JPH1047269A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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Publication number
JPH1047269A
JPH1047269A JP20378196A JP20378196A JPH1047269A JP H1047269 A JPH1047269 A JP H1047269A JP 20378196 A JP20378196 A JP 20378196A JP 20378196 A JP20378196 A JP 20378196A JP H1047269 A JPH1047269 A JP H1047269A
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JP
Japan
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oil
receiving cylinder
frame
oil receiving
scroll compressor
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Pending
Application number
JP20378196A
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English (en)
Inventor
Koji Masumoto
浩二 増本
Kenji Yano
賢司 矢野
Hiroshi Nakajima
浩史 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑油の枯渇に起因する摺動部分の焼き付き
損傷事故を防止できる、信頼性の高いスクロール圧縮機
を提供する。 【解決手段】 第1フレーム3を上下に貫通する排油孔
3dの下方に配置された有底筒状の油受け筒体30と、
主軸5に設けられた第1バランサ17の外周を囲んで配
置された円筒状のバランサカバー31と、油受け筒体3
0の内部と油溜め20の近傍とを連通する排油パイプ3
2とを設け、油受け筒体30とバランサカバー31とを
一体に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば冷凍機や
空気調和機に用いられるスクロール圧縮機の改良に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のスクロール圧縮機として
は、図19に示すように、例えば特開平4−35878
4号公報に開示されたものが挙げられる。図19におい
て、1は固定スクロールであり、その下部に板状渦巻歯
1aが形成されていて、例えばボルト止めで第1フレー
ム3に締結されている。2は揺動スクロールであり、そ
の上部に固定スクロール1の板状渦巻歯1aと同形状の
板状渦巻歯2aを有するとともに下部には中空ボス部2
bを有し、この中空ボス部2bの内部には揺動軸受2c
が形成されている。また、揺動スクロール2のスラスト
面2dは、第1フレーム3のスラスト面3bで摺動自在
に軸方向支持されている。
【0003】5は主軸であり、その上端部近傍が第1フ
レーム3の主軸受3aに回転自在に支持され、その下端
部が第2フレーム4のスラスト軸受4aに回転自在にス
ラスト支持されている。6はオルダム継手であり、その
下方に形成された爪6aは第1フレーム3に形成された
案内溝3cに往復運動自在に嵌合し、上方に形成された
爪6bは揺動スクロール2のスラスト面2dに形成され
た案内溝2eに往復運動自在に嵌合している。7は円筒
状のスライダであり、その中空部7aには主軸5の上端
に形成された偏心軸部5aが挿入されており、その外周
面7bは揺動スクロール2の揺動軸受2cに回転自在に
嵌合している。
【0004】また、80は密閉容器であり、円筒状のセ
ンターシェル8(容器本体)、上部のアッパーシェル8
a、及び下部のロアーシェル8bから構成され、ロアー
シェル8bの内方には油溜め20が形成されている。9
は油溜め20内の潤滑油に浸漬されたポンプであり、こ
のポンプ9と、主軸5を軸方向に貫通して形成された給
油孔5bとから、給油機構が構成されている。
【0005】12は第1フレーム3と第2フレーム4と
の間のセンターシェル8内に配備されたステータ、13
は主軸5に固着されステータ12とともに電動機14を
構成するロータ、15は冷媒吸入管、16は冷媒吐出管
である。17はロータ13上方の主軸5に取り付けられ
た第1バランサ、18はロータ13下方の主軸5に取り
付けられた第2バランサ、19は固定スクロール1の板
状渦巻歯1aと揺動スクロール2の板状渦巻歯2aとが
互いに組み合わされて形成される平面視三日月状の圧縮
室である。なお、図示を省略したが、揺動軸受2c、ス
ラスト面2dなどの摺動部分を潤滑した潤滑油を第1フ
レーム3の下方へ戻すための排油孔が、第1フレーム3
を上下に貫通して設けられている。
【0006】次に動作について説明する。主軸5が電動
機14によって駆動されると、主軸5の回転に同期して
スライダ7が公転する。すると、オルダム継手6によっ
て自転が防止されている揺動スクロール2は、公転運動
ではなく揺動運動をなし、この揺動運動によって、揺動
スクロール2と固定スクロール1とから形成されている
圧縮室19の容積が減少し、圧縮動作が実現する。この
際、冷媒ガスの圧縮負荷は揺動スクロール2の板状渦巻
歯2aを介してスライダ7に伝わり、さらに、主軸5の
偏心軸部5aに伝わる。そして、この偏心軸部5aに作
用する負荷に応じて、第1フレーム3の主軸受3aと第
2フレーム4のスラスト軸受4aとに軸受負荷が発生す
るのである。
【0007】次に潤滑油の流れについて説明する。主軸
5の回転に伴うポンプ9の作用により、油溜め20内の
潤滑油は主軸5の給油孔5bを通じて、揺動軸受2c、
主軸受3a、スラスト軸受4a、スラスト面2dなどの
摺動部分へ供給される。そして、摺動部分を潤滑した潤
滑油は、重力によって油溜め20へ戻される。また、冷
媒ガスは冷媒吸入管15から密閉容器80内へ吸入さ
れ、電動機14を冷却したのち、圧縮室19へ吸入され
て圧縮され、冷媒吐出管16を通じて外部へ送出され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のスクロール圧縮
機は以上のように構成されているので、揺動軸受2c、
主軸受3a、スラスト面2dを潤滑した潤滑油が油溜め
20へ戻る途中で、回転している第1バランサ17と衝
突して飛沫化したり、密閉容器80内を高速で流動する
冷媒ガスに巻き上げられたりして、冷媒ガスとともに圧
縮室19へ吸入され、冷媒吐出管16を通じて密閉容器
80外へ排出されて、いわゆる油上がりを起こす危険性
が大きかった。そして、油上がりによって油溜め20内
の潤滑油が枯渇すると、揺動軸受2c、主軸受3a、ス
ラスト面2d、スラスト軸受4aなどの摺動部分の潤滑
が不充分となって、これらの摺動部分が焼き付き損傷事
故を起こすことになっていた。また、油上がりによる事
故を防ぐ目的で、冷媒吐出管16の下流側に油分離器を
設けた場合は、高価な油分離器のために設備コストが高
騰することになっていた。
【0009】また、前記排油孔の下方に潤滑油を油溜め
20近傍まで導くための排油パイプ(不図示)を連設す
ることもあったが、この場合、第1フレーム3に排油孔
が複数形成されていると、各排油孔にそれぞれ排油パイ
プを設けなければならないことになって、部品点数が増
えてコスト高になるとともに、スクロール圧縮機の組立
時間も長くなっていた。
【0010】また、電動機14のステータ12に接続さ
れているリード線が、回転している第1バランサ17に
巻き込まれて切断されたり、リード線が第1フレーム3
と擦れ合って絶縁が悪くなったりする事故が生じる危険
性もあった。また、このような事故を防止するために、
高価なリード線保護具を必要とすることもあった。
【0011】また、スクロール圧縮機の組み立て時や冷
凍装置などのユニット組み立て時に発生するスラッジや
異物等が圧縮機内部へ侵入し、ポンプ9により潤滑油と
ともに揺動軸受2c、主軸受3a、スラスト軸受4a、
スラスト面2dまで運ばれ、揺動軸受2c、主軸受3
a、スラスト軸受4a、スラスト面2dなどの摺動部分
が、スラッジや異物等の噛み込みに起因する焼き付き損
傷事故を起こす危険もあった。また、このような事故を
防止するために、高価なスラッジフィルタを必要とする
こともあった。
【0012】この発明は以上のような問題点を解消する
ためになされたものであって、潤滑油の枯渇やスラッジ
や異物等の噛み込みなどに起因する摺動部分の焼き付き
損傷事故や、電動機ステータへのリード線切断事故など
を防止できる、信頼性の高いスクロール圧縮機の提供を
目的とするものである。また、部品点数や周辺機器の点
数を減らして低コスト化と組立時間の短縮とが図れるス
クロール圧縮機の提供を目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、この発明は、底部に油溜めが形成された密閉容器
と、密閉容器内の上部に配置され互いに組み合わされて
圧縮室を形成する固定スクロール及び揺動スクロール
と、密閉容器の上部内面に固定され揺動スクロールを摺
動自在に支持する第1フレームと、上下方向に延在し上
端部が揺動スクロールに摺動自在に連結されるとともに
上端部近傍が第1フレームに設けられた主軸受に回転自
在に支持された主軸と、第1フレームよりも下方に設け
られ主軸の下端部を回転自在にスラスト支持する第2フ
レームと、第1フレームと第2フレームとの間の主軸に
バランサとともに固着されたロータ及びこのロータの外
周を囲んで配置されたステータから構成される電動機
と、油溜め内の潤滑油を少なくとも揺動スクロールの摺
動部分に供給する給油機構と、給油機構によって供給さ
れた潤滑油を第1フレームの下方に排出するように第1
フレームに形成された排油孔とを有したスクロール圧縮
機において、排油孔の下方に配置された有底筒状の油受
け筒体と、バランサの外周を囲んで配置された円筒状の
バランサカバーと、油受け筒体の内部と油溜めの近傍と
を連通する排油パイプとを設け、油受け筒体とバランサ
カバーとを一体に形成したものである。
【0014】また、前記構成において、油受け筒体の底
壁を主軸受の下方まで延長して、主軸受から漏れ出た潤
滑油も油受け筒体で受け止めるように構成したものであ
る。
【0015】また、前記構成において、油受け筒体をシ
ール材を介して第1フレームに取り付けたものである。
【0016】また、前記構成において、密閉容器の側壁
に接続された吸入管からの冷媒を上下に分流する分流チ
ャンバーを油受け筒体及びバランサカバーと一体に形成
したものである。
【0017】また、前記構成において、バランサカバー
の外周面と油受け筒体の外周面との少なくともいずれか
一方にリード線固定具を一体に形成し、リード線固定具
を用いてステータのリード線を固定したものである。
【0018】また、前記構成において、油受け筒体及び
バランサカバーを合成樹脂により成形したものである。
【0019】また、前記構成において、排油パイプの内
部もしくは開口端部に潤滑油中のスラッジを捕捉可能な
フィルタを設けたものである。
【0020】また、前記構成において、排油パイプの上
端開口を油受け筒体の底壁から上方に離れた位置に配し
たものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。但し、以下の実施の形態に係る
各図面における、従来技術に係る図19と同一もしくは
相当する構成要素には同一の符号を付して、説明は省略
する。
【0022】実施の形態1.図1,図2,図3は請求項
1に記載の発明の実施の形態を示すものである。図1に
おいて3dは第1フレーム3を上下に貫通して形成され
た排油孔、30は排油孔3dの下方に配置された有底筒
状の油受け筒体、31は第1バランサ17の外周を囲ん
で配置された円筒状のバランサカバー、32は油受け筒
体30の内部と油溜め20の近傍とを連通する排油パイ
プである。
【0023】油受け筒体30とバランサカバー31とは
一体に形成されている。また、油受け筒体30の底壁3
0aに形成された主軸孔33に主軸5が挿通されてい
る。そして、油受け筒体30とバランサカバー31と
は、油受け筒体30の底壁30aに形成された取付孔3
4に挿通したボルトによって、第1フレーム3の下端部
に取り付けられている。
【0024】以上のように構成されているので、各摺動
部分を潤滑した潤滑油が排油孔3dによって第1フレー
ム3の下方へ排出されると、この潤滑油は油受け筒体3
0に受け止められ、次いで排油パイプ32内を流下し
て、油溜め20の近傍まで導かれる。したがって、従来
のように排油孔3dからの潤滑油が回転する第1バラン
サ17と衝突したり密閉容器80内を流動する冷媒ガス
に巻き上げられたりして圧縮室19に吸入され、密閉容
器80外へ吐出されることがなくなるので、潤滑油の枯
渇に起因する、揺動軸受2c、スラスト面2d、主軸受
3a、スラスト軸受4aなどの摺動部分の焼き付き損傷
事故を防止できる。
【0025】また、油受け筒体30とバランサカバー3
1とが一体となっているため、別個に形成されている場
合に比べて部品点数を少なくでき、低コスト化と圧縮機
組み立て作業時間の短縮が図れる。また、油上りによる
事故を防ぐために高価な油分離器を設けた場合に比べ
て、設備コストの低減が図れる。
【0026】なお、図1には第1フレーム3に1つの排
油孔3dが形成されている場合を示したが、第1フレー
ム3に複数の排油孔3dが形成されている場合でも排油
パイプ32は1本だけで済むため、排油孔3dの数だけ
排油パイプが必要だった従来に比べて、コストの低減と
組立時間の短縮とが図れる。また、図1では油受け筒体
30をボルトによって第1フレーム3に固定したが、第
1フレーム3に固定できるものであれば、どのようなも
のを用いて油受け筒体30を固定してもよい。
【0027】実施の形態2.図4,図5,図6は請求項
2に記載の発明の実施の形態を示すものである。図に示
すように、この実施の形態では、油受け筒体30の底壁
30aを主軸受3aの下方まで延長して(すなわち主軸
孔33の直径が主軸受3aの直径よりも小さくなるよう
に形成して)、主軸受3aから漏れ出た潤滑油も、油受
け筒体30に受け止められるように構成されている。
【0028】したがって、実施の形態1の効果に加え、
主軸受3aから漏れ出た潤滑油も、圧縮室19に吸入さ
れることなく確実に油溜め20に戻されることになるた
め、油上がりに起因する摺動部分の焼き付き損傷事故を
より一層防止できる効果が奏せられる。
【0029】実施の形態3.図7,図8は請求項3に記
載の発明の実施の形態を示すものである。図において、
35は第1フレーム3の下面と油受け筒体30の底壁3
0aとの間に設けられた第1シール材、36は第1フレ
ーム3の側面と油受け筒体30の周壁30bとの間に設
けられた第2シール材である。なお、第1シール材35
及び第2シール材36としては、ゴム製のOリングが用
いられている。
【0030】以上のように構成されているので、第1シ
ール材35及び第2シール材36によって、油受け筒体
30と第1フレーム3との隙間からの潤滑油の漏れが防
止されることになって、漏れ出た潤滑油が圧縮室19へ
吸入されて密閉容器80外へ吐出されることもなくなる
ので、実施の形態1の効果をより一層顕著なものとする
ことができる。
【0031】なお、この実施の形態では第1シール材3
5、第2シール材36としてOリングを用いた例を示し
たが、これ以外にも、油受け筒体30と第1フレーム3
との隙間をシールできれば、どのようなものを用いても
よく、例えばシートパッキンを用いることも考えられ
る。また、第1シール材35のみを設けたり、あるいは
第2シール材36のみを設けたりした場合にも、ほぼ同
様の効果が奏せられる。
【0032】実施の形態4.図9,図10は請求項4に
記載の発明の実施の形態を示すものである。図9に示す
ように、この実施の形態では、分流チャンバー37が、
油受け筒体30及びバランサカバー31と一体に形成さ
れている。分流チャンバー37はバランサカバー31の
外周面から外向きに延設されていて、センターシェル8
の内周面に密着する状態で、冷媒吸入管15の開口を覆
っている。
【0033】図10に示すように、分流チャンバー37
の、センターシェル8内周面に臨む外端面は開口してお
り、その内部には冷媒の分岐室37aが形成されてい
る。また、分岐室37aの上下の壁はそれぞれコ字状に
切り欠かれて、センターシェル8内周面との間に下方分
流孔37bと上方分流孔37cとが形成されている。
【0034】以上のように構成されているので、冷媒吸
入管15からの低温のガス冷媒は、先ず分岐室37aに
導入され、その一部は下方分流孔37bから出て、ステ
ータ12の背部及びステータコイルの下端部を冷却しな
がら下降したのち、上昇して圧縮室19に吸入される。
したがって、ガス冷媒によって電動機14を効果的に冷
却できることになって、電動機14の焼き付き事故を起
こすことのない、信頼性の高いスクロール圧縮機とする
ことができる。また、分流チャンバー37を油受け筒体
30及びバランサカバー31と一体に形成したので、別
個に形成した場合に比べて、部品点数が少なくなり、低
コスト化と圧縮機組み立て作業の時間短縮が図れる。
【0035】実施の形態5.図11,図12,図13は
請求項5に記載の発明の実施の形態を示すものである。
これらの図に示すように、この実施の形態では、バラン
サカバー31の外周面にリード線固定具38が一体に形
成され、このリード線固定具38によってステータ12
のリード線12aがバランサカバー31に固定されてい
る。
【0036】したがって、リード線12aが弛んで、回
転している第1バランサ17に巻き込まれて切断された
り、第1フレーム3と擦れ合って絶縁が悪くなったりす
ることを防止できて、信頼性の高いスクロール圧縮機が
得られる。また、高価なリード線保護具が必要なくなる
ので、部品点数を少なくでき、低コスト化も図れる。
【0037】なお、この実施の形態ではリード線固定具
38をバランサカバー31の外周面に形成したが、リー
ド線固定具は油受け筒体30の外周面に形成してもよ
く、また、油受け筒体30の外周面とバランサカバー3
1の外周面との両方に形成してもよい。
【0038】実施の形態6.図14は請求項6に記載の
発明の実施の形態を示すものである。この実施の形態で
は、油受け筒体30とバランサカバー31とが、合成樹
脂を用いて一体に成形されている。したがって、例えば
金属で形成する場合のように、油受け筒体30とバラン
サカバー31とを別個の部品として製造し、その後、油
受け筒体30とバランサカバー31とをボルト止めや溶
接等によって一体化する必要がなくなるので、製造時間
の短縮と低コスト化とが図れる。また、合成樹脂を用い
ることにより油受け筒体30及びバランサカバー31の
軽量化が図れ、圧縮機の組み立て作業性も向上できる。
【0039】実施の形態7.図15は請求項7に記載の
発明の実施の形態を示すものである。この実施の形態で
は、図15に示すように、排油パイプ32の内部に、ス
ラッジを捕捉可能なフィルタ39が設けられている。し
たがって、油受け筒体30に受け止められた潤滑油は、
排油パイプ32を流下する際に、混入しているスラッジ
や異物等をフィルタ39によって捕捉・分離されるの
で、油溜め20にはスラッジや異物等が戻らず、給油機
構によって摺動部分に供給される潤滑油へのスラッジや
異物等の混入もなくなるので、スラッジや異物等の噛み
込みに起因する摺動部分の焼き付きを防止でき、信頼性
の高いスクロール圧縮機とすることができる。また、高
価なスラッジフィルタを設けた場合に比べて、設備の低
コスト化が図れる。
【0040】なお、この実施の形態では、フィルタ39
を排油パイプ32の内部に設けたが、フィルタは排油パ
イプ32の上端開口もしくは下端開口に取り付けてもよ
い。
【0041】実施の形態8.図16は請求項8に記載の
発明の実施の形態を示すものである。この実施の形態で
は、図16に示すように、排油パイプ32が、その上端
開口32aが油受け筒体30の底壁30aから上方に離
れた位置に配されるように設けられている。したがっ
て、油受け筒体30に受け止められた潤滑油は、上端開
口32aの高さまで溜まったのちに排油パイプ32から
排出される。このため、スラッジや異物等は油受け筒体
30の底部に溜まり、排油パイプ32からは排出されな
いことになって、油溜め20へスラッジや異物等の戻る
ことが防止されるので、ポンプ9及び給油孔5bによっ
て各摺動部分に供給される潤滑油へのスラッジや異物等
の混入がなくなり、スラッジや異物等の噛み込みに起因
する摺動部分の焼き付き損傷事故を防止することがで
き、スクロール圧縮機の信頼性が高められる。また、ま
た、高価なスラッジフィルタを設けた場合に比べて、設
備の低コスト化が図れる。
【0042】なお、図17に示したように、排油パイプ
32の上端開口32a近傍部分を上向きに折り曲げれ
ば、油受け筒体30内の潤滑油の油面が高くなるので、
油溜め20へスラッジや異物等の戻りがより一層防止さ
れて、スクロール圧縮機の信頼性がさらに高められる。
また、図18に示したように、油受け筒体30の底壁3
0aの一部に下向きに凹んだトラップ部30cを形成す
れば、このトラップ部30cにスラッジや異物等が収容
されるので、油溜め20へスラッジや異物等の戻りがよ
り一層防止されて、スクロール圧縮機の信頼性がさらに
高められる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係るス
クロール圧縮機によれば、給油機構によって少なくとも
揺動スクロールの摺動部分に供給された潤滑油は、排油
孔を通じて第1フレームの下方に排出されると油受け筒
体に受け止められ、次いで排油パイプを通じて油溜めの
近傍まで導かれる。したがって、従来のように排油孔か
らの潤滑油が回転するバランサと衝突したり冷媒ガスに
巻き上げられたりして飛沫化し、圧縮室に吸入されて密
閉容器外へ吐出されることがなくなり、油上がりが抑制
されるので、潤滑油枯渇による摺動部分の焼き付き損傷
事故を防止でき、信頼性の高いスクロール圧縮機とする
ことができる。また、第1フレームに複数の排油孔が設
けられている場合でも、排油パイプは1本で済むため、
コストの低減と組立時間の短縮とが図れる。さらに、油
受け筒体とバランサカバーとが一体に形成されているた
め、別個に形成した場合に比べて部品点数を少なくで
き、低コスト化と組立時間の短縮とが図れる。
【0044】また、油受け筒体の底壁が主軸受の下方ま
で延長されているので、主軸受から漏れた潤滑油も油受
け筒体に受け止められ、排油パイプを通じて油溜めの近
傍まで導かれる。したがって、油上がりに起因する摺動
部分の焼き付き損傷事故を一層防止できる信頼性の高い
スクロール圧縮機とすることができる。
【0045】また、油受け筒体がシール材を介して第1
フレームに取り付けられており、シール材によって油受
け筒体と第1フレームとの隙間からの潤滑油の漏れが防
止されるので、油上がりに起因する摺動部分の焼き付き
損傷事故をより一層防止できる信頼性の高いスクロール
圧縮機とすることができる。
【0046】また、吸入管からの冷媒が分流チャンバー
によって上下に分流されるので、冷媒の一部が下向きに
流れてステータの外周部やステータコイルの下端部を冷
却したのち上昇して圧縮室へ吸入されることになって、
効果的に電動機を冷却でき、信頼性の高いスクロール圧
縮機とすることができる。また、分流チャンバーは油受
け筒体及びバランサカバーと一体に形成されているの
で、別個に形成した場合に比べて部品点数を少なくで
き、低コスト化と組立時間の短縮とが図れる。
【0047】また、ステータのリード線が、バランサカ
バーの外周面と油受け筒体の外周面との少なくともいず
れか一方に設けられたリード線固定具によって固定され
ているので、リード線の弛み等によるバランサとの干渉
や第1フレームとの擦れを防止でき、信頼性の高いスク
ロール圧縮機とすることができる。また、リード線保護
具等を用いる必要がなくなるので、部品点数を少なくで
き、低コスト化が図れる。
【0048】また、油受け筒体及びバランサカバーが合
成樹脂により成形されているので、金属で形成されてい
る場合のように、別々に製造した油受け筒体とバランサ
カバーとを例えばボルト止めや溶接等によって一体化す
る必要がなくなり、製造時間の短縮と低コスト化とが図
れる。また、合成樹脂で成形することにより部品の軽量
化が図れ、圧縮機の組立作業性も向上することができ
る。
【0049】また、潤滑油中のスラッジや異物等が排油
パイプの内部もしくは開口端部に設けたフィルタによっ
て捕捉・分離されるので、潤滑油とともに油溜めに戻る
ことがなくなる。したがって、給油機構によって摺動部
分に供給される潤滑油へのスラッジや異物等の混入もな
くなるので、スラッジや異物等の噛み込みに起因する摺
動部分の焼き付きを防止でき、信頼性の高いスクロール
圧縮機とすることができる。また、高価なスラッジフィ
ルタを別に設ける必要がなくなるため、設備の低コスト
化が図れる。
【0050】また、排油パイプの上端開口を油受け筒体
の底壁から上方に離れた位置に配したので、潤滑油中の
比重が大きいスラッジや異物等は油受け筒体の底部に溜
まることになり、潤滑油とともに油溜めに戻ることがな
くなる。したがって、給油機構によって摺動部分に供給
される潤滑油へのスラッジや異物等の混入もなくなるの
で、スラッジや異物等の噛み込みに起因する摺動部分の
焼き付きを防止でき、信頼性の高いスクロール圧縮機と
することができる。また、高価なスラッジフィルタを別
に設ける必要がなくなるため、設備の低コスト化が図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るスクロール圧
縮機の縦断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る油受け筒体及
びバランサカバーの縦断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る油受け筒体の
平面図である。
【図4】 この発明の実施の形態2に係るスクロール圧
縮機の縦断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態2に係る油受け筒体及
びバランサカバーの縦断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態2に係る油受け筒体の
平面図である。
【図7】 この発明の実施の形態3に係るスクロール圧
縮機の縦断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態3に係るスクロール圧
縮機の要部拡大縦断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態4に係るスクロール圧
縮機の縦断面図である。
【図10】 この発明の実施の形態4に係る分流チャン
バーの斜視図である。
【図11】 この発明の実施の形態5に係るスクロール
圧縮機の縦断面図である。
【図12】 この発明の実施の形態5に係る油受け筒体
の要部平面図である。
【図13】 この発明の実施の形態5に係る油受け筒体
の要部斜視図である。
【図14】 この発明の実施の形態6に係る油受け筒体
及びバランサカバーの縦断面図である。
【図15】 この発明の実施の形態7に係るスクロール
圧縮機の要部縦断面図である。
【図16】 この発明の実施の形態8に係るスクロール
圧縮機の要部縦断面図である。
【図17】 この発明の実施の形態8の変形例に係るス
クロール圧縮機の要部縦断面図である。
【図18】 この発明の実施の形態8の別の変形例に係
るスクロール圧縮機の要部縦断面図である。
【図19】 従来のスクロール圧縮機の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 固定スクロール、2 揺動スクロール、3 第1フ
レーム、3a 主軸受、3d 排油孔、4 第2フレー
ム、4a スラスト軸受、5主軸、12 ステータ、1
3 ロータ、14 電動機、17 第1バランサ、19
圧縮室、20 油溜め、30 油受け筒体、30a
底壁、31 バランサカバー、32排油パイプ、32a
上端開口、35 第1シール材、36 第2シール
材、37 分流チャンバー、38 リード線固定具、8
0 密閉容器。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底部に油溜めが形成された密閉容器と、
    前記密閉容器内の上部に配置され互いに組み合わされて
    圧縮室を形成する固定スクロール及び揺動スクロール
    と、前記密閉容器の上部内面に固定され前記揺動スクロ
    ールを摺動自在に支持する第1フレームと、上下方向に
    延在し上端部が前記揺動スクロールに摺動自在に連結さ
    れるとともに上端部近傍が前記第1フレームに設けられ
    た主軸受に回転自在に支持された主軸と、前記第1フレ
    ームよりも下方に設けられ前記主軸の下端部を回転自在
    にスラスト支持する第2フレームと、前記第1フレーム
    と前記第2フレームとの間の前記主軸にバランサととも
    に固着されたロータ及びこのロータの外周を囲んで配置
    されたステータから構成される電動機と、前記油溜め内
    の潤滑油を少なくとも前記揺動スクロールの摺動部分に
    供給する給油機構と、前記給油機構によって供給された
    潤滑油を前記第1フレームの下方に排出するように前記
    第1フレームに形成された排油孔とを有したスクロール
    圧縮機において、 前記排油孔の下方に配置された有底
    筒状の油受け筒体と、前記バランサの外周を囲んで配置
    された円筒状のバランサカバーと、前記油受け筒体の内
    部と前記油溜めの近傍とを連通する排油パイプとを設
    け、前記油受け筒体と前記バランサカバーとを一体に形
    成したことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 油受け筒体の底壁を主軸受の下方まで延
    長して、前記主軸受から漏れ出た潤滑油も前記油受け筒
    体で受け止めるように構成した請求項第1項に記載のス
    クロール圧縮機。
  3. 【請求項3】 油受け筒体をシール材を介して第1フレ
    ームに取り付けた請求項第1項又は第2項に記載のスク
    ロール圧縮機。
  4. 【請求項4】 密閉容器の側壁に接続された吸入管から
    の冷媒を上下に分流する分流チャンバーを油受け筒体及
    びバランサカバーと一体に形成した請求項第1項〜第3
    項のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
  5. 【請求項5】 バランサカバーの外周面と油受け筒体の
    外周面との少なくともいずれか一方にリード線固定具を
    一体に形成し、前記リード線固定具を用いてステータの
    リード線を固定した請求項第1項〜第4項のいずれかに
    記載のスクロール圧縮機。
  6. 【請求項6】 油受け筒体及びバランサカバーを合成樹
    脂により成形した請求項第1項〜第5項のいずれかに記
    載のスクロール圧縮機。
  7. 【請求項7】 排油パイプの内部もしくは開口端部に潤
    滑油中のスラッジを捕捉可能なフィルタを設けた請求項
    第1項〜第6項のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
  8. 【請求項8】 排油パイプの上端開口を油受け筒体の底
    壁から上方に離れた位置に配した請求項第1項〜第7項
    のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
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