JP6182023B2 - 酸化マグネシウム含有錠剤及びその製造方法 - Google Patents
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Description
酸化マグネシウムは、研磨性が高い原料であり、酸化マグネシウム含有錠剤の製造には様々な問題がある。例えば、錠剤を打錠する際、酸化マグネシウムにより杵の磨耗が促進され、杵に一定以上の磨耗が起きた場合、錠剤表面に変色(例えば、リング状に黒く擦れた跡)が生じるという問題がある。また、杵の磨耗が進んでいない状況においても、錠剤表面に存在する酸化マグネシウムと杵が擦れることによって、錠剤表面に変色が生じるという問題がある。打錠後においても、錠剤の排出時に回転盤と擦れたり、粉取り機内で金属と擦れたりすることにより、錠剤表面に変色が生じやすいという問題がある。前記変色は製品の外観上好ましくなく、そのため、酸化マグネシウム含有錠剤の製造では、杵を頻繁に交換しなければならず、製造コストに影響するという問題もある。
しかしながら、杵自体の硬度を上げると、杵自体の塑性変形が起こりにくく、打錠圧を上げた際に杵自体の破損が起こりやすくなるなどの問題がある。
しかしながら、これらの提案の技術では、製品ごとに黒ずみの発生を防ぐ効果が見込める配合比率や製造条件を検討したうえで製造に移行する必要があり、製品が変わるごとに検討が必要となるという問題がある。
しかしながら、曲率半径の大きい形状とすると、曲率半径の小さい形状(楕円形)の錠剤と比べて飲み込みにくいという問題がある。
<1> 酸化マグネシウムに対して結合剤を含有する結合剤含有液を噴霧し、酸化マグネシウムを被覆造粒する被覆造粒工程と、
被覆造粒された前記酸化マグネシウムと、錠剤原料とを混合し、打錠用混合物を調製する工程と、
前記打錠用混合物を打錠する工程と、
を含むことを特徴とする酸化マグネシウム含有錠剤の製造方法である。
<2> 結合剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、及びプルランから選択される少なくとも1種である前記<1>に記載の酸化マグネシウム含有錠剤の製造方法である。
<3> 結合剤で被覆造粒された酸化マグネシウムを含む酸化マグネシウム含有錠剤であって、
同一原料の酸化マグネシウムを用い、錠剤中の酸化マグネシウムの含有量を同一とした場合における、酸化マグネシウムを被覆造粒した場合のエネルギー分散型X線元素分析により測定した錠剤表面におけるマグネシウムの含有量(A)と、酸化マグネシウムを被覆造粒していない場合の錠剤表面におけるエネルギー分散型X線元素分析により測定したマグネシウムの含有量(B)との比である(A)/(B)が、0.8以下であることを特徴とする酸化マグネシウム含有錠剤である。
<4> エネルギー分散型X線元素分析により測定した錠剤表面におけるマグネシウムの含有量が、6.0質量%未満である前記<3>に記載の酸化マグネシウム含有錠剤である。
<5> 酸化マグネシウムの含有量が、1錠あたり0.8質量%以上である前記<3>から<4>のいずれかに記載の酸化マグネシウム含有錠剤である。
<6> 結合剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、及びプルランから選択される少なくとも1種である前記<3>から<5>のいずれかに記載の酸化マグネシウム含有錠剤である。
本発明の酸化マグネシウム含有錠剤は、結合剤で被覆造粒された酸化マグネシウムを少なくとも含み、必要に応じて更に錠剤原料などのその他の成分を含む。
前記酸化マグネシウム含有錠剤は、本発明の酸化マグネシウム含有錠剤の製造方法により好適に製造することができる。
以下、本発明の酸化マグネシウム含有錠剤の製造方法の説明と併せて本発明の酸化マグネシウム含有錠剤についても説明する。
本発明の酸化マグネシウム含有錠剤の製造方法は、被覆造粒工程と、打錠用混合物調製工程と、打錠工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
前記被覆造粒工程は、酸化マグネシウムに対して結合剤を含有する結合剤含有液を噴霧し、酸化マグネシウムを被覆造粒する工程である。
前記酸化マグネシウム(以下、「酸化マグネシウム原料」と称することがある)の種類は、粉末であってもよいし、細粒であってもよいが、凝集性が弱く、流動性が良く、造粒しやすい点、また、粉末に比べて微粉が少ないため、杵との擦れによる錠剤表面における変色の発生頻度がより少ない点で、細粒が好ましい。
なお、前記酸化マグネシウムの細粒とは、平均粒子径(メジアン径(d50))が約310μm〜370μm、30メッシュ篩上の残存率が5%以下、200メッシュ篩通過率が10%以下であるものをいう。
また、前記酸化マグネシウムは、軽質であってもよいし、重質であってもよい。
前記酸化マグネシウムは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結合剤含有液は、結合剤を少なくとも含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;プルラン、グアガム、キサンタンガム、タラガム、アラビアガム、カラギーナン、ローカストビーンガム等の多糖類;デキストリン;寒天;ペクチン;アルギン酸;キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール等の糖アルコール;トレハロース;パラチノース、イソマルト等の二糖類などが挙げられる。これらの中でも、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、プルランが、被覆形成の点で好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、被覆後の皮膜の柔軟性の点でより好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結合剤含有液の粘度としては、結合剤含有液を噴霧することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記被覆造粒では、酸化マグネシウム原料の表面に前記結合剤を付着させ、前記酸化マグネシウム原料が他の酸化マグネシウム原料と接触する前に乾燥させる。この操作を繰り返すことにより、表面が結合剤で被覆され、造粒された酸化マグネシウムを得ることができる。
前記被覆の程度としては、酸化マグネシウムの表面の全てが被覆された状態であってもよいし、一部が被覆されていない状態であってもよいが、表面の全てが被覆された状態であることが好ましい。
前記噴霧の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30分間〜100分間が好ましく、35分間〜80分間がより好ましい。前記噴霧の時間が、30分間未満であると、顆粒の成長が促進され、目的とする被覆造粒が出来ないことがあり、100分間を超えると、過乾燥気味に造粒が進み、目的とする被覆造粒が出来ないことがある。
前記メジアン径(d50)は、例えば、レーザー回折・散乱式 粒子径・粒度分布測定装置 マイクロトラックMT3000II(日機装株式会社製)により測定することができる。
なお、前記被覆造粒では、原料中に酸化マグネシウムの微粉が存在する場合には、該微粉は、顆粒となるまで成長させることが好ましい。
前記被覆造粒された酸化マグネシウムにおける、酸化マグネシウムと結合剤との合計質量に対する前記結合剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上が特に好ましい。
前記打錠用混合物調製工程は、前記被覆造粒された酸化マグネシウムと、錠剤原料とを混合し、打錠用混合物を調製する工程である。
前記錠剤原料としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ酸又はその塩、酵母エキス類、ビタミン類、ミネラル、機能性成分、各種ポリフェノール類、滑沢剤、崩壊剤、賦形剤、結合剤、固着剤、着色剤、pH調整剤、緩衝剤、酸化防止剤などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸化マグネシウム含有錠剤における前記錠剤原料の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記錠剤原料の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、原料そのものであってもよいし、造粒されたものであってもよい。
前記アミノ酸の塩の具体例としては、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等の無機酸又は有機酸との塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の塩基との塩などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記錠剤原料における前記アミノ酸又はその塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記酵母エキス類の具体例としては、チアミン含有酵母エキス、ペプチド含有酵母エキス、システインペプチド含有酵母エキス、核酸高含有酵母エキス、グルタミン酸高含有酵母エキスなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記錠剤原料における前記酵母エキス類の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記錠剤原料における前記ビタミン類の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記錠剤原料における前記ミネラルの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記貝カルシウムは、デキストリンと造粒したものであることが、圧縮成形性を向上させることができる点で、好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記錠剤原料における前記機能性成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記錠剤原料における前記滑沢剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記錠剤原料における前記賦形剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記錠剤原料における前記結合剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記錠剤原料における前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記錠剤原料における前記pH調整剤、又は前記緩衝剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記錠剤原料における前記崩壊剤、前記固着剤、又は前記酸化防止剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記混合の方法としては、特に制限はなく、常法により行うことができる。前記混合には、装置を用いることができ、該装置としては、例えば、コンテナタンブラー(山崎金属産業株式会社製)、V型混合機、無限ミキサー、W型混合機(以上、株式会社徳寿工作所製)、ボーレ コンテナミキサー(寿工業株式会社製)などが挙げられる。
前記混合は、1回でまとめて行ってもよいし、複数回に分けて行ってもよい。
前記打錠工程は、前記打錠用混合物を打錠する工程である。
前記打錠工程における充填加圧時の圧力(打錠圧)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、6kN〜20kNが好ましく、10kN〜18kNがより好ましい。前記圧力が、6kN未満であると、十分な硬度が得られず錠剤がもろくなることや、スティッキングが発生することがあり、20kNを超えると、キャッピングが発生することがある。一方、前記打錠圧が、前記より好ましい範囲であると、十分な硬度の錠剤が得られ、スティッキングやキャッピングの発生を抑制できるなど、打錠障害を抑制することができる点で有利である。
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乾燥工程、整粒工程、錠剤被覆工程などが挙げられる。
前記乾燥工程は、前記被覆造粒工程後の造粒物を乾燥させる工程である。前記乾燥工程を経ることにより、前記打錠工程において、取り扱い性が良くなる点で有利である。
前記乾燥させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、風乾する方法、加熱乾燥法などが挙げられる。
前記整粒工程は、前記被覆造粒工程後の造粒物を整粒し、均一な粒子径とする工程である。これにより、前記打錠工程において、取り扱い性が良くなる点で有利である。
前記整粒する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、所望の目開きを有する篩を用いる方法などが挙げられる。
前記錠剤被覆工程は、前記打錠工程で得られた錠剤を被覆剤で被覆する工程である。
前記被覆剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セラック、ツェイン、セルロース誘導体(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)などが挙げられる。
前記被覆する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
前記被覆に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハイコーター、ハイコーターFZ、アクアコーター(以上、フロイント産業株式会社製)、パウレックコーター、パウレックコーターEVO、ドリアコーター(以上、株式会社パウレック製)などが挙げられる。
本発明の酸化マグネシウム含有錠剤は、上記した本発明の酸化マグネシウム錠剤の製造方法により好適に製造することができる。
前記酸化マグネシウム含有錠剤は、前記結合剤で被覆された酸化マグネシウムを少なくとも含み、更に必要に応じて前記錠剤原料などのその他の成分を含む。
前記酸化マグネシウム含有錠剤は、同一原料の酸化マグネシウムを用い、錠剤中の酸化マグネシウムの含有量を同一とした場合における、酸化マグネシウムを被覆造粒した場合のエネルギー分散型X線元素分析により測定した錠剤表面におけるマグネシウムの含有量(A)と、酸化マグネシウムを被覆造粒していない場合の錠剤表面におけるエネルギー分散型X線元素分析により測定したマグネシウムの含有量(B)との比である(A)/(B)が、0.8以下である。
前記同一原料の酸化マグネシウムとは、酸化マグネシウム原料の種類が同一であることをいう。
前記(A)/(B)としては、0.8以下であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.70未満が好ましく、0.50未満がより好ましく、0.30未満が特に好ましい。
前記酸化マグネシウム含有錠剤における酸化マグネシウムの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1錠あたり0.8質量%以上が好ましい。
<被覆造粒工程>
酸化マグネシウムとして、酸化マグネシウム細粒STS(重質)(富田製薬株式会社製)を使用した。前記酸化マグネシウムは、平均粒子径(メジアン径(d50))約340μm、30メッシュ篩上の残存率が5%以下、200メッシュ篩通過率が10%以下であり、細粒タイプに分類される。
結合剤含有液として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業株式会社製)を5質量%含む水溶液を調製した。
〔被覆造粒条件〕
・ 給気温度 : 80℃〜95℃
・ 排気温度 : 35℃〜40℃
・ 噴霧速度 : 6mL/分間
・ 合計噴霧時間 : 60分間
〔組成〕
・ 酸化マグネシウム 97.26質量%
・ ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.74質量%
合計 100.00質量%
混合装置として、ボーレ コンテナミキサー(寿工業株式会社製)を用い、以下の混合条件で、下記組成及び配合量(混合物あたり)となるように混合し、打錠用混合物を得た。
〔混合条件〕
・ 温度 : 25℃
・ 混合 : ステアリン酸カルシウム以外の原料を20分間混合し、その混合物にステアリン酸カルシウムを添加後、更に3分間混合した。
〔組成〕
・ 被覆造粒工程で得られた顆粒 21.9質量%
(酸化マグネシウム 21.3質量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.6質量%)
・ 貝カルシウム 64.8質量%
(未焼成カルシウム(ホタテ末)、株式会社エヌシーコーポレーション製)
・ デキストリン 8.0質量%
(パインデックス(登録商標)#100、松谷化学株式会社製)
・ セルロース 4.5質量%
(セオラスUF−F711、旭化成ケミカルズ株式会社製)
・ ステアリン酸カルシウム(滑沢剤、堺化学工業株式会社製) 0.8質量%
合計 100.0質量%
前記貝カルシウム445gと、前記デキストリン30gとを流動層造粒装置(転動流動コーティング装置−MP−01、株式会社パウレック製)に入れ、前記デキストリンを
10質量%含む水溶液を下記条件で噴霧しながら造粒加工し、顆粒を調製した。
〔造粒条件〕
・ 給気温度 : 65℃〜80℃
・ 排気温度 : 25℃〜30℃
・ 噴霧速度 : 8.5mL/分間
・ 合計噴霧時間 : 30分間
<打錠用混合物調製工程>
混合装置として、ボーレ コンテナミキサー(寿工業株式会社製)を用い、以下の混合条件で、下記組成及び配合量(混合物あたり)となるように混合し、打錠用混合物を得た。
下記組成中、酸化マグネシウムは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースで被覆造粒していない酸化マグネシウムを用いた。貝カルシウム及びデキストリンは、前記製造例1−1と同様にして、両者を用いて造粒した顆粒を用いた。
〔混合条件〕
・ 温度 : 25℃
・ 混合 : ステアリン酸カルシウム以外の原料を20分間混合し、その混合物にステアリン酸カルシウムを添加後、更に3分間混合した。
〔組成〕
・ 酸化マグネシウム 21.3質量%
(酸化マグネシウム細粒STS(重質)、富田製薬株式会社製)
・ 貝カルシウム 64.8質量%
(未焼成カルシウム(ホタテ末)、株式会社エヌシーコーポレーション製)
・ デキストリン 8.0質量%
(パインデックス(登録商標)#100、松谷化学株式会社製)
・ セルロース 5.1質量%
(セオラスUF−F711、旭化成ケミカルズ株式会社製)
・ ステアリン酸カルシウム(滑沢剤、堺化学工業株式会社製) 0.8質量%
合計 100.0質量%
前記製造例1−1、及び比較製造例1で製造した打錠用混合物を用い、以下のようにして打錠工程を行った。各打錠時間における打錠回数を表1に示す。
前記打錠工程では、打錠開始から120分間までは30分間ごとに、打錠開始120分間以降は15分間ごとに、排出後の錠剤の表面の状態を確認した。
<打錠工程>
ロータリー打錠機(HATA AP−12SS、株式会社畑鉄工所製)を用い、以下の条件で打錠加工し、錠剤を製造した。
〔打錠条件〕
・ 打錠用混合物の使用量 : 7kg
・ 杵立数 : 1本
・ 使用杵 : 硬質クロムメッキ処理がされた杵(標準的に使用されている杵)
・ 回転数 : 60rpm
・ 打錠圧 : 14kN
・ 剤形 : 直径8mm、曲率半径(R)6.5mm
・ 錠剤質量 : 290mg
図1Aから図1Cの結果から、打錠開始から90分間後には、錠剤表面に、酸化マグネシウムと杵とが擦れることによる黒い擦れ跡が発生し、120分間後には、擦れ跡がはっきりとわかる状態となった。
また、打錠開始から90分間後に一旦打錠を停止して杵の表面の様子を確認したところ、杵の表面に磨耗が見られ、打錠開始から180分間後には、図1Dに示されるように、杵の表面の中間部分がほとんど磨耗していた(図1Dのリング状になっている部分)。
図2Aから図2Dの結果から、前記製造例1−1で得られた打錠用混合物を用いた場合には、打錠開始から360分間後でも錠剤表面に黒い擦れ跡は発生しなかった。
また、図2Eに示されるように、打錠開始から360分間後でも杵の表面に磨耗は見られなかった。
なお、前記製造例1−1で得られた打錠用混合物を用いて打錠を行った場合では、準備した7kgの打錠用混合物の全てを打錠し終わったため、打錠開始から360分間後で確認を終了した。
<被覆造粒工程>
前記製造例1−1において、被覆造粒条件を下記条件に変えた以外は、製造例1−1と同様にして酸化マグネシウムを被覆造粒加工し、顆粒を調製した。前記顆粒のメジアン径(d50)を前記製造例1−1と同様にして測定したところ、345μmだった。
〔被覆造粒条件〕
・ 給気温度 : 80℃〜95℃
・ 排気温度 : 35℃〜40℃
・ 噴霧速度 : 3mL/分間
・ 合計噴霧時間 : 40分間
〔組成〕
・ 酸化マグネシウム 99.07質量%
・ ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.93質量%
合計 100.00質量%
前記製造例1−1において、組成及び配合量(混合物あたり)を下記組成及び配合量(混合物あたり)に変えた以外は、製造例1−1と同様にして打錠用混合物を得た。なお、下記組成中、貝カルシウム及びデキストリンは、製造例1−1の打錠用混合物と同様にして造粒した顆粒を用いた。
〔組成〕
・ 被覆造粒工程で得られた顆粒 21.5質量%
(酸化マグネシウム 21.3質量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.2質量%)
・ 貝カルシウム 64.8質量%
(未焼成カルシウム(ホタテ末)、株式会社エヌシーコーポレーション製)
・ デキストリン 8.0質量%
(パインデックス(登録商標)#100、松谷化学株式会社製)
・ セルロース 4.9質量%
(セオラスUF−F711、旭化成ケミカルズ株式会社製)
・ ステアリン酸カルシウム(滑沢剤、堺化学工業株式会社製) 0.8質量%
合計 100.0質量%
前記試験例1−1において、打錠用混合物を前記製造例1−2で製造した打錠用混合物に代え、打錠用混合物の使用量を4kgに変えた以外は、試験例1−1と同様にして打錠工程を行った。
また、前記打錠工程では、前記試験例1−1と同様にして、排出後の錠剤の表面の状態を確認した。
図3Aから図3Dの結果から、前記製造例1−2で得られた打錠用混合物を用いた場合には、打錠開始から180分間後に僅かであるが錠剤表面に黒い擦れ跡が発生した。
また、図3Eに示されるように、打錠開始から180分間後、杵の表面に僅かに磨耗が確認された。
<被覆造粒工程>
前記製造例1−1において、被覆造粒条件を下記条件に変えた以外は、製造例1−1と同様にして酸化マグネシウムを被覆造粒加工し、顆粒を調製した。前記顆粒のメジアン径(d50)を前記製造例1−1と同様にして測定したところ、350μmだった。
〔被覆造粒条件〕
・ 給気温度 : 80℃〜95℃
・ 排気温度 : 35℃〜40℃
・ 噴霧速度 : 4.5mL/分間
・ 合計噴霧時間 : 50分間
〔組成〕
・ 酸化マグネシウム 98.16質量%
・ ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.84質量%
合計 100.00質量%
前記製造例1−1において、組成及び配合量(混合物あたり)を下記組成及び配合量(混合物あたり)に変えた以外は、製造例1−1と同様にして打錠用混合物を得た。なお、下記組成中、貝カルシウム及びデキストリンは、製造例1−1の打錠用混合物と同様にして造粒した顆粒を用いた。
〔組成〕
・ 被覆造粒工程で得られた顆粒 21.7質量%
(酸化マグネシウム 21.3質量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.4質量%)
・ 貝カルシウム 64.8質量%
(未焼成カルシウム(ホタテ末)、株式会社エヌシーコーポレーション製)
・ デキストリン 8.0質量%
(パインデックス(登録商標)#100、松谷化学株式会社製)
・ セルロース 4.7質量%
(セオラスUF−F711、旭化成ケミカルズ株式会社製)
・ ステアリン酸カルシウム(滑沢剤、堺化学工業株式会社製) 0.8質量%
合計 100.0質量%
前記試験例1−1において、打錠用混合物を前記製造例1−3で製造した打錠用混合物に代えた以外は、試験例1−1と同様にして打錠工程を行った。
また、前記打錠工程では、前記試験例1−1と同様にして、排出後の錠剤の表面の状態を確認した。
図4Aから図4Dの結果から、前記製造例1−3で得られた打錠用混合物を用いた場合には、打錠開始から360分間後でも錠剤表面に黒い擦れ跡は発生しなかった。
また、図4Eに示されるように、打錠開始から360分間後でも杵の表面に磨耗は見られなかった。
なお、前記製造例1−3で得られた打錠用混合物を用いて打錠を行った場合では、準備した7kgの打錠用混合物の全てを打錠し終わったため、打錠開始から360分間後で確認を終了した。
<被覆造粒工程>
前記製造例1−1において、結合剤含有液をヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社製)を5質量%含む水溶液に代えた以外は、製造例1−1と同様にして酸化マグネシウムを被覆造粒加工し、顆粒を調製した。前記顆粒のメジアン径(d50)を前記製造例1−1と同様にして測定したところ、365μmだった。
〔組成〕
・ 酸化マグネシウム 97.26質量%
・ ヒドロキシプロピルセルロース 2.74質量%
合計 100.00質量%
前記製造例1−1において、組成及び配合量(混合物あたり)を下記組成及び配合量(混合物あたり)に変えた以外は、製造例1−1と同様にして打錠用混合物を得た。なお、下記組成中、貝カルシウム及びデキストリンは、製造例1−1の打錠用混合物と同様にして造粒した顆粒を用いた。
〔組成〕
・ 被覆造粒工程で得られた顆粒 21.9質量%
(酸化マグネシウム 21.3質量%、ヒドロキシプロピルセルロース 0.6質量%)
・ 貝カルシウム 64.8質量%
(未焼成カルシウム(ホタテ末)、株式会社エヌシーコーポレーション製)
・ デキストリン 8.0質量%
(パインデックス(登録商標)#100、松谷化学株式会社製)
・ セルロース 4.5質量%
(セオラスUF−F711、旭化成ケミカルズ株式会社製)
・ ステアリン酸カルシウム(滑沢剤、堺化学工業株式会社製) 0.8質量%
合計 100.0質量%
前記試験例1−1において、打錠用混合物を前記製造例1−4で製造した打錠用混合物に代えた以外は、試験例1−1と同様にして打錠工程を行った。
また、前記打錠工程では、前記試験例1−1と同様にして、排出後の錠剤の表面の状態を確認した。
図5Aから図5Dの結果から、打錠用混合物1−4を用いた場合には、打錠開始から360分間後でも錠剤表面に黒い擦れ跡は発生しなかった。
また、図5Eに示されるように、打錠開始から360分間後でも杵の表面に磨耗は見られなかった。
なお、前記製造例1−4で得られた打錠用混合物を用いて打錠を行った場合では、準備した7kgの打錠用混合物の全てを打錠し終わったため、打錠開始から360分間後で確認を終了した。
<被覆造粒工程>
前記製造例1−1において、結合剤含有液を食品添加物プルラン(株式会社林原社製)を5質量%含む水溶液に代えた以外は、製造例1−1と同様にして酸化マグネシウムを被覆造粒加工し、顆粒を調製した。前記顆粒のメジアン径(d50)を前記製造例1−1と同様にして測定したところ、370μmだった。
〔組成〕
・ 酸化マグネシウム 97.26質量%
・ 食品添加物プルラン 2.74質量%
合計 100.00質量%
前記製造例1−1において、組成及び配合量(混合物あたり)を下記組成及び配合量(混合物あたり)に変えた以外は、製造例1−1と同様にして打錠用混合物を得た。なお、下記組成中、貝カルシウム及びデキストリンは、製造例1−1の打錠用混合物と同様にして造粒した顆粒を用いた。
〔組成〕
・ 被覆造粒工程で得られた顆粒 21.9質量%
(酸化マグネシウム 21.3質量%、食品添加物プルラン 0.6質量%)
・ 貝カルシウム 64.8質量%
(未焼成カルシウム(ホタテ末)、株式会社エヌシーコーポレーション製)
・ デキストリン 8.0質量%
(パインデックス(登録商標)#100、松谷化学株式会社製)
・ セルロース 4.5質量%
(セオラスUF−F711、旭化成ケミカルズ株式会社製)
・ ステアリン酸カルシウム(滑沢剤、堺化学工業株式会社製) 0.8質量%
合計 100.0質量%
前記試験例1−1において、打錠用混合物を前記参考製造例1−5で製造した打錠用混合物に代えた以外は、試験例1−1と同様にして打錠工程を行った。
また、前記打錠工程では、前記試験例1−1と同様にして、排出後の錠剤の表面の状態を確認した。
図6Aから図6Dの結果から、打錠用混合物1−5を用いた場合には、打錠開始から270分間後に僅かであるが錠剤表面に黒い擦れ跡が発生した。
また、図6Eに示されるように、打錠開始から360分間後、杵の表面に僅かに磨耗が確認された。
<錠剤表面の元素分析>
日立卓上顕微鏡(TM3000、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)専用のエネルギー分散型元素分析装置(SwiftED3000)を用い、前記試験例1−1〜1−5で得られた錠剤の表面の元素分析を行った。
〔測定条件〕
倍率 : 30倍
観察条件 : 分析
加速電圧 : 15kV
<被覆造粒工程>
前記製造例1−1と同様にして、前記製造例1−1と同じメジアン径及び組成の酸化マグネシウムの顆粒を調製した。
前記製造例1−1において、組成及び配合量(混合物あたり)を下記組成及び配合量(混合物あたり)に変えた以外は、製造例1−1と同様にして打錠用混合物を得た。
〔組成〕
・ 被覆造粒工程で得られた顆粒 97.9質量%
(酸化マグネシウム 95.3質量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.6質量%)
・ セルロース 1.3質量%
(セオラスUF−F711、旭化成ケミカルズ株式会社製)
・ ステアリン酸カルシウム(滑沢剤、堺化学工業株式会社製) 0.8質量%
合計 100.0質量%
<打錠用混合物調製工程>
前記比較製造例1において、組成及び配合量(混合物あたり)を下記組成及び配合量(混合物あたり)に変えた以外は、比較製造例1−1と同様にして打錠用混合物を得た。
下記組成中、酸化マグネシウムは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースで被覆造粒していない酸化マグネシウムを用いた。
〔組成〕
・ 酸化マグネシウム 95.3質量%
(酸化マグネシウム細粒STS(重質)、富田製薬株式会社製)
・ セルロース 3.9質量%
(セオラスUF−F711、旭化成ケミカルズ株式会社製)
・ ステアリン酸カルシウム(滑沢剤、堺化学工業株式会社製) 0.8質量%
合計 100.0質量%
前記試験例1−1において、打錠用混合物を前記製造例2、又は前記比較製造例2で製造した打錠用混合物に代え、以下の打錠条件に変えた以外は、試験例1−1と同様にして打錠工程を行った。
なお、前記打錠工程では、打錠開始から10分間ごとに、排出後の錠剤の表面の状態を確認した。
〔打錠条件〕
・ 打錠用混合物の使用量 : 3kg
・ 杵立数 : 1本
・ 使用杵 : 硬質クロムメッキ処理がされた杵(標準的に使用されている杵)
・ 回転数 : 40rpm
・ 打錠圧 : 14kN
・ 剤形 : 直径8mm、曲率半径(R)6.5mm
・ 錠剤質量 : 360mg
図8Aから図8Cの結果から、打錠開始から60分間後には、錠剤表面に、酸化マグネシウムと杵とが擦れることによる黒い擦れ跡が発生し、90分間後には、擦れ跡がはっきりとわかる状態となった。
また、打錠開始から60分間後に一旦打錠を停止して杵の表面の様子を確認したところ、杵の表面に磨耗が見られ、打錠開始から90分間後には、図8Dに示されるように、杵の表面の中間部分がほとんど磨耗していた(図8Dのリング状になっている部分)。
図9Aから図9Dの結果から、前記製造例2で得られた打錠用混合物を用いた場合には、打錠開始から210分間後でも錠剤表面に黒い擦れ跡は発生しなかった。
また、図9Eに示されるように、打錠開始から210分間後でも杵の表面に磨耗は見られなかった。
なお、前記製造例2で得られた打錠用混合物を用いて打錠を行った場合では、準備した2kgの打錠用混合物の全てを打錠し終わったため、打錠開始から210分間後で確認を終了した。
<錠剤表面の元素分析>
前記試験例2−1で得られた錠剤について、前記試験例1−6と同様にして、錠剤の表面の元素分析を行った。
<被覆造粒工程>
前記製造例1−1において、酸化マグネシウムを酸化マグネシウム(重質)(富田製薬株式会社製;平均粒子径(メジアン径(d50))約3μm;粉末タイプ)に代え、被覆造粒条件における合計噴霧時間を80分間に変えた以外は、製造例1−1と同様にして被覆造粒加工し、酸化マグネシウムの顆粒を調製した。前記顆粒のメジアン径(d50)を前記製造例1−1と同様にして測定したところ、約15μmだった。
〔組成〕
・ 酸化マグネシウム(重質) 96.80質量%
・ ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.20質量%
合計 100.00質量%
前記製造例1−1において、組成及び配合量(混合物あたり)を下記組成及び配合量(混合物あたり)に変えた以外は、製造例1−1と同様にして打錠用混合物を得た。なお、下記組成中、貝カルシウム及びデキストリンは、製造例1−1の打錠用混合物と同様にして造粒した顆粒を用いた。
〔組成〕
・ 被覆造粒工程で得られた顆粒 22.0質量%
(酸化マグネシウム(重質) 21.3質量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.7質量%)
・ 貝カルシウム 64.8質量%
(未焼成カルシウム(ホタテ末)、株式会社エヌシーコーポレーション製)
・ デキストリン 8.0質量%
(パインデックス(登録商標)#100、松谷化学株式会社製)
・ セルロース 4.4質量%
(セオラスUF−F711、旭化成ケミカルズ株式会社製)
・ ステアリン酸カルシウム(滑沢剤、堺化学工業株式会社製) 0.8質量%
合計 100.0質量%
<打錠用混合物調製工程>
前記比較製造例1において、組成及び配合量(混合物あたり)を下記組成及び配合量(混合物あたり)に変えた以外は、比較製造例1−1と同様にして打錠用混合物を得た。
下記組成中、酸化マグネシウムは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースで被覆造粒していない酸化マグネシウムを用いた。
〔組成〕
・ 酸化マグネシウム(重質) 21.3質量%
(酸化マグネシウム(重質)、富田製薬株式会社製)
・ 貝カルシウム 64.8質量%
(未焼成カルシウム(ホタテ末)、株式会社エヌシーコーポレーション製)
・ デキストリン 8.0質量%
(パインデックス(登録商標)#100、松谷化学株式会社製)
・ セルロース 5.1質量%
(セオラスUF−F711、旭化成ケミカルズ株式会社製)
・ ステアリン酸カルシウム(滑沢剤、堺化学工業株式会社製) 0.8質量%
合計 100.0質量%
前記試験例1−1において、打錠用混合物を前記製造例3、又は前記比較製造例3で製造した打錠用混合物に代え、以下の打錠条件に変えた以外は、試験例1−1と同様にして打錠工程を行った。
なお、前記打錠工程では、打錠開始から10分間ごとに、排出後の錠剤の表面の状態を確認した。
〔打錠条件〕
・ 打錠用混合物の使用量 : 2kg
・ 杵立数 : 1本
・ 使用杵 : 硬質クロムメッキ処理がされた杵(標準的に使用されている杵)
・ 回転数 : 60rpm
・ 打錠圧 : 14kN
・ 剤形 : 直径8mm、曲率半径(R)6.5mm
・ 錠剤質量 : 290mg
図11Aから図11Cの結果から、打錠開始から30分間後には、錠剤表面に、酸化マグネシウムと杵とが擦れることによる黒い擦れ跡が発生し、60分間後には、擦れ跡がはっきりとわかる状態となった。
また、打錠開始から60分間後に一旦打錠を停止して杵の表面の様子を確認したところ、杵の表面に磨耗が見られ、打錠開始から90分間後には、図11Dに示されるように、杵の表面の中間部分がほとんど磨耗していた(図11Dのリング状になっている部分)。
図12Aから図12Dの結果から、前記製造例3で得られた打錠用混合物を用いた場合には、打錠開始から70分間後に僅かであるが錠剤表面に黒い擦れ跡が発生した。
また、図12Eに示されるように、打錠開始から90分間後、杵の表面に磨耗が確認された。
<錠剤表面の元素分析>
前記試験例3−1で得られた錠剤について、前記試験例1−6と同様にして、錠剤の表面の元素分析を行った。
また、酸化マグネシウムと、杵などとが擦れることによる錠剤表面の擦れ跡などの変色を抑制することができ、また、従来困難であった曲率半径の小さい楕円形の錠剤を製造することも可能である。
また、酸化マグネシウムを結合剤で被覆造粒した造粒物を用いるため、製造する錠剤の配合組成が変わった場合であっても、従来の技術のようにその都度検討をする必要がなく、様々な製品に共通して使用することが可能である。
本発明の酸化マグネシウム含有錠剤は、サプリメントや医薬品として好適に利用可能である。
Claims (6)
- 酸化マグネシウム含有錠剤の製造方法であって、
酸化マグネシウムに対して結合剤を含有する結合剤含有液を噴霧し、酸化マグネシウムを被覆造粒する被覆造粒工程と、
被覆造粒された前記酸化マグネシウムと、錠剤原料とを混合し、打錠用混合物を調製する工程と、
前記打錠用混合物を打錠して酸化マグネシウム含有錠剤を得る工程と、
を含み、
前記結合剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースから選択される少なくとも1種であり、
前記酸化マグネシウム含有錠剤の曲率半径が、9mm以下であることを特徴とする酸化マグネシウム含有錠剤の製造方法。 - 被覆造粒された酸化マグネシウムにおける酸化マグネシウムの含有量が、90質量%以上である請求項1に記載の酸化マグネシウム含有錠剤の製造方法。
- 結合剤で被覆造粒された酸化マグネシウムを含む酸化マグネシウム含有錠剤であって、
同一原料の酸化マグネシウムを用い、錠剤中の酸化マグネシウムの含有量を同一とした場合における、酸化マグネシウムを被覆造粒した場合のエネルギー分散型X線元素分析により測定した錠剤表面におけるマグネシウムの含有量(A)と、酸化マグネシウムを被覆造粒していない場合の錠剤表面におけるエネルギー分散型X線元素分析により測定したマグネシウムの含有量(B)との比である(A)/(B)が、0.8以下であり、
前記結合剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースから選択される少なくとも1種であり、
前記酸化マグネシウム含有錠剤の曲率半径が、9mm以下であることを特徴とする酸化マグネシウム含有錠剤。 - エネルギー分散型X線元素分析により測定した錠剤表面におけるマグネシウムの含有量が、6.0質量%未満である請求項3に記載の酸化マグネシウム含有錠剤。
- 酸化マグネシウムの含有量が、1錠あたり0.8質量%以上である請求項3から4のいずれかに記載の酸化マグネシウム含有錠剤。
- 結合剤で被覆造粒された酸化マグネシウムにおける酸化マグネシウムの含有量が、90質量%以上である請求項3から5のいずれかに記載の酸化マグネシウム含有錠剤。
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