JP2020132586A - アミノ酸又はその塩及びビタミンc含有組成物の変色抑制方法、並びに粉末組成物、顆粒、及び錠剤 - Google Patents
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Abstract
Description
前記提案は、被覆により、各原料が物理的に接触しないようにする技術であるが、この場合、作業工程が複雑であり、かつ、製造時間が大幅に長くなるという問題や、コーティング基材で被覆するため、所望の量を錠剤に含有させるためには、被覆していない場合と比べて配合量が多くなるという問題がある。
<1> アミノ酸又はその塩及びビタミンC含有組成物の変色抑制方法であって、
前記変色が、前記アミノ酸又はその塩と、前記ビタミンCとが共存することにより生じる変色であり、
前記変色を抑制する変色抑制剤としてのケイ酸塩を、アミノ酸又はその塩及びビタミンCと接触させることを含むことを特徴とするアミノ酸又はその塩及びビタミンC含有組成物の変色抑制方法である。
<2> 更に、ビタミンEを接触させることを含む前記<1>に記載のアミノ酸又はその塩及びビタミンC含有組成物の変色抑制方法である。
<3> アミノ酸又はその塩と、ビタミンCと、変色抑制剤としてのケイ酸塩とを含有することを特徴とする粉末組成物である。
<4> 更に、ビタミンEを含有する前記<3>に記載の粉末組成物である。
<5> アミノ酸又はその塩と、ビタミンCと、変色抑制剤としてのケイ酸塩とを含有することを特徴とする顆粒である。
<6> 更に、ビタミンEを含有する前記<5>に記載の顆粒である。
<7> 前記<3>から<4>のいずれかに記載の粉末組成物、及び前記<5>から<6>のいずれかに記載の顆粒の少なくともいずれかを含有することを特徴とする錠剤である。
本発明の粉末組成物は、アミノ酸又はその塩と、ビタミンCと、変色抑制剤としてのケイ酸塩とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
前記アミノ酸又はその塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、より色調の変化を抑制することができる点で、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、スレオニン、バリン、グリシン、ヒスチジン、アスパラギン酸、システイン(シスチンの態様を含む。以下、同様。)、チロシン、トリプトファンが好ましく、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、スレオニン、バリン、グリシン、ヒスチジン、システインがより好ましい。
前記アミノ酸の塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等の無機酸又は有機酸との塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の塩基との塩などが挙げられる。
前記アミノ酸又はその塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ酸又はその塩は、市販品を適宜使用することができる。
前記ビタミンCとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、アスコルビン酸2−グルコシド、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸リン酸エステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビタミンCは、市販品を適宜使用することができる。
前記ケイ酸塩は、変色抑制剤として配合される。
前記ケイ酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、メタケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、一般食品に使用できる点で、ケイ酸カルシウムが好ましい。
前記ケイ酸塩は、市販品を適宜使用することができる。
前記ケイ酸カルシウムのゆるみ嵩密度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.07g/mL〜0.15g/mLが好ましい。
前記ケイ酸カルシウムの吸油量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、300mL/100g〜550mL/100gが好ましい。
前記メジアン径(d50)、ゆるみ嵩密度、及び吸油量を満たすケイ酸カルシウムとしては、例えば、下記式(1)で表されるケイ酸カルシウムが挙げられる。
2CaO・mSiO2・nH2O ・・・ 式(1)
ただし、前記式(1)中、1<m<2であり、2<n<3である。
前記ケイ酸カルシウムの市販品としては、例えば、フローライトR(富田製薬株式会社製)が挙げられる。
前記粉末組成物におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、ビタミンD、ビタミンE、ヘスペリジン、イノシトール等のビタミンC以外のビタミン類;カゼイン分解物等の乳由来ペプチドを含有するペプチド含有物、鶏軟骨由来エキス等の動物由来ペプチドを含有するペプチド含有物、マカエキス、ゴマエキス等の植物由来ペプチドを含有するペプチド含有物、わかめエキス、こんぶエキス等の海藻由来ペプチドを含有するペプチド含有物、サメ軟骨抽出エキス、サケ鼻軟骨抽出エキス、マグロ抽出エキス等の魚類由来ペプチドを含有するを含有するペプチド含有物等のペプチド含有物;カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、マンガン、銅、セレン、クロム、モリブデン等のミネラル;コエンザイムQ10、α−リポ酸、L−カルニチン、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン、ウコン、グルコサミン、コンドロイチン等の機能性成分;各種ポリフェノール類;ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、微粒二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、植物油脂、硬化油等の滑沢剤;デンプングリコール酸ナトリウム等の崩壊剤;乳糖、ビール酵母、デキストリン、コーンスターチ等の賦形剤;プルラン、アラビアガム、キサンタンガム、グアーガム、アルギン酸等の天然多糖類;粉末セルロース;結晶セルロース;結晶セルロース・軽質無水ケイ酸(結晶セルロースに軽質無水ケイ酸を付着させたもの);ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体;還元麦芽糖水あめ、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール等の糖アルコール;トレハロース、パラチノース、イソマルト等の二糖類;大豆多糖類;とうもろこしタンパク等の結合剤;固着剤;酸化チタン、酸化鉄等の着色剤;フィチン酸、クエン酸、コハク酸、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−リンゴ酸、リン酸、リン酸二ナトリウム等のpH調整剤又は緩衝剤;酸化防止剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の中でも、組成物の黄色方向への変色を抑制することができる点で、ビタミンEを含むことが好ましい。
前記その他の成分は、市販品を適宜使用することができる。
前記粉末組成物におけるその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ビタミンEは、市販品を適宜使用することができる。
前記粉末組成物の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、各成分を混合する方法などが挙げられる。
前記各成分を混合することにより、前記アミノ酸又はその塩及び前記ビタミンCを、前記ケイ酸塩と、必要に応じて前記その他の成分と接触させることができる。
前記混合は公知の装置を用いて行うことができ、該装置としては、例えば、コンテナタンブラー(山崎金属産業株式会社製)、V型混合機(株式会社徳寿工作所製)、ボーレ コンテナミキサー(寿工業株式会社製)などが挙げられる。
前記混合の温度、時間等の条件としては、特に制限はなく、適宜選択することができる。
本発明の顆粒は、アミノ酸又はその塩と、ビタミンCと、変色抑制剤としてのケイ酸塩とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
前記アミノ酸又はその塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した(粉末組成物)の<アミノ酸又はその塩>の項目に記載したものと同様のものが挙げられる。
前記ビタミンCとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した(粉末組成物)の<ビタミンC>の項目に記載したものと同様のものが挙げられる。
前記ケイ酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した(粉末組成物)の<ケイ酸塩>の項目に記載したものと同様のものが挙げられる。
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、上記した(粉末組成物)の<その他の成分>の項目に記載したものと同様のものが挙げられる。
前記顆粒の製造方法としては、前記アミノ酸又はその塩と、前記ビタミンCと、前記ケイ酸塩と、必要に応じて前記その他の成分とを含む混合物が造粒される限り、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、流動層造粒法、攪拌造粒法、乾式造粒法などが挙げられる。
前記各成分を混合する際若しくは造粒する際に、前記アミノ酸又はその塩及び前記ビタミンCを、前記ケイ酸塩、必要に応じて前記その他の成分と接触させることができる。
前記結合剤は、市販品を適宜使用することができる。
前記結合剤を溶解乃至分散するために用いる溶媒としては、特に制限はなく、使用する結合剤の種類などに応じて適宜選択することができ、例えば、水、エタノール、これらの混合溶媒などが挙げられる。
前記噴霧液を噴霧する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、使用する造粒装置に設けられた噴霧手段、例えば、スプレーガン、噴霧ノズル等から噴霧する方法などが挙げられる。
前記噴霧の条件(噴霧量、噴霧する霧粒子(ミスト)の大きさ、噴霧時間、噴霧間隔等)としては、特に制限はなく、公知の条件を適宜選択することができる。
前記造粒は公知の装置を用いて行うことができ、該装置としては、例えば、噴霧造粒装置、流動層造粒装置等、原料を結合剤により造粒操作できる装置などが挙げられる。
前記造粒の温度、時間等の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の錠剤は、本発明の粉末組成物、及び本発明の顆粒の少なくともいずれかを含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
また、錠剤におけるビタミンCの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.01質量%〜50質量%などが挙げられる。
前記錠剤における前記顆粒は、前記アミノ酸又はその塩と、前記ビタミンCと、前記ケイ酸塩と、前記結合剤と、必要に応じて前記ビタミンEとのみからなる態様が、錠剤の色調の変化をより抑制することができる点で、好ましい。
前記錠剤におけるその他の成分の錠剤中の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記錠剤の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
本発明の錠剤は、本発明の粉末組成物、及び本発明の顆粒の少なくともいずれかを含むので、前記アミノ酸又はその塩と、前記ビタミンCと、前記ケイ酸塩と、必要に応じて前記その他の成分とが、その製造過程において接触する。
本発明のアミノ酸又はその塩及びビタミンC含有組成物の変色抑制方法(以下、「変色抑制方法」と称することがある。)は、前記アミノ酸又はその塩と、前記ビタミンCとが共存することにより生じる変色を抑制する方法であり、変色抑制剤としてのケイ酸塩を、アミノ酸又はその塩及びビタミンCと接触させることを少なくとも含み、更にビタミンEを接触させることを含むことが好ましい。
下記表1に記載した量の各種アミノ酸と、ビタミンC(アスコルビン酸、東北製薬集団股▲フン▼有限会社製)と、ケイ酸塩(ケイ酸カルシウム(フローライトR、富田製薬株式会社製))とをビニール袋中で混合し、混合物を得た(以下、「混合直後のサンプル」と称することがある。)。
前記混合物に、水とエタノールの混合液(体積比が、水:エタノール=3:7)を4mL噴霧し、混合した後、棚式乾燥機にて、60℃で6時間乾燥した(以下、「棚式乾燥後のサンプル」と称することがある。)。なお、この混合物は、造粒を模したものである。
下記表2に記載した量のアミノ酸、ビタミンC(アスコルビン酸ナトリウム、東北製薬集団股▲フン▼有限会社製)、ケイ酸塩(ケイ酸カルシウム(フローライトR、富田製薬株式会社製))、結晶セルロース(セオラスUF−F702、旭化成株式会社製)を用いた以外は、試験例1と同様にして、混合直後のサンプルと、棚式乾燥後のサンプルを調製した。
試験例1と同様にして測定した色差の結果を下記表2に示す。
下記表3に記載した量のアミノ酸、ビタミンC(アスコルビン酸、東北製薬集団股▲フン▼有限会社製)、ケイ酸塩(ケイ酸カルシウム(フローライトR、富田製薬株式会社製))、ビタミンE 20%粉末(理研ドライEミックスF−20、理研ビタミン株式会社製)を用いた以外は、試験例1と同様にして、混合直後のサンプルと、棚式乾燥後のサンプルを調製した。
試験例1と同様にして測定した色差の結果を下記表3に示す。
下記表4−1〜4−3に記載した量のアミノ酸、ビタミンC(アスコルビン酸、東北製薬集団股▲フン▼有限会社製)、ケイ酸塩(ケイ酸カルシウム(フローライトR、富田製薬株式会社製))を用いた以外は、試験例1と同様にして、混合直後のサンプルと、棚式乾燥後のサンプルを調製した。
試験例1と同様にして測定した色差の結果を下記表4−1〜4−3に示す。
下記表5−1〜5−3に記載した量のアミノ酸、ビタミンC(アスコルビン酸、東北製薬集団股▲フン▼有限会社製)、ケイ酸塩(ケイ酸カルシウム(フローライトR、富田製薬株式会社製))、ビタミンE 20%粉末(理研ドライEミックスF−20、理研ビタミン株式会社製)を用いた以外は、試験例1と同様にして、混合直後のサンプルと、棚式乾燥後のサンプルを調製した。
試験例1と同様にして測定した色差の結果を下記表5−1〜5−3に示す。
打錠機(VEL5、株式会社菊水製作所製)を用い、常法により下記表6に記載の組成の打錠末を6kg/cm2の圧力で充填加圧して打錠加工し、直径8mm、曲率半径(R)6.5mm、200mg/錠の丸錠を得た。
前記錠剤の硬度を、全自動錠剤測定Multicheck5.1(ERWEKA社製)を用いて測定した。結果を下記表6に示す。
なお、各成分の詳細は、以下の通りである。
・ ビタミンC(アスコルビン酸、東北製薬集団股▲フン▼有限会社製)
・ ケイ酸塩(ケイ酸カルシウム(フローライトR、富田製薬株式会社製))
・ 結晶セルロース(セオラスUF−F702、旭化成株式会社製)(結合剤)
・ ステアリン酸カルシウム(堺化学工業株式会社製)(滑沢剤)
[保管条件(1)]
40℃、相対湿度75%で3時間保管した後、60℃で15時間保管。
また、ケイ酸塩を配合することで、錠剤硬度が上昇し、良好な錠剤とすることができることが確認された。
Claims (7)
- アミノ酸又はその塩及びビタミンC含有組成物の変色抑制方法であって、
前記変色が、前記アミノ酸又はその塩と、前記ビタミンCとが共存することにより生じる変色であり、
前記変色を抑制する変色抑制剤としてのケイ酸塩を、アミノ酸又はその塩及びビタミンCと接触させることを含むことを特徴とするアミノ酸又はその塩及びビタミンC含有組成物の変色抑制方法。 - 更に、ビタミンEを接触させることを含む請求項1に記載のアミノ酸又はその塩及びビタミンC含有組成物の変色抑制方法。
- アミノ酸又はその塩と、ビタミンCと、変色抑制剤としてのケイ酸塩とを含有することを特徴とする粉末組成物。
- 更に、ビタミンEを含有する請求項3に記載の粉末組成物。
- アミノ酸又はその塩と、ビタミンCと、変色抑制剤としてのケイ酸塩とを含有することを特徴とする顆粒。
- 更に、ビタミンEを含有する請求項5に記載の顆粒。
- 請求項3から4のいずれかに記載の粉末組成物、及び請求項5から6のいずれかに記載の顆粒の少なくともいずれかを含有することを特徴とする錠剤。
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