JP2012213375A - リグノセルロース含有バイオマスの酵素糖化処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 使用酵素を反応液から高回収率で回収して長期間にわたって循環利用することを可能とするリグノセルロース系原料の工業的な酵素糖化処理方法を提供する。
【解決手段】 酵素含有水に酵素糖化反応に適した原料とする前処理を施したリグノセルロース系原料を水溶性塩類と共に添加し、原料懸濁液の電気伝導度を5〜25mS/cmに維持して酵素糖化処理を行い、酵素糖化処理後の処理懸濁液から酵素含有液を回収し、回収した酵素含有液を前記酵素糖化に使用する酵素として循環するリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、糖化に適した処理を施したリグノセルロースを含有するバイオマスをセルロース分解酵素やヘミセルロース分解酵素からなる酵素群により糖化処理する反応を含むリグノセルロース系バイオマスの酵素糖化処理方法において、使用する酵素群を反応液から高回収率で回収して長期間にわたって循環利用することを可能とするリグノセルロース系バイオマスの酵素糖化処理方法に関する。
糖化に適した処理を施したリグノセルロース原料から糖を製造する技術は、この糖を微生物の発酵基質として用いることによりガソリンの代替燃料となるアルコールや、プラスチック原料となるコハク酸や乳酸などの化成品原料を製造することができることから、循環型社会の形成に有益な技術である。
植物系バイオマス中の多糖類から発酵基質となる単糖や小糖類を製造する方法は2つに大別できる。一つは鉱酸を用いて加水分解する酸糖化法であり、もう一つは酵素やその酵素を生産する微生物を用いて加水分解する酵素糖化法である。
酸糖化法は酵素糖化法に比べて技術的に完成されているが、リグノセルロース系バイオマスを原料とする方法の場合は、澱粉や廃糖蜜などを原料とする方法に比べて糖収率が低いことに加えて、処理工程から排出される廃酸の処理設備や、酸による腐食に耐え得る大型の設備が必要となること等が製品コストの増大原因となっていて実用化の大きな障壁となっている。
一方、酵素糖化法は、近年酵素の価格が下がってきていることと技術の進歩から、後処理まで含めた全体のコストで酸糖化法のコストに近づいてきてはいるが、酵素糖化法の全体コストに占める割合が高い酵素の価格は依然として高いことから、酵素糖化法の実用化のためには酵素にかかる費用の一層の低減が重要である。
酵素糖化法のコストを下げる技術としては、セルロース繊維への酵素のアクセスを容易にする前処理の方法の開発や、結晶性セルロースを効率よく糖化する方法の開発、更には酵素の効率的な回収、再利用方法の開発などが考えられる。
リグニンを除去していないリグノセルロース材料は、リグニンを除去したリグノセルロース材料と比べて酵素によって分解されにくく、糖化されずに樹脂、金属などの不純物と一緒に糖化液中に残渣として残る。一般に、この残渣はスクリーン、遠心分離等により分離し廃棄される。この残渣には酵素糖化法におけるコストの中で大きな比重を占めている酵素が多量に吸着されているため、反応液から分離した残渣をそのまま廃棄してしまうと高価な酵素も廃棄されてしまうという問題があった。
上記のような残渣中の酵素の回収手段として、残渣の洗浄が考えられる。しかし、酵素は、その分子内に有しているセルロースに特異的に吸着するセルロースバインディングドメイン(CBD)等によりセルロースと強固に結合しているため、単なる水洗浄ではセルロースに吸着した酵素を十分に回収することは困難であった。
そこで、酵素の回収率の改善を目的として界面活性剤を添加して処理する方法(特許文献1参照)などが提案されている。しかし、界面活性剤処理法でも、酵素の回収率が十分であるとはいえず、また、薬品添加による酵素の失活や、処理工程付加に伴うコストアップ及び後の発酵段階における微生物への悪影響などが懸念されることなどから実用的ではない。
糖液からの酵素の回収法としては、限外濾過を用いた方法(特許文献2参照)、糖液に再度セルロースを添加して酵素を吸着回収する方法(特許文献3参照)などが提案されている。しかし、限外濾過法は微少な不純物がろ過膜につまり十分な処理速度及び酵素回収率が得られない問題があるし、セルロース添加による回収法では十分な酵素回収が困難であった。
吸着した酵素を剥離させる工程を経ずに、酵素が吸着しているリグノセルロース残渣を次回分の酵素糖化に再利用する方法が提案されている(特許文献4)。この方法では、残渣の蓄積は避けられないので反応効率が低下することが懸念される。また、CBH(セロビオハイドラーゼ)等、CBDを有する酵素に関してはリグノセルロース残渣を次回分で再処理することで酵素の循環利用が可能であるが、β−グルコシダーゼ等は上清中に遊離している場合もあるので、添加したセルラーゼの全てを循環利用することは困難である。
酵素のコストを下げる方法として、酵素を循環利用する方法が報告されている。Scott,C.D.らの方法(非特許文献1)によると、酵素を大量(濾紙分解活性で基質1gに対して80−160単位)に添加して古紙原料を酵素加水分解する主反応槽に、酵素加水分解液中の未反応古紙面から高剪断力で生成グルコースやセロビオース成分を除いて常に新しいセルロース繊維表面を露出させる高速遠心ポンプによる磨砕装置と、磨砕装置からの処理液から未反応原料と加水分解液を分離して未反応原料のみを主反応槽に循環する膜分離装置と、膜分離装置からの加水分解液から酵素と生成グルコース及びセロビオースを分離して酵素のみを主反応槽に循環する限外濾過装置とを有する循環ラインを設けた連続システムを想定してコストを予測している。このシステムにより、糖化率は25時間
で100%であり、酵素の残存率は24時間で95%以上であるとされている。また、酵素が残渣に吸着されて失われること、残渣の酵素の吸着機能はpHを5〜7に高めることで低下可能な場合があること、温度を5℃に下げることで低減できるという報告もあることが記載されている。
酵素を回収再利用する方法として、蒸煮・爆砕処理したシラカンバ材を5%の濃度で糖化槽に加え、2万単位のセルラーゼを添加して、限外濾過により糖液と酵素液とを分離し、酵素を回収再利用しながら、8日間で2kgのシラカンバ材から単糖類を630g得ている方法も報告されており、この方法で酵素の使用量を20%節約できたとされている(非特許文献2)。
特許昭63-87994号公報 特許昭61-234790号公報 特開昭55-144885号公報 特開2010-98951号公報
Scott,C.D.,Rothrock,D.S.,Appl.Biochem.Biotechnol.,45/46,pp.641−653(1994) Ishihara,M.,etal.,Biotechnol. Bioeng.,37,948−954(1991)
リグノセルロースなどのバイオマスから糖類を製造する技術は、これまで化石資源に頼ってきた燃料やプラスチック原料を新たに供給し得る技術であり、特に循環型社会の構築に役立つ技術である。前述したように、これまで様々な技術が開発されてはいるものの、糖化に要する酵素のコストが高いことが主たる原因で経済性がないことが課題となっている。
前記したように、糖化に用いた酵素を回収し繰り返し使用することにより酵素の使用量を削減しようという試みが種々なされているが、糖化の際に生じる残渣に酵素が強く吸着しているため、回収率が下ってしまい、問題の解決には至っていない。このように、酵素糖化の際に生じる残渣に酵素が強度に吸着することが、酵素回収の際の最大の問題であり、これを解決できれば酵素のリサイクル性は向上し、コストを低下させ、酵素糖化処理法の経済性は大きく改善できる。それ故、本発明は、リグノセルロース材料の酵素糖化処理のために投入される酵素を無駄なく有効利用することができる方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明者らは、連続的に酵素糖化反応を行う工程において、全体コストに極めて大きな割合を占める価格の高い酵素について、酵素の回収率を高めて繰り返し使用することによりコストを下げる方法を検討した結果、下記の発明をなすに至った。本発明は、酵素糖化反応液中で、酵素がリグノセルロース原料や反応残渣等に酵素が吸着されることを抑制する手段を採択することが、酵素糖化反応後の反応液からの酵素の分離を容易ならしめると共に、廃棄処理される残渣と共に酵素が系外に排出されることを防止できる手段であるという発想に基づくものである。
(1)酵素糖化反応に適した原料とする前処理が施されているリグノセルロース系原料を水溶性塩類よりなる電解質と共にセルロース糖化酵素含有水中に添加し、電気伝導度を5〜25mS/cmに調整した原料懸濁液として酵素糖化処理工程で酵素糖化処理し、酵素糖化処理後の処理懸濁液から反応生成物と酵素含有液を分離回収し、回収した酵素含有液を前記酵素糖化処理工程用の酵素として循環することを特徴とするリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(2)前記酵素糖化反応に適した原料とする前処理が施されているリグノセルロース系原料が、リグノセルロース系原料に対して化学的処理、加圧熱水処理、破砕繊維化処理及び機械的磨砕処理から選択される1つ以上の処理を含む前処理が施されているリグノセルロース含有バイオマスよりなる(1)項記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(3)前記酵素糖化反応に適した原料とする前処理が、リグノセルロース系原料を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び亜硫酸ナトリウムから選ばれるアルカリ薬品の1種もしくはそれらの混合物を含有する溶液に浸漬する化学的処理を含む前処理である(1)項又は(2)項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(4)前記酵素糖化反応に適した原料とする前処理が、リグノセルロース系原料を一軸破砕機、二軸破砕機、及びハンマークラッシャーのいずれかを用いて破砕繊維化する破砕繊維化処理を含む前処理である(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(5)前記酵素糖化反応に適した原料とする前処理が、リグノセルロース系原料をレファイナー、ニーダー、離解機、パルパー及びブロアーのいずれかを用いて磨砕する機械的磨砕処理を含む前処理である(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(6)前記リグノセルロース系原料が、樹皮である(1)項〜(5)項のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(7)前記水溶性塩類が、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の水溶性塩である(1)項〜(5)項のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(8)前記水溶性塩類が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の、ハロゲン化物、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、リン酸二水素塩、リン酸水素二塩、酢酸塩、クエン酸塩からなる群から選ばれる塩類である(1)項〜(7)項のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(9)前記酵素糖化処理方法が、リグノセルロース系原料をセルラーゼを用いた酵素糖化反応により処理して糖類を製造する方法である(1)項〜(8)項のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(10)前記酵素糖化処理方法が、リグノセルロース系原料に酵素糖化反応に適した原料とする処理を施す前処理工程、該前処理が施されたリグノセルロース系原料を水溶性塩類よりなる電解質と共にセルロース糖化酵素含有水中に添加し、電気伝導度を5〜25mS/cmに調整した原料懸濁液として酵素糖化反応により処理する酵素糖化処理工程、該酵素糖化処理工程から出る処理懸濁液から固形残渣を除去する固液分離工程、該固液分離工程から出る液体留分を遠心分離して残留残渣が除去された酵素及び糖類を含有する液体留分を得る遠心分離工程、該遠心分離工程から出る液体留分を酵素含有液と生成糖含有液に分離する膜分離工程、該膜分離工程から得られる酵素含有液を酵素糖化処理工程に酵素源として循環供給する酵素循環工程を有する一連の工程に従ってリグノセルロース系原料を
酵素糖化処理する方法である(1)項〜(9)項のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(11)前記酵素糖化処理工程が、セルラーゼ製剤と糖類を発酵基質(=原料)とする発酵用微生物を併用してリグノセルロース系原料の酵素糖化反応による処理と生成糖類の発酵用微生物による発酵処理とを併行して行って糖類と共に発酵生成物を生成する併行糖化醗酵処理工程である(1)項〜(9)項のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(12)前記酵素糖化処理方法が、リグノセルロース系原料に酵素糖化反応に適した原料とする処理を施す前処理工程、該前処理が施されたリグノセルロース系原料を糖類を発酵基質とする醗酵用微生物及び水溶性塩類よりなる電解質と共にセルロース糖化酵素含有水に添加し、電気伝導度を5〜25mS/cmに調整した原料懸濁液として酵素糖化処理と生成糖類を基質とする発酵処理を併行して行う併行糖化発酵処理工程、該併行糖化発酵工程から出る処理懸濁液から固形残渣を除去する固液分離工程、該固液分離工程から出る液体留分から蒸留により発酵生成物を分離回収する蒸留工程、該蒸留工程から得られる蒸留残液を遠心分離して残留残渣を除去して酵素及び糖類を含有する液体留分を得る遠心分離工程、該遠心分離工程から出る液体留分を酵素含有液と糖含有液に分離する膜分離工程、該膜分離工程で分離される酵素含有液を併行糖化発酵工程に酵素源として循環供給する酵素循環工程を有する一連の工程に従ってリグノセルロース系原料を併行糖化発酵処理する方法である(11)項記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(13)前記膜分離工程から分離回収される糖含有液が、オリゴ糖を主体とする糖類含有液である(11)項又は(12)項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
(14)前記遠心分離工程から出る液体留分を、前記膜分離工程を経ることなく糖類を含有する酵素含有液として酵素糖化処理工程に循環供給する(13)項記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
本発明の酵素糖化処理方法によれば、リグノセルロース系原料の未反応分や反応残渣等への糖化酵素の吸着が抑えられて、酵素処理懸濁液からの糖化酵素の分離・回収が容易となる結果、酵素損失が極めて少ない経済性の高い連続的なリグノセルロース系バイオマスの酵素糖化処理方法が提供される。
本発明のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法の一実施形態を示す工程図である。 本発明のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理工程を、酵素糖化処理と生成糖を原料とする発酵処理を併行して行う併行糖化発酵処理工程とした工程図である。
以下、本発明のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法をさらに詳しく説明する。
<リグノセルロース系原料>
本発明の酵素糖化処理方法で使用するリグノセルロース系原料としては、木質系として、製紙用樹木、林地残材、間伐材等のチップ又は樹皮、製材工場等から発生する鋸屑又はおがくず、街路樹の剪定枝葉、建築廃材等が挙げられ、草本系としてケナフ、稲藁、麦わら、バガスなどの農産廃棄物、油用作物やゴム等の工芸作物の残渣及び廃棄物(例えばEFB:Eumpty Fruit Bunch)、草本系エネルギー作物のエリアンサス、ミスカンサスやネピアグラス等のリグノセルロース系バイオマスが挙げられる。また、本発明におけるリグノセルロース系原料としては、木材由来の紙、古紙、パルプ、パルプスラッジ等も利用可能である。
前記木質系のリグノセルロース系原料の中でも、木材の樹皮は、現在ほとんど有効利用されておらず、製材工場やチップ工場で均一な品質のものが大量に入手可能であり、木材の木部部分より柔軟かつ可溶性成分が多いため、糖化処理や併行糖化発酵処理の原料として特に好ましい。
例えば、製紙原料用として一般に用いられるユーカリ(Eucalyptus)属の樹種の樹皮は、製紙原料用の製材工場やチップ工場等から安定して大量に入手可能であるため、特に好適に用いられる。
<酵素糖化処理に適した原料とする前処理>
本発明の酵素糖化処理に適した原料とする前処理とは、前記リグノセルロース系原料に以下の前処理を行って、リグノセルロースを酵素糖化可能な状態とする処理である。
化学的処理、水熱処理、加圧熱水処理、二酸化炭素添加水熱処理、蒸煮処理、湿式粉砕処理、機械的磨砕処理、破砕繊維化処理、希硫酸処理、水蒸気爆砕処理、アンモニア爆砕処理、二酸化炭素爆砕処理、超音波照射処理、マイクロ波照射処理、電子線照射処理、γ線照射処理、超臨界処理、亜臨界処理、有機溶媒処理、相分離処理、木材腐朽菌処理、グリーン溶媒活性化処理、各種触媒処理、ラジカル反応処理、オゾン酸化処理。
これらの処理は、各単独処理もしくは複数を組み合わせた処理のいずれであってもよい。
中でも、上記リグノセルロース系バイオマスに対し、化学的処理、加圧熱水処理、破砕繊維化処理及び機械的磨砕処理から選択される1つ以上の前処理を行うことが好ましい。
前記化学的処理は、酸やアルカリ等の薬品の水溶液にリグノセルロース系原料を浸漬して、次工程の酵素糖化処理に適した状態にする処理である。
化学的処理に使用する薬品等については特に限定されないが、たとえば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、硫化物、炭酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩等、硫酸、希硫酸などの酸類等から選択された1種以上であり、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、硫化ナトリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等から選択された薬品の水溶液に浸漬する処理が好適である。また、オゾン、二酸化塩素などの酸化剤による化学的処理も可能である。
化学的処理は、前記破砕繊維化処理や機械的磨砕処理と組み合わせてそれらの前処理の後処理として行うことが好適である。
化学的処理に使用する薬品の添加量は、状況に応じて任意に調整可能であるが、薬品コスト低下の面から、またセルロースの溶出・過分解による収率低下防止の面からは、リグノセルロース系原料の絶乾100質量部に対して50質量部以下であることが望ましい。
化学的処理における薬品の水溶液への浸漬時間及び処理温度は、使用する原料や薬品によって任意に設定可能であるが、一般的には、処理時間20〜90分、処理温度80〜200℃で行うことができる。処理条件を厳しくすることで、原料中のセルロースの液側への溶出又は過分解が起こる場合もあるため、処理時間は70分以下、処理温度は180℃以下であることが好ましい。
酵素糖化反応による処理に適した原料とする前処理が施されているリグノセルロース系原料に対しては、リグノセルロース系原料懸濁液の調製に使用する前に、殺菌処理を行うことが好ましい。リグノセルロース系バイオマス原料中に雑菌が混入していると、酵素による糖化を行う際に雑菌が糖を消費して生成物の収量が低下してしまうという問題が発生する。
殺菌処理は、酸やアルカリなど、菌の生育困難なpHに原料を晒す方法でも良いが、高温下で処理する方法でも良く、両方を組み合わせても良い。酸、アルカリ処理後の原料については、中性付近、もしくは、糖化処理又は糖化発酵処理に適したpHに調整した後に原料として使用することが好ましい。また、高温殺菌した場合も、室温もしくは糖化発酵工程における処理に適した温度まで降温させてから原料として使用することが好ましい。このように、温度やpHを調整してから原料を送り出すことで酵素が失活することを防ぐことができる。
酵素糖化反応による処理に適した原料とする前処理が施されているリグノセルロース系原料は、適量の水と酵素及び水溶性塩、場合によりさらに発酵に必要な酵母等の微生物と混合されて原料懸濁液とされ、電気伝導度が所定の数値に調整された状態で酵素糖化処理工程に供給される。酵素糖化処理方法を実施するための代表的な工程を図1に示す。
<酵素糖化処理>
図1の工程に従った酵素糖化処理方法の場合、図1に「糖化」として示されている酵素糖化処理工程では、「前処理」として示されている前処理工程から供給されるリグノセルロース系原料と糖化酵素と電解質としての水溶性塩類を適量の水に添加して調製されている原料懸濁液が攪拌下に酵素糖化処理される。原料懸濁液中のリゴのセルロース原料濃度は、1〜30質量%であることが好ましい。1質量%未満であると、最終的に生産物の濃度が低すぎて生産物の濃縮のコストが高くなるという問題が発生する。また、30質量%を超えて高濃度となるにしたがって原料の攪拌が困難になり、生産性が低下するという問題が発生する。
酵素糖化処理工程における原料懸濁液の電気伝導度は5mS/cm〜25mS/cmの範囲に維持することが好ましい。
pHは使用酵素が失活することのない3.5〜10.0の範囲で選択されるが、3.5〜7.5の範囲に維持することがより好ましい。
酵素糖化処理の温度は、酵素の至適温度の範囲内であれば特に制限はなく、一般的には25〜50℃であり、30〜40℃が好ましい。
また、酵素糖化反応方式としては、連続式が好ましいが、バッチ方式でも良い。
反応時間は、酵素濃度によっても異なるが、バッチ式の場合は一般的には10〜240時間であり、好ましくは15〜160時間である。連続式の場合も、一般的な平均滞留時間は10〜150時間であり、好ましくは15〜100時間である。
酵素糖化処理に使用するセルロース分解酵素は、セロビオヒドロラーゼ活性、エンドグルカナーゼ活性、ベータグルコシダーゼ活性を有する、所謂セルラーゼと総称される酵素群より適宜選択される。
各セルロース分解酵素は、夫々の活性を有する酵素を適宜の量で添加しても良いが、市販されているセルラーゼ製剤には、上記した各種のセルラーゼ活性を有すると同時に、ヘミセルラーゼ活性も有しているものが多いので市販のセルラーゼ製剤を用いても良い。
市販のセルラーゼ製剤としては、トリコデルマ(Trichoderma)属、アクレモニウム属(Acremonium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ファネロケエテ(Phanerochaete)属、トラメテス属(Trametes)、フーミコラ(Humicola)属、バチルス(Bacillus)属などに由来するセルラーゼ製剤がある。このようなセルラーゼ製剤の市販品としては、全て商品名で、例えば、セルロイシンT2(エイチピィアイ社製)、メイセラーゼ(明治製菓社製)、ノボザイム188(ノボザイム社製)、マルティフェクトCX10L(ジェネンコア社製)、GC220(ジェネンコア社製)等が挙げられる。
原料固形分100質量部に対するセルラーゼ製剤の使用量は、0.5〜100質量部が好ましく、1〜50質量部が特に好ましい。
電解質として添加する水溶性塩としては、酸性塩、塩基性塩、中性塩、あるいは酢酸緩衝液やクエン酸緩衝液のような塩含有緩衝液などから選ばれるものを単独あるいは組み合わせて使用することができる。水溶性塩の濃度は、酵素糖化反応に好ましくない影響を与えない範囲であれば自由に設定できる。
中でもアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩から選ばれる水溶性塩類が好ましい。
アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩としては、アルカリ金属やアルカリ土金属のハロゲン化物、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、リン酸二水素塩、リン酸水素二塩、酢酸塩、クエン酸塩からなる群から選ばれる水溶性塩が挙げられる。
<固液分離>
「糖化工程」を出た処理懸濁液は、図1中に「固液分離」として示されている濾過装置を有する固液分離工程に送られて固体残渣が除かれる。固液分離工程で濾過装置により分離された固体残渣はリグニン、ヘミセルロース、セルロースを含んでいるが、セルロースはリグニン等により保護されている状態で、それ以上の糖化は促進できない状態にあるので通常は工程外に排出される。
<遠心分離工程>
固液分離工程で固体残渣を除かれた液体留分は、ついで、「遠心分離」として示されている遠心分離工程に送られて固体分離工程から出る液体留分に随伴されている残留残渣が除去され、図1中に「膜分離」として示されている糖液と酵素液の回収工程に送られる。
<膜分離工程>
遠心分離工程で残留残渣が除かれた液体留分は酵素と生成糖類を含有する液体留分であり、図1に「膜分離」として示されている膜分離工程で酵素含有液と糖含有液とに分離され、酵素含有液は「回収酵素」として示されている酵素液貯槽に送られ、そこから酵素源として循環される。糖類含有液はそのまま製品として取り出される。
糖類含有液には6炭糖、5炭糖等の単糖類のみならず、オリゴ糖類も含まれているので、単糖類を製造することが目的である場合は、オリゴ糖類を分離して「糖化工程」に供給し、さらに酵素処理して単糖類に分解することもできる。
図1に「糖化工程」として示されている酵素糖化処理工程は、酵素糖化反応で生成する糖類を原料(発酵基質)とする微生物による発酵処理を同時に行う、いわゆる併行糖化発酵処理工程とすることができる。この場合、原料懸濁液には糖化酵素と共に、生成糖類を醗酵基質(発酵原料)とする発酵用微生物が加えられる。併行糖化発酵処理方法を実施するための典型的な工程は図2に示される。
図2において、前処理工程で酵素糖化処理に適した状態に処理されたリグノセルロース系原料は、電解質としての水溶性塩類、セルロース分解酵素、アルコール酵母等の発酵用微生物と共に適量の水に添加され、電気伝導度が所定の値に調整された原料懸濁液として併行糖化発酵工程において酵素糖化反応によるセルロースの糖化処理と、生成糖類を醗酵基質とするアルコール発酵等の発酵処理とが併行して行われる。
発酵用に用いられる微生物としては酵母などが用いられる。微生物はその培養に使用された培地などと一緒に添加しても良い。酵母としては、特許文献3などに記載される周知の酵母、たとえば、サッカロミセス セレビシア(Sacharomiyces cerevisae)、ピキア酵母(Pichia stipitis)、イサチェンキア オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)、カンジダ ブラッシカー(Candida brassicae)、リゾープス ジャワニクス(Rhizopus javanicus)等の酵母類(イースト)が使用できる。
微生物は固定化しておいてもよい。微生物を固定化しておくと、次工程に微生物を回収するという工程を省くことができるか、少なくとも回収工程にかかる負担を軽減することができるし、微生物をロスするリスクを軽減することもできる。また、微生物を固定化するほどでのメリットはないが、凝集性のある微生物を選択することにより微生物の回収を容易にすることができる。
図2の工程では、併行糖化発酵工程から出る処理懸濁液は、固液分離工程に送られて固体分が除かれた後、発酵生成物と糖類を含有する液体留分は、発酵生成物を分離回収するために図2に「蒸留」として示されている「蒸留工程」に送られる。蒸留工程では、減圧蒸留装置により発酵生成物が蒸留分離される。減圧蒸留によれば低い温度で発酵生成物を分離できるため、酵素の失活を防ぐことができる。減圧蒸留装置としては、ロータリーエバポレーター、フラッシュエバポレーターなどを用いることができる。
蒸留温度は25〜60℃が好ましい。25℃未満であると、生成物の蒸留に時間がかかって生産性が低下する。また、60℃より高いと、酵素が熱変性して失活してしまい、新たに追加する酵素量が増加するため経済性が悪化する。
蒸留後の蒸留残液中に残る発酵生成物濃度は0.1質量%以下であることが好ましい。このような濃度とすることによって、後段の遠心分離工程において残留残渣とともに排出される発酵生成物量を低減することができ、収率を向上させることができる。
蒸留工程からの蒸留残液は、次いで図2に「遠心分離」として示されている遠心分離工程に送られ、蒸留残液中の随伴されている残留残渣が除かれて酵素と糖類を含有する液体留分が得られる。
この酵素と糖類とを含有する液体留分は、図2に「膜分離」として示されている膜分離工程に送られて酵素含有液と糖類含有液に分離され、酵素含有液は図2に「回収酵素」として示されている酵素液貯槽を経て「併行糖化発酵工程」に循環供給される。また、糖含有液は図2に「糖」として示されている糖液貯槽に集められ、糖製品とされる。
併行糖化発酵工程では、セルロースの酵素分解生成物である六炭糖、即ち、グルコース、マンノース、ガラクトース等、ヘミセルロースに由来する五炭糖、即ち、キシロース等のほかにオリゴ糖類が生成し、グルコース等の六単糖類が主として発酵基質とされエタノールのようなアルコール等が生成する。また五炭糖、オリゴ糖は発酵基質とならないのでそのまま酵素回収工程まで酵素と共に送られてくる。このような場合、五炭糖についてはそれを確実に発酵基質とする酵母をも原料懸濁液に添加するか、あるいは、別工程で発酵処理しても良い。また、必要に応じて製品として回収してもよい。
また、オリゴ糖類については、必要に応じて製品として回収しても良いし、図1の工程に従った酵素糖化処理法について述べたと同様に、併行糖化発酵工程で酵素により単糖類に分解するための原料として利用することもできる。
以下、実施例に従って本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されるものではない。各実施例及び比較例における「%」は「質量%」、「部」は「質量部」である。
(実施例1)
48%苛性ソーダ20gを含む水1000mlに破砕した林地残材100gを投入し、90℃、30分間処理した後にリファイナー(クリアランス0.5mm)で磨砕した。これをスクリュープレスにて脱水・洗浄したものを基質原料とした。
基質原料を終濃度5%、CSL(コーンスティープリカー)を終濃度1%、硫酸アンモニウムを終濃度0.5%、さらに塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することで、電気伝導度が11.8mS/cmのリグノセルロース懸濁液400mlを調製した。
このように調製したリグノセルロース懸濁液を120℃で20分間蒸気滅菌し、40℃まで冷却した後に、酵素10ml(商品名、GC220:ジェネンコア社製)を添加した。
30℃、120rpmの攪拌下で糖化反応を行い、24時間後、48時間後の反応液1mlを回収し、10,000rpmで5分間遠心分離した上清の酵素活性を測定した。
酵素回収で最も重要とされるβ−グルコシダーゼの活性を指標にして回収率を算出した。活性測定は以下に示す方法で行った。
(β−グルコシダーゼ活性)
β−グルコシダーゼ活性の測定は、1.25mM 4−Methyl−umberiferyl−glucosideを含む125mM酢酸緩衝液(pH5.0)16μlに、酵素液4μl加え、37℃、10分間反応を行った後、500mM glycine−NaOH緩衝液(pH10.0)100μlを添加して反応を停止させ、350nmの励起光での460nmの蛍光強度を測定することで行った。酵素回収率は以下の計算式から求めた。
酵素回収率(%)=(上清の酵素活性/添加した酵素活性) ×100
(実施例2)
実施例1の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、炭酸水素ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加した以外は、実施例1と同様に行った。このときの反応系内の電気伝導度は8.6mS/cmであった。
(実施例3)
48%苛性ソーダ20gを含む水1000mlに破砕した林地残材100gを投入し、90℃、30分間処理した後にリファイナー(クリアランス0.5mm)で磨砕した。これをスクリュープレスにて脱水・洗浄したものを基質原料とした。
基質原料を終濃度5%、CSL(コーンスティープリカー)を終濃度1%、硫酸アンモニウムを終濃度0.5%、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することで電気伝導度が12.0mS/cmの原料懸濁液を400ml調製した。
このように調製したリグノセルロース懸濁液を120℃で20分間蒸気滅菌し、40℃まで冷却した後に、酵素10ml(商品名、GC220:ジェネンコア社製)を添加した。
さらに、市販酵母(商品名:Maurivin:Mauri Yeast Australia Pty Limited)を上記のように調製した原料懸濁液に添加し、30℃、120rpm攪拌下で糖化発酵培養し、24時間後、48時間後の反応液1mlを回収し、10,000rpmで5分間遠心分離した上清の酵素活性を測定した。
(実施例4)
実施例3の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、塩化カリウムを終濃度100mMとなるように添加した以外は、実施例3と同様に行った。この時の反応系内の電気伝導度は13.3mS/cmであった。
(実施例5)
実施例3の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、ヨウ化カリウムを終濃度100mMとなるように添加した以外は、実施例3と同様に行った。この時の反応系内の電気伝導度は14.5mS/cmであった。
(実施例6)
実施例3の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、硫酸ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加した以外は、実施例3と同様に行った。この時の反応系内の電気伝導度は14.7mS/cmであった。
(実施例7)
実施例3の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、亜硫酸ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加した以外は、実施例3と同様に行った。この時の反応系内の電気伝導度は13.6mS/cmであった。
(実施例8)
実施例3の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、チオ硫酸ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加した以外は、実施例3と同様に行った。この時の反応系内の電気伝導度は16.9mS/cmであった。
(実施例9)
実施例3の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、炭酸ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加した以外は、実施例3と同様に行った。この時の反応系内の電気伝導度は12.6mS/cmであった。
(実施例10)
実施例3の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、リン酸水素二カリウムを終濃度100mMとなるように添加した以外は、実施例3と同様に行った。この時の反応系内の電気伝導度は15.0mS/cmであった。
(実施例11)
実施例3の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、リン酸水素二ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加した以外は、実施例3と同様に行った。この時の反応系内の電気伝導度は11.9mS/cmであった。
(実施例12)
実施例3の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、炭酸水素ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加した以外は、実施例3と同様に行った。この時の反応系内の電気伝導度は8.9mS/cmであった。
(実施例13)
実施例3の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、クエン酸三ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加した以外は、実施例3と同様に行った。この時の反応系内の電気伝導度は15.4mS/cmであった。
(実施例14)
実施例3の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、酢酸バッファー(pH5.0)を終濃度100mMとなるように添加した以外は、実施例3と同様に行った。この時の反応系内の電気伝導度は7.1mS/cmであった。
(実施例15)
実施例3の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、クエン酸バッファー(pH5.0)を終濃度100mMとなるように添加した以外は、実施例3と同様に行った。この時の反応系内の電気伝導度は10.9mS/cmであった。
(実施例16)
48%苛性ソーダ20gを含む水1000mlに、破砕したユーカリ・グロビュラスの樹皮100gを投入し、90℃、30分間処理した後、リファイナー(クリアランス0.5mm)で磨砕した。このリファイナーからの磨砕処理液をスクリュープレスにて脱水・洗浄したものを基質原料とした。
基質原料を終濃度5%、CSL(コーンスティープリカー)を終濃度1%、硫酸アンモニウムを終濃度0.5%、さらに塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することで、電気伝導度が11.8mS/cmのリグノセルロース懸濁液400mlを調製した。
このように調製したリグノセルロース懸濁液を120℃で20分間蒸気滅菌し、40℃まで冷却した後、酵素(商品名、GC220:ジェネンコア社製)を添加した。
30℃、120rpmの攪拌下で糖化反応を行ない、24時間後、48時間後の反応液1mlを回収し、10,000rpmで5分間遠心分離した上清の酵素活性を測定した。
(実施例17)
48%苛性ソーダ20gを含む水1000mlに、破砕したユーカリ・グロビュラスの樹皮100gを投入し、90℃、30分間処理した後、リファイナー(クリアランス0.5mm)で磨砕した。このリファイナーからの磨砕処理液をスクリュープレスにて脱水・洗浄したものを基質原料とした。
基質原料を終濃度5%、CSL(コーンスティープリカー)を終濃度1%、硫酸アンモニウムを終濃度0.5%、さらに塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することで、電気伝導度が11.8mS/cmのリグノセルロース懸濁液400mlを調製した。
このように調製したリグノセルロース懸濁液を120℃で20分間蒸気滅菌し、40℃まで冷却した後、酵素(商品名、GC220:ジェネンコア社製)を添加した。
さらに、市販酵母(商品名:Maurivin:Mauri Yeast Australia Pty Limited)を上記のように調製したリグノセルロース懸濁液に添加し、30℃、120rpm攪拌下で糖化発酵培養し、24時間後、48時間後の反応液1mlを回収し、10,000rpmで5分間遠心分離した上清の酵素活性を測定した。
(実施例18)
97.0%亜硫酸ソーダ20gと苛性ソーダ1gを含む水700mlに破砕した林地残材100gを投入し、170℃、60分間処理した後にリファイナー(クリアランス0.5mm)で磨砕した。これをスクリュープレスにて脱水・洗浄したものを基質原料とした。 基質原料を終濃度5%、CSL(コーンスティープリカー)を終濃度1%、硫酸アンモニウムを終濃度0.5%、更に塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することで、電気伝導度が8.9mS/cmのリグノセルロース懸濁液400mlを調製した。
このように調製したリグノセルロース懸濁液を120℃で20分間蒸気滅菌し、40℃まで冷却後に酵素10ml(GC220:ジェネンコア社)を添加した。
30℃、120rpm攪拌下で糖化反応を行ない、24時間後、48時間後の反応液1mlを回収し、10000rpmで5分間遠心分離した上清の酵素活性を測定した。
(実施例19)
97.0%亜硫酸ソーダ20gと苛性ソーダ1gを含む水700mlに破砕した林地残材100gを投入し、170℃、60分間処理した後にリファイナー(クリアランス0.5mm)で磨砕した。これをスクリュープレスにて脱水・洗浄したものを基質原料とした。
基質原料を終濃度5%、CSL(コーンスティープリカー)を終濃度1%、硫酸アンモニウムを終濃度0.5%、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することで、電気伝導度が9.4mS/cmのリグノセルロース懸濁液を400ml調製した。
このように調製したリグノセルロース懸濁液を120℃で20分間蒸気滅菌し、40℃まで冷却した後に、酵素10ml(商品名、GC220:ジェネンコア社製)を添加した。
さらに、市販酵母(商品名:Maurivin:Mauri Yeast Australia Pty Limited)を上記のように調製したリグノセルロース懸濁液に添加し、30℃、120rpm攪拌下で糖化発酵培養し、24時間後、48時間後の反応液1mlを回収し、10,000rpmで5分間遠心分離した上清の酵素活性を測定した。
(実施例20)
実施例16の方法において、48%苛性ソーダ20gを含む水1000mlのところを、97.0%亜硫酸ソーダ20gと苛性ソーダ1gを含む水700mlに代える以外は、実施例16と同様に行った。この時の反応系内の電気伝導度は11.2mS/cmであった。
(実施例21)
実施例17の方法において、48%苛性ソーダ20gを含む水1000mlのところを、97.0%亜硫酸ソーダ20gと苛性ソーダ1gを含む水700mlに代える以外は、実施例17と同様に行った。この時の反応系内の電気伝導度は11.2mS/cmであった。
(比較例1)
実施例1の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、硫酸を添加して反応系の電気伝導度を6.5mS/cmに調整した以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例2)
実施例1の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、水酸化ナトリウムを添加して反応系の電気伝導度を8.0mS/cmに調整した以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例3)
実施例3の方法において、塩化ナトリウムを添加しない以外は、実施例3と同様に行った。この時の反応系内の電気伝導度は4.2mS/cmであった。
(比較例4)
実施例3の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、硫酸を添加して反応系内の電気伝導度を6.3mS/cmに調整する以外は、実施例3と同様に行った。
(比較例5)
実施例3の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、塩酸を添加して反応系内の電気伝導度を6.6mS/cmに調整する以外は、実施例3と同様に行った。
(比較例6)
実施例3の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、水酸化ナトリウムを添加して反応系内の電気伝導度を8.2mS/cmに調整する以外は、実施例3と同様に行った。
(比較例7)
実施例1の方法において、塩化ナトリウムを終濃度100mMとなるように添加することに代えて、塩化ナトリウムを終濃度5mMとなるように添加して反応系の電気伝導度を4.6mS/cmに調整した以外は、実施例1と同様に行った。
実施例1〜21及び比較例1〜7の結果を表1に示す。
Figure 2012213375
表1の結果は、実施例のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法は、酵素糖化反応系に水溶性塩を添加し、さらに、電気伝導度を所定の数値範囲に調節したリグノセルロース系原料懸濁液を酵素糖化処理することにより、糖化処理液からの酵素回収率が初期段階で高いのみならず、経時でも安定して高い水準にあることを示している。
これに対して、酵素糖化反応系に水溶性塩を添加せず、硫酸(比較例1、比較例4)や塩酸(比較例5)、水酸化ナトリウム(比較例2、比較例6)によって電気伝導度を調整した場合は糖化処理液からの酵素回収率は、初期段階で低く、経時での回収率の低下も著しいことを示している。また、塩を添加せず、又は添加しても、酵素反応系の電気伝導度が低い場合(比較例3、比較例7)も、糖化処理液からの酵素回収率が初期の段階で低く、経時ではさらに低下している。
本発明の酵素糖化処理方法によれば、リグノセルロース系原料の未反応成分や反応残渣等への糖化酵素の吸着が抑えられていて、酵素糖化処理液からの酵素の分離が容易であり、酵素糖化処理工程内における糖化酵素の循環率が長期にわたって高い水準に維持されるので、リグノセルロース系原料の酵素糖化処理による糖類やエタノール等を工業的に生産することが可能となる。

Claims (10)

  1. 酵素糖化反応に適した原料とする前処理が施されているリグノセルロース系原料を水溶性塩類よりなる電解質と共にセルロース糖化酵素含有水中に添加し、電気伝導度を5〜25mS/cmに調整した原料懸濁液として酵素糖化処理工程で酵素糖化処理し、酵素糖化処理後の処理懸濁液から反応生成物と酵素含有液を分離回収し、回収した酵素含有液を前記酵素糖化処理工程用の酵素として循環することを特徴とするリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
  2. 前記酵素糖化反応に適した原料とする前処理が施されているリグノセルロース系原料が、リグノセルロース系原料に対して化学的処理、加圧熱水処理、破砕繊維化処理又は機械的磨砕処理から選択される1つ以上の処理を含む前処理が施されているリグノセルロース含有バイオマスよりなる請求項1記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
  3. 前記リグノセルロース系原料が林地残材である請求項1又は2に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
  4. 前記リグノセルロース系原料が樹皮である請求項1〜3のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
  5. 前記水溶性塩類がアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の水溶性塩である請求項1〜4のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
  6. 前記酵素糖化処理に使用されるセルロース糖化酵素がセルラーゼである請求項1〜5のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
  7. 前記酵素糖化処理方法が、リグノセルロース系原料に酵素糖化反応に適した原料とする処理を施す前処理工程、該前処理が施されたリグノセルロース系原料を水溶性塩類よりなる電解質と共にセルロース糖化酵素含有水中に添加し、電気伝導度を5〜25mS/cmに調整した原料懸濁液として酵素糖化反応により処理する酵素糖化処理工程、該酵素糖化処理工程から出る処理懸濁液から固形残渣を除去する固液分離工程、該固液分離工程から出る液体留分を遠心分離して残留残渣が除去された酵素及び糖類を含有する液体留分を得る遠心分離工程、該遠心分離工程から出る液体留分を酵素含有液と生成糖含有液に分離する膜分離工程、該膜分離工程から得られる酵素含有液を酵素糖化処理工程に酵素源として循環供給する酵素循環工程を有する一連の工程に従ってリグノセルロース系原料を酵素糖
    化処理する方法である請求項1〜6のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
  8. 前記酵素糖化処理工程が、セルロース糖化酵素と糖類を発酵基質とする発酵用微生物を併用してリグノセルロース系原料の酵素糖化反応による処理と生成糖類の発酵用微生物による発酵処理とを併行して行って糖類と共に発酵生成物を生成する併行糖化醗酵処理工程である請求項1〜7のいずれか1項に記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
  9. 前記酵素糖化処理方法が、リグノセルロース系原料に酵素糖化反応に適した原料とする処理を施す前処理工程、該前処理が施されたリグノセルロース系原料を糖類を発酵基質とする醗酵用微生物及び水溶性塩類よりなる電解質と共にセルロース糖化酵素含有水に添加し、電気伝導度を5〜25mS/cmに調整した原料懸濁液として酵素糖化処理と生成糖類を基質とする発酵処理を併行して行う併行糖化発酵処理工程、該併行糖化発酵処理工程から出る処理懸濁液から固形残渣を除去する固液分離工程、該固液分離工程から出る液体留分から蒸留により発酵生成物を分離回収する蒸留工程、該蒸留工程から出る蒸留残液を遠心分離して残留残渣を除去して酵素及び糖類を含有する液体留分を得る遠心分離工程、該遠心分離工程から出る液体留分を酵素含有液と糖含有液に分離する膜分離工程、該膜分離工程で分離される酵素含有液を酵素糖化処理工程に酵素源として循環供給する酵素循環工程を有する一連の工程に従ってリグノセルロース系原料を併行糖化発酵処理する方法である請求項8記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
  10. 前記膜分離工程から分離回収される糖含有液が、オリゴ糖を主体とする糖含有液である請求項9記載のリグノセルロース系原料の酵素糖化処理方法。
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