JP2005314490A - ポリプロピレン樹脂組成物およびその医療器具・プレフィルドシリンジ - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係る第2のポリプロピレン樹脂組成物は、(i)メルトフローレイトが15〜45g/10分、(ii)エチレン含量が0.1〜2.0重量%である結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体(A−2)100重量部に対し、前記一般式(I)で表わされる造核剤(B−1)を0.05〜0.3重量部配合してなるポリプロピレン樹脂組成物(II)である。
本発明で用いられるポリプロピレン(A1)は、プロピレン単独重合体であってメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)は、15〜45g/10分、好ましくは20〜40g/10分、さらに好ましくは22〜28g/10分の範囲にある。
また、本発明で用いられるエチレン−プロピレンランダム共重合体(A2)は、i)メルトフローレイトが15〜45g/10分、好ましくは20〜40g/10分、さらに好ましくは22〜28g/10分の範囲にある。また、(ii)エチレン含量が0.1〜2.0重量%、好ましくは0.8〜1.8重量%、の範囲にある時、A1より透明性が飛躍的に向上し、且つ第十四改正日本薬局方一般試験法『プラスチック医薬品容器試験法』や『プラスチック製水性注射剤容器基準』における水蒸気滅菌における耐熱性も保持できる更に優れたポリプロピレン樹脂組成物となる。
本発明で用いられる造核剤(B)としては、前記一般式(1)に示す構造を主構造とした造核剤である。分散性や安定性のために他の分散剤を副成分として本発明の効果を阻害しない範囲、特に30%以内の量で添加する事も可能である。主成分含有量は、通常50重量%以上、好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上である。
本発明で必要に応じて用いられるリン系酸化防止剤(C)は、特に制限はなく、従来公知のリン系酸化防止剤を用いることができる。なお、リン系酸化防止剤(C)の使用が1種類のみであると、ブリードによる内容物汚染が少ないため好ましい。
本発明で必要に応じて用いられる、リン系酸化防止剤(C)とともに用いることができるアミン系酸化防止剤(D)としては、ピペリジン環を持つ化合物が例示される。具体的には、コハク酸ジメチル・1-(2-ヒドロキシエチル)-4- ヒドロキシ-2,2,6,6- テトラメチルピペリジン重縮合物、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル)セバケート、ポリ[[6-[1-[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ]-s-トリアジン-2,4-ジイル][[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]などが用いられる。
プロピレン単独重合体(A1−1):
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が25g/10、13C−NMRスペクトルから求められる、メソペンタッド分率mmmmが0.983。
プロピレン単独重合体(A1−2):
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が12g/10分、メソペンタッド分率mmmmが0.983。
プロピレン単独重合体(A1−3):
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が50g/10、13C−NMRスペクトルから求められる、メソペンタッド分率mmmmが0.983。
プロピレン単独重合体(A1−4):
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が25g/10、13C−NMRスペクトルから求められる、メソペンタッド分率mmmmが0.963。
エチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−1):
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が25g/10、エチレン含有量が1.7wt%。
エチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−2):
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が12g/10、エチレン含有量が1.7wt%。
エチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−3):
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が50g/10、エチレン含有量が1.7wt%。
エチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−4):
メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16荷重)が25g/10、エチレン含有量が2.6wt%。
造核剤(B−1):
前記一般式(1)で表されるCAS No.351870-33-2を80wt%、CAS-No.7631-86-9を10wt%,CAS No.112-84-5を10wt%フ゛レント゛した物を使用。商品名Milliken Chemical製HPN-68L。
造核剤(B−2):
ナトリウム−2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート
リン系酸化防止剤(C):
トリス(2,4-ジ-t- ブチルフェニル)フォスファイト
アミン系酸化防止剤(D):
コハク酸ジメチル・1-(2-ヒドロキシエチル)-4- ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物。
ハイドロタルサイト(E−1):
Mg4Al2(OH)12CO3・3H20で表されるものを使用。
ステアリン酸カルシウム(E−2):
(1)ヘイズは、ASTM D1003に準拠し、長さ12cm、幅11cm、厚み2mmの角板を射出成形し、121℃1時間シリンジを水蒸気滅菌し、試験前後で測定した。
(2)曲げ弾性率ASTM D790に準拠して曲げ試験を行ない、その結果か
ら曲げ弾性率を算出した。
(3)メルトフローレート(MFR)
MFRは、ASTM D−1238に準拠し、230℃、荷重2.16kgで測定した。
(4)加熱変形温度;ASTM D−648に準じて行った。単位は℃。
(5)成形性の評価として、20ml注射器外筒8本取り金型にて150t電動射出成形機にてサイクル時間(秒)をもとめた。
(6)上記シリンジを用い、押し子を入れ、日局方溶出物試験121℃1時間水蒸気滅菌後のシリンジの変形を目視で評価した。
これら試験片を用いて、前述の方法に従って測定した。これらの結果を表1に示す。
実施例1において、プロピレン単独重合体(A1−1)の代わりにプロピレン単独重合体(A1−2)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
実施例1において、プロピレン単独重合体(A1−1)の代わりにプロピレン単独重合体(A1−3)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
実施例1において、プロピレン単独重合体(A1−1)の代わりにプロピレン単独重合体(A1−4)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
実施例2において、エチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−1)の代わりにエチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−2)を用いた以外は、実施例2と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
実施例2において、エチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−1)の代わりにエチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−3)を用いた以外は、実施例2と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
実施例2において、エチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−1)の代わりにエチレン−プロピレンランダム共重合体(A2−4)を用いた以外は、実施例2と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
実施例1において、造核剤(B−1)のかわりに造核剤(B−2)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
実施例2において、造核剤(B−1)のかわりに造核剤(B−2)を用いた以外は、実施例2と同様に行なった。物性測定結果を表1に併せて示す。
Claims (6)
- (i)メルトフローレイトが15〜45g/10分、(ii)エチレン含量が0.1〜2.0重量%である結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体(A2)100重量部に対し、上記一般式(1)で表わされる化合物を主成分とする造核剤(B−1)を0.05〜0.3重量部配合してなるポリプロピレン樹脂組成物。
- 請求項1〜2のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物から形成されてなることを特徴とする医療用器具。
- 前記医療用器具が、薬液充填後に水蒸気による滅菌を施されるプレフィルドシリンジであることを特徴とする請求項3記載の医療用器具。
- 完全無菌工程にてシリンジ成形から薬液充填までを行い製造されることを特徴とする請求項4記載のプレフィルドシリンジ。
- 前記医療用器具が、γ線や電子線による滅菌を施され、洗浄処理後、無菌工程にて薬液充填を行うことを特徴とする請求項4または5に記載のプレフィルドシリンジ。
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