JP2012207211A - 透明化核剤入りポリプロピレン系樹脂組成物の臭気低減方法 - Google Patents
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- AWVQJPMPHLKNSW-UHFFFAOYSA-N CCCC1OC(c2ccc(CCC)cc2)OC2C1[U]C(c1ccc(CCC)cc1)OC2C(CO)O Chemical compound CCCC1OC(c2ccc(CCC)cc2)OC2C1[U]C(c1ccc(CCC)cc1)OC2C(CO)O AWVQJPMPHLKNSW-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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Abstract
Description
例えば、食品用途向けの場合、特に透明性と低臭気が強く求められる。透明性は、内容物の透質感を高めることで商品価値を向上させることができるためであり、低臭気に関しては、内容物の味や風味が、透明化核剤配合ポリプロピレン樹脂組成物の臭気によって変化することがあり、商品価値が著しく低下してしまうためである。従って、食品用途向けの成形体材料の場合、透明性に優れ、かつ、低臭気で有ることが強く求められている。
一方で、低臭気の成形体を得る方法として、有機リン酸系核剤(特許文献2参照)を用いる方法があったが、透明性がソルビトール系核剤ほど優れていないため、優れた透明性が求められる食品用途向けとしては不十分であった。
上記したように、ソルビトール系透明化核剤を配合したポリプロピレン樹脂材料は、透明性に優れた材料であるものの、特有の臭気を有しており、発生する臭気を抑制する方法を開発することが望まれていた。
M2+ 1−xAl3+ x(OH−)2(Xn−)x/n・mH2O・・・(3)
[但し、M2+は、Mg2+、Ca2+及びZn2+からなる群から選ばれる2価の金属イオンを示し、Xn−は、n価のアニオン、xは、0<x<0.5の範囲にある数、mは、0≦m≦2の範囲にある数、nは、1≦n≦3の範囲にある数を示す。]
〔Al2Li(OH)6〕rY・qH2O・・・(4)
[但し、Yは、無機アニオンまたは有機アニオンを示し、rは、Yの価数であり、qは、正数である。]
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の臭気低減方法には、塩基性の金属水酸化物(A)、塩基性の含窒素有機化合物(B)または塩基性の含酸素有機化合物(C)を使用する。
塩基性の金属水酸化物(A)としては、Mg、Ca、Zn、Al及びLiから選ばれる2種以上の金属からの複合金属水酸化物が好ましく挙げられる。
M2+ 1−xAl3+ x(OH−)2(Xn−)x/n・mH2O・・・(3)
[式(3)中、M2+は、Mg2+、Ca2+及びZn2+からなる群から選ばれる2価の金属イオンを示し、Xn−は、n価のアニオン、xは、0<x<0.5の範囲にある数、mは、0≦m≦2の範囲にある数、nは、1≦n≦3の範囲にある数を示す。]
上記一般式(3)中のXのn価のアニオンとしては、たとえばCl−、Br−、I−、NO2 −、ClO4−、SO4 2−、CO3 2−、SiO3 2−、Si2O5 2−、HPO4 2−、HBO3 2−、PO4 3−、Fe(CN)6 3−、Fe(CN)4 4−、CH3COO−、C6H4(OH)COO−、(OCOCOO)2 −、(OCOC6H4COO)2 −などの1種又は2種以上を例示することができる。これらのうち、Xは、特にCO3 2−、SiO3 2−、Si2O5 2−などが好ましく、炭酸アニオンCO3 2−が最も好ましい。
Mg1−xAlx(OH)2(CO3)x/2・mH2O
[式中、xは、0<x<0.5であり、mは3以下の数である。]
ハイドロタルサイトの具体例としては、Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O、Mg4Al2(OH)12CO3・3H2O、Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O、Mg10Al2(OH)22(CO3)2・4H2O、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、Mg4.3Al2(OH)12.6CO3・mH2Oが、協和化学社製DHT4A(商品名)として入手可能である。
〔Al2Li(OH)6〕rY・qH2O・・・(4)
[但し、Yは、無機アニオンまたは有機アニオンを示し、rは、Yの価数、qは、正数である。]が好ましい。
リチウムアルミニウム複合水酸化物塩の好ましい例としては、Li2Al4(OH)12CO3・4H2Oが水澤化学社製ミズカラック(商品名)として入手可能である。
本発明方法において使用する塩基性の含窒素有機化合物(B)としては、アミン、イミンまたはアミド系有機化合物が好ましく挙げられる。
本発明で使用するアミン、イミンまたはアミド系有機化合物は、分子中にアミノ基、イミノ基、アミド基を有する有機化合物であり、ポリオレフィン系樹脂との相溶性が良好な化合物であることが好ましい。
アミン、ヒドロキシルアミン、メタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジアミノプロパン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン化合物あるいはそれらの誘導体、アルギニン、プロリン、ヒドロキシプロリンなどのアミノ酸類、ジシアノジアミド、モルホリン、アミノ−ε−カプロラクタム、アセトグアナミン、グアニジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ヒンダードアミン、メラミン及びこれらの誘導体、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミンなどがある。
脂肪族アミン、脂肪族イミンまたは脂肪族アミド系有機化合物の好ましい具体例としては、ラウリルジエタノールアミン、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリルジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、アルキルジエタノールアミドが挙げられる。
また、含窒素有機化合物(B)は、そのままで、また他の溶解剤、分散剤等と混合して使用することも好ましい。
本発明方法において使用する塩基性の含酸素有機化合物(C)は、脂肪族金属塩を除く含酸素有機化合物であり、特にアルコール系化合物が好ましく挙げられる。 本発明で使用するアルコール系有機化合物は、分子中にヒドロキシルキ基を有する化合物であり、1級でも、2級でも、3級でも良いが、好ましくは2級もしくは3級のヒドロキシル基を含有する化合物である。また、ポリオレフィン系樹脂との相溶性が良好な化合物であることが好ましい。
。
脂肪族アルコール系有機化合物の好ましい具体例としては、グリセリルモノステアレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノオレート、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノラウレート、ジグリセリンラウレート、ジグリセリンミリステート、ジグリセリンオレエート、ジグリセリンステアレートペンタエリスリトールが挙げられる。
また、含酸素有機化合物(C)は、そのままで、また他の溶解剤、分散剤等と混合して使用することも好ましい。
塩基性の金属水酸化物(A)、塩基性の含窒素有機化合物(B)または塩基性の含酸素有機化合物(C)を使用して、透明化核剤(D)入りポリプロピレン系樹脂組成物の臭気を低減する方法としては、透明化核剤(D)入りポリプロピレン系樹脂組成物に、上述した塩基性の金属水酸化物(A)、塩基性の含窒素有機化合物(B)または塩基性の含酸素有機化合物(C)を接触させる方法、あるいはこれらを配合する方法等が挙げられる。
接触させる場合は、混合工程、造粒工程または乾燥工程等の工程において、ポリプロピレン系樹脂組成物の各成分を入れ、金属水酸化物(A)、含窒素有機化合物(B)、含酸素有機化合物(C)を導入することにより行う。例えば混合工程の場合、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダー等に、ポリプロピレン系樹脂組成物の各成分を投入して混合する際に、金属水酸化物(A)、含窒素有機化合物(B)、含酸素有機化合物(C)導入することにより行う等の方法を採用できる。
(C)を少なくとも一種類以上、総量で0.005〜5重量部配合することが好ましく、より好ましくは0.01〜4重量部、特には0.015〜3重量部重量部が好ましい。
本特許で指定する塩基性の化合物とは、THF/水(70wt%/30wt%)混合溶媒を使用して、公知の滴定法(ブレンステッドの定義に基づく酸解離定数の測定方法)によって求められるpKaが7以上が好ましく、かつ、透明化核剤(D)の分解を引き起こすルイス酸と相互反応する化合物であり、分子中に電子供与性のある官能基を有し、これがルイス酸の空軌道部位に電子を供与してルイス酸の空軌道と相互作用することにより、ルイス酸の潜在的な反応部位を補足して,当該ルイス酸と接触する透明化核剤(D)がルイス酸によって分解することを抑制する化合物を指す。ここで、透明化核剤(D)の分解を引き起こすルイス酸としては、酸解離定数pKaが4未満の酸性物質が挙げられ、具体的には触媒残渣由来の塩酸、大気中のNOx、SOx由来の硝酸、硫酸、亜硝酸、亜硫酸などを挙げることができる。
本発明の方法で、ポリプロピレン系樹脂組成物に含有され、臭気が低減される透明化核剤(D)は、一般式(1)で示される化合物である。
本発明の方法が適用されるプロピレン系樹脂組成物には、上述した成分に加えて、プロピレン系重合体の安定剤などとして使用されている各種酸化防止剤を配合することができる。
本発明に使用するポリプロピレン系樹脂組成物で用いられるプロピレン系重合体は、プロピレン単独重合体であっても、プロピレン系共重合体であっても、あるいはこれらの混合物であってもよい。
プロピレン系共重合体は、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体であり、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもどちらでも良いが、透明性の観点から、ランダム共重合体が望ましい。共重合に用いられるα−オレフィンは、プロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンがあげられ、例えばエチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等を例示できる。プロピレンと共重合されるα−オレフィンは一種類でも二種類以上用いてもよい。このうちエチレン、ブテン−1が好適である。より好ましくはエチレンが好適である。
プロピレンと共単量体であるα−オレフィンの量の構成割合は、重量比で70〜99/30〜1であることが好ましい。通常、α−オレフィン量は、0.05〜10.0重量%、好ましくは0.1〜5.0重量%程度が好ましい。勿論重合段階で、EPRのようなゴム成分をソフトセグメントとして、ポリプロピレン主体の結晶相からなるハードセグメントへ導入した、いわゆるポリプロピレン系重合体アロイも使用できる。
プロピレン系重合体、共重合体のガラス転移温度は、−100〜20℃のものが挙げられる。
また、このようなプロピレン系重合体は、二種以上混合して使用してもよい。
MFRがこの範囲にあると、樹脂組成物の剛性と耐衝撃性、成形温度に由来する高生産速度に適した樹脂組成物を与える。
ここで、230℃におけるMFRは、JIS K7210に準拠して230℃、2.16kg荷重下で測定する値である。
ここで、アイソタクチックペンタッド分率(mmmm)は13C−NMR法で測定する値である。
ここで、α−オレフィン含有量は、13C−NMRにより組成を検定したプロピレン共重合体を基準物質としてIR法で測定する値である。
ここで、示差走査型熱量計より得られる融解温度(ピーク値)は、JIS K7121の「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠し、測定する値である。
ここで、アイソタクチックペンタッド分率(mmmm)は13C−NMR法で測定する値である。
ブロック共重合体に含まれる全α−オレフィン含有量は、0.5〜12重量%が好ましく、2〜9重量%がより好ましい。また、α−オレフィンとしては、エチレンが好ましい。α−オレフィン含有量がこの範囲内にあると、得られる樹脂組成物が耐衝撃性に適している。
ここで、α−オレフィン含有量は、13C−NMRにより組成を検定したプロピレン共重合体を基準物質としてIR法で測定する値である。
本発明に使用されるプロピレン系重合体の製造方法としては、特に限定されないが、立体規則性触媒を使用する重合法が好ましい。立体規則性触媒としては、チーグラー触媒やメタロセン触媒などが挙げられる。
メタロセン化合物は、インデニル基あるいはアズレニル基を珪素あるいはゲルミル基で架橋したメタロセン化合物が好ましい。
該担体としては、無機または有機化合物の多孔質化合物が好ましく、具体的には、イオン交換性層状珪酸塩、ゼオライト、SiO2、Al2O3、シリカアルミナ、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2、等の無機化合物、多孔質のポリオレフィン、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、オレフィン・アクリル酸共重合体等からなる有機化合物、またはこれらの混合物が挙げられる。
プロピレン系重合体の製造方法としては、上記触媒の存在下に、不活性溶媒を用いたスラリー法、溶液法、実質的に溶媒を用いない気相法や、あるいは重合モノマーを溶媒とするバルク重合法等が挙げられる。
例えば、スラリー重合法の場合には、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素又は液状モノマー中で行うことができる。重合温度は、通常−80〜150℃であり、好ましくは40〜120℃である。重合圧力は、1〜60気圧が好ましく、また得られるプロピレン系重合体の分子量の調節は、水素もしくは他の公知の分子量調整剤で行うことができる。重合は連続式又はバッチ式反応で行い、その条件は通常用いられている条件でよい。さらに重合反応は一段で行ってもよく、多段で行ってもよい。
臭気低減されたポリプロピレン系樹脂組成物は、公知の押出成形機、射出成形機、ブロー成形機により成形することができる。
成形体としては、射出成形体、押出成形体、中空成形体、圧縮成形体、カレンダー成形体、積層成形体、流動浸漬成形体、吹込み成形体、スラッシュ成形体、回転成形体、熱成形体、CCM成形体などがあり、具体的には食品容器(プリン容器、ゼリー容器、ヨーグルト容器、茶碗蒸し容器、インスタントラーメン容器、チルドコーヒー容器、デザート容器、弁当容器等)、キャップ(ペットボトルキャップ、1ピースキャップ、2ピースキャップ、インスタントコーヒーのキャップ等)、医療用器具や容器(ディスポーザブルシリンジ及びその部品、カテーテル・チューブ、輸液バッグ、血液バッグ、真空採血管、手術用不織布、血液用フィルター、血液回路などのディスポーザブル器具や、人工肺、人工肛門などの人工臓器類の部品、ダイアライザー、プレフィルドシリンジ、キット製剤、薬剤容器、試験管、縫合糸、湿布基材、歯科用材料の部品、整形外科用材料の部品、コンタクトレンズのケース、PTP、SP・分包、Pバイアル、目薬容器、薬液容器、液体の長期保存容器等)、医療用容器(輸液パック、日用品(衣装ケース、バケツ、洗面器、筆記用具、)、自動車部品(インパネ、バンパー、灯体等)、電気部品(各種電気機器の筐体等)、太陽電池封止材、フィルム、繊維、シート、などが挙げられる。
特に、本発明の臭気低減方法を用いたポリプロピレン系樹脂組成物を用いて成形することによって得られる成形体は、透明性、低臭気が求められる食品向け容器などの用途で特に好適である。
[プロピレン系重合体]
エチレン−プロピレンランダム共重合体
MFR(JIS K7210、230℃、2.16kg荷重)8g/10分
融点150℃
日本ポリプロ(株)社製、商品名「ノバテック」MG3FQ
(A−1)マグネシウムアルミニウム複合水酸化物
「ハイドロタルサイトDHT4A」 (協和化学工業社製、商品名)
(B−1)コハク酸ジメチル−2−(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジル)エタノール縮合物
「TNV622」 (BASF社製、商品名)
(B−2)ステアリルジエタノールアミン
「エレクトロストリッパーTS2」 (花王社製、商品名)
(B−3)アルキルジエタノールアミド/グリセリンエステル
「エレクトロストリッパーHS12PA」 (花王社製、商品名)
(C−1)グリセリンモノステアレート
「エレクトロストリッパーTS5」 (花王社製、商品名)
(D−1)前記化学構造式(2)で表される透明化核剤
「ミラッドNX8000J」 (ミリケン・アンド・カンパニー社製、商品名)
[前記一般式(1)以外の透明化核剤]
(D−X)有機リン酸金属塩化合物
リン酸−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)アルミニ
ウム塩
アデカスタブNA−21 (ADEKA社製、商品名)
(F−1)ステアリン酸カルシウム(日本油脂社製)
(F−2)2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、テトラキス[メチレン(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン
「イルガノックス1010」 (BASF社製、商品名)
(F−3)トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェノール)フォスファイト
「イルガフォス168」 (BASF社製、商品名)
上記したプロピレン系重合体および各成分(A)〜(E)を、下記表1に記載の配合割合(重量部)で準備し、スーパーミキサーでドライブレンドした後、35ミリ径の2軸押出機を用いて溶融混練した。ダイ出口部温度220℃でダイから押し出しペレット化し、ペレットを得た。
得られたペレットを用い、芳香族アルデヒドの測定を行った。
また、得られたペレットを射出成形機により、樹脂温度200℃、射出圧力900kg/cm2及び金型温度40℃で射出成形し、厚さ1mmのシート状のHAZE測定用試験片を作成した。得られた試験片を用いHAZE(ヘイズ)の測定を行った。
また、樹脂温度250℃、射出圧力900kg/cm2及び金型温度40℃で射出成形し、臭気官能評価用の試験片(80mm×10mm×4mm厚)を作成した。得られた試験片を用い臭気官能評価を実施した。
物性値の測定法、評価法の詳細は、以下の通りである。
厚さ1mmのシート片を用いて、JIS K7105に準拠して測定した。
この数値が小さい程、得られた成形品は、透明性に優れる。ヘイズ値は、15以下であることが望ましく、10以下であることがさらに望ましい。ヘイズ値が10以下であると、製品として極めて透明性に優れたものとなる。
悪臭防止法に基づく臭気試験で使用される臭い袋に臭気官能評価用の試験片を入れ、活性炭を通した無臭空気で臭い袋内部の空気を置換した後、密封し、室温23±2℃、湿度50±5%の条件下で1週間保存した。その後、JIS Z9080に準拠して下記に示す5段階尺度にて臭気強度の評価を行った。
1:全く臭いを感じない。
2:かすかに臭いを感じる。
3:普通に臭いを感じる。
4:かなり臭いを感じる。
5:非常に強く臭いを感じる。
化合物のpKaは次の方法で測定した。まずテトロヒドロフラン/水(70wt%/30wt%)混合溶媒に対して、各種化合物を溶解、もしくは懸濁した。次に得られた水溶液に0.1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を滴定した。連続的にpHの変化を記録し、得られた曲線の変曲点よりpKaを求めた。
ペレット200mgを100℃、125℃、150℃、175℃にそれぞれ加熱し10分間熱抽出した後、ガスクロマトグラフ(GC)注入口で冷却捕集した成分を気化させてGCカラムに導入し、GC−MS測定により発生した芳香族アルデヒドの定量を行った。
以上の評価結果を、表1に示す。
一方、比較例1は、透明化核剤を本発明で規定する以外の他のものを配合したものであり、臭気は良好であるが透明性が十分ではないことがわかる。比較例2、3は、本発明の塩基性化合物を配合していないものであり、臭気が悪く、かつ、芳香族アルデヒドの発生量も多いことがわかる。
Claims (16)
- 金属水酸化物(A)が、Mg、Ca、Zn、Al及びLiから選ばれる2種以上の金属からの複合金属水酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の臭気低減方法。
- 前記複合金属水酸化物が下記一般式(3)で表されることを特徴とする請求項3に記載の臭気低減方法。
M2+ 1−xAl3+ x(OH−)2(Xn−)x/n・mH2O・・・(3)
[但し、M2+は、Mg2+、Ca2+及びZn2+からなる群から選ばれる2価の金属イオンを示し、Xn−は、n価のアニオン、xは、0<x<0.5の範囲にある数、mは、0≦m≦2の範囲にある数、nは、1≦n≦3の範囲にある数を示す。] - 前記複合金属水酸化物が、下記一般式(4)で表されることを特徴とする請求項3に記載の臭気低減方法。
〔Al2Li(OH)6〕rY・qH2O・・・(4)
[但し、Yは、無機アニオンまたは有機アニオンを示し、rは、Yの価数であり、qは、正数である。] - 前記複合金属水酸化物のpKaが7以上であることを特徴とする請求項4または5に記載の臭気低減方法。
- 含窒素有機有化合物(B)が、アミン、イミンまたはアミド系有機化合物であることを特徴とする請求項1に記載の臭気低減方法。
- 含窒素有機有化合物(B)が、脂肪族アミン、脂肪族イミンまたは脂肪族アミド系有機化合物であることを特徴とする請求項7に記載の臭気低減方法。
- 前記脂肪族アミン、脂肪族イミンまたは脂肪アミド系有機化合物のpKaが7以上であることを特徴とする請求項8に記載の臭気低減方法。
- 含窒素有機化合物(B)が、含窒素複素環基を含む有機化合物であることを特徴とする請求項1に記載の臭気低減方法。
- 含窒素有機化合物(B)が、ヒンダードアミン系有機化合物であることを特徴とする請求項10に記載の臭気低減方法。
- 前記ヒンダートアミン系有機化合物のpKaが7以上であることを特徴とする請求項11に記載の臭気低減方法。
- 含酸素有機化合物(C)がアルコール系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の臭気低減方法。
- 前記アルコール系化合物が脂肪族アルコール系有機化合物であることを特徴とする請求項13に記載の臭気低減方法。
- 前記脂肪族アルコール系化合物が2級または3級アルコールを含む有機化合物であることを特徴とする請求項14に記載の臭気低減方法。
- 前記2級または3級アルコールを含む有機化合物のpKaが7以上であることを特徴とする請求項15に記載の臭気低減方法。
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