JP2012070473A - 電動車両およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】昇圧コンバータにおける共振の発生を確実に回避可能な電動車両およびその制御方法を提供する。
【解決手段】制御装置40は、電圧センサ52の異常時や所定の省燃費走行条件の成立時等に、昇圧コンバータ10のスイッチング素子Q1を常時オン状態とする上アームオン走行を実行する。上アームオン走行時は、平滑コンデンサCおよび昇圧コンバータ10のリアクトルLによりLC回路が形成される。制御装置40は、上アームオン走行の実行条件成立時にモータジェネレータM1の回転数が予め定められた範囲(LC回路の共振発生領域)にあるとき、昇圧コンバータ10のゲート遮断を実行し、走行モードをモータドライブ走行モードとする。
【選択図】図1
【解決手段】制御装置40は、電圧センサ52の異常時や所定の省燃費走行条件の成立時等に、昇圧コンバータ10のスイッチング素子Q1を常時オン状態とする上アームオン走行を実行する。上アームオン走行時は、平滑コンデンサCおよび昇圧コンバータ10のリアクトルLによりLC回路が形成される。制御装置40は、上アームオン走行の実行条件成立時にモータジェネレータM1の回転数が予め定められた範囲(LC回路の共振発生領域)にあるとき、昇圧コンバータ10のゲート遮断を実行し、走行モードをモータドライブ走行モードとする。
【選択図】図1
Description
この発明は、電動車両およびその制御方法に関し、特に、走行用の電力を蓄える再充電可能な蓄電装置と電動機を駆動する駆動装置へ給電するための電力線との間に昇圧装置を備える電動車両およびその制御方法に関する。
環境に配慮した車両として、電気自動車やハイブリッド自動車などの電動車両が注目されている。電気自動車は、蓄電装置とインバータとインバータによって駆動される電動機とを走行用の動力源として搭載する。ハイブリッド自動車は、従来の内燃機関に加え、蓄電装置とインバータと電動機とを走行用の動力源として搭載する。
上記のような電動車両においては、電動機の高出力化の要求に伴なって駆動電圧の高電圧化が要求される。そして、走行用の電力を蓄える蓄電装置とインバータとの間に、インバータに供給する電圧を蓄電装置の電圧以上に昇圧する昇圧コンバータを備えた電動車両が知られている。
特開2009−225633号公報(特許文献1)は、そのような昇圧コンバータを備える電動機駆動制御装置を開示する。昇圧コンバータは、リアクトルとスイッチング素子とを含む昇圧チョッパ回路によって構成される。昇圧コンバータのバッテリ側とインバータ側とには、平滑コンデンサが設けられる。この平滑コンデンサと昇圧コンバータのリアクトルとにより共振回路が構成される。そして、この電動機駆動制御装置においては、モータの目標動作点が上記共振回路において共振が発生する所定領域に含まれるとき、インバータ側の電圧がバッテリ側の電圧よりも高くなるように昇圧コンバータが制御される。
この電動機駆動制御装置によれば、昇圧コンバータにおける共振の発生に起因した不具合の発生を抑制しつつ、電動機の出力やエネルギー効率の向上を図ることができるとされる(特許文献1参照)。
しかしながら、上記の特開2009−225633号公報に開示される電動機駆動制御装置では、昇圧コンバータのインバータ側の電圧を検出する電圧センサに異常が発生するなどして昇圧コンバータによる昇圧制御を実施できない場合には、昇圧コンバータにおける上記共振の発生を回避することができない。
それゆえに、この発明の目的は、昇圧コンバータにおける共振の発生を確実に回避可能な電動車両およびその制御方法を提供することである。
この発明によれば、電動車両は、再充電可能な蓄電装置と、電動機と、駆動装置と、電力線と、昇圧装置と、コンデンサと、制御装置とを備える。蓄電装置は、走行用の電力を蓄える。電動機は、車両の駆動力を発生する。駆動装置は、電動機を駆動する。電力線は、駆動装置へ給電するためのものである。昇圧装置は、蓄電装置と電力線との間に設けられ、電力線の電圧を蓄電装置の電圧以上に昇圧するように構成される。コンデンサは、電力線に接続され、電力線の電圧を平滑化する。昇圧装置は、リアクトルと、第1および第2のスイッチング素子と、第1および第2のダイオードとを含む。リアクトルは、蓄電装置の正極に一端が接続される。第1のスイッチング素子は、リアクトルの他端と電力線との間に接続される。第2のスイッチング素子は、リアクトルの他端と蓄電装置の負極との間に接続される。第1および第2のダイオードは、第1および第2のスイッチング素子にそれぞれ逆並列に接続される。制御装置は、第1のスイッチング素子をオン状態にして走行する上アームオン走行の実行条件成立時に電動機の回転数が予め定められた範囲にあるとき、第1のスイッチング素子のゲート遮断を実行する。
好ましくは、上記予め定められた範囲は、上アームオン走行時にコンデンサおよびリアクトルにより形成されるLC回路の共振周波数に基づいて決定される。
好ましくは、電動車両は、電圧センサをさらに備える。電圧センサは、電力線の電圧を検出する。昇圧装置は、電圧センサの検出値に基づいて制御される。電圧センサの故障時、上アームオン走行の実行条件が成立する。制御装置は、電圧センサの故障による上アームオン走行の実行条件成立時に電動機の回転数が予め定められた範囲にあるとき、第1のスイッチング素子のゲート遮断を実行する。
好ましくは、上アームオン走行時、駆動装置は、矩形波電圧制御モードによって制御される。
好ましくは、制御装置は、上アームオン走行の実行条件成立時に電動機の回転数が予め定められた範囲にあるとき、蓄電装置の充電状態(SOC)の目標を高め、その後、第1のスイッチング素子のゲート遮断を実行する。
さらに好ましくは、高められた目標に充電状態(SOC)が到達すると、制御装置は、第1のスイッチング素子のゲート遮断を実行する。
また、さらに好ましくは、蓄電装置の充電が制限される状態になると、制御装置は、第1のスイッチング素子のゲート遮断を実行する。
好ましくは、電動車両は、発電装置をさらに備える。発電装置は、駆動装置へ供給可能な電力を発生する。制御装置は、第1のスイッチング素子のゲート遮断を実行するとともに発電装置を駆動する。
さらに好ましくは、電動車両は、内燃機関をさらに備える。発電装置は、発電機を含む。発電機は、内燃機関によって駆動される。制御装置は、第1のスイッチング素子のゲート遮断を実行するとともに内燃機関を動作させる。
また、この発明によれば、制御方法は、電動車両の制御方法である。電動車両は、再充電可能な蓄電装置と、電動機と、駆動装置と、電力線と、昇圧装置と、コンデンサとを備える。蓄電装置は、走行用の電力を蓄える。電動機は、車両の駆動力を発生する。駆動装置は、電動機を駆動する。電力線は、駆動装置へ給電するためのものである。昇圧装置は、蓄電装置と電力線との間に設けられ、電力線の電圧を蓄電装置の電圧以上に昇圧するように構成される。コンデンサは、電力線に接続され、電力線の電圧を平滑化する。昇圧装置は、リアクトルと、第1および第2のスイッチング素子と、第1および第2のダイオードとを含む。リアクトルは、蓄電装置の正極に一端が接続される。第1のスイッチング素子は、リアクトルの他端と電力線との間に接続される。第2のスイッチング素子は、リアクトルの他端と蓄電装置の負極との間に接続される。第1および第2のダイオードは、第1および第2のスイッチング素子にそれぞれ逆並列に接続される。そして、制御方法は、第1のスイッチング素子をオン状態にして走行する上アームオン走行の実行条件が成立しているか否かを判定するステップと、上アームオン走行の実行条件成立時に電動機の回転数が予め定められた範囲にあるとき、第1のスイッチング素子のゲート遮断を実行するステップとを含む。
好ましくは、上記予め定められた範囲は、上アームオン走行時にコンデンサおよびリアクトルにより形成されるLC回路の共振周波数に基づいて決定される。
好ましくは、電動車両は、電圧センサをさらに備える。電圧センサは、電力線の電圧を検出する。昇圧装置は、電圧センサの検出値に基づいて制御される。電圧センサの異常時、実行条件の成立可否を判定するステップにおいて、上アームオン走行の実行条件が成立していると判定される。
好ましくは、上アームオン走行時、駆動装置は、矩形波電圧制御モードによって制御される。
好ましくは、制御方法は、上アームオン走行の実行条件成立時に電動機の回転数が予め定められた範囲にあるとき、蓄電装置の充電状態(SOC)の目標を高めるステップをさらに含む。充電状態の目標が高められた後、ゲート遮断を実行するステップにおいて、ゲート遮断が実行される。
さらに好ましくは、高められた目標に充電状態(SOC)が到達すると、ゲート遮断を実行するステップにおいて、ゲート遮断が実行される。
また、さらに好ましくは、蓄電装置の充電が制限される状態になると、ゲート遮断を実行するステップにおいて、ゲート遮断が実行される。
好ましくは、電動車両は、発電装置をさらに備える。発電装置は、駆動装置へ供給可能な電力を発生する。そして、制御方法は、ゲート遮断とともに発電装置を駆動するステップをさらに含む。
さらに好ましくは、電動車両は、内燃機関をさらに備える。発電装置は、発電機を含む。発電機は、内燃機関によって駆動される。そして、発電装置を駆動するステップにおいて、ゲート遮断とともに内燃機関を動作させる。
この発明においては、上アームオン走行の実行条件成立時に電動機の回転数が予め定められた範囲にあるとき、第1のスイッチング素子のゲート遮断が実行されるので、コンデンサからリアクトルへの電流の流れが遮断される。したがって、この発明によれば、昇圧装置における共振の発生を確実に回避することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による電動車両の電気システムを示した図である。図1を参照して、電動車両100は、蓄電装置Bと、昇圧コンバータ10と、インバータ20と、モータジェネレータM1と、駆動輪35と、正極線PL1,PL2と、負極線NLと、平滑コンデンサCとを備える。また、電動車両100は、制御装置40と、電圧センサ52,54と、電流センサ56と、回転角センサ58とをさらに備える。
図1は、この発明の実施の形態1による電動車両の電気システムを示した図である。図1を参照して、電動車両100は、蓄電装置Bと、昇圧コンバータ10と、インバータ20と、モータジェネレータM1と、駆動輪35と、正極線PL1,PL2と、負極線NLと、平滑コンデンサCとを備える。また、電動車両100は、制御装置40と、電圧センサ52,54と、電流センサ56と、回転角センサ58とをさらに備える。
昇圧コンバータ10は、リアクトルLと、電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」と称する。)Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。リアクトルLの一方端は、蓄電装置Bの正極に接続される正極線PL1に接続され、他方端は、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との接続ノード、すなわち、スイッチング素子Q1のエミッタとスイッチング素子Q2のコレクタとの接続点に接続される。スイッチング素子Q1,Q2は、正極線PL2と蓄電装置Bの負極に接続される負極線NLとの間に直列に接続される。スイッチング素子Q1のコレクタは正極線PL2に接続され、スイッチング素子Q2のエミッタは負極線NLに接続される。ダイオードD1,D2は、それぞれスイッチング素子Q1,Q2に逆並列に接続される。すなわち、スイッチング素子Q1,Q2のコレクタ−エミッタ間に、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1,D2がそれぞれ接続される。
なお、上記のスイッチング素子Q1,Q2および後述のスイッチング素子Q11〜Q16として、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)や電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ等を用いることができる。
インバータ20は、U相アーム22と、V相アーム24と、W相アーム26とを含む。U相アーム22、V相アーム24およびW相アーム26は、正極線PL2と負極線NLとの間に並列に接続される。U相アーム22は、直列に接続されたスイッチング素子Q11,Q12を含む。V相アーム24は、直列に接続されたスイッチング素子Q13,Q14を含む。W相アーム26は、直列に接続されたスイッチング素子Q15,Q16を含む。また、スイッチング素子Q11〜Q16のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD11〜D16がそれぞれ接続される。各相アームの中間点は、モータジェネレータM1の各相コイルにそれぞれ接続されている。
蓄電装置Bは、再充電可能な直流電源であり、たとえばニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池である。蓄電装置Bは、走行用の電力を蓄える。なお、蓄電装置Bとして、二次電池に代えて、電気二重層キャパシタや大容量のコンデンサ等を用いてもよい。
昇圧コンバータ10は、制御装置40からの信号CNVに基づいて、正極線PL2および負極線NL間の電圧(以下「システム電圧」とも称する。)を蓄電装置Bの出力電圧以上に昇圧する。なお、システム電圧が目標電圧よりも低い場合、スイッチング素子Q2のオンデューティーを大きくすることによって正極線PL1から正極線PL2へ電流を流すことができ、システム電圧を上昇させることができる。一方、システム電圧が目標電圧よりも高い場合、スイッチング素子Q1のオンデューティーを大きくすることによって正極線PL2から正極線PL1へ電流を流すことができ、システム電圧を低下させることができる。
また、昇圧コンバータ10は、制御装置40から信号SDNを受けると、少なくともスイッチング素子Q1のゲートを遮断させる。以下では、昇圧コンバータ10が信号SDNを受けると、スイッチング素子Q1,Q2の双方のゲートが遮断されるものとし、この状況を単に「昇圧コンバータ10のゲート遮断」と称することとする。
インバータ20は、制御装置40からの信号INV1に基づいて、正極線PL2から供給される直流電力を三相交流に変換してモータジェネレータM1へ出力し、モータジェネレータM1を駆動する。また、インバータ20は、電動車両100の制動時、モータジェネレータM1により発電された三相交流電力を直流に変換し、正極線PL2へ出力する。
平滑コンデンサCは、正極線PL2と負極線NLとの間に接続される。平滑コンデンサCは、正極線PL2および負極線NL間の電圧変動の交流成分を平滑化する。
モータジェネレータM1は、交流電動発電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える三相交流電動発電機である。モータジェネレータM1は、駆動輪35に機械的に連結され、走行トルクを発生する。また、モータジェネレータM1は、電動車両100の制動時、車両の運動エネルギーを駆動輪35から受けて発電する。なお、電動車両100がハイブリッド車両であれば、モータジェネレータM1は、図示されないエンジンに機械的に連結され、エンジンの動力を用いて発電し、かつ、エンジンの始動も行なうものであってもよい。
電圧センサ52は、平滑コンデンサCの端子間電圧、すなわち正極線PL2と負極線NLとの間の電圧Vm(システム電圧)を検出し、その検出値を制御装置40へ出力する。電圧センサ54は、蓄電装置Bの電圧VBを検出し、その検出値を制御装置40へ出力する。電流センサ56は、蓄電装置Bに入出力される電流IBを検出し、その検出値を制御装置40へ出力する。回転角センサ58は、モータジェネレータM1のロータの回転角θ1を検出し、その検出値を制御装置40へ出力する。
制御装置40は、電圧Vm,VBおよび電流IBの各検出値に基づいて、昇圧コンバータ10を駆動するための信号CNVを生成して昇圧コンバータ10へ出力する。また、制御装置40は、モータ電流、回転角θ1および電圧Vmの各検出値、ならびに図示されない外部ECUから受けるモータジェネレータM1のトルク指令値およびモータ回転数等に基づいて、モータジェネレータM1を駆動するための信号INV1を生成してインバータ20へ出力する。制御装置40は、モータジェネレータM1のトルクおよび回転数に応じて、3つの制御モードを適宜切替えてインバータ20を制御する。
図2は、インバータ20の制御モードを説明する図である。図2を参照して、制御モードには、正弦波PWM制御モード、過変調PWM制御モードおよび矩形波電圧制御モードの3つのモードが存在する。
正弦波PWM制御モードでは、正弦波状の電圧指令と搬送波(代表的には三角波)との電圧比較に従って、各相上下アーム素子のオン/オフが制御される。この結果、上アーム素子のオン期間に対応するハイレベル期間と、下アーム素子のオン期間に対応するローレベル期間との集合について、一定期間内でその基本波成分が正弦波となるようにデューティが制御される。なお、正弦波PWM制御モードでは、正弦波状の電圧指令の振幅が搬送波振幅以下の範囲に制限されるので、モータジェネレータM1への印加電圧(以下、単に「モータ印加電圧」とも称する。)の基本波成分を入力電圧の約0.61倍程度までしか高めることができない(以下、入力電圧(システム電圧)に対するモータ印加電圧(線間電圧)の基本波成分(実効値)の比を「変調率」と称する。)。
過変調PWM制御モードは、電圧指令(正弦波成分)の振幅が搬送波振幅より大きい範囲で上記正弦波PWM制御モードと同様のPWM制御を行なうものである。特に、電圧指令を本来の正弦波波形から歪ませる(振幅補正)ことによって基本波成分を高めることができ、正弦波PWM制御モードでの最高変調率から0.78の範囲まで変調率を高めることができる。
矩形波電圧制御モードでは、上記一定期間内で、ハイレベル期間およびローレベル期間の比が1:1の矩形波1パルス分がモータジェネレータM1に印加される。これにより、矩形波電圧制御モードでは、変調率は0.78まで高められる。矩形波電圧制御モードでは、モータ印加電圧の振幅が固定されるので、トルク指令値に対する偏差に基づく矩形波電圧パルスの位相制御によってトルク制御が実行される。
再び図1を参照して、制御装置40は、予め定められた条件が成立すると、昇圧コンバータ10のスイッチング素子Q1を常時オン状態(スイッチング素子Q2はオフ状態)にして走行する上アームオン走行を実行する。一例として、電圧センサ52の異常時や、所定の省燃費走行条件成立時などに、上アームオン走行が実行される。そして、上アームオン走行時は、制御装置40は、矩形波電圧制御モードでインバータ20を制御する。上アームオン走行時はシステム電圧を高められないので、変調率の高い矩形波電圧制御モードによって高トルクを実現するものである。
ここで、上アームオン走行の実行条件成立時にモータジェネレータM1の回転数が予め定められた範囲にあるとき、制御装置40は、信号SDNを生成して昇圧コンバータ10へ出力する。これにより、昇圧コンバータ10のゲート遮断が実行され、正極線PL2から正極線PL1への電流の流れ(以下、この流れの方向を「回生方向」とも称する。)が遮断される。なお、正極線PL1から正極線PL2への電流の流れ(以下、この流れの方向を「放電方向」とも称する。)は、ダイオードD1によって許容される。そして、制御装置40は、走行モードを、モータジェネレータM1を電動機としてのみ動作させるMD(モータドライブ)走行モードとする。
モータジェネレータM1の回転数の上記範囲は、上アームオン走行時に平滑コンデンサCおよび昇圧コンバータ10のリアクトルLにより形成されるLC回路の共振周波数に基づいて決定される。
すなわち、図3の上アームオン走行時の等価回路に示されるように、上アームオン走行時は、平滑コンデンサCと昇圧コンバータ10のリアクトルLとが電気的に直結され、平滑コンデンサCとリアクトルLとによりLC回路が形成される。一方、モータジェネレータM1においては、回転に応じてトルクリップルが発生し、このトルクリップルに応じた電圧リップルが正極線PL2に発生する。トルクリップルの変動周波数は、モータジェネレータM1の回転数に依存し、正極線PL2に発生する電圧リップルの変動周波数も、モータジェネレータM1の回転数に依存する。そして、正極線PL2に発生する電圧リップルの変動周波数が、モータジェネレータM1の回転数に応じてLC回路の共振周波数に近づくと、電圧リップルに誘引されてLC回路の共振が発生する。
より詳しく説明すると、上アームオン走行時に平滑コンデンサCおよび昇圧コンバータ10のリアクトルLにより形成されるLC回路の共振周波数f1は、次式によって表される。
f1=1/{2π√(L×C)} …(1)
ここで、Lは、リアクトルLのインダクタンスを示し、Cは、平滑コンデンサCの容量を示す。
ここで、Lは、リアクトルLのインダクタンスを示し、Cは、平滑コンデンサCの容量を示す。
一方、モータジェネレータM1のトルクリップルに応じて発生する正極線PL2の電圧リップルの変動周波数f2は、たとえば次式によって表される。
f2=Nm×4×6/60 …(2)
ここで、モータジェネレータM1のロータの永久磁石は4極対とし、変動周波数f2は、6次高調波成分の周波数としている。なお、Nmは、モータジェネレータM1の回転数を示す。
ここで、モータジェネレータM1のロータの永久磁石は4極対とし、変動周波数f2は、6次高調波成分の周波数としている。なお、Nmは、モータジェネレータM1の回転数を示す。
上記のように、電圧リップルの変動周波数f2はモータジェネレータM1の回転数Nmに依存し、変動周波数f2がLC回路の共振周波数f1に近くなるような回転数NmになるとLC回路が共振する。そこで、この実施の形態1においては、平滑コンデンサCおよびリアクトルLの製造ばらつきを考慮して、上アームオン走行時にLC回路が共振し得る範囲にモータジェネレータM1の回転数Nmがあるときは、共振の発生を防止するために、昇圧コンバータ10のゲート遮断を実行して回生方向に電流が流れないようにしたものである。
なお、「上アームオン走行の実行条件成立時にモータジェネレータM1の回転数が予め定められた範囲にあるとき」とは、上アームオン走行中にモータジェネレータM1の回転数が予め定められた範囲に入ったときだけでなく、モータジェネレータM1の回転数が予め定められた範囲にあるときに電圧センサ52に異常が発生するなどして上アームオン走行の実行条件が成立した場合も含む。
図4は、上アームオン走行中にモータジェネレータM1の回転数が予め定められた範囲に入ったときの制御装置40の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理は、一定時間ごとまたは所定の条件の成立時にメインルーチンから呼出されて実行される。
図4を参照して、制御装置40は、上アームオン走行の条件が成立しているか否かを判定する(ステップS10)。一例として、電圧センサ52の異常時や所定の省燃費走行条件成立時などに上アームオン走行の条件が成立したものと判定される。そして、上アームオン走行の条件が成立していると判定されると(ステップS10においてYES)、制御装置40は、スイッチング素子Q1を常時オン状態(スイッチング素子Q2はオフ状態)とするように昇圧コンバータ10を制御し、上アームオン走行を実行する(ステップS20)。さらに、制御装置40は、インバータ20の制御モードを矩形波電圧制御モードとする(ステップS30)。
次いで、制御装置40は、モータジェネレータM1の回転数Nmが所定値N1よりも高く、かつ、所定値N2よりも低いか否かを判定する(ステップS40)。所定値N1,N2は、平滑コンデンサCおよび昇圧コンバータ10のリアクトルLにより形成されるLC回路の共振周波数に対応する回転数Nmに基づいて、平滑コンデンサCおよびリアクトルLの製造ばらつきを考慮して決定される。
回転数Nmが所定値N1よりも高く、かつ、所定値N2よりも低いと判定されると(ステップS40においてYES)、制御装置40は、昇圧コンバータ10のゲート遮断を実行する(ステップS50)。具体的には、制御装置40は、信号SDNを生成して昇圧コンバータ10へ出力する。そして、制御装置40は、走行モードを、モータジェネレータM1を電動機としてのみ動作させるMD走行モードとする(ステップS60)。
なお、ステップS40において、回転数Nmが所定値N1以下であるか、または、所定値N2以上であると判定されると(ステップS40においてNO)、制御装置40は、ステップS50,S60に示される処理を実行することなくステップS70へ処理を移行する。LC回路の共振は発生しないものと判断できるからである。
図5は、モータジェネレータM1の回転数が予め定められた範囲にあるときに上アームオン走行の実行条件が成立したときの制御装置40の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理も、一定時間ごとまたは所定の条件の成立時にメインルーチンから呼出されて実行される。
図5を参照して、制御装置40は、モータジェネレータM1の回転数Nmが所定値N1よりも高く、かつ、所定値N2よりも低いか否かを判定する(ステップS110)。所定値N1,N2については、上述したとおりである。回転数Nmが所定値N1よりも高く、かつ、所定値N2よりも低いと判定されると(ステップS110においてYES)、制御装置40は、上アームオン走行の条件が成立したか否かを判定する(ステップS120)。
そして、上アームオン走行の条件が成立したと判定されると(ステップS120においてYES)、制御装置40は、昇圧コンバータ10のゲート遮断を実行し(ステップS130)、さらに、走行モードをMD走行モードとする(ステップS140)。
なお、ステップS120において、上アームオン走行の条件は成立していないと判定されると(ステップS120においてNO)、制御装置40は、ステップS130,S140に示される処理を実行することなくステップS150へ処理を移行する。上アームオン走行を行なわないときは、LC回路の共振は発生しないからである。
以上のように、この実施の形態1においては、電圧センサ52の異常時や所定の省燃費走行条件の成立時等に、昇圧コンバータ10のスイッチング素子Q1を常時オン状態とする上アームオン走行が実行される。そして、上アームオン走行時は、平滑コンデンサCおよび昇圧コンバータ10のリアクトルLによりLC回路が形成されるところ、上アームオン走行の実行条件成立時にモータジェネレータM1の回転数NmがN1<Nm<N2の範囲(共振発生領域)にあるとき、昇圧コンバータ10のゲート遮断が実行される。これにより、平滑コンデンサCからリアクトルLへの電流の流れ(回生方向)が遮断される。したがって、この実施の形態1によれば、上アームオン走行時にLC回路における共振の発生を確実に回避することができる。
[実施の形態2]
図6は、実施の形態2による電動車両の電気システムを示した図である。図6を参照して、電動車両100Aは、図1に示した実施の形態1による電動車両100の構成において、インバータ30、モータジェネレータM2、エンジン62および動力分割装置64をさらに備え、制御装置40に代えて制御装置40Aを備える。
図6は、実施の形態2による電動車両の電気システムを示した図である。図6を参照して、電動車両100Aは、図1に示した実施の形態1による電動車両100の構成において、インバータ30、モータジェネレータM2、エンジン62および動力分割装置64をさらに備え、制御装置40に代えて制御装置40Aを備える。
インバータ30は、制御装置40からの信号INV2に基づいて、エンジン62の出力を用いてモータジェネレータM2により発電された三相交流電力を直流に変換し、正極線PL2へ出力する。また、インバータ30は、エンジン62の始動時、正極線PL2から供給される直流電力を三相交流に変換してモータジェネレータM2へ出力し、モータジェネレータM2を駆動する。
モータジェネレータM2は、交流電動発電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える三相交流電動発電機である。モータジェネレータM2は、動力分割装置64を介してエンジン62に機械的に連結され、エンジン62の出力を用いて発電する。また、モータジェネレータM2は、エンジン62の始動時、インバータ30によって駆動され、エンジン62を始動させる。
動力分割装置64は、エンジン62とモータジェネレータM1,M2とに結合されてこれらの間で動力を分配する。たとえば、動力分割装置64として、サンギヤ、プラネタリキャリヤおよびリングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車を用いることができる。この3つの回転軸がモータジェネレータM2、エンジン62およびモータジェネレータM1の各回転軸にそれぞれ接続される。たとえば、モータジェネレータM2のロータを中空としてその中心にエンジン62のクランク軸を通すことによって、エンジン62およびモータジェネレータM1,M2を動力分割装置64に機械的に接続することができる。
エンジン62が発生する動力は、動力分割装置64によって駆動輪35とモータジェネレータM2とに分配される。すなわち、エンジン62は、駆動輪35を駆動するとともにモータジェネレータM2を駆動する動力源として電動車両100Aに組込まれる。モータジェネレータM2は、エンジン62によって駆動される発電機として動作し、かつ、エンジン62の始動を行ない得る電動機として動作するものとして電動車両100Aに組込まれ、モータジェネレータM1は、駆動輪35を駆動する動力源として電動車両100Aに組込まれる。
制御装置40Aは、図1に示した実施の形態1における制御装置40の機能に加えて、以下の機能を有する。すなわち、上アームオン走行の実行条件成立時にモータジェネレータM1の回転数が上記の予め定められた範囲(共振発生領域)にあるとき、制御装置40Aは、昇圧コンバータ10のゲート遮断を直ちに実行せずに、正極線PL2から正極線PL1へ電流を流すための制御を実行する。具体的には、制御装置40Aは、蓄電装置BのSOC(State Of Charge)の目標を高めることによって回生方向の電流が流れるようにする。
そして、高められたSOC目標に蓄電装置BのSOCが達するか、または、蓄電装置Bへの充電が制限される状態になると、制御装置40Aは、信号SDNを生成して昇圧コンバータ10へ出力し、昇圧コンバータ10のゲート遮断を実行する。
さらに、制御装置40Aは、昇圧コンバータ10のゲート遮断を実行するとともに、エンジン62が停止していれば、モータジェネレータM2を用いてエンジン62を始動させる。好ましくは、昇圧コンバータ10のゲート遮断に先立ちエンジン62を動作させておく。
この電動車両100Aにおいては、上アームオン走行の実行条件成立時にモータジェネレータM1の回転数が上記の予め定められた範囲(共振発生領域)にあるとき、昇圧コンバータ10のゲート遮断を直ちに実行せずに、回生方向に電流が流れるように蓄電装置BのSOCの目標が高められる。これにより、昇圧コンバータ10に流れる電流の方向を回生方向のみとし、平滑コンデンサCおよびリアクトルLによって形成されるLC回路の共振を防止する。
そして、その高められた目標値にSOCが達するか、または、蓄電装置Bへの充電が制限される状態になると、すなわち、回生方向に電流を流せなくなると、昇圧コンバータ10のゲート遮断が実行され、走行モードがMD走行モードとなる。なお、MD走行モードでは、蓄電装置Bからの放電のみとなるので、電源および/または動力源確保のため、昇圧コンバータ10のゲート遮断とともに、エンジン62が停止している場合にはエンジン62を始動させる。なお、基本的には、回生方向に電流を流すためにエンジン62を動作させるので、エンジン62を動作させたままにしておくということになる。
なお、回生方向に電流を流すためにエンジン62を動作させる場合、高められた目標値にSOCが早期に達してしまわないように、エンジン62の動作点を最適点からずらして発電量を抑えてもよい。
また、回生方向に電流が流れているかを電流センサ56によって監視し、その検出値に基づいてSOCの目標を調整してもよい。たとえば、アクセルペダルが踏込まれるなどして大きなパワーが要求されたときは、放電方向に電流が流れ得るので、SOCの目標を一時的にさらに高めるなどしてもよい。
図7は、実施の形態2において、上アームオン走行中にモータジェネレータM1の回転数が予め定められた範囲に入ったときの制御装置40Aの処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理も、一定時間ごとまたは所定の条件の成立時にメインルーチンから呼出されて実行される。
図7を参照して、このフローチャートは、図4に示したフローチャートにおいて、ステップS42〜S48をさらに含む。すなわち、ステップS40において、モータジェネレータM1の回転数Nmが所定値N1よりも高く、かつ、所定値N2よりも低いと判定されると(ステップS40においてYES)、制御装置40Aは、蓄電装置BのSOCの目標値を高める(ステップS42)。これにより、電流の流れを回生方向のみとしてLC回路の共振を防止する。
次いで、制御装置40Aは、蓄電装置BのSOCが目標値に到達したか、または、蓄電装置Bへの充電が制限される状態であるか否かを判定する(ステップS44)。なお、一例として、蓄電装置Bの高温時などに蓄電装置Bへの充電が制限される。
蓄電装置BのSOCが目標値に到達したか、または、蓄電装置Bへの充電が制限される状態であると判定されると(ステップS44においてYES)、制御装置40Aは、エンジン62が停止しているか否かを判定する(ステップS46)。エンジン62が停止している場合には(ステップS46においてYES)、制御装置40Aは、モータジェネレータM2を用いてエンジン62を始動する(ステップS48)。その後、制御装置40Aは、ステップS50へ処理を移行し、昇圧コンバータ10のゲート遮断が実行される。
図8は、実施の形態2において、モータジェネレータM1の回転数が予め定められた範囲にあるときに上アームオン走行の実行条件が成立したときの制御装置40Aの処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、このフローチャートに示される処理も、一定時間ごとまたは所定の条件の成立時にメインルーチンから呼出されて実行される。
図8を参照して、このフローチャートは、図5に示したフローチャートにおいて、ステップS121〜S126をさらに含む。すなわち、ステップS120において、上アームオン走行の条件が成立したと判定されると(ステップS120においてYES)、制御装置40Aは、蓄電装置BのSOCの目標値を高める(ステップS121)。
次いで、制御装置40Aは、スイッチング素子Q1を常時オン状態(スイッチング素子Q2はオフ状態)とするように昇圧コンバータ10を制御し、上アームオン走行を実行する(ステップS122)。なお、スイッチング素子Q1を常時オン状態とすることにより平滑コンデンサCおよびリアクトルLによるLC回路が形成されるけれども、ステップS121においてSOCの目標値が高められたことにより電流の方向が回生方向に限定されるので、LC回路の共振が防止される。さらに、制御装置40Aは、インバータ20の制御モードを矩形波電圧制御モードとする(ステップS123)。
なお、ステップS124以降の処理は、図7に示したフローチャートのステップS44以降の処理と同じであるので、説明を繰返さない。
以上のように、この実施の形態2においては、上アームオン走行の実行条件成立時にモータジェネレータM1の回転数Nmが共振発生領域にあるとき、昇圧コンバータ10のゲート遮断を直ちに実行せずに、回生方向に電流が流れるように蓄電装置BのSOCの目標が高められる。これにより、昇圧コンバータ10に流れる電流の方向が回生方向のみとなる。したがって、この実施の形態2によっても、上アームオン走行時にLC回路における共振の発生を回避することができる。
また、この実施の形態2においては、昇圧コンバータ10のゲート遮断が実行されてMD走行モードへ移行する前に蓄電装置BのSOCが高められているので、蓄電装置Bからの放電のみとなるMD走行モードへの移行後も蓄電装置Bから十分な電力を供給することができる。また、MD走行モードへ移行する前にエンジン62を動作させておくので、MD走行モードへの移行後の動力源が十分に確保される。
なお、上記の実施の形態2においては、電動車両100Aは、動力分割装置64によりエンジン62の動力を駆動輪35とモータジェネレータM2とに分割して伝達可能なシリーズ/パラレル型のハイブリッド車両について説明したが、この発明は、その他の形式のハイブリッド車両にも適用可能である。すなわち、たとえば、モータジェネレータM2を駆動するためにのみエンジン62を用い、モータジェネレータM1でのみ駆動輪35を駆動する、いわゆるシリーズ型のハイブリッド車両や、エンジン62が生成した運動エネルギーのうち回生エネルギーのみが電気エネルギーとして回収されるハイブリッド車両、エンジンを主動力として必要に応じてモータがアシストするモータアシスト型のハイブリッド車両などにもこの発明は適用可能である。
なお、上記において、モータジェネレータM1は、この発明における「電動機」の一実施例に対応し、インバータ20は、この発明における「駆動装置」の一実施例に対応する。また、正極線PL2は、この発明における「電力線」の一実施例に対応し、昇圧コンバータ10は、この発明における「昇圧装置」の一実施例に対応する。さらに、平滑コンデンサCは、この発明における「コンデンサ」の一実施例に対応し、スイッチング素子Q1,Q2は、それぞれこの発明における「第1のスイッチング素子」および「第2のスイッチング素子」の一実施例に対応する。
また、さらに、電圧センサ52は、この発明における「電圧センサ」の一実施例に対応し、エンジン62は、この発明における「内燃機関」の一実施例に対応する。また、さらに、モータジェネレータM2は、この発明における「発電機」の一実施例に対応する。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 昇圧コンバータ、20,30 インバータ、22 U相アーム、24 V相アーム、26 W相アーム、35 駆動輪、40,40A 制御装置、52,54 電圧センサ、56 電流センサ、58 回転角センサ、62 エンジン、64 動力分割装置、100,100A 電動車両、B 蓄電装置、PL1,PL2 正極線、NL 負極線、L リアクトル、Q1,Q2,Q11〜Q16 スイッチング素子、D1,D2,D11〜D16 ダイオード、C 平滑コンデンサ、M1,M2 モータジェネレータ。
Claims (18)
- 走行用の電力を蓄える再充電可能な蓄電装置と、
車両の駆動力を発生する電動機と、
前記電動機を駆動する駆動装置と、
前記駆動装置へ給電するための電力線と、
前記蓄電装置と前記電力線との間に設けられ、前記電力線の電圧を前記蓄電装置の電圧以上に昇圧するように構成された昇圧装置と、
前記電力線に接続され、前記電力線の電圧を平滑化するためのコンデンサとを備え、
前記昇圧装置は、
前記蓄電装置の正極に一端が接続されるリアクトルと、
前記リアクトルの他端と前記電力線との間に接続される第1のスイッチング素子と、
前記リアクトルの他端と前記蓄電装置の負極との間に接続される第2のスイッチング素子と、
前記第1および第2のスイッチング素子にそれぞれ逆並列に接続される第1および第2のダイオードとを含み、さらに
前記第1のスイッチング素子をオン状態にして走行する上アームオン走行の実行条件成立時に前記電動機の回転数が予め定められた範囲にあるとき、前記第1のスイッチング素子のゲート遮断を実行する制御装置を備える、電動車両。 - 前記予め定められた範囲は、前記上アームオン走行時に前記コンデンサおよび前記リアクトルにより形成されるLC回路の共振周波数に基づいて決定される、請求項1に記載の電動車両。
- 前記電力線の電圧を検出するための電圧センサをさらに備え、
前記昇圧装置は、前記電圧センサの検出値に基づいて制御され、
前記電圧センサの故障時、前記上アームオン走行の実行条件が成立し、
前記制御装置は、前記電圧センサの故障による前記上アームオン走行の実行条件成立時に前記電動機の回転数が前記予め定められた範囲にあるとき、前記第1のスイッチング素子のゲート遮断を実行する、請求項1または請求項2に記載の電動車両。 - 前記上アームオン走行時、前記駆動装置は、矩形波電圧制御モードによって制御される、請求項1から請求項3のいずれかに記載の電動車両。
- 前記制御装置は、前記上アームオン走行の実行条件成立時に前記電動機の回転数が前記予め定められた範囲にあるとき、前記蓄電装置の充電状態の目標を高め、その後、前記第1のスイッチング素子のゲート遮断を実行する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の電動車両。
- 前記高められた目標に前記充電状態が到達すると、前記制御装置は、前記第1のスイッチング素子のゲート遮断を実行する、請求項5に記載の電動車両。
- 前記蓄電装置の充電が制限される状態になると、前記制御装置は、前記第1のスイッチング素子のゲート遮断を実行する、請求項5に記載の電動車両。
- 前記駆動装置へ供給可能な電力を発生する発電装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記第1のスイッチング素子のゲート遮断を実行するとともに前記発電装置を駆動する、請求項5から請求項7のいずれかに記載の電動車両。 - 内燃機関をさらに備え、
前記発電装置は、前記内燃機関によって駆動される発電機を含み、
前記制御装置は、前記第1のスイッチング素子のゲート遮断を実行するとともに前記内燃機関を動作させる、請求項8に記載の電動車両。 - 電動車両の制御方法であって、
前記電動車両は、
走行用の電力を蓄える再充電可能な蓄電装置と、
車両の駆動力を発生する電動機と、
前記電動機を駆動する駆動装置と、
前記駆動装置へ給電するための電力線と、
前記蓄電装置と前記電力線との間に設けられ、前記電力線の電圧を前記蓄電装置の電圧以上に昇圧するように構成された昇圧装置と、
前記電力線に接続され、前記電力線の電圧を平滑化するためのコンデンサとを備え、
前記昇圧装置は、
前記蓄電装置の正極に一端が接続されるリアクトルと、
前記リアクトルの他端と前記電力線との間に接続される第1のスイッチング素子と、
前記リアクトルの他端と前記蓄電装置の負極との間に接続される第2のスイッチング素子と、
前記第1および第2のスイッチング素子にそれぞれ逆並列に接続される第1および第2のダイオードとを含み、
前記制御方法は、
前記第1のスイッチング素子をオン状態にして走行する上アームオン走行の実行条件が成立しているか否かを判定するステップと、
前記上アームオン走行の実行条件成立時に前記電動機の回転数が予め定められた範囲にあるとき、前記第1のスイッチング素子のゲート遮断を実行するステップとを含む、電動車両の制御方法。 - 前記予め定められた範囲は、前記上アームオン走行時に前記コンデンサおよび前記リアクトルにより形成されるLC回路の共振周波数に基づいて決定される、請求項10に記載の制御方法。
- 前記電動車両は、前記電力線の電圧を検出するための電圧センサをさらに備え、
前記昇圧装置は、前記電圧センサの検出値に基づいて制御され、
前記電圧センサの異常時、前記実行条件の成立可否を判定するステップにおいて、前記上アームオン走行の実行条件が成立していると判定される、請求項10または請求項11に記載の制御方法。 - 前記上アームオン走行時、前記駆動装置は、矩形波電圧制御モードによって制御される、請求項10から請求項12のいずれかに記載の制御方法。
- 前記上アームオン走行の実行条件成立時に前記電動機の回転数が前記予め定められた範囲にあるとき、前記蓄電装置の充電状態の目標を高めるステップをさらに含み、
前記充電状態の目標が高められた後、前記ゲート遮断を実行するステップにおいて、前記ゲート遮断が実行される、請求項10から請求項13のいずれかに記載の制御方法。 - 前記高められた目標に前記充電状態が到達すると、前記ゲート遮断を実行するステップにおいて、前記ゲート遮断が実行される、請求項14に記載の制御方法。
- 前記蓄電装置の充電が制限される状態になると、前記ゲート遮断を実行するステップにおいて、前記ゲート遮断が実行される、請求項14に記載の制御方法。
- 前記電動車両は、前記駆動装置へ供給可能な電力を発生する発電装置をさらに備え、
前記制御方法は、前記ゲート遮断とともに前記発電装置を駆動するステップをさらに含む、請求項14から請求項16のいずれかに記載の制御方法。 - 前記電動車両は、内燃機関をさらに備え、
前記発電装置は、前記内燃機関によって駆動される発電機を含み、
前記発電装置を駆動するステップにおいて、前記ゲート遮断とともに前記内燃機関を動作させる、請求項17に記載の制御方法。
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JP2010210673A JP2012070473A (ja) | 2010-09-21 | 2010-09-21 | 電動車両およびその制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019080404A (ja) * | 2017-10-23 | 2019-05-23 | トヨタ自動車株式会社 | 電源装置 |
JP2020028138A (ja) * | 2018-08-09 | 2020-02-20 | 本田技研工業株式会社 | 回転電機の制御装置 |
WO2023089746A1 (ja) * | 2021-11-18 | 2023-05-25 | 日立Astemo株式会社 | モータ制御装置 |
-
2010
- 2010-09-21 JP JP2010210673A patent/JP2012070473A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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