JP2012202208A - 圧縮機 - Google Patents

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JP2012202208A JP2011064375A JP2011064375A JP2012202208A JP 2012202208 A JP2012202208 A JP 2012202208A JP 2011064375 A JP2011064375 A JP 2011064375A JP 2011064375 A JP2011064375 A JP 2011064375A JP 2012202208 A JP2012202208 A JP 2012202208A
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Abstract

【課題】圧縮機の油上がり防止対策。
【解決手段】圧縮機(10)は、ケーシング(11)内に、駆動モータ(30)と圧縮機構(40)とが収容され、駆動モータ(30)よりも下方に圧縮冷媒が流れる一方、駆動モータ(30)よりも上方に圧縮冷媒をケーシング(11)の外部へ導く吐出管(15)が設けられるものを対象としている。駆動軸(20)における駆動モータ(30)と上側軸受部(41c)との間に設けられたバランスウェイト(25)と、バランスカバー(90)とを備え、バランスカバー(90)は、下方に向かって外径が大きくなるように形成される上側面板(96)と、上側面板(96)と連続し、且つ下方に向かって外径が小さくなるように形成される下側面板(97)と、上側面板(96)と下側面板(97)とによって形成される頂点に設けられる飛散孔(100)とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮機に関し、特に、吐出管から潤滑油が流出する、いわゆる油上がりの低減対策に係るものである。
従来より、スクロール型やスイング型などの各種の圧縮機構を備えた圧縮機が、空気調和装置などの冷凍サイクルを行う冷凍装置に広く用いられている。
このような圧縮機としては、例えば、特許文献1に開示されているように、密閉されたケーシング内にスクロール型の圧縮機構と圧縮機モータとが収容され、上記圧縮機構がクランク軸によってモータに連結された圧縮機の構成が知られている。特許文献1に開示される圧縮機では、クランク軸には、圧縮機構と圧縮機モータとの間にバランスウェイトが設けられており、該バランスウェイトはカバー部材に覆われている。図9には、この種の圧縮機の他の具体例を示す。
図9に示す圧縮機(a)では、圧縮機構(b)とモータ(c)との間に駆動軸(d)の軸受(e)とバランスウェイト(f)を覆うバランスカバー(g)が設けられている。一方、圧縮機構(b)には、冷媒の吸入管が接続され、ケーシング(h)には圧縮した冷媒を吐出するための吐出管(i)が接続されている。この吐出管(i)は、圧縮機構(b)とモータ(c)との間、すなわちモータ(c)の上方に配置されている。また、圧縮機構(b)で圧縮した冷媒は、ガスガイド(j)によって駆動軸(d)の軸方向と周方向に分流される構成となっている。
この構成により、吸入管から吸入された冷媒は、モータ(c)によって駆動される圧縮機構(b)内で圧縮された後、その一部が上記軸方向に沿って流れ、ステータ(m)の外周部とケーシング(h)の内周部との間のモータ冷却通路(p)を通過してモータ(c)の下部空間に流れ、その他のモータ冷却通路(r)、エアギャップ(k)、又はロータ冷却通路(o)を上方に流れる。これにより、モータ(c)が冷媒により冷却される。一方、残りの冷媒は、ガスガイド(j)の周方向に分流された後、モータ(c)の上部空間を流れる。従って、モータ(c)の上部空間では、駆動軸(d)の軸方向に沿って下方に流れ、その後に上昇した冷媒と、ガスガイド(j)の周方向に分流した冷媒とが合流して吐出管(i)から吐出される。
一方、上記ケーシング(h)の底部には潤滑油の油溜め部(図示なし)が形成されている。この油溜め部内の潤滑油は、給油通路を介して軸受(e)等の摺動部に供給される。そして、この軸受(e)に供給された潤滑油は、軸受(e)の下端から漏れ出し、バランスカバー(g)の上面壁に流れ、駆動軸(d)の回転の遠心力によって半径方向に拡がる。そして、図10に示すように、バランスカバー(g)の上面壁の外縁から油滴となって接線方向に飛散する。そして、図9に示すように、この油滴をケーシング(h)の内壁やガスガイド(j)に衝突させると、該油滴の一部が、液膜化して内壁を流れて、油溜め部に戻る。
特開2008−202571号公報
しかしながら、上記圧縮機(a)のケーシング(h)内は、高圧の冷媒ガス以外にも、ミスト状、若しくは液状の潤滑油が充満している。そして、上記ケーシング(h)内では、モータ(c)の下方に分流されたモータ(c)の冷却用の冷媒ガスは、上記モータ(c)のステータ(m)とロータ(n)との間の隙間(エアギャップ(k))又はロータ冷却通路(o)を通ってモータ(c)の上方へと移動する。このため、比較的直径の小さいミスト状の油は、冷媒ガスの流れにのって、そのまま上記エアギャップ(k)又はロータ冷却通路(o)を通過し、モータ(c)の上方に抜け、上記吐出管(i)からケーシング(h)の外部へ吐出されてしまうという問題があった。
また、上記圧縮機(a)では、バランスカバー(g)の上面の外縁から飛散させる潤滑油は、軸受(e)の下端から漏れ出した潤滑油のみであるため、その流量が少なく、バランスカバー(g)の上面壁の外縁から飛散する油滴が小径となってしまう。これにより、冷媒ガスの流れにのって上記吐出管(i)からケーシング(h)の外部へ吐出されてしまうという問題があった。さらに、軸受(e)の下端から漏れだした油は、バランスカバー(g)の上端壁の外縁から油滴となって飛散してケーシング(h)の内壁やガスガイド(j)に衝突する際、その一部が液滴化し、ケーシング(h)の胴部の内壁を伝って油溜め部に戻る一方、残りの油の一部が再度飛散し、ミスト状となって冷媒ガスと共に吐出管(i)からケーシング(h)の外部へ吐出されるという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、エアギャップやロータ冷却通路において冷媒に含まれる油滴、又は軸受から漏れる油が、ケーシングの外部へ吐出されるのを抑制することを目的とする。
第1の発明は、ケーシング(11)内に、モータ(30)と、該モータ(30)に駆動軸(20)を介して連結された圧縮機構(40)とが収容され、上記モータ(30)よりも下方に圧縮流体が流れる一方、上記モータ(30)よりも上方に上記圧縮流体を上記ケーシング(11)の外部へ導く吐出管(15)が設けられ、上記駆動軸(20)を支持する軸受(41c)と該駆動軸(20)との間に潤滑油が供給される圧縮機であって、上記駆動軸(20)における上記モータ(30)と上記軸受(41c)との間に設けられたバランスウェイト(25)と、該バランスウェイト(25)を覆うカバー部材(90)とを備え、上記カバー部材(90)は、下方に向かって該カバー部材(90)の外径が大きくなるように形成される上側面部(96)と、該上側面部(96)と連続し、且つ下方に向かって上記カバー部材(90)の外径が小さくなるように形成される下側面部(97)と、上記上側面部(96)と下側面部(97)とによって形成される頂点に設けられる孔部(100)とを備えている。
上記第1の発明では、モータ(30)の回転によって駆動軸(20)が回転し、これにより圧縮機構(40)で流体が圧縮する。圧縮した流体は、ケーシング(11)内のモータ(30)よりも下方を流れる。そして、該流体は、モータ(30)に対して下方から上方へ流れ、吐出管(15)からケーシング(11)の外部へ吐出される。
また、ケーシング(11)内では、駆動軸(20)と軸受(41c)との間に潤滑油が供給される。この軸受(41c)と駆動軸(20)との間から流出した潤滑油は、カバー部材(90)の上側面部(96)を上方から下方に向けて流れる。カバー部材(90)の上側面部(96)は、下方に向かってカバー部材(90)の外径が大きくなるようなテーパ状に形成されているため、潤滑油は、駆動軸(20)の回転の遠心力を受けてカバー部材(90)の上側面部(96)に沿って下方に向かって流れる。
一方、ケーシング(11)内では、圧縮機構(40)から吐出した圧縮流体と共にミスト状の潤滑油が、モータ(30)の下方から上方へ向かって流れる。そして、圧縮流体と共に流れる潤滑油は、その一部がカバー部材(90)の下側面部(97)に衝突し、圧縮流体と分離して液膜化する。液膜化した潤滑油は、カバー部材(90)の下側面部(97)を下方から上方に向けて流れる。カバー部材(90)の下側面部(97)は、上方に向かってカバー部材(90)の外径が大きくなるようなテーパ状に形成されているため、潤滑油は、駆動軸(20)の回転の遠心力を受けてカバー部材(90)の下側面部(97)に沿って上方に向かって流れる。
そして、上側面部(96)及び下側面部(97)を流れる潤滑油は、両側面部(96,97)の頂点まで流れる。そして、頂点で合流した潤滑油は、頂点に形成された孔部(100)から駆動軸(20)の回転によって半径方向外方へ油滴となって飛散する。飛散した潤滑油はケーシング(11)の内面に衝突することで、液膜化し、重力によってケーシング(11)の下方へ落下する。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記ケーシング(11)には、上記吐出管(15)が接続される一方、上記吐出管(15)の基端部(15a)の下方には、該吐出管(15)への潤滑油の流入を規制する規制部(80)が設けられている。
上記第2の発明では、ケーシング(11)には、吐出管(15)の基端部(15a)の下方に規制部(80)が設けられている。規制部(80)は、例えば、液膜化されなかったミスト状の潤滑油や、ケーシング(11)の内面に付着した潤滑油が、吐出管(15)に流入するのを規制する。こうすることで、吐出管(15)からケーシング(11)の外部へ流出する潤滑油量が低減する。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記規制部(80)は、上記吐出管(15)の基端部(15a)の下方位置で、且つ上記ケーシング(11)の内方に向かって突出する突出部材(81a〜84a)を備えている。
上記第3の発明では、規制部(80)は突出部材(81a〜84a)を備え、この突出部材(81a〜84a)は、吐出管(15)の基端部(15a)の下方位置で、且つケーシング(11)の内方に向かって突出して形成されている。こうすることで、突出部材(81a〜84a)よりも下方を流れるミスト状の潤滑油等は、突出部材(81a〜84a)に跳ね返されるため、吐出管(15)への流入が阻まれる。これにより、吐出管(15)からケーシング(11)の外部へ流出する潤滑油量が低減する。
第4の発明は、上記第3の発明において、上記カバー部材(90)は、上記突出部材(81a〜84a)の下方位置に上記孔部(100)が形成されている。
上記第4の発明では、カバー部材(90)の潤滑油は、駆動軸(20)の回転の遠心力を受け、上側面部(96)及び下側面部(97)を流れて両側面部(96,97)の頂点に集まる。そして、潤滑油は、頂点に形成された孔部(100)から半径方向の外方へ油滴となって飛散し、ケーシング(11)の内面に衝突することで液膜化する。
ここで、カバー部材(90)は、突出部材(81a〜84a)の下方に孔部(100)が形成されている。このため、孔部(100)より油滴となって飛散した潤滑油は、突出部材(81a〜84a)よりも下方に飛散する。つまり、突出部材(81a〜84a)よりも下方の潤滑油は、突出部材(81a〜84a)に跳ね返されるため、該突出部材(81a〜84a)よりも上方の吐出管(15)への流入が阻まれる。これにより、吐出管(15)からケーシング(11)の外部へ流出する潤滑油量が低減する。
第5の発明は、上記第1〜第4の発明の何れか1つにおいて、上記カバー部材(90)は、上記バランスウェイト(25)の上端部の少なくとも一部を覆う上端部材(91)と、上記軸受(41c)よりも半径方向の外方に設けられ、且つ上記上端部材(91)よりも上方に突き出る上側突出部(95)と、上記上端部材(91)に捕捉された潤滑油を上記カバー部材(90)の内部に流入させる上側流入部(91a)とを備えている。
上記第5の発明では、カバー部材(90)の上端部材(91)は、バランスウェイト(25)の上端部の少なくとも一部を覆っている。また、カバー部材(90)の上側突出部(95)は、軸受(41c)よりも半径方向の外方に設けられ、カバー部材(90)の上端部材(91)よりも上方に突き出ている。そして、軸受(41c)と駆動軸(20)との間から流出した潤滑油は、カバー部材(90)の上端部材(91)に捕捉される。そして、駆動軸(20)の回転の遠心力を受け、上端部材(91)上を液膜化しながら半径方向の外方へ流れる。ここで、上側突出部(95)は、上端部材(91)の外縁から半径方向外方へ潤滑油が飛散するのを阻止している。また、上側流入部(91a)は、上端部材(91)に捕捉される潤滑油をカバー部材(90)の内部に流入させる。
カバー部材(90)の内部に流入した潤滑油は、駆動軸(20)の回転の遠心力を受け、カバー部材(90)の上側面部(96)の内側を液膜化しながら下方へ流れ、カバー部材(90)の頂点に集まる。そして、集まった潤滑油は、駆動軸(20)の回転の遠心力によって、孔部(100)より半径方向外方へ油滴となって飛散する。飛散した潤滑油は、ケーシング(11)の内面に衝突することで、一部が液膜化し、重力によってケーシング(11)の下方へ落下する。
第6の発明は、上記第5の発明において、上記上側突出部(95)は、上記カバー部材(90)の上端面の外周に亘って形成されている。
上記第6の発明では、上側突出部(95)が、カバー部材(90)の上端面の外周に亘って形成されている。軸受(41c)から流出した潤滑油は、駆動軸(20)の回転の遠心力を受け、カバー部材(90)の上端面を液膜化しながら半径方向の外方へ流れる。しかしながら、本発明では、上側突出部(95)がカバー部材(90)の外周に亘って形成されている。このため、上側突出部(95)は、駆動軸(20)の回転の遠心力を受け、カバー部材(90)の上端面の外周縁から半径方向外方へ潤滑油が飛散するのを阻止している。
第7の発明は、上記第1〜第6の発明の何れか1つにおいて、上記モータ(30)は、上記圧縮流体が上方へ通過する流通路(32a)を備え、上記駆動軸(20)は、上記カバー部材(90)の下部に上記バランスウェイト(25)の底部の少なくとも一部を覆い、且つ上記流通路(32a)から流出した圧縮流体を衝突させる底部材(26)を備えている。
上記第7の発明では、モータ(30)は、圧縮機構(40)の圧縮流体が流れる流通路(32a)を備えている。また、駆動軸(20)は、カバー部材(90)の下部にバランスウェイト(25)の底部の少なくとも一部を覆う底部材(26)を備えている。圧縮機構(40)の圧縮流体には、ミスト状の潤滑油が含まれている、そして、この潤滑油を含んだ圧縮流体は、モータ(30)の下方を流れ、その一部が流通路(32a)を上方に流れる。流通路(32a)を上昇する圧縮流体は、底部材(26)に衝突して潤滑油が分離されて一部が液膜化する。このように液膜化した潤滑油は、その重力によってケーシング(11)内の下方に落下する。
第8の発明は、上記第7の発明において、上記カバー部材(90)は、上記流通路(32a)よりも半径方向の外方に設けられ、上記下側面部(97)の下端から上記底部材(26)よりも下方に突出した下側突出部(98)を備える一方、上記駆動軸(20)は、上記底部材(26)の潤滑油を上記カバー部材(90)の内部に導く下側流入部(26a)を備えている。
上記第8の発明では、下側突出部(98)は、流通路(32a)よりも半径方向の外方に設けられ、且つ下側面部(97)の下端から底部材(26)よりも下方に突き出ている。
圧縮流体と共に流通路(32a)を上昇する潤滑油は、底部材(26)に衝突し、一部が液膜化して圧縮流体から分離する。この潤滑油は、駆動軸(20)の回転の遠心力を受け、底部材(26)の半径方向外方へ流れる。下側突出部(98)は、底部材(26)の下面の外縁から半径方向外方へ潤滑油が飛散するのを阻止している。また、下側流入部(26a)は、底部材(26)を流れる潤滑油をカバー部材(90)の内部に流入させる。
カバー部材(90)の内部に流入した潤滑油は、駆動軸(20)の回転の遠心力を受け、カバー部材(90)の下側面部(97)の内側を液膜化しながら上方へ流れ、カバー部材(90)の頂点に集まる。そして、集まった潤滑油は、駆動軸(20)の回転の遠心力によって、孔部(100)より半径方向外方へ油滴となって飛散する。飛散した潤滑油は、ケーシング(11)の内面に衝突することで、一部が液膜化し、重力によってケーシング(11)の下方へ落下する。
上記第1の発明によれば、傾斜を持った上側面部(96)及び下側面部(97)からなるカバー部材(90)を設けたため、該カバー部材(90)を流れる潤滑油を両側面部(96,97)の頂点に集めることができる。このため、頂点から半径方向外方に飛散する油滴を大径にすることができる。これにより、ケーシング(11)内の冷媒ガスの流れにのって、そのまま吐出管(15)からケーシング(11)外に流出する潤滑油量を低減することができる。この結果、エアギャップやロータ冷却通路において冷媒に含まれる油滴、又は軸受から漏れる油が、ケーシング(11)の外部へ吐出されるのを抑制することができる。
上記第2の発明によれば、吐出管(15)の基端部(15a)の下方に規制部(80)を設けたため、規制部(80)よりも下方を流れる潤滑油が吐出管(15)に流入するのを確実に防止することができる。これにより、吐出管(15)からケーシング(11)外に流出する潤滑油量を低減することができる。この結果、エアギャップやロータ冷却通路において冷媒に含まれる油滴、又は軸受から漏れる油が、ケーシング(11)の外部へ吐出されるのを抑制することができる。
上記第3の発明によれば、吐出管(15)の基端部(15a)の下方位置に突出部材(81a〜84a)を設けたため、上方に流れようとする潤滑油を跳ね返すことができる。これにより、吐出管(15)からケーシング(11)外に流出する潤滑油量を低減することができる。この結果、エアギャップやロータ冷却通路において冷媒に含まれる油滴、又は軸受から漏れる油が、ケーシング(11)の外部へ吐出されるのを抑制することができる。
上記第4の発明によれば、孔部(100)を突出部材(81a〜84a)よりも下方に設けたため、突出部材(81a〜84a)よりも下方に潤滑油を飛散させることができる。このため、突出部材(81a〜84a)によって突出部材(81a〜84a)よりも下方の潤滑油を跳ね返すことができる。これにより、吐出管(15)からケーシング(11)外に流出する潤滑油量を低減することができる。この結果、エアギャップやロータ冷却通路において冷媒に含まれる油滴、又は軸受から漏れる油が、ケーシング(11)の外部へ吐出されるのを抑制することができる。
上記第5の発明によれば、上端部材(91)、上側突出部(95)及び上側流入部(91a)を設けたため、カバー部材(90)の上端部材(91)に捕捉された潤滑油が上端部材(91)の外縁から飛散するのを防止しつつ、該潤滑油をカバー部材(90)の内部に流入させることができる。これにより、潤滑油をカバー部材(90)の頂点に集めることで、孔部(100)から飛散する油滴を大径にすることができる。この結果、エアギャップやロータ冷却通路において冷媒に含まれる油滴、又は軸受から漏れる油が、ケーシング(11)の外部へ吐出されるのを抑制することができる。
上記第6の発明によれば、カバー部材(90)の上端部材(91)の外周に亘って上側突出部(95)を形成したため、該上端部材(91)に捕捉された潤滑油が、該上端部材(91)の外縁から飛散するのを確実に防止することができる。これにより、吐出管(15)からケーシング(11)外に流出する潤滑油量を低減することができる。この結果、エアギャップやロータ冷却通路において冷媒に含まれる油滴、又は軸受から漏れる油が、ケーシング(11)の外部へ吐出されるのを抑制することができる。
上記第7の発明によれば、流通路(32a)及び底部材(26)を設けたため、流通路(32a)を上昇する圧縮流体を該底部材(26)に衝突させ、該圧縮流体から潤滑油を分離して液膜化させることができる。これにより、吐出管(15)からケーシング(11)外に流出する潤滑油量を低減することができる。この結果、エアギャップやロータ冷却通路において冷媒に含まれる油滴、又は軸受から漏れる油が、ケーシング(11)の外部へ吐出されるのを抑制することができる。
上記第8の発明によれば、底部材(26)、下側突出部(98)及び下側流入部(26a)を設けたため、カバー部材(90)の底部材(26)を流れる潤滑油が底部材(26)の下面の外縁から飛散するのを防止しつつ、該潤滑油をカバー部材(90)の内部に流入させることができる。これにより、潤滑油をカバー部材(90)の頂点に集めることで、孔部(100)から飛散する油滴を大径にすることができる。この結果、エアギャップやロータ冷却通路において冷媒に含まれる油滴、又は軸受から漏れる油が、ケーシング(11)の外部へ吐出されるのを抑制することができる。
本実施形態に係る圧縮機を示す縦断面である。 本実施形態に係るケーシング(11)の胴部の内部構造の斜視図である。 本実施形態に係るケーシング(11)の胴部の水平断面図である。 本実施形態に係るケーシング(11)の胴部の内部構造の斜視図である。 本実施形態に係る圧縮機の要部を拡大した断面図である。 本実施形態に係る駆動軸とバランスカバーの取り付け構造を示す図である。 本実施形態に係る圧縮機のバランスカバーの周辺構造を示す断面図である。 本実施形態に係るバランスカバーを示す図である。 従来例例に係る圧縮機の要部を拡大した断面図である。 従来例に係る潤滑油の飛散状態を表した図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るスクロール型の圧縮機(10)は、例えば、空気調和装置等の蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続され、流体である冷媒を圧縮するものである。
上記圧縮機(10)は、縦長円筒状の密閉ドーム型のケーシング(11)を有している。ケーシング(11)は、その内部を空洞とする圧力容器を構成している。ケーシング(11)は、胴部(12)と上壁部(13)と下壁部(14)とが一体的に接合されて構成されている。胴部(12)は、上下に延びる軸線を有する円筒状に形成されている。胴部(12)には、吐出管(15)が接続されている。上壁部(13)は、胴部(12)の上側の開口を閉塞するように胴部(12)の上端に溶接されている。上壁部(13)には、吸入管(16)が接続されている。下壁部(14)は、胴部(12)の下側の開口を閉塞するように胴部(12)の下端に溶接されている。
上記ケーシング(11)の内部には、冷媒を圧縮する圧縮機構(40)と、圧縮機構(40)の下方に配置される駆動モータ(30)とが収容されている。圧縮機構(40)と駆動モータ(30)とは、上下に延びる駆動軸(20)によって連結されている。
上記駆動軸(20)の上端には、偏心部(24)が形成されている。偏心部(24)は、駆動軸(20)の主軸から所定長さだけ偏心している。また、駆動軸(20)には、偏心部(24)等と静的及び動的バランスを取るためのバランスウェイト(25)が形成されている。尚、バランスウェイト(25)については後述する。
また、駆動軸(20)は、バランスウェイト(25)の下部に、略円形状に形成された底板(26)が設けられている。この底板(26)は、駆動軸(20)と略同心で、且つバランスウェイト(25)の外壁に沿うように径が設定されている。また、底板(26)は、その外周が後述するロータ(32)のロータ冷却通路(32a)よりも半径方向の外側に位置する径に設定されている。こうすることで、ロータ冷却通路(32a)を上昇する圧縮流体は、底板(26)に衝突させることができる。尚、底板(26)は、本発明に係る底部材を構成している。底板(26)の外周縁には、内側に切り欠いた切欠(26a)が形成されている。こうすることで、底板(26)を流れる潤滑油を切欠(26a)を介してバランスカバー(90)の内部に流入させることができる。尚、切欠(26a)は、本発明に係る下側流入部を構成している。
また、駆動軸(20)の下端部には、オイルピックアップ(21)が設けられている。オイルピックアップ(21)は、モータ収容室(50)の底部に形成される油溜め部(51)に臨むように配設されている。油溜め部(51)には、圧縮機構(40)や駆動軸(20)の各摺動部を潤滑するための潤滑油(いわゆる冷凍機油)が貯留される。駆動軸(20)の内部には、軸方向に貫通する給油路(22)が形成されている。この給油路(22)は、上端が駆動軸(20)の上端面と可動スクロール(43)の鏡板(43a)の下面との間に形成される油室(101)と連通している。この油室(101)は、可動スクロール(43)の鏡板(43a)の給油細孔(102)を介して、固定スクロール(42)と可動スクロール(43)との間の摺動面に連通している。また、油室(101)は、圧縮機構(40)で圧縮される前の冷媒の低圧空間とも連通している。したがって、駆動軸(20)が回転すると、遠心ポンプ作用と、冷媒圧力の高低圧差によって、油溜め部(51)に貯留される潤滑油は、給油路(22)を上方に向かって流れ、圧縮機構(40)や駆動軸(20)の軸受け部等へ供給される。
上記駆動モータ(30)の下側には、下部軸受け部材(23)が設けられている。下部軸受け部材(23)は、その外周面の一部がケーシング(11)の胴部(12)に固定されている。軸受け部材(23)の内部には、駆動軸(20)を回転自在に支持する下側軸受部(23a)が形成されている。
上記圧縮機構(40)は、スクロール式の圧縮機構を構成している。圧縮機構(40)は、ハウジング(41)、固定スクロール(42)、可動スクロール(43)、及びカバープレート(44)を有している。
上記ハウジング(41)は、その下端側がモータ収容室(50)に面するように駆動モータ(30)の上方に配置されている。ハウジング(41)は、その上部がケーシング(11)の胴部(12)に内嵌しながら固定されている。ハウジング(41)とケーシング(11)とは、全周に亘って気密に密着している。
また、ハウジング(41)の上部中央には、下方に凹んだ凹部(41a)が形成されている。一方、ハウジング(41)の外周端部には、環状に形成されて上方に突出する環状凸部(41b)が形成されている。更に、ハウジング(41)の下部には、駆動軸(20)を回転自在に支持する上側軸受部(41c)が形成されている。尚、上側軸受部(41c)は、本発明に係る軸受を構成している。
上記固定スクロール(42)は、ハウジング(41)によって下側から支持されている。固定スクロール(42)は、鏡板(42a)と、該鏡板(42a)の下面に形成される渦巻き状(インボリュート曲線状)のラップ(42b)と、ラップ(42b)の外周側に形成される筒部(42c)を有している。固定スクロール(42)の筒部(42c)には、図示はしないが、主吸入ポートと、主吸入ポートに隣接する補助吸入ポートとが形成されている。
上記可動スクロール(43)は、固定スクロール(42)とハウジング(41)との間に配置されている。可動スクロール(43)は、鏡板(43a)と、該鏡板(43a)の上面に形成される渦巻き状のラップ(43b)とを有している。この鏡板(43a)には、給油細孔(102)が形成されている。給油細孔(102)は、可動スクロール(43)の鏡板(43a)の上面の外周部と駆動軸(20)の上端部に形成される油室(101)とを連通している。また、可動スクロール(43)の鏡板(43a)の背面(下面)には、駆動軸(20)の偏心部(24)が嵌入される嵌入部(43c)が形成されている。
固定スクロール(42)とハウジング(41)とは、その外周側寄りの端部が互いに接触している。つまり、固定スクロール(42)とハウジング(41)とは、図示しない締結部材によって上下に接続され、これにより、固定スクロール(42)の筒部(42c)の下端面と、ハウジング(41)の環状凸部(41b)の上端面とが互いに密着している。
上記圧縮機構(40)では、固定スクロール(42)のラップ(42b)と、可動スクロール(43)のラップ(43b)とが互いに歯合している。その結果、固定スクロール(42)と可動スクロール(43)との間には、冷媒を圧縮するための圧縮室(45)が形成される。
固定スクロール(42)には、上述したように、主吸入ポート(図示省略)、及び補助吸入ポート(図示省略)と、吐出ポート(52)とが形成されている。主吸入ポートは、筒部(42c)に形成されており、その流入端が吸入管(16)と連通している。吸入ポートの流出端は、圧縮室(45)の外周縁部に開口している。また、補助吸入ポートにより、上壁部(13)内の低圧空間と圧縮室(45)とが連通されている。吐出ポート(52)は、鏡板(42a)の軸心部を貫通するように形成され、圧縮室(45)の中心位置に臨んでいる。
更に、固定スクロール(42)の鏡板(42a)の上面側には、拡大凹部(53)が形成されている。拡大凹部(53)は、上記吐出ポート(52)の上方に形成され、その下端部が吐出ポート(52)と繋がっている。拡大凹部(53)の上端には、上記カバープレート(44)が設けられている。カバープレート(44)は、締結部材によって鏡板(42a)に固定されている。その結果、拡大凹部(53)とカバープレート(44)との間には、吐出ポート(52)からの冷媒が流出するチャンバー室(55)が形成される。なお、カバープレート(44)と鏡板(42a)とは、図示しないパッキンを介して密着し、シールされている。チャンバー室(55)は、吐出ポート(52)と接続するマフラー空間を構成している。即ち、チャンバー室(55)は、吐出ポート(52)よりも冷媒の流路断面を拡大させることで、冷媒の通過音を低減する消音用の空間を構成している。
上記圧縮機(10)には、ケーシング(11)内に冷媒案内流路(C)が形成されている。本実施形態では、圧縮機構(40)に冷媒案内流路(C)が形成されている。冷媒案内流路(C)は、一端が吐出ポート(52)と分岐するように繋がり、他端がモータ収容室(50)に接続されている。つまり、冷媒案内流路(C)は、一端がチャンバー室(55)から分岐するように繋がり、他端がモータ収容室(50)と繋がっている。冷媒案内流路(C)は、第1案内通路(56)と第2案内通路(57)とで構成されている。
上記第1案内通路(56)は、固定スクロール(42)の筒部(42c)側に形成されている。第1案内通路(56)は、その流入端が上記チャンバー室(55)に接続されている。第1案内通路(56)は、下方に向かうに連れて外周側に近づくように斜めに傾斜する面を有している。第1案内通路(56)の流出端は、筒部(42c)の下端面に開口している。
上記第2案内通路(57)は、ハウジング(41)の環状凸部(41b)に形成されている。第2案内通路(57)の流入端は、上記第1案内通路(56)の下端と接続している。第2案内通路(57)は、環状凸部(41b)を軸方向に貫通している。そして、第2案内通路(57)の流出端は、モータ収容室(50)に臨んでいる。また、第2案内通路(57)の流路断面は、略楕円形状あるいは扇形状に形成されている。
また、モータ収容室(50)には、ガスガイド板(60)と、油戻しガイド板(70)と、飛散防止リング(80)とが設けられている。
上記ガスガイド板(60)は、対応する第2案内通路(57)の流出端と、下降側のモータ冷却通路(33)の流入端との間に配置されている。つまり、ガスガイド板(60)は、冷媒案内流路(C)の流出端に臨むように配置され、ケーシング(11)の胴部(12)の内壁に固定されている。
図2〜図3に示すように、ガスガイド板(60)は、ガイド板本体(61)と、該ガイド板本体(61)の両端に配設される翼部(62)とを備えている。ガイド板本体(61)は、その下部に形成される下部曲板(63)と、その上部に形成される膨出部(64)と、その左右側端に形成される側壁部(65)とを有している。下部曲板(63)は、横断面が円弧状で且つ上下に直線状に延びるように形成されている。下部曲板(63)の下端は、ステータ(31)と外周部と同線上に位置している。膨出部(64)は、下部曲板(63)の上端に連接しており、上側に向かうに連れて内周側に張り出すように膨出している。膨出部(64)は、第2案内通路(57)よりも内側に位置するように張り出し量が設定されている。つまり、ガスガイド板(60)では、第2案内通路(57)から流出した冷媒が膨出部(64)の外側を通過して下降側のモータ冷却通路(33)へ導入される。
上記翼部(62)は、ガイド板本体(61)の側壁部(65)の外周側の端部に連接している。翼部(62)は、横断面が円弧状で且つ上下に直線状に延びるように形成されている。翼部(62)は、ケーシング(11)の胴部(12)の内壁に沿うように径が設定されており、該胴部(12)の内壁に固定されている。
上記ガスガイド板(60)には、上記側壁部(65)及び翼部(62)に亘って、分流凹部(66)が形成されている。分流凹部(66)は、側壁部(65)から翼部(62)に跨って連続的に形成される切欠により構成されている。分流凹部(66)は、冷媒案内流路(C)側から下降側のモータ冷却通路(33)側へ送られる冷媒の一部を分流させる分流路(67)を形成している。即ち、ガスガイド板(60)では、下方向へ向かう冷媒の一部の流れが周方向に変更される。これにより、周方向に流れる冷媒中の潤滑油が遠心力によって分離される。
上記油戻しガイド板(70)は、圧縮機構(40)に供給された潤滑油を下方に導くためのものである。油戻しガイド板(70)は、下降側のモータ冷却通路(33)の流入端に臨むように配置され、ケーシング(11)の胴部(12)の内壁に固定されている。
図3及び図4に示すように、油戻しガイド板(70)は、ガイド板本体(71)と、該ガイド板本体(71)の両端に配設される翼部(72)とをそれぞれ備えている。ガイド板本体(71)は、その下部に形成される下部曲板(図示なし)と、その上部に形成される膨出部(74)と、その左右側端に形成される側壁部(75)とを有している。下部曲板は、横断面が円弧状で且つ上下に直線状に延びるように形成されている。下部曲板の下端は、ステータ(31)と外周部と同線上に位置している。膨出部(74)は、下部曲板の上端に連接しており、上側に向かうに連れて内周側に張り出すように膨出している。
上記翼部(72)は、ガイド板本体(71)の側壁部(75)の外周側の端部に連接している。翼部(72)は、横断面が円弧状で且つ上下に直線状に延びるように形成されている。翼部(72)は、ケーシング(11)の胴部(12)の内壁に沿うように径が設定されており、該胴部(12)の内壁に固定されている。
上記飛散防止リング(80)は、ケーシング(11)内に存在する潤滑油が上方に飛散するのを防止するための部材であって、本発明に係る規制部を構成している。図1〜図4に示すように、飛散防止リング(80)は、略リング状に形成され、胴部(12)における駆動モータ(30)と吐出管(15)の流入端(15a)との間に配置されている。飛散防止リング(80)は、第1〜第4リング部(81a〜84a)で構成されている。各リング部(81a〜84a)は、吐出管(15)の流入端(15a)よりも下方に配置されている。第1リング部(81)及び第2リング部(82)は、胴部(12)の内周面に取り付けられ、第3リング部(83)は、ガスガイド板(60)に取り付けられ、第4リング部(84)は、油戻しガイド板(70)に取り付けられている。尚、吐出管(15)の流入端(15a)は、本発明に係る基端部を構成している。
上記第1リング部(81)は、庇部(81a)と、該庇部(81a)の下端に配設される取付部(81b)とを備えている。また、第1リング部(81)は、上記庇部(81a)は、平面視で半リング状に形成され、ケーシング(11)の胴部(12)の内周面から内側に向かって突出形成されている。庇部(81a)は、その基端がケーシング(11)の胴部(12)の内壁に当接され、その先端がバランスカバー(90)の手前まで延びている。そして、庇部(81a)は、その外径がケーシング(11)の胴部(12)の内径と略同径に形成される一方、その内径がバランスカバー(90)の最大外径よりもやや大きい径に形成されている。上記取付部(81b)は、庇部(81a)の基端に連接されている。取付部(81b)は、横断面が円弧状で且つ上下に直線状に延びるように形成されている。取付部(81b)は、ケーシング(11)の胴部(12)の内壁に沿うように径が設定されており、該胴部(12)の内壁に固定されている。
上記第2リング部(82)は、庇部(82a)と、該庇部(82a)の下端に配設される取付部(82b)とを備えている。また、第2リング部(82)は、ガスガイド板(60)と油戻しガイド板(70)との間に配置されている。上記庇部(82a)は、平面視で略扇形に形成され、ケーシング(11)の胴部(12)の内周面から内側に向かって突出形成されている。庇部(82a)は、その基端がケーシング(11)の胴部(12)の内壁に当接され、その先端がバランスカバー(90)の手前まで延びている。そして、庇部(82a)は、その外径がケーシング(11)の胴部(12)の内径と略同径に形成される一方、その内径がバランスカバー(90)の最大外径よりもやや大きい径に形成されている。上記取付部(82b)は、庇部(82a)の基端に連接されている。取付部(82b)は、横断面が円弧状で且つ上下に直線状に延びるように形成されている。取付部(82b)は、ケーシング(11)の胴部(12)の内壁に沿うように径が設定されており、該胴部(12)の内壁に固定されている。
上記第3リング部(83)は、庇部(83a)と、該庇部(83a)の下端に配設される取付部(83b)とを備え、ガスガイド板(60)に対して取り付けられている。上記庇部(83a)は、平面視で略扇形に形成され、ガスガイド板(60)の内周面から内側に向かって突出形成されている。また、この庇部(83a)には、基端側から内側に向かって切り欠き(切欠)が形成されている。庇部(83a)は、その基端のうち、上記切欠を除く部分がガスガイド板(60)の翼部(62)の内壁に当接され、切欠部分がガスガイド板(60)の下部曲板(63)の内壁に当接されている。また、庇部(83a)は、その先端がバランスカバー(90)の手前まで延びている。そして、庇部(83a)は、その外径のうち切欠部分を除く部分がガスガイド板(60)の翼部(62)の内壁径と略同径に形成され、切欠部分の外径がガスガイド板(60)の下部曲板(63)の内壁径と略同径に形成されている。また、庇部(83a)の内径は、バランスカバー(90)の最外径よりもやや小さい径に形成されている。上記取付部(83b)は、庇部(83a)の基端に連接されている。取付部(83b)は、横断面が円弧状で且つ上下に直線状に延びるように形成されている。また、取付部(83b)には、ガスガイド板(60)の下部曲板(63)に対応する位置に、内側に凹み且つ上下方向に延びる凹部(図示なし)が形成されている。取付部(83b)は、凹部を除く部分が、ガスガイド板(60)の翼部(62)の内壁に沿うように径が設定されており、該翼部(62)の内壁に固定されている。また、取付部(83b)は、凹部がガスガイド板(60)の下部曲板(63)の内壁に沿うように径が設定されており、該下部曲板(63)の内壁に固定されている。
上記第4リング部(84)は、庇部(84a)と、該庇部(84a)の下端に配設される取付部(84b)とを備え、油戻しガイド板(70)に対して取り付けられている。上記庇部(84a)は、平面視で略扇形に形成され、油戻しガイド板(70)の内周面から内側に向かって突出形成されている。また、この庇部(84a)には、基端側から内側に向かって切り欠きが形成されている。庇部(84a)は、その基端のうち、切欠を除く部分が油戻しガイド板(70)の翼部(72)の内壁に当接され、切欠が油戻しガイド板(70)の下部曲板の内壁に当接されている。また、庇部(84a)は、その先端がバランスカバー(90)の手前まで延びている。そして、庇部(84a)は、その外径のうち切欠部分を除く部分が油戻しガイド板(70)の翼部(72)の内径と略同径に形成され、切欠部分の外径が油戻しガイド板(70)の下部曲板の内径と略同径に形成されている。また、庇部(84a)の内径は、バランスカバー(90)の最大外径よりもやや大きい径に形成されている。上記取付部(84b)は、庇部(84a)の基端に連接されている。取付部(84b)は、横断面が円弧状で且つ上下に直線状に延びるように形成されている。また、取付部(84b)には、油戻しガイド板(70)の下部曲板に対応する位置に、内側に凹み且つ上下方向に延びる凹部(図示なし)が形成されている。取付部(84b)は、凹部を除く部分が、油戻しガイド板(70)の翼部(72)の内壁に沿うように径が設定されており、該翼部(72)の内壁に固定されている。また、取付部(84b)は、、凹部が油戻しガイド板(70)の下部曲板の内壁に沿うように径が設定されており、該下部曲板の内壁に固定されている。
上記飛散防止リング(80)は、各リング部(81〜84)の各庇部(81a〜84a)が吐出管(15)の流入端(15a)よりも下方で、且つ潤滑油の飛散位置よりも上方に位置するように配置されている。具体的には、図5に示すように、各リング部(81〜84)は、庇部(81a〜84a)の下面の高さ(図中のY)が、上記バランスカバー(90)からの潤滑油の飛散位置の高さ(図中のX)よりも上であり、且つ吐出管(15)の流入端(15a)の最下端の高さ(図中のZ)よりも下方になるように位置付けられている。
上記駆動モータ(30)は、圧縮機構(40)の下側に形成されるモータ収容室(50)に収容されている。この駆動モータ(30)は、インバータ回路の出力周波数が制御されることで、駆動軸(20)の回転速度を調節可能に構成されている。つまり、圧縮機(10)は、回転速度が可変なインバータ式の圧縮機を構成している。
上記駆動モータ(30)は、図1及び図5に示すように、固定子を構成するステータ(31)と、回転子を構成するロータ(32)とを有している。ステータ(31)は、筒状に形成されてケーシング(11)の胴部(12)の内周面に固定されている。ロータ(32)は、ステータ(31)の内側に回転自在に嵌合しており、その軸心部位に上記駆動軸(20)が貫通して連結されている。また、ロータ(32)は、その上端から下端に向かって延びるロータ冷却通路(32a)が形成されている。このロータ冷却通路(32a)は、ミスト状の潤滑油を含んだ圧縮冷媒が下方から上方に向かって流れることでロータ(32)を冷却するための流路であって、本発明に係る流通路を構成している。ステータ(31)とロータ(32)との間には、上下に延びる僅かな隙間が形成されており、この隙間がエアギャップ通路(34)を構成している。
また、ステータ(31)の外周面には、複数のコアカット部が周方向に所定間隔置きに配列されている。コアカット部は、ステータ(31)の上端から下端に亘る切り欠きを形成し、この切り欠きがモータ冷却通路(33)を構成している。これらのモータ冷却通路(33)は、冷媒を下方へ導く下降側のモータ冷却通路と、冷媒を上方へ導く上昇側のモータ冷却通路(図示省略)とで構成されている。
上記バランスウェイト(25)は、図7に示すように、駆動軸(20)の重心と回転中心とが一致するように、駆動軸(20)に一体に設けられている。バランスウェイト(25)は、断面が半円状に形成され、駆動軸(20)と略同心の円弧状の外周面を有し、上下方向に延びて所定厚さになるように形成されている。バランスウェイト(25)は、駆動軸(20)において、駆動モータ(30)と圧縮機構(40)との間に位置している。そして、バランスウェイト(25)は、バランスカバー(90)によって覆われている。
上記バランスカバー(90)は、バランスウェイト(25)を覆うカバーであって、本発明に係るカバー部材を構成している。図1、及び図5〜図8に示すように、バランスカバー(90)は、一端側のみが塞がれた有底の部材であって、上面板(91)と上側面板(96)と下側面板(97)と上突出片(95)と下突出片(98)と飛散孔(100)を備えている。
上記上面板(91)は、バランスウェイト(25)の上端面を覆うバランスカバー(90)の上端面を構成するものであって、本発明に係る上端部材を構成している。上面板(91)は、略リング状に形成され、バランスカバー(90)の上端部分に配設される。また、上面板(91)の中心部には、貫通孔(92)が形成され、該貫通孔(92)には駆動軸(20)が挿通される。上面板(91)は、概ねその外周側にボルト孔(93)が形成され、該ボルト孔(93)にはボルト(94)が挿通される。このボルト(94)によって上面板(91)とバランスウェイト(25)とが固定され、これにより、バランスカバー(90)とバランスウェイト(25)が固定される。
また、上面板(91)は、上面板(91)に捕捉された潤滑油をバランスカバー(90)の内部に取り込む孔である上孔部(91a)が形成されている。この上孔部(91a)は、略円形に形成され、上記ボルト孔(93)と駆動軸(20)を挟んで反対側に設けられている。上孔部(91a)は、本発明に係る上側流入部を構成している。
上記上突出片(95)は、バランスカバー(90)の上面板(91)に捕捉された潤滑油が、駆動軸(20)の回転に伴って該上面板(91)の外周縁から半径方向へ飛散するのを防止するための部材であって、本発明に係る上側突出部を構成している。この上突出片(95)は、その基端がバランスカバー(90)の上面板(91)の外周端、及び上側面板(96)の上端と連接している。そして、上突出片(95)は、横断面が略円形で、且つ内側斜め上方に向かって延びて形成されている。上突出片(95)は、その下端の径が、上面板(91)の外径と略同径に形成されている。このため、バランスカバー(90)の上面板(91)上の外周縁から潤滑油が飛散するのを防止することができる。
上記上側面板(96)は、バランスカバー(90)の上側の側面を構成するものであって、本発明に係る上側面部を構成している。上側面板(96)は、その上端が上突出片(95)の基端、及び上面板(91)の外周端と連接され、その下端が下側面板(97)の上端と連接されている。そして、上側面板(96)は、横断面が略円形で、且つ上方から下方に向かって半径方向外方に傾斜するテーパ状に形成されている。すなわち、上側面板(96)は、下方に向かってバランスカバー(90)の外径が大きくなるように形成されている。
上記下側面板(97)は、バランスカバー(90)の下側側面を構成するものであって、本発明に係る下側面部を構成している。下側面板(97)は、その上端が上側面板(96)の下端と連接され、その下端が下突出片(98)の上端と連接されている。そして、下側面板(97)は、横断面が略円形で、且つ上方から下方に向かって半径方向内方へ傾斜するテーパ状に形成されている。すなわち、下側面板(97)は、下方に向かってバランスカバー(90)の外径が小さくなるように形成されている。
また、上側面板(96)と下側面板(97)との連接部分は、バランスカバー(90)の外周に亘って該バランスカバー(90)の最大外径となる頂点部(99)を形成している。この頂点部(99)は、飛散防止リング(80)の各リング部(81〜84)の各庇部(81a〜84a)よりも下方に位置するように形成されている。
上記飛散孔(100)は、バランスカバー(90)の頂点部(99)に集まった潤滑油を外方へ飛散させるものであって、本発明に係る孔部を構成している。この飛散孔(100)は、略円形の孔に形成される。
上記下突出片(98)は、駆動軸(20)の底板(26)を流れる潤滑油が、駆動軸(20)の回転に伴って半径方向へ飛散するのを防止するための部材であって、本発明に係る下側突出部を構成している。この下突出片(98)は、その基端がバランスカバー(90)の下側面板(97)の下端と連接されている。下突出片(98)は、横断面が略円形で、且つ外側斜め下方に向かって延びて形成されている。このため、駆動軸(20)の底板(26)の外周縁から潤滑油が飛散するのを防止することができる。
−運転動作−
次に、このスクロール型の圧縮機(10)の運転動作について説明する。尚、図1及び図5において、白矢印は冷媒の流れを示しており、黒矢印は潤滑油の流れを示している。
まず、駆動モータ(30)が通電されると、ステータ(31)に対してロータ(32)が回転し、これに伴い駆動軸(20)が回転する。駆動軸(20)が回転すると、固定スクロール(42)が可動スクロール(43)に対して偏心しながら旋回する。これにより、低圧の冷媒が吸入管(16)を通じて圧縮室(45)に吸引される。圧縮室(45)では、各ラップ(42b,43b,)の間の容積が変化することで、冷媒が圧縮される。
圧縮室(45)で圧縮されて高圧となった冷媒は、圧縮室(45)の中央部の吐出ポート(52)よりチャンバー室(55)へ流出する。該チャンバー室(55)内の冷媒は、2つの冷媒案内流路(C)に分流する。具体的に、冷媒は、第1案内通路(56)、及び第2案内通路(57)を順に通過し、モータ収容室(50)へ流出する。
モータ収容室(50)へ流出した冷媒は、ガスガイド板(60)内にそれぞれ流入する。ガスガイド板(60)では、冷媒の一部が分流凹部(66)側へ案内される。分流凹部(66)を流れる冷媒は、ケーシング(11)の内周面に沿うように周方向に流れる。その結果、冷媒中に含まれる油(冷凍機油)が遠心力によって分離される。分離された潤滑油は、ケーシング(11)の内壁を伝って油溜め部(51)内へ回収される。潤滑油が分離された冷媒は、最終的には吐出管(15)の流入端(15a)の近傍へ送られる。
一方、ガスガイド板(60)を流れる冷媒のうち分流凹部(66)側へ案内されなかった残りの冷媒は、下降側のモータ冷却通路(33)に流入して更に下方へ流れる。下降側のモータ冷却通路(33)を流出して油溜め部(51)側へ送られた冷媒は、その流れ方向が反転して上昇流れとなる。この冷媒は、上昇側のモータ冷却通路(33)、ステータ(31)とロータ(32)との間のエアギャップ通路(34)、又はロータ(32)に形成されたロータ冷却通路(32a)を上方に向かって流れ、最終的には吐出管(15)の流入端(15a)の近傍へ送られる。以上のように、冷媒が各モータ冷却通路(33)を通過することで、駆動モータ(30)が冷媒によって冷却される。吐出管(15)の流入端(15a)側で合流した冷媒は、吐出管(15)を通じてケーシング(11)の外部へ吐出される。
−潤滑油の動き−
次に、ケーシング(11)内の潤滑油の動きについて説明する。上述したように、油溜め部(51)には、圧縮機構(40)や駆動軸(20)の各摺動部を潤滑するための潤滑油(いわゆる冷凍機油)が貯留されている。駆動軸(20)が回転運動すると、遠心ポンプ作用と、冷媒の高低圧差によって、オイルピックアップ(21)から油溜め部(51)内の潤滑油を上方へ汲み上げ、駆動軸(20)の内部の給油路(22)を通じて、圧縮機構(40)や駆動軸(20)の軸受け部等へ供給される。
図5に示すように、上側軸受部(41c)に供給された潤滑油は、その後、上側軸受部(41c)の下端から漏れ出し、バランスカバー(90)の上面板(91)上を液膜化しながら流れる。そして、バランスカバー(90)の上面板(91)上に捕捉された潤滑油は、駆動軸(20)の遠心力によって半径方向に拡がる。そして、上突出片(95)の内壁まで流れた後、上孔部(91a)からバランスカバー(90)の内部に流入する。そして、流入した潤滑油は、駆動軸(20)の遠心力によって、バランスカバー(90)の上側面板(96)の内壁に沿って下降し、頂点部(99)に到達する。そして、この潤滑油は、飛散孔(100)から油滴となって半径方向外方へ飛散する。飛散した油滴は、ケーシング(11)の胴部(12)の内壁や、ガスガイド板(60)の内壁、又は油戻しガイド板(70)の内壁に衝突して液膜化し、重力によって下方に落下する。
また、ケーシング(11)の下方部には、油溜め部(51)が設けられる一方、摺動部分には潤滑油が供給されるため、該ケーシング(11)内にはミスト状の潤滑油が充満している。したがって、比較的、油滴径の小さいミスト状の潤滑油は、圧縮冷媒の流れに伴って、モータ冷却通路(33)、ステータ(31)とロータ(32)との間のエアギャップ通路(34)、又はロータ(32)に形成されたロータ冷却通路(32a)を上方に向かって流れる。尚、モータ冷却通路(33)を上昇するミスト状の潤滑油は、飛散防止リング(80)の下面に衝突し、圧縮冷媒から分離されて液膜化する。液膜化した潤滑油は、重力によって下方に流れる。
まず、エアギャップ通路(34)を流れるミスト状の潤滑油は、バランスカバー(90)の下側面板(97)に衝突して圧縮冷媒から分離されて液膜化する。液膜化した潤滑油は、駆動軸(20)の遠心力によって、バランスカバー(90)の下側面板(97)の外壁に沿って上昇し、頂点部(99)に到達する。そして、この潤滑油は、頂点部(99)から油滴となって半径方向外方へ飛散する。飛散した油滴は、ケーシング(11)の胴部(12)の内壁や、ガスガイド板(60)の内壁、又は油戻しガイド板(70)の内壁に衝突して液滴化し、重力によって下方に落下する。
次に、ロータ(32)のロータ冷却通路(32a)を流れるミスト状の潤滑油は、駆動軸(20)の底板(26)に衝突し、圧縮冷媒から分離されて液膜化する。液膜化した潤滑油は、駆動軸(20)の遠心力によって、底板(26)の半径方向外方に拡がる。そして、潤滑油は、切欠(26a)からバランスカバー(90)の内部に流入する。流入した潤滑油は、下側面板(97)の内壁に沿って上昇し、頂点部(99)に到達する。そして、この潤滑油は、飛散孔(100)から油滴となって半径方向外方へ飛散する。飛散した油滴は、ケーシング(11)の胴部(12)の内壁や、ガスガイド板(60)の内壁、又は油戻しガイド板(70)の内壁に衝突して液膜化し、重力によって下方に落下する。
−実施形態の効果−
上記本実施形態によれば、傾斜を持った上側面板(96)及び下側面板(97)からなるバランスカバー(90)を設けたため、該バランスカバー(90)を流れる潤滑油を両側面板(96,97)の頂点に集めることができる。このため、頂点から半径方向外方に飛散する油滴を大径にすることができる。これにより、ケーシング(11)内の冷媒ガスの流れにのって、そのまま吐出管(15)からケーシング(11)外に流出する潤滑油量を低減することができる。この結果、エアギャップ通路(34)やロータ冷却通路(32a)において冷媒に含まれる油滴、又は上側軸受部(41c)から漏れる潤滑油が、ケーシング(11)の外部へ吐出されるのを抑制することができる。
また、吐出管(15)の基端部(15a)の下方に飛散防止リング(80)を設けたため、飛散防止リング(80)よりも下方を流れる潤滑油が吐出管(15)に流入するのを確実に防止することができる。これにより、吐出管(15)からケーシング(11)外に流出する潤滑油量を低減することができる。この結果、エアギャップ通路(34)やロータ冷却通路(32a)において冷媒に含まれる油滴、又は上側軸受部(41c)から漏れる潤滑油が、ケーシング(11)の外部へ吐出されるのを抑制することができる。
次に、吐出管(15)の基端部(15a)の下方位置に庇部(81a〜84a)を設けたため、上方に流れようとする潤滑油を跳ね返すことができる。これにより、吐出管(15)からケーシング(11)外に流出する潤滑油量を低減することができる。この結果、エアギャップ通路(34)やロータ冷却通路(32a)において冷媒に含まれる油滴、又は上側軸受部(41c)から漏れる潤滑油が、ケーシング(11)の外部へ吐出されるのを抑制することができる。
続いて、飛散孔(100)を庇部(81a〜84a)よりも下方に設けたため、庇部(81a〜84a)よりも下方に潤滑油を飛散させることができる。このため、庇部(81a〜84a)によって該庇部(81a〜84a)よりも下方の潤滑油を跳ね返すことができる。これにより、吐出管(15)からケーシング(11)外に流出する潤滑油量を低減することができる。この結果、エアギャップ通路(34)やロータ冷却通路(32a)において冷媒に含まれる油滴、又は上側軸受部(41c)から漏れる潤滑油が、ケーシング(11)の外部へ吐出されるのを抑制することができる。
さらに、上面板(91)、上突出片(95)及び上孔部(91a)を設けたため、バランスカバー(90)の上面板(91)に捕捉された潤滑油が上面板(91)の外縁から飛散するのを防止しつつ、該潤滑油をバランスカバー(90)の内部に流入させることができる。これにより、潤滑油をバランスカバー(90)の頂点に集め、飛散孔(100)から飛散する油滴を大径にすることができる。この結果、エアギャップ通路(34)やロータ冷却通路(32a)において冷媒に含まれる油滴、又は上側軸受部(41c)から漏れる潤滑油が、ケーシング(11)の外部へ吐出されるのを抑制することができる。
また、バランスカバー(90)の上面板(91)の外周に亘って上突出片(95)を形成したため、該上面板(91)に捕捉された潤滑油が、該上面板(91)の外縁から飛散するのを確実に防止することができる。これにより、吐出管(15)からケーシング(11)外に流出する潤滑油量を低減することができる。この結果、エアギャップ通路(34)やロータ冷却通路(32a)において冷媒に含まれる油滴、又は上側軸受部(41c)から漏れる潤滑油が、ケーシング(11)の外部へ吐出されるのを抑制することができる。
また、ロータ冷却通路(32a)及び底板(26)を設けたため、ロータ冷却通路(32a)を上昇する圧縮流体を該底板(26)に衝突させ、該圧縮流体から潤滑油を分離して液膜化させることができる。これにより、吐出管(15)からケーシング(11)外に流出する潤滑油量を低減することができる。この結果、エアギャップ通路(34)やロータ冷却通路(32a)において冷媒に含まれる油滴、又は上側軸受部(41c)から漏れる潤滑油が、ケーシング(11)の外部へ吐出されるのを抑制することができる。
最後に、底板(26)、下突出片(98)及び切欠(26a)を設けたため、バランスカバー(90)の底板(26)を流れる潤滑油が底板(26)の下面の外縁から飛散するのを防止しつつ、該潤滑油をバランスカバー(90)の内部に流入させることができる。これにより、潤滑油をバランスカバー(90)の頂点に集め、飛散孔(100)から飛散する油滴を大径にすることができる。この結果、エアギャップ通路(34)やロータ冷却通路(32a)において冷媒に含まれる油滴、又は上側軸受部(41c)から漏れる潤滑油が、ケーシング(11)の外部へ吐出されるのを抑制することができる。
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
本実施形態では、スクロール型の圧縮機(10)について本発明を適用したが、これは例示であって、本発明はこれに限られず、例えばスイング型等の異なる構成・態様の圧縮機に対しても適用することができる。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、圧縮機の、いわゆる油上がりの低減について有用である。
11 ケーシング
15 吐出管
15a (吐出管の)流入端
20 駆動軸
25 バランスウェイト
26 底板
26a (底板の)切欠
30 駆動モータ
41c 上側軸受部
80 飛散防止リング
81a (第1リング部の)庇部
82a (第2リング部の)庇部
83a (第3リング部の)庇部
84a (第4リング部の)庇部
90 バランスカバー
91 上面板
91a (上面板の)切欠
95 上突出片
96 上側面板
97 下側面板
98 下突出片
100 飛散孔

Claims (8)

  1. ケーシング(11)内に、モータ(30)と、該モータ(30)に駆動軸(20)を介して連結された圧縮機構(40)とが収容され、上記モータ(30)よりも下方に圧縮流体が流れる一方、上記モータ(30)よりも上方に上記圧縮流体を上記ケーシング(11)の外部へ導く吐出管(15)が設けられ、上記駆動軸(20)を支持する軸受(41c)と該駆動軸(20)との間に潤滑油が供給される圧縮機であって、
    上記駆動軸(20)における上記モータ(30)と上記軸受(41c)との間に設けられたバランスウェイト(25)と、該バランスウェイト(25)を覆うカバー部材(90)とを備え、
    上記カバー部材(90)は、下方に向かって該カバー部材(90)の外径が大きくなるように形成される上側面部(96)と、該上側面部(96)と連続し、且つ下方に向かって上記カバー部材(90)の外径が小さくなるように形成される下側面部(97)と、上記上側面部(96)と下側面部(97)とによって形成される頂点に設けられる孔部(100)とを備えている
    ことを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記ケーシング(11)には、上記吐出管(15)が接続される一方、
    上記吐出管(15)の基端部(15a)の下方には、該吐出管(15)への潤滑油の流入を規制する規制部(80)が設けられている
    ことを特徴とする圧縮機。
  3. 請求項1又は2において、
    上記規制部(80)は、上記吐出管(15)の基端部(15a)の下方位置で、且つ上記ケーシング(11)の内方に向かって突出する突出部材(81a〜84a)を備えている
    ことを特徴とする圧縮機。
  4. 請求項3において、
    上記カバー部材(90)は、上記突出部材(81a〜84a)の下方位置に上記孔部(100)が形成されている
    ことを特徴とする圧縮機。
  5. 請求項1〜4の何れか1つにおいて、
    上記カバー部材(90)は、上記バランスウェイト(25)の上端部の少なくとも一部を覆う上端部材(91)と、上記軸受(41c)よりも半径方向の外方に設けられ、且つ上記上端部材(91)よりも上方に突き出る上側突出部(95)と、上記上端部材(91)に捕捉された潤滑油を上記カバー部材(90)の内部に流入させる上側流入部(91a)とを備えている
    ことを特徴とする圧縮機。
  6. 請求項5において、
    上記上側突出部(95)は、上記カバー部材(90)の上記上端部材(91)の外周に亘って形成されている
    ことを特徴とする圧縮機。
  7. 請求項1〜6の何れか1つにおいて、
    上記モータ(30)は、上記圧縮流体が上方へ通過する流通路(32a)を備え、
    上記駆動軸(20)は、上記カバー部材(90)の下部に上記バランスウェイト(25)の底部の少なくとも一部を覆い、且つ上記流通路(32a)から流出した圧縮流体を衝突させる底部材(26)を備えている
    ことを特徴とする圧縮機。
  8. 請求項7において、
    上記カバー部材(90)は、上記流通路(32a)よりも半径方向の外方に設けられ、且つ上記下側面部(97)の下端から上記底部材(26)よりも下方に突出した下側突出部(98)を備える一方、上記駆動軸(20)は、上記底部材(26)の潤滑油を上記カバー部材(90)の内部に導く下側流入部(26a)を備えている
    ことを特徴とする圧縮機。
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