JP2016200046A - 圧縮機 - Google Patents

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俊之 外山
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Abstract

【課題】圧縮機構の摺動部を潤滑した潤滑油を迅速に油溜まりに戻す油戻し機構を容易な構成で実現する。【解決手段】圧縮機(1)に、軸受部(3b)の直下に設けられた円板部(101)と、円板部(101)の上方に位置する上板(102a)と、円板部(101)の下方に位置する下板(102c)と、円板部(101)の外周側において上板(102a)の外周縁と下板(102c)の外周縁とを繋ぐ側板(102b)とを有し、内周部が円板部(101)に向かって開口するリング部材(102)と、リング部材(102)の外周側に流体通路を区画する区画部材(103)とを設け、リング部材(102)の側板(102b)と区画部材(103)とのそれぞれに、リング部材(102)の内部空間(110)の流体が流体通路に吸引されるように、リング部材(102)の内部空間(110)と上記流体通路とを繋ぐ孔(104a,104b,105)を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、密閉容器に圧縮機構が収容された圧縮機に関し、特に、密閉容器内の潤滑油が冷媒と共に密閉容器外に流出する所謂油上がりの低減対策に係るものである。
特許文献1には、全密閉型のスクロール圧縮機が開示されている。該圧縮機は、底部に油溜まりが形成された密閉容器を備えている。該密閉容器内には、スクロール型の圧縮機構と、圧縮機構を駆動するモータと、上下に延びてモータのロータに連結されると共に圧縮機構に形成された軸受部に回転自在に支持された駆動軸とが収容されている。駆動軸には、下端部に油ポンプが連結されると共に、内部に給油通路が形成されている。駆動軸が回転すると、油ポンプが給油通路に油溜まりの潤滑油を汲み上げ、汲み上げられた潤滑油は、圧縮機構の各摺動部に供給され、各摺動部を潤滑する。
圧縮機構の軸受部と駆動軸との摺動部を潤滑した潤滑油は、圧縮機構の軸受部と駆動軸との隙間から漏れ、駆動軸の外周面に沿って流れ落ちる。ところで、駆動軸の外周面に沿って流れ落ちる潤滑油は、軸受部の下方に設けられたバランサやモータのロータ等の駆動軸と共に回転する部材に接触して飛沫化する。飛沫化した潤滑油は、密閉容器内を流動する冷媒によって巻き上げられ、油溜まりに戻ることなく、冷媒と共に圧縮機外へ吐出され、そのために油溜まりの潤滑油が枯渇してしまうおそれがあった。
そこで、引用文献1のスクロール圧縮機では、軸受部及びバランサの外周を覆うカバーと、該カバーの内部の空間を軸受部側とバランサ側とに上下に仕切るテーパ形状の油受部とが設けられている。一方、駆動軸の外周面であって軸受部と油受部との間には、外方に突出する環状のつば部が形成されている。このような構成により、圧縮機構の軸受部と駆動軸の隙間から漏れ出た潤滑油は、つば部によって油受部の上面に導かれ、テーパ形状の油受部の上面に沿って重力により、径方向外側へ流れる。油受部の外縁部に至った潤滑油は、外縁部に設けられた排油管に流入して油溜まりへ戻る。このように、特許文献1のスクロール圧縮機では、カバーと油受部とつば部とを形成し、軸受部と駆動軸との隙間から漏れ出た潤滑油をバランサに接触させることなく回収して油溜まりへ戻すこととしている。
特開2014−109223公報
しかしながら、上記スクロール圧縮機では、潤滑油を油溜まりに戻す力が重力のみであるため、潤滑油を迅速に油溜まりに戻すことができなかった。また、軸受部と駆動軸との隙間から漏れ出た潤滑油を油溜まりに戻すための構造が複雑であり、組立作業が困難になるおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧縮機構の摺動部を潤滑した潤滑油を迅速に油溜まりに戻す油戻し機構を容易な構成で実現することにある。
第1の発明は、底部に潤滑油を貯留する密閉容器(10)と、該密閉容器(10)に収容されて冷媒を圧縮する圧縮機構(14)と、上記密閉容器(10)の内部において上下方向に延び、上記圧縮機構(14)の下端部に形成された軸受部(3b)に支持されて該圧縮機構(14)を駆動する駆動軸(7)と、該駆動軸(7)の回転に伴って、上記密閉容器(10)の底部に貯留された潤滑油を上記圧縮機構(14)の各摺動部へ供給する給油機構(76,8)とを備えた圧縮機であって、上記軸受部(3b)の直下に設けられ、上記駆動軸(7)に固定された該駆動軸(7)に垂直な円板部(101)と、上記円板部(101)の上方に位置する円板状の上板(102a)と、上記円板部(101)の下方に位置する円板状の下板(102c)と、上記円板部(101)の外周側において上記上板(102a)の外周縁と上記下板(102c)の外周縁とを繋ぐ円筒形状の側板(102b)とを有し、内周部が上記円板部(101)に向かって開口するリング部材(102)と、上記リング部材(102)の外周側に、冷媒及び潤滑油の少なくとも一方からなる流体が下向きに流れる流体通路を区画する区画部材(103)とを備え、上記リング部材(102)の上記側板(102b)と上記区画部材(103)とのそれぞれには、上記リング部材(102)の内部空間(110)の流体が上記流体通路に吸引されるように、上記リング部材(102)の内部空間(110)と上記流体通路とを繋ぐ孔(104a,104b,105)が形成されているものである。
第1の発明では、駆動軸(7)の回転により、圧縮機構(14)で冷媒が圧縮される。また、密閉容器(10)内の底部に貯留された潤滑油が、給油機構(76,8)によって圧縮機構(14)の各摺動部へ供給される。そして、圧縮機構(14)の軸受部(3b)と駆動軸(7)との摺動部に供給された潤滑油は、該摺動部を潤滑し、圧縮機構(14)の軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出る。該隙間から漏れ出た潤滑油は、駆動軸(7)の軸受部(3b)の下方に設けられた駆動軸(7)に垂直な円板部(101)によって受け止められる。駆動軸(7)に設けられた円板部(101)は、駆動軸(7)と共に回転する。そのため、円板部(101)に受け止められた潤滑油は、遠心力を受け、円板部(101)の上面に沿って放射状に広がり、円板部(101)の外周縁から円板部(101)の回転接線方向に油滴となって飛散する。
円板部(101)の上面に沿って放射状に広がり、円板部(101)の外周縁から円板部(101)の回転接線方向に油滴となって飛散した潤滑油は、上板(102a)と下板(102c)と側板(102b)とを有し、内周部が円板部(101)に向かって開口するリング部材(102)の内部に回収される。具体的には、円板部(101)の上面に沿って放射状に広がり、円板部(101)の外周縁から円板部(101)の回転接線方向に油滴となって飛散した潤滑油は、円板部(101)の上方に位置するリング部材(102)の上板(102a)と、円板部(101)の下方に位置するリング部材(102)の下板(102c)との間を、径方向外側に向かって飛散し、側板(102b)に当接してリング部材(102)の内部空間(110)の外周部分に溜まる。
リング部材(102)の側板(102b)と区画部材(103)とのそれぞれには、リング部材(102)の内部空間(110)と流体通路とを繋ぐ孔(104a,104b,105)が形成されている。流体通路では、流体が流通することにより、流体が流通しないリング部材(102)の内部空間(110)よりも圧力が低くなる。よって、リング部材(102)の内部空間(110)の外周部分に回収された潤滑油は、エゼクタ作用により、孔(104a,104b,105)を介して流体通路に吸引され、流体と共に下向きに流れて密閉容器(10)の底部の油溜まりに戻る。
第2の発明は、第1の発明において、上記流体通路は、流路断面積が流れの途中で狭くなる縮流部を有し、上記リング部材(102)の上記側板(102b)と上記区画部材(103)のそれぞれに形成された孔(104a,104b,105)は、上記リング部材(102)の内部空間(110)と上記流体通路の上記縮流部とを繋ぐように形成されている。
第2の発明では、リング部材(102)の側板(102b)と区画部材(103)の孔(104a,104b,105)は、リング部材(102)の内部空間(110)と流体通路の縮流部とを連通させる位置に形成されている。流体通路の縮流部では、流体の流速が上昇し、静圧が低下する。そのため、リング部材(102)の内部空間(110)と流体通路とを、流体通路の縮流部以外の箇所で連通させた場合に比べ、孔(104a,104b,105)の両側の内圧の差が大きくなり、リング部材(102)の内部空間(110)の外周部分に回収された潤滑油が流体通路に吸引され易くなる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記駆動軸(7)の上記軸受部(3b)の下方に設けられたバランサ(73)と、上記バランサ(73)を上方から覆うバランサカバー(77)とを備え、上記円板部(101)は、上記バランサカバー(77)の一部であって上記バランサ(73)の上面を覆う上板部(77a)によって構成されている。
第3の発明では、軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出た潤滑油をリング部材(102)に向かって飛散させる円板部(101)が、バランサカバー(77)の上板部(77a)によって構成されている。つまり、バランサカバー(77)の上板部(77a)が、円板部(101)を兼ねている。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、上記圧縮機構(14)の下方には、上記密閉容器(10)に固定された円筒形状のステータ(61)と、該ステータ(61)の内側において上記駆動軸(7)に連結されたロータ(62)とを有し、該駆動軸(7)を介して上記圧縮機構(14)を回転駆動するモータ(6)が設けられ、上記密閉容器(10)の内部には、該密閉容器(10)の内壁面に沿って上記圧縮機構(14)で圧縮した高圧ガス冷媒を上記モータ(6)の下方の空間(70)に導くガス通路(90)が形成され、上記密閉容器(10)の上記圧縮機構(14)と上記モータ(6)との間には、上記モータ(6)の下方の空間(70)から上記ステータ(61)と上記ロータ(62)との隙間を通過して上記モータ(6)の上方に至った上記高圧ガス冷媒を上記密閉容器(10)の外部へ導く吐出管(19)が接続され、上記区画部材(103)は、上記圧縮機構(14)と上記モータ(6)との間において、上記ガス通路(90)の一部を上記流体通路として区画する。
第4の発明では、圧縮機構(14)で圧縮した高圧ガス冷媒は、ガス通路(90)によってモータ(6)の下方の空間(70)に導かれる。モータ(6)の下方に導かれた高圧ガス冷媒は、主にステータ(61)とロータ(62)との間のエアギャップを通過してモータ(6)の上方の空間に至り、吐出管(19)を介して密閉容器(10)の外部へ流出する。このように、圧縮機構(14)から吐出された高圧ガス冷媒を、モータ(6)の上方の空間からすぐに密閉容器(10)の外部へ流出させるのではなく、一旦、モータ(6)の下方の空間(70)に導き、エアギャップを介してモータ(6)の上方の空間へ戻した後に、密閉容器(10)の外部へ流出させることとしている。そのため、運転中に高圧ガス冷媒の温度以上に発熱したモータ(6)が、高圧ガス冷媒によって冷却される。また、高圧ガス冷媒が、一旦、下向きに流れた後、上向きに方向転換する際に、高圧ガス冷媒に混ざった潤滑油が分離され、密閉容器(10)の底部の油溜まりに戻る。
また、第4の発明では、圧縮機構(14)で圧縮された高圧ガス冷媒をモータ(6)の下方の空間(70)に導くガス通路(90)を形成する部材を、リング部材(102)の内部空間(110)の外周部分に回収された潤滑油をエゼクタ作用によって吸引させる流体通路の区画部材(103)として用いている。これにより、圧縮機構(14)の軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出てリング部材(102)の内部空間(110)の外周部分に回収された潤滑油は、ガス通路(90)を流れる高圧ガス冷媒の流れによって、ガス通路(90)に吸引され、高圧ガス冷媒と共に下向きに流れ、密閉容器(10)の底部の油溜まりに戻る。
第5の発明は、第4の発明において、上記吐出管(19)は、上記リング部材(102)よりも上方に設けられ、上記リング部材(102)には、該リング部材(102)の上方の空間と下方の空間とを連通するための連通孔が形成されている。
第5の発明では、圧縮機構(14)で圧縮した高圧ガス冷媒は、ガス通路(90)によってモータ(6)の下方の空間(70)に導かれ、その後、主にステータ(61)とロータ(62)との間のエアギャップを通過してモータ(6)の上方の空間に至る。
ここで、第5の発明のように、吐出管(19)がリング部材(102)の上方の空間に設けられていると、エアギャップを通過してモータ(6)の上方の空間に至った高圧ガス冷媒の吐出管(19)への流入が、リング部材(102)によって阻害されるおそれがある。
これに対し、第5の発明では、リング部材(102)の上方の空間と下方の空間とを連通するための連通孔がリング部材(102)に形成されている。そのため、高圧ガス冷媒がリング部材(102)の下方の空間に留まることなく、連通孔を介してリング部材(102)の上方の空間に流れ、吐出管(19)を介して外部へ排出される。
第6の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、上記圧縮機構(14)の下方には、上記密閉容器(10)に固定された円筒形状のステータ(61)と、該ステータ(61)の内側において上記駆動軸(7)に連結されたロータ(62)とを有し、該駆動軸(7)を介して上記圧縮機構(14)を回転駆動するモータ(6)が設けられ、上記密閉容器(10)の内部には、該密閉容器(10)の内壁面に沿って上記圧縮機構(14)の各摺動部に供給された潤滑油を上記モータ(6)の下方の空間(70)に導く油戻し通路(80)が形成され、上記区画部材(103)は、上記圧縮機構(14)と上記モータ(6)との間において、上記油戻し通路(80)の一部を上記流体通路として区画する。
第6の発明では、流体通路は、圧縮機構(14)の各摺動部に供給された潤滑油を密閉容器(10)の底部に戻すための油戻し通路(80)によって構成されている。そのため、圧縮機構(14)の軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出てリング部材(102)に回収された潤滑油は、流体通路において密閉容器(10)の底部の油溜まりに戻る潤滑油の流れによって、流体通路に吸引され、流体通路を流れる潤滑油と共に密閉容器(10)の底部の油溜まりに戻る。
第7の発明は、第1乃至第6のいずれか1つの発明において、上記圧縮機構(14)は、固定スクロール(4)と可動スクロール(5)とを備えたスクロール型の圧縮機構(14)である。
第1の発明によれば、軸受部(3b)の直下に駆動軸(7)と共に回転する円板部(101)を設け、上板(102a)と下板(102c)と側板(102b)とを有するリング部材(102)を、上板(102a)が円板部(101)の上方、下板(102c)が円板部(101)の下方、側板(102b)が円板部(101)の外周側に位置するように設けた。そのため、圧縮機構(14)の軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出た潤滑油を、遠心力を利用して容易にリング部材(102)の内部空間(110)の外周部分に回収することができる。
また、第1の発明によれば、リング部材(102)の側板(102b)とその外周側に設けられた流体通路を区画する区画部材(103)とに、リング部材(102)の内部空間(110)の流体が上記流体通路に吸引されるように、リング部材(102)の内部空間(110)と上記流体通路とを繋ぐ孔(104a,104b,105)を形成した。そのため、リング部材(102)の内部空間(110)の外周部分に回収された潤滑油は、エゼクタ作用によって流体通路に吸引され、該流体通路を流れる流体と共に下方に向かって流れることとなる。つまり、圧縮機構(14)の軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出た潤滑油を、重力だけでなくエゼクタ作用を利用することによって、迅速に密閉容器(10)の底部に戻すことができる。
また、第1の発明によれば、潤滑油を密閉容器(10)の底部に迅速に戻す油戻し機構を、円板部(101)とリング部材(102)と区画部材(103)とを設け、孔(104a,104b,105)を形成するだけで容易に構成することができる。
また、第2の発明によれば、リング部材(102)の内部空間(110)と流体通路とを連通する孔(104a,104b,105)を、流体通路の縮流部に開口させることにより、エゼクタ作用による流体通路への吸引力が増大する。従って、軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出た潤滑油をより迅速に油溜まりに戻すことが可能になる。
また、第3の発明によれば、軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出た潤滑油をリング部材(102)に向かって飛散させる円板部(101)が、バランサカバー(77)の上板部(77a)によって構成されている。つまり、従来、設けられていたバランサカバー(77)の上板部(77a)を、軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出た潤滑油をリング部材(102)に向かって飛散させる円板部(101)として兼用することで、軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出た潤滑油を油溜まりに戻すための油戻し機構を容易に構成することができる。
また、第4の発明によれば、圧縮機構(14)で圧縮された高圧ガス冷媒をモータ(6)の下方の空間(70)に導くガス通路(90)を形成する部材を、リング部材(102)の内部空間(110)の外周部分に回収された潤滑油をエゼクタ作用によって吸引させる流体通路の区画部材(103)として用いることとした。そのため、このようなガス通路(90)が形成された圧縮機に対し、円板部(101)とリング部材(102)とを設け、リング部材(102)の側板(102b)とガス通路(90)の形成部材とに孔(104a,104b,105)を形成するだけで、容易に圧縮機構(14)の軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出た潤滑油を密閉容器(10)の底部に戻す油戻し機構を構成することができる。
また、第5の発明によれば、リング部材(102)に、該リング部材(102)の上方の空間と下方の空間とを連通するための連通孔が形成されている。そのため、ガス通路(90)が圧縮機構(14)から吐出された高圧ガス冷媒をモータ(6)の下方の空間(70)に導く一方、吐出管(19)がリング部材(102)の上方の空間に設けられた構成であっても、リング部材(102)に形成された連通孔を介して高圧ガス冷媒を円滑に吐出管(19)に導くことができる。
また、第6の発明によれば、圧縮機構(14)の軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出てリング部材(102)の内部空間(110)の外周部分に回収された潤滑油を、エゼクタ作用を利用して密閉容器(10)の底部に戻すための流体通路を、圧縮機構(14)の各摺動部に供給された潤滑油を密閉容器(10)の底部に戻すための油戻し通路(80)によって構成することとした。そのため、このような油戻し通路(80)を有する圧縮機に対し、円板部(101)とリング部材(102)とを設け、リング部材(102)の側板(102b)と区画部材(103)とに孔を形成するだけで、容易に圧縮機構(14)の軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出た潤滑油を密閉容器(10)の底部に戻す油戻し機構を構成することができる。
図1は、実施形態のスクロール圧縮機の縦断面図である。 図2は、図1の上側部分を拡大した断面図である。 図3は、ガスガイド、油戻しガイド、リング部材を拡大した斜視図である。 図4は、ガスガイドの斜視図である。 図5は、油戻しガイドの斜視図である。 図6は、図2の油戻し機構付近を拡大した断面図であり、潤滑油を供給する動作と潤滑油を戻す動作とを示す図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るスクロール圧縮機(1)は、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路(図示省略)に接続され、流体である冷媒を圧縮するものである。
〈スクロール圧縮機の全体構成〉
スクロール圧縮機(1)は、密閉容器であるケーシング(10)の上部に圧縮機構(14)が収容され、下部にモータ(6)が収容された全密閉型圧縮機である。
ケーシング(10)は、起立した円筒状に形成された圧力容器である。このケーシング(10)は、ケーシング本体(11)と、上壁部(12)と、底壁部(13)とによって構成されている。ケーシング本体(11)は、上下方向に延びる軸線を有する円筒状の胴部である。上壁部(12)は、上方に突出した凸面を有する椀状に形成され、ケーシング本体(11)の上端部に気密状に溶接される。底壁部(13)は、下方に突出した凸面を有する椀状に形成され、ケーシング本体(11)の下端部に気密状に溶接される。
ケーシング(10)の上壁部(12)には、冷媒回路の冷媒を圧縮機構(14)へ導入するための吸入管(18)が設けられている。また、ケーシング本体(11)には、ケーシング(10)内の冷媒をケーシング(10)外に導出するための吐出管(19)が設けられている。吐出管(19)の内端(上流端)は、ケーシング(10)内の圧縮機構(14)とモータ(6)との間の下部空間(17)において開口している。
ケーシング(10)の内部において、モータ(6)は、圧縮機構(14)の下方に配置される。圧縮機構(14)とモータ(6)とは、その軸心が上下方向に延びる姿勢で配置された駆動軸(7)によって連結される。また、ケーシング(10)の底部には、潤滑油が貯留された油溜まり部(15)が形成されている。
駆動軸(7)は、主軸部(71)と、偏心軸部(72)とを有している。主軸部(71)は、上下方向に延びる直線Cを軸心とする円柱体によって構成されている。主軸部(71)の後述するバランサ(73)よりも上側の部分は、主ジャーナル部(74)を構成し、主軸部(71)の後述するモータ(6)のロータ(62)よりも下側の部分は、副ジャーナル部(75)を構成する。主ジャーナル部(74)は、後述する圧縮機構(14)の軸受部(3b)に支持され、副ジャーナル部(75)は、後述する下部軸受部材(21)に支持されている。偏心軸部(72)は、比較的短い軸状に形成され、主軸部(71)の上端に突設されている。偏心軸部(72)の軸心は、主軸部(71)の軸心Cと実質的に平行であり、この軸心Cに対して偏心している。
また、駆動軸(7)には、主軸部(71)の圧縮機構(14)とモータ(6)との間に、後述する可動スクロール(5)や偏心軸部(72)等と動的バランスを取るためのバランサ(73)が形成されている。バランサ(73)は、バランサカバー(77)によって上方から覆われている。バランサカバー(77)は、中心部に円形状の孔が形成された円板状の上板部(77a)と、円筒状の側板部(77b)とを有している。上板部(77a)は、中心部の孔に駆動軸(7)の主軸部(71)が挿通され、バランサ(73)の上面を覆う。側板部(77b)は、上板部(77a)の外縁から下方に延び、バランサ(73)の外周を覆う。詳細については後述するが、上板部(77a)は、油戻し機構(100)の円板部(101)を構成する。
駆動軸(7)の内部には、給油通路(8)が形成されている。給油通路(8)は、主通路(8a)と、第1分岐通路(8b)と、第2分岐通路(8c)と、第3分岐通路(8d)とによって構成されている。
主通路(8a)は、駆動軸(7)の軸心(即ち、主軸部(71)の軸心C)と同軸に形成された細長い穴である。主通路(8a)は、駆動軸(7)の下端から上端まで、駆動軸(7)の軸心に沿って延びている。主通路(8a)の上端は、主軸部(71)の上端面に開口している。なお、図示を省略しているが、主軸部(71)の上端面の上方には、潤滑油が一時的に溜まる油室が形成され、該油室は、圧縮機構(14)内の低圧空間と連通している。一方、主通路(8a)の下端は、主軸部(71)の下端面に開口している。また、主通路(8a)の下端部には、油吸込管(76)が挿入されている。この油吸込管(76)は、駆動軸(7)の主軸部(71)と同軸に配置された円管であって、給油通路(8)に接続している。また、油吸込管(76)の下端部は、油溜まり部(15)に浸漬されている。
第1分岐通路(8b)は、主ジャーナル部(74)の径方向に延びる孔であって、主ジャーナル部(74)の上下方向の中央部に形成されている。この第1分岐通路(8b)は、一端が主通路(8a)に接続し、他端が主ジャーナル部(74)の外周面に開口している。
第2分岐通路(8c)は、偏心軸部(72)の径方向に延びる孔であって、偏心軸部(72)の上下方向の中央部に形成されている。この第2分岐通路(8c)は、一端が主通路(8a)に接続し、他端が偏心軸部(72)の外周面に開口している。
第3分岐通路(8d)は、副ジャーナル部(75)の径方向に延びる孔であって、副ジャーナル部(75)の上下方向の中央部に形成されている(図1を参照)。この第3分岐通路(8d)は、一端が主通路(8a)に接続し、他端が副ジャーナル部(75)の外周面に開口している。
このような構成により、駆動軸(7)が回転すると、遠心ポンプ作用と、給油通路(8)の主通路(8a)の上端と下端との圧力差とによって、油溜まり部(15)に貯留された潤滑油が、油吸込管(76)から上方の給油通路(8)の主通路(8a)に汲み上げられる。該主通路(8a)に汲み上げられた潤滑油は、該主通路(8a)、第1分岐通路(8b)、第2分岐通路(8c)及び第3分岐通路(8d)を介して圧縮機構(14)の各摺動部間、圧縮機構(14)の軸受部(3b)と駆動軸(7)との間、及び下部軸受部材(21)と駆動軸(7)との間に供給される。つまり、油吸込管(76)及び給油通路(8)は、駆動軸(7)の回転に伴って、ケーシング(10)の底部の油溜まり部(15)に貯留された潤滑油を圧縮機構(14)の各摺動部へ供給する給油機構を構成する。
モータ(6)は、ケーシング本体(11)に焼嵌め等によって固定された環状のステータ(61)と、該ステータ(61)の内側に配置され、駆動軸(7)の主軸部(71)に固定されたロータ(62)とにより構成されている。ステータ(61)とロータ(62)との間には僅かに隙間(図示省略)が設けられ、この隙間(所謂、エアギャップ)により、ロータ(62)はステータ(61)に接触せずに回転する。ステータ(61)には巻線が装着されている。ロータ(62)は、主軸部(71)と実質的に同軸に配置されている。
ステータ(61)の外周面には、ステータ(61)の上端面から下端面に亘り複数のコアカット部が切欠形成されている。その一つのコアカット部は、上方の圧縮機構(14)から吐出された高圧ガス冷媒を下方に導くことによって、該高圧ガス冷媒でモータ(6)を冷却する冷却通路(93)を構成する。他の一つのコアカット部は、圧縮機構(14)で利用された潤滑油を下方に導くことによって、該潤滑油でモータ(6)を冷却する冷却通路(83)を構成する。冷却通路(93)は、後述する圧縮機構(14)の吐出通路(91)と軸方向に対応する位置に形成され、ステータ(61)を上下方向に貫通している。冷却通路(83)は、後述する圧縮機構(14)の排油通路(81)と軸方向に対応する位置に形成され、ステータ(61)を上下方向に貫通している。
ケーシング(10)内の下部には、下部軸受部材(21)が設けられている。下部軸受部材(21)は、ケーシング本体(11)の下端付近に固定されている。下部軸受部材(21)の中央部には貫通孔が形成され、この貫通孔に駆動軸(7)が挿通されている。そして、下部軸受部材(21)は、駆動軸(7)の副ジャーナル部(75)を回転自在に支持する。
〈圧縮機構の構成〉
圧縮機構(14)は、ハウジング(3)と、固定スクロール(4)と、可動スクロール(5)とを備えている。ハウジング(3)は、ケーシング本体(11)に固定されている。固定スクロール(4)は、ハウジング(3)の上面に配置されている。可動スクロール(5)は、固定スクロール(4)とハウジング(3)との間に配置されている。
ハウジング(3)は、中央が凹陥した皿状に形成されている。このハウジング(3)は、外周側の環状部(31)と、内周側の凹部(32)とを備えている。
図1及び図2に示すように、ハウジング(3)は、ケーシング本体(11)の上端縁に圧入固定されている。具体的に、ハウジング(3)の環状部(31)の外周面は、ケーシング本体(11)の内周面と全周に亘って密着している。ハウジング(3)は、ケーシング(10)の内部空間を、上部空間(16)と下部空間(17)に仕切っている。
ハウジング(3)のうち下方へ膨出した部分である膨出部(3a)には、凹部(32)の底部から下端に貫通する貫通孔(33)が形成されている。貫通孔(33)には、軸受メタル(20)が挿入されている。この軸受メタル(20)には、駆動軸(7)が挿通されている。ハウジング(3)の膨出部(3a)は、軸受メタル(20)と共に、駆動軸(7)の上端部を回転自在に支持する軸受部(3b)を構成している。
固定スクロール(4)は、固定側鏡板部(41)と、固定側ラップ(42)と、外周壁部(43)とを備えている。固定側ラップ(42)は、インボリュート曲線を描く渦巻き壁状に形成され、固定側鏡板部(41)の前面(図2における下面)から突出している。外周壁部(43)は、固定側ラップ(42)の外周側を囲むように形成され固定側鏡板部(41)の前面から突出している。固定側ラップ(42)の先端面と外周壁部(43)の先端面とは略面一になっている。また、固定スクロール(4)は、ハウジング(3)に固定されている。
可動スクロール(5)は、可動側鏡板部(51)と、可動側ラップ(52)と、ボス部(53)とを備えている。可動側鏡板部(51)は、概ね円形の平板状に形成されている。可動側ラップ(52)は、インボリュート曲線を描く渦巻き壁状に形成され、可動側鏡板部(51)の前面(図2における上面)から突出している。ボス部(53)は、円筒状に形成され、可動側鏡板部(51)の背面(57)の中央部に配置されている。
可動スクロール(5)の可動側ラップ(52)は、固定スクロール(4)の固定側ラップ(42)と噛み合わされている。そして、圧縮機構(14)では、固定スクロール(4)の固定側鏡板部(41)及び固定側ラップ(42)と、可動スクロール(5)の可動側鏡板部(51)及び可動側ラップ(52)とに囲まれた圧縮室(50)が形成される。
固定スクロール(4)の外周壁部(43)には、吸入ポート(25)と、該吸入ポート(25)に隣接して上部空間(16)と連通する補助吸入ポート(図示省略)とが形成されている。この補助吸入ポートにより、上部空間(16)は低圧空間となる。一方、吸入ポート(25)には、吸入管(18)が挿入されている。吸入管(18)は、上部空間(16)において上下に延び、ケーシング(10)の上壁部(12)を貫通し、上流端はケーシング(10)の外部に設けられている。
固定スクロール(4)の固定側鏡板部(41)の中央には、固定側鏡板部(41)を貫通する吐出口(44)が形成されている。また、固定側鏡板部(41)の背面(図2における上面)の中央には、高圧チャンバ(45)が形成されている。高圧チャンバ(45)には、吐出口(44)が開口している。
固定スクロール(4)には、高圧チャンバ(45)に連通する第1流通路(46)が形成されている。第1流通路(46)は、高圧チャンバ(45)から固定側鏡板部(41)の背面において径方向外方に延び、固定側鏡板部(41)の外周部において外周壁部(43)内を延び、外周壁部(43)の突端面(図2における下面)に開口している。固定側鏡板部(41)の背面には、高圧チャンバ(45)及び第1流通路(46)を塞ぐカバー部材(47)が取り付けられている。このカバー部材(47)によって高圧チャンバ(45)及び第1流通路(46)と上部空間(16)とが気密に隔離され、高圧チャンバ(45)及び第1流通路(46)に吐出された高圧ガス冷媒が上部空間(16)に漏洩しないようになっている。
図2に示すように、ハウジング(3)の環状部(31)には、固定スクロール(4)を載せるための取付部(34,34,…)が4つ設けられている。これら取付部(34,34,…)には、ネジ穴が設けられ、固定スクロール(4)がボルトによって固定されている。
取付部(34,34,…)のうちの1つには、第2流通路(39)が環状部(31)を貫通するように形成されている。この第2流通路(39)は、固定スクロール(4)がハウジング(3)に取り付けられたときに、固定スクロール(4)の第1流通路(46)と連通する位置に形成されている。圧縮室(50)から高圧チャンバ(45)へ吐出された高圧ガス冷媒は、第1流通路(46)と第2流通路(39)を順に通り、ケーシング(10)の下部空間(17)に区画された後述するガス連結通路(92)に流入する。このように、高圧チャンバ(45)、第1流通路(46)及び第2流通路(39)は、圧縮機構(14)で圧縮した高圧ガス冷媒を圧縮機構(14)の外部へ吐出する圧縮機構(14)の吐出通路(91)を構成している。
環状部(31)の内周側には、中央の凹部(32)を囲むように環状に形成された内周壁部(35)が形成されている。この内周壁部(35)は、取付部(34,34,…)よりは低く且つ、環状部(31)のそれ以外の部分よりは高く形成されている。
内周壁部(35)の突端面(図2における上面)には、シール溝(36)が内周壁部(35)に沿って環状に形成されている。図2に示すように、シール溝(36)には、環状のシールリング(37)が嵌め込まれている。このシールリング(37)は、可動スクロール(5)の可動側鏡板部(51)の背面(57)に当接し、ハウジング(3)と可動側鏡板部(51)の隙間をシールする。
圧縮機構(14)では、ハウジング(3)と固定スクロール(4)の間に背圧空間(22)が形成されている。この背圧空間(22)は、シールリング(37)によって、シールリング(37)よりも内周側の第1背圧空間(23)と、シールリング(37)よりも外周側の第2背圧空間(24)とに仕切られている。
第1背圧空間(23)は、軸受メタル(20)と駆動軸(7)との隙間を介して、ケーシング(10)の下部空間(17)と連通している。また、ハウジング(3)には、第1背圧空間(23)の下側部に開口する排油通路(81)が形成されている。この排油通路(81)は、第1背圧空間(23)を下部空間(17)と連通させ、第1背圧空間(23)内の潤滑油を下部空間(17)へ排出する。具体的には、排油通路(81)は、第1背圧空間(23)から径方向の外側へ延びた後、下方に向かって折れ曲がり、ハウジング(3)の下端面において開口している。また、排油通路(81)の下流側には、ノズル部材(88)が取り付けられている。ノズル部材(88)は、排油通路(81)に沿うようにL字状に形成され、屈曲部の下流側の通路断面積が屈曲部の上流側の通路断面積よりも小さくなるように形成されている。ノズル部材(88)は、屈曲部の下流側の部分が後述する油戻しガイド(85)内に挿入されている。
第1背圧空間(23)には、駆動軸(7)の偏心軸部(72)と可動スクロール(5)のボス部(53)とが位置している。可動スクロール(5)のボス部(53)には、偏心軸部(72)が回転可能に挿入されている。
第2背圧空間(24)には、オルダム継手(55)が設けられている。オルダム継手(55)は、可動スクロール(5)の可動側鏡板部(51)の背面(57)に形成されたキー溝(54)と、ハウジング(3)の環状部(31)に形成されたキー溝(38,38)とに係合し、可動スクロール(5)の自転を規制する。第2背圧空間(24)と上部空間(16)とは、取付部(34,34,…)以外の箇所で連通している。
このように、圧縮機構(14)は、外周部に形成された吸入ポート(25)及び補助吸入ポート(図示省略)から低圧ガス冷媒を吸入し、圧縮した後、吐出通路(91)を介して下部空間(17)に高圧ガス冷媒を吐出するように構成されている。このような構成により、吸入ポート(25)及び補助吸入ポート(図示省略)を取り巻く上部空間(16)は、低圧ガス冷媒と同等の低圧圧力雰囲気となり、高圧ガス冷媒が吐出される下部空間(17)は、高圧ガス冷媒と同等の高圧圧力雰囲気となる。
〈ガス通路〉
図1及び図2に示すように、ケーシング(10)内には、圧縮機構(14)で圧縮された高圧ガス冷媒をモータ(6)の下方の空間(70)に導くガス通路(90)が形成されている。ガス通路(90)は、圧縮機構(14)の吐出通路(91)と、ガス連結通路(92)と、モータ(6)の冷却通路(93)とによって構成されている。圧縮機構(14)の吐出通路(91)及びモータ(6)の冷却通路(93)は、上述した通りである。ガス連結通路(92)は、圧縮機構(14)とモータ(6)との間に設けられたガスガイド(95)によって形成され、圧縮機構(14)の吐出通路(91)とモータ(6)の冷却通路(93)とを繋いでいる。
図3及び図4に示すように、ガスガイド(95)は、ケーシング本体(11)の内周面から中心側へ窪んだ板状の部分からなるガイド本体(96)と、該ガイド本体(96)の両側においてそれぞれケーシング本体(11)の内周面に沿って湾曲して延びる板状の部分からなる翼部(97)とを有している。
ガイド本体(96)は、上側凹部(96a)と、傾斜凹部(96b)と、下側凹部(96c)とによって構成されている。上側凹部(96a)と、傾斜凹部(96b)と、下側凹部(96c)とは、上から下へこの順序で連続するように形成されている。上側凹部(96a)の底面部(96d)及び下側凹部(96c)の底面部(96e)は、上下方向に延び、ケーシング本体(11)の内周面に対応した湾曲板状に形成されている。下側凹部(96c)の深さは、上側凹部(96a)の深さよりも浅い。つまり、下側凹部(96c)の底面部(96e)は、上側凹部(96a)の底面部(96d)よりもケーシング本体(11)の内周面に近接して設けられている。一方、傾斜凹部(96b)の底面部(96f)は、上側凹部(96a)の底面部(96d)と下側凹部(96c)の底面部(96e)とを繋ぐために、上下方向において下方に向かう程、ケーシング本体(11)に近づくように傾斜している。
ガイド本体(96)は、このような上側凹部(96a)と、傾斜凹部(96b)と、下側凹部(96c)とにより、ケーシング本体(11)の内周面との間に、高圧ガス冷媒が下向きに流れる流体通路であるガス連結通路(92)を区画する。つまり、ガイド本体(96)は、圧縮機構(14)とモータ(6)との間において、高圧ガス冷媒が下向きに流れる流体通路(ガス連結通路(92))を区画する区画部材(103)を構成している。ガイド本体(96)によって区画されるガス連結通路(92)は、流路断面積が流れの途中で狭くなる。具体的には、ガス連結通路(92)の流路断面積は、上側凹部(96a)に対応する上流部分で最も大きく、傾斜凹部(96b)に対応する中間部分で下流に向かって徐々に狭くなり、下側凹部(96c)に対応する下流部分で最も狭くなる。つまり、ガス連結通路(92)の下側凹部(96c)に対応する下流部分は、流路断面積が流れの途中で狭くなる縮流部を構成する。
ガス連結通路(92)の縮流部を構成する下側凹部(96c)の底面部(96e)には、厚さ方向に貫通する油吸引孔(105)が形成されている。この油吸引孔(105)は、下側凹部(96c)の底面部(96e)において、後述するリング部材(102)に形成された油吸引孔(104a)と対応する位置に形成されている。
翼部(97)は、ガイド本体(96)の両側端に接合され、横断面が円弧状で且つ上下方向に延びる湾曲板形状に形成されている。翼部(97)は、外側面の曲率半径が、ケーシング本体(11)の内周面に対応するように形成されている。
ガスガイド(95)は、翼部(97)の外側面がケーシング本体(11)の内周面と密着するように、ケーシング本体(11)に固定されている。また、ガスガイド(95)は、下側凹部(96c)の内側面が後述するリング部材(102)の側板(102b)の外周面と接するように設けられている。上述のように、ガスガイド(95)の油吸引孔(105)は、リング部材(102)の側板(102b)の外周面における油吸引孔(104a)と重なっている。
このように、ハウジング(3)の下方には、ガスガイド(95)によってケーシング本体(11)の内周面との間に、圧縮機構(14)の吐出通路(91)から流出した高圧ガス冷媒をモータ(6)の冷却通路(93)へ導くためのガス連結通路(92)が形成される。また、上述したように、ガイド本体(96)によって区画されるガス連結通路(92)は、流路断面積が流れの途中で狭くなる。そのため、ガス連結通路(92)では、中途部分を通過する高圧ガス冷媒の流速が次第に速くなり、その結果、高圧ガス冷媒の静圧が次第に低下する。そして、ガスガイド(95)の下側凹部(96c)とケーシング本体(11)の内周面とによって形成される下流部分では、高圧ガス冷媒の静圧が概ね最低となる。そして、油吸引孔(105)は、このようにガス連結通路(92)において静圧が概ね最低となる下流部分に形成されているため、リング部材(102)の内部空間(110)は、ガス通路(90)の一部であるガス連結通路(92)のうち高圧ガス冷媒の静圧が概ね最低となる部分に連通することとなる。
〈油戻し通路〉
図1及び図2に示すように、ケーシング(10)内には、圧縮機構(14)の各摺動部に供給された潤滑油をモータ(6)の下方の空間(70)に導く油戻し通路(80)が形成されている。油戻し通路(80)は、圧縮機構(14)の排油通路(81)と、油連結通路(82)と、モータ(6)の冷却通路(83)とによって構成されている。圧縮機構(14)の排油通路(81)及びモータ(6)の冷却通路(83)は、上述した通りである。油連結通路(82)は、圧縮機構(14)とモータ(6)との間に設けられた油戻しガイド(85)によって形成され、圧縮機構(14)の排油通路(81)とモータ(6)の冷却通路(83)とを繋いでいる。
図3及び図5に示すように、油戻しガイド(85)は、ケーシング本体(11)の内周面から中心側へ窪んだ板状の部分からなるガイド本体(86)と、該ガイド本体(86)の両側においてそれぞれケーシング本体(11)の内周面に沿って湾曲して延びる板状の部分からなる翼部(87)とを有している。
ガイド本体(86)は、上側凹部(86a)と、傾斜凹部(86b)と、下側凹部(86c)とによって構成されている。上側凹部(86a)と、傾斜凹部(86b)と、下側凹部(86c)とは、上から下へこの順序で連続するように形成されている。上側凹部(86a)の底面部(86d)及び下側凹部(86c)の底面部(86e)は、上下方向に延び、ケーシング本体(11)の内周面に対応した湾曲板状に形成されている。下側凹部(86c)の深さは、上側凹部(86a)の深さよりも浅い。つまり、下側凹部(86c)の底面部(86e)は、上側凹部(86a)の底面部(86d)よりもケーシング本体(11)の内周面に近接して設けられている。また、下側凹部(86c)の幅(周方向長さ)は、上側凹部(86a)の幅(周方向長さ)よりも短い。つまり、下側凹部(86c)の底面部(86e)は、上側凹部(86a)の底面部(86d)よりも幅狭に形成されている。一方、傾斜凹部(86b)の底面部(86f)は、上側凹部(86a)の底面部(86d)と下側凹部(86c)の底面部(86e)とを繋ぐために、上下方向において下方に向かう程、ケーシング本体(11)に近づくように傾斜している。また、傾斜凹部(86b)の底面部(86f)は、幅の広い上側凹部(86a)の底面部(86d)と幅の短い下側凹部(86c)の底面部(86e)とを繋ぐために、上下方向において下方に向かう程、幅(周方向長さ)が短くなるように形成されている。
ガイド本体(86)は、このような上側凹部(86a)と、傾斜凹部(86b)と、下側凹部(86c)とにより、ケーシング本体(11)の内周面との間に、圧縮機構(14)の排油通路(81)から流出した潤滑油が下向きに流れる流体通路である油連結通路(82)を区画する。つまり、ガイド本体(86)は、圧縮機構(14)とモータ(6)との間において、潤滑油が下向きに流れる流体通路(油連結通路(82))を区画する区画部材(103)を構成している。ガイド本体(86)によって区画される油連結通路(82)は、流路断面積が流れの途中で狭くなる。具体的には、油連結通路(82)の流路断面積は、上側凹部(86a)に対応する上流部分で最も大きく、傾斜凹部(86b)に対応する中間部分で下流に向かって徐々に狭くなり、下側凹部(86c)に対応する下流部分で最も狭くなる。つまり、油連結通路(82)の下側凹部(86c)に対応する下流部分は、流路断面積が流れの途中で狭くなる縮流部を構成する。
油連結通路(82)の縮流部を構成する下側凹部(86c)の底面部(86e)には、厚さ方向に貫通する油吸引孔(105)が形成されている。この油吸引孔(105)は、下側凹部(86c)の底面部(86e)において、後述するリング部材(102)に形成された油吸引孔(104b)と対応する位置に形成されている。
翼部(87)は、ガイド本体(86)の両側端に接合され、横断面が円弧状で且つ上下方向に延びる湾曲板形状に形成されている。翼部(87)は、外側面の曲率半径が、ケーシング本体(11)の内周面に対応するように形成されている。
油戻しガイド(85)は、翼部(87)の外側面がケーシング本体(11)の内周面と密着するように、ケーシング本体(11)に固定されている。また、油戻しガイド(85)は、下側凹部(86c)の内側面が後述するリング部材(102)の側板(102b)の外周面と接するように設けられている。上述のように、油戻しガイド(85)の油吸引孔(105)は、リング部材(102)の側板(102b)の外周面における油吸引孔(104b)と重なっている。
このように、ハウジング(3)の下方には、油戻しガイド(85)によってケーシング本体(11)の内周面との間に、圧縮機構(14)の排油通路(81)から流出した潤滑油をモータ(6)の冷却通路(83)へ導くための油連結通路(82)が形成される。また、上述したように、ガイド本体(86)によって区画される油連結通路(82)は、流路断面積が流れの途中で狭くなる。そのため、油連結通路(82)では、中途部分を通過する潤滑油の流速が次第に速くなり、その結果、潤滑油の静圧が次第に低下する。そして、油戻しガイド(85)の下側凹部(86c)とケーシング本体(11)の内周面とによって形成される下流部分では、潤滑油の静圧が概ね最低となる。そして、油吸引孔(105)は、このように油連結通路(82)において静圧が概ね最低となる下流部分に形成されているため、リング部材(102)の内部空間(110)は、油戻し通路(80)の一部である油連結通路(82)のうち潤滑油の静圧が概ね最低となる部分に連通することとなる。
なお、本実施形態では、上述したように、排油通路(81)の下流側に、下流側の通路断面積が上流側の通路断面積よりも小さくなるように形成されたL字形状のノズル部材(88)が取り付けられている。そのため、排油通路(81)から油連結通路(82)へ流れる潤滑油が、ノズル部材(88)を流れる際に加速される。つまり、潤滑油は、排油通路(81)から加速した状態で油連結通路(82)に流入し、該油連結通路(82)の縮径部においてさらに加速される。これにより、エゼクタ作用によって後述するリング部材(102)から油連結通路(82)へ潤滑油を吸引する力が高まる。
〈油回収機構〉
ケーシング(10)内には、圧縮機構(14)の軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出た潤滑油を回収し、ケーシング(10)の底部に形成された油溜まり部(15)に戻す油戻し機構(100)が設けられている。油戻し機構(100)は、円板部(101)と、リング部材(102)と、2つの区画部材(103)とを有している。
円板部(101)は、駆動軸(7)に垂直な円板部材であり、駆動軸(7)の圧縮機構(14)の軸受部(3b)の直下の部分に固定されている。本実施形態では、円板部(101)は、バランサカバー(77)の上板部(77a)によって構成されている。
リング部材(102)は、環状の箱体によって形成され、内周部が円板部(101)に向かって開口している。具体的には、リング部材(102)は、円板状の上板(102a)と、円筒形状の側板(102b)と、円板状の下板(102c)とを有している。
上板(102a)は、円板部(101)の上方に位置し、駆動軸(7)に垂直な状態で軸受部(3b)に固定されている。上板(102a)の内周縁には、軸受部(3b)に沿う環状のボス部(102d)が形成されている。ボス部(102d)を軸受部(3b)に固定することによって、リング部材(102)が軸受部(3b)に固定される。また、上板(102a)には、4つの貫通孔(連通孔)(106)が形成されている。
側板(102b)は、上板(102a)の外周縁から下方に延び、円筒形状に形成されている。側板(102b)は、下端が円板部(101)の下方に位置するように設けられている。また、側板(102b)は、外周面が、ガスガイド(95)のガイド本体(96)の下側凹部(96c)の外周面と油戻しガイド(85)のガイド本体(86)の下側凹部(86c)の外周面とに接するように設けられている。また、側板(102b)には、2つの油吸引孔(104a,104b)が形成されている。油吸引孔(104a)は、ガスガイド(95)のガイド本体(96)の下側凹部(96c)に形成された油吸引孔(105)に対応する位置に形成されている。一方、油吸引孔(104b)は、油戻しガイド(85)のガイド本体(86)の下側凹部(86c)に形成された油吸引孔(105)に対応する位置に形成されている。
下板(102c)は、円板部(101)の下方に位置する側板(102b)の下端から径方向内側に延びる円板状に形成され、中心部に円形状の孔が形成されている。この孔により、下板(102c)の内周縁とバランサカバー(77)の側板部(77b)との間には空隙が形成される。この空隙と上記上板(102a)の4つの貫通孔(106)とによって、リング部材(102)の上方の空間と下方の空間とが、遮断されることなく、リング部材(102)の内部空間(110)を介して連通する。つまり、上記空隙と4つの貫通孔(106)とは、リング部材(102)の上方の空間と下方の空間とを連通するための連通孔を構成する。
以上のように構成されたリング部材(102)は、ボス部(102d)を軸受部(3b)に固定することによって、軸受部(3b)に固定されている。
各区画部材(103)は、リング部材(102)の外周側に設けられ、冷媒及び潤滑油の少なくとも一方からなる流体が下向きに流れる流体通路を区画するものである。各区画部材(103)には、リング部材(102)の内部空間(110)の流体(高圧ガス冷媒及び潤滑油)が上記流体通路に吸引されるように、リング部材(102)の内部空間(110)と上記流体通路とを繋ぐ孔(105)が形成されている。
本実施形態では、2つの区画部材(103)のうち一方は、ガス通路(90)の一部であるガス連結通路(92)を区画するガスガイド(95)によって構成されている。この一方の区画部材(103)を構成するガスガイド(95)には、上述のように、ガス連結通路(92)の縮流部を構成する下側凹部(96c)の底面部(96e)に、厚さ方向に貫通する油吸引孔(105)が形成されている。この油吸引孔(105)は、リング部材(102)に形成された油吸引孔(104a)と対応する位置に形成されている。
また、2つの区画部材(103)のうち他方は、油戻し通路(80)の一部である油連結通路(82)を区画する油戻しガイド(85)によって構成されている。この他方の区画部材(103)を構成する油戻しガイド(85)には、上述のように、油連結通路(82)の縮流部を構成する下側凹部(86c)の底面部(86e)に、厚さ方向に貫通する油吸引孔(105)が形成されている。この油吸引孔(105)は、リング部材(102)に形成された油吸引孔(104b)と対応する位置に形成されている。
−運転動作−
スクロール圧縮機(1)の運転動作について説明する。
〈冷媒を圧縮する動作〉
モータ(6)を作動させると、圧縮機構(14)の可動スクロール(5)が駆動軸(7)によって駆動される。可動スクロール(5)は、オルダム継手(55)によって自転を防止されつつ、駆動軸(7)の軸心を中心に公転する。可動スクロール(5)が公転すると、吸入管(18)から流入した低圧ガス冷媒が圧縮機構(14)の圧縮室(50)へ吸入されて圧縮される。
圧縮が完了した冷媒(即ち、高圧ガス冷媒)は、固定スクロール(4)の吐出口(44)から圧縮機構(14)の吐出通路(91)へ吐出され、該吐出通路(91)を構成する高圧チャンバ(45)と、固定スクロール(4)の第1流通路(46)と、ハウジング(3)の第2流通路(39)とを順に通過し、ガスガイド(95)によって区画形成されたガス連結通路(92)に流入する。
ガス連結通路(92)に流入した高圧ガス冷媒は、下方に向かって流れる。上述したように、ガス連結通路(92)では、流路断面積が下流に向かって徐々に狭くなるため、高圧ガス冷媒の流速が次第に速くなる一方、静圧は次第に低下する。そして、ガスガイド(95)の下側凹部(96c)とケーシング本体(11)の内周面とによって形成される下流部分では、高圧ガス冷媒の静圧が概ね最低となる。ガス連結通路(92)を通過した高圧ガス冷媒は、ステータ(61)の外周面に形成された冷却通路(93)に流入する。
冷却通路(93)に流入した高圧ガス冷媒は、該冷却通路(93)を下向きに通過する。ここで、モータ(6)は、運転中に発熱して高圧ガス冷媒よりも高温になる。そのため、モータ(6)は、冷却通路(93)を流れる高圧ガス冷媒によって冷却される。冷却通路(93)を通過した高圧ガス冷媒は、モータ(6)の下方の空間(70)へ流出する。モータ(6)の下方に導かれた高圧ガス冷媒は、主にステータ(61)とロータ(62)との間のエアギャップを通過してモータ(6)の上方に至り、吐出管(19)を介してケーシング(10)の外部へ流出する。このように、高圧ガス冷媒は、ガス通路(90)を下向きに流れてモータ(6)の下方に導かれた後、上向きに方向転換し、主にモータ(6)のエアギャップを上向きに流れ、モータ(6)の上方において吐出管(19)へ流入する。そのため、高圧ガス冷媒に混ざった潤滑油は、高圧ガス冷媒の流通方向が転換する際に、該高圧ガス冷媒から分離され、ケーシング(10)の底部の油溜まり部(15)に戻る。
〈潤滑油を供給する動作、潤滑油を戻す動作〉
モータ(6)によって駆動軸(7)が回転すると、遠心ポンプ作用と、給油通路(8)の主通路(8a)の上端と下端との圧力差とによって、油溜まり部(15)に貯留された潤滑油が、油吸込管(76)から上方の給油通路(8)の主通路(8a)に汲み上げられる。該主通路(8a)に汲み上げられた潤滑油は、該主通路(8a)、第1分岐通路(8b)、第2分岐通路(8c)及び第3分岐通路(8d)を介して圧縮機構(14)の各摺動部間、圧縮機構(14)の軸受部(3b)と駆動軸(7)との間、及び下部軸受部材(21)と駆動軸(7)との間に供給される。
圧縮機構(14)の各摺動部間に供給された潤滑油は、各摺動部を潤滑した後、ハウジング(3)内に形成された排油通路(81)に流入し、下方に向かって流下する。排油通路(81)を流れる潤滑油は、ノズル部材(88)を介して油戻しガイド(85)によって区画形成された油連結通路(82)に導かれる。ここで、ノズル部材(88)は、下流側の通路断面積が上流側の通路断面積よりも小さくなるように形成されている。そのため、排油通路(81)から油連結通路(82)へ流れる潤滑油は、ノズル部材(88)を流れる際に加速される。つまり、潤滑油は、排油通路(81)から加速した状態で油連結通路(82)に流入する。
油連結通路(82)に流入した潤滑油は、下方に向かって流れる。上述したように、油連結通路(82)では、流路断面積が下流に向かって徐々に狭くなるため、潤滑油の流速が次第に速くなる一方、静圧は次第に低下する。そして、油戻しガイド(85)の下側凹部(86c)とケーシング本体(11)の内周面とによって形成される下流部分では、潤滑油の静圧が概ね最低となる。油連結通路(82)を通過した潤滑油は、ステータ(61)の外周面に形成された冷却通路(83)に流入する。
冷却通路(83)に流入した潤滑油は、該冷却通路(83)を下向きに通過する。ここで、モータ(6)は、運転中に発熱して高圧ガス冷媒によって加熱された潤滑油よりも高温になる。そのため、モータ(6)は、冷却通路(83)を流れる潤滑油によって冷却される。冷却通路(83)を通過した潤滑油は、モータ(6)の下方の空間(70)へ流出し、ケーシング(10)の底部の油溜まり部(15)に戻る。
また、下部軸受部材(21)と駆動軸(7)との間に供給された潤滑油は、下部軸受部材(21)及び駆動軸(7)の摺動部を潤滑した後、下部軸受部材(21)の各部材の隙間から漏れ出て、ケーシング(10)の底部の油溜まり部(15)に戻る。
一方、圧縮機構(14)の軸受部(3b)と駆動軸(7)との間に供給された潤滑油は、該隙間から漏れ出し、駆動軸(7)の軸受部(3b)の下方に設けられた駆動軸(7)に垂直なバランサカバー(77)の上板部(77a)(円板部(101))によって受け止められる。バランサカバー(77)は、駆動軸(7)と共に回転する。そのため、バランサカバー(77)の上板部(77a)に受け止められた潤滑油は、遠心力を受け、バランサカバー(77)の上板部(77a)の上面に沿って放射状に広がり、円板部(101)の外周縁から円板部(101)の回転接線方向に油滴となって飛散する。
バランサカバー(77)の上板部(77a)の上面に沿って放射状に広がり、円板部(101)の外周縁から円板部(101)の回転接線方向に油滴となって飛散した潤滑油は、上板(102a)と下板(102c)と側板(102b)とを有し、内周部がバランサカバー(77)の上板部(77a)に向かって開口するリング部材(102)の内部に回収される。具体的には、バランサカバー(77)の上板部(77a)の上面に沿って放射状に広がり、円板部(101)の外周縁から円板部(101)の回転接線方向に油滴となって飛散した潤滑油は、リング部材(102)の上板(102a)と下板(102c)との間を通り、側板(102b)の内面に当接し、リング部材(102)の内部空間(110)の外周部分に溜まる。
一方、ガス連結通路(92)では、流路断面積が下流に向かって徐々に狭くなるため、高圧ガス冷媒の流速が次第に速くなる一方、静圧は次第に低下する。そして、高圧ガス冷媒の静圧が最も小さくなるガス連結通路(92)の縮流部では、内圧が最も低くなる。
また、同様に、油戻しガイド(85)(区画部材(103))によって区画形成された油連結通路(82)では、ノズル部材(88)によって加速された潤滑油が流通しているため、内圧が下部空間(17)の内圧よりも低くなる。また、油連結通路(82)では、流路断面積が下流に向かって徐々に狭くなるため、潤滑油の流速が次第に速くなる一方、静圧は次第に低下する。そして、潤滑油の静圧が最も小さくなる油連結通路(82)の縮流部では、内圧が最も低くなる。
ここで、ガス連結通路(92)は、ガスガイド(95)の油吸引孔(105)と、リング部材(102)の油吸引孔(104a)とを介して、リング部材(102)の内部空間(110)に連通している。また、リング部材(102)の内部空間(110)は、下部空間(17)に連通しており、該下部空間(17)の内圧と同等の圧力下にある。そのため、リング部材(102)の内部空間(110)の外周部分に回収された潤滑油のうち、ガスガイド(95)側の潤滑油は、リング部材(102)の内部空間(110)とガス連結通路(92)との内圧の差により、リング部材(102)の側板(102b)の油吸引孔(104a)とガスガイド(95)の油吸引孔(105)を介してガス連結通路(92)に吸引される。そして、ガス連結通路(92)に吸引された潤滑油は、高圧ガス冷媒と共に下向きに流れてケーシング(10)の底部に戻る。
また、油連結通路(82)は、油戻しガイド(85)の油吸引孔(105)と、リング部材(102)の油吸引孔(104b)とを介して、リング部材(102)の内部空間(110)に連通している。また、リング部材(102)の内部空間(110)は、下部空間(17)に連通しており、該下部空間(17)の内圧と同等の圧力下にある。そのため、リング部材(102)の内部空間(110)の外周部分に回収された潤滑油のうち、油戻しガイド(85)側の潤滑油は、リング部材(102)の内部空間(110)と油連結通路(82)との内圧の差により、リング部材(102)の側板(102b)の油吸引孔(104b)と油戻しガイド(85)の油吸引孔(105)を介して油連結通路(82)に吸引される。そして、油連結通路(82)に吸引された潤滑油は、潤滑油と共に下向きに流れてケーシング(10)の底部の油溜まり部(15)に戻る。
なお、本実施形態では、リング部材(102)の側板(102b)とガス連結通路(92)を区画する区画部材(103)の孔(104a,105)は、リング部材(102)の内部空間(110)とガス連結通路(92)の縮流部とを連通させる位置に形成されている。ガス連結通路(92)の縮流部では、高圧ガス冷媒の流速が上昇し、静圧が低下する。そのため、リング部材(102)の内部空間(110)とガス連結通路(92)とを、ガス連結通路(92)の縮流部以外の箇所で連通させた場合に比べ、孔(104a,105)の両側の内圧の差が大きくなり、リング部材(102)の内部空間(110)の外周部分に回収された潤滑油が流体通路に吸引され易くなる。
また、本実施形態では、リング部材(102)の側板(102b)と油連結通路(82)を区画する区画部材(103)の孔(104b,105)は、リング部材(102)の内部空間(110)と油連結通路(82)の縮流部とを連通させる位置に形成されている。油連結通路(82)の縮流部では、潤滑油の流速が上昇し、静圧が低下する。そのため、リング部材(102)の内部空間(110)と油連結通路(82)とを、油連結通路(82)の縮流部以外の箇所で連通させた場合に比べ、孔(104b,105)の両側の内圧の差が大きくなり、リング部材(102)の内部空間(110)の外周部分に回収された潤滑油が流体通路に吸引され易くなる。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、軸受部(3b)の直下に駆動軸(7)と共に回転する円板部(101)を設け、上板(102a)と下板(102c)と側板(102b)とを有するリング部材(102)を、上板(102a)が円板部(101)の上方、下板(102c)が円板部(101)の下方、側板(102b)が円板部(101)の外周側に位置するように設けた。そのため、圧縮機構(14)の軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出た潤滑油を、遠心力を利用して容易にリング部材(102)の内部空間(110)の外周部分に回収することができる。
また、本実施形態によれば、リング部材(102)の側板(102b)とその外周側に設けられた流体通路(ガス連結通路(92)、油連結通路(82))を区画する区画部材(103)とに、リング部材(102)の内部空間(110)の流体が上記流体通路に吸引されるように、リング部材(102)の内部空間(110)と上記流体通路とを繋ぐ孔(104a,104b,105)を形成した。そのため、リング部材(102)の内部空間(110)の外周部分に回収された潤滑油は、エゼクタ作用によって流体通路に吸引され、該流体通路を流れる流体(高圧ガス冷媒、潤滑油)と共に下方に向かって流れることとなる。つまり、圧縮機構(14)の軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出た潤滑油を、重力だけでなくエゼクタ作用を利用することによって、迅速にケーシング(10)の底部に戻すことができる。
また、本実施形態によれば、潤滑油をケーシング(10)の底部の油溜まり部(15)に迅速に戻す油戻し機構(100)を、円板部(101)とリング部材(102)と区画部材(103)とを設け、孔(104a,104b,105)を形成するだけで容易に構成することができる。
また、本実施形態によれば、リング部材(102)の内部空間(110)と流体通路とを連通する孔(104a,104b,105)を、流体通路の縮流部(ガス連結通路(92)の縮流部、油連結通路(82)の縮流部)に開口させることにより、エゼクタ作用による流体通路への吸引力が増大する。従って、軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出た潤滑油をより迅速に油溜まりに戻すことが可能になる。
また、本実施形態によれば、軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出た潤滑油をリング部材(102)に向かって飛散させる円板部(101)が、バランサカバー(77)の上板部(77a)によって構成されている。つまり、従来、設けられていたバランサカバー(77)の上板部(77a)を、軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出た潤滑油をリング部材(102)に向かって飛散させる円板部(101)として兼用することで、軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出た潤滑油を油溜まりに戻すための油戻し機構(100)を容易に構成することができる。
また、本実施形態によれば、圧縮機構(14)で圧縮された高圧ガス冷媒をモータ(6)の下方の空間(70)に導くガス通路(90)を形成する部材を、リング部材(102)の内部空間(110)の外周部分に回収された潤滑油をエゼクタ作用によって吸引させる流体通路の区画部材(103)として用いることとした。そのため、このようなガス通路(90)が形成された圧縮機に対し、円板部(101)とリング部材(102)とを設け、リング部材(102)の側板(102b)とガス通路(90)の形成部材とに孔(104a,104b,105)を形成するだけで、容易に圧縮機構(14)の軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出た潤滑油をケーシング(10)の底部に戻す油戻し機構(100)を構成することができる。
ところで、本実施形態のように、吐出管(19)がリング部材(102)の上方の空間に設けられていると、モータ(6)のエアギャップを通過してモータ(6)の上方の空間に至った高圧ガス冷媒の吐出管(19)への流入が、リング部材(102)によって阻害されるおそれがある。
そこで、本実施形態では、リング部材(102)に、該リング部材(102)の上方の空間と下方の空間とを連通するための連通孔(上板(102a)の4つの貫通孔(106)と下板(102c)の中心部の孔)を形成している。そのため、ガス通路(90)が圧縮機構(14)から吐出された高圧ガス冷媒をモータ(6)の下方の空間(70)に導く一方、吐出管(19)がリング部材(102)の上方の空間に設けられた構成であっても、リング部材(102)に形成された連通孔を介して高圧ガス冷媒を円滑に吐出管(19)に導くことができる。
また、本実施形態によれば、圧縮機構(14)の軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出てリング部材(102)の内部空間(110)の外周部分に回収された潤滑油を、エゼクタ作用を利用してケーシング(10)の底部に戻すための流体通路を、圧縮機構(14)の各摺動部に供給された潤滑油をケーシング(10)の底部に戻すための油戻し通路(80)によって構成することとした。そのため、このような油戻し通路(80)を有する圧縮機に対し、円板部(101)とリング部材(102)とを設け、リング部材(102)の側板(102b)と区画部材(103)とに孔を形成するだけで、容易に圧縮機構(14)の軸受部(3b)と駆動軸(7)との隙間から漏れ出た潤滑油をケーシング(10)の底部の油溜まり部(15)に戻す油戻し機構(100)を構成することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態では、本発明に係る圧縮機として、固定スクロール(4)と可動スクロール(5)とを備えたスクロール圧縮機(1)について説明していたが、本発明に係る圧縮機は、スクロール圧縮機に限られない。例えば、ロータリ型やスイング型の圧縮機構(14)を備えた圧縮機において、上述の油戻し機構(100)を設けることとしてもよい。
また、上記実施形態では、ケーシング(10)内の圧縮機構(14)とモータ(6)との間の下部空間(17)が、圧縮機構(14)から吐出された高圧ガス冷媒で満たされるように構成されていたが、本発明に係る圧縮機は、このような構成に限られない。例えば、下部空間(17)が圧縮機構(14)に吸入される低圧ガス冷媒でケーシング(10)内が満たされるように構成された圧縮機において、上述の油戻し機構(100)を設けることとしてもよい。なお、このような場合であっても、リング部材(102)の内部空間(110)に回収した潤滑油を、エゼクタ作用を利用して油戻し通路(80)に吸引させることにより、ケーシング(10)の底部の油溜まり部(15)に迅速に戻すことができる。
さらに、上記実施形態では、ガスガイド(95)は、ガス通路(90)が縮流部を有するように構成されていた。しかしながら、ガス通路(90)を流れる高圧ガス冷媒の流速が、エゼクタ作用によってリング部材(102)の内部の潤滑油がガス連結通路(92)に吸引されるような速度であれば、ガス通路(90)が縮流部を有するようにガスガイド(95)を構成しなくてもよい。また、同様に、上記実施形態では、油戻しガイド(85)は、油戻し通路(80)が縮流部を有するように構成されていた。しかしながら、油戻し通路(80)を流れる潤滑油の流速が、エゼクタ作用によってリング部材(102)の内部の潤滑油が油連結通路(82)に吸引されるような速度であれば、油戻し通路(80)が縮流部を有するように油戻しガイド(85)を構成しなくてもよい。
以上説明したように、本発明は、密閉容器に圧縮機構が収容された圧縮機であって、密閉容器内に貯留された潤滑油を圧縮機構へ供給するものについて有用である。
1 スクロール圧縮機
3b 軸受部
4 固定スクロール
5 可動スクロール
6 モータ
7 駆動軸
8 給油通路(給油機構)
10 ケーシング(密閉容器)
14 圧縮機構
15 油溜まり部
19 吐出管
61 ステータ
62 ロータ
70 モータの下方の空間
73 バランサ
76 油吸込管(給油機構)
77 バランサカバー
77a 上板部
80 油戻し通路
85 油戻しガイド
90 ガス通路
95 ガスガイド
101 円板部
102 リング部材
102a 上板
102b 側板
102c 下板
103 区画部材
104a 油吸引孔
104b 油吸引孔
105 油吸引孔
106 貫通孔(連通孔)

Claims (7)

  1. 底部に潤滑油を貯留する密閉容器(10)と、該密閉容器(10)に収容されて冷媒を圧縮する圧縮機構(14)と、上記密閉容器(10)の内部において上下方向に延び、上記圧縮機構(14)の下端部に形成された軸受部(3b)に支持されて該圧縮機構(14)を駆動する駆動軸(7)と、該駆動軸(7)の回転に伴って、上記密閉容器(10)の底部に貯留された潤滑油を上記圧縮機構(14)の各摺動部へ供給する給油機構(76,8)とを備えた圧縮機であって、
    上記軸受部(3b)の直下に設けられ、上記駆動軸(7)に固定された該駆動軸(7)に垂直な円板部(101)と、
    上記円板部(101)の上方に位置する円板状の上板(102a)と、上記円板部(101)の下方に位置する円板状の下板(102c)と、上記円板部(101)の外周側において上記上板(102a)の外周縁と上記下板(102c)の外周縁とを繋ぐ円筒形状の側板(102b)とを有し、内周部が上記円板部(101)に向かって開口するリング部材(102)と、
    上記リング部材(102)の外周側に、冷媒及び潤滑油の少なくとも一方からなる流体が下向きに流れる流体通路を区画する区画部材(103)とを備え、
    上記リング部材(102)の上記側板(102b)と上記区画部材(103)とのそれぞれには、上記リング部材(102)の内部空間(110)の流体が上記流体通路に吸引されるように、上記リング部材(102)の内部空間(110)と上記流体通路とを繋ぐ孔(104a,104b,105)が形成されている
    ことを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記流体通路は、流路断面積が流れの途中で狭くなる縮流部を有し、
    上記リング部材(102)の上記側板(102b)と上記区画部材(103)のそれぞれに形成された孔(104a,104b,105)は、上記リング部材(102)の内部空間(110)と上記流体通路の上記縮流部とを繋ぐように形成されている
    ことを特徴とする圧縮機。
  3. 請求項1又は2において、
    上記駆動軸(7)の上記軸受部(3b)の下方に設けられたバランサ(73)と、
    上記バランサ(73)を上方から覆うバランサカバー(77)とを備え、
    上記円板部(101)は、上記バランサカバー(77)の一部であって上記バランサ(73)の上面を覆う上板部(77a)によって構成されている
    ことを特徴とする圧縮機。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
    上記圧縮機構(14)の下方には、上記密閉容器(10)に固定された円筒形状のステータ(61)と、該ステータ(61)の内側において上記駆動軸(7)に連結されたロータ(62)とを有し、該駆動軸(7)を介して上記圧縮機構(14)を回転駆動するモータ(6)が設けられ、
    上記密閉容器(10)の内部には、該密閉容器(10)の内壁面に沿って上記圧縮機構(14)で圧縮した高圧ガス冷媒を上記モータ(6)の下方の空間(70)に導くガス通路(90)が形成され、
    上記密閉容器(10)の上記圧縮機構(14)と上記モータ(6)との間には、上記モータ(6)の下方の空間(70)から上記ステータ(61)と上記ロータ(62)との隙間を通過して上記モータ(6)の上方に至った上記高圧ガス冷媒を上記密閉容器(10)の外部へ導く吐出管(19)が接続され、
    上記区画部材(103)は、上記圧縮機構(14)と上記モータ(6)との間において、上記ガス通路(90)の一部を上記流体通路として区画する
    ことを特徴とする圧縮機。
  5. 請求項4において、
    上記吐出管(19)は、上記リング部材(102)よりも上方に設けられ、
    上記リング部材(102)には、該リング部材(102)の上方の空間と下方の空間とを連通するための連通孔が形成されている
    ことを特徴とする圧縮機。
  6. 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
    上記圧縮機構(14)の下方には、上記密閉容器(10)に固定された円筒形状のステータ(61)と、該ステータ(61)の内側において上記駆動軸(7)に連結されたロータ(62)とを有し、該駆動軸(7)を介して上記圧縮機構(14)を回転駆動するモータ(6)が設けられ、
    上記密閉容器(10)の内部には、該密閉容器(10)の内壁面に沿って上記圧縮機構(14)の各摺動部に供給された潤滑油を上記モータ(6)の下方の空間(70)に導く油戻し通路(80)が形成され、
    上記区画部材(103)は、上記圧縮機構(14)と上記モータ(6)との間において、上記油戻し通路(80)の一部を上記流体通路として区画する
    ことを特徴とする圧縮機。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つにおいて、
    上記圧縮機構(14)は、固定スクロール(4)と可動スクロール(5)とを備えたスクロール型の圧縮機構(14)である
    ことを特徴とする圧縮機。
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