JP2014047745A - 圧縮機 - Google Patents

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剛 福永
Koji Kojima
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Abstract

【課題】給油孔を流れる潤滑油における異物の混入を抑制することで、信頼性を維持できる圧縮機を提供する。
【解決手段】圧縮機構15と、駆動モータ16と、底部に、潤滑油を貯留する油溜まり空間Pが形成されているケーシング10と、駆動モータ16から伝達された回転駆動力を圧縮機構15へ伝達するシャフト17とを備えている。シャフト17は、油溜まり空間Pに貯留される潤滑油に下端が浸かるようにケーシング10に収容されている。また、シャフト17は、内部に、吸込口17dから吸い込んだ潤滑油を流す給油孔61a,61b,61cが形成されている。油溜まり空間Pには、油ガイド部材71が配置されている。油ガイド部材71には、シャフト17の吸込口17dの近傍領域に位置する第1開口と、異物79が少ない異物少量領域に位置する第2開口と、が形成されている。そして、第2開口から第1開口へ潤滑油が流れる。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮機に関する。
従来、空気調和装置等の冷凍装置において、回転式の圧縮機が用いられている。このような圧縮機には、例えば、特許文献1(特開2010−285930号公報)に開示のように、圧縮機構と駆動モータとに連結されるシャフトの内部に、軸方向に貫通する給油孔が形成されている。この圧縮機では、ケーシングの底部に潤滑油を貯留するための油溜まりが形成されており、シャフトの下端が油溜まりに貯留される潤滑油に浸漬している。そして、油溜まりに貯留された潤滑油は、給油孔を介して、摺動部に供給されている。
ここで、潤滑油には、摺動部における磨耗粉等の異物が多少混入している。このため、特許文献1に開示の圧縮機では、シャフトの回転により発生する速度分布等により、油溜まりに貯留された潤滑油において、潤滑油に混入している異物がケーシングの底部に滞留する(特に、中央部に多く滞留する)。よって、この圧縮機では、シャフトの給油孔に、ケーシングの底部に滞留した異物が吸入されてしまうことが懸念される。異物が給油孔に吸入されてしまうと、異物が摺動部に供給されることになるので、摺動部が焼きつく虞がある。
そこで、本発明の狙いは、給油孔への異物の混入を抑制することで、信頼性を維持できる圧縮機を提供することにある。
本発明の第1観点に係る圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機構と、圧縮機構を駆動する駆動モータと、ケーシングと、シャフトとを備えている。ケーシングは、圧縮機構と駆動モータとを収容し、底部に、潤滑油を貯留する油溜まり空間が形成されている。シャフトは、駆動モータから伝達された回転駆動力を圧縮機構へ伝達する。また、シャフトは、油溜まり空間に貯留される潤滑油に下端が浸かるようにケーシングに収容されている。また、シャフトは、内部に、吸込口から吸い込んだ潤滑油を流す給油孔が形成されている。油溜まり空間には、油ガイド部材が配置されている。油ガイド部材には、シャフトの吸込口の近傍領域に位置する第1開口と、異物が少ない異物少量領域に位置する第2開口と、が形成されている。異物少量領域は、油溜まり空間の下端部分を除く領域である。そして、第2開口から第1開口へ潤滑油が流れる。
本発明では、油溜まり空間に油ガイド部材を配置することにより、第2開口を介して異物少量領域における清浄な潤滑油を取り込み、その取り込んだ潤滑油を、第1開口を介してシャフトの吸込口へと導くことができる。これにより、シャフトの給油孔への異物の混入を抑制できる。よって、摺動部における焼きつきを抑制できるので、信頼性を維持できる。
本発明の第2観点に係る圧縮機は、本発明の第1観点に係る圧縮機であって、ケーシングは、円筒状の筒状部と、筒状部の上下を覆う覆い部とを有している。油ガイド部材は、第1開口がシャフトの吸込口と対向するように、配置されている。第2開口の中心線の第1開口の中心線からの距離は、シャフトの下端部の中心と筒状部の内面との距離の20%〜70%である。例えば、第2開口は、その中心からシャフトの回転軸までの距離が、シャフトの回転軸からケーシングの筒状部の内面との距離の20%〜70%となるように形成されている。
本発明では、油ガイド部材は、第2開口を異物少量領域に位置させることができるように、構成されている。これにより、油ガイド部材において、異物の混入を抑制できる。
本発明の第3観点に係る圧縮機は、本発明の第1観点又は第2観点に係る圧縮機であって、油ガイド部材は、第1開口とシャフトの吸込口との間に隙間が存在するように、配置されている。
本発明では、例えば、油溜まり空間内の潤滑油の液面高さが第2開口の高さ位置よりも下方にある場合であっても、第1開口とシャフトの吸込口との間に隙間が存在しているので、シャフトの吸込口から潤滑油を吸うことができる。よって、摺動部の潤滑性を維持できる。
本発明の第4観点に係る圧縮機は、本発明の第1観点〜第3観点のいずれかに係る圧縮機であって、第2開口は、その高さ位置が第1開口の高さ位置と同等以上の高さ位置になるように、形成されている。
ここで、異物は、ケーシングの底部に滞留しやすい。そこで、本発明では、第2開口の高さ位置を第1開口の高さ位置と同等以上にすることで、油を取り込む第2開口の位置をケーシング底部から一層遠ざけることができるため、油ガイド部材への異物の混入をより抑制できる。
本発明の第5観点に係る圧縮機は、本発明の第1観点〜第4観点のいずれかに係る圧縮機であって、第2開口は、上方に向かって開口するように形成されている。
本発明では、第2開口が上方を向いていることにより、ケーシングの底部に滞留した異物を吸い込むことを抑制できる。
本発明の第6観点に係る圧縮機は、本発明の第1観点〜第4観点のいずれかに係る圧縮機であって、第2開口は、潤滑油の回転流の上流側に向かって開口するように、又は、潤滑油の回転流の下流側に向かって開口するように、形成されている。
本発明では、潤滑油を油ガイド部材に引き込みやすくなる。
本発明に係る圧縮機では、給油孔への異物の混入を抑制することで、信頼性を維持できる。
本発明の一実施形態に係る圧縮機の縦断面図。 圧縮機のケーシングの底部周辺の拡大模式図。 油ガイド部材の上面図。 変形例Dに係る油ガイド部材の概略斜視図。 変形例Eに係る油ガイド部材の概略斜視図。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る圧縮機の一実施形態に係るスクロール圧縮機1について説明する。
(1)スクロール圧縮機1の構成
図1は、本実施形態に係るスクロール圧縮機1の縦断面図である、以下の説明においては、図1に示す駆動モータ16の中心軸O−Oに沿った方向を軸方向又は上下(縦)方向とする。
スクロール圧縮機1は、冷媒を循環させることによって冷凍サイクルを行う冷媒回路において、冷媒を圧縮するために用いられる。図1のスクロール圧縮機1は、高低圧ドーム型の圧縮機であって、互いに噛合する2つのスクロールの一方のスクロールが自転することなく他方のスクロールに対して公転することにより、冷媒を圧縮する。
スクロール圧縮機1は、図1に示されるように、主として、ケーシング10と、吸入管18と、吐出管19と、圧縮機構15と、上部軸受ハウジング23と、上部軸受メタル33と、オルダム継手39と、駆動モータ16と、下部軸受ハウジング60と、下部軸受メタル34と、シャフト17と、ガスガイド58とを有している。スクロール圧縮機1は、ケーシング10の内部空間に、吸入管18及び吐出管19の一部、及び、各部品が収容された密閉型構造を有している。
以下、スクロール圧縮機1の構成要素について説明する。
(1−1)ケーシング10、吸入管18及び吐出管19
ケーシング10は、軸方向に延びる縦型の円筒形状の容器であり、主として、略円筒状の筒状部11と、筒状部11の上端に気密状に溶接される椀状の上壁部12と、筒状部11の下端に気密状に溶接される椀状の底壁部13とから構成される。なお、上壁部12及び底壁部13は、筒状部11の上下を覆う「覆い部」を構成する。
ケーシング10の内部空間は、圧縮機構15の下方空間である高圧空間S1と、圧縮機構15の上方空間である低圧空間S2とに区画されている。
また、ケーシング10には、吸入管18及び吐出管19が接続されている。吸入管18は、上壁部12を貫通する管状部材であり、ケーシング10の外部から圧縮機構15における圧縮室40(後述する)へ、冷媒回路内を循環する冷媒を吸入させるための部材である。吸入管18は、下端部が固定スクロール24(後述する)に嵌入されている。吐出管19は、筒状部11を貫通する管状部材であり、高圧空間S1からケーシング10の外部へ、圧縮した冷媒を吐出するための部材である。
ケーシング10の内部空間の底部には、潤滑油を貯留するための空間である油溜まり空間Pが形成されている。潤滑油は、スクロール圧縮機1の運転中において、圧縮機構15等の摺動部の潤滑性を良好に保つために使用される。
(1−2)圧縮機構15
圧縮機構15は、低温低圧の冷媒を吸入し、低温低圧の冷媒を圧縮して高温高圧の冷媒とした後に吐出する。圧縮機構15は、シャフト17の上端に連結されている。圧縮機構15は、主として、上部軸受ハウジング23と、固定スクロール24と、可動スクロール26とを有している。
(1−2−1)上部軸受ハウジング23
上部軸受ハウジング23は、ケーシング10の筒状部11の内周面に圧入され、その外周面がケーシング10の筒状部11の内周面に気密状に密着されている。このように上部軸受ハウジング23の外周面とケーシング10の筒状部11の内周面とが密着されていることにより、上述した高圧空間S1と低圧空間S2とが区画されている。
上部軸受ハウジング23には、上面中央部に凹設されたハウジング凹部31と、軸方向中央部から下方に延びる軸受保持部32と、が形成されている。ハウジング凹部31の内側空間には、可動スクロール26のボス部26cが位置している。軸受保持部32には、上部軸受メタル33が圧入されている。
また、上部軸受ハウジング23には、固定スクロール24が載置され、ボルト等で固定されている。そして、上部軸受ハウジング23は、固定スクロール24と共に、後述するオルダム継手39を介して、可動スクロール26を自転させることなく挟持している。また、上部軸受ハウジング23の外周部には、軸方向に貫通する孔が形成されており、この孔が、第2連絡通路48を形成している。第2連絡通路48は、後述する固定スクロール24の第1連絡通路46及び高圧空間S1と連通している。
(1−2−2)固定スクロール24
固定スクロール24は、第1鏡板24aと、第1鏡板24aの下面から延び第1鏡板24aの下面に対して直交する渦巻形状の第1ラップ24bとを有している。
固定スクロール24には、吸入孔(図示せず)が形成されている。吸入孔は、吸入管18の内部空間と、後述する圧縮室40とを連通する孔である。
また、第1鏡板24aの中央部には、吐出孔41が形成されている。吐出孔41は、圧縮室40で圧縮された冷媒を吐出するための孔である。また、第1鏡板24aの上面には、吐出孔41と連通する拡大凹部42が形成されている。拡大凹部42は、第1鏡板24aの上面に凹設された水平方向に広がる空間である。固定スクロール24の上面には、この拡大凹部42を塞ぐように蓋体44がボルトにより締結固定されている。そして、拡大凹部42に蓋体44が覆い被せられることにより圧縮機構15の運転音を消音させる膨張室からなるマフラー空間45が形成されている。固定スクロール24と蓋体44とは、ガスケット(図示せず)を介して密着させることによりシールされている。また、固定スクロール24には、マフラー空間45と連通し、固定スクロール24の下面に開口する第1連絡通路46が形成されている。
(1−2−3)可動スクロール26
可動スクロール26は、第2鏡板26aと、第2鏡板26aの上面から延び第2鏡板26aの上面に対して直交する渦巻形状の第2ラップ26bとを有している。第2鏡板26aの下面中央部には、シャフト17の上端部(すなわち、後述する偏芯部17b)を軸支するピン軸受35を内側に備えたボス部26cが形成されている。第2鏡板26aには、給油細孔63が形成されている。給油細孔63は、第2鏡板26aの上面外周部と、ボス部26cの内側の空間とを連通している。また、第2鏡板26aの下面には、オルダム継手39のキー部(図示せず)が嵌め込まれるキー溝が形成されている。
以上のような構成を有する圧縮機構15では、固定スクロール24の第1ラップ24bと可動スクロール26の第2ラップ26bとが噛み合うことにより、第1鏡板24a、第1ラップ24b、第2鏡板26a及び第2ラップ26bによって囲まれる空間である圧縮室40が形成される。可動スクロール26の公転運動によって圧縮室40の容積が減ることにより、冷媒が圧縮される。
(1−3)上部軸受メタル33
上部軸受メタル33は、上部軸受ハウジング23の軸受保持部32に嵌合されるすべり軸受であり、シャフト17(後述する主軸部17a)の上部を回転自在に軸支している。
(1−4)オルダム継手39
オルダム継手39は、可動スクロール26の自転運動を防止するための環状の部材である。オルダム継手39は、キー部(図示せず)が可動スクロール26のキー溝にスライド可能に嵌め込まれている。そして、これにより、可動スクロール26が、オルダム継手39を介して上部軸受ハウジング23に自転不能に支持されている。
また、オルダム継手39の別のキー部(図示せず)は、上部軸受ハウジング23に形成されているキー溝(図示せず)にスライド可能に嵌め込まれている。
(1−5)駆動モータ16
駆動モータ16は、圧縮機構15に連結されるシャフト17に連結されており、シャフト17を介して圧縮機構15を駆動する。駆動モータ16は、圧縮機構15の下方に配置されている。
駆動モータ16は、主として、ケーシング10の筒状部11の内壁に固定されるステータ51と、このステータ51の径方向内側に回転自在に配置されるロータ52とを有している。ステータ51の内周面とロータ52の外周面との間には、僅かな間隙であるエアギャップが形成されている。
ステータ51は、銅線が巻き付けられているコイル部(図示せず)と、コイル部の上方及び下方に形成されているコイルエンド53とを有している。また、ステータ51の外周面には、ステータ51の上端面から下端面に亘り、且つ、周方向に所定間隔をおいて、切欠形成されている複数のコアカット部55が形成されている。ロータ52の中央部には、シャフト17(主軸部17a)が嵌めこまれている。
(1−6)下部軸受ハウジング60
下部軸受ハウジング60は、駆動モータ16の下方に配設され、シャフト17(主軸部17a)の下部を軸支する下部軸受メタル34を支持している。下部軸受ハウジング60は、その外周端が、ケーシング10の筒状部11の内壁に接合されている。
(1−8)シャフト17
シャフト17は、内部に、軸方向に延びる縦給油孔61aが形成される中空形状を有している。縦給油孔61aは、シャフト17の上端面から下端面にかけて延びるように形成されている。シャフト17は、その下端が、油溜まり空間Pに貯留された潤滑油に浸かっている。なお、シャフト17の下端には、油溜まり空間Pに貯留された潤滑油を内部に吸い込むための吸込口17dが形成されており、吸込口17dから吸い込んだ潤滑油を縦給油孔61aに流すことができるようになっている。
また、縦給油孔61aは、油室83に連通している。油室83は、シャフト17の上端面と第2鏡板26aの下面とによって形成される空間である。油室83は、第2鏡板26aの給油細孔63を介して、固定スクロール24と可動スクロール26との摺動部(本実施形態では、適宜、圧縮機構15の摺動部という)に連通している。
スクロール圧縮機1では、このような構成を有することによって、シャフト17が、縦給油孔61aを介して油溜まり空間Pに貯留された潤滑油を内部に吸入し、吸入した潤滑油を、圧縮機構15の摺動部に供給できるようになっている。
さらに、シャフト17には、その内部に、軸方向に延びる縦給油孔61aから水平方向に分岐する第1給油横孔61b、第2給油横孔61c及び第3給油横孔61dが形成されている。第1給油横孔61bは、ピン軸受35とシャフト17との摺動部に潤滑油を供給できるように形成されている。第2給油横孔61cは、上部軸受メタル33と駆動軸17との摺動部に潤滑油を供給できるように形成されている。第3給油横孔61dは、後述する下部軸受メタル34とシャフト17との摺動部に潤滑油を供給できるように形成されている。
このように、シャフト17は、縦給油孔61a、第1給油横孔61b、第2給油横孔61c、及び、第3給油横孔61d(以下、これらを総称して適宜「給油孔」という)を介して、油溜まり空間Pに貯留された潤滑油を、各摺動部(圧縮機構15の摺動部、ピン軸受35、上部軸受メタル33及び下部軸受メタル34とシャフト17との摺動部)に供給している。
また、より具体的な構成について説明すると、シャフト17は、その軸芯がロータ52の回転中心と一致する主軸部17aと、シャフト17の上端部を構成する偏芯部17bと、を有している。
(1−8−1)主軸部17a
主軸部17aは、円筒形状を有しており、中心軸O−O周りに回転する部分である。主軸部17aは、その上部が、上部軸受メタル33によって軸支され、その下部が、下部軸受メタル34によって軸支されている。
(1−8−2)偏芯部17b
偏芯部17bは、主軸部17aの上に位置し、主軸部17aの軸芯に対して偏芯している。偏芯部17bは、可動スクロール26のボス部26cの内側のピン軸受35に嵌め込まれ、ピン軸受35に軸支されている。
以上のように、シャフト17を介して、圧縮機構15(具体的には、可動スクロール26)と、駆動モータ16(具体的には、ロータ52)とが連結されていることによって、駆動モータ16からシャフト17に伝達された回転駆動力が、圧縮機構15に伝達される。具体的には、駆動モータ16に電流が流されると、まず、中心軸O−Oを中心として上から視て反時計回り(図2の矢印Aを参照)にロータ52が回転し、この回転駆動力がシャフト17に伝達されて、シャフト17が上から視て反時計回りに回転する。そして、シャフト17が回転することにより、シャフト17に連結される可動スクロール26(圧縮機構15)にロータ52(駆動モータ16)の回転駆動力が伝達されて、可動スクロール26が公転する。
(1−9)下部軸受メタル34
下部軸受メタル34は、下部軸受ハウジング60の内周面に嵌合されるすべり軸受であり、シャフト17(主軸部17a)の下部を回転自在に軸支している。
(1−10)ガスガイド58
ガスガイド58は、第2連絡通路48を下方に流れる高圧冷媒を油ミスト飛散を抑制しながら高圧空間S1に導くための部材である。ガスガイド58は、ケーシング10の筒状部11に固定されており、筒状部11の内周面と共に、冷媒を高圧空間S1に導くための空間(冷媒通路)を形成する。
(2)油ガイド部材71
一般に、潤滑油には、摺動部における磨耗粉等の異物が多少混入している。このため、例えば、特許文献1(特開2010−285930号公報)に開示の圧縮機では、シャフトの回転により発生する速度分布等により、油溜まりに貯留された潤滑油において、潤滑油に混入している異物がケーシングの底部に滞留する(特に、中央部に多く滞留する)。よって、この圧縮機では、シャフトの給油孔に、ケーシングの底部に滞留した異物が吸入されてしまうことが懸念される。異物が給油孔に吸入されてしまうと、異物が摺動部に供給されることになるので、摺動部が焼きつく虞がある。
そこで、本実施形態では、スクロール圧縮機1は、さらに、油ガイド部材71を有している。油ガイド部材71は、油溜まり空間Pに配置される。以下、図1〜図3を用いて、油ガイド部材71について説明する。なお、図2は、ケーシング10の底部周辺の拡大模式図である。図3は、油ガイド部材71の上面図である。
油ガイド部材71は、パイプを折り曲げて形成した部材であり、縦断面がJ字形状を有する管状部材である。油ガイド部材71は、その最下面74の複数(本実施形態では、2〜3)箇所において、ケーシング10の底壁部13の内下面13aにスポット溶接されることにより、ケーシング10に固定されている。
油ガイド部材71には、その内部に、潤滑油が流れる油流路71aが形成されている。油流路71aは、油ガイド部材71の長手方向の一端から他端にかけて貫通するように形成されている。油ガイド部材71の長手方向の一端には、第1開口72が形成されている。第1開口72は、油流路71aを流れる潤滑油をシャフト17の吸込口17dに吸引させるための開口であり、油ガイド部材71において潤滑油の出口開口として機能している。第1開口72は、上方に向かって開口し、上面視において円形状を有している。また、油ガイド部材71の長手方向の他端には、第2開口73が形成されている。第2開口73は、油溜まり空間Pに貯留される潤滑油を油流路71aに取り込むための開口であり、油ガイド部材71において潤滑油の入口開口として機能している。第2開口73の高さ位置は、図1及び図2に示すように、第1開口72の高さ位置やシャフト17の下端の吸込口17dの高さ位置よりも高い。なお、第2開口73の高さ位置は、シャフト17の下端の吸込口17dと同等の高さ位置にあってもよい。
また、油ガイド部材71は、第1開口72が、シャフト17の吸込口17dの近傍領域に位置するように配置されている。具体的には、油ガイド部材71は、第1開口72が、シャフト17の吸込口17dと対向するように、配置されている。そして、油ガイド部材71は、第1開口72とシャフト17の吸込口17dとの間に所定の隙間S4が存在するように、構成されている。ここで、第1開口72とシャフト17の吸込口17dとの対向とは、第1開口72の中心C1と、シャフト17の吸込口17dの中心とが、上面視において一致していることを意味する。そして、上記の所定の隙間S4とは、高さ方向(軸方向)の距離D3が、例えば、2,3mmになるような隙間である。
また、油ガイド部材71は、第1開口72がシャフト17の吸込口17dと対向している状態において、第2開口73が第1開口72よりも側方(径方向外側)に位置するように構成されている。具体的には、油ガイド部材71は、第2開口73の中心C2を通る中心線L2の基準線L1からの距離D1が、基準線L1とケーシング10の筒状部11の内面11aとの距離D2の20%〜70%(好ましくは、30%〜60%)となるように構成されている。ここで、基準線L1とは、シャフト17(主軸部17a)の下端の吸込口17dの中心を通る線、すなわち、中心軸O−Oに一致する線である。なお、本実施形態では、第1開口72の中心C1と、シャフト17の吸込口17dの中心とが、上面視において一致しているので、基準線L1は、第1開口72の中心C1を通る中心線でもある。
また、油ガイド部材71は、第1開口72がシャフト17の吸込口17dと対向している状態において、第2開口73が、磨耗粉等の異物79が少ない異物少量領域に位置するように構成されている。ここで、磨耗粉等の異物79は、ケーシング10の油溜まり空間Pにおける下端部分に滞留している。特に、異物79は、ケーシング10の油溜まり空間Pにおける下端部分において、中央部や側方部に多く滞留している。そして、異物少量領域とは、異物が滞留しやすい油溜まり空間Pの下端部分を除く領域である。
なお、本実施形態では、潤滑油中に混入する異物79を捕捉するための異物取り用磁石75がケーシング10の底部に配置されている。異物取り用磁石75は、ケーシング10の底部において、中央部よりも側方の位置に複数配置されている。異物取り用磁石75により、シャフト17の吸込口17dを介して給油孔61a,61b,61cに異物が混入することを抑制できる。
(3)動作
以下、以上のような構成を有するスクロール圧縮機1内における冷媒及び潤滑油の流れについて説明する。
(3−1)冷媒の流れ
まず、駆動モータ16が駆動されることによって、ロータ52が回転する。これにより、ロータ52に固定されているシャフト17が、軸回転運動を行う。シャフト17の回転駆動力は、ピン軸受35を介して可動スクロール26に伝達される。なお、シャフト17の可動スクロール26に接続される偏芯部17bは、中心軸O−Oに対して偏心している。また、可動スクロール26は、オルダム継手39によって自転が防止されている。これにより、可動スクロール26は公転運動を行う。
圧縮前の低温低圧の冷媒は、吸入管18から圧縮機構15の圧縮室40に吸入される。可動スクロール26の公転運動により、圧縮室40は固定スクロール24の外周部から中心部へ向かって移動しながら、その容積が徐々に減少される。その結果、圧縮室40内の冷媒は圧縮されて高圧冷媒となる。高圧冷媒は、吐出孔41からマフラー空間45へ吐出された後、第1連絡通路46及び第2連絡通路48を経由して、高圧空間S1(具体的には、圧縮機構15と駆動モータ16との軸方向における間の空間)へ排出される。なお、ガスガイド58とケーシング10の筒状部11との間の空間から、高圧冷媒の一部は筒状部11の内周面に沿って水平方向に流れ、高圧冷媒の一部はそのまま下方に向かって流れる。そして、モータの上方空間から下方に向かった高圧冷媒は、モータ冷却通路55を通ってさらに下降し、駆動モータ16の下方の空間に到達する。その後、この高圧冷媒は、流れの向きを反転させて、ステータ51の内周面とロータ52の外周面との間のエアギャップなどを上昇し、圧縮機構15と駆動モータ16との軸方向における間の空間に再度流入する。そして、最終的に、高圧冷媒は、吐出管19からケーシング10の外部に吐出される。
(3−2)潤滑油の流れ
まず、駆動モータ16が駆動されることによって、ロータ52が回転する。これにより、ロータ52に固定されているシャフト17が、軸回転運動を行う。シャフト17の軸回転によって圧縮機構15が駆動し、高圧空間S1に高圧冷媒が吐出されると、高圧空間S1の圧力が上昇する。ここで、シャフト17に形成される縦給油孔61aは、油室83及び給油細孔63を介して、固定スクロール24の下面と可動スクロール26の第2鏡板26aの上面との摺動隙間のうち圧縮室40の外側部分に連通している。これにより、縦給油孔61a、油室83及び給油細孔63から成る給油通路の上端部分と下端部分との間において、圧力差が発生する。そして、この差圧が油溜まり空間Pに貯留される潤滑油の吸引力として働き、その結果、油溜まり空間Pに貯留される潤滑油が吸込口17dを介して縦給油孔61aに吸引される。
ここで、本実施形態では、油溜まり空間Pに油ガイド部材71を配置している。そして、縦給油孔61aを流れる潤滑油の大半は、油ガイド部材71を介してシャフト17の吸込口17dへと導かれた潤滑油である。油ガイド部材71の具体的な作用について説明すると、まず、上記の差圧が生じると、油ガイド部材71の第1開口72がシャフト17の吸込口17dの近傍領域に位置しているので、油ガイド部材71の周辺の潤滑油が、第2開口73を介して油ガイド部材71へと吸引される。このとき、第2開口73は、上述の異物少量領域に位置しているので、異物少量領域における潤滑油が、第2開口73を介して、油流路71aへと吸引される。そして、縦給油孔61aにおける差圧によって生じる吸引力により、油流路71aを流れる潤滑油は、第1開口72を介して、油ガイド部材71の第1開口72の上方(具体的には、隙間S4)へと導かれ、そのままシャフト17の吸込口17dを介してシャフト17の縦給油孔61aへと吸引されて上昇していく。
縦給油孔61aを上昇して油室83まで達した潤滑油は、給油細孔63を経由して、圧縮機構15の摺動部に供給される。圧縮機構15の摺動部を潤滑した潤滑油は、冷媒とともに、圧縮室40、吐出孔41、マフラー空間45、第1連絡通路46、第2連絡通路48及び高圧空間S1を経て、油溜まり空間Pに戻る。このとき、潤滑油は、油滴の状態で冷媒に含有される。
一方、油溜まり空間Pから吸引されて縦給油孔61aを上昇する潤滑油は、第1給油横孔61b、第2給油横孔61c及び第3給油横孔61dにも分流される。第1給油横孔61bに分流される潤滑油及び油室83の潤滑油の一部は、シャフト17(偏芯部17b)とピン軸受35との摺動部を潤滑する。また、第2給油横孔61cに分流される潤滑油は、駆動軸17(主軸部17a)の上部と上部軸受メタル33との摺動部を潤滑する。また、第3給油横孔61dに分流される潤滑油は、駆動軸17(主軸部17a)の下部と下部軸受メタル34との摺動部を潤滑する。そして、縦給油孔61aから各給油横孔61b〜61dに分流されて各摺動部を潤滑した潤滑油は、高圧空間S1から油貯留空間Pに戻されることになる。
このように、油溜まり空間Pに貯留された潤滑油が各摺動部に供給されて再度油溜まり空間Pへと戻るサイクルが繰り返されている。
(4)特徴
(4−1)
以上のように、本実施形態では、シャフト17の吸込口17dの近傍領域に位置する第1開口72が形成され、且つ、異物少量領域に位置する第2開口73が形成されている油ガイド部材71が、油溜まり空間Pに配置されている。よって、シャフト17の縦給油孔61aの中を潤滑油が上昇するような差圧が生じると、この差圧によって生じる吸引力により、油溜まり空間Pにおける潤滑油が、第2開口73を介して油流路71aを流れることになる。そして、油流路71aを流れる潤滑油が、第1開口72及びシャフト17の吸込口17dを介して縦給油孔61aへと吸引される。すなわち、油ガイド部材71において、潤滑油は、入口開口としての第2開口73から、出口開口としての第1開口72へと流れる。
ここで、第2開口73は、異物少量領域に位置しているので、油ガイド部材71に引き込まれる潤滑油は、異物少量領域における潤滑油である。そして、縦給油孔61aに吸引される潤滑油の大半は、油ガイド部材71の中を流れてきた潤滑油である。これにより、異物79の混入が少ない潤滑油を、縦給油孔61aに流すことができる。すなわち、給油孔61a,61b,61cを流れる潤滑油に異物79が混入しているという状態を抑制できている。よって、摺動部の焼きつきを抑制でき、スクロール圧縮機1の信頼性を維持できる。
さらに、本実施形態では、油ガイド部材71は、第1開口72がシャフト17の吸込口17dと対向している状態において、第2開口73の中心C2を通る中心線L2の基準線L1からの距離D1が、基準線L1とケーシング10の筒状部11の内面11aとの距離D2の20%〜70%(好ましくは、30%〜60%)となるように構成されている。すなわち、第2開口73を、ケーシング10の底部における平面視の中央部や側方部から離れた位置に位置させている。本実施形態では、油ガイド部材71が、第2開口73がこのように位置するように構成されていることで、油ガイド部材71の油流路71aにおいて、異物79の混入を抑制できている。そして、この結果、給油孔61a,61b,61cを流れる潤滑油において、より異物79の混入を抑制できている。従って、より摺動部の焼きつきを抑制でき、スクロール圧縮機1の信頼性を維持できている。
(4−2)
本実施形態では、油ガイド部材71を、第1開口72とシャフト17の吸込口17dとの間に隙間S4が存在するように、配置している。これにより、例えば、油溜まり空間Pに貯留される潤滑油の液面高さが第2開口73の高さ位置よりも下方にある場合があったとしても、シャフト17の吸込口17dから潤滑油を吸引することができる。これにより、摺動部の潤滑性を維持できる。
(4−3)
本実施形態では、第2開口73は、上方に向かって開口している。これにより、ケーシング10の底部に滞留した異物79が油ガイド部材71に吸い込まれてしまうという不具合を抑制できる。
(5)変形例
(5−1)変形例A
上記実施形態では、第2開口73は上方に向かって開口していると説明したが、これに限られるものではない。例えば、第2開口73は、油溜まり空間Pにおける潤滑油の回転流の上流側に向かって開口するように、又は、潤滑油の回転流の下流側に向かって開口するように、形成されていてもよい。なお、回転流は、シャフト17の回転に伴って発生する潤滑油の流れであり、矢印A(図2を参照)に沿う流れである。
本変形例Aでは、回転流の回転方向に沿って開口するように第2開口73を形成しているので、潤滑油を、油ガイド部材71の油流路71aへと引き込みやすくなる。
(5−2)変形例B
異物79は、ケーシング10の底部に滞留しやすいため、上記実施形態では、油ガイド部材71の第2開口73を、第1開口72の高さ位置よりも高い位置に配置している。しかし、これに代えて、縦断面がU字形状になる油ガイド部材を採用することもできる。この場合、入口開口と出口開口との高さ位置がほぼ同じになるが、油溜まり空間Pに溜まっている潤滑油の量が少なく油面が低い場合にも、油ガイド部材を介してシャフト17の吸込口17dへの異物79の少ない潤滑油を導くことができる。
(5−3)変形例C
本発明は、トロコイドポンプ等の容積型ポンプを備えるスクロール圧縮機にも適用が可能である。この場合、容積型ポンプは、シャフト17の下端に取り付けられる。そして、油ガイド部材71は、第1開口72が、トロコイドポンプの吸込口に対向するように配置され、第2開口73の構成等については、上記実施形態や上記変形例と変わらない。この場合であっても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(5−4)変形例D
図4は、変形例Dに係る油ガイド部材271の概略斜視図である。上記実施形態では、油ガイド部材71は、U字形状の管状部材であると説明したが、図4に示す油ガイド部材271を代わりに採用することもできる。
以下、油ガイド部材271の説明において、上記実施形態と同様の部材等については上記実施形態と同じ番号で示し説明を省略する。
油ガイド部材271は、縦長の円筒形状を有する本体275と、本体275の側方(径方向外側)に位置して本体275を取り囲む3つのパイプ276と、を有している。本体275の内部空間は、上方のみ開口している。3つのパイプは、それぞれ本体275の内部空間から放射方向に延び、先端が上方向に折れ曲がって上向きに開口している。3つのパイプそれぞれの上向きの第2開口273の中心C22は、本体275の第1開口272の中心C21から平面的に距離D21だけ離れている。また、3つのパイプの第2開口273は、本体275の第1開口272の中心C21を中心とする半径D21の仮想円に沿って、概ね等間隔に配置されている。
そして、本体275の第1開口272は、シャフト17の吸込口17dの近傍領域に位置し、油ガイド部材271の中を流れる潤滑油をシャフト17の吸込口17dに吸引させるための出口開口として機能する。本体275の第1開口272は、具体的には、シャフト17の吸込口17dと対向するように配置されている。ここで、第1開口272とシャフト17の吸込口17dとの対向とは、第1開口272の中心C21と、シャフト17の吸込口17dの中心とが、軸方向視において一致していることを意味する。一方、3つのパイプの第2開口273は、油溜まり空間Pに貯留されている潤滑油を油ガイド部材271の中に取り込むための入口開口として機能する。3つのパイプの第2開口273は、本体275の第1開口272がシャフト17の吸込口17dと対向している状態において、第2開口273の中心C22を通る中心線L22の基準線L21からの距離D21が、基準線L21とケーシング10の筒状部11の内面11aとの距離D2の20%〜70%(好ましくは、30%〜60%)となるように構成されている。ここで、基準線L21とは、シャフト17(主軸部17a)の下端部の中心を通る線、すなわち、中心軸O−Oに一致する線である。尚、本実施形態では、第1開口272の中心C21と、シャフト17の吸込口17dの中心とが、軸方向視において一致しているので、基準線L21は、第1開口272の中心C21を通る中心線でもある。
また、油ガイド部材271は、第1開口272がシャフト17の吸込口17dと対向している状態において、第2開口273が、磨耗粉等の異物79が少ない異物少量領域に位置するように構成されている。異物少量領域の定義は、上記実施形態と同じである。
この油ガイド部材271の具体的な作用について説明すると、まず、差圧給油が始まると、油ガイド部材271の第1開口272がシャフト17の吸込口17dの近傍領域に位置しているので、油ガイド部材271の周辺の潤滑油が、第2開口273を介して油ガイド部材271へと吸引される。このとき、第2開口273は、異物少量領域に位置しているので、異物少量領域における潤滑油が、第2開口273を介して、各パイプ276の中を流れる。そして、各パイプ276を流れる潤滑油は、本体275の内部空間に流入し、第1開口272を介してその上方へと導かれ、そのままシャフト17の吸込口17dを介してシャフト17の縦給油孔61aへと吸引されて上昇していくことになる。
以上のように、上記実施形態の油ガイド部材71に代えて本変形例Dに係る油ガイド部材271を採用した場合であっても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。油ガイド部材271では、潤滑油を取り込むための第2開口273が複数(本変形例では、3つ)あるので、潤滑油を油ガイド部材271へと吸引しやすくなる。
(5−5)変形例E
図5は、変形例Eに係る油ガイド部材371の概略斜視図である。上記実施形態では、油ガイド部材71は、J字形状の管状部材であると説明したが、図5に示す油ガイド部材371を代わりに採用することもできる。
以下、油ガイド部材371の説明において、上記実施形態と同様の部材等については上記実施形態と同じ番号で示し説明を省略する。
油ガイド部材371は、椀状の小椀部375と、小椀部375よりも大きい椀状の大椀部376と、小椀部375と大椀部376とを一体化する3つの支持部377と、を有している。小椀部375は、大椀部376の内面によって形成される内側空間S31に収容されている。また、小椀部375は、その上端の高さ位置が大椀部376の上端の高さ位置と同じになるように、その外周面の3箇所が、大椀部376の内面から内側に延びる支持部377によって支持されている。
小椀部375の内側空間には、円筒部材375aが軸方向(上下方向)に延びている。円筒部材375aの下端は、小椀部375の底に開けられた円孔375bの周縁部分に接続されている。また、小椀部375は、大椀部376の内側空間S31において平面視で中央に位置している。大椀部376の内側空間S31のうち、小椀部375の外面と大椀部376の内面とによって形成される空間は、潤滑油が流れる油流路としての流路空間S31aとなる。
このような構成により、油ガイド部材371には、大椀部376の上端と小椀部375の上端との間に、第2開口373が形成される。第2開口373は、上方に向かって開口している。支持部377が存在するため、第2開口373は、小椀部375の外周側において、それぞれ弧状に形成される。第2開口373は、油溜まり空間Pに貯留される潤滑油を流路空間S31aに取り込むための入口開口として機能する。また、小椀部375の内側空間を延びる円筒部材375aの上端には、第1開口372が形成されている。第1開口372は、流路空間S31aから円孔375bを介して円筒部材375aの中を流れてきた潤滑油をシャフト17の吸込口17dに吸引させるための出口開口として機能する。
また、油ガイド部材371は、第1開口372が、シャフト17の吸込口17dの近傍領域に位置するように設置される。具体的には、油ガイド部材371は、第1開口372が、シャフト17の吸込口17dと対向するように、配置されている。そして、油ガイド部材371は、第1開口372とシャフト17の吸込口17dとの間に所定の隙間(図示せず)が存在するように、構成されている。ここで、第1開口372とシャフト17の吸込口17dとの対向とは、第1開口372の中心C31と、シャフト17の吸込口17dの中心とが、軸方向視において一致していることを意味する。そして、上記の所定の隙間とは、高さ方向(軸方向)の距離が、例えば、2,3mmになるような隙間である。
また、油ガイド部材371は、第1開口372がシャフト17の吸込口17dと対向している状態において、第2開口373の中心C32を通る中心線L32の基準線L31からの距離D31が、基準線L31とケーシング10の筒状部11の内面11aとの距離D2の20%〜70%(好ましくは、30%〜60%)となるように構成されている。ここで、第2開口373の中心C32とは、軸方向の上方から視て、小椀部375の外縁と大椀部376の内縁との間の中心を通る部分を意味する(図5の環状の一点鎖線を参照)。また、基準線L31とは、シャフト17(主軸部17a)の下端部の中心を通る線、すなわち、中心軸O−Oに一致する線である。尚、本実施形態では、第1開口372の中心C31と、シャフト17の吸込口17dの中心とが、軸方向視において一致しているので、基準線L31は、第1開口372の中心C31を通る中心線でもある。
また、油ガイド部材371は、第1開口372がシャフト17の吸込口17dと対向している状態において、第2開口373が、磨耗粉等の異物79が少ない異物少量領域に位置するように構成されている。異物少量領域の定義は、上記実施形態と同じである。
このように、上記実施形態の油ガイド部材71に代えて本変形例Eに係る油ガイド部材371を採用した場合であっても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。油ガイド部材371では、潤滑油を取り込むための第2開口373が環状に形成されているので、潤滑油を油ガイド部材371へと吸引しやすくなる。
以上のように、油ガイド部材について上記実施形態のほかに変形例D及び変形例Eの形態を示したが、油ガイド部材は、以上の形態に限られるものではなく、第2開口が異物少量領域に位置し、第1開口がシャフトの吸込口の近傍領域に位置するような形状を有するものであれば採用できる。
(5−5)変形例F
上記実施形態では、本発明に係る圧縮機として、スクロール圧縮機1を例にとって説明したが、これに限られるものではない。本発明は、シャフトに摺動部に潤滑油を供給するための給油孔が形成されている圧縮機であれば適用できる。
本発明は、潤滑油を用いて各摺動部分を潤滑する圧縮機に適用できる。
1 スクロール圧縮機(圧縮機)
10 ケーシング
11 筒状部
11a 筒状部の内面
12,13 上壁部,底壁部(覆い部)
15 圧縮機構
16 駆動モータ
17 シャフト
17d 吸込口
61a,61b,61c 給油孔
71,271,371 油ガイド部材
72,272,372 第1開口
73,273,373 第2開口
79 異物
C1,C21,C31 第1開口の中心
C2,C22,C32 第2開口の中心
L1,L21,L31 基準線(第1開口の中心を通る中心線)
L2,L22,L32 第2開口の中心を通る中心線
P 油溜まり空間
特開2010−285930号公報

Claims (6)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機構(15)と、
    前記圧縮機構を駆動する駆動モータ(16)と、
    前記圧縮機構と前記駆動モータとを収容し、底部に、潤滑油を貯留する油溜まり空間(P)が形成されているケーシング(10)と、
    前記駆動モータから伝達された回転駆動力を前記圧縮機構へ伝達し、前記油溜まり空間に貯留される潤滑油に下端が浸かるように前記ケーシングに収容され、内部に、吸込口(17d)から吸い込んだ潤滑油を流す給油孔(61a,61b,61c)が形成されているシャフト(17)と、
    を備え、
    前記油溜まり空間には、油ガイド部材(71,271,371)が配置されており、
    前記油ガイド部材には、前記シャフトの前記吸込口の近傍領域に位置する第1開口(72,272,372)と、異物(79)が少ない異物少量領域に位置する第2開口(73,273,373)と、が形成され、
    前記異物少量領域は、前記油溜まり空間の下端部分を除く領域であり、
    前記第2開口から前記第1開口へ潤滑油が流れる、
    圧縮機(1)。
  2. 前記ケーシングは、円筒状の筒状部(11)と、前記筒状部の上下を覆う覆い部(12,13)と、を有し、
    前記油ガイド部材は、前記第1開口が前記シャフトの前記吸込口と対向するように、配置されており、
    前記第2開口は、その中心(C2,C22,C32)を通る中心線(L2,L22,L32)の前記第1開口の中心(C1,C21,C31)を通る中心線(L1,L21,L31)からの距離(D1,D21,D31)が、前記シャフトの下端部の中心と前記筒状部の内面(11a)との距離(D2)の20%〜70%となるように、形成されている、
    請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記油ガイド部材は、前記第1開口と前記シャフトの前記吸込口との間に隙間が存在するように、配置されている、
    請求項1又は2に記載の圧縮機。
  4. 前記第2開口は、その高さ位置が前記第1開口の高さ位置と同等以上の高さ位置になるように、形成されている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧縮機。
  5. 前記第2開口は、上方に向かって開口するように形成されている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧縮機。
  6. 前記第2開口は、潤滑油の回転流の上流側に向かって開口するように、又は、潤滑油の回転流の下流側に向かって開口するように、形成されている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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