数)を示す。図8に応力緩和時間と摩損度の関係を表すグラフを示す。錠剤の端部に生じた欠損は、上述のスモールエッジクラックだけでなく、キャッピングクラックも端部までクラックが生じている場合には含まれる。なお、表6に記載された数値は、錠剤7500錠当たりの個数で表わされている。
表6に実施例2及び比較例2の形状パラメータ、物性値、R/L及びD/Lの値、摩損度及び応力緩和時間、並びに錠剤の端部に欠損が生じた錠剤数(重欠陥数及び軽欠陥数の合計数)を示す。図8に応力緩和時間と摩損度の関係を表すグラフを示す。錠剤の端部に生じた欠損は、上述のスモールエッジクラックだけでなく、キャッピングクラックも端部までクラックが生じている場合には含まれる。なお、表6に記載された数値は、錠剤7500錠当たりの個数で表わされている。
表6及び図8に示すように、D/Lが0.13以上で、R/Lが1.00以下の錠剤である実施例2は、D/Lが0.13未満で、R/Lが1.00より大きい錠剤である比較例2に比べて、応力緩和時間が短くなっており、上述の相関式に基づく検討結果と同一の結果が得られた。摩損度に関しては、実施例2及び比較例2ともに、ほぼ同等の低い値となった。これは、比較例2のD/Lが、0.13に近い値になっていることに起因すると考えられる。
表6に示すように、実施例2では、欠損を生じた錠剤数が3錠/7500錠であり、比較例2では、欠損を生じた錠剤数が10錠/7500錠であって、欠損の発生数において3倍を越える差が出た。D/Lが0.13以上であるという条件、及びR/Lが1.00以下であるという条件が、錠剤の欠損の発生における重要な指標であることが、生産ラインを用いた試験で実証された。よって、生産ラインを用いた検証試験においても、D/Lが0.13以上であり、R/Lが1.00以下である形状を採用することによって、実際の生産スケールにおける錠剤の製造において、欠損の発生を十分に抑制できることが実証された。
表6に示すように、実施例2では、欠損を生じた錠剤数が3錠/7500錠であり、比較例2では、欠損を生じた錠剤数が10錠/7500錠であって、欠損の発生数において3倍を越える差が出た。D/Lが0.13以上であるという条件、及びR/Lが1.00以下であるという条件が、錠剤の欠損の発生における重要な指標であることが、生産ラインを用いた試験で実証された。よって、生産ラインを用いた検証試験においても、D/Lが0.13以上であり、R/Lが1.00以下である形状を採用することによって、実際の生産スケールにおける錠剤の製造において、欠損の発生を十分に抑制できることが実証された。
(検証試験のまとめの説明)
以検証試験の結果をまとめると、下記の表7のように示される。
以検証試験の結果をまとめると、下記の表7のように示される。
表7から明らかなように、カップ部深さDを胴部直径Lで割った値であるD/Lが0.13以上であるという条件、及びトップR(カップ部頂部のにおける曲率半径)を胴部直径Lで割った値であるR/Lが1.00以下であるという条件を満たす形状の錠剤は、欠損に強いことが、検証試験において実証された。
(R/Lの下限値、D/Lの上限値の検討)
以上のように、欠損に強い条件として、D/Lの下限値(≧0.13)及びR/Lの上限値(≦1.00)が定められたが、逆に、欠損に強い形状の条件として、D/Lの上限値やR/Lの下限値が存在するか否か、以下に検討を行う。
図9に示すようなカップ部深さD、トップR、胴部直径L及び中心角θのシングルRの錠剤を考えると、カップ部深さDが最も大きくなるのは、中心角θ=180°のカップ部が半球形を有する場合であり、このときには、
R/L=0.5
D/L=0.5
となる。
以上のように、欠損に強い条件として、D/Lの下限値(≧0.13)及びR/Lの上限値(≦1.00)が定められたが、逆に、欠損に強い形状の条件として、D/Lの上限値やR/Lの下限値が存在するか否か、以下に検討を行う。
図9に示すようなカップ部深さD、トップR、胴部直径L及び中心角θのシングルRの錠剤を考えると、カップ部深さDが最も大きくなるのは、中心角θ=180°のカップ部が半球形を有する場合であり、このときには、
R/L=0.5
D/L=0.5
となる。
図9の錠剤の製造には、図10に示すように、臼32のシリンダ内に、錠剤と凹凸形状が逆になった凹み部を有する杵30を上下に対向配置して打錠を行なう。対向する上下の杵30の間に粉末または顆粒を入れ、杵30に荷重Fを加えて、上下の杵30間の粉末または顆粒を圧縮成型する。この場合、中心角θが120°度を越えると、杵30の耐久性が低くなり、実際の生産スケールでの製造に適しないことが知られている。よって、中心角θが120°以下であることが好ましいと言える。この中心角θが120°の場合には、
R/L≒0.58
D/L≒0.29
となる。
なお、物体の形状と物理的強度のみを考慮すれば、一般的に、中心角θが180°の半球形が最も強いと言える。しかし、粘土状にした粉を練って手でこねるようにして形成する伝統的な丸薬の製造方法は、これに適合するが、通常の錠剤の製造方法である打錠機を用いた打錠では、中心角θを大きくすると、下記のような問題が生じる。
R/L≒0.58
D/L≒0.29
となる。
なお、物体の形状と物理的強度のみを考慮すれば、一般的に、中心角θが180°の半球形が最も強いと言える。しかし、粘土状にした粉を練って手でこねるようにして形成する伝統的な丸薬の製造方法は、これに適合するが、通常の錠剤の製造方法である打錠機を用いた打錠では、中心角θを大きくすると、下記のような問題が生じる。
図10に示すように、杵30に単位面積当たりfの荷重(全体で荷重F)を上下に加えて打錠を行なう場合、球面状のカップ部の表面に対して垂直な方向(球の中心に向かう方向)の力が圧縮成型に有効な力となるが、カップ部の頂部においては、粉末または顆粒に概ねfの力を加えて圧縮成型することができる。
一方、カップ部の周縁部においては、図10に示すように、カップ部の表面に対して垂直な力が、f×cos(θ/2)で表わされ、圧縮成型に好ましくない表面の接線方向にかかる力が、f×sin(θ/2)で表わされる。よって、中心角θの値が大きくなっていくと、圧縮成型に有効に加わる力について、カップ部の頂部と周縁部とで大きな差が生じることになるので、カップ部の頂部と周縁部との間で強度分布(強度の差)が大きくなることが予想される。また、中心角θの値が大きくなると、圧縮成型に好ましくない横方向の力(f×sin(θ/2))も大きくなるので、成形する粉末または顆粒が横にずれて、強度分布(強度の差)が更に大きくなることが予想される。
一方、カップ部の周縁部においては、図10に示すように、カップ部の表面に対して垂直な力が、f×cos(θ/2)で表わされ、圧縮成型に好ましくない表面の接線方向にかかる力が、f×sin(θ/2)で表わされる。よって、中心角θの値が大きくなっていくと、圧縮成型に有効に加わる力について、カップ部の頂部と周縁部とで大きな差が生じることになるので、カップ部の頂部と周縁部との間で強度分布(強度の差)が大きくなることが予想される。また、中心角θの値が大きくなると、圧縮成型に好ましくない横方向の力(f×sin(θ/2))も大きくなるので、成形する粉末または顆粒が横にずれて、強度分布(強度の差)が更に大きくなることが予想される。
もし、中心角θが120°の場合には、カップ部の周縁部で圧縮成型に有効な力は0.5fであり、圧縮成型に好ましくない横方向の力が0.87fとなる。つまり、圧縮成型に有効な中心に向かう力よりも、圧縮成型に好ましくない横方向の力の方が大きい。
もし、中心角θが90°の場合には、カップ部の周縁部で圧縮成型に有効な力は0.7fであり、圧縮成型に好ましくない横方向の力が0.7fとなる。つまり、圧縮成型に有効な中心に向かう力と、圧縮成型に好ましくない横方向の力とがほぼ同等となる。
もし、中心角θが60°の場合には、カップ部の周縁部で圧縮成型に有効な力は0.87fであり、圧縮成型に好ましくない横方向の力が0.5fとなる。つまり、圧縮成型に有効な中心に向かう力の方が、圧縮成型に好ましくない横方向の力より大きくなる。なお、中心角が60°場合は、R/L=1、D/L≒0.13となり、上述の検討のように、中心角θが60°のときが中心角の下限となる。
もし、中心角θが90°の場合には、カップ部の周縁部で圧縮成型に有効な力は0.7fであり、圧縮成型に好ましくない横方向の力が0.7fとなる。つまり、圧縮成型に有効な中心に向かう力と、圧縮成型に好ましくない横方向の力とがほぼ同等となる。
もし、中心角θが60°の場合には、カップ部の周縁部で圧縮成型に有効な力は0.87fであり、圧縮成型に好ましくない横方向の力が0.5fとなる。つまり、圧縮成型に有効な中心に向かう力の方が、圧縮成型に好ましくない横方向の力より大きくなる。なお、中心角が60°場合は、R/L=1、D/L≒0.13となり、上述の検討のように、中心角θが60°のときが中心角の下限となる。
カップ部の頂部と周縁部との間の強度分布(強度の差)を所定範囲内に収めることを考慮すると、中心に向かう力と横方向の力とがほぼ同等となる中心角が90°を中心角の上限とすることがより好ましいと言える。
このように中心角θが90°の場合には、
R/L≒0.71
D/L≒0.21
となる。
このように中心角θが90°の場合には、
R/L≒0.71
D/L≒0.21
となる。
(D/L及びR/Lの好ましい範囲)
以上のように、カップ部深さD、トップR、胴部直径L及び中心角θの錠剤の場合(図9参照)、欠損に強い形状としては、中心角θが60°〜180°の範囲にある必要があり、60°〜120°の範囲にあることが好ましく、60°〜90°の範囲にあることがより好ましい。なお、ボトムRを有する場合もボトム有さない場合も、この条件を同様に適用することができる。なお、ボトムRを有する場合には、有さない場合に比べて、摩損度がやや小さくなり、応力緩和時間がやや大きくなる傾向を有する。
図9に示すようなボトムR及びランドを有さない錠剤において、中心角θと、カップ部深さDを胴部直径Lで割った値であるD/L、及びトップR(カップ部頂部のにおける曲率半径)を胴部直径Lで割った値であるR/Lとの関係を表わすと、下記の表8のようになる。
以上のように、カップ部深さD、トップR、胴部直径L及び中心角θの錠剤の場合(図9参照)、欠損に強い形状としては、中心角θが60°〜180°の範囲にある必要があり、60°〜120°の範囲にあることが好ましく、60°〜90°の範囲にあることがより好ましい。なお、ボトムRを有する場合もボトム有さない場合も、この条件を同様に適用することができる。なお、ボトムRを有する場合には、有さない場合に比べて、摩損度がやや小さくなり、応力緩和時間がやや大きくなる傾向を有する。
図9に示すようなボトムR及びランドを有さない錠剤において、中心角θと、カップ部深さDを胴部直径Lで割った値であるD/L、及びトップR(カップ部頂部のにおける曲率半径)を胴部直径Lで割った値であるR/Lとの関係を表わすと、下記の表8のようになる。
カップ部深さDを胴部直径Lで割った値であるD/Lにおいては、0.13〜0.50の範囲である必要があり、0.13〜0.29の範囲であることが好ましく、0.13〜0.21の範囲であることがより好ましい。また、ボトムR及びランドの有無や実施例での実績を考慮すると、D/Lが、0.14〜0.16の範囲であることが更に好ましい。
トップRを胴部直径Lで割った値であるR/Lにおいては、0.50〜1.00の範囲である必要があり、0.58〜1.00の範囲であることが好ましく、0.71〜1.00の範囲であることがより好ましい。また、ボトムR及びランドの有無や実施例での実績を考慮すると、R/Lが、0.82〜0.95の範囲であることが更に好ましい。
D/Lの範囲が0.13〜0.50であり、かつ、R/Lの範囲が0.50〜1.00であることが好ましく、D/Lの範囲が0.13〜0.29であり、かつ、R/Lの範囲が0.58〜1.00であることがより好ましく、D/Lの範囲が0.13〜0.21であり、かつ、R/Lの範囲が0.71〜1.00であることがさらにより好ましく、D/Lの範囲が0.14〜0.16であり、かつ、R/Lの範囲が0.82〜0.95であることが特に好ましい。
(製剤例)
下記の表9に製剤例を示す。化合物A、D−マンニトール、部分アルファー化デンプン及びクロスポビドンを流動層造粒機に入れ、ヒドロキシプロピルセルロース溶液を用いて造粒し、得られた造粒物及びステアリン酸マグネシウムを混合し、得られた打錠用顆粒を、D/Lの値が0.13以上0.50以下、R/Lの値が0.50以上1.00以下となるように、打錠して錠剤を製造する。
下記の表9に製剤例を示す。化合物A、D−マンニトール、部分アルファー化デンプン及びクロスポビドンを流動層造粒機に入れ、ヒドロキシプロピルセルロース溶液を用いて造粒し、得られた造粒物及びステアリン酸マグネシウムを混合し、得られた打錠用顆粒を、D/Lの値が0.13以上0.50以下、R/Lの値が0.50以上1.00以下となるように、打錠して錠剤を製造する。
(最適な錠剤の形状の決定方法)
上述のような、本発明における欠損の発生を抑制可能な適切な錠剤の形状を決定する方法をまとめると、以下のようになる。
(1)錠剤に発生する欠損の種類を特定するステップ1と、
(2)ステップ1で特定した欠損の種類に対応した欠損の試験方法を定めるステップ2と、
(3)複数の形状パラメータを有する錠剤を製造して、ステップ2で定めた試験方法を実施して試験データを取得するステップ3と、
(4)ステップ3で取得した試験データに基づいて、統計的手法(例えば、PLS回帰分析)を用いて、形状パラメータをインプットデータとして、ステップ2で定めた試験方法の結果をアウトプットデータとして算出可能な相関式を定めるステップ4と、
(5)ステップ4で定めた相関式に基づいて定めた複数の形状パラメータを有する錠剤に対してステップ2で定めた試験方法を実施して、ステップ4で定めた相関式を実証する試験を行なうステップ5と、
(6)ステップ5で実証された相関式に基づいて定めた複数の形状パラメータを有する錠剤について、実際の製造ラインで搬送して、実際に発生した欠損の個数を調べる検証試験を行なうステップ6と、を含む錠剤の形状の決定方法。
上述のような、本発明における欠損の発生を抑制可能な適切な錠剤の形状を決定する方法をまとめると、以下のようになる。
(1)錠剤に発生する欠損の種類を特定するステップ1と、
(2)ステップ1で特定した欠損の種類に対応した欠損の試験方法を定めるステップ2と、
(3)複数の形状パラメータを有する錠剤を製造して、ステップ2で定めた試験方法を実施して試験データを取得するステップ3と、
(4)ステップ3で取得した試験データに基づいて、統計的手法(例えば、PLS回帰分析)を用いて、形状パラメータをインプットデータとして、ステップ2で定めた試験方法の結果をアウトプットデータとして算出可能な相関式を定めるステップ4と、
(5)ステップ4で定めた相関式に基づいて定めた複数の形状パラメータを有する錠剤に対してステップ2で定めた試験方法を実施して、ステップ4で定めた相関式を実証する試験を行なうステップ5と、
(6)ステップ5で実証された相関式に基づいて定めた複数の形状パラメータを有する錠剤について、実際の製造ラインで搬送して、実際に発生した欠損の個数を調べる検証試験を行なうステップ6と、を含む錠剤の形状の決定方法。
(本発明に係る錠剤の適用)
上述のような形状を有する本発明に係る錠剤は、例えば、抗癌薬、抗血栓薬、抗菌薬、抗インフルエンザ薬、抗糖尿病薬、降圧薬、抗高脂血症薬などの治療薬または予防薬として利用することができる。ただし、これに限られるものではない。なお、本発明に係る錠剤では、素錠にコーティングを行う場合も行わない場合も含まれる。
上述のような形状を有する本発明に係る錠剤は、例えば、抗癌薬、抗血栓薬、抗菌薬、抗インフルエンザ薬、抗糖尿病薬、降圧薬、抗高脂血症薬などの治療薬または予防薬として利用することができる。ただし、これに限られるものではない。なお、本発明に係る錠剤では、素錠にコーティングを行う場合も行わない場合も含まれる。
[符号の説明]
2 錠剤
4 胴部
6 カップ部
8 ランド(段差部)
10 打錠機
12 水平コンベア
14 リフタ
16 ダウンシュート(搬送路)
18 錠剤コンテナ
20 コーティング装置
30 杵
32 臼
2 錠剤
4 胴部
6 カップ部
8 ランド(段差部)
10 打錠機
12 水平コンベア
14 リフタ
16 ダウンシュート(搬送路)
18 錠剤コンテナ
20 コーティング装置
30 杵
32 臼
Claims (12)
- 胴部と、該胴部の上下面の少なくとも一方の面から凸状に形成されたカップ部と、を有する錠剤であって、
前記カップ部の高さ寸法であるカップ部深さをDとし、
前記胴部の直径をLとする場合において、
D/Lの値が0.13以上0.50以下である、錠剤。 - 胴部と、該胴部の上下面の少なくとも一方の面から凸状に形成されたカップ部と、を有する錠剤であって、前記カップ部の頂部における曲率半径をRとし、
前記胴部の直径をLとする場合において、
R/Lの値が0.50以上1.00以下である、錠剤。 - 胴部と、該胴部の上下面の少なくとも一方の面から凸状に形成されたカップ部と、を有する錠剤であって、
前記カップ部の高さ寸法であるカップ部深さをDとし、
前記カップ部の頂部における曲率半径をRとし、
前記胴部の直径をLとする場合において、
D/Lの値が0.13以上0.50以下であり、かつ、
R/Lの値が0.50以上1.00以下である、錠剤。 - 前記D/Lの値が0.13以上0.21以下である、請求項1または3に記載の錠剤。
- 前記D/Lの値が0.14以上0.16以下である、請求項1または3に記載の錠剤。
- 前記R/Lの値が0.71以上1.00以下である、請求項2または3に記載の錠剤。
- 前記R/Lの値が0.82以上0.95以下である、請求項2または3に記載の錠剤。
- 前記カップ部が中央部と周縁部とから構成される、請求項1から7の何れか1項に記載の錠剤。
- 前記中央部が単一の曲率半径を有する、請求項8に記載の錠剤。
- 前記周縁部が単一の曲率半径を有し、前記周縁部の曲率半径が前記中央部の曲率半径よりも小さい、請求項8に記載の錠剤。
- 前記胴部が円形の断面形状を有する、請求項1から10の何れか1項に記載の錠剤。
- マンニトール、部分アルファー化デンプン及びクロスポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを含む粉末または顆粒を圧縮して得られる、請求項1から11の何れか1項に記載の錠剤。
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- 2014-11-11 US US15/034,401 patent/US20160263039A1/en not_active Abandoned
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