JP2005314490A - ポリプロピレン樹脂組成物およびその医療器具・プレフィルドシリンジ - Google Patents

ポリプロピレン樹脂組成物およびその医療器具・プレフィルドシリンジ Download PDF

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Abstract

【課題】衛生性、成形時の気泡抑制、従来到達できなかったレベルの透明性付与とハイサイクル生産性を付与した、優れた成形品を調製することができるポリプロピレン樹脂組成物、ならびにその組成物から形成された医療用器具を提供する。
【解決手段】(i)メルトフローレイトが15〜45g/10分、(ii)メソペンタッド分率mmmmが0.970以上である結晶性プロピレン単独重合体(A−1)100重量部に対し、下記一般式(1)で表わされる化合物を主成分とする造核剤(B−1)を0.05〜0.3重量部配合してなるポリプロピレン樹脂組成物。
Figure 2005314490

(式中、Metalは1価または3価の金属を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレン樹脂組成物およびその用途に関し、さらに詳しくは、衛生性、耐熱性、成形時の気泡発生抑制とロングラン成形性、更には従来到達できなかったレベルの透明性とハイサイクル生産性を付与した、優れた成形品を調製することができるポリプロピレン樹脂組成物、ならびにその組成物から形成された容器、医療用器具などの成形品に関する。さらには、水蒸気滅菌による薬液充填型プレフィルドシリンジや、γ線、電子線による処理後、洗浄し、無菌工程にて薬液を充填するプレフィルドシリンジに関する。
一般にポリプロピレン樹脂は、化学的特性、物理的特性および成形加工性に優れ、しかも安価であることから、食品容器や医薬品容器を初めとした広範囲の用途に利用されている。しかしながら、特許公報特許第3195434号や第2528443号記載のいわゆる従来のポリプロピレン樹脂では、機械的強度、衛生性、透明性、射出成形時のコア金型引き抜き時のシリンジ傷抑制というロングラン生産性を全て満足しながら更なるハイサイクル生産性を付与する事は難しかった。
また、γ線や電子線滅菌は非常に簡単で完全な滅菌を施すことができる滅菌方法であるが、どのようなポリプロピレンでも、γ線や電子線滅菌によって低分子量成分や添加剤抽出物が発生する為、薬液充填後にγ線や電子線滅菌するプレフィルドシリンジ生産は不可能である事を最近の研究で見出した。
透明性及び生産性を向上させるために、ポリプロピレン樹脂に従来の有機リン酸エステル造核剤、特に有機リン酸エステルのナトリウム金属塩では、ロングラン生産時に傷つきが微量発生し、透明性も不足し、且つ更なるハイサイクル生産を追及できなかった。
また、有機リン酸エステルのアルミニウム金属塩では分散剤として脂肪酸金属塩を多く添加しなければならず、この脂肪酸金属塩は薬液とpH作用や塩反応によって白濁を生じるといった問題を引き起こす場合があった。
特許第3195434号 特許第2528443号
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、衛生性、成形時の気泡抑制、従来到達できなかったレベルの透明性付与とハイサイクル生産性を付与した、優れた成形品を調製することができるポリプロピレン樹脂組成物、ならびにその組成物から形成された医療用器具に関する。さらには、薬液充填型水蒸気滅菌プレフィルドシリンジに関する。また、従来では不可能とされていたγ線、電子線による処理後のプレフィルドシリンジ生産に関する。
詳しくは無菌環境にて内溶液充填前にγ線、電子線による滅菌処理後、シリンジ内部を洗浄し、内溶液を充填するプレフィルドシリンジに関する。これらのプレフィルドシリンジを提供することを目的とする。
本発明に係る第1のポリプロピレン樹脂組成物は、(i)メルトフローレイトが15〜45g/10分、(ii)メソペンタッド分率mmmmが0.970以上である結晶性プロピレン単独重合体(A−1)100重量部に対し、下記一般式(1)で表わされる造核剤(B−1)を0.05〜0.3重量部配合してなるポリプロピレン樹脂組成物(1)である。
Figure 2005314490
(式中、Metalは1価または3価の金属を示す。)
本発明に係る第2のポリプロピレン樹脂組成物は、(i)メルトフローレイトが15〜45g/10分、(ii)エチレン含量が0.1〜2.0重量%である結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体(A−2)100重量部に対し、前記一般式(I)で表わされる造核剤(B−1)を0.05〜0.3重量部配合してなるポリプロピレン樹脂組成物(II)である。
また、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(I)および(II)は、各々ポリプロピレン(A1)および(A2)100重量部に対して、さらに、塩酸吸収剤(E)としての脂肪酸金属塩またはハイドロタルサイト/脂肪酸金属塩混合系を0.02〜0.10重量部、リン系酸化防止剤(C)0.05〜0.3重量部およびアミン系酸化防止剤(D)0.01〜0.3重量部を含有していてもよい。
塩酸吸収剤に関しては、滅菌方法や薬液との白濁物生成、造核剤との相互作用を考慮した場合はハイドロタルサイト系が好ましいが、透明性許容範囲を考慮した場合、適宜脂肪酸金属塩を極力減量したハイドロタルサイトとの併用系が効果を十分に発揮でき、本併用系が発明効果の発現にはより望ましい。
本発明に係る容器および医療用器具は、前記のような、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物から形成されてなることを特徴としている。また、本発明に係る医療用器具は、水蒸気滅菌を施す薬液充填型プレフィルドシリンジや、完全無菌工程にてシリンジ成形から薬液充填までを行い製造されるプレフィルドシリンジや、薬液充填前に電子線、γ線照射による滅菌処理後、揮発性のエチルアルコール等で洗浄・乾燥し無菌工程にて内容液を充填するプレフィルドシリンジを生産する唯一の方法も提供する。
本発明によれば、近年、誤った投薬処理などによる問題を激減できることが可能となる。すなわち、あらかじめ薬液をシリンジに充填したパック方式のプレフィルドシリンジを使用することによって、このような医療事故を未然に防ぐことができる。本発明のプレフィルドシリンジに充填される薬液としては、一般的なヘパリン生食液や塩化カルシウム水溶液などが例示されるがこれらに何ら限定されるものではない。
本発明によれば、剛性と透明性と耐熱性、衛生性全てを同時に満たし、且つハイサイクル生産性を兼ね備えたポリプロピレン樹脂組成物であり、これを用いて生産されたプレフィルドシリンジは滅菌方法及びシリンジ要求特性に応じてA1またはA2を使い分けることができる。すなわち、A1を用いる場合はプレフィルドシリンジの耐熱性と剛性を重視する場合であり、A2を用いる場合はプレフィルドシリンジの透明性を非常に重要視する場合である。
また、透明性と剛性、耐熱性の微調整の為、A1とA2をブレンドした物を用いることもできる。
本発明では、今後の薬剤やγ線や電子線滅菌に対応した生産手法も同時に提供している。γ線や電子線による滅菌のプレフィルドシリンジ製造にあたっては、本発明の樹脂による成形を行い、これをγ線や電子線で滅菌し、無菌室にてエチルアルコールやその他無害な揮発性溶剤を用いて洗浄・乾燥後、薬液を充填し、プレフィルドシリンジを製造する。
本発明によれば、剛性と衛生性と透明性、耐熱性と高生産性を同時に満たし、電子線やγ線、水蒸気滅菌による滅菌処理が可能なプレフィルドシリンジを生産できるプロピレン樹脂組成物である。特に、水蒸気滅菌による薬液充填型プレフィルドシリンジに好適である。また、電子線、γ線照射による滅菌処理後、洗浄し無菌工程にて薬液を充填しプレフィルドシリンジを生産する唯一の方法であり、医療事故を防ぐパック方式のプレフィルドに最適である方法および成形品を提供できる。
以下、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物およびその用途について具体的に説明する。本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン(A1)または(A2)に造核剤(B)を含有している。
ポリプロピレン(A1)
本発明で用いられるポリプロピレン(A1)は、プロピレン単独重合体であってメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)は、15〜45g/10分、好ましくは20〜40g/10分、さらに好ましくは22〜28g/10分の範囲にある。
また、ポリプロピレン(A1)が13C−NMRで測定したアイソタクチックペンタッド分率(mmmm)が、0.97%以上、好ましくは0.97〜0.99であることが望ましい。このメルトフローレートとアイソタクチックペンタッド分率が上記の範囲内にあると、得られるポリプロピレン樹脂組成物の流動性(成形性)とその成形品の特に耐熱性が良好で、しかも、見映えのよい外観を有する成形品が得られる。
このアイソタクチックペンタッド分率(mmmm)は、13C−NMRを使用して測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖の存在割合を示している。具体的には、プロピレン単位で5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるメチル基に由来する吸収強度(Pmmmm)のプロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度(Pw)に対する比、すなわち〔(Pmmmm)/(Pw)〕として求められる値である。
エチレン−プロピレンランダム共重合体(A2)
また、本発明で用いられるエチレン−プロピレンランダム共重合体(A2)は、i)メルトフローレイトが15〜45g/10分、好ましくは20〜40g/10分、さらに好ましくは22〜28g/10分の範囲にある。また、(ii)エチレン含量が0.1〜2.0重量%、好ましくは0.8〜1.8重量%、の範囲にある時、A1より透明性が飛躍的に向上し、且つ第十四改正日本薬局方一般試験法『プラスチック医薬品容器試験法』や『プラスチック製水性注射剤容器基準』における水蒸気滅菌における耐熱性も保持できる更に優れたポリプロピレン樹脂組成物となる。
本発明に用いられる、上記のようなプロピレン重合体は通常、チーグラー・ナッタ触媒によりプロピレンなどを重合することによって製造されるのが一般であるが、この触媒には塩化マグネシウム等の担体に触媒成分を担持させたいわゆる担持型触媒を用いることもできる。重合方法としては、ヘプタン等の溶剤中においてスラリー状態で製造する外に、無溶媒で液相状態又は気相状態で重合させて製造することもできる。
また、メタロセン触媒により製造することも可能である。
造核剤(B)
本発明で用いられる造核剤(B)としては、前記一般式(1)に示す構造を主構造とした造核剤である。分散性や安定性のために他の分散剤を副成分として本発明の効果を阻害しない範囲、特に30%以内の量で添加する事も可能である。主成分含有量は、通常50重量%以上、好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上である。
本発明では、今後、あらゆる薬液使用が考えられるプレフィルドシリンジに対し、薬剤との作用によって生じる白濁物問題が解消され、耐熱性のウィルス滅菌用のγ線や電子線滅菌に対応するという特徴を有する。
リン系酸化防止剤(C)
本発明で必要に応じて用いられるリン系酸化防止剤(C)は、特に制限はなく、従来公知のリン系酸化防止剤を用いることができる。なお、リン系酸化防止剤(C)の使用が1種類のみであると、ブリードによる内容物汚染が少ないため好ましい。
本発明で好ましく用いられるリン系酸化防止剤(C)は、3価の有機リン化合物であり、具体的には、トリス(2,4-ジ-t- ブチルフェニル)フォスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-t- ブチルフェニル)オクチルフォスファイト、ビス(2,6-ジ-t- ブチル-4- メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトなどが挙げられる。
リン系酸化防止剤(C)は、プロピレン系樹脂(A1)または(A2)100重量部に対して、通常0.05〜0.3重量部、好ましくは0.07〜0.2重量部、特に好ましくは0.1〜0.12重量部の割合で用いられる。
アミン系酸化防止剤(D)
本発明で必要に応じて用いられる、リン系酸化防止剤(C)とともに用いることができるアミン系酸化防止剤(D)としては、ピペリジン環を持つ化合物が例示される。具体的には、コハク酸ジメチル・1-(2-ヒドロキシエチル)-4- ヒドロキシ-2,2,6,6- テトラメチルピペリジン重縮合物、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル)セバケート、ポリ[[6-[1-[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ]-s-トリアジン-2,4-ジイル][[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]などが用いられる。
アミン系酸化防止剤(D)は、プロピレン系樹脂(A1)または(A2)100重量部に対して、通常0.01〜0.3重量部、好ましくは0.01〜0.2重量部、さらに好ましくは0.01〜0.1重量部、特に好ましくは0.05〜0.1重量部の割合で用いられる。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤を配合することができる。
前記したポリプロピレン(A1)や(A2)、造核剤(B)および必要に応じて他の添加剤たとえば塩酸吸収剤(E)、リン系酸化防止剤(C)、アミン系酸化防止剤(D)等を、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、タンブラーブレンダー、リボンブレンダーなどを用いて混合した後、単軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどを用いて溶融混練することによって、上記各成分および添加剤が均一に分散混合された高品質のポリプロピレン樹脂組成物が得られる。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)は、10〜40g/10分の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは20〜30g/10分の範囲内にあることが望ましい。本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物から調製される成形品、特に水蒸気滅菌されるプレフィルドシリンジに関しては、剛性と透明性と耐熱性、いわゆる水蒸気による熱で変形優れた性質を有しているので、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、特にプレフィルドシリンジして用いることができる。
この医療用器具は、剛性、耐熱性、成形時の気泡抑制、衛生性を保持したまま特に従来到達しえない透明性とハイサイクル生産性に優れ、かつ、ロングラン射出成形においてシリンジ内面に傷がつきにくいという、従来のポリプロピレン樹脂では見られない全てのバランスを有する。医療用器具としては、具体的には、注射器の注射筒外筒やプレフィルドシリンジを挙げることができる。
次に、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例等で使用した原料は以下のとおりである。
プロピレン単独重合体(A1−1)
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が25g/10、13C−NMRスペクトルから求められる、メソペンタッド分率mmmmが0.983。
プロピレン単独重合体(A1−2)
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が12g/10分、メソペンタッド分率mmmmが0.983。
プロピレン単独重合体(A1−3)
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が50g/10、13C−NMRスペクトルから求められる、メソペンタッド分率mmmmが0.983。
プロピレン単独重合体(A1−4)
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が25g/10、13C−NMRスペクトルから求められる、メソペンタッド分率mmmmが0.963。
エチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−1)
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が25g/10、エチレン含有量が1.7wt%。
エチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−2)
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が12g/10、エチレン含有量が1.7wt%。
エチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−3)
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が50g/10、エチレン含有量が1.7wt%。
エチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−4)
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が25g/10、エチレン含有量が2.6wt%。
造核剤(B−1)
前記一般式(1)で表されるCAS No.351870-33-2を80wt%、CAS-No.7631-86-9を10wt%,CAS No.112-84-5を10wt%フ゛レント゛した物を使用。商品名Milliken Chemical製HPN-68L。
造核剤(B−2)
ナトリウム−2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート
リン系酸化防止剤(C)
トリス(2,4-ジ-t- ブチルフェニル)フォスファイト
アミン系酸化防止剤(D)
コハク酸ジメチル・1-(2-ヒドロキシエチル)-4- ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物。
ハイドロタルサイト(E−1)
Mg4Al2(OH)12CO3・3H20で表されるものを使用。
ステアリン酸カルシウム(E−2)
実施例等において、物性は次の方法で測定した。
(1)ヘイズは、ASTM D1003に準拠し、長さ12cm、幅11cm、厚み2mmの角板を射出成形し、121℃1時間シリンジを水蒸気滅菌し、試験前後で測定した。
(2)曲げ弾性率ASTM D790に準拠して曲げ試験を行ない、その結果か
ら曲げ弾性率を算出した。
(3)メルトフローレート(MFR)
MFRは、ASTM D−1238に準拠し、230℃、荷重2.16kgで測定した。
(4)加熱変形温度;ASTM D−648に準じて行った。単位は℃。
(5)成形性の評価として、20ml注射器外筒8本取り金型にて150t電動射出成形機にてサイクル時間(秒)をもとめた。
(6)上記シリンジを用い、押し子を入れ、日局方溶出物試験121℃1時間水蒸気滅菌後のシリンジの変形を目視で評価した。
プロピレン単独重合体(A1−1)100重量部を、ヘンシェルミキサー中に供給し、さらに、前記造核剤(B−1)0、15重量部、リン系酸化防止剤(C)0.10重量部、アミン系酸化防止剤(D)0.04重量部、ハイドロタルサイト(E−1)0.02、ステアリン酸カルシウム(E−2)0.01重量部を添加し、攪拌混合した。
次いで、得られた混合物を、単軸押出機(100mmφ)を用いて、樹脂温度220℃で溶融混練し、その混練物を押出してポリプロピレン樹脂組成物のペレットを得た。次いで、そのペレットを用いて、射出成形により200℃、金型温度40℃にて厚み2mmのシート状試験片、曲げ強度試験用の試験片(ASTM D790、厚み3.2mm、長さ127mm、幅12.7mm)、および加熱変形温度試験用の試験片(ASTM D648、厚み4.0mm、長さ127mm、幅12.7mm)を作製した。
これら試験片を用いて、前述の方法に従って測定した。これらの結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
実施例1において、プロピレン単独重合体(A1−1)のかわりにエチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−1)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。物性測定結果を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1において、プロピレン単独重合体(A1−1)の代わりにプロピレン単独重合体(A1−2)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
〔比較例2〕
実施例1において、プロピレン単独重合体(A1−1)の代わりにプロピレン単独重合体(A1−3)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
〔比較例3〕
実施例1において、プロピレン単独重合体(A1−1)の代わりにプロピレン単独重合体(A1−4)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
〔比較例4〕
実施例2において、エチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−1)の代わりにエチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−2)を用いた以外は、実施例2と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
〔比較例5〕
実施例2において、エチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−1)の代わりにエチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−3)を用いた以外は、実施例2と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
〔比較例6〕
実施例2において、エチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−1)の代わりにエチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−4)を用いた以外は、実施例2と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
〔比較例7〕
実施例1において、造核剤(B−1)のかわりに造核剤(B−2)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
〔比較例8〕
実施例2において、造核剤(B−1)のかわりに造核剤(B−2)を用いた以外は、実施例2と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
Figure 2005314490
表1に記載した物性測定結果から、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物から得られた成形品が、従来の高い剛性、耐熱性を有し、且つ従来得られなかったレベルの透明性を有し、更に生産速度である1生産サイクル6秒未満で生産できるという高生産性に優れたポリプロピレン樹脂組成物であることが分かる。また、本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物を用いて生産されたプレフィルドシリンジは従来の特性を損なうことなく、滅菌によるシリンジの変形もなく、且つ抽出物も見られず、非常に優れたシリンジ特性を保持している。このシリンジ高生産性により更に低コストで生産でき、非常に有用である。

Claims (6)

  1. (i)メルトフローレイトが15〜45g/10分、(ii)メソペンタッド分率mmmmが0.970以上である結晶性プロピレン単独重合体(A−1)100重量部に対し、下記一般式(1)で表わされる化合物を主成分とする造核剤(B−1)を0.05〜0.3重量部配合してなるポリプロピレン樹脂組成物。
    Figure 2005314490
    (式中、Metalは1価または3価の金属を示す。)
  2. (i)メルトフローレイトが15〜45g/10分、(ii)エチレン含量が0.1〜2.0重量%である結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体(A2)100重量部に対し、上記一般式(1)で表わされる化合物を主成分とする造核剤(B−1)を0.05〜0.3重量部配合してなるポリプロピレン樹脂組成物。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物から形成されてなることを特徴とする医療用器具。
  4. 前記医療用器具が、薬液充填後に水蒸気による滅菌を施されるプレフィルドシリンジであることを特徴とする請求項3記載の医療用器具。
  5. 完全無菌工程にてシリンジ成形から薬液充填までを行い製造されることを特徴とする請求項4記載のプレフィルドシリンジ。
  6. 前記医療用器具が、γ線や電子線による滅菌を施され、洗浄処理後、無菌工程にて薬液充填を行うことを特徴とする請求項4または5に記載のプレフィルドシリンジ。
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