JP2014070622A - 圧縮機 - Google Patents

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Yoshitomo Tsuka
義友 塚
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Abstract

【課題】本発明に係る圧縮機は、圧縮機構に潤滑油を安定的に供給することができる。
【解決手段】スクロール圧縮機101は、ケーシング10と、圧縮機構15と、給油細管71と、細管支持部材72とを備える。ケーシング10は、油溜まり空間10aを底部の近傍に有する。圧縮機構15は、ケーシング10内に収容される。給油細管71は、ケーシング10内に収容される。給油細管71は、油溜まり空間10aの潤滑油に浸漬される下端部71aを有する。給油細管71は、油溜まり空間10aから圧縮機構15に潤滑油を供給する。細管支持部材72は、給油細管71の下端部71aを支持する。細管支持部材72は、給油細管71内に潤滑油以外の物体が侵入することを阻止する。細管支持部材72は、ケーシング10およびケーシング10に固定される部材である内部部材17aの少なくとも一方に固定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮機に関する。
従来、固定スクロールおよび旋回スクロールを有する圧縮機構を備えるスクロール圧縮機が用いられている。スクロール圧縮機では、固定スクロールおよび旋回スクロールのそれぞれは、互いに噛み合う渦巻状のラップを有している。固定スクロールは、ケーシングに固定され、旋回スクロールは、クランク軸に連結されて偏心回転する。これにより、両スクロールのラップ間の空間である圧縮室の容積が変化して、圧縮室内の冷媒が圧縮される。スクロール圧縮機は、圧縮機内部の摺動部に潤滑油を供給する給油機構を有している。
ところで、特許文献1(特開2009−162078号公報)に開示されるように、クランク軸の摺動部への給油路と、圧縮機構の摺動部への給油路とが別系統で設けられている給油機構を備えるスクロール圧縮機が存在する。このスクロール圧縮機は、クランク軸の摺動部に潤滑油を供給する給油路として、クランク軸内部の軸方向に延びる給油路を有し、圧縮機構の摺動部に潤滑油を供給する給油路として、ケーシング底部の油溜まり空間からケーシング上部の圧縮機構まで延びる細管を有している。油溜まり空間の潤滑油は、細管内を差圧により上昇して圧縮機構に供給される。これにより、固定スクロールおよび旋回スクロールのラップが破損して圧縮機構にチッピングが発生した場合等に、圧縮機構の摺動部に潤滑油が大量に供給されてクランク軸の摺動部への給油量が不足してしまうことが抑制される。
しかし、特許文献1(特開2009−162078号公報)に開示されるスクロール圧縮機では、圧縮機構の摺動部に給油するための細管が運転中の振動により疲労破壊し、または、潤滑油に含まれるゴミが細管に詰まることによって、圧縮機構への給油が阻害されるおそれがある。
本発明の目的は、圧縮機構に潤滑油を安定的に供給することができる圧縮機を提供することである。
本発明の第1観点に係る圧縮機は、ケーシングと、圧縮機構と、給油細管と、細管支持部材とを備える。ケーシングは、油溜まり空間を底部の近傍に有する。圧縮機構は、ケーシング内に収容される。給油細管は、ケーシング内に収容される。給油細管は、油溜まり空間の潤滑油に浸漬される下端部を有する。給油細管は、油溜まり空間から圧縮機構に潤滑油を供給する。細管支持部材は、給油細管の下端部を支持する。細管支持部材は、給油細管内に潤滑油以外の物体が侵入することを阻止する。細管支持部材は、ケーシングおよびケーシングに固定される部材である内部部材の少なくとも一方に固定される。
第1観点に係る圧縮機は、油溜まり空間の潤滑油を圧縮機構の摺動部に供給する給油細管を備えている。例えば、スクロール圧縮機の場合、ケーシング底部に貯留される潤滑油は、ケーシング内の差圧により給油細管内を上昇して、圧縮機構を構成する固定スクロールと旋回スクロールとのスラスト摺接面に供給される。給油細管の下端部は、油溜まり空間の潤滑油に浸漬され、細管支持部材によってケーシングに対して固定されている。細管支持部材は、ケーシングおよび内部部材の少なくとも一方に固定されている。また、細管支持部材は、潤滑油に含まれるゴミが給油細管内に侵入することを阻止する構造を有している。
第1観点に係る圧縮機では、給油細管の下端部がケーシングに対して固定されているので、圧縮機の運転中に発生する給油細管の振動が低減される。そのため、この圧縮機は、給油細管の下端部がケーシングに対して固定されていない圧縮機に比べて、振動による給油細管の疲労破壊を抑制することができる。また、細管支持部材は、潤滑油に含まれるゴミが給油細管内に侵入することを阻止する構造を有しているので、給油細管にゴミが詰まって圧縮機構への給油が阻害されることが抑制される。従って、第1観点に係る圧縮機は、圧縮機構に潤滑油を安定的に供給することができる。
本発明の第2観点に係る圧縮機は、第1観点に係る圧縮機であって、細管支持部材は、ケーシングおよび内部部材の少なくとも一方に、固定用磁石によって固定される。
第2観点に係る圧縮機では、細管支持部材は、固定用磁石の磁力によってケーシングに固定されている。例えば、細管支持部材の下部に取り付けられた磁石をケーシングの底部に付着させることで、細管支持部材をケーシングに安定的に固定することができる。従って、第2観点に係る圧縮機は、細管支持部材を安定的に固定することができる。
本発明の第3観点に係る圧縮機は、第1観点または第2観点に係る圧縮機であって、細管支持部材は、細管吸入口を囲い、かつ、ストレーナを有する。細管吸入口は、給油細管の油溜まり空間における開口部である。ストレーナは、潤滑油以外の物体の通過を阻止する部材である。
第3観点に係る圧縮機では、給油細管の下端側の開口部である細管吸入口は、ストレーナを有する細管支持部材によって囲われている。これにより、油溜まり空間の潤滑油が給油細管内に流入する前に、潤滑油に含まれるゴミは、ストレーナを通過する際に濾されて除去される。すなわち、ストレーナによって、潤滑油に含まれるゴミが給油細管内に流入することが抑制される。そのため、給油細管にゴミが詰まって圧縮機構への給油が阻害されることが抑制される。従って、第3観点に係る圧縮機は、圧縮機構に潤滑油をより安定的に供給することができる。
本発明の第4観点に係る圧縮機は、第3観点に係る圧縮機であって、クランク軸をさらに備える。クランク軸は、圧縮機構を駆動する。クランク軸は、油溜まり空間から流入する潤滑油が流れる給油路を内部に有する。圧縮機構は、軸受を有する。軸受は、クランク軸と摺動し、かつ、クランク軸の給油路を流れる潤滑油が供給される。細管支持部材は、クランク軸の油溜まり空間における開口部であるクランク軸吸入口をさらに囲う。
第4観点に係る圧縮機では、潤滑油に含まれるゴミがクランク軸の給油路内に流入することが抑制される。そのため、クランク軸の摺動部にゴミが詰まってクランク軸への給油が阻害されることが抑制される。「クランク軸の摺動部」は、例えば、圧縮機構の軸受とクランク軸との摺動部、圧縮機構を載置するハウジングとクランク軸との摺動部、および、クランク軸を支持する他の軸受とクランク軸との摺動部である。従って、第4観点に係る圧縮機は、クランク軸の摺動部に潤滑油を安定的に供給することができる。
本発明の第5観点に係る圧縮機は、第4観点に係る圧縮機であって、細管吸入口は、クランク軸の軸心に対して、油戻りポイントの反対側に位置している。油戻りポイントは、給油路を流れてクランク軸の摺動部に供給された潤滑油が油溜まり空間に戻されるポイントである。
第5観点に係る圧縮機では、給油細管の細管吸入口は、油戻りポイントから離れた位置にある。油戻りポイントは、クランク軸の給油路内を上昇して、クランク軸の摺動部に供給された潤滑油が、ケーシング内の空間を落下して再び油溜まり空間に戻されるポイントである。油戻りポイントの近傍では、上方から落下した潤滑油によって油溜まり空間に潤滑油の流れが生じるので、潤滑油に含まれるゴミが舞い上がりやすい。潤滑油中でゴミが舞い上がると、給油細管の細管吸入口にゴミが接近する機会が増えるので、ゴミが給油細管内に流入しやすくなる。そこで、給油細管の細管吸入口を油戻りポイントからできるだけ離すことによって、潤滑油に含まれるゴミが給油細管内に流入して給油細管が詰まることが抑制される。従って、第5観点に係る圧縮機は、圧縮機構に潤滑油をより安定的に供給することができる。
本発明の第6観点に係る圧縮機は、第1観点から第5観点のいずれか1つに係る圧縮機であって、細管支持部材は、油溜まり空間の中央部から給油細管の下端部に向かう潤滑油の流れを抑制する仕切り部材を有する。
第6観点に係る圧縮機は、油溜まり空間で発生する潤滑油の流れによって、給油細管の細管吸入口に潤滑油中のゴミが接近することを阻害するために、仕切り部材が油溜まり空間に設置されている。潤滑油に含まれるゴミは、油溜まり空間の最深部である中央部に溜まりやすい。そのため、仕切り部材は、潤滑油の流れによって油溜まり空間の中央部で舞い上がったゴミが、給油細管の細管吸入口に近づくことを抑制する。これにより、潤滑油に含まれるゴミが給油細管内に流入して給油細管が詰まることが抑制される。従って、第6観点に係る圧縮機は、圧縮機構に潤滑油をより安定的に供給することができる。
本発明の第1観点に係る圧縮機は、圧縮機構に潤滑油を安定的に供給することができる。
本発明の第2観点に係る圧縮機は、細管支持部材を安定的に固定することができる。
本発明の第3観点、第5観点および第6観点に係る圧縮機は、圧縮機構に潤滑油をより安定的に供給することができる。
本発明の第4観点に係る圧縮機は、クランク軸の摺動部に潤滑油を安定的に供給することができる。
本発明の第1実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図である。 細管支持部材の外観図である。 細管支持部材近傍における図1の拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る細管支持部材の外観図である。 ケーシングに固定された細管支持部材の上面図である。 図5のVI−VI線における断面図である。 本発明の第3実施形態に係る細管支持部材を下方から視た外観図である。 給油ポンプに取り付けられた細管支持部材の縦断面図である。 変形例Cにおける細管支持部材の外観図である。 変形例Dにおけるケーシングに固定された細管支持部材の上面図である。 変形例Eにおける細管支持部材の縦断面図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る圧縮機について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る圧縮機は、高低圧ドーム型のスクロール圧縮機である。スクロール圧縮機は、互いに噛み合う渦巻状のラップを有する2つのスクロール部材によって形成される空間の容積が変化することによって冷媒が圧縮される圧縮機である。
(1)圧縮機の構成
図1は、本実施形態に係るスクロール圧縮機101の縦断面図である。スクロール圧縮機101は、主として、ケーシング10と、圧縮機構15と、ハウジング23と、モータ16と、下部軸受60と、クランク軸17と、給油細管71と、細管支持部材72と、吸入管19と、吐出管20とから構成される。スクロール圧縮機101は、冷媒を循環する冷凍サイクルを繰り返す冷媒回路において冷媒ガスを圧縮する役割を担う。次に、スクロール圧縮機101の各構成要素について説明する。
(1−1)ケーシング
ケーシング10は、略円筒状の胴部ケーシング部11と、胴部ケーシング部11の上端部に気密状に溶接される椀状の上壁部12と、胴部ケーシング部11の下端部に気密状に溶接される椀状の底壁部13とから構成される。ケーシング10は、ケーシング10の内部および外部において圧力や温度が変化した場合に、変形および破損が起こりにくい剛性部材で成型されている。ケーシング10は、胴部ケーシング部11の略円筒状の軸方向が鉛直方向に沿うように設置される。
ケーシング10の内部には、圧縮機構15と、圧縮機構15の下方に配置されるハウジング23と、ハウジング23の下方に配置されるモータ16と、鉛直方向に延びるように配設されるクランク軸17等が収容されている。ケーシング10の壁部には、吸入管19および吐出管20が気密状に溶接されている。
ケーシング10の底部には、潤滑油が貯留される油溜まり空間10aが形成されている。潤滑油は、スクロール圧縮機101の運転中において、圧縮機構15等の摺動部の潤滑性を良好に保つために使用される。
(1−2)圧縮機構
圧縮機構15は、ケーシング10の内部に収容され、低温低圧の冷媒ガスを吸引し、圧縮し、高温高圧の冷媒ガス(以下、「圧縮冷媒」という。)を吐出する。圧縮機構15は、主に、固定スクロール部品24と、旋回スクロール部品26とから構成される。
固定スクロール24は、第1鏡板24aと、第1鏡板24aに直立して形成される渦巻形状(インボリュート形状)の第1ラップ24bとを有する。固定スクロール24には、主吸入孔(図示せず)と、主吸入孔に隣接する補助吸入孔(図示せず)とが形成されている。主吸入孔は、吸入管19と、後述する圧縮室40とを連通する。補助吸入孔は、後述する低圧空間S2と、圧縮室40とを連通する。また、第1鏡板24aの中央部には、吐出孔41が形成され、第1鏡板24aの上面には、吐出孔41と連通する拡大凹部42が形成されている。拡大凹部42は、第1鏡板24aの上面に凹設された水平方向に広がる空間である。固定スクロール24の上面には、拡大凹部42を塞ぐように蓋体44がボルト(図示せず)により固定されている。そして、拡大凹部42に蓋体44が覆い被せられることにより圧縮機構15の運転音を消音させるマフラー空間45が形成されている。マフラー空間45は、ハウジング23の外周部を鉛直方向に貫通して形成されている流路(図示せず)を介して、ハウジング23の下方の高圧空間S1に連通している。なお、固定スクロール24と蓋体44とは、ガスケット(図示せず)を介して密着させることによりシールされている。
旋回スクロール26は、第2鏡板26aと、第2鏡板26aに直立して形成される渦巻形状(インボリュート形状)の第2ラップ26bとを有する。第2鏡板26aの下面中央部には、上端軸受26cが形成されている。
固定スクロール24および旋回スクロール26は、第1ラップ24bと第2ラップ26bとが噛み合うことにより、第1鏡板24aと、第1ラップ24bと、第2鏡板26aと、第2ラップ26bとによって囲まれる空間である圧縮室40を形成する。圧縮室40の容積は、旋回スクロール26の公転運動によって変化する。
本実施形態において、固定スクロール24は、第1鏡板24aのスラスト軸受面24dに環状溝24eが形成されている。スラスト軸受面24dは、固定スクロール24の第1鏡板24aと旋回スクロール26の第2鏡板26aとが外周部において互いに摺接する面である。また、固定スクロール24は、図1に示されるように、スクロール給油路24cを内部に有している。スクロール給油路24cは、環状溝24eに連通している。スクロール給油路24cは、固定スクロール24の第1鏡板24aの下面の外周部に開口し、ハウジング23を貫通している給油細管71と連通している。
(1−3)ハウジング
ハウジング23は、圧縮機構15の下方に配置され、その外周面がケーシング10の内壁に気密状に接合されている。このため、ケーシング10の内部は、ハウジング23の下方の高圧空間S1と、ハウジング23の上方の低圧区間S2とに区画されている。ハウジング23は、ボルト等で固定することによって固定スクロール24を載置し、オルダム継手(図示せず)を介して、固定スクロール24とともに旋回スクロール26を挟持している。オルダム継手は、旋回スクロール26の自転運動を防止するための環状の部材である。ハウジング23の外周部には、固定スクロール24のマフラー空間45および高圧空間S1と連通する流路が鉛直方向に貫通して形成されている。この流路は、ハウジング23の上面においてマフラー空間45と連通し、ハウジング23の下面において高圧空間S1と連通している。また、ハウジング23は、給油細管71が貫通するための細管貫通孔23aを外周部に有している。
ハウジング23の上面には、クランク室S3が凹設されている。また、ハウジング23には、ハウジング貫通孔31が形成されている。ハウジング貫通孔31は、クランク室S3の底面中央部から、ハウジング23の下端面中央部まで、ハウジング23を鉛直方向に貫通して形成される空間である。以下、ハウジング23の一部であり、かつ、ハウジング貫通孔31が形成されている部分を、上部軸受32という。また、ハウジング23は、ケーシング10近傍の高圧空間S1とクランク室S3とを連通する油戻し通路23bを有している。
なお、ハウジング23の下方の高圧空間S1には、ガスガイド(図示せず)がケーシング10の内壁面に取り付けられている。ガスガイドは、圧縮機構15から吐出されてマフラー空間45を経由して高圧空間S1に供給された圧縮冷媒を導く流路を形成する部材である。
(1−4)モータ
モータ16は、ケーシング10の内部に収容され、ハウジング23の下方に配設されるブラシレスDCモータである。モータ16は、主に、ケーシング10の内壁に固定されるステータ51と、ステータ51の内側にエアギャップを設けて回転自在に収容されるロータ52とから構成される。ステータ51の外周面には、ステータ51の上端面から下端面に亘り、かつ、周方向に所定間隔をおいて、切欠形成されている複数のコアカット部(図示せず)が設けられている。コアカット部は、胴部ケーシング部11とステータ51との間を鉛直方向に延びるモータ冷却通路55を形成する。
ロータ52は、その回転中心を鉛直方向に貫通するクランク軸17に連結されている。ロータ52は、クランク軸17を介して、圧縮機構15と接続されている。
(1−5)下部軸受
下部軸受60は、モータ16の下方に配置され、その外周面においてケーシング10の内壁の一部と接合されている部材である。下部軸受60は、クランク軸17を回転自在に支持する。下部軸受60は、その上端に油分離板(図示せず)が取り付けられている。また、下部軸受60は、その下端に給油ポンプ17aが取り付けられている。
(1−6)クランク軸
クランク軸17は、ケーシング10の内部に収容され、その軸方向が鉛直方向に沿うように配設されている。クランク軸17は、図1に示されるように、その上端部の軸心が上端部を除く部分の軸心Xに対してわずかに偏心している形状を有している。クランク軸17は、ハウジング23の下方かつモータ16の上方の高さ位置における外周面において、バランスウェイト18が密着して固定されている。
クランク軸17は、ロータ52の回転中心を鉛直方向に貫通してロータ52に連結されている。クランク軸17は、その上端部が上端軸受26cに嵌入することで、旋回スクロール26と接続されている。また、クランク軸17は、上部軸受32および下部軸受60によって支持されている。
クランク軸17は、軸方向に延びている主給油路61を内部に有する。主給油路61の上端は、クランク軸17の上端面と第2鏡板26aの下面とによって形成される油室83と連通している。主給油路61の下端は、給油ポンプ17aを介して、高圧空間S1の油溜まり空間10aに連通している。クランク軸17の内部において、第1副給油路62a、第2副給油路62bおよび第3副給油路62cが、主給油路61から分岐している。第1副給油路62a、第2副給油路62bおよび第3副給油路62cは、水平方向に延びている。第1副給油路62aは、クランク軸17と旋回スクロール26の上端軸受26cとの摺接面に開口している。第2副給油路62bは、クランク軸17とハウジング23の上部軸受32との摺接面に開口している。第3副給油路62cは、クランク軸17と下部軸受60との摺接面に開口している。
クランク軸17の下端は、給油ポンプ17aに接続されている。給油ポンプ17aは、トロコイドポンプ等の容積型ポンプである。給油ポンプ17aの吸入口である主給油路吸入口61aは、油溜まり空間10aの潤滑油中に浸漬している。給油ポンプ17aの吐出口は、クランク軸17の主給油路61に接続されている。
(1−7)給油細管
給油細管71は、油溜まり空間10aに貯留された潤滑油を、ケーシング10内の差圧を利用して吸い上げて、圧縮機構15のスラスト軸受面24dに供給するための管である。給油細管71は、内径が1mm以下のキャピラリーチューブである。
給油細管71は、油溜まり空間10aの潤滑油に浸漬される下端部71aを有する。給油細管71の下端部71aは、細管支持部材72によって支持されている。また、給油細管71は、ハウジング23の細管貫通孔23aを貫通した状態で、ハウジング23に固定されている。すなわち、ハウジング23は、給油細管71の上端部を支持している。給油細管71の上端側の開口部は、固定スクロール24のスクロール給油路24cの開口部と接続している。給油細管71は、下部軸受60によって支持されることなく、下部軸受60とケーシング10との間の空間を貫通している。
(1−8)細管支持部材
細管支持部材72は、給油細管71の下端部71aを支持する部材である。図2に示されるように、細管支持部材72は、略円柱形状を有し、主として、底板73と、ストレーナ74と、頭板75とから構成される。底板73は、略円形の板部材であり、下面に固定用磁石73aが取り付けられている。ストレーナ74は、円柱状に成形された金属メッシュ等である。ストレーナ74は、液体から固体成分を除去するための部材である。頭板75は、略円形の板部材であり、給油細管71の下端部71aが貫通する下端部貫通孔75aを有する。ストレーナ74は、その円柱形状の上面および下面に、それぞれ、頭板75および底板73が取り付けられている。
細管支持部材72は、図3に示されるように、底板73の固定用磁石73aによって、ケーシング10の底壁部13に付着して固定されている。また、細管支持部材72は、頭板75の下端部貫通孔75aに給油細管71が上方から差し込まれた状態で、給油細管71の下端部71aを支持している。給油細管71は、下端部貫通孔75aにおいてOリング等によって支持されている。これにより、給油細管71の下端部71aは、細管支持部材72の頭板75に対して固定された状態となっている。給油細管71の油溜まり空間10aにおける開口部である細管吸入口71bは、細管支持部材72の内部、すなわち、底板73と、ストレーナ74と、頭板75とによって囲まれた空間に位置している。
(1−9)吸入管
吸入管19は、ケーシング10の外部から圧縮機構15へ、冷媒回路の冷媒を導入するための管状部材である。吸入管19は、ケーシング10の上壁部12に気密状に嵌入されている。吸入管19は、低圧空間S2を鉛直方向に貫通するとともに、内端部が固定スクロール24に嵌入されている。
(1−10)吐出管
吐出管20は、高圧空間S1からケーシング10の外部へ、圧縮冷媒を吐出するための管状部材である。吐出管20は、ケーシング10の胴部ケーシング部11に気密状に嵌入されている。吐出管20は、高圧空間S1を水平方向に貫通するとともに、ケーシング10内にある開口部20aが、ハウジング23の近傍に位置している。
(2)圧縮機の動作
本実施形態に係るスクロール圧縮機101の動作について説明する。最初に、スクロール圧縮機101を備える冷媒回路を循環する冷媒の流れについて説明する。次に、スクロール圧縮機101内部における潤滑油の流れについて説明する。
(2−1)冷媒の流れ
最初に、モータ16が駆動することによって、ロータ52が回転する。これにより、ロータ52に固定されているクランク軸17が、軸回転運動を行う。クランク軸17の軸回転運動は、上端軸受26cを介して旋回スクロール26に伝達される。クランク軸17の上端部の軸心は、クランク軸17の軸回転運動の軸心Xに対して偏心している。また、旋回スクロール26は、オルダム継手によって自転が防止される。これにより、旋回スクロール26は、自転することなく、固定スクロール24に対して公転運動を行う。
圧縮前の低温低圧の冷媒は、吸入管19から主吸入孔を経由して、または、低圧空間S2から補助吸入孔を経由して、圧縮機構15の圧縮室40に吸引される。旋回スクロール26の旋回運動により、圧縮室40は体積を徐々に減少させながら固定スクロール24の外周部から中心部へ向かって移動する。その結果、圧縮室40の冷媒は圧縮されて圧縮冷媒となる。圧縮冷媒は、吐出孔41からマフラー空間45へ吐出された後、高圧空間S1へ供給される。そして、圧縮冷媒は、ガスガイドと胴部ケーシング部11との間の空間を下方に向かって流れた後、モータ冷却通路55を下降して、モータ16の下方の高圧空間S1に到達する。そして、圧縮冷媒は、流れの向きを反転させて、他のモータ冷却通路55およびエアギャップを上昇する。最終的に、圧縮冷媒は、吐出管20からスクロール圧縮機101の外部に吐出される。
(2−2)潤滑油の流れ
最初に、モータ16が駆動することによって、ロータ52が回転する。これにより、ロータ52に固定されているクランク軸17が、軸回転運動を行う。クランク軸17の軸回転運動は、給油ポンプ17aに伝達される。これにより、給油ポンプ17aは、油溜まり空間10aの潤滑油を主給油路61に吸い上げる。給油ポンプ17aに吸い上げられた潤滑油は、主給油路61を油室83に向かって上昇する。
主給油路61を上昇する潤滑油は、順に、第3副給油路62c、第2副給油路62bおよび第1副給油路62aに分流する。第3副給油路62cを流れる潤滑油は、クランク軸17と下部軸受60との摺接面を潤滑した後、高圧空間S1に供給されて油溜まり空間10aに戻される。第2副給油路62bを流れる潤滑油は、クランク軸17とハウジング23の上部軸受32との摺接面を潤滑した後、高圧空間S1およびクランク室S3に供給される。高圧空間S1に供給された潤滑油は、油溜まり空間10aに戻される。クランク室S3に供給された潤滑油は、ハウジング23の油戻し通路23bを経由して高圧空間S1に供給され、油溜まり空間10aに戻される。第1副給油路62aを流れる潤滑油は、クランク軸17と旋回スクロール26の上端軸受26cとの摺接面を潤滑した後、クランク室S3に供給される。クランク室S3に供給された潤滑油は、上述したように、油戻し通路23bを経由して高圧空間S1に供給され、油溜まり空間10aに戻される。なお、主給油路61を上昇して油室83まで到達した潤滑油は、クランク軸17と旋回スクロール26の上端軸受26cとの摺接面を潤滑した後、クランク室S3に供給される。
本実施形態において、給油細管71の下端部は、高圧空間S1にある油溜まり空間10aと連通している。また、給油細管71の上端部は、高圧空間S1より低圧下にある圧縮機構15の圧縮室40にスラスト軸受面24dを介して接続している環状溝24eと連通している。そのため、給油細管71は、差圧ポンプとして機能する。これにより、油溜まり空間10aの潤滑油は、図3の矢印に示されるように給油細管71に吸引され、給油細管71を上昇して環状溝24eに供給される。そして、圧縮機構15のスラスト軸受面24dを潤滑した潤滑油は、圧縮室40に流入する。このとき、高温高圧である潤滑油は、圧縮室40に存在する圧縮される前の冷媒を加熱する。また、潤滑油は、油滴の状態で圧縮冷媒に混入する。圧縮冷媒に含まれる潤滑油の油滴は、圧縮冷媒と同じ経路を通って、圧縮室40から高圧空間S1へ吐出される。高圧空間S1において、潤滑油は、圧縮冷媒とともにモータ冷却通路55を下降した後、油分離板に衝突する。油分離板に付着した潤滑油は、高圧空間S1を落下して油溜まり空間10aに戻される。
(3)圧縮機の特徴
(3−1)
本実施形態のスクロール圧縮機101において、給油細管71の下端部71aは、細管支持部材72によってケーシング10に対して固定されている。細管支持部材72は、自重および固定用磁石73aによって、ケーシング10の底壁部13に安定的に固定されている。
ここで、給油細管71の下端部71aがケーシング10に対して固定されていない状態、すなわち、給油細管71の上端部のみがケーシング10に対して固定されている状態を考える。この場合、スクロール圧縮機101の運転中に、モータ16およびクランク軸17等の振動が給油細管71に伝達すると、給油細管71の固定されていない下端部が振動することにより、給油細管71が疲労破壊を起こして破損するおそれがある。
本実施形態では、給油細管71の下端部71aが細管支持部材72によって支持されているので、運転中の給油細管71の振動、特に、給油細管71の下端部71aの振動が軽減される。これにより、給油細管71の疲労破壊の進行が抑制される。従って、スクロール圧縮機101は、給油細管71の状態を良好に保つことができるので、圧縮機構15に潤滑油を安定的に供給することができる。
(3−2)
本実施形態のスクロール圧縮機101において、油溜まり空間10aにおける給油細管71の開口部である細管吸入口71bは、ストレーナ74を有する細管支持部材72によって囲われている。これにより、油溜まり空間10aの潤滑油が給油細管71内に流入する前に、潤滑油に含まれるゴミは、ストレーナ74を通過する際に濾されて除去される。ここで、潤滑油に含まれるゴミは、クランク軸17等が摺動することによって生成される金属粉等である。ストレーナ74によって、潤滑油に含まれるゴミが給油細管71内に流入して給油細管71が詰まることが抑制されるので、圧縮機構15への給油が阻害されることが抑制される。従って、スクロール圧縮機101は、圧縮機構15に潤滑油をより安定的に供給することができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係るスクロール圧縮機について説明する。本実施形態の基本的な構成、動作および特徴は、第1実施形態に係るスクロール圧縮機と同一であるので、第1実施形態との相違点を主に説明する。第1実施形態と同一の構造および機能を有する要素には、同一の参照符号が用いられている。
(1)圧縮機の構成
本実施形態では、給油細管71をケーシング10に固定する細管支持部材72の構成および動作が、第1実施形態における細管支持部材72と異なっている。図4は、本実施形態で使用される細管支持部材172の外観図である。細管支持部材172は、金属板から成形される。細管支持部材172は、給油細管71の細管吸入口71bの周囲を一部囲う部材である。図5は、ケーシング10の底壁部13に固定された細管支持部材172の上面図である。図6は、図5のVI−VI線における断面図である。図5および図6に示される矢印は、本実施形態における潤滑油の流れを表す。
図5に示されるように、給油細管71の細管吸入口71bは、クランク軸17の軸回転運動の軸心Xに対して、油戻りポイントP1の反対側に位置している。油戻りポイントP1は、図1に示されるように、クランク軸17と旋回スクロール26の上端軸受26cとの摺接面、および、クランク軸17とハウジング23の上部軸受32との摺接面を潤滑した潤滑油が、ハウジング23のクランク室S3に一時的に貯留された後、油戻し通路23bを流れ、高圧空間S1を落下して油溜まり空間10aに到達するポイントである。なお、本実施形態において、給油細管71の細管吸入口71bは、スクロール圧縮機101を上面視した場合に、油戻りポイントP1からできるだけ離れた位置にあればよい。
次に、細管支持部材172の構造について説明する。細管支持部材172は、よどみ囲い部173と、細管固定部175とからなる。よどみ囲い部173は、下端部に固定用磁石73aが取り付けられている。細管支持部材172は、図6に示されるように、固定用磁石73aによって、ケーシング10の底壁部13に固定されている。よどみ囲い部173は、図5に示されるように、スクロール圧縮機101を上面視した場合に、クランク軸17の軸心Xと給油細管71の細管吸入口71bとの間を仕切っている。
細管固定部175は、第1実施形態の細管支持部材72と同様に、下端部貫通孔175aを有している。細管固定部175は、下端部貫通孔175aに給油細管71が上方から差し込まれた状態で、給油細管71の下端部71aを支持している。これにより、給油細管71の下端部71aは、細管支持部材172に固定されている。なお、細管固定部175は、図6に示されるように、給油細管71の細管吸入口71bがよどみ囲い部173の下方に位置するように、給油細管71の下端部71aを支持している。
(2)圧縮機の特徴
本実施形態に係るスクロール圧縮機101では、給油細管71の細管吸入口71bは、クランク軸17の軸心Xに対して、油戻りポイントP1の反対側に位置している。油戻りポイントP1は、ハウジング23のクランク室S3から油戻し通路23bを経て高圧空間S1に流入した潤滑油が、油溜まり空間10aに落下するポイントである。油戻りポイントP1の近傍では、高圧空間S1の上方から落下した潤滑油によって、油戻りポイントP1からケーシング10の底壁部13の中央部に向かう潤滑油の流れが生じやすい。また、潤滑油に含まれるゴミは、底壁部13の中央部である油溜まり空間10aの最深部に溜まる傾向がある。そのため、油戻りポイントP1に落下する潤滑油に起因して油溜まり空間10aに潤滑油の流れが発生すると、油溜まり空間10aの最深部に溜まっているゴミが舞い上がる。
本実施形態では、給油細管71の細管吸入口71bは、細管支持部材172のよどみ囲い部173によって、クランク軸17の軸心X側が囲われている。また、給油細管71の細管吸入口71bは、よどみ囲い部173の下方に位置している。そのため、油戻りポイントP1からクランク軸17の軸心Xに向かう潤滑油の流れに起因して、油溜まり空間10aの最深部に溜まっているゴミが舞い上がっても、ゴミはよどみ囲い部173に当たるので、ゴミが細管吸入口71bに接近しにくくなる。これにより、潤滑油に含まれるゴミが給油細管71内に流入して給油細管71が詰まることが抑制される。また、第1実施形態と同様に、スクロール圧縮機101の運転中における給油細管71の振動が細管支持部材172によって抑えられるので、給油細管71の疲労破壊の進行が抑制される。従って、本実施形態に係る圧縮機は、圧縮機構15に潤滑油をより安定的に供給することができる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係るスクロール圧縮機について説明する。本実施形態の基本的な構成、動作および特徴は、第1実施形態に係るスクロール圧縮機と同一であるので、第1実施形態との相違点を主に説明する。第1実施形態と同一の構造および機能を有する要素には、同一の参照符号が用いられている。
(1)圧縮機の構成
本実施形態では、給油細管71をケーシング10に固定する細管支持部材272の構成および動作が、第1実施形態における細管支持部材72と異なっている。図7は、本実施形態で使用される細管支持部材272の外観図である。細管支持部材272は、給油ポンプ17aの下端に取り付けられている。図8は、給油ポンプ17aに取り付けられた細管支持部材272の縦断面図である。
細管支持部材272は、図7に示されるように、略円柱形状を有し、主として、側板273と、ストレーナ274とからなる。側板273は、円柱状に成形された板部材である。側板273は、給油細管71の下端部71aが貫通するための下端部貫通孔273aを有している。側板273は、その上端に固定用磁石73aが取り付けられている。ストレーナ274は、円形の金属メッシュである。ストレーナ274は、側板273の下端に取り付けられている。
細管支持部材272は、側板273の固定用磁石73aによって、給油ポンプ17aの下端面に取り付けられている。給油細管71の細管吸入口71b、および、給油ポンプ17aの給油口である主給油路吸入口61aは、細管支持部材272の内部空間に位置している。
(2)圧縮機の特徴
本実施形態に係るスクロール圧縮機101では、給油細管71の細管吸入口71bおよび主給油路吸入口61aは、細管支持部材272によって囲われている。これにより、図8の矢印に示されるように、油溜まり空間10aの潤滑油が給油細管71内に流入する前に、潤滑油に含まれるゴミは、ストレーナ274を通過する際に濾されて除去される。そのため、ストレーナ274によって、潤滑油に含まれるゴミが給油細管71内に流入して給油細管71が詰まり、圧縮機構15への給油が阻害されることが抑制される。また、本実施形態では、ストレーナ274によって、潤滑油に含まれるゴミが給油ポンプ17aによって吸い上げられて、クランク軸17と旋回スクロール26の上端軸受26cとの摺接面等が詰まることも抑制される。また、第1実施形態と同様に、スクロール圧縮機101の運転中における給油細管71の振動が細管支持部材272によって抑えられるので、給油細管71の疲労破壊の進行が抑制される。従って、本実施形態に係る圧縮機は、圧縮機構15に潤滑油をより安定的に供給することができる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明したが、本発明の具体的構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変更可能である。以下、本発明の実施形態に係る圧縮機に対する適用可能な変形例について説明する。
(1)変形例A
第1乃至第3実施形態では、圧縮機として、固定スクロール部品24と旋回スクロール部品26とから構成される圧縮機構15を備えるスクロール圧縮機101が用いられているが、他のタイプの圧縮機構を備える圧縮機が用いられてもよい。例えば、ロータリー式の圧縮機やレシプロ式の圧縮機が用いられてもよい。
(2)変形例B
第1実施形態では、細管支持部材72は、主として、底板73と、ストレーナ74と、頭板75とからなり、底板73および頭板75は、板部材で成形されているが、底板73は、ストレーナ74と同様に、金属メッシュ等の多数の隙間を有する部材で成形されてもよい。この場合、油溜まり空間10aの潤滑油は、底板73を通過して給油細管71内に流入することができる。
(3)変形例C
第2実施形態では、細管支持部材172は、よどみ囲い部173を有する。よどみ囲い部173は、給油細管71の細管吸入口71bを一部囲う板部材である。よどみ囲い部173によって囲われていない部分において、潤滑油は、細管吸入口71bに向かって流れる。
しかし、細管支持部材172は、図9に示されるように、よどみ囲い部173によって細管吸入口71bが囲われていない部分に、金属メッシュ等で成形されるストレーナ174が設けられてもよい。この場合、給油細管71の細管吸入口71bは、細管支持部材172によって完全に囲われた空間に位置している。
(4)変形例D
第1乃至第3実施形態では、スクロール圧縮機101は、圧縮機構15から高圧空間S1に吐出された圧縮冷媒を下方に導くガスガイドを有する。ガスガイドは、圧縮冷媒を鉛直方向下方に導く流れを生じさせるが、同時に、ケーシング10の周方向に沿った水平方向の圧縮冷媒の流れを生じさせてもよい。この場合、ガスガイドからケーシング10の周方向に吐出された圧縮冷媒は、ケーシング10の内周面に沿って流れながら、徐々に鉛直方向下方に向かう。このとき、遠心力によって圧縮冷媒に含まれる油滴状態の潤滑油がケーシング10の内周面に向かって飛ばされる。ケーシング10の内周面に付着した潤滑油は、落下して油溜まり空間10aに戻される。また、ケーシング10の内周面に沿って下降しながら流れる圧縮冷媒は、油溜まり空間10aの潤滑油の液面に到達した際に、ケーシング10の周方向に沿った潤滑油の流れを生じさせる。
そこで、第2実施形態における細管支持部材172は、上述したケーシング10の周方向に沿った潤滑油の流れを阻害することができる形状を有してもよい。このような形状を有する細管支持部材372が取り付けられたケーシング10の上面図を図10に示す。図10の矢印に示されるケーシング10の周方向に沿った潤滑油の流れは、細管支持部材372のよどみ囲い部373によって阻害される。これにより、ケーシング10の周方向に沿って潤滑油と共に流れるゴミが細管吸入口71bに接近して給油細管71内に流入することが阻害される。
(5)変形例E
第3実施形態では、給油細管71は、ケーシング10の内壁面の近傍から細管支持部材272の側板273に向かって延びて細管支持部材272に支持されているが、図11に示されるように、下部軸受60に支持された給油細管471が、側板273に向かって延びて細管支持部材272に支持されていてもよい。
本変形例では、下部軸受60は、L字型の下部給油流路60aを有し、下部給油流路60aは、第1給油細管471および第2給油細管472に接続されている。第1給油細管471は、第1実施形態の給油細管71と同様に、ハウジング23の細管貫通孔23aを貫通して、固定スクロール24のスクロール給油路24cの開口部に接続されている。また、第1給油細管471は、下部軸受60の近傍で水平方向に延びて、下部給油流路60aの上側の開口部に接続されている。一方、第2給油細管472は、下部軸受60の下部給油流路60aの下側の開口部に接続され、側板273の下端部貫通孔273aを貫通している。
本変形例では、第1給油細管471は、ハウジング23および下部軸受60によって支持され、第2給油細管472は、下部軸受60および細管支持部材272によって支持されている。第2給油細管472は、第1実施形態の給油細管71よりも短いので、スクロール圧縮機101の運転中における振動の振幅もより小さい。そのため、第2給油細管472は、第1実施形態の給油細管71と比較して、疲労破壊の進行がより効果的に抑制される。
本発明に係る圧縮機は、圧縮機構に潤滑油を安定的に供給することができる。
10 ケーシング
10a 油溜まり空間
15 圧縮機構
17 クランク軸
17a 給油ポンプ(内部部材)
26c 上端軸受(軸受)
61 主給油路(給油路)
61a 主給油路吸入口(クランク軸吸入口)
71 給油細管
71a 下端部
71b 細管吸入口
72 細管支持部材
73a 固定用磁石
74 ストレーナ
101 スクロール圧縮機(圧縮機)
172 細管支持部材
173 よどみ囲い(仕切り部材)
174 ストレーナ
272 細管支持部材
274 ストレーナ
P1 油戻りポイント
X クランク軸の軸心
特開2009−162078号公報

Claims (6)

  1. 油溜まり空間(10a)を底部の近傍に有するケーシング(10)と、
    前記ケーシング内に収容される圧縮機構(15)と、
    前記ケーシング内に収容され、前記油溜まり空間の潤滑油に浸漬される下端部(71a)を有し、かつ、前記油溜まり空間から前記圧縮機構に前記潤滑油を供給する給油細管(71)と、
    前記給油細管の前記下端部を支持し、かつ、前記給油細管内に前記潤滑油以外の物体が侵入することを阻止し、かつ、前記ケーシングおよび前記ケーシングに固定される部材である内部部材(17a)の少なくとも一方に固定される細管支持部材(72,172,272)と、
    を備える、圧縮機(101)。
  2. 前記細管支持部材は、前記ケーシングおよび前記内部部材の少なくとも一方に、固定用磁石(73a)によって固定される、
    請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記細管支持部材は、前記給油細管の前記油溜まり空間における開口部である細管吸入口(71b)を囲い、かつ、前記潤滑油以外の物体の通過を阻止する部材であるストレーナ(74,174,274)を有する、
    請求項1または2に記載の圧縮機。
  4. 前記圧縮機構を駆動し、かつ、前記油溜まり空間から流入する潤滑油が流れる給油路(61)を内部に有するクランク軸(17)をさらに備え、
    前記圧縮機構は、前記クランク軸と摺動し、かつ、前記給油路を流れる潤滑油が供給される軸受(26c)を有し、
    前記細管支持部材は、前記クランク軸の前記油溜まり空間における開口部であるクランク軸吸入口(61a)をさらに囲う、
    請求項3に記載の圧縮機。
  5. 前記細管吸入口は、前記クランク軸の軸心(X)に対して、前記給油路を流れて前記軸受に供給された前記潤滑油が前記油溜まり空間に戻される油戻りポイント(P1)の反対側に位置している、
    請求項4に記載の圧縮機。
  6. 前記細管支持部材は、前記油溜まり空間の中央部から前記給油細管の前記下端部に向かう前記潤滑油の流れを抑制する仕切り部材(173)を有する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の圧縮機。
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