JP7340572B2 - 酸化マグネシウム錠剤 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化マグネシウム粒子を主成分として含む錠剤に関する。
酸化マグネシウム粒子を主成分とする錠剤は、制酸、緩下、マグネシウム補給、抗低マグネシウム血症など各種用途へ使用する錠剤として知られ広く使用されている。しかしながら、酸化マグネシウム錠剤は成形性が乏しいため、摩損度が高く、輸送・運搬時の割れ欠けやキャッピングが問題となっている。摩損やキャッピングの発生により、製造中・輸送中・調剤時の錠剤の割れ欠けが問題となる。硬度が高く摩損度の低い、成形性の良い錠剤を得るために、嵩密度の低い混合末を圧縮することが一般的である。しかし、その一方で圧縮時において錠剤内部に空気を抱き込むことで、キャッピングが起こりやすくなる。その為、摩損度の低減とキャッピング発生率の低減の両立が課題となっている。
ここで、キャッピングを軽減するための種々の試みがなされている。例えば特許文献1では、乾式造粒時に結合剤と崩壊剤を配合することで、打錠時に臼杵の摩耗が抑制され、臼杵が削れることによって起こるキャッピングに対処した例が示されている。特許文献2では、杵形状を空気が抜けやすい形状にすることで、圧縮時に空気が抜けきらないことによって起こるキャッピングを抑制する工夫がなされている。
酸化マグネシウム錠剤の場合、高圧縮性で塑性変形性の高い添加剤としてセルロースやセルロース誘導体を添加することがあるものの、流動性の低下、酸化マグネシウム粒子の凝集による崩壊時間の遅延、チューブ通過性の低下、キャッピングの発生率上昇に対する懸念のため、造粒前に添加することがあっても造粒後に添加することは通常行わないのが当該分野の技術常識である。にもかかわらず、特許文献2では、二種類の崩壊剤及び二種類の結合剤(結晶セルロース)を用いた処方とし、それらを造粒前後の両方において添加し検討を行い、短時間崩壊性の長期持続と強度を改善する試みを行っている。しかしながら、キャッピングの発生率の改善については専らその形状を工夫することにより達成しようとするものである。
特開2003-146889号公報 特表2011-030659号公報
本発明の課題は、摩損度の低減及びキャッピング発生率の低減を両立できる酸化マグネシウム錠剤を提供することにある。
本発明者らは、酸化マグネシウム粒子を主成分とする錠剤の摩損度の低減及びキャッピング発生率の低減を両立すべく鋭意検討した結果、内部添加剤及び外部添加剤に含まれるセルロース及び/又はセルロース誘導体の配合を最適化することにより、意外にも摩損度及びキャッピング発生率が共に低減された錠剤が得られるとの新規な知見に想到し、その適切な配合割合を見出し本発明を完成させた。
即ち、本発明は例えば以下の態様を提供する。
[1]
酸化マグネシウムを有効成分とする錠剤であって、
前記錠剤が、酸化マグネシウム粒子及び内部添加剤を含む顆粒と、外部添加剤とを含むと共に、内部添加剤及び外部添加剤として少なくともセルロース及び/又はセルロース誘導体を含有し、
[内部添加剤として含有されるセルロース及び/又はセルロース誘導体]:[外部添加剤として含有されるセルロース及び/又はセルロース誘導体]の質量比が75:25~10:90の範囲内である、錠剤。
[2]
前記セルロース及び/又はセルロース誘導体が、結晶セルロース、微結晶セルロース、粉末セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む群より選ばれる少なくとも一種である、[1]に記載の錠剤。
[3]
錠剤全体に対する酸化マグネシウム粒子の含有割合が80~90質量%である、[1]又は[2]に記載の錠剤。
[4]
前記顆粒に、クロスカルメロースナトリウム、トウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、クロスポビドン及びカルボキシスターチナトリウムを含む群より選ばれる少なくとも一種を錠剤全体に対し1~3.5質量%含有する、[1]~[3]のいずれか1項に記載の錠剤。
[5]
酸化マグネシウムを有効成分とする錠剤の製造方法であって、
酸化マグネシウム粒子と、セルロース及び/又はセルロース誘導体を含む内部添加剤とを混合すること;
前記混合物を造粒し、顆粒にすること;
前記顆粒にセルロース及び/又はセルロース誘導体を含む外部添加剤を添加し打錠すること;を含み、
[内部添加剤として含有されるセルロース及び/又はセルロース誘導体]:[外部添加剤として含有されるセルロース及び/又はセルロース誘導体]の質量比が75:25~10:90の範囲内である、製造方法。
[6]
前記セルロース及び/又はセルロース誘導体が、結晶セルロース、微結晶セルロース、粉末セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする[5]に記載の方法。
[7]
[5]又は[6]に記載の方法により製造された錠剤。
本発明によれば、内部添加剤及び外部添加剤に含まれるセルロース及び/又はセルロース誘導体の比率を調整することにより、酸化マグネシウム粒子を主成分とする錠剤の摩損度及びキャッピング発生率を同時に低減することが可能になる。摩損度及びキャッピング発生率の両方が低減すると、製造中・輸送中・調剤時の割れ欠けの抑制が可能となる。
以下、本発明について具体的な実施形態に基づき説明するが、本発明はこれらの形態に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない限りにおいて、任意の改変を加えて実施することが可能である。
[概要]
上述のように、酸化マグネシウム錠剤は成形性が乏しいため、摩損度が高く、キャッピングも問題となっているが、摩損度を下げるべく硬度を高くすると、成形性は向上するものの圧縮時における空気の抱き込みによりキャッピングの発生率が上がってしまう。その為、摩損度の低減とキャッピング発生率低減の両立が課題となっている。特許文献2では、造粒前後に二種類の崩壊剤及び二種類の結合剤(結晶セルロース)を添加し種々の検討を行ったが、内部添加剤及び外部添加剤に含まれるセルロース及び/又はセルロース誘導体の比率を調整することによる摩損度の低減とキャッピング発生率の低減の両立について想到することはなかった。
本発明者らは、摩損度の低減とキャッピング発生率低減の両立を実現すべく鋭意検討を行ったところ、意外にも、造粒前及び造粒後にセルロース及び/又はセルロース誘導体を添加するのみならず、造粒前に添加される内部添加剤及び造粒後に添加される外部添加剤に含まれるセルロース及び/又はセルロース誘導体の比率を最適化することによって、摩損度の低減とキャッピング発生率低減の両立を図ることに想到した。本発明は、斯かる本発明者等の意外な知見に基づくものである。
[摩損度]
本発明において「摩損度」とは、錠剤の衝撃に対する摩損性や脆さの指標であって、「第十七改正日本薬局方、参考情報・錠剤の摩損度試験法」に記載の方法で測定できる。具体的には、6.5gに近い量の錠数に対し、錠剤摩損度計(富山産業株式会社製、錠剤摩損度試験器 TFT-1200)を用いて、100回転(24~26回転/分)の摩損を試験錠剤に与え、摩損前の錠剤初期質量と摩損後の錠剤質量を測定し、下記の式1に従い摩損度を算出することにより求めることができる。
Figure 0007340572000001
本発明の錠剤の摩損度の範囲は、上記測定法を用いた場合、上限としては、0.40%未満であればよいが、中でも0.35%未満、さらには0.30%未満が好ましい。一方で、摩損度は低ければ低いほうが望ましいため下限は特に設けない。
[キャッピング]
本発明において「キャッピング」とは、錠剤の上面又は下面部分が断面片として剥離することを指し、錠剤製造過程の打錠時、輸送時、分包時等の衝撃により発生する。キャッピング発生率はカセットローター試験により求めることができる。具体的には、高さ2mの位置にセットしたカセットローター(TOSHO製、マグミット錠500mg用)より錠剤を排出させ、落下した錠剤よりキャッピング錠数をカウントし、十分な数、例えば、100錠の試験錠剤を試験し、その内キャッピングが発生した錠剤の数をカウントし、その割合を以下の式2に従って算出することで求めることができる。その際使用する床材仕様としては、コンクリート金ごて+エポキシ系塗床材+ペースト工法(厚み2mm)(ABC商会)ケミクリートE又はその同等品仕様を採用することができる。
Figure 0007340572000002
本発明の錠剤のキャッピング発生率の範囲は、上記測定法を用いた場合、12%未満、中でも11%未満、さらには10%未満が好ましい。一方で、キャッピング発生率は低ければ低いほうが望ましいため下限は特に設けない。
[硬度]
本発明において「硬度」とは、錠剤の硬さの指標であって、市販の錠剤硬度計で測定できる。具体的には、錠剤硬度計DC-50(岡田精工(株))等を用いて直径方向の錠剤硬度を測定することで求めることができる。本発明の効果の奏効の観点から、硬度が低すぎると摩損度が上昇するため、下限としては30N以上、中でも40N以上、さらには50N以上が好ましい。一方で、硬度は高ければ高いほうが望ましいため上限は特に設けない。
[崩壊時間]
本発明において「崩壊時間」とは溶液中における錠剤の崩壊しやすさの指標である。崩壊時間は第十七改正日本薬局方、一般試験法・崩壊試験法により測定することができる。具体的には、崩壊試験器(富山産業株式会社製、崩壊試験器 NT-20HS)を用い、適切な数、例えば6錠の試験錠剤の試験溶液、例えば、水における崩壊時間を測定することにより求めることができる。崩壊時間が適切であると服用により口腔内で短時間で崩壊する飲み易い錠剤が提供できるため好ましい。適切な崩壊時間の上限としては、20秒以下、中でも15秒以下、さらには11秒以下が好ましい。下限は特に制限されないが、通常は5秒以上、又は1秒以上である。
[セルロース及び/又はセルロース誘導体]
本発明において「セルロース」とは、β-グルコース分子がグリコシド結合により直鎖状に重合した(C6105nで表される直鎖状高分子を指し、例えば、結晶セルロース、微結晶セルロース、粉末セルロース等が挙げられる。「セルロース誘導体」とは、このようなセルロース分子中のヒドロキシ基に、エーテル結合あるいはエステル結合により異なる置換基を導入したものを指し、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。本発明において定義される「セルロース及び/又はセルロース誘導体」は、上述の「セルロース」及び「セルロース誘導体」から選択される少なくとも一種を指す。低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとは、極めて少量のヒドロキシプロポキシ基をグルコース環に導入したセルロース、つまり低いレベルでO-(2-ヒドロキシプロピル)化したモル置換度=0.2~0.4のセルロースを指す。このようなセルロース誘導体の形状としては、例えば、粉末状、粒子状、微粒子状などがある。
セルロース及び/又はセルロース誘導体としては、合成してもよく市販のものを使用してもよい。市販品としては、旭化成株式会社の各種グレードのセオラス(登録商標)、例えば、セオラス(登録商標)PH-101、UF-711、PH-102、PH-200、PH-301、PH-302、PH-20JP、UF-702、KG-802、KG-1000といった結晶セルロース等が使用できる。
[酸化マグネシウム粒子]
本発明において使用する酸化マグネシウム粒子は、マグネシウムの酸化物(MgO)の粒子である。本発明において使用する酸化マグネシウム粒子は、水酸化マグネシウム粒子を焼成して得ることができる。例えば、レーザー回折散乱法による平均粒子径が1~10μmの水酸化マグネシウムを600~1000℃で焼成することにより得ることができる。酸化マグネシウム粒子としては、合成してもよく市販のものを使用してもよい。協和化学工業(株)製の重質グレード、神島化学工業(株)製の粉末グレード、又は富田製薬(株)製の軽質グレード、及び重質グレードの日局酸化マグネシウム等が使用できる。
本発明において使用する酸化マグネシウム粒子は、粉末状又は顆粒状のいずれでもよいが、顆粒状の方が打錠機の摩耗防止効果に優れ、しかもより形状保持安定性に優れた高含有量の錠剤を得ることができる。
本発明において使用する酸化マグネシウム粒子は、限定されるものではないが、所定の粒子径を有していることが好ましい場合がある。例えば、レーザー回折散乱法で測定される酸化マグネシウム粒子の平均粒子径の上限は、例えば通常40μm以下、又は20μm以下、又は10μm以下とすることができる。酸化マグネシウム粒子の平均粒子径を前記上限以下とすることにより、錠剤崩壊時の懸濁粒子径が小さくなり、口腔内でのザラツキが少ない錠剤が得られるという効果が得られる場合がある。一方、当該平均粒子径の下限は、制限されるものではないが、製造上の限界や費用対効果から、例えば通常0.25μm以上、又は0.5μm以上、又は1μm以上とすることができる。
本発明の酸化マグネシウム粒子及びその原料となる水酸化マグネシウム粒子の平均粒径及び平均粒子径を求める際に採用するレーザー回折散乱法による測定は、通常使用される機器、例えば、粒度分布測定器(マイクロトラックベル株式会社 MT3300EX2)等を用いることにより達成できる。
本発明において使用する酸化マグネシウム粒子の嵩密度は、高過ぎると硬度低下を引き起こす場合があるので、上限としては、0.8g/mL、又は0.7g/mL以下とすることができる。一方で、嵩密度が低過ぎるとキャッピング及びラミネーション引き起こす場合があるので、下限としては、0.1g/mL以上、又は0.2g/mL以上とすることができる。嵩密度は、例えば、100mL ステンレスCup(実測質量値(g)/100(mL))を用いて測定することができる。
本発明において使用する酸化マグネシウム粒子の安息角は、大き過ぎると流動性悪化から打錠時の錠剤質量バラツキに繋がる場合があるので、上限としては、50°以下、又は48°以下とすることができる。一方で、安息角は低ければ低いほうが望ましいため下限は特に設けない。安息角は、例えば、株式会社セイシン企業製のマルチテスターMT-1を用いて測定することができる。
[錠剤]
本発明のある側面は、酸化マグネシウムを有効成分とする錠剤であって、酸化マグネシウム粒子及び内部添加剤を含む顆粒と、外部添加剤とを含むと共に、内部添加剤及び外部添加剤として少なくともセルロース及び/又はセルロース誘導体を含有し、[内部添加剤として含有されるセルロース及び/又はセルロース誘導体]:[外部添加剤として含有されるセルロース及び/又はセルロース誘導体]の質量比が一定範囲内にある、錠剤に関する。
酸化マグネシウム粒子は、本発明の効果の奏効の観点から、内部添加剤と共に顆粒に含まれることが好ましい。酸化マグネシウム粒子の含有率は、高すぎると成形性が不十分となる場合があるため、錠剤全体に対し例えば90質量%以下、又は88質量%以下とすることができる。一方で、低すぎるとその分、高圧縮性および塑性変形性の高い添加剤を配合できるため成形性が高い錠剤が得られる一方、一錠あたりのコストが高くなる。よって、錠剤全体に対し例えば80質量%以上、又は85質量%以上とすることが好ましい。
本発明の錠剤は、[内部添加剤として含有されるセルロース及び/又はセルロース誘導体]:[外部添加剤として含有されるセルロース及び/又はセルロース誘導体]の質量比が一定範囲内にある。外部添加剤として含有される比率を増加させることにより硬度上昇と摩損度低減が期待できるが、増加しすぎるとキャッピング発生率の増加やチューブ通過性の低下を招いてしまう。よって、外部添加剤として含有される質量比は、錠剤全体に含まれるセルロース及び/又はセルロース誘導体の質量を100とした場合、上限を90以下、例えば、88以下、85以下、80以下、75以下とすることが好ましく、下限を20超、例えば、21以上、22以上、23以上、24以上、25以上とすることが好ましい。一方で、内部添加剤として含有される割合が少な過ぎると、圧密化が不十分となることで微細粒子が多く発生し、空気を抱きやすくなることで、その後の打錠時に空気が抜けきらず、キャッピング錠を発生させる場合があるため一定量の配合が必要であるが、逆に内部添加剤として含有される割合が多過ぎると、造粒により圧密化された顆粒が得られるため、打錠時の更なる圧密化により顆粒が破壊されにくくなることで成型性の低下、すなわち摩損度の上昇を惹起する。よって、内部添加剤として含有される質量比は、錠剤全体に含まれるセルロース及び/又はセルロース誘導体の質量を100とした場合、上限を80未満とすることが好ましく、例えば、79以下、78以下、77以下、76以下、75以下とすることが好ましく、下限を10以上、例えば、12以上、15以上、20以上、25以上とすることが好ましい。
また、錠剤全体に対するセルロース及び/又はセルロース誘導体の含有率は、多過ぎると一錠あたりのコストが高くなるため、錠剤全体に対し20質量%以下、又は15質量%以下、又は12質量%以下とすることができる。一方で、少な過ぎると本発明の効果が奏されなくなる場合があるため、錠剤全体に対し5質量%以上、又は7質量%以上、又は9質量%以上とすることができる。
本発明の錠剤において、上で定義したセルロース及び/又はセルロース誘導体は、内部添加剤及び外部添加剤いずれにおいても賦形剤又は結合剤として使用されることが好ましい。また、内部添加剤と外部添加剤に含有されるセルロース及び/又はセルロース誘導体は、同一のものであっても異なっていてもよい。
本発明において、内部添加剤とは、錠剤の製造において造粒工程の前に有効成分に添加され混合される一又は複数の物質を含む添加剤を指す。内部添加剤として、上で定義したセルロース及び/又はセルロース誘導体以外にも他の添加剤を添加してもよい。とりわけ、上述のような好ましい崩壊時間に調整するため、上で定義した特定の比率で内部添加剤及び外部添加剤に含有されるセルロース及び/又はセルロース誘導体に加えて、内部添加剤として、クロスカルメロースナトリウム、トウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、クロスポビドン及びカルボキシスターチナトリウムといった崩壊剤を添加することが好ましい。崩壊剤としては、合成してもよく市販のものを使用してもよい。市販品としては、ニチリン化学工業(株)製のキッコレート(登録商標)ND-2HS等の市販品が使用できる。錠剤の成形が困難となる場合があるため、上限としては、錠剤全体に対し例えば5質量%以下、又は3.5質量%以下とすることができる。一方で、少な過ぎると崩壊が困難となる場合があるため、下限としては、錠剤全体に対し例えば1質量%以上、又は2質量%以上とすることができる。
本発明において、外部添加剤とは、錠剤の製造において、造粒工程後に製造された顆粒に添加され顆粒と共に打錠される一又は複数の物質を含む添加剤を指す。外部添加剤として、上で定義した特定の比率で内部添加剤及び外部添加剤に含有されるセルロース及び/又はセルロース誘導体以外にも他の添加剤を添加してもよい。とりわけ、本発明の奏功の観点から滑沢剤を添加することが好ましい。滑沢剤としてステアリン酸及びその塩(Mg,Ca塩)等が挙げられ、好ましくはステアリン酸塩、中でもステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸カルシウムが好ましい。滑沢剤としては、合成してもよく市販のものを使用してもよい。滑沢剤は多すぎると崩壊遅延につながる場合があるため、上限としては、錠剤全体に対し例えば2質量%以下、又は1.5質量%以下、又は1.0質量%以下とすることができる。一方で、滑沢剤が少なすぎると杵、臼に付着する場合があるため、錠剤全体に対する滑沢剤の添加量の下限としては、例えば0.2質量%以上、又は0.5質量%以上、又は0.9質量%以上とすることができる。
本発明の錠剤の形状は、本発明の効果の奏功、経口剤としての飲みやすさ等を考慮すれば特に限定されないが、例えば、直径の上限は14mm以下、又は10mm以下とすることができ、下限は5mm以上、又は6mm以上とすることができる。厚みの上限も同様に特に制限されないが、8mm以下、又は7mm以下、下限は3mm以上、又は4mm以上とすることができる。また、例えば、キャッピングを更に抑制する目的で特許文献2に示すような形状等としてもよい。
本発明の錠剤の質量は、酸化マグネシウムを有効成分とする錠剤として通常使用される経口剤としての範囲内であれば特に限定されず、例えば、1個当たり、上限は1000mg以下、又は800mg以下、又は600mg以下とすることができ、下限は10mg以上、又は50mg以上、又は100mg以上とすることができる。
本発明の錠剤は、ヒト又は動物用の医薬品として制酸、緩下、尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防等のために経口投与される。また、マグネシウム補給、抗低マグネシウム血症等を目的としたヒト又は動物用のサプリメントとしても用いることができる。その投与量は用途、目的あるいは病状によって左右される。例えば、制酸剤として使用する場合は、酸化マグネシウム換算で成人1人当り、通常1日0.5~1.0gを数回に分割経口投与される。緩下剤として使用する場合は、酸化マグネシウム換算で成人1人当り、通常1日2gを食前又は食後の3回に分割経口投与するか、または就寝前に1回投与される。尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防として使用する場合は、酸化マグネシウム換算で成人1人当り、通常1日0.2~0.6gを多量の水ともに経口投与される。その他の用途の場合、通常マグネシウムの耐容上限量の範囲内で摂取される。例えば、通常の食品以外からの摂取につき、マグネシウム換算で健康な成人の場合1日350mg、健康な小児の場合1日体重1kg当たり5mgが米国の食事摂取基準として設定されている(Institute of Medicine (IOM). Food and Nutrition Board. “Dietary Reference Intakes: Calcium, Phosphorus, Magnesium, Vitamin D and Fluoride”. Washington, DC: National Academy Press, 1997)。
本発明の医薬品は、有効成分による所望の制酸剤、緩下剤、尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防が用法として日本国内で承認されている。その各用途において期待する効果、ならびに摩損度の低減とキャッピング発生率の低減を実質的に妨げない限りにおいて、内部添加剤及び/又は外部添加剤に、更に1種又は2種以上の他の任意の成分を含有していてもよい。斯かる他の成分としては、制限されるものではないが、例えば各種の医薬的に許容可能な種々の医薬添加剤、例えば、色素、風味剤、等が挙げられる。これらの成分は、何れか1種を単独で使用してもよく、何れか2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[錠剤の製造方法]
本発明の別の側面は、酸化マグネシウムを有効成分とする錠剤の製造方法であって、
酸化マグネシウム粒子と、セルロース及び/又はセルロース誘導体を含む内部添加剤とを混合すること;
前記混合物を造粒し、顆粒にすること;
前記顆粒にセルロース及び/又はセルロース誘導体を含む外部添加剤を添加し打錠すること;を含み、
[内部添加剤として含有されるセルロース及び/又はセルロース誘導体]:[外部添加剤として含有されるセルロース及び/又はセルロース誘導体]の質量比が75:25~10:90の範囲内である、製造方法に関する。
まず、酸化マグネシウム粒子、セルロース及び/又はセルロース誘導体及び任意により1種又は2種以上の他の成分を含む内部添加剤を、公知の方法に従って混合する。
その後、結果物である混合物を造粒し顆粒にする。本発明の錠剤の成分から鑑みて乾式造粒により造粒することが好ましい。例えば、市販の乾式造粒機(フロイント産業株式会社製 乾式造粒機 RC-156)を用い、通常の造粒条件で造粒を行うことにより顆粒を製造できる。
このようにして製造された顆粒に、セルロース及び/又はセルロース誘導体及び任意により1種又は2種以上の他の成分を含む外部添加剤を添加し打錠する。外部添加剤の添加は、顆粒の周囲に外部添加剤を添加できるような方法であれば任意の方法が採用される。打錠圧は一錠当りのパンチ圧として、例えば、上限は20kN以下、又は18kN以下、又は16kN以下、下限は2kN以上、又は3kN以上、又は4kN以上とすることができる。杵の形状は標準Rの他、二段R、糖衣R、隅角R、隅角平面、隅丸平面等のいずれであってもよい。
以上、本発明の種々の側面について説明したが、本発明はこれらの側面に限定されるものではない。当業者であれば明らかなように、上記の詳細な説明及び後述の実施例等の記載から、本発明の別の任意の側面を抽出することも可能である。
以下、本発明を実施例に則して更に詳細に説明するが、これらの実施例はあくまでも説明のために便宜的に示す例に過ぎず、本発明は如何なる意味でもこれらの実施例に限定されるものではない。
[処方]
以下の表に示す処方にて錠剤を製造した。
Figure 0007340572000003
Figure 0007340572000004
上記各実施例および比較例で使用した原料の詳細は以下の通りである。
酸化マグネシウム:協和化学工業(株)製 日局酸化マグネシウム(重質グレード)
結晶セルロース:旭化成株式会社製 セオラスPH-101 (実施例1-4、比較例1-3)、セオラスUF-711(実施例5-8、比較例4-6)
クロスカルメロースナトリウム:ニチリン化学工業(株)製 キッコレートND-2HS
ステアリン酸カルシウム:太平化学産業(株)製 ステアリン酸カルシウム 植物性
本実施例で使用した酸化マグネシウムの物性を測定したところ、以下の通りであった。
・平均粒子径:7.691μm(マイクロトラックベル株式会社 MT3300 EX2を使用したレーザー回折散乱法により測定)
・嵩密度:0.249g/mL(100mL ステンレスCup(実測質量値(g)/100(mL))により測定)
・安息角:41.7°(株式会社セイシン企業製 マルチテスターMT-1により測定)
[製造方法]
上記処方に従い各原料を電子天秤(メトラートレド社製、5kg秤量 PB5001-S/FACT)を用いて1.5万錠スケールで秤量した。
1.混合
秤量した酸化マグネシウム及び内添剤の原料をポリエチレン袋(1100mm×600mm)に投入し、袋を左右30回振り混合した。混合工程後、100mL ステンレスCup(実測質量値(g)/100(mL))を用いて嵩密度を測定した。
2.造粒
得られた混合物に対し乾式造粒機(フロイント産業株式会社製 乾式造粒機 RC-156)を用い、下記の造粒条件で造粒を行うことにより顆粒を製造した。
Figure 0007340572000005
造粒後、以下評価項目につき評価を行った。
・フレーク率:造粒工程を1分間行った1分間処理品(A)及び該1分間処理品(A)を1000μmでふるったもの(B)の質量を測定し下記の式3より算出
Figure 0007340572000006
・嵩密度:100mL ステンレスCup(実測質量値(g)/100(mL))を用いて測定
・粒度分布:粒度分布測定器(株式会社セイシン企業製 レーザー回折散乱式粒度分布測定器 LMS-2000e)を用いて測定
3.外添剤添加
上記顆粒と秤量した外添剤の原料をポリエチレン袋(1100mm×600mm)に投入し、袋を左右30回振り混合した。
混合後、以下評価項目につき評価を行った。
・嵩密度:100mL ステンレスCup(実測質量値(g)/100(mL))を用いて測定
・安息角:株式会社セイシン企業製 マルチテスターMT-1により測定
4.打錠
混合した顆粒及び外添剤を以下の条件で打錠機(株式会社菊水製作所製 小型高速回転式錠剤機 VIRG)を用いて打錠した。
Figure 0007340572000007
打錠後、以下評価項目につき評価を行った。
・質量:(試験錠数:10錠)
・厚み:(試験錠数:5錠)、ピーコック社製 シックネスゲージを使用
・硬度:(試験錠数:10錠)、岡田精工株式会社製 ロードセル式卓上硬度計 DC-50を使用
・摩損度試験:富山産業株式会社製 錠剤摩損度試験器 TFT-1200を使用し、100回転(試験錠数:6.5gにできるだけ近い量の錠数)で実施
・崩壊時間:(試験錠数:6錠)、第十七改正日本薬局方、一般試験法・崩壊試験法に準拠。崩壊試験器(富山産業株式会社製、崩壊試験器 NT-20HS)を用い、水における試験錠剤の崩壊時間を測定
・打錠状況:打錠圧/打錠障害の有無を目視で確認
・懸濁粒子径D50(μm):(試験錠数:1錠)、セイシン企業(株)製レーザー回折散乱式粒度分布測定器LMS-2000eを用い、試験錠剤を水に懸濁させた際の懸濁粒子径を測定
・チューブ通過性5Fr:カテーテル用シリンジ(ニプロ(株)製 経腸栄養注入セットシリンジDS20mLカテーテルイエロー)の押子を抜き取り、外筒内に錠剤を1錠入れ、押子を戻し、55℃の温湯20mLを吸い取り、筒先に蓋をして5分間静置する。5分後に前記カテーテルシリンジを手で90度15往復横転した後に、経管栄養チューブ(アトムメディカル製 アトム栄養カテーテルT;太さ5Fr、長さ120cm)を連結し、内部の懸濁液および洗浄用のイオン交換水20mLをさらに注入し、チューブ閉塞の可否を確認した。本試験は3回行い、チューブが閉塞しなかった場合は適、閉塞した場合は不適で評価した。
・打錠工程圧縮率の算出:充填深さ(a)、本圧圧縮厚み(b)とし、下記式4により算出
Figure 0007340572000008
[結果]
混合後の結果物(混合品)嵩密度の測定結果を以下表に示す。
Figure 0007340572000009
Figure 0007340572000010
混合品の嵩密度は実施例及び比較例のいずれも0.20~0.25(g/mL)の範囲内にあり特に大きな差は見られなかった。
造粒後の顆粒(造粒品)の各項目の測定結果を以下表に示す。
Figure 0007340572000011
Figure 0007340572000012
造粒性に関しては、内部添加剤として含有される結晶セルロースが多いほど処理能力、フレーク率は良く、造粒品の嵩密度を高めることができた。よって内部添加剤にある程度の結晶セルロースを含めた方が好ましいことが導かれる。
外添剤添加後の測定結果を以下表に示す。
Figure 0007340572000013
Figure 0007340572000014
外部添加剤に結晶セルロースを含まない比較例1、比較例4と、外部添加剤に含まれる結晶セルロースが100%の比較例3、比較例6の外部添加剤添加後の粒子径を比較すると、比較例3、比較例6では150μm Passの増加が見られたが、安息角はいずれも40°~44°の範囲内でさほど差は見られなかった為、流動性に差はないものと考えられる。
打錠後の各項目の測定結果を以下表に示す。
Figure 0007340572000015
Figure 0007340572000016
内部添加剤として含有される結晶セルロースに対し外部添加剤として含有される結晶セルロースの質量比が増大するほど(比較例1→比較例3、比較例4→比較例6)、硬度は上昇し摩損度は低減するが、キャッピング発生率の上昇と懸濁粒子の凝集が見られた。内部添加剤として含有される結晶セルロースに対し外部添加剤として含有される結晶セルロースの質量比が増大するほど、錠剤成形に寄与できる未圧縮の結晶セルロースの割合が多くなり、打錠時の圧縮率が上昇することで、硬度が上昇し摩損度の低下に繋がったものと考えられる。一方、造粒時の圧密化が不十分となるため、フレークになりきれなかった微粒子が空気を抱き込みやすくなる事と、後添加された未圧縮の結晶セルロースに影響されて打錠する顆粒全体の嵩密度も低下することから、圧縮時に脱気不足が発生し空気を抱え込んだ状態になることがキャッピング発生率上昇の原因であると考えられる。また、結晶セルロースの全量が外部添加剤として含有される比較例3では、チューブ通過性試験における詰まりも見られた。よって、摩損度の低減のために外部添加剤として含有される結晶セルロースの質量比は、錠剤全体に含まれるセルロース及び/又はセルロース誘導体の質量を100とした場合、おおよそ25以上であると好ましく、おおよそ90以下であると適切であると考えられる。
打錠後の錠厚はいずれも5.3~5.5mmの範囲内にあり大きな差は見られなかった。崩壊時間については、実施例及び比較例いずれも適切な範囲内にあった。
以上の結果より、とりわけ、[内部添加剤として含有されるセルロース及び/又はセルロース誘導体]:[外部添加剤として含有されるセルロース及び/又はセルロース誘導体]の質量比を75:25~10:90の範囲内、例えば75:25~20:80の範囲内、とりわけ75:25~25:75の範囲内に調整することにより摩損度及びキャッピング発生率の低減を両立できる酸化マグネシウム錠剤を効率よく製造できることが分かった。更には、このような比率とすると、成形性、造粒性、打錠性、流動性、チューブ通過性といった錠剤製造時に求められる物性、並びに崩壊性といった酸化マグネシウム錠剤に求められる物性を担保しつつ、摩損度の低減とキャッピング発生率低減の両立を図ることが可能になる。
本発明は、酸化マグネシウム粒子を主成分とする錠剤の摩損度の低減とキャッピング発生率低減の両立が求められる産業分野、特に医薬品製造及び流通の分野において、極めて高い利用可能性を有する。

Claims (2)

  1. 酸化マグネシウムを有効成分とし、第十七改正日本薬局方、一般試験法・崩壊試験法における崩壊時間が20秒以下である錠剤の製造方法であって、
    酸化マグネシウム粒子と、賦形剤又は結合剤を含む内部添加剤とを混合すること;
    前記混合物を乾式造粒し、乾式造粒顆粒にすること;及び
    前記乾式造粒顆粒に賦形剤又は結合剤を含む外部添加剤を添加し打錠すること;
    を含み、
    前記酸化マグネシウム粒子は、嵩密度が0.1g/mL以上、0.8g/mL以下であり、
    [内部添加剤として含有される賦形剤又は結合剤]:[外部添加剤として含有される賦形剤又は結合剤]の質量比が75:25~10:90の範囲内であり、
    前記賦形剤又は結合剤は、セルロース及び/又はセルロース誘導体であり、前記セルロース及び/又はセルロース誘導体が、結晶セルロース、微結晶セルロース、粉末セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む群より選ばれる少なくとも一種である、製造方法。
  2. 錠剤全体に対する前記セルロース及び/又はセルロース誘導体の含有割合が、5~20質量%である請求項に記載の製造方法。
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