JPH0893664A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JPH0893664A
JPH0893664A JP6224764A JP22476494A JPH0893664A JP H0893664 A JPH0893664 A JP H0893664A JP 6224764 A JP6224764 A JP 6224764A JP 22476494 A JP22476494 A JP 22476494A JP H0893664 A JPH0893664 A JP H0893664A
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frame
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昌喜 小山
Akihiko Yamamoto
明彦 山本
Muneo Mizumoto
宗男 水本
Eiichi Sato
栄一 佐藤
Shigekazu Nozawa
重和 野沢
Kazutaka Suefuji
和孝 末藤
Kensaku Kokuni
研作 小国
Yoichi Murai
洋一 村井
Satoyuki Sato
智行 佐藤
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    • F04C29/02Lubrication; Lubricant separation
    • F04C29/023Lubricant distribution through a hollow driving shaft
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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C17/00Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing
    • F01C17/06Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements
    • F01C17/066Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements with an intermediate piece sliding along perpendicular axes, e.g. Oldham coupling
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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Abstract

(57)【要約】 【目的】スクロール圧縮機における旋回スクロールの自
転防止用として設けられているオルダム機構のキーと、
このキーと摺動するフレーム側キー溝部へ効率的な給油
を行い、摺動信頼性が向上することを目的とする。 【構成】鏡板5に垂直にインボリュート曲線状に形成さ
れたラップ5aが、ほぼ同じ形状のラップ4bが形成さ
れている固定スクロール4と噛み合って旋回する旋回ス
クロール5の鏡板5a外周部と、固定スクロール4及び
フレーム8とから成る空間21のフレーム側内面に油溝
19を設け、この油溝19とオルダムリング10のキー
10bと摺動するキー溝8aとを油路20で連通する。
圧縮機の底部に溜っている潤滑油は、差圧によって主軸
9内に設けた給油孔9aから旋回スクロールの軸受部を
経由して背圧室14に導かれ、この潤滑油がバランスウ
ェイト18によって背圧室14内にはねあげられてフレ
ーム8の上方内面に付着し、内面を伝わって油溝19に
溜る。この溜った油は、油路20からキー溝8aへ導か
れキー10bとキー溝8aとの摺動部に供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスクロール圧縮機に係
り、特にオルダムリング摺動部への給油機構に関する。
【0002】
【従来の技術】冷媒圧縮機としてのスクロール圧縮機
は、旋回スクロールを支持するフレームにオルダムリン
グに設けたキーと係合するキー溝を設け、キーとの摺動
により旋回スクロールの公転運動を支持している。従
来、フレーム側オルダムリング摺動部への給油は差圧あ
るいはポンプ等を利用することにより、圧縮機底部に設
けた油溜から主軸の給油孔を通過し、旋回軸受の潤滑に
利用した油を回転する主軸に固定したバランスウェイト
の回転によってはねかけることにのみに依存していた。
より積極的にバランスウェイトにより油をはねかけるこ
とについては特開昭58−160582号公報に記載の
ように、背圧室底部に油溜を設け、この油溜に溜まる油
をバランスウェイトに設けた給油路により遠心力でミス
ト状にはねあげる構造であった。また、ミストでない油
をフレーム側オルダムキー摺動部へ供給することについ
ては、特開昭61−135994号公報に、密閉容器内
の高圧側に油室を設け、この油室に溜まる油を高圧側の
圧力との差圧を利用して供給する構造が開示されてい
る。
【0003】また、特開昭61−135994号公報に
油をフレーム側オルダムキー摺動部へ供給するために、
密閉容器内の高圧側に油室を設け、この油室に溜る油を
高圧側の圧力との差を利用して供給する構造が開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術で、オル
ダムリング摺動部への給油を、回転運動中のバランスウ
ェイトによるはねかけに依存している場合には、摺動部
へはミスト状に撹はんされた油が供給されていた。その
ため、旋回スクロールの鏡板外周部と固定スクロール及
びフレームとから成る空間に、キー溝より上部のフレー
ム内周壁に付着した油が溜り、旋回スクロールの旋回運
動の抵抗となり、効率低下の原因になるとともに、給油
量不足となることがあった。更に、差圧あるいはポンプ
等を利用することにより圧縮機底部に設けた油溜から主
軸に設けた給油孔、旋回軸受を通過し供給される油の供
給が途切れた場合、旋回軸受への給油、そして更にオル
ダムリング摺動部への給油が行われなくなるという問題
があった。
【0005】また、高圧側に溜まる油を差圧を利用して
背圧室内に供給する場合には背圧室内の中間圧力の維持
が困難であり、圧縮機運転初期のような圧力差が大きい
状態では給油が行われるものの、圧縮機の運転が続き、
圧力差が小さくなってくると給油は行われなくなる。更
に、旋回軸受への潤滑方法として差圧を利用して圧縮機
底部油溜から給油する方法をとっている場合、吐出圧力
と中間圧力との圧力差が維持できなければ圧縮機下部の
油溜からの給油も途絶えるという問題があった。
【0006】また、背圧室内に冷媒が液体のまま混入し
た場合、液冷媒の洗浄効果により、摺動部の油を洗い流
してしまい、潤滑不良の原因となっていた。特に、地球
環境に対応する冷媒(非塩素系代替冷媒)においては塩
素による潤滑効果が無いため、従来の冷媒を用いた圧縮
機に比べ、潤滑油の供給が非常に重要となっている。
【0007】本発明の目的は、以上のような問題に対
し、圧力が一定の空間での給油において、フレーム内壁
に付着し、溜まる油を特にフレーム側オルダムリング摺
動部へ集約するとともに、摺動部へ油をミストとしてで
はなく液として直接供給し、更に、油の供給が途切れた
場合にも摺動部への給油が途切れることを防ぐことがで
きる構造を提供することにある。
【0008】更に、液冷媒混入に対して、冷媒と油を分
離し、油のみを摺動部へ供給することにより、摺動部の
発熱を抑え、焼付き、かじり、摩耗を防止し、摺動信頼
性を向上することができる構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的はオルダムリン
グのキーと摺動するフレーム側のキー溝より上方に、油
を溜めるかもしくは集めて流す構造部を設け、その部分
とキー溝とを油路で連結する構造を備える装置とするこ
とにより達成される。具体的には、以下の態様がある。
【0010】(1)、板状部材にうず巻き状のラップを
有する旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップを
形成した固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、固
定スクロールを取付け固定スクロールとともに内側に空
間を有するフレームと、旋回スクロールの反ラップ面側
に設けたキー溝に係合するキー及びフレームに設けたキ
ー溝に係合するキーとを備えた旋回スクロールの自転防
止用のオルダムリングとを備えてなるスクロール圧縮機
において、前記フレームの内面に設けた油が溜る油溜ま
たはその中を油が流れる溝状の油溝と、この油溜または
油溝と前記フレームに設けたキー溝とを連結し油溜また
は油溝の油をキー溝に導く油路を設ける。
【0011】(2)、板状部材にうず巻き状のラップを
有する旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップを
形成した固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、固
定スクロールを取付け固定スクロールとともに内側に空
間を有するフレームと、旋回スクロールの反ラップ面側
に設けたキー溝に係合するキー及びフレームに設けたキ
ー溝に係合するキーとを備えた旋回スクロールの自転防
止用のオルダムリングとを備えてなるスクロール圧縮機
において、前記フレームの内面に設けた油が溜る油溜
と、この油溜に連結する溝状の油溝と、この油溝に前記
フレームに設けたキー溝とを連結し油溜の油をキー溝に
導く油路を設ける。
【0012】(3)、板状部材にうず巻き状のラップを
有する旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップを
形成した固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、固
定スクロールを取付け固定スクロールとともに内側に空
間を有するフレームと、旋回スクロールの反ラップ面側
に設けたキー溝に係合するキー及びフレームに設けたキ
ー溝に係合するキーとを備えた旋回スクロールの自転防
止用のオルダムリングとを備えてなるスクロール圧縮機
において、前記フレームに設けたキー溝の底部に下方へ
の開放部を設け、前記フレームの内面に設けた油が溜る
油溜またはその中を油が流れる溝状の油溝と、この油溜
または油溝と前記フレームに設けたキー溝とを連結し油
溜または油溝の油をキー溝に導く油路を設ける。
【0013】(4)、板状部材にうず巻き状のラップを
有する旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップを
形成した固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、固
定スクロールを取付け固定スクロールとともに内側に空
間を有するフレームと、旋回スクロールの反ラップ面側
に設けたキー溝に係合するキー及びフレームに設けたキ
ー溝に係合するキーとを備えた旋回スクロールの自転防
止用のオルダムリングとを備えてなるスクロール圧縮機
において、前記フレームに設けたキー溝の底部に下方へ
の開放部を設け、前記フレームの内面に設けた油が溜る
油溜と、この油溜に連結する溝状の油溝と、この油溝に
前記フレームに設けたキー溝とを連結し油溜の油をキー
溝に導く油路を設ける。
【0014】(5)、上記(1)または(3)におい
て、前記油溜または油溝は前記フレームに設けたキー溝
の底面より上方に形成する。◆ (6)、上記(2)または(4)において、前記油溜及
び油溝は前記フレームに設けたキー溝の底面より上方に
形成する。◆ (7)、上記(1)乃至(4)のいずれかにおいて、上
記油路の油溜または油溝側の結合部はキー溝底面より上
方に形成する。◆ (8)、上記(1)乃至(7)のいずれかにおいて、上
記油路が開放溝である。
【0015】(9)、上記(1)乃至(7)のいずれか
において、上記油路が孔である。◆ (10)、上記(3)または(4)において、前記開放
部は孔である。◆ (11)、上記(3)または(4)において、前記開放
部は前記フレームに設けたキー溝の少なくともキーとの
摺動範囲の底部に設けた。
【0016】(12)、板状部材にうず巻き状のラップ
を有する旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップ
を形成した固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、
固定スクロールを取付け固定スクロールとともに内側に
空間を有するフレームと、旋回スクロールの反ラップ面
側に設けたキー溝に係合するキー及びフレームに設けた
キー溝に係合するキーとを備えた旋回スクロールの自転
防止用のオルダムリングとを備えてなるスクロール圧縮
機において、前記フレームの内面にその中を油が流れる
溝状の油溝と、この油溝と前記フレームに設けたキー溝
とを連結し油溝の油をキー溝に導く油路とを設け、前記
油溝はその底面が前記油路との結合部側を低く形成す
る。
【0017】(13)、板状部材にうず巻き状のラップ
を有する旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップ
を形成した固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、
固定スクロールを取付け固定スクロールとともに内側に
空間を有するフレームと、旋回スクロールの反ラップ面
側に設けたキー溝に係合するキー及びフレームに設けた
キー溝に係合するキーとを備えた旋回スクロールの自転
防止用のオルダムリングとを備えてなるスクロール圧縮
機において、前記フレームの内面に設けた油が溜る油溜
またはその中を油が流れる溝状の油溝と、この油溜また
は油溝と前記フレームに設けたキー溝とを連結し油溜ま
たは油溝の油をキー溝に導く油路と、この油路に設置し
たフィルターとを備える。
【0018】(14)、板状部材にうず巻き状のラップ
を有する旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップ
を形成した固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、
固定スクロールを取付け固定スクロールとともに内側に
空間を有するフレームと、旋回スクロールの反ラップ面
側に設けたキー溝に係合するキー及びフレームに設けた
キー溝に係合するキーとを備えた旋回スクロールの自転
防止用のオルダムリングとを備えてなるスクロール圧縮
機において、前記フレームの内面に設けた油が溜る油溜
と、この油溜に連結する溝状の油溝と、この油溝に前記
フレームに設けたキー溝とを連結し油溜の油をキー溝に
導く油路と、この油路に設置したフィルターとを備え
る。
【0019】(15)、上記(13)または(14)に
おいて、前記フィルターは多孔質材からなる。◆ (16)、板状部材にうず巻き状のラップを有する旋回
スクロールと前記ラップと噛み合うラップを形成した固
定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、旋回スクロー
ルの自転防止用のオルダムリングと、前記旋回スクロー
ルを旋回運動させる偏心軸を配しその内部に潤滑油を摺
動部に導く給油孔を有する主軸と、この主軸に結合し主
軸のアンバランス調整用のバランスウェイトとを備えて
なるスクロール圧縮機において、前記バランスウェイト
に主軸の給油孔に連結し給油孔で供給される油をバラン
スウェイトの外周側に導く導油路を備える。
【0020】(17)、板状部材にうず巻き状のラップ
を有する旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップ
を形成した固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、
旋回スクロールの自転防止用のオルダムリングと、前記
旋回スクロールを旋回運動させる偏心軸を配しその内部
に潤滑油を摺動部に導く給油孔を有する主軸と、この主
軸に結合し主軸のアンバランス調整用のバランスウェイ
トとを備えてなるスクロール圧縮機において、前記バラ
ンスウェイトに前記旋回スクロールに設けた偏心軸との
係合部に主軸の給油孔から供給される油をバランスウェ
イトの外周側に導く導油路を備える。
【0021】(18)、板状部材にうず巻き状のラップ
を有する旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップ
を形成した固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、
固定スクロールを取付け固定スクロールとともに内側に
空間を有するフレームと、旋回スクロールの反ラップ面
側に設けたキー溝に係合するキー及びフレームに設けた
キー溝に係合するキーとを備えた旋回スクロールの自転
防止用のオルダムリングと、前記旋回スクロールを旋回
運動させる偏心軸を配しその内部に潤滑油を摺動部に導
く給油孔を有する主軸と、この主軸に結合し主軸のアン
バランス調整用のバランスウェイトとを備えてなるスク
ロール圧縮機において、前記バランスウェイトに主軸の
給油孔に連結し給油孔で供給される油をバランスウェイ
トの外周側に導く導油路を備えて成り、前記フレームの
内面に設けた油が溜る油溜と、この油溜と前記フレーム
に設けたキー溝とを連結し油溜の油をキー溝に導く油路
を設ける。
【0022】(19)、板状部材にうず巻き状のラップ
を有する旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップ
を形成した固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、
固定スクロールを取付け固定スクロールとともに内側に
空間を有するフレームと、旋回スクロールの反ラップ面
側に設けたキー溝に係合するキー及びフレームに設けた
キー溝に係合するキーとを備えた旋回スクロールの自転
防止用のオルダムリングと、前記旋回スクロールを旋回
運動させる偏心軸を配しその内部に潤滑油を摺動部に導
く給油孔を有する主軸と、この主軸に結合し主軸のアン
バランス調整用のバランスウェイトとを備えてなるスク
ロール圧縮機において、前記バランスウェイトに主軸の
給油孔に連結し給油孔で供給される油をバランスウェイ
トの外周側に導く導油路を備えて成り、前記フレームの
内面に設けたその中を油が流れる溝状の油溝と、この油
溝と前記フレームに設けたキー溝とを連結し油溝の油を
キー溝に導く油路を設ける。
【0023】(20)板状部材にうず巻き状のラップを
有する旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップを
形成した固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、固
定スクロールを取付け固定スクロールとともに内側に空
間を有するフレームと、旋回スクロールの反ラップ面側
に設けたキー溝に係合するキー及びフレームに設けたキ
ー溝に係合するキーとを備えた旋回スクロールの自転防
止用のオルダムリングと、前記旋回スクロールを旋回運
動させる偏心軸を配しその内部に潤滑油を摺動部に導く
給油孔を有する主軸と、この主軸に結合し主軸のアンバ
ランス調整用のバランスウェイトとを備えてなるスクロ
ール圧縮機において、前記バランスウェイトと前記フレ
ーム間の隙間部の油をバランスウェイトの回転力により
前記フレーム側キー溝へ供給するための給油路をフレー
ムに設ける。
【0024】(21)、上記(20)において、前記フ
レーム側キー溝へ給油するための給油路がバランスウェ
イトに対向しフレーム側キー溝の下方に位置するフレー
ム内表面に、前記フレーム側キー溝底部から上記隙間部
に向かうに従いバランスウェイトの回転方向と反対方向
へ向かって斜めに形成する。
【0025】(22)、板状部材にうず巻き状のラップ
を有する旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップ
を形成した固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、
固定スクロールを取付け固定スクロールとともに内側に
空間を有するフレームと、旋回スクロールの反ラップ面
側に設けたキー溝に係合するキー及びフレームに設けた
キー溝に係合するキーとを備えた旋回スクロールの自転
防止用のオルダムリングと、前記旋回スクロールを旋回
運動させる偏心軸を配しその内部に潤滑油を摺動部に導
く給油孔を有する主軸と、この主軸に結合し主軸のアン
バランス調整用のバランスウェイトとを備えてなるスク
ロール圧縮機において、前記フレームに設けたキー溝よ
り上部のフレーム内面に形成した油溜もしくは溝と、前
記フレーム側キー溝とフレーム内面の油溜もしくは溝と
を結ぶ油路と、前記フレーム側キー溝底部に設けた孔
と、前記バランスウェイトに主軸の給油孔に連結し給油
孔で供給される油をバランスウェイトの外周側に導く導
油路と、前記バランスウェイトと前記フレーム間の隙間
部の油をバランスウェイトの回転力により前記フレーム
側キー溝へ供給するためフレームに設けた給油路とを備
える。
【0026】(23)、上記(1)乃至(22)のいず
れかに記載のスクロール圧縮機において、前記油路は複
数備える。◆ (24)、上記(1)乃至(23)のいずれかに記載の
スクロール圧縮機において、前記スクロール圧縮機は圧
縮機構が旋回スクロールと固定スクロールのラップの噛
み合わせを水平面で行う縦型である。◆ (25)、上記(1)乃至(23)のいずれかに記載の
スクロール圧縮機において、前記スクロール圧縮機は圧
縮機構が旋回スクロールと固定スクロールのラップの噛
み合わせを垂直面で行う横型である。
【0027】
【作用】旋回スクロールの鏡板外周部と固定スクロール
及びフレームとから成る空間の、旋回スクロールを支持
し摺動するフレーム内面で、フレーム側キー溝より上部
のフレーム内面に設けた油溜及び/または油溝とフレー
ム側オルダムキー溝とを油路で結ぶことにより、バラン
スウェイトによって空間にはねあげられ、フレーム内壁
に付着した油が下方に落下する際、油溝及び油溜に溜
る。溜った油は油溝から油路を通じてフレーム側キー溝
へ全て集約し、油の供給量を増やすことができる。
【0028】また、油路の幅、あるいは径の大きさ及び
油路の数を適当に選定することにより、フレーム側キー
溝への油の供給量を制御することができ、更に、フレー
ム側オルダムキーが堰として作用することにより上記油
溜に油を溜め、圧縮機底部油溜からの給油が途切れた場
合にも、油溜、油溝に溜まっている油により、フレーム
側キー溝摺動部への給油を続けることができる。
【0029】また油溝の底面を油路との結合部が低くな
るように形成することにより、油溝に集まった油が油路
側に流れやすくなり結果としてキー溝へ速やかに潤滑油
が供給できる。
【0030】更に、油路の油溜側を油溜底部より上方に
設けることにより、または油路に液冷媒を吸収し油を吸
収しにくいフィルター、例えば多孔質状のものを設ける
ことにより背圧室内に液冷媒が混入した場合、油より密
度の大きな液冷媒は油溜下部に油と分離して溜まり、フ
ィルターを設けた場合には冷媒と油の粘性の違いを利用
して冷媒のみをフィルターに吸収することで、フレーム
側キー溝摺動部へ流れることを防ぐことができる。な
お、油溜下部及びフィルターに溜った冷媒は背圧室内の
温度及び圧力条件によって蒸発するため、油溜部へは十
分な油が確保される。
【0031】また、バランスウェイトに圧縮機底部の油
溜から旋回スクロール軸受部へ油を供給するための油路
に連通し、軸受部への油の供給のための圧力差を損なわ
ない程度の大きさの径を持つ導油路を設けることによ
り、また、バランスウェイトに主軸内を通って軸受部を
潤滑した油を捕集し、バランスウェイトの回転による遠
心力でフレーム側キー溝部へ油を供給するための導油路
を備えることにより、キー溝部へはミスト状ではない油
を直接供給することができる。
【0032】また、キー溝の底部あるいはフレーム内面
に形成した油溜からバランスウェイトとフレームの間に
通じる給油路をフレーム内部、あるいは内面に形成する
ことにより、フレーム内壁に付着しバランスウェイトと
フレーム間の隙間部に溜まる油をバランスウェイトの回
転力でフレーム側キー溝部、あるいは油溜へ押し上げ、
フレーム側キー溝摺動部を潤滑するとともに隙間部の油
を効果的に排除することによりバランスウェイトの回転
抵抗を小さくする。
【0033】さらに、フレーム側オルダムキー溝底部に
開放部を設けることで、フレーム側キー溝底部方向から
の油の供給を容易にする。◆上記した作用を得るための
構造は単独でも組み合わせてもよく、これらの作用によ
って圧縮機の運転初期から旋回スクロールの運転中は、
一時的に背圧室における圧力異常、あるいはポンプ異常
等による圧縮機底部油溜からの給油量不足、更に、背圧
室への液冷媒の混入等が起こった場合にも常にフレーム
側キー溝摺動部には十分な給油が行われる。◆また、上
記の構造はモータを下側に圧縮機構部を上側に配置した
縦型スクロール圧縮機及びモータと圧縮機構部とを水平
方向に配置した横型スクロール圧縮機のいずれにも適用
できる。
【0034】
【実施例】本発明に係る一実施例を、図1乃至図3を用
いて説明する。
【0035】図1はスクロール圧縮機の縦断面図であ
り、図2は、本実施例に係るスクロール圧縮機の主要部
品の結合関係を示す一部断面分解図である。なお図1
は、図2に示す断面、即ち圧縮機上部の吸入管11側か
らみて主軸9の中心に対し90゜の断面を展開した縦断
面図である。なお、後述の各実施例を説明するスクロー
ル圧縮機の縦断面図も同様の断面を展開したものであ
る。
【0036】密閉容器1内に、下側に電動機部3が、上
側に圧縮機部2が収納されている。圧縮機部2は、固定
スクロール4に旋回スクロール5を互いにかみ合わせて
圧縮室を形成している。本実施例においては、摺動部が
形成される固定スクロール4、旋回スクロール5及び後
述のオルダムリングの材質として鋳鉄を用いている。◆
固定スクロール4は、円板状の鏡板4aとこれに直立し
インボリュート曲線あるいはこれに近似の曲線に形成さ
れたラップ4bとからなり、その中心部に圧縮室で圧縮
したガスを圧縮室外に吐き出す吐出口6、外周部にガス
の吸入口7を備えている。◆一方、旋回スクロール5も
円板状の鏡板5aとこれに直立したラップ5bと、鏡板
の反ラップ面に形成されたボス5cとから成っている。
フレーム8は中央部に軸受部を形成し、この軸受部に主
軸9が支承されている。
【0037】主軸9は、一端が電動機部3側に位置し、
その端部には給油管17を備え、他端は旋回スクロール
5にボス5c部分に回転自在に係合している。このボス
5cとの結合部分は、主軸9の電動機部3及びフレーム
8の軸受部との結合部分の軸心に対し、偏心して形成さ
れている。主軸9の旋回スクロールと係合する偏心軸部
分が、旋回スクロール5のボス5cに挿入し旋回運動を
行う。
【0038】また、フレームには固定スクロール4がボ
ルトにより固定され、旋回スクロール5はオルダムリン
グ10によりフレームに支承され、固定スクロール4に
対し、自転することなく旋回運動を行う。◆固定スクロ
ール4の吸入口7には密閉容器1を貫通し、吸入管11
が接続され、吐出口6が開口している吐出室12は通路
を介して下部屋に連通し、また、密閉容器1を貫通する
吐出管13に連通している。
【0039】電動機部3により主軸9の先端に設けた偏
心軸を介して旋回スクロール5が旋回運動すると、旋回
スクロール5と固定スクロール4により形成される複数
の圧縮室がスクロール中心方向に移動しながら容積を減
少し、吸入管11から吸入した冷媒ガスを圧縮する。圧
縮されたガスは、固定スクロール4の鏡板4aの吐出口
6から吐出室12に吐出され、固定スクロール4の鏡板
4a及びフレーム8の外周部に形成された通路を通って
電動機部3に入り、冷却した後、吐出管13より吐出さ
れる。
【0040】他方、旋回スクロール5の背面とフレーム
8で囲まれた空間(背圧室)14には吸入圧力と吐出圧
力の中間の圧力が作用している。この中間圧力は、旋回
スクロール5の鏡板5aに細孔(背圧孔)15を設け、
この細孔15を介してスクロール内部の圧縮途中のガス
を空間に導き、旋回スクロール5の背面にガスを作用さ
せる。この背面からのガスにより、旋回スクロール5を
固定スクロール4に押し付け、各圧縮室の密封をおこな
うとともに両スクロール部材の外周鏡板面の密封をも行
う。
【0041】一方、密閉容器1の底部に設けられた油溜
16は吐出圧力状態になっており、吐出圧力と背圧室1
4の圧力の圧力差により給油管17、給油孔9aをへて
軸受などの摺動部へ給油される。軸受などの摺動部より
排出された油は背圧室14を経て、バランスウェイトで
はねあげられてミスト状となり背圧孔15から圧縮室に
供給される。◆圧縮室に供給された油は圧縮されたガス
とともに吐出口6から吐出室12に吐出され、通路、ガ
イド(図示せず)により密閉容器1に添って電動機部3
に流れ、電動機部3のコイルエンド3aで分離された油
は下方の油溜16へ流れ、一方、ガスは容器内壁に添っ
て流れ吐出管13より吐出される。
【0042】自転防止機構を形成しているオルダムリン
グ摺動部は、旋回スクロール5のキー溝5dとオルダム
リング10の旋回スクロール側キー10a、およびフレ
ームのキー溝8aとオルダムリング10のフレーム側キ
ー10bとで構成されており、キー溝とキーとは直線的
な往復運動を行っている。◆オルダムリング摺動部へ
は、差圧により油溜16から主軸9の給油孔9aを通過
して旋回軸受部へ供給した油を利用し、バランスウェイ
ト18に落下した油をはねかけることにより給油してい
る。
【0043】本実施例のスクロール圧縮機は、フレーム
8の背圧室14内に油溝19を設け、フレーム側オルダ
ムキー溝8aと油路20で連通することにより油をオル
ダムキー摺動部に集約させる構造を備えている。◆図3
は図1及び図2に示されているフレーム側オルダムキー
溝8a部分の拡大断面斜視図であり、旋回スクロールの
鏡板5a外周部と固定スクロール4及びフレーム8とか
ら成る空間21の、フレーム8に添って設けた油溝19
と、この油溝19とフレーム側キー溝8aとを結ぶ油路
20は開放溝とした形成している。
【0044】はねかけられた油は背圧室14内壁などに
衝突し、旋回スクロールの鏡板5a外周部と固定スクロ
ール5及びフレーム8とから成る空間21に飛散する。
そこで、この空間に飛散した油を、フレーム8内面にに
添って設けた油溝19に溜め、フレーム側オルダムキー
溝8aと油溝19とを連通する開放溝である油路20を
設けることにより、空間21に飛散した油が下方に落下
する際にフレーム側オルダムキー溝8aに集約されて油
路20を通過することになり、オルダムキー摺動部には
十分な給油が行われる。
【0045】上記実施例に対し、油路20の構造を代え
た実施例を図4に示す。本実施例では油溝19とフレー
ム側キー溝8aとを結ぶ油路20を孔とした。油路を孔
とすることにより、孔の径の大きさでフレーム側キー溝
8aへの油の通過量を制御することが可能となり、適切
な量の油を供給することができる。
【0046】また、油路20の構造を代えた他の実施例
を図5に示す。図5に示す実施例は油路20を2本設け
た例である。本実施例によればキー溝部に向かってきた
油の流れを円滑にすることができる。この実施例では、
油路を2本設けた例で説明したが必要に応じて更に本数
を増やしても良いことは言うまでもない。
【0047】更に、油溝の底面形状を油路との結合部が
低くなるように傾斜させて形成することにより油溝に集
まった油が油路側に流れやすくなりキー溝への供給をよ
り円滑にできる。
【0048】なお、本実施例で述べた油路を複数本設け
る構造及び油溝の底面形状を傾斜させた構造は、本実施
例に限るものではなく、後述する他の実施例に組み合わ
せると油の流れをさらに円滑にさせる効果がある。
【0049】本発明の他の実施例を図6乃至図8により
説明する。◆図6は、本実施例に係る横形スクロール圧
縮機の全体構造を示す断面図であり、上記実施例の第1
図と同様に吸入管11’方向からみて主軸9’の中心に
対し90゜に断面を切ったときの縦断面図である。
【0050】密閉容器1’内にはスクロール圧縮機部
2’とこれを駆動する電動機部3’とが水平に配置され
て収納されている。◆スクロール圧縮機部2’は、鏡板
に直立した渦巻状のラップを有する旋回スクロール5’
と、同じく鏡板に直立した渦巻状のラップを有する固定
スクロール4’と、固定スクロール4’と一体化されて
密閉容器1’に固定され旋回スクロール5’を支持する
フレーム8’とを備え、旋回スクロール5’のラップ5
b’と固定スクロール4’のラップ4b’を噛み合せた
構成となっている。◆旋回スクロール5’とフレーム
8’との間には、旋回スクロール5’の自転を防止する
オルダムリング10’が設けられており、電動機部3’
は主軸9’、その先端の偏心軸、それに軸受係合した旋
回スクロール5’の軸受ボス部5c’を介して旋回スク
ロール5’を旋回運動させる。
【0051】フレーム8’下部には、圧縮機下部の油溜
16’に下端が開口する給油管17’が設けられ、その
上端は上記フレームの主軸に対する軸受部の下方に設け
た油溜22’に連通している。主軸9’内には一端が油
溜22’に開口し、他端が旋回スクロール5’の軸受ボ
ス5c’内に開口する給油孔9a’が設けてある。◆圧
縮作用によるガスの流れ及びオルダムリングの動作は前
述の実施例と同じである。
【0052】オルダムリング摺動部へは、差圧により主
軸9’の給油孔9a’を通過して旋回軸受部へ供給し潤
滑に利用した後、背圧室底部14’に落下し、バランス
ウェイト18’により撹はんし、はねかけられることに
より行っている。
【0053】本実施例の横形スクロール圧縮機は、旋回
スクロール5’の鏡板5a’外周部と固定スクロール
4’及びフレーム8’とから成る空間21’の旋回スク
ロール5’を支持し摺動するフレーム8’内面で、フレ
ーム側キー溝より上部のフレーム8’内面に油溝19’
を設け、フレーム側キー溝と連通することにより油をオ
ルダムキー摺動部に集約させる構造である。
【0054】すなわち、はねかけられた油は背圧室1
4’内壁などに衝突し、旋回スクロールの鏡板5a’外
周部と固定スクロール4’及びフレーム8’とから成る
空間21’に飛散する。飛散した油は、空間21’のフ
レーム側オルダムキー溝8a’より上部で、旋回スクロ
ール5’を支持し摺動するフレーム8’内面に設けた油
溝19’に溜り、フレーム側キー溝8a’と油溝19’
とを連通する油路20’を設けることで、前記空間に飛
散し、フレーム側キー溝より上部の内壁に付着した油が
下方に落下する際にはフレーム側キー溝に集約され、オ
ルダムキー摺動部には十分な給油が行われる。◆本実施
例によれば、スクロール圧縮機を横型にしてもオルダム
リングへの潤滑油の供給が確実に行える。
【0055】図7は図6のA−A断面を矢印の方向から
みたときのフレーム8’の図であり、フレーム側オルダ
ムキー溝8a’を垂直方向に備える場合の実施例であ
る。上記旋回スクロールの鏡板5a’外周部と固定スク
ロール4’及びフレーム8’とから成る空間21’の旋
回スクロール5’を支持し摺動するフレーム8’内面の
フレーム側キー溝より上部に油溝19’を設け、油溝と
フレーム側キー溝とを結ぶ油路20’を孔とした例であ
り、孔とすることにより、油路を開放溝としたときの開
放部からの油の逃げを抑え、フレーム側キー溝への給油
を確実なものとすることができる。
【0056】図8は図7に対し、フレーム側オルダムキ
ー溝8a’を90°回転させ水平に備えたときのフレー
ム8’の正面図である。旋回スクロールの鏡板5a’外
周部と固定スクロール4’及びフレーム8’とから成る
空間21’のフレーム側キー溝より上部に、フレーム8
内周に添って設けた油溝19’と、この油溝とフレーム
側キー溝とを結ぶ油路20’を開放溝としている。前記
空間に飛散し、フレーム側キー溝より上部の内壁に付着
した油が下方に落下する際に開放溝を通してフレーム側
キー溝に集まり、オルダムキー摺動部に給油される。本
実施例においては、図7の実施例に比べ油溝19’の面
積が大きいため多くの油を供給できる。なお、図7及び
図8に示す実施例において、キー溝8a’の外周側の面
を溝底に近づくに従って下方に傾斜若しくはわん曲した
面となるように形成するとより油が集まりやすくなる。
【0057】本発明に係る他の実施例を図9乃至図11
により説明する。◆図9は、図1で説明したスクロール
圧縮機と同型のものであり、図1の圧縮機部2側のみを
示しており、断面の表示部分は図1での説明部分と同様
である。オルダムリング摺動部は、旋回スクロールのキ
ー溝5dとオルダムリング10の旋回スクロール側キー
10aおよびフレーム8のキー溝8aとオルダムリング
10のフレーム側のキー10bとで成り立っており、キ
ー溝とキーは直線的な往復運動を行っている。
【0058】はねかけられた油は背圧室14内壁などに
衝突し、旋回スクロールの鏡板5a外周部と固定スクロ
ール5及びフレーム8とから成る空間21に飛散する。
そこで、空間21に飛散した油を、フレーム8の旋回ス
クロール側に設けた油溜26に溜め、フレーム8内周に
添ってこの油溜26を結ぶように設けた油溝19及び、
フレーム側オルダムキー溝8aと油溝19とを連通する
開放溝である油路20を設けることにより、空間21に
飛散した油が下方に落下する際にフレーム側オルダムキ
ー溝8aに集約され、通過することになる。図10は図
9における部分Aの拡大断面斜視図である。
【0059】本実施例の油溜26は、10cc以上の油を
溜めることができ、油路20の幅により油溝19からの
油の流出量を制限している。油路20の数、及び幅の大
きさは使用する油の粘性によって適宜決定するが、油溜
からの油が毎分1cc程度流れるようにするとよい。更
に、オルダムリングキー10bが堰としての役割を果た
すため油溜26及び油溝19には油を常に溜めておくこ
とが可能となる。これにより、背圧室内の中間圧と圧縮
機下部油溜の吐出圧との圧力差がなくなり、圧縮機底部
油溜からの油の供給が途絶えたときにも油溜26及び、
油溝19に溜められた油を消費することで、圧力差が正
常状態に戻るまでの暫くの間フレーム側オルダムキー溝
へ油を供給し続けることが可能となる。
【0060】また、背圧室内に冷媒が液のまま混入した
場合、旋回スクロールの鏡板5a外周部と固定スクロー
ル5及びフレーム8とから成る空間21に飛散した液冷
媒が油溝19及び油溜26に溜まると、油溝19及び油
溜26においては、油よりも密度が大きい液冷媒は下方
に油とは分離して溜まり、フレーム側キー溝8aへの給
油路20が油溝19の底部よりも上方にあるために液冷
媒はフレーム側キー溝8aへは流れず、油のみが供給さ
れる。これにより、液冷媒によるフレーム側キー溝摺動
部の油の洗い流しを防ぐことができる。なお、油溝19
及び油溜26の下方に溜った冷媒は、背圧室の温度と圧
力条件により蒸発するため、いつまでも滞留することは
ない。
【0061】本実施例によれば、キー溝に対する液冷媒
の影響を排除でき摺動部に安定して油を供給できるた
め、摺動部の信頼性が向上する。◆なお図10代えて図
11に示すように、油溝19とフレーム側キー溝8aと
を結ぶ油路20を孔としてもよく、孔の径の大きさでフ
レーム側キー溝8aへの油の通過量を制御することが可
能となり、油溜26に溜まる油の量によらず一定量の油
を供給することができる。
【0062】本発明の他の実施例を図12及び図13を
用いて説明する。◆図12及び図13に示す構造は、前
記実施例で説明した図9及び図10に対し、油路20の
形状とその油路部分にフィルター27を設けた点が異な
る。油路20は前記実施例において形成している油溝か
らキー溝に向かう傾斜部を止めて平らにし、この部分に
フィルター27を設け、このフィルター27が堰となる
ことにより、油溜26及び油溝19には常に油が溜めら
れるようにした。また、フィルターには多孔質金属等の
ポーラスな材料を用い、液冷媒混入時には冷媒と油の分
離を行う。液冷媒と油では粘性が油の方が大きいため、
多孔質材の孔の大きさにより、冷媒のみを吸収し、油を
吸収しないようにさせることができる。圧縮機の使用条
件により使用される冷媒と油に合わせた適当な大きさの
孔を持つ多孔質材を用いることにより冷媒と油を分離
し、フレーム側オルダム摺動部には油のみを供給するこ
とができる。
【0063】更に多量の液冷媒が混入した場合は液冷媒
は上記油溜26及び油溝19に溜められた油とともにフ
レーム側オルダムキー溝8aへ流れるため、フレーム側
オルダム摺動部の油を洗い流しきることはない。これに
より旋回スクロールの運転中に液冷媒が混入した場合で
もフレーム側オルダム摺動部には常に油の供給が行え
る。
【0064】本発明の他の実施例を図14を用いて説明
する。◆図14は、図1で説明したスクロール圧縮機と
同型のものであり、図1の構造に対しキー溝部の構造が
異なる。差圧により、主軸9の給油孔9aを通過して旋
回軸受の潤滑に利用した後、背圧室に溜った油がバラン
スウェイト18によりはねかけられてオルダムリング摺
動部への給油される。本実施例では、フレーム側キー溝
8aとオルダムキーとの摺動部に直接給油するためにフ
レーム側キー溝8a底部すなわちバランスウェイト側に
孔23を開けてある。このため、バランスウェイトの回
転によってはねあげられた油は、フレームの内面及び旋
回スクロールの底面を伝わってキー溝へ供給される他、
直接孔23からも供給される。◆従って、本実施例によ
れば、孔のない構造のものに比べ直接供給される油の分
潤滑油の量が増し、安定した摺動を行うことができる。
【0065】なお、図14には孔23を1つ設けた例に
ついて説明したが、複数設けてもよくキーの運動方向に
複数配置すると溝全体に油を供給できるという効果があ
る。
【0066】図15は、上記実施例を更に発展させた例
であり、キー溝底部をキーの摺動範囲全域にわたって開
放した例である。この例では、バランスウェイト18か
らの給油を容易にするとともに、フライス加工等によ
り、キーの摺動範囲全域にわたってキー溝の加工ととも
に底部を同時に加工することができ、加工工数を減らす
ことができる。
【0067】本発明の他の実施例を図16乃至図18を
用いて説明する。本実施例におけるスクロール圧縮機
は、前記実施例で説明した図14及び図15のものに対
し、バランスウェイトの構造が異なる。◆図16に示す
ように本実施例のスクロール圧縮機には、フレーム側キ
ー溝8a底部には前記実施例同様孔23が設けられてい
る。本実施例のバランスウェイト18は、その回転中心
から放射状の方向に油を導くトンネル状の導油路24を
備えている。
【0068】フレーム側オルダムリング摺動部への給油
は、差圧により、主軸9の給油孔9aを通過する油を旋
回軸受の潤滑に用いた後、バランスウェイト18により
はねかけられる前に油を捕集し、バランスウェイト18
に形成した導油路24から、バランスウェイト18の回
転による遠心力で油をフレーム側キー溝8aにはねか
け、はねかけられた油がフレーム側キー溝8a底部の孔
23を通過して摺動部に到達することにより行なわれ、
給油量を確保している。◆バランスウェイト18側の油
の吐出口は、バランスウェイトが旋回してキー溝8aの
位置に来たときにキー溝の孔23と合う位置に備えると
よい。
【0069】図17は、図16の構造に対しフレーム側
キー溝8a底部を摺動部全域にわたり開放し、かつバラ
ンスウェイトに形成した導油路24を直接主軸9の給油
孔19に結合した例を示す断面図である。図16のもの
に対し更に潤滑油の供給量を増すことができる。◆図1
8は、図17の構造に対しバランスウェイトに形成した
導油路24の形状を代えた例である。導油路24をトン
ネル状とせずフレーム側キー溝8aの方向に開放してい
る。導油路24を開放溝にすることにより、加工が容易
となり低コスト化ができる。◆以上、本実施例によれば
前記実施例に比べ給油量を増すことができる。
【0070】本発明の他の実施例を図19を用いて説明
する。◆図19に示すスクロール圧縮機は前記図14の
ものに対しフレーム側キー溝8aとバランスウェイト1
8の構造が異なっている。油は、差圧により、主軸9の
給油孔9aから供給され、旋回軸受の潤滑に利用した
後、背圧室14内に溜まる。 フレーム側キー溝8aの
底部からバランスウェイト18とフレーム8間の隙間部
に連通する給油路25をフレーム内部に設け、バランス
ウェイト18の回転により、この隙間部の油をフレーム
側キー溝8aまで押し上げ、給油を行う。バランスウェ
イトは、図14に示すように外周の高さを高くし、隙間
部付近のフレーム形状に略一致させ、油の押し上げを容
易とする形状とした。隙間部の油を効果的に排除するこ
とによりフレーム側キー溝摺動部の潤滑効果ばかりでな
く、バランスウェイトの回転抵抗を小さくするため、圧
縮機の効率の向上にもつながる。
【0071】本発明の他の実施例を図20を用いて説明
する。◆本実施例のスクロール圧縮機は前記図15のも
のとフレーム構造とバランスウェイトの構造が異なる。
フレーム側キー溝8aの底部を摺動部全域にわたり開放
し、油が溜る背圧室14の底部の形状を主軸9の中心か
ら離れるに従って次第にキー溝8a側に近づくように円
弧状に形成し、この底面形状に合わせ底面と隙間を有す
るようにバランスウェイトの底面形状を形成し、このバ
ランスウェイト18と底面との間に形成される隙間に設
けた溝部をキー溝8aへの給油路25とした。図21は
図20に示されている部分Cの拡大断面斜視図である。
バランスウェイト18の回転による遠心作用により、隙
間部に溜まる油をフレーム側キー溝8aまで押し上げ、
給油を行うことができ、潤滑効果が向上する。
【0072】なお、バランスウェイトの底面にバランス
ウェイト半径方向に対し、バランスウェイトの外周に向
かうに従ってバランスウェイト回転方向に後退する土手
状突起を設けると油のキー溝への供給量が更に増加す
る。◆更に、給油路を孔としてフレーム内部に設けるの
に比べ加工が容易で構造の簡素化ができる。
【0073】本発明の他の実施例を図22及び図23を
用いて説明する。本実施例のスクロール圧縮機は図1に
示すものに対し、図22はフレーム側のキー溝8aの底
に孔を設けた点が、図23は図22のものに対しバラン
スウェイトとして導入路を形成したものを用いた点とバ
ランスウェイト18とフレーム間の隙間部に連通した給
油路25を設けた点が異なる。この給油路25は、近接
したキー溝の底部とバランスウェイトの先端部分に挾ま
れているため隙間部を押し上げられた油がキー溝底に供
給しやすくなっている。両方の構造ともに図1に示す構
造に対して格段に潤滑油の供給量を増すことができる。
【0074】本発明の他の実施例を図24を用いて説明
する。◆本実施例は前記図23に示す実施例のスクロー
ル圧縮機に対し、フレームに設けた油溝19の形状とフ
レーム側キー溝底に孔のない点が異なる。
【0075】背圧室までの給油方法は、前述の実施例と
同様である。
【0076】背圧室まで供給された油は、バランスウェ
イト18とフレームの間の隙間部に連通し、かつこの隙
間部に向かうに従い、バランスウェイト18の回転方向
とは反対方向に斜めになっているフレーム8内面に設け
給油路25を、バランスウェイト18の回転により、隙
間部を油溜26まで押し上げられる。更に、油溜26、
油溝19とフレーム側オルダムキー溝8aとを油路20
により連通することで油をオルダムキー摺動部に集約さ
せる。ここで、油路20は油溝19底部より上部に連通
させる。
【0077】これらにより、旋回軸受を潤滑した油を捕
集しバランスウェイト18に形成した導油路24からバ
ランスウェイト18の回転による遠心力を利用して油を
オルダムキー摺動部にはねかけるとともに油溜26、油
溝19に油を供給し、また、バランスウェイト18とフ
レーム間の隙間部に連通した給油路25から、バランス
ウェイト18の回転により、隙間部の油を油溜26まで
押し上げ、油溜26から油溝19、更に油溝19から油
路20を通して、フレーム内壁に付着し溜まる油をもオ
ルダムキー摺動部に供給することを可能にし、更に、旋
回スクロールの鏡板5a外周部と固定スクロール4及び
フレーム8とから成る空間21に飛散し、旋回スクロー
ル5の運動抵抗となるように溜まっている油を、空間の
旋回スクロール5を支持し摺動するフレーム8内面に設
けた油溜26及び油溝19に溜め、フレーム側オルダム
キー溝8aと油溝とを連通する油路20(開放溝)を設
けることで、前記空間に飛散した油が下方に落下する際
には全てフレーム側オルダムキー溝8aに集約されるよ
うにする。更に、油路20の数と幅の大きさは使用する
油の粘性によって適宜決定されるが、油の粘性抵抗から
適当な油路の数、幅を設定することで油溝19からの油
の流出量を制限し、かつ、オルダムリングキー10bが
堰としての役割を果たすため油溜26及び、油溝19に
は常に油を溜めておくことが可能となる。これにより、
背圧室内の中間圧と圧縮機下部油溜の吐出圧との圧力差
がなくなり、圧縮機下部油溜からの油の供給が途切れた
ときにも油溜26及び、油溝19に溜められた油を消費
することで、圧力差が正常状態に戻るまでの暫くの間フ
レーム側オルダムキー溝へ油を供給し続けることが可能
となる。
【0078】本実施例では油溜26は10cc以上の油が
溜められ、油路20の幅により油溝19からの油の流出
量を制限し、油溜からの油が毎分1cc程度流れるように
することで5から10分間の圧縮機下部油溜からの油の
供給が途切れたときの運転に対応している。また、背圧
室内に冷媒が液のまま混入した場合、バランスウェイト
18に設けた導油路24及び、フレーム内壁に設けた上
記給油路25により、液冷媒がバランスウェイト18の
回転によってミスト状にはねかけられるのを押さえ、油
とともに上記油溜26及び油溝19に溜める。
【0079】更に、旋回スクロールの鏡板5a外周部と
固定スクロール5及びフレーム8とから成る空間21に
飛散した液冷媒も上記油溝19及び油溜26に溜める。
油溝19及び油溜26においては、油溝19及び油溜2
6の底部を油路20よりも低くすることで、油よりも密
度が大きい液冷媒は油溝19及び油溜26の下方に油と
は分離して溜まり、フレーム側キー溝への給油路20が
油溝19の底部よりも上方にあるために液冷媒はフレー
ム側キー溝へは流れず、油のみが供給されることが予想
される。これにより、液冷媒によるフレーム側キー溝摺
動部の油の洗い流しを防ぐことができる。これらの構造
により、フレーム側オルダムキー摺動部には集中的な給
油が行われるとともに、フレーム側オルダムキー摺動部
への給油はいったん油溜26を介してからの給油が可能
となり、旋回スクロールの運転中は、一時的に圧縮機下
部油溜からの給油量不足、あるいは背圧室への液冷媒の
混入等が起こった場合にも常にフレーム側キー溝摺動部
には、十分な給油が行われる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
オルダムリングのキーとフレーム側キー溝との摺動部分
への潤滑油の給油量を効果的に増やすことでき、更に、
摺動部への給油が途切れることなく行え、液冷媒の混入
に対しても液冷媒による摺動部からの潤滑油の洗い流し
を防止することができるため、潤滑不足の解消と摺動部
の発熱を押さえることができ、焼付き及びかじりを防止
するとともに、摩耗を低減でき、スクロール圧縮機の信
頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るスクロール圧縮機の全
体構造を示す断面図である。
【図2】図1に示す実施例の主要部品の結合関係を示す
一部断面の分解斜視図である。
【図3】図1に示す実施例のフレーム側キー溝部の部分
拡大断面斜視図である。
【図4】図1に示す実施例のフレーム側キー溝の他の構
造の部分拡大断面斜視図である。
【図5】図1に示す実施例のフレーム側キー溝のさらに
他の構造の部分拡大断面斜視図である。
【図6】本発明の他の実施例に係るスクロール圧縮機の
全体構造を示す断面図である。
【図7】図6のA−A断面を矢印の方向から見たキー溝
を水平に備えたフレームの平面図である。
【図8】図6のA−A断面を矢印の方向から見たキー溝
を垂直に備えた他の構造のフレームの平面図である。
【図9】本発明の他の実施例に係るスクロール圧縮機の
圧縮部分を示す断面図である。
【図10】図9のA部の拡大断面斜視図である。
【図11】図10に代わるフレームのキー溝、油溝及び
油溜の構造を示す拡大断面斜視図である。
【図12】本発明のさらに他の実施例に係るスクロール
圧縮機の圧縮部分を示す断面図である。
【図13】図12のB部の拡大断面斜視図である。
【図14】本発明のさらに他の実施例に係るスクロール
圧縮機の圧縮部分を示す断面図である。
【図15】本発明のさらに他の実施例に係るスクロール
圧縮機の圧縮部分を示す断面図である。
【図16】本発明のさらに他の実施例に係るスクロール
圧縮機の圧縮部分を示す断面図である。
【図17】図16の構造に対し、キー溝の形状を代えた
例を示すスクロール圧縮機の圧縮部分を示す断面図であ
る。
【図18】図17の構造に対し、バランスウェイトの構
造を代えた例を示すスクロール圧縮機の圧縮部分を示す
断面図である。
【図19】本発明のさらに他の実施例に係るスクロール
圧縮機の圧縮部分を示す断面図である。
【図20】本発明のさらに他の実施例に係るスクロール
圧縮機の圧縮部分を示す断面図である。
【図21】図20のC部の拡大断面斜視図である。
【図22】本発明のさらに他の実施例に係るスクロール
圧縮機の圧縮部分を示す断面図である。
【図23】本発明のさらに他の実施例に係るスクロール
圧縮機の圧縮部分を示す断面図である。
【図24】本発明のさらに他の実施例に係るスクロール
圧縮機の圧縮部分を示す断面図である。
【符号の説明】 1…密閉容器、2…圧縮機部、3…電動機部、4…固定
スクロール、5…旋回スクロール、8…フレーム、8a
…フレーム側キー溝、9…主軸、9a…給油孔、10…
オルダムリング、16…圧縮機底部油溜、18…バラン
スウェイト、19…油溝、20…油路、24…導油路、
25…給油路、26…油溜、27…フィルター。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 栄一 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 野沢 重和 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内 (72)発明者 末藤 和孝 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 小国 研作 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 村井 洋一 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 佐藤 智行 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状部材にうず巻き状のラップを有する旋
    回スクロールと前記ラップと噛み合うラップを形成した
    固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、固定スクロ
    ールを取付け固定スクロールとともに内側に空間を有す
    るフレームと、旋回スクロールの反ラップ面側に設けた
    キー溝に係合するキー及びフレームに設けたキー溝に係
    合するキーとを備えた旋回スクロールの自転防止用のオ
    ルダムリングとを備えてなるスクロール圧縮機におい
    て、前記フレームの内面に設けた油が溜る油溜またはそ
    の中を油が流れる溝状の油溝と、この油溜または油溝と
    前記フレームに設けたキー溝とを連結し油溜または油溝
    の油をキー溝に導く油路を設けたことを特徴とするスク
    ロール圧縮機。
  2. 【請求項2】板状部材にうず巻き状のラップを有する旋
    回スクロールと前記ラップと噛み合うラップを形成した
    固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、固定スクロ
    ールを取付け固定スクロールとともに内側に空間を有す
    るフレームと、旋回スクロールの反ラップ面側に設けた
    キー溝に係合するキー及びフレームに設けたキー溝に係
    合するキーとを備えた旋回スクロールの自転防止用のオ
    ルダムリングとを備えてなるスクロール圧縮機におい
    て、前記フレームの内面に設けた油が溜る油溜と、この
    油溜に連結する溝状の油溝と、この油溝に前記フレーム
    に設けたキー溝とを連結し油溜の油をキー溝に導く油路
    を設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】板状部材にうず巻き状のラップを有する旋
    回スクロールと前記ラップと噛み合うラップを形成した
    固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、固定スクロ
    ールを取付け固定スクロールとともに内側に空間を有す
    るフレームと、旋回スクロールの反ラップ面側に設けた
    キー溝に係合するキー及びフレームに設けたキー溝に係
    合するキーとを備えた旋回スクロールの自転防止用のオ
    ルダムリングとを備えてなるスクロール圧縮機におい
    て、前記フレームに設けたキー溝の底部に下方への開放
    部を設け、前記フレームの内面に設けた油が溜る油溜ま
    たはその中を油が流れる溝状の油溝と、この油溜または
    油溝と前記フレームに設けたキー溝とを連結し油溜また
    は油溝の油をキー溝に導く油路を設けたことを特徴とす
    るスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】板状部材にうず巻き状のラップを有する旋
    回スクロールと前記ラップと噛み合うラップを形成した
    固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、固定スクロ
    ールを取付け固定スクロールとともに内側に空間を有す
    るフレームと、旋回スクロールの反ラップ面側に設けた
    キー溝に係合するキー及びフレームに設けたキー溝に係
    合するキーとを備えた旋回スクロールの自転防止用のオ
    ルダムリングとを備えてなるスクロール圧縮機におい
    て、前記フレームに設けたキー溝の底部に下方への開放
    部を設け、前記フレームの内面に設けた油が溜る油溜
    と、この油溜に連結する溝状の油溝と、この油溝に前記
    フレームに設けたキー溝とを連結し油溜の油をキー溝に
    導く油路を設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  5. 【請求項5】請求項1または3において、前記油溜また
    は油溝は前記フレームに設けたキー溝の底面より上方に
    形成して成ることを特徴とするスクロール圧縮機。
  6. 【請求項6】請求項2または4において、前記油溜及び
    油溝は前記フレームに設けたキー溝の底面より上方に形
    成して成ることを特徴とするスクロール圧縮機。
  7. 【請求項7】請求項1乃至4のいずれかにおいて、上記
    油路の油溜または油溝側の結合部はキー溝底面より上方
    に形成して成ることを特徴とするスクロール圧縮機。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれかにおいて、上記
    油路が開放溝であることを特徴とするスクロール圧縮
    機。
  9. 【請求項9】請求項1乃至7のいずれかにおいて、上記
    油路が孔であることを特徴とするスクロール圧縮機。
  10. 【請求項10】請求項3または4において、前記開放部
    は孔であることを特徴とするスクロール圧縮機。
  11. 【請求項11】請求項3または4において、前記開放部
    は前記フレームに設けたキー溝の少なくともキーとの摺
    動範囲の底部に設けたものであることを特徴とするスク
    ロール圧縮機。
  12. 【請求項12】板状部材にうず巻き状のラップを有する
    旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップを形成し
    た固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、固定スク
    ロールを取付け固定スクロールとともに内側に空間を有
    するフレームと、旋回スクロールの反ラップ面側に設け
    たキー溝に係合するキー及びフレームに設けたキー溝に
    係合するキーとを備えた旋回スクロールの自転防止用の
    オルダムリングとを備えてなるスクロール圧縮機におい
    て、前記フレームの内面にその中を油が流れる溝状の油
    溝と、この油溝と前記フレームに設けたキー溝とを連結
    し油溝の油をキー溝に導く油路とを設け、前記油溝はそ
    の底面が前記油路との結合部側を低く形成したことを特
    徴とするスクロール圧縮機。
  13. 【請求項13】板状部材にうず巻き状のラップを有する
    旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップを形成し
    た固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、固定スク
    ロールを取付け固定スクロールとともに内側に空間を有
    するフレームと、旋回スクロールの反ラップ面側に設け
    たキー溝に係合するキー及びフレームに設けたキー溝に
    係合するキーとを備えた旋回スクロールの自転防止用の
    オルダムリングとを備えてなるスクロール圧縮機におい
    て、前記フレームの内面に設けた油が溜る油溜またはそ
    の中を油が流れる溝状の油溝と、この油溜または油溝と
    前記フレームに設けたキー溝とを連結し油溜または油溝
    の油をキー溝に導く油路と、この油路に設置したフィル
    ターとを備えたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  14. 【請求項14】板状部材にうず巻き状のラップを有する
    旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップを形成し
    た固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、固定スク
    ロールを取付け固定スクロールとともに内側に空間を有
    するフレームと、旋回スクロールの反ラップ面側に設け
    たキー溝に係合するキー及びフレームに設けたキー溝に
    係合するキーとを備えた旋回スクロールの自転防止用の
    オルダムリングとを備えてなるスクロール圧縮機におい
    て、前記フレームの内面に設けた油が溜る油溜と、この
    油溜に連結する溝状の油溝と、この油溝に前記フレーム
    に設けたキー溝とを連結し油溜の油をキー溝に導く油路
    と、この油路に設置したフィルターとを備えたことを特
    徴とするスクロール圧縮機。
  15. 【請求項15】請求項13または14において、前記フ
    ィルターは多孔質材からなることを特徴とするスクロー
    ル圧縮機。
  16. 【請求項16】板状部材にうず巻き状のラップを有する
    旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップを形成し
    た固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、旋回スク
    ロールの自転防止用のオルダムリングと、前記旋回スク
    ロールを旋回運動させる偏心軸を配しその内部に潤滑油
    を摺動部に導く給油孔を有する主軸と、この主軸に結合
    し主軸のアンバランス調整用のバランスウェイトとを備
    えてなるスクロール圧縮機において、前記バランスウェ
    イトに主軸の給油孔に連結し給油孔で供給される油をバ
    ランスウェイトの外周側に導く導油路を備えたことを特
    徴とするスクロール圧縮機。
  17. 【請求項17】板状部材にうず巻き状のラップを有する
    旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップを形成し
    た固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、旋回スク
    ロールの自転防止用のオルダムリングと、前記旋回スク
    ロールを旋回運動させる偏心軸を配しその内部に潤滑油
    を摺動部に導く給油孔を有する主軸と、この主軸に結合
    し主軸のアンバランス調整用のバランスウェイトとを備
    えてなるスクロール圧縮機において、前記バランスウェ
    イトに、前記旋回スクロールに設けた偏心軸との係合部
    に主軸の給油孔から供給される油をバランスウェイトの
    外周側に導く導油路を備えたことを特徴とするスクロー
    ル圧縮機。
  18. 【請求項18】板状部材にうず巻き状のラップを有する
    旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップを形成し
    た固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、固定スク
    ロールを取付け固定スクロールとともに内側に空間を有
    するフレームと、旋回スクロールの反ラップ面側に設け
    たキー溝に係合するキー及びフレームに設けたキー溝に
    係合するキーとを備えた旋回スクロールの自転防止用の
    オルダムリングと、前記旋回スクロールを旋回運動させ
    る偏心軸を配しその内部に潤滑油を摺動部に導く給油孔
    を有する主軸と、この主軸に結合し主軸のアンバランス
    調整用のバランスウェイトとを備えてなるスクロール圧
    縮機において、前記バランスウェイトに主軸の給油孔に
    連結し給油孔で供給される油をバランスウェイトの外周
    側に導く導油路を備えて成り、前記フレームの内面に設
    けた油が溜る油溜と、この油溜と前記フレームに設けた
    キー溝とを連結し油溜の油をキー溝に導く油路を設けた
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
  19. 【請求項19】板状部材にうず巻き状のラップを有する
    旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップを形成し
    た固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、固定スク
    ロールを取付け固定スクロールとともに内側に空間を有
    するフレームと、旋回スクロールの反ラップ面側に設け
    たキー溝に係合するキー及びフレームに設けたキー溝に
    係合するキーとを備えた旋回スクロールの自転防止用の
    オルダムリングと、前記旋回スクロールを旋回運動させ
    る偏心軸を配しその内部に潤滑油を摺動部に導く給油孔
    を有する主軸と、この主軸に結合し主軸のアンバランス
    調整用のバランスウェイトとを備えてなるスクロール圧
    縮機において、前記バランスウェイトに主軸の給油孔に
    連結し給油孔で供給される油をバランスウェイトの外周
    側に導く導油路を備えて成り、前記フレームの内面に設
    けたその中を油が流れる溝状の油溝と、この油溝と前記
    フレームに設けたキー溝とを連結し油溝の油をキー溝に
    導く油路を設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  20. 【請求項20】板状部材にうず巻き状のラップを有する
    旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップを形成し
    た固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、固定スク
    ロールを取付け固定スクロールとともに内側に空間を有
    するフレームと、旋回スクロールの反ラップ面側に設け
    たキー溝に係合するキー及びフレームに設けたキー溝に
    係合するキーとを備えた旋回スクロールの自転防止用の
    オルダムリングと、前記旋回スクロールを旋回運動させ
    る偏心軸を配しその内部に潤滑油を摺動部に導く給油孔
    を有する主軸と、この主軸に結合し主軸のアンバランス
    調整用のバランスウェイトとを備えてなるスクロール圧
    縮機において、前記バランスウェイトと前記フレーム間
    の隙間部の油をバランスウェイトの回転力により前記フ
    レーム側キー溝へ供給するための給油路をフレームに設
    けたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  21. 【請求項21】請求項20において、前記フレーム側キ
    ー溝へ給油するための給油路がバランスウェイトに対向
    しフレーム側キー溝の下方に位置するフレーム内表面
    に、前記フレーム側キー溝底部から上記隙間部に向かう
    に従いバランスウェイトの回転方向と反対方向へ向かっ
    て斜めに形成されたことを特徴とするスクロール圧縮
    機。
  22. 【請求項22】板状部材にうず巻き状のラップを有する
    旋回スクロールと前記ラップと噛み合うラップを形成し
    た固定スクロールを組み合わせた圧縮機構と、固定スク
    ロールを取付け固定スクロールとともに内側に空間を有
    するフレームと、旋回スクロールの反ラップ面側に設け
    たキー溝に係合するキー及びフレームに設けたキー溝に
    係合するキーとを備えた旋回スクロールの自転防止用の
    オルダムリングと、前記旋回スクロールを旋回運動させ
    る偏心軸を配しその内部に潤滑油を摺動部に導く給油孔
    を有する主軸と、この主軸に結合し主軸のアンバランス
    調整用のバランスウェイトとを備えてなるスクロール圧
    縮機において、前記フレームに設けたキー溝より上部の
    フレーム内面に形成した油溜もしくは溝と、前記フレー
    ム側キー溝とフレーム内面の油溜もしくは溝とを結ぶ油
    路と、前記フレーム側キー溝底部に設けた孔と、前記バ
    ランスウェイトに主軸の給油孔に連結し給油孔で供給さ
    れる油をバランスウェイトの外周側に導く導油路と、前
    記バランスウェイトと前記フレーム間の隙間部の油をバ
    ランスウェイトの回転力により前記フレーム側キー溝へ
    供給するためフレームに設けた給油路とを備えて成るこ
    とを特徴とするスクロール圧縮機。
  23. 【請求項23】請求項1乃至22のいずれかに記載のス
    クロール圧縮機において、前記スクロール圧縮機は圧縮
    機構が旋回スクロールと固定スクロールのラップの噛み
    合わせを水平面で行う縦型であることを特徴とするスク
    ロール圧縮機。
  24. 【請求項24】請求項1乃至22のいずれかに記載のス
    クロール圧縮機において、前記スクロール圧縮機は圧縮
    機構が旋回スクロールと固定スクロールのラップの噛み
    合わせを垂直面で行う横型であることを特徴とするスク
    ロール圧縮機。
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