JP2014181563A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】スクロール圧縮機において、固定スクロールの開口部から栓部材が抜けるのを防止する。
【解決手段】栓部材(1)の挿入方向の長さをLとし、固定スクロール(40)の開口部(7)の開口面とケーシング(11)の内周面(8)との間の対向距離をSとしたときに、L>Sの関係を満たすようにする。
【選択図】図3

Description

本発明は、スクロール圧縮機に関し、特に、スクロール圧縮機の圧縮機構から潤滑油が漏れるのを防止する対策に関するものである。
従来より、固定スクロールと可動スクロールとが噛み合って形成される圧縮室で流体を圧縮するスクロール圧縮機が知られている。そして、これらのスクロール圧縮機の中には、特許文献1に示すように、ケーシングの内部空間を上部空間と下部空間とに区画するハウジングが設けられているものがある。このハウジングの上面に固定スクロールが固定されている。この固定スクロールはケーシングの上部空間に面している。固定スクロールとハウジングとの間には、駆動軸に接続された可動スクロールが旋回自在に収容されている。圧縮室で圧縮された流体はケーシングの下部空間へ吐出される。
ところで、このスクロール圧縮機において、ケーシングの底部に形成された油貯留部の潤滑油を、駆動軸の内部の油通路、ハウジングの内部の油通路、及び固定スクロールの内部の油通路を経由して、固定スクロールと可動スクロールとの摺動面へ供給することが考えられる。
ここで、固定スクロールにおいて、油通路とケーシングの上部空間とを連通する開口部が固定スクロールの外面に形成されてしまう場合には、この開口部に栓部材を挿入して潤滑油が漏れないようにする。
特開2012−117519号公報
しかしながら、上述したように、圧縮室で圧縮された流体は下部空間へ吐出されるため、流体が吐出されない上部空間との間に圧力差が生じる。油通路は、高圧の下部空間に面する油貯留部の潤滑油が流通するため、油通路内の圧力は上部空間に比べ高い。油通路の栓部材の外側は上部空間に面していることから、栓部材が高圧の潤滑油に押されて低圧の上部空間へ抜けやすいという問題がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、スクロール圧縮機において、固定スクロールの開口部から栓部材が抜けるのを防止することにある。
第1の発明は、底部に油貯留部(17)が形成されたケーシング(11)と、前記ケーシング(11)の内部を上部空間(15)と下部空間(16)とに区画するハウジング(50)と、前記ハウジング(50)の上面に固定された固定スクロール(40)と、前記ハウジング(50)と前記固定スクロール(40)との間に旋回自在に収容された可動スクロール(35)とを備え、前記固定スクロール(40)と前記可動スクロール(35)とが噛み合って形成された圧縮室(31)で圧縮された流体が前記ケーシング(11)の下部空間(16)へ吐出されるスクロール圧縮機が前提である。そして、スクロール圧縮機において、前記固定スクロール(40)は、前記可動スクロール(35)との摺動面へ前記油貯留部(17)の潤滑油を供給するためのスクロール側給油路(2)を有し、前記ケーシング(11)の上部空間(15)に面する外面(49)には、前記スクロール側給油路(2)に連通する開口部(7)が形成される一方、前記固定スクロール(40)の開口部(7)には、栓部材(1)が挿入され、前記栓部材(1)の挿入方向の長さをLとし、前記固定スクロール(40)の開口部(7)の開口面と前記ケーシング(11)の内周面(8)との間の対向距離をSとしたときに、L>Sの関係を満たす。
第1の発明では、スクロール側給油路(2)において、栓部材(1)が高圧の潤滑油によってケーシング(11)の上部空間(15)側へ押されて固定スクロール(40)の開口部(7)から出てきたとしても、前記開口部(7)の開口面とケーシング(11)の内周面(8)との対向距離(S)が栓部材(1)の長さ(L)よりも短いので、栓部材(1)の端部がケーシング(11)に当たり、栓部材(1)が開口部(7)から抜け落ちることがない。
第2の発明は、第1の発明において、前記ハウジング(50)は、前記スクロール側給油路(2)へ潤滑油を供給するハウジング側給油路(5)を有し、前記ハウジング側給油路(5)の流出口が前記固定スクロール(40)との固定面(4b)に開口するように形成され、前記固定スクロール(40)は、前記ハウジング(50)との固定面(4a)に形成された前記スクロール側給油路(2)の流入口が前記ハウジング側給油路(5)の流出口に連通するように前記ハウジング(50)に固定され、前記栓部材(1)が、前記固定スクロール(40)の固定面(4a)に隣接して前記固定スクロール(40)の外周面に形成された前記開口部(7)に、前記固定面(4a)の平面度が保たれる圧力で挿入されている。
第2の発明では、スクロール側給油路(2)において、栓部材(1)が高圧の潤滑油に押されても固定スクロール(40)の開口部(7)から抜け落ちることがないので、開口部(7)の開口縁部が大きく変形するほどの強い力で栓部材(1)を圧入して固定する必要がなく、開口縁部が変形しない弱い力で栓部材(1)を挿入することが可能になる。固定スクロール(40)の固定面(4a)に隣接して固定スクロール(40)の外周面に開口部(7)が形成されている場合には、前記固定面(4a)の平面度が保たれるほどの圧力で栓部材(1)を開口部(7)へ挿入することが可能となる。
本発明によれば、固定スクロール(40)において、栓部材(1)が挿入される開口部(7)の開口面とケーシング(11)の内周面(8)との対向距離(S)が、栓部材(1)の長さ(L)よりも短くなるように形成したので、栓部材(1)がスクロール側給油路(2)の高圧の潤滑油に押されて固定スクロール(40)の開口部(7)からケーシング(11)の上部空間(15)へ出てきたとしても、栓部材(1)の端部がケーシング(11)の内周面(8)に当たり、栓部材(1)が開口部(7)から抜け落ちるのを防止することができる。
これにより、栓部材(1)の一部が開口部(7)へ挿入された状態で保持され、開口部(7)から潤滑油が洩れ出すのを防ぐことができる。
第2の発明によれば、固定スクロール(40)の固定面(4a)の平面度が保たれる圧力で栓部材(1)を開口部(7)へ挿入した場合でも、上述した対向距離(S)を栓部材(1)の長さ(L)よりも短くすることにより、栓部材(1)が開口部(7)から抜け落ちないようにすることができる。
これにより、固定スクロール(40)の固定面(4a)に隣接して開口部(7)が形成された場合でも、固定スクロール(40)の固定面(4a)の平面度を保ちつつ開口部(7)に栓をすることができ、固定スクロール(40)の固定面(4a)の平面度を保つことにより、固定スクロール(40)とハウジング(50)とを固定面(4a,4b)を介して密着させて固定することができる。
図1は、実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図である。 図2は、実施形態に係る栓部材付近を拡大して示す縦断面図である。 図3は、実施形態に係る栓部材がケーシングの内周面に当接している状態を示す図である。 図4は、実施形態に係る固定スクロールの前面側の平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機の構成を示す縦断面図である。スクロール圧縮機(10)は、例えば、空気調和装置で蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続されるものである。スクロール圧縮機(10)は、ケーシング(11)、ハウジング(50)、モータ(21)、駆動軸(23)、及び回転式の圧縮機構(30)を備えている。
ケーシング(11)は、両端が閉塞された縦長円筒状の密閉容器で構成されており、円筒状の胴部(12)と、胴部(12)の上端側に固定された上部鏡板(13)と、胴部(12)の下端側に固定された下部鏡板(14)とを備えている。
ケーシング(11)の内部は、ケーシング(11)の内周面に接合されたハウジング(50)によって上下に区画されている。ハウジング(50)よりも上側の空間が上部空間(15)を構成し、ハウジング(50)よりも下側の空間が下部空間(16)を構成する。
ケーシング(11)には、吸入管(18)及び吐出管(19)が取り付けられている。吸入管(18)は、上部鏡板(13)の上部を貫通している。この吸入管(18)の一端部は、回転式の圧縮機構(30)が有する吸入管継手(47)に接続されている。吐出管(19)は、胴部(12)を貫通している。この吐出管(19)の端部は、ケーシング(11)の下部空間(16)に開口している。
モータ(21)は、ケーシング(11)の下部空間(16)に収容されている。モータ(21)は、円筒状に形成されたステータ(21a)及びロータ(21b)を備えている。ステータ(21a)は、ケーシング(11)の胴部(12)に固定されている。ステータ(21a)の中空部には、ロータ(21b)が配置されている。ロータ(21b)の中空部には、ロータ(21b)を貫通するように駆動軸(23)が固定されており、ロータ(21b)と駆動軸(23)が一体で回転するようになっている。
駆動軸(23)は、上下方向に延びる主軸部(24)と、主軸部(24)の上側に設けられた偏心部(25)とを有し、それらが一体的に形成されている。偏心部(25)は、主軸部(24)の最大径よりも小径に形成されており、偏心部(25)の軸心は、主軸部(24)の軸心に対して所定距離だけ偏心している。駆動軸(23)における主軸部(24)の下端部分(下部主軸部(26))は、ケーシング(11)における胴部(12)の下端付近に固定された下部軸受部(28)に回転自在に支持されている。下部軸受部(28)には、駆動軸(23)の下部主軸部(26)を回転自在に支持する第3滑り軸受(29c)が装着されている。
圧縮機構(30)は、可動スクロール(35)と、固定スクロール(40)とを備えた、いわゆるスクロール型の圧縮機構である。固定スクロール(40)は、ハウジング(50)にボルトで締結されている。可動スクロール(35)は、固定スクロール(40)とハウジング(50)との間に旋回自在に収容されている。
可動スクロール(35)は、略円板状の可動側鏡板部(36)を有している。この可動側鏡板部(36)の上面(以下、前面という)に可動側ラップ(37)が立設している。この可動側ラップ(37)は、可動側鏡板部(36)の中心付近から径方向外方へ渦巻き状に延びる壁体である。また、可動側鏡板部(36)の下面(以下、背面という)にボス部(38)が突設されている。
固定スクロール(40)は、略円板状の固定側鏡板部(41)を有している。この固定側鏡板部(41)の下面(以下、前面という)に固定側ラップ(42)が立設している。この固定側ラップ(42)は、固定側鏡板部(41)の中心付近から径方向外方へ渦巻き状に延び、且つ可動スクロール(35)の可動側ラップ(37)と噛み合うように形成された壁体である。この固定側ラップ(42)と可動側ラップ(37)との間に圧縮室(31)が形成されている。
固定スクロール(40)は、固定側ラップ(42)の最外周壁から径方向外方へ連続する外縁部(43)を有している。この外縁部(43)の下端面がハウジング(50)の上端面に固定される。また、この外縁部(43)には、上方へ開口する軸方向開口部(44)が形成されている。そして、この軸方向開口部(44)の内部と圧縮室(31)の最外周端とを連通する吸入ポート(34)が外縁部(43)に形成されている。この吸入ポート(34)は、圧縮室(31)の吸入位置に開口している。なお、この外縁部(43)の軸方向開口部(44)には、上述した吸入管継手(47)が接続されている。
また、固定スクロール(40)の固定側鏡板部(41)には、固定側ラップ(42)の中心付近に位置して上下方向へ貫通する吐出ポート(32)が形成されている。この吐出ポート(32)の下端は、圧縮室(31)の吐出位置に開口している。吐出ポート(32)の上端は、固定スクロール(40)の上部に区画された吐出室(46)に開口している。また、図示しないが、この吐出室(46)は、ケーシング(11)の下部空間(16)に連通している。
ハウジング(50)は、略円筒状に形成されている。ハウジング(50)の外周面は、その下側部分に対して上側部分が大径になるように形成されている。そして、この外周面の上側部分がケーシング(11)の内周面に固定されている。
ハウジング(50)の中空部には、駆動軸(23)が挿入されている。中空部の下側部分に軸受部(53)が形成されている。この軸受部(53)が駆動軸(23)における主軸部(24)の上端部分を回転支持する。この軸受部(53)には、駆動軸(23)の主軸部(24)を回転自在に支持する第2滑り軸受(29b)が装着されている。
また、ハウジング(50)の上面と可動スクロール(35)の背面との間にはシール部材(55)が嵌合されている。中空部の上側部分はシール部材(55)に仕切られて背圧空間(54)を構成する。背圧空間(54)は可動スクロール(35)の背面に面している。この背圧空間(54)には、可動スクロール(35)のボス部(38)が位置している。このボス部(38)には、軸受部(53)の上端から突出した駆動軸(23)の偏心部(25)が係合していて、圧縮機構(30)が駆動軸(23)で回転駆動される。このボス部(38)には、駆動軸(23)の偏心部(25)を回転自在に支持する第1滑り軸受(29a)が装着されている。
〈給油路〉
ケーシング(11)における下部空間(16)の底部には、スクロール圧縮機(10)の摺動部分を潤滑する潤滑油が貯留される油貯留部(17)が設けられている。そして、このスクロール圧縮機(10)には、油貯留部(17)の潤滑油が流通する給油路(2,5,27)が形成されている。
駆動軸(23)の内部には、軸心方向に沿ってのびる主流路を有する給油路(27)が形成されている。この駆動軸(23)の下端部には、油を吸い上げるための吸入ノズル(60)が設けられている。吸入ノズル(60)の吸入口(60a)は、ケーシング(11)の油貯留部(17)に開口している。吸入ノズル(60)の吐出口は、駆動軸(23)の給油路(27)に連通するように接続されている。吸入ノズル(60)によって油貯留部(17)から吸い上げられた潤滑油は、給油路(27)を経由してボス部(38)の第1滑り軸受(29a)、ハウジング(50)の第2滑り軸受(29b)、及び下部軸受部(28)の第3滑り軸受(29c)へ供給される。
ハウジング(50)の背圧空間(54)には、ボス部(38)の第1滑り軸受(29a)の潤滑に利用された潤滑油が流出する。ハウジング(50)には、固定スクロール(40)との固定面(4b)と、背圧空間(54)とを連通するハウジング側給油路(5)が形成されている。図2に示すように、このハウジング側給油路(5)の流出口が固定面(4b)に開口している。また、ハウジング側給油路(5)には、スクリュー部材(6)が挿入されている。このスクリュー部材(6)により、ハウジング側給油路(5)の潤滑油が減圧される。
固定スクロール(40)の外縁部(43)には、図2及び図3に示すように、固定側ラップ(42)の外側にリング状の油溝(9)が形成されている。この油溝(9)へ供給される潤滑油によって、固定スクロール(40)の外縁部(43)と可動スクロール(35)の可動側鏡板部(36)の外周部との摺動面(スラスト摺動面)が潤滑される。
固定スクロール(40)には、ハウジング(50)との固定面(4a)と、リング状の油溝(9)とを連通するスクロール側給油路(2)が形成されている。このスクロール側給油路(2)の流入口が固定面(4a)に開口している。固定スクロール(40)は、スクロール側給油路(2)の流入口がハウジング側給油路(5)の流出口に連通するように、ハウジング(50)に固定されている。
スクロール側給油路(2)は、第1油孔(2a)、第2油孔(2b)、及び第3油孔(2c)を有している。第1油孔(2a)は、固定スクロール(40)の外縁部(43)の下端面の上側に隣接し且つ外縁部(43)の下端面に沿って径方向に延びている。第2油孔(2b)は、一端が固定スクロール(40)の固定面(4a)に開口し、他端が第1油孔(2a)に連通している。第3油孔(2c)は、一端が固定スクロール(40)の外縁部(43)の摺動面に開口し、他端が第1油孔(2a)に連通している。第2油孔(2b)及び第3油孔(2c)は、共に軸方向へ延びている。
つまり、ハウジング側給油路(5)のスクリュー部材(6)で減圧された潤滑油は、スクロール側給油路(2)を経由して、固定スクロール(40)と可動スクロール(35)とのスラスト摺動面へ供給される。このとき、この潤滑油によって、可動スクロール(35)を下側へ押し付ける力が可動スクロール(35)に作用する。
また、固定スクロール(40)の外周面には、固定スクロール(40)の固定面(4a)の上側に隣接して開口する開口部(7)が形成されている。この開口部(7)は、第1油孔(2a)の外周側の端部に連通している。この開口部(7)の開口面はケーシング(11)の上部鏡板(13)の内周面(8)に対向している。この開口部(7)の開口面と上部鏡板(13)の内周面(8)との対向距離、即ち径方向距離は図2のSである。
そして、この開口部(7)には、スクロール側給油路(2)の潤滑油をケーシング(11)へ洩らさないようにするための栓部材(1)が挿入されている。栓部材(1)は真鍮により形成されている。この栓部材(1)の挿入方向の長さは図2のLであり、上述した径方向距離Sよりも長く形成されている。なお、栓部材(1)の材質はあくまでも一例であり、例えば、アルミ等により形成されていてもよい。
ここで、圧縮機構(30)の圧縮室(31)から吐出された流体は、ケーシング(11)の下部空間(16)へ吐出されるため、圧縮室(31)の流体が吐出されない上部空間(15)との間に圧力差が生じている。スクロール圧縮機(10)の運転中において、上部空間(15)の圧力は、下部空間(16)よりも低くなっている。一方、スクロール側給油路(2)は、下部空間(16)に存する油貯留部(17)の潤滑油が流通するため、スクロール側給油路(2)内の圧力は上部空間(15)に比べ高い。栓部材(1)が挿入される開口部(7)は上部空間(15)に面していることから、栓部材(1)が高圧の潤滑油に押されて低圧の上部空間(15)へ抜けやすくなっている。
本実施形態では、栓部材(1)が高圧の潤滑油によってケーシング(11)の上部空間(15)側へ押されて固定スクロール(40)の開口部(7)から出てきたとしても、開口部(7)の開口面とケーシング(11)の内周面(8)との対向距離(S)が栓部材(1)の長さ(L)よりも短いので、図3に示すように、栓部材(1)の端部がケーシング(11)に当たり、栓部材(1)が開口部(7)から抜け落ちることがない。
また、この開口部(7)は、スクロール側給油路(2)において、栓部材(1)が高圧の潤滑油に押されても固定スクロール(40)の開口部(7)から抜け落ちることがないので、開口部(7)の開口縁部が大きく変形するほどの強い力で栓部材(1)を圧入して固定する必要がなく、開口縁部が変形しない弱い力で栓部材(1)を挿入することが可能になる。
本実施形態のように、固定スクロール(40)の固定面(4a)に隣接して固定スクロール(40)の外周面に開口部(7)が形成されている場合には、前記固定面(4a)の平面度が保たれるほどの圧力で栓部材(1)を開口部(7)へ挿入することが可能となる。具体的には、締め代がφ0〜50μm程度で栓部材(1)が開口部(7)へ軽圧入されている。尚、栓部材(1)の軽圧入は例示であり、潤滑油が漏れることがない隙間嵌めで栓部材(1)が開口部(7)へ嵌合されていてもよい。
また、この開口部(7)は、その高さが軸方向断面視で第1油孔(2a)よりも高く形成されている。これは、栓部材(1)を開口部(7)の奥側へ挿入し過ぎて、第2油孔(2b)の開口を塞ぐことがないようにするためである。
−運転動作−
スクロール圧縮機(10)のモータ(21)へ通電されると、ロータ(21b)とともに駆動軸(23)が回転し、可動スクロール(35)が、駆動軸(23)の軸心を中心として偏心回転する。この可動スクロール(35)の偏心回転に伴って、圧縮室(31)の容積が周期的に増減を繰り返す。
具体的に、駆動軸(23)が回転すると、吸入ポート(34)から圧縮室(31)へ冷媒が吸入される。そして、駆動軸(23)の回転に伴い、圧縮室(31)が閉じ切られる。さらに、駆動軸(23)の回転が進むことで、圧縮室(31)の容積が縮小し始め、圧縮室(31)における冷媒の圧縮が開始される。
その後、圧縮室(31)の容積がさらに縮小し、この圧縮室(31)の容積が所定容積まで縮小したときに、吐出ポート(32)が開く。この吐出ポート(32)を通じて、圧縮室(31)で圧縮された冷媒が固定スクロール(40)の吐出室(46)へ吐出される。この吐出室(46)の冷媒は、ケーシング(11)の下部空間(16)を介して吐出管(19)から吐出される。
ここで、冷媒回路の作動状態によって、スクロール圧縮機(10)の吸入圧力が急激に下がったり、スクロール圧縮機(10)の吐出圧力が急激に上がったりして、ケーシング(11)の上部空間(15)と下部空間(16)との圧力差が大きくなって、固定スクロール(40)の開口部(7)へ挿入された栓部材(1)が開口部(7)から外側へ出ようとするが、栓部材(1)の端部がケーシング(11)に当たり、栓部材(1)が開口部(7)から抜け落ちることがない。これにより、開口部(7)から潤滑油が洩れ出すことがない。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、固定スクロール(40)において、栓部材(1)が挿入される開口部(7)の開口面とケーシング(11)の内周面(8)との対向距離(S)が、栓部材(1)の長さ(L)よりも短くなるように形成したので、栓部材(1)がスクロール側給油路(2)の高圧の潤滑油に押されて固定スクロール(40)の開口部(7)からケーシング(11)の上部空間(15)へ出てきたとしても、栓部材(1)の端部がケーシング(11)の内周面(8)に当たり、栓部材(1)が開口部(7)から抜け落ちるのを防止することができる。
これにより、栓部材(1)の一部が開口部(7)へ挿入された状態で保持され、開口部(7)から潤滑油が洩れ出すのを防ぐことができる。
また、本実施形態によれば、固定スクロール(40)の固定面(4a)の平面度が保たれる圧力で栓部材(1)を開口部(7)へ挿入した場合でも、上述した対向距離(S)を栓部材(1)の長さ(L)よりも短くすることにより、栓部材(1)が開口部(7)から抜け落ちないようにすることができる。
これにより、固定スクロール(40)の固定面(4a)に隣接して開口部(7)が形成された場合でも、固定スクロール(40)の固定面(4a)の平面度を保ちつつ開口部(7)に栓をすることができ、固定スクロール(40)の固定面(4a)の平面度を保つことにより、固定スクロール(40)とハウジング(50)とを固定面(4a,4b)を介して密着させて固定することができる。
また、固定スクロール(40)とハウジング(50)とが密着しているので、固定面(4a,4b)の隙間から上部空間(15)へ潤滑油が洩れることがない。これにより、スラスト摺動面の給油不足が生じることがない。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
本実施形態では、固定スクロール(40)とケーシング(11)との対向距離(S)よりも長くなるように、栓部材(1)の挿入長さ(L)を規定したが、これに限定されず、栓部材(1)の長さ(L)よりも対向距離(S)が短くなるように、固定スクロール(40)の外周面の形状又はケーシング(11)の内周面の形状を変更してもよい。この場合であっても、本発明と同様に、栓部材(1)が固定スクロール(40)の開口部(7)から抜け落ちるのを防止することができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、スクロール圧縮機に関し、特に、スクロール圧縮機の圧縮機構から潤滑油が漏れるのを防止するのに有用である。
1 栓部材
2 スクロール側給油路
2a 第1油孔
2b 第2油孔
2c 第3油孔
5 ハウジング側給油路
10 スクロール圧縮機
11 ケーシング
12 胴部
13 上部鏡板
14 下部鏡板
15 上部空間
16 下部空間
17 油貯留部
21 モータ
23 駆動軸
30 圧縮機構
31 圧縮室
35 可動スクロール
40 固定スクロール
50 ハウジング

Claims (2)

  1. 底部に油貯留部(17)が形成されたケーシング(11)と、前記ケーシング(11)の内部を上部空間(15)と下部空間(16)とに区画するハウジング(50)と、前記ハウジング(50)の上面に固定された固定スクロール(40)と、前記ハウジング(50)と前記固定スクロール(40)との間に旋回自在に収容された可動スクロール(35)とを備え、前記固定スクロール(40)と前記可動スクロール(35)とが噛み合って形成された圧縮室(31)で圧縮された流体が前記ケーシング(11)の下部空間(16)へ吐出されるスクロール圧縮機であって、
    前記固定スクロール(40)は、前記可動スクロール(35)との摺動面へ前記油貯留部(17)の潤滑油を供給するためのスクロール側給油路(2)を有し、前記ケーシング(11)の上部空間(15)に面する外面(49)には、前記スクロール側給油路(2)に連通する開口部(7)が形成される一方、
    前記固定スクロール(40)の開口部(7)には、栓部材(1)が挿入され、
    前記栓部材(1)の挿入方向の長さをLとし、前記固定スクロール(40)の開口部(7)の開口面と前記ケーシング(11)の内周面(8)との間の対向距離をSとしたときに、L>Sの関係を満たすことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 請求項1において、
    前記ハウジング(50)は、前記スクロール側給油路(2)へ潤滑油を供給するハウジング側給油路(5)を有し、前記ハウジング側給油路(5)の流出口が前記固定スクロール(40)との固定面(4b)に開口するように形成され、
    前記固定スクロール(40)は、前記ハウジング(50)との固定面(4a)に形成された前記スクロール側給油路(2)の流入口が前記ハウジング側給油路(5)の流出口に連通するように前記ハウジング(50)に固定され、
    前記栓部材(1)が、前記固定スクロール(40)の固定面(4a)に隣接して前記固定スクロール(40)の外周面に形成された前記開口部(7)に、前記固定面(4a)の平面度が保たれる圧力で挿入されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
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