JP2012205386A - 電動車両およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】昇圧コンバータにおける共振の発生を確実に回避可能な電動車両およびその制御方法を提供する。
【解決手段】制御装置40は、電圧センサ52の異常時や所定の省燃費走行条件の成立時等に、昇圧コンバータ10のスイッチング素子Q1を継続的にオン状態とする上アームオン走行を実行する。上アームオン走行時は、昇圧コンバータ10のリアクトルLおよび平滑コンデンサCによりLC回路が形成される。制御装置40は、上アームオン走行の実行条件が成立し、かつ、モータジェネレータM1の回転速度が所定範囲(LC回路の共振発生領域)にあるとき、プリチャージ用のリレーRY3をオン状態にし、かつ、リレーRY2をオフ状態にする。
【選択図】図1
【解決手段】制御装置40は、電圧センサ52の異常時や所定の省燃費走行条件の成立時等に、昇圧コンバータ10のスイッチング素子Q1を継続的にオン状態とする上アームオン走行を実行する。上アームオン走行時は、昇圧コンバータ10のリアクトルLおよび平滑コンデンサCによりLC回路が形成される。制御装置40は、上アームオン走行の実行条件が成立し、かつ、モータジェネレータM1の回転速度が所定範囲(LC回路の共振発生領域)にあるとき、プリチャージ用のリレーRY3をオン状態にし、かつ、リレーRY2をオフ状態にする。
【選択図】図1
Description
この発明は、電動車両およびその制御方法に関し、特に、走行用の電力を蓄える再充電可能な蓄電装置と電動機を駆動する駆動装置へ給電するための電力線との間に昇圧回路を備える電動車両およびその制御方法に関する。
環境に配慮した車両として、電気自動車やハイブリッド自動車などの電動車両が注目されている。電気自動車は、蓄電装置とインバータとインバータによって駆動される電動機とを走行用の動力源として搭載する。ハイブリッド自動車は、従来の内燃機関に加え、蓄電装置とインバータと電動機とを走行用の動力源として搭載する。
上記のような電動車両においては、電動機の高出力化の要求に伴なって駆動電圧の高電圧化が要求される。そして、走行用の電力を蓄える蓄電装置とインバータとの間に、インバータに供給する電圧を蓄電装置の電圧以上に昇圧する昇圧コンバータを備えた電動車両が知られている。
特開2009−225633号公報(特許文献1)は、そのような昇圧コンバータを備える電動機駆動制御装置を開示する。昇圧コンバータは、リアクトルとスイッチング素子とを含む昇圧チョッパ回路によって構成される。昇圧コンバータのバッテリ側とインバータ側とには、平滑コンデンサが設けられる。この平滑コンデンサと昇圧コンバータのリアクトルとにより共振回路が構成される。そして、この電動機駆動制御装置においては、モータの目標動作点が上記共振回路において共振が発生する所定領域に含まれるとき、インバータ側の電圧がバッテリ側の電圧よりも高くなるように昇圧コンバータが制御される。
この電動機駆動制御装置によれば、昇圧コンバータにおける共振の発生に起因した不具合の発生を抑制しつつ、電動機の出力やエネルギー効率の向上を図ることができるとされる(特許文献1参照)。
しかしながら、上記の特開2009−225633号公報に開示される電動機駆動制御装置では、昇圧コンバータのインバータ側の電圧を検出する電圧センサに異常が発生する等して昇圧コンバータによる昇圧制御を実施することができない場合には、昇圧コンバータにおける上記共振の発生を回避することができない。
それゆえに、この発明の目的は、昇圧コンバータにおける共振の発生を確実に回避可能な電動車両およびその制御方法を提供することである。
この発明によれば、電動車両は、電動機と、駆動装置と、電力線と、コンデンサと、再充電可能な蓄電装置と、昇圧回路と、リレーと、プリチャージ回路と、制御装置とを備える。電動機は、車両の駆動力を発生する。駆動装置は、電動機を駆動する。電力線は、駆動装置へ給電するためのものである。コンデンサは、電力線に接続され、電力線の電圧を平滑化する。蓄電装置は、走行用の電力を蓄える。昇圧回路は、蓄電装置と電力線との間に設けられ、電力線の電圧を蓄電装置の電圧以上に昇圧するように構成される。リレーは、蓄電装置と昇圧回路との間に設けられる。プリチャージ回路は、リレーに並列に接続され、蓄電装置からコンデンサへ突入電流が流れるのを防止する。プリチャージ回路は、制限抵抗と、プリチャージ用リレーとを含む。プリチャージ用リレーは、制限抵抗に直列に接続される。昇圧回路は、上アームと、下アームと、リアクトルとを含む。上アームは、電力線に接続される。下アームは、上アームと蓄電装置の負極との間に接続される。リアクトルは、上下アームの接続点と蓄電装置の正極との間に接続される。そして、制御装置は、上アームを継続的に導通状態にして走行する上アームオン走行の実行条件が成立し、かつ、電動機の回転速度が所定範囲に含まれるとき、プリチャージ用リレーをオン状態にし、かつ、リレーをオフ状態にする。
好ましくは、所定範囲は、上アームの導通時にリアクトルおよびコンデンサにより形成されるLC回路の共振周波数に基づいて決定される。
好ましくは、制御装置は、電動機の回転速度が所定範囲を外れたとき、プリチャージ用リレーをオフ状態にし、かつ、リレーをオン状態にする。
好ましくは、駆動装置は、PWM制御モードおよび矩形波制御モードを含む制御モードを切替えて電動機を駆動可能である。そして、制御装置は、上アームオン走行の実行条件が成立し、かつ、電動機の回転速度が所定範囲に含まれ、かつ、制御モードが矩形波制御モードのとき、プリチャージ用リレーをオン状態にし、かつ、リレーをオフ状態にする。
また、好ましくは、制御装置は、上アームオン走行の実行条件が成立し、かつ、電動機の回転速度が所定範囲に含まれ、かつ、電動機のトルクが予め定められた値よりも大きいとき、プリチャージ用リレーをオン状態にし、かつ、リレーをオフ状態にする。
好ましくは、電動車両は、もう1つのコンデンサをさらに備える。もう1つのコンデンサは、蓄電装置と昇圧回路との間に配設される電源線に接続され、電源線の電圧を平滑化する。そして、所定範囲は、上アームの導通時にコンデンサおよびもう1つのコンデンサならびにリアクトルにより形成されるLC回路の共振周波数に基づいて決定される。
また、この発明によれば、制御方法は、電動車両の制御方法である。電動車両は、電動機と、駆動装置と、電力線と、コンデンサと、再充電可能な蓄電装置と、昇圧回路と、リレーと、プリチャージ回路とを備える。電動機は、車両の駆動力を発生する。駆動装置は、電動機を駆動する。電力線は、駆動装置へ給電するためのものである。コンデンサは、電力線に接続され、電力線の電圧を平滑化する。蓄電装置は、走行用の電力を蓄える。昇圧回路は、蓄電装置と電力線との間に設けられ、電力線の電圧を蓄電装置の電圧以上に昇圧するように構成される。リレーは、蓄電装置と昇圧回路との間に設けられる。プリチャージ回路は、リレーに並列に接続され、蓄電装置からコンデンサへ突入電流が流れるのを防止する。プリチャージ回路は、制限抵抗と、プリチャージ用リレーとを含む。プリチャージ用リレーは、制限抵抗に直列に接続される。昇圧回路は、上アームと、下アームと、リアクトルとを含む。上アームは、電力線に接続される。下アームは、上アームと蓄電装置の負極との間に接続される。リアクトルは、上下アームの接続点と蓄電装置の正極との間に接続される。そして、制御方法は、上アームを継続的に導通状態にして走行する上アームオン走行の実行条件が成立したか否かを判定するステップと、電動機の回転速度が所定範囲に含まれるか否かを判定するステップと、上アームオン走行の実行条件が成立していると判定され、かつ、電動機の回転速度が所定範囲に含まれると判定されたとき、プリチャージ用リレーをオン状態にし、かつ、リレーをオフ状態にするステップとを含む。
好ましくは、所定範囲は、上アームの導通時にリアクトルおよびコンデンサにより形成されるLC回路の共振周波数に基づいて決定される。
この発明においては、上アームオン走行の実行条件が成立し、かつ、電動機の回転速度が所定範囲に含まれるとき、プリチャージ用リレーがオン状態にされ、かつ、リレーがオフ状態にされる。これにより、リアクトルおよびコンデンサにより形成されるLC回路が共振し得る所定範囲に電動機の回転速度が含まれる場合に、制限抵抗を電気的に接続してLC回路のインピーダンスを変化させ、LC回路の共振周波数を変化させることができる。したがって、この発明によれば、昇圧回路における共振の発生を確実に回避することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による電動車両の電気システムを示した図である。図1を参照して、電動車両100は、蓄電装置Bと、システムメインリレーSMRと、昇圧コンバータ10と、インバータ20と、モータジェネレータM1と、駆動輪35と、正極線PL1,PL2と、負極線NLと、平滑コンデンサCとを備える。また、電動車両100は、制御装置40と、電圧センサ52,54と、電流センサ56と、回転角センサ58とをさらに備える。
図1は、この発明の実施の形態1による電動車両の電気システムを示した図である。図1を参照して、電動車両100は、蓄電装置Bと、システムメインリレーSMRと、昇圧コンバータ10と、インバータ20と、モータジェネレータM1と、駆動輪35と、正極線PL1,PL2と、負極線NLと、平滑コンデンサCとを備える。また、電動車両100は、制御装置40と、電圧センサ52,54と、電流センサ56と、回転角センサ58とをさらに備える。
システムメインリレーSMRは、リレーRY1〜RY3と、制限抵抗Rpとを含む。リレーRY1は、蓄電装置Bの正極と正極線PL1との間に設けられる。リレーRY2は、蓄電装置Bの負極と負極線NLとの間に設けられる。リレーRY3および制限抵抗Rpは、直列に接続されてプリチャージ回路を構成し、リレーRY2に並列に接続される。
なお、リレーRY1〜RY3は、機械式リレーによって構成してもよいし、半導体リレーによって構成してもよい。また、リレーRY3および制限抵抗Rpによって構成されるプリチャージ回路は、リレーRY1に並列に接続してもよい。
昇圧コンバータ10は、リアクトルLと、電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」と称する。)Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。ダイオードD1は、スイッチング素子Q1に逆並列に接続され、上アームを構成する。ダイオードD2は、スイッチング素子Q2に逆並列に接続され、下アームを構成する。そして、上下アームの接続点と正極線PL1との間にリアクトルLが接続される。
なお、上記のスイッチング素子Q1,Q2およびインバータ20を構成する後述のスイッチング素子Q11〜Q16として、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)や電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ等を用いることができる。
インバータ20は、U相アーム22と、V相アーム24と、W相アーム26とを含む。U相アーム22、V相アーム24およびW相アーム26は、正極線PL2と負極線NLとの間に並列に接続される。U相アーム22は、直列に接続されたスイッチング素子Q11,Q12を含む。V相アーム24は、直列に接続されたスイッチング素子Q13,Q14を含む。W相アーム26は、直列に接続されたスイッチング素子Q15,Q16を含む。スイッチング素子Q11〜Q16には、それぞれダイオードD11〜D16が逆並列に接続される。そして、各相アームの中間点は、モータジェネレータM1の各相コイルにそれぞれ接続される。
蓄電装置Bは、再充電可能な直流電源であり、たとえばニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池によって構成される。蓄電装置Bは、走行用の電力を蓄える。なお、蓄電装置Bとして、二次電池に代えて、電気二重層キャパシタや大容量のコンデンサ等を用いてもよい。
システムメインリレーSMRのリレーRY1〜RY3は、制御装置40からの制御信号に従ってオン/オフされる。リレーRY1,RY2またはリレーRY1,RY3がオンすることによって、蓄電装置Bが昇圧コンバータ10に電気的に接続される。制限抵抗RpおよびリレーRY3によって構成されるプリチャージ回路は、蓄電装置Bを昇圧コンバータ10に電気的に接続するときに蓄電装置Bから昇圧コンバータ10を介して平滑コンデンサCへ突入電流が流れるのを防止する。すなわち、蓄電装置Bが昇圧コンバータ10に電気的に接続されるとき、まずリレーRY1,RY3がオンされることによって制限抵抗Rpにより電流を制限しながら平滑コンデンサCのプリチャージが実施され、プリチャージが終了すると、リレーRY2がオンされ、リレーRY3がオフされる。
そして、後述のように、昇圧コンバータ10において、上アームオン走行の実行条件が成立し、かつ、昇圧コンバータ10のリアクトルLおよび平滑コンデンサCによって構成されるLC回路が共振し得る所定範囲にモータジェネレータM1の回転速度が含まれるとき、リレーRY2,RY3がそれぞれオフ,オンされることによって制限抵抗Rpが電気的に接続される。
昇圧コンバータ10は、制御装置40からの信号CNVに基づいて、正極線PL2および負極線NL間の電圧(以下「システム電圧」とも称する。)を蓄電装置Bの出力電圧以上に昇圧する。なお、システム電圧が目標電圧よりも低い場合、スイッチング素子Q2のオンデューティーを大きくすることによって正極線PL1から正極線PL2へ電流を流すことができ、システム電圧を上昇させることができる。一方、システム電圧が目標電圧よりも高い場合、スイッチング素子Q1のオンデューティーを大きくすることによって正極線PL2から正極線PL1へ電流を流すことができ、システム電圧を低下させることができる。
インバータ20は、制御装置40からの信号INV1に基づいて、正極線PL2から供給される直流電力を三相交流に変換してモータジェネレータM1へ出力し、モータジェネレータM1を駆動する。また、インバータ20は、電動車両100の制動時、モータジェネレータM1により発電される三相交流電力を直流に変換し、正極線PL2へ出力する。
平滑コンデンサCは、正極線PL2と負極線NLとの間に接続される。平滑コンデンサCは、正極線PL2および負極線NL間の電圧変動の交流成分を平滑化する。なお、上述のように、この平滑コンデンサCは、昇圧コンバータ10の上アームの導通時に昇圧コンバータ10のリアクトルLとともにLC回路を構成する。
モータジェネレータM1は、交流電動発電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える三相交流電動発電機である。モータジェネレータM1は、駆動輪35に機械的に連結され、走行トルクを発生する。また、モータジェネレータM1は、電動車両100の制動時、車両の運動エネルギーを駆動輪35から受けて発電する。なお、電動車両100がハイブリッド車両であれば、モータジェネレータM1は、図示されないエンジンに機械的に連結され、エンジンの動力を用いて発電し、かつ、エンジンの始動も行なうものであってもよい。
電圧センサ52は、平滑コンデンサCの端子間電圧、すなわち正極線PL2と負極線NLとの間の電圧Vm(システム電圧)を検出し、その検出値を制御装置40へ出力する。電圧センサ54は、蓄電装置Bの電圧VBを検出し、その検出値を制御装置40へ出力する。電流センサ56は、蓄電装置Bに入出力される電流IBを検出し、その検出値を制御装置40へ出力する。回転角センサ58は、モータジェネレータM1のロータの回転角θ1を検出し、その検出値を制御装置40へ出力する。
制御装置40は、電圧Vm,VBおよび電流IBの各検出値に基づいて、昇圧コンバータ10を駆動するための信号CNVを生成して昇圧コンバータ10へ出力する。また、制御装置40は、モータ電流、回転角θ1および電圧Vmの各検出値、ならびに図示されない外部ECUから受けるモータジェネレータM1のトルク指令値およびモータ回転速度等に基づいて、モータジェネレータM1を駆動するための信号INV1を生成してインバータ20へ出力する。ここで、制御装置40は、モータジェネレータM1のトルクおよび回転速度ならびに電圧Vmに基づいて、3つの制御モードを適宜切替えてインバータ20を制御する。
図2は、インバータ20の制御モードを説明する図である。図2を参照して、制御モードには、正弦波PWM制御モード、過変調PWM制御モードおよび矩形波電圧制御モードの3つのモードが存在する。
正弦波PWM制御モードでは、正弦波状の電圧指令と搬送波(代表的には三角波)との電圧比較に従って、各相上下アームのオン/オフが制御される。この結果、上アームのオン期間に対応するハイレベル期間と、下アームのオン期間に対応するローレベル期間との集合について、一定期間内でその基本波成分が正弦波となるようにデューティが制御される。なお、正弦波PWM制御モードでは、正弦波状の電圧指令の振幅が搬送波振幅以下の範囲に制限されるので、モータジェネレータM1への印加電圧(以下、単に「モータ印加電圧」とも称する。)の基本波成分を入力電圧の約0.61倍程度までしか高めることができない(以下、入力電圧(システム電圧)に対するモータ印加電圧(線間電圧)の基本波成分(実効値)の比を「変調率」と称する。)。
過変調PWM制御モードは、電圧指令(正弦波成分)の振幅が搬送波振幅より大きい範囲で上記正弦波PWM制御モードと同様のPWM制御を行なうものである。特に、電圧指令を本来の正弦波波形から歪ませる(振幅補正)ことによって基本波成分を高めることができ、正弦波PWM制御モードでの最高変調率から0.78の範囲まで変調率を高めることができる。
矩形波電圧制御モードでは、上記一定期間内で、ハイレベル期間およびローレベル期間の比が1:1の矩形波1パルス分がモータジェネレータM1に印加される。これにより、矩形波電圧制御モードでは、変調率は0.78まで高められる。矩形波電圧制御モードでは、モータ印加電圧の振幅が固定されるので、トルク指令値に対する偏差に基づく矩形波電圧パルスの位相制御によってトルク制御が実行される。
再び図1を参照して、制御装置40は、予め定められた条件が成立すると、昇圧コンバータ10のスイッチング素子Q1を継続的にオン状態(スイッチング素子Q2はオフ状態)にする(以下、この状態での走行を「上アームオン走行」と称する。)。一例として、電圧センサ52の異常時や、所定の省燃費走行条件成立時などに、上アームオン走行が実行される。
そして、制御装置40は、上アームオン走行の実行条件が成立し、かつ、モータジェネレータM1の回転速度が所定範囲に含まれるとき、リレーRY2,RY3をそれぞれオフ,オンにするようにシステムメインリレーSMRを制御する。上記所定範囲は、昇圧コンバータ10のリアクトルLおよび平滑コンデンサCの製造ばらつきを考慮した上で、リアクトルLおよび平滑コンデンサCにより形成されるLC回路がモータジェネレータM1のトルクリップルに起因して共振し得る範囲に設定される。これにより、蓄電装置Bと昇圧コンバータ10との間にプリチャージ用の制限抵抗Rpが電気的に接続されてLC回路のインピーダンスが変化し、LC回路の共振周波数が変化する。以下、この点について詳しく説明する。
図3は、上アームオン走行時における電気システムの等価回路図である。図3を参照して、上アームオン走行時は、昇圧コンバータ10の上アームを構成するスイッチング素子Q1を継続的にオン状態にすることにより昇圧コンバータ10のリアクトルLと平滑コンデンサCとが電気的に直結され、リアクトルLと平滑コンデンサCとによりLC回路が形成される。
一方、モータジェネレータM1においては、回転に伴なってトルクリップルが発生し、このトルクリップルによる電圧リップルが正極線PL2に発生する。トルクリップルの周波数は、モータジェネレータM1の回転速度に依存し、正極線PL2に発生する電圧リップルの周波数も、モータジェネレータM1の回転速度に依存する。そして、正極線PL2に発生する電圧リップルの周波数が上記LC回路の共振周波数に近づくと、電圧リップルに誘引されてLC回路が共振する。
そこで、この実施の形態1では、上アームオン走行の実行条件が成立し、かつ、上記LC回路が共振し得る所定範囲にモータジェネレータM1の回転速度が含まれるとき、リレーRY2,RY3をそれぞれオフ,オンにすることによってプリチャージ用の制限抵抗Rpを電気的に接続し、LC回路の共振を回避することとしたものである。
より詳しく説明すると、リレーRY2,RY3がそれぞれオン,オフ状態のとき(通常時)の回路60の等価インピーダンスZ0は、以下の式で示される。
Z0=((Rb+jωL)-1+jωC)-1 …(1)
ここで、Rbは蓄電装置Bの内部抵抗を示し、LはリアクトルLのインダクタンスを示す。また、Cは平滑コンデンサCの容量を示す。
ここで、Rbは蓄電装置Bの内部抵抗を示し、LはリアクトルLのインダクタンスを示す。また、Cは平滑コンデンサCの容量を示す。
式(1)において虚部が0となるときのωをω0として、回路60の共振周波数f0は以下の式で示される。
f0=ω0/2π …(2)
一方、モータジェネレータM1のトルクリップルに同期して発生する正極線PL2の電圧リップルの周波数fmは、たとえば次式によって表される。
一方、モータジェネレータM1のトルクリップルに同期して発生する正極線PL2の電圧リップルの周波数fmは、たとえば次式によって表される。
fm=Nm×4×6/60 …(3)
ここで、モータジェネレータM1のロータの永久磁石は4極対とし、周波数fmは、6次高調波成分の周波数としている。なお、Nmは、モータジェネレータM1の回転速度を示す。
ここで、モータジェネレータM1のロータの永久磁石は4極対とし、周波数fmは、6次高調波成分の周波数としている。なお、Nmは、モータジェネレータM1の回転速度を示す。
式(3)に示されるように、電圧リップルの周波数fmは、モータジェネレータM1の回転速度Nmに依存する。そして、周波数fmが回路60の共振周波数f0に近くなるような回転速度Nmになると、電圧リップルに誘引されてLC回路が共振する。
そこで、周波数fmが共振周波数f0となる回転速度にモータジェネレータM1の回転速度Nmが近づいた場合には、リレーRY2,RY3をそれぞれオフ,オンにすることによってプリチャージ用の制限抵抗Rpを電気的に接続する。制限抵抗Rpが接続されたときの回路60の等価インピーダンスZ1は、以下の式で示される。
Z1=((Rt+jωL)-1+jωC)-1 …(4)
ここで、Rt=Rb+Rpである。
ここで、Rt=Rb+Rpである。
式(4)において虚部が0となるときのωをω1として、制限抵抗Rpが接続されたときの回路60の共振周波数f1は以下の式で示される。
f1=ω1/2π …(5)
このように、制限抵抗Rpを接続することによって回路60の共振周波数がf0からf1に変化し、LC回路の共振が回避される。
このように、制限抵抗Rpを接続することによって回路60の共振周波数がf0からf1に変化し、LC回路の共振が回避される。
図4は、モータジェネレータM1の回転速度(角速度)の大きさと制限抵抗Rpの接続との関係を示した図である。図4を参照して、横軸は、モータジェネレータM1の角速度を示し、縦軸は、蓄電装置BおよびシステムメインリレーSMRから成る回路の抵抗成分の大きさを示す。
式(2)に示されるω0を含む所定範囲にモータジェネレータM1の角速度が含まれる場合には、リレーRY2,RY3をそれぞれオフ,オンさせることによって制限抵抗Rpが電気的に接続される。角速度ω1(1),ω1(2)は、式(5)のω1に対応し、一例として、制限抵抗Rpが接続されたときのLC回路の共振周波数が2点存在する場合を示したものである。
モータジェネレータM1の角速度がω0近傍のときは、ω0に対応する共振周波数f0での共振を回避するために、制限抵抗Rpが電気的に接続される。制限抵抗Rpが接続されると、共振が発生する角速度はω0からω1(1),ω1(2)に推移するので、共振が回避される。なお、モータジェネレータM1の角速度がω0近傍から外れた場合には、角速度ω1(1),ω1(2)での共振を回避するために、リレーRY2,RY3をそれぞれオン,オフにすることによって制限抵抗Rpが電気的に切離される。
なお、制限抵抗Rpが接続される、角速度ω0を含む上記所定範囲は、昇圧コンバータ10のリアクトルLや平滑コンデンサCの製造ばらつきを考慮して決定される。
図5は、上アームオン走行中にモータジェネレータM1の回転速度が所定範囲に入ったときの制御装置40の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理は、一定時間ごとまたは所定の条件の成立時にメインルーチンから呼出されて実行される。
図5を参照して、制御装置40は、上アームオン走行の条件が成立しているか否かを判定する(ステップS10)。一例として、電圧センサ52の異常時や所定の省燃費走行条件成立時などに上アームオン走行の条件が成立したものと判定される。そして、上アームオン走行の条件が成立していると判定されると(ステップS10においてYES)、制御装置40は、スイッチング素子Q1を継続的にオン状態(スイッチング素子Q2は継続的にオフ状態)とするように昇圧コンバータ10を制御し、上アームオン走行を実行する(ステップS20)。
次いで、制御装置40は、モータジェネレータM1の回転速度Nmが所定値N1よりも高く、かつ、所定値N2よりも低いか否かを判定する(ステップS30)。所定値N1,N2は、昇圧コンバータ10のリアクトルLと平滑コンデンサCとにより形成されるLC回路の共振周波数に対応する回転速度Nmに基づいて、平滑コンデンサCおよびリアクトルLの製造ばらつきを考慮して決定される。
回転速度Nmが所定値N1よりも高く、かつ、所定値N2よりも低いと判定されると(ステップS30においてYES)、制御装置40は、制御モードが矩形波電圧制御モードであるか否かを判定する(ステップS40)。図2で説明したように、モータジェネレータM1に印加される電圧波形からして、トルクリップルおよびそれに同期して発生する正極線PL2の電圧リップルは矩形波電圧制御モード時に大きくなり、矩形波電圧制御モード時にLC回路の共振が発生しやすい。そこで、この実施の形態1では、上アームオン走行時の共振を回避するために制限抵抗Rpを接続する条件に、制御モードが矩形波電圧制御モードであることを加えるものである。但し、制御モードが矩形波電圧制御モード以外の過変調PWM制御モードおよび正弦波PWM制御モードにおいても共振は発生し得るので、このステップS40に示される処理は省略することも可能である。
ステップS40において制御モードが矩形波電圧制御モードであると判定されると(ステップS40においてYES)、制御装置40は、リレーRY3をオンさせ、リレーRY2をオフさせる(ステップS50)。これにより、制限抵抗Rpが電気的に接続され、回路60(図3)のインピーダンスが変化する。その結果、回路60の共振周波数が変化し、回路60における共振の発生が回避される。
なお、ステップS10において上アームオン走行の条件は成立していないと判定されたとき(ステップS10においてNO)、または、ステップS30において回転速度Nmが所定値N1以下であるか所定値N2以上であると判定されたとき(ステップS30においてNO)、または、ステップS40において制御モードが矩形波電圧制御モードでないと判定されたとき(ステップS40においてNO)、制御装置40は、リレーRY3をオフさせ、リレーRY2をオンさせる(ステップS60)。これらの場合には、共振は発生しないものと判断できるからである。
図6は、モータジェネレータM1の回転速度が所定範囲に含まれる場合に上アームオン走行の実行条件が成立したときの制御装置40の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理も、一定時間ごとまたは所定の条件の成立時にメインルーチンから呼出されて実行される。
図6を参照して、制御装置40は、モータジェネレータM1の回転速度Nmが所定値N1よりも高く、かつ、所定値N2よりも低いか否かを判定する(ステップS110)。所定値N1,N2については、上述したとおりである。回転速度Nmが所定値N1よりも高く、かつ、所定値N2よりも低いと判定されると(ステップS110においてYES)、制御装置40は、上アームオン走行の条件が成立したか否かを判定する(ステップS120)。上アームオン走行の条件が成立したと判定されると(ステップS120においてYES)、制御装置40は、スイッチング素子Q1を継続的にオン状態(スイッチング素子Q2は継続的にオフ状態)とするように昇圧コンバータ10を制御し、上アームオン走行を実行する(ステップS130)。
次いで、制御装置40は、制御モードが矩形波電圧制御モードであるか否かを判定する(ステップS140)。そして、制御モードが矩形波電圧制御モードであると判定されると(ステップS140においてYES)、制御装置40は、リレーRY3をオンさせ、リレーRY2をオフさせる(ステップS150)。
なお、ステップS110において回転速度Nmが所定値N1以下であるか所定値N2以上であると判定されたとき(ステップS110においてNO)、または、ステップS120において上アームオン走行の条件は成立していないと判定されたとき(ステップS120においてNO)、または、ステップS140において制御モードが矩形波電圧制御モードでないと判定されたとき(ステップS140においてNO)、制御装置40は、リレーRY3をオフさせ、リレーRY2をオンさせる(ステップS160)。これらの場合には、共振は発生しないものと判断できるからである。
以上のように、この実施の形態1においては、上アームオン走行の実行条件が成立し、かつ、モータジェネレータM1の回転速度が所定範囲に含まれるとき、リレーRY3がオンされ、かつ、リレーRY2がオフされる。これにより、昇圧コンバータ10のリアクトルLおよび平滑コンデンサCにより形成されるLC回路が共振し得る所定範囲にモータジェネレータM1の回転速度が含まれる場合に、制限抵抗Rpを電気的に接続してLC回路のインピーダンスを変化させ、LC回路の共振周波数を変化させることができる。そして、モータジェネレータM1の回転速度が上記の所定範囲を外れると、リレーRY3がオフされ、かつ、リレーRY2がオンされる。したがって、この実施の形態1によれば、昇圧コンバータ10における共振の発生を確実に回避することができる。
また、この実施の形態1においては、制御モードが矩形波制御モードのときに、共振を回避するために制限抵抗Rpを電気的に接続可能とされる。したがって、この実施の形態1によれば、走行中に制限抵抗Rpが不必要に接続されるのを回避することができる。
[実施の形態2]
上述した共振現象は、モータジェネレータM1のトルクリップルに伴なって発生する正極線PL2の電圧リップルが大きくなると発生する。このため、上記の実施の形態1では、トルクリップルが大きくなる矩形波電圧制御モード時に共振が発生し得るものとして、制限抵抗Rpを接続することとした。この実施の形態2は、モータジェネレータM1のトルクが大きい場合に制限抵抗Rpを接続するものである。
上述した共振現象は、モータジェネレータM1のトルクリップルに伴なって発生する正極線PL2の電圧リップルが大きくなると発生する。このため、上記の実施の形態1では、トルクリップルが大きくなる矩形波電圧制御モード時に共振が発生し得るものとして、制限抵抗Rpを接続することとした。この実施の形態2は、モータジェネレータM1のトルクが大きい場合に制限抵抗Rpを接続するものである。
この実施の形態2による電動車両の電気システムの構成は、図1に示した実施の形態1における電動車両100と同じである。
図7は、実施の形態2における制御装置40について、上アームオン走行中にモータジェネレータM1の回転速度が所定範囲に入ったときの処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理も、一定時間ごとまたは所定の条件の成立時にメインルーチンから呼出されて実行される。
図7を参照して、このフローチャートは、図5に示したフローチャートにおいて、ステップS40に代えてステップS45を含む。すなわち、ステップS30において、モータジェネレータM1の回転速度Nmが所定値N1よりも高く、かつ、所定値N2よりも低いと判定されると(ステップS30においてYES)、制御装置40は、モータジェネレータM1のトルク指令値が所定のしきい値よりも大きいか否かを判定する(ステップS45)。なお、このしきい値は、トルクリップルに伴ない発生する正極線PL2の電圧リップルが共振を引き起こし得る程度の大きさに予め設定される。
そして、ステップS45においてトルク指令値がしきい値よりも大きいと判定されると(ステップS45においてYES)、ステップS50へ処理が移行し、リレーRY3,RY2がそれぞれオン,オフされる。これにより、制限抵抗Rpが電気的に接続され、回路60(図3)のインピーダンスが変化する。その結果、回路60の共振周波数が変化し、回路60の共振の発生が回避される。
一方、ステップS45においてトルク指令値がしきい値以下であると判定された場合には(ステップS45においてNO)、ステップS60へ処理が移行し、リレーRY3,RY2がそれぞれオフ,オンされる。この場合には、共振は発生しないものと判断できるからである。
なお、特に図示しないが、モータジェネレータM1の回転速度が所定範囲に含まれる場合に上アームオン走行の実行条件が成立したときの制御装置40の処理手順を示す図6のフローチャートにおいて、ステップS140に代えて上記のステップS45の処理を含んでもよい。
また、制御モードが矩形波電圧制御モードであり、かつ、モータジェネレータM1のトルク指令値が所定のしきい値よりも大きいときに、リレーRY3,RY2をそれぞれオン,オフさせて制限抵抗Rpを接続するようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態2によっても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
[実施の形態3]
上記の実施の形態1,2においては、昇圧コンバータ10のリアクトルLと平滑コンデンサCとによって形成されるLC回路について共振を考慮したが、この実施の形態3では、正極線PL1と負極線NLとの間に接続される平滑コンデンサも含めて共振系が検討される。
上記の実施の形態1,2においては、昇圧コンバータ10のリアクトルLと平滑コンデンサCとによって形成されるLC回路について共振を考慮したが、この実施の形態3では、正極線PL1と負極線NLとの間に接続される平滑コンデンサも含めて共振系が検討される。
図8は、上アームオン走行時における電気システムの等価回路図である。図8を参照して、この等価回路は、図3に示した等価回路において、平滑コンデンサCLをさらに含む。平滑コンデンサCLは、正極線PL1と負極線NLとの間に接続され、正極線PL1および負極線NL間の電圧変動の交流成分を平滑化する。
リレーRY2,RY3がそれぞれオン,オフ状態のとき(通常時)の回路60Aの等価インピーダンスZ2は、以下の式で示される。
Z2=(((Rb-1+jωC1)-1+jωL)-1+jωC)-1 …(6)
ここで、Rbは蓄電装置Bの内部抵抗を示し、C1は平滑コンデンサCLの容量を示す。また、LはリアクトルLのインダクタンスを示し、Cは平滑コンデンサCの容量を示す。
ここで、Rbは蓄電装置Bの内部抵抗を示し、C1は平滑コンデンサCLの容量を示す。また、LはリアクトルLのインダクタンスを示し、Cは平滑コンデンサCの容量を示す。
式(6)において虚部が0となるときのωをω2として、回路60Aの共振周波数f2は以下の式で示される。
f2=ω2/2π …(7)
また、上記の式(3)で示される電圧リップルの周波数fmが共振周波数f2となる回転速度にモータジェネレータM1の回転速度Nmが近づいた場合には、リレーRY2,RY3をそれぞれオフ,オンにすることによって制限抵抗Rpが電気的に接続される。制限抵抗Rpが接続された場合の回路60Aの等価インピーダンスZ3は、以下の式で示される。
また、上記の式(3)で示される電圧リップルの周波数fmが共振周波数f2となる回転速度にモータジェネレータM1の回転速度Nmが近づいた場合には、リレーRY2,RY3をそれぞれオフ,オンにすることによって制限抵抗Rpが電気的に接続される。制限抵抗Rpが接続された場合の回路60Aの等価インピーダンスZ3は、以下の式で示される。
Z3=(((Rt-1+jωC1)-1+jωL)-1+jωC)-1 …(8)
ここで、Rt=Rb+Rpである。
ここで、Rt=Rb+Rpである。
式(8)において虚部が0となるときのωをω3として、制限抵抗Rpが接続されたときの回路60Aの共振周波数f3は以下の式で示される。
f3=ω3/2π …(9)
このように、制限抵抗Rpを接続することによって回路60Aの共振周波数がf2からf3に変化し、LC回路の共振が回避される。
このように、制限抵抗Rpを接続することによって回路60Aの共振周波数がf2からf3に変化し、LC回路の共振が回避される。
なお、この実施の形態3における電動車両の電気システムの構成は、図1に示した実施の形態1における電動車両100と同じである。また、制御装置40の処理手順も、上述した実施の形態1や実施の形態2と同じである。
以上のように、この実施の形態3によっても、実施の形態1,2と同様の効果を得ることができる。
なお、上記の各実施の形態においては、モータジェネレータM1の回転速度が所定範囲に含まれるときに制限抵抗Rpを接続するものとしたが、電圧Vmの検出値に基づいて正極線PL2の電圧リップルの周波数を検知し、電圧リップルの周波数が共振周波数を含む所定範囲に含まれるときに制限抵抗Rpを接続するようにしてもよい。
なお、この発明は、図1に示した電気システムの基本構成を有する様々な電動車両に適用可能である。たとえば、図1に示した電気システムの構成にエンジンをさらに搭載するハイブリッド自動車や、蓄電装置Bに加えて燃料電池を直流電源として搭載する燃料電池自動車等にもこの発明は適用可能である。
なお、上記において、モータジェネレータM1は、この発明における「電動機」の一実施例に対応し、インバータ20は、この発明における「駆動装置」の一実施例に対応する。また、正極線PL2は、この発明における「電力線」の一実施例に対応し、平滑コンデンサCおよび/または平滑コンデンサCLは、この発明における「コンデンサ」の一実施例に対応する。さらに、昇圧コンバータ10は、この発明における「昇圧回路」の一実施例に対応し、リレーRY2は、この発明における「リレー」の一実施例に対応する。
また、さらに、リレーRY3は、この発明における「プリチャージ用リレー」の一実施例に対応する。また、さらに、スイッチング素子Q1およびダイオードD1は、この発明における「上アーム」の一実施例を形成し、スイッチング素子Q2およびダイオードD2は、この発明における「下アーム」の一実施例を形成する。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 昇圧コンバータ、20,30 インバータ、22 U相アーム、24 V相アーム、26 W相アーム、35 駆動輪、40,40A 制御装置、52,54 電圧センサ、56 電流センサ、58 回転角センサ、60,60A 回路、100 電動車両、B 蓄電装置、SMR システムメインリレー、RY1〜RY3 リレー、Rp 制限抵抗、PL1,PL2 正極線、NL 負極線、L リアクトル、Q1,Q2,Q11〜Q16 スイッチング素子、D1,D2,D11〜D16 ダイオード、C,CL 平滑コンデンサ、M1 モータジェネレータ、Rb 内部抵抗。
Claims (8)
- 車両の駆動力を発生する電動機と、
前記電動機を駆動する駆動装置と、
前記駆動装置へ給電するための電力線と、
前記電力線に接続され、前記電力線の電圧を平滑化するためのコンデンサと、
走行用の電力を蓄える再充電可能な蓄電装置と、
前記蓄電装置と前記電力線との間に設けられ、前記電力線の電圧を前記蓄電装置の電圧以上に昇圧するように構成された昇圧回路と、
前記蓄電装置と前記昇圧回路との間に設けられるリレーと、
前記リレーに並列に接続され、前記蓄電装置から前記コンデンサへ突入電流が流れるのを防止するためのプリチャージ回路とを備え、
前記プリチャージ回路は、
制限抵抗と、
前記制限抵抗に直列に接続されるプリチャージ用リレーとを含み、
前記昇圧回路は、
前記電力線に接続される上アームと、
前記上アームと前記蓄電装置の負極との間に接続される下アームと、
前記上アームと前記下アームとの接続点と前記蓄電装置の正極との間に接続されるリアクトルとを含み、さらに
前記上アームを継続的に導通状態にして走行する上アームオン走行の実行条件が成立し、かつ、前記電動機の回転速度が所定範囲に含まれるとき、前記プリチャージ用リレーをオン状態にし、かつ、前記リレーをオフ状態にする制御装置を備える、電動車両。 - 前記所定範囲は、前記上アームの導通時に前記リアクトルおよび前記コンデンサにより形成されるLC回路の共振周波数に基づいて決定される、請求項1に記載の電動車両。
- 前記制御装置は、前記電動機の回転速度が前記所定範囲を外れたとき、前記プリチャージ用リレーをオフ状態にし、かつ、前記リレーをオン状態にする、請求項1または請求項2に記載の電動車両。
- 前記駆動装置は、PWM制御モードおよび矩形波制御モードを含む制御モードを切替えて前記電動機を駆動可能であり、
前記制御装置は、前記上アームオン走行の実行条件が成立し、かつ、前記電動機の回転速度が前記所定範囲に含まれ、かつ、前記制御モードが前記矩形波制御モードのとき、前記プリチャージ用リレーをオン状態にし、かつ、前記リレーをオフ状態にする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電動車両。 - 前記制御装置は、前記上アームオン走行の実行条件が成立し、かつ、前記電動機の回転速度が前記所定範囲に含まれ、かつ、前記電動機のトルクが予め定められた値よりも大きいとき、前記プリチャージ用リレーをオン状態にし、かつ、前記リレーをオフ状態にする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電動車両。
- 前記蓄電装置と前記昇圧回路との間に配設される電源線に接続され、前記電源線の電圧を平滑化するためのもう1つのコンデンサをさらに備え、
前記所定範囲は、前記上アームの導通時に前記コンデンサおよび前記もう1つのコンデンサならびに前記リアクトルにより形成されるLC回路の共振周波数に基づいて決定される、請求項1に記載の電動車両。 - 電動車両の制御方法であって、
前記電動車両は、
車両の駆動力を発生する電動機と、
前記電動機を駆動する駆動装置と、
前記駆動装置へ給電するための電力線と、
前記電力線に接続され、前記電力線の電圧を平滑化するためのコンデンサと、
走行用の電力を蓄える再充電可能な蓄電装置と、
前記蓄電装置と前記電力線との間に設けられ、前記電力線の電圧を前記蓄電装置の電圧以上に昇圧するように構成された昇圧回路と、
前記蓄電装置と前記昇圧回路との間に設けられるリレーと、
前記リレーに並列に接続され、前記蓄電装置から前記コンデンサへ突入電流が流れるのを防止するためのプリチャージ回路とを備え、
前記プリチャージ回路は、
制限抵抗と、
前記制限抵抗に直列に接続されるプリチャージ用リレーとを含み、
前記昇圧回路は、
前記電力線に接続される上アームと、
前記上アームと前記蓄電装置の負極との間に接続される下アームと、
前記上アームと前記下アームとの接続点と前記蓄電装置の正極との間に接続されるリアクトルとを含み、
前記制御方法は、
前記上アームを継続的に導通状態にして走行する上アームオン走行の実行条件が成立したか否かを判定するステップと、
前記電動機の回転速度が所定範囲に含まれるか否かを判定するステップと、
前記上アームオン走行の実行条件が成立していると判定され、かつ、前記電動機の回転速度が前記所定範囲に含まれると判定されたとき、前記プリチャージ用リレーをオン状態にし、かつ、前記リレーをオフ状態にするステップとを含む、電動車両の制御方法。 - 前記所定範囲は、前記上アームの導通時に前記リアクトルおよび前記コンデンサにより形成されるLC回路の共振周波数に基づいて決定される、請求項7に記載の電動車両の制御方法。
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---|---|---|---|---|
JP2019092296A (ja) * | 2017-11-14 | 2019-06-13 | トヨタ自動車株式会社 | 駆動装置 |
JP2019103185A (ja) * | 2017-11-29 | 2019-06-24 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 電動機制御装置 |
JP2020028138A (ja) * | 2018-08-09 | 2020-02-20 | 本田技研工業株式会社 | 回転電機の制御装置 |
FR3127845A1 (fr) * | 2021-10-06 | 2023-04-07 | Psa Automobiles Sa | Boitier de jonction pour vehicule automobile |
-
2011
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