JPH09287579A - 密閉形スクロール圧縮機 - Google Patents

密閉形スクロール圧縮機

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JPH09287579A
JPH09287579A JP9984596A JP9984596A JPH09287579A JP H09287579 A JPH09287579 A JP H09287579A JP 9984596 A JP9984596 A JP 9984596A JP 9984596 A JP9984596 A JP 9984596A JP H09287579 A JPH09287579 A JP H09287579A
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JP
Japan
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oil
passage
casing
chamber
scroll
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Application number
JP9984596A
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English (en)
Inventor
Masao Shiibayashi
正夫 椎林
Mutsunori Matsunaga
睦憲 松永
Takao Mizuno
隆夫 水野
Kenji Tojo
健司 東條
Mitsuhiro Okada
岡田  光弘
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】密閉形スクロール圧縮機で、従来技術における
圧縮機の油上がり量を低減し、圧縮機の信頼性の低下を
防止する。 【解決手段】軸受部から排出した油をフレームに設けた
排油通路でケーシングの内壁面に導き、排出油を電動機
室上部空間における圧縮ガスの流れと隔絶した排油通路
で、密閉容器と電動機ステータ部に設けた通路に直接導
く排油経路を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は密閉形スクロール圧
縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術のスクロール圧縮機は、特開
平2−9973 号公報で開示されているように、スクロール
圧縮機構部で圧縮された冷媒ガスは、上部の吐出室から
連通路を介して電動機室に至る。次いで冷媒ガスは、電
動機の周囲を通って、圧縮機の吐出管から外部に流出す
る。軸受部などを潤滑した油は、バランサ室に溜まり、
さらに、排油孔を介してモータ室に排出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の引用例で
は、バランサ室に溜まり、さらに、排油孔を介してモー
タ室に排出された油は、吐出冷媒ガスの流れに混入しや
すく、その混入した油は冷媒ガスと一緒になって、吐出
管に導かれ、いわゆる圧縮機の油上がり現象が増大する
という問題がある。本発明では上記の圧縮機の油上がり
量を減少し、かつ効果的な電動機の冷却を図るため、ひ
いては、圧縮機内に常時潤滑油を溜めることが可能とな
るように、圧縮機の信頼性向上を図ることを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、フレーム中
央部にあって主軸を支える主軸受部あるいは旋回軸受部
から排出した油を密閉容器のケーシング部内壁面に導く
排油通路をフレームに設けるとともに、電動機の上下空
間をつなぐステータ外周部に通路を設け、上記フレーム
内の排油通路の油排出口周辺部とステータ外周部の通路
とをつなぐ排油通路を密閉容器のケーシング部内に設け
たことを特徴としている。また、電動機ステータ外周部
の通路部と底チャンバの油溜め部とをつなぐ排油通路を
密閉容器のケーシング部内に設けたことを特徴とするも
のである。次に、電動機のステータ部外縁部に複数の通
路部を設け、一つの通路を下方向に流れる主として油の
流れるような通路とし、その他の通路を、下向流もしく
は、上昇流となる主として圧縮ガスの流れとなるような
通路とせしめたことを特徴としている。また、フレーム
内の排油通路の油排出口周辺部とステータ外周部の通路
とをつなぐ排油通路を密閉容器のケーシング部内に設け
た密閉形スクロール圧縮機で、ステータ外周部の通路面
積よりも排油通路の排出油の取り入れ口の広さを大きく
設定したことを特徴とするものである。さらに、排油通
路の油取り入れ口の高さが、主軸受部の下方部の電動機
室上部空間に設けたバランスウェイト上端面の位置より
上方部に位置してなることを特徴とするものである。
【0005】排油通路として、密閉容器のケーシング部
内に設けた方法の一例として図1のように、ケーシング
2aの内壁面2mに沿った通路を設定した場合を示して
いる。いいかえれば、軸受部から排出した油をフレーム
に設けた排油通路でケーシングの内壁面に導き、排出油
を電動機室の上部空間における圧縮ガスの流れと隔絶し
た排油通路で、電動機ステータ外縁部の通路となるコア
カット部に直接導く排油経路を構成したことを特徴とす
るものである。さらに、電動機ステータ外縁部の通路と
なるコアカット部に導かれた排出油を、電動機室下部空
間における圧縮ガスの流れと隔絶した排油通路で、底チ
ャンバの油溜め部に導く排油経路を構成したことを特徴
としている。具体的には、図1に示すように、軸受部3
2,40を潤滑して排出した油は、油圧室41に至り、
さらに、排油孔37で油が、ケーシング2aの内壁面2
mに排出される。次にその排出油を仕切り板31aとケ
ーシング内壁面2mとで形成される排油通路31で、電
動機3のステータ3aの外縁部の通路となるコアカット
部3nの空間25aに直接に導く排油経路を構成する。
排油経路は、電動機室上部空間である1bにおける圧縮
ガスの流れと隔絶した構成としており、軸受部などから
排出された油が圧縮ガス中に直接混入することを防止す
る作用が確実に得られる。外縁部の通路となるコアカッ
ト部3nの空間25aに導かれた油は、そのままケーシ
ング内壁面2mに沿って落下する。また、電動機室下部
空間1cにおける圧縮ガスと上記排出油との混合を避け
るため、仕切り板32aとケーシング内壁面2mとで形
成される排油通路32を、電動機3のステータ3aの外
縁部における通路となるコアカット部3nの下端部から
下フレーム47の外縁部47eを形成するものである。
排油通路で、コアカット部3nの下端部から流れ落ちる
油を直接底チャンバの油溜め部22に導くものである。
図4に示すように、4箇所のコアカット部3nとケーシ
ング内壁面2mとで形成される空間25a,25b,2
5c,25dで、空間25aが排油通路とつながってお
り、空間25aの全領域が下方向に流れる主として油の
ながれる通路としての機能を備えている。一方、空間2
5bは、微量の油分を含むものの主に下方向の圧縮ガス
の流れであり、25c,25dの二つの空間は、上昇流
となる圧縮ガスの流れとなるような主として圧縮ガスの
流れる通路とせしめ、電動機の冷却効果、特に冷却のし
にくい電動機下部への冷却効果が得られる。このよう
に、本発明では、ステータ外周部のコアカット部3nの
空間を主として圧縮ガスの流れる通路と、主として排出
油が流れる通路としての機能分けを図っていることが特
長である。そして、ケーシング内壁面に沿った排油通路
31,32の設定による油戻し経路と電動機室上部空間
1bと電動機室下部空間1cでの主として圧縮ガスの流
れ経路とを隔絶した構成とすることで、従来機に見られ
たような圧縮ガス中に軸受部などから排出された油が直
接混入することが確実に防止できる。このことが密閉容
器自体の油分離機能を効果的に得られるようになるもの
である。本構成により、圧縮機の油上がり量を大幅に低
減できるとともに、電動機全体の冷却効果を大きく向上
させることができる。また、図9で、旋回運動に伴う遠
心力を相殺するバランスウェイト9aをフレーム11下
側の電動機室1b側の主軸14に固定して配置している
場合、排油通路31の油取り入れ口31mの高さは、主
軸受部41の下方部に設けたバランスウェイト9aの上
端面9cの位置より上方部に位置せしめる上下の位置関
係とすることにより、排出管39からの排出油がバラン
スウェイト9aで撹拌する恐れがなくなり、その空間が
冷媒ガス域であることと相俟って、その空間内が油で充
満した雰囲気でないことによるバランスウェイト9aの
回転による撹拌損失が大幅に減少でき、電動機入力が大
幅に減少し、性能向上の作用が得られる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図1から図13
にわたって示す。なお、図中実線矢印は冷媒ガスの流れ
方向を、破線矢印は油の流れ方向を示す。
【0007】図1と図2は、密閉形スクロール圧縮機の
縦断面図である。
【0008】図1と図2に示すように、密閉容器2内の
上方に圧縮機部100が、下方に電動機部3が収納され
ている。そして、密閉容器2内は上部室1a(吐出室)
と電動機室1b,1cとに区画され、さらに下軸受部4
4を支持する下フレーム47の下部には、空間1dがあ
る。圧縮機部100は固定スクロール5と旋回スクロー
ル6を互に噛み合わせて圧縮室8を形成している。固定
スクロール5は、円板状の鏡板5aと、これに直立しイ
ンボリュート曲線あるいはこれに近似の曲線に形成され
たラップ5bとからなり、その中心部に吐出口10,外
周部に吸入口16を備えている。フレーム11は図10
と図11に示すように、中央部に軸受部40を形成し、
軸受部40に回転軸14が支承され、回転軸先端の偏心
軸14aは、旋回スクロール6のボス部6cに相対的な回
転運動が可能なように挿入されている。またフレーム1
1には固定スクロール5が複数本のボルトによって固定
され、旋回スクロール6は、オルダムリング38によっ
てフレーム11に支承され、旋回スクロール6は固定ス
クロール5に対して、自転しないで旋回運動をするよう
に形成されている。図2で、回転軸14には下部に、ロ
ータ3bに固定された電動機軸14bが一体に連設さ
れ、電動機部3が直結されている。固定スクロール5の
吸入口16には密閉容器2を貫通して垂直方向の吸入管
17が接続され、吐出口10が開口している上部室1a
は通路18(18a,18b)を介して上部電動機室1
bと連通している。通路18から、圧縮ガスは、開口部
24であるガス案内通路手段23に至る。ガス案内通路
手段23の全体構造の一実施例を図3と図4に示す。図
3に示すように、ガス案内通路手段23は、ケーシング
内壁面2mを利用してコ字形の枠体23aと衝突板部2
3bで構成している。吐出室1aでの油の混合した圧縮
ガスは、コ字形の枠体23aの開口部29aに導かれ、
電動機3の巻線部3cに向かう水平方向の流れと、衝突
板部23bの開口部29bで鉛直方向の電動機3のステ
ータ外周部のコアカット部3nに向かう流れとに分流さ
れる。
【0009】なお、電動機室上部空間1bは電動機ステ
ータ3aと密閉容器2のケーシング内壁面2mとの間の
通路25(25a,25b,25c,25d)を介して
電動機室下部空間1cに連通している。また上部電動機
室1bは密閉容器2を貫通する吐出管20に連通してい
る。なお、22は密閉容器底部の油溜まり部を示す。潤
滑油22aは、密閉容器2の下部に油溜まり22として
溜められる。なお、15は逆止弁部である。回転軸14
の上端は偏心軸部(クランクピン)14aを備え、偏心
軸部14aが旋回スクロール6の鏡板6aのボス部6c
内の旋回軸受32を介して、スクロール圧縮要素部であ
る旋回スクロール6と係合している。回転軸14には、
各軸受部への給油を行うための偏心縦孔13bが回転軸
14の下端から上端面まで形成される。偏心縦孔13b
は揚油管27の中心孔部13aとつながっている。27
は回転軸14の下端と底部油溜まり22を連絡する揚油
管である。偏心軸部14aの下部には、主軸受(すべり
軸受タイプ)40があり、その外周部には、旋回スクロ
ールの鏡板背面にある背圧室36と主軸側周辺部の高圧
油圧室41とをシールするシール手段34をフレーム端
面11cに備えている。なお、旋回スクロール6の旋回
運動に伴う遠心力を相殺するバランスウェイト9aをフ
レーム11下側の電動機室1b側の主軸14に固定して
配置している。旋回スクロール6の旋回運動に伴う遠心
力を相殺するバランスウェイト9aをフレーム11下側
の電動機室1b側の主軸14に配置している。排油通路
31の油取り入れ口31mの高さは、主軸受部41の下
方部に設けたバランスウェイト9aの上端面9cの位置
より上方部に位置している。このような上下関係とする
ことにより、排出油がバランスウェイト9aで撹拌する
恐れがなくなり、その空間が冷媒ガス域であることと相
俟って、その空間内が油の雰囲気でないことによるバラ
ンスウェイト9aの回転による撹拌損失が大幅に減少で
きる。
【0010】図2で、電動機3のステータ外周部のコア
カット部3nの空間25bへの鉛直方向の流れは、下フ
レーム47で水平方向に方向変換され、電動機下部を冷
却する。さらに、圧縮ガスは、ステータ外周部のコアカ
ット部3nの空間25cと25dを通って上昇流とな
り、再び上部電動機室1bに至り、次に、吐出管で機外
に流出する。なお、図1以下、排油通路31,32とし
て、密閉容器のケーシング部内に設けた方法の一例とし
て図1のように、ケーシング2aの内壁面2mに沿った
通路を設定した場合を示している。
【0011】図4は図1のA−A断面図である。図4に
示すように、分流板23bで垂直方向に変換された油分
を含んだ圧縮ガスは電動機3の巻線部3cに直接衝突し
て、圧縮ガス中から油分の分離がなされる。さらに、油
分の少ない圧縮ガスは、電動機の上部巻線部3cと密閉
容器のケーシング内壁面2mとの空間を周回しながら、
遠心分離機能を働かせながら、圧縮ガスは油分離作用を
促進されて、次にガス案内通路手段23と反対方向にあ
る吐出管20へと至る。図5は排油孔37の油出口部周
辺の油の流れを示す部分斜視図である。図5で、油出口
部となるフレーム外縁部には、ケーシング2aと向かう
間口の広い溝部11zを設けている。この間口の広い溝
部11zの形状とすることで、排出油の流出速度を低減
し、そのケーシング内壁面2mに付着した油の飛散を防
止するものである。
【0012】図6は仕切り板31a,32aとケーシン
グ内壁面2mとで油専用通路となる排油通路31,32
を構成した斜視図である。図7は、図1のB−B断面に
おける横断面図である。47cは、空間1cと1dをつ
なぐ孔であり、また、電動機3のステータ部3aとロー
タ部3bとの空隙部を調節し芯出し用ギャップゲージを
挿入可能な半径方向位置に4箇所設定しているものであ
る。80(80a〜80d)は、下フレーム47をケー
シング2aに固定するためのタック溶接部である。図8
は、図1のC−C断面における横断面図で、吸入口16
と連通路18及びステータ外周部のコアカット部3nの
空間25a,25b,25c,25dさらに吐出管20
との位置関係を示す。
【0013】図4に示したステータ外周部のコアカット
部3nとは、円柱のステータの外周部を縦に直線状に4
箇所カットして、扇形状の空間部を形成したことを差し
示す。3mがコアカット部3nのカット面である。コア
カット部3nとケーシング内壁面2mとで形成される空
間25a,25b,25c,25dで、空間25aの全
領域が下方向に流れる主として油の流れる通路としての
機能を備え、25bは、下方向の圧縮ガスの流れであ
り、25c,25dの二つの空間は、上昇流となる圧縮
ガスの流れとなっている。このように、本発明では、ス
テータ外周部のコアカット部3nの空間を主として圧縮
ガスの流れる通路もしくは、圧縮ガス専用通路として、
一方排出油の流れる通路、もしくは油用専用通路として
の機能分けを図っていることが特長である。このことが
圧縮機の油分離機能の向上と電動機への冷却作用の向上
という両面の作用を効果的に得られることになるのであ
る。
【0014】ここで、圧縮機内部における潤滑油22a
の流れの概要を説明する。図1で、潤滑油22aの油溜
まり22内に浸漬された揚油管27の下端は高圧の吐出
圧力Pdを受けている。容器底部の油溜まり22中の潤
滑油22aは、偏心縦孔13内の遠心ポンプ作用によ
り、偏心縦孔13(13b)内を上昇する。13dは、
油中に混ざったガスを抜くためのガス抜き孔で、1cの
空間にそのガスを排出する。なお、旋回軸受32及び主
軸受(すべり軸受40)のまわりは、シール手段34
で、旋回鏡板6aに設けた細孔6dにより圧縮途中の圧
力である中間圧力Pmの状態にある背圧室36と隔絶さ
れているため、概略吐出圧力の雰囲気にある。偏心縦孔
13内を上昇した潤滑油22aは、横給油孔13cを介
して主軸受40に、一方、主軸上端部室77を介して旋
回軸受32へ給油される。それら軸受部32,40に給
油された油は、一端油圧室41に排出され、その大部分
の油は、前述のように、排油孔37を通って、ケーシン
グ2aの内壁面2mに排出される。また、油圧室41内
の一部の微量の油は、シール手段34を通って、背圧室
36に流入する。なお、背圧室36に流入した油は、図
11にも示すように、連通路用溝11mを介してオルダ
ム室51に流入し、オルダムリング部38周辺部を潤滑
する。また、その微量の油の一部は、旋回鏡板外周部か
ら鏡板摺動面5kを通って吸入室5fへ漏れ、吸入冷媒
ガスと混合する。一方、背圧室36内部の油は、背圧孔
6dを介して圧縮室8にも流出する。圧縮室8に至った
油は、スクロールラップ間の隙間をシールしながら圧縮
室間の漏れを防止しながら、冷媒ガスとともに加圧さ
れ、吐出口10を介して固定スクロール5上方の吐出室
1aさらに電動機室1bへと移動する。圧縮室に入った
油を混合した圧縮ガスは、この吐出室1aと電動機室1
b,1cでのガス流れの過程で、主に冷媒ガスと油は分
離され、その分離油は密閉容器2の下部の下フレーム4
7の孔部47cを介して油溜まり22に落下し、再び各
摺動部に供給される。このような油の流れとすることに
より、圧縮機各部での潤滑が確実に行われる。なお、下
軸受部44に深溝玉軸受を適用し、油膜切れに強い軸受
構造としている。深溝玉軸受の内輪部44aの上端面に
は主軸14とバランスウェイト部9a,9bとロータ部
3bなどの自重分の荷重が受け持つことができるスラス
ト力支持構造としている。本構成により、主軸受41の
すべり軸受部には、特別なスラスト軸受構造をとらなく
てよく、かつ主軸受41に余分な荷重負担がなくなるの
で、主軸受41にすべり軸受タイプの軸受構造としても
軸受まわりの信頼性が改善される。
【0015】図9は、その他の本発明の全体構成を示す
密閉形スクロール圧縮機の縦断面図である。図12は、
排出油の取り入れ口を広く設けた仕切り板部33aとケ
ーシング2bの内壁面とで排油通路33を構成した斜視
図である。すなわち、軸受部から排出した油をフレーム
に設けた排油通路でケーシングの内壁面に導き、排出油
を電動機のステータ外縁部のコアカット部の空間に導く
ため、コアカット部の通路面積よりも広い油の取り入れ
口を設けた排油通路を仕切り板部とケーシングの内壁面
とで形成した実施例である。図9から図12に示すよう
に、排油孔37は排油管39とつながり、油圧室41の
油は、排油孔37と排油管39でケーシング2aの内壁
面2m近傍まで導かれる。その排出油は、間口の広くし
た排油通路33に捕獲されためられる。図9に示すよう
に、間口の広くした排油通路口33aとすることで、飛
散しても油の電動機室上部空間1bへの流出を防止でき
るとともに、排油通路30内に溜まる油の量が増えるこ
とになる。このため、排油通路内30における油柱高さ
(ヘッド)L1をより高く保持できるので、排油通路3
3,25aおよび、これらにつながる排油通路26にお
ける油のケーシング2aの内壁面2mに沿った落下速度
が増加して、排出油の落下作用をスムースに、かつ確実
に行えるものとなる。そのことが、さらに容器自体の油
分離効率が向上できる作用効果につながる。なお、下フ
レーム47と仕切り板部32aとは一体化構造をしてい
る。このことにより、下フレーム47周りのケーシング
2bの内壁面との組立て性の向上と製作コストの低減が
図られる。
【0016】図10は静止部材のフレーム11の平面図
である。図11は図10のM−O−N断面における縦断
面図で、フレーム11とシール手段34の周辺部の構造
を示す部分縦断面図である。中央部の主軸14を支持す
るフレームの中間上方部に旋回スクロールの鏡板部の背
面部を支える鏡板支持座11fを形成し、旋回スクロー
ルの自転防止部材としてオルダムリング38を旋回スク
ロール6とフレーム11との間に配置する。オルダムリ
ング本体部38aが軸方向に対向するフレーム台座面1
1pがある。図11で、旋回スクロールの鏡板背面にあ
る背圧室36と主軸側周辺部の高圧油圧室41とをシー
ルするシール手段34をフレーム中央部端面11cに備
えている。軸受隙間から流出した油が、シール手段34
で背圧室36内部への流入を極力阻止される。背圧室3
6に混入した微量油は、オルダム室51へ移動し、オル
ダム摺動部での油潤滑に供される。また、旋回スクロー
ル6の数十ミクロンという軸方向移動及び傾動に拘りな
くシール手段のシール部を除いて、旋回ボス部6cの先
端面6nとフレーム内周面11cとに軸方向隙間δcを
確保している。すなわち、フレーム台座部11fの高さ
Lf寸法に対して旋回ボス部高さLm寸法を数百ミクロ
ン小さく設定している。実用的には、軸方向隙間δc=
0.3mmから0.5mm前後の隙間となる。このことで、先
端面6nを傷つけることがなくなり、シール部34のシ
ール面をも損傷を回避でき、シール部機構の長寿命化と
信頼性向上が図れる。すなわち、Lf>Lmの寸法関係
とすることで、旋回スクロールの鏡板背面部の軸方向の
動きをフレーム台座部の上端面部で規制している構成と
している。
【0017】図10と図11で、旋回スクロールの鏡板
6aの背面とフレーム11とで形成される空間を、旋回
スクロールの鏡板背面のフレーム側軸方向移動を規制す
る環状のフレーム台座部11fによって旋回ボス部6c
の周辺の背圧室36とフレーム台座部より外側にあって
オルダム機構部を備えたオルダム室51とに区画し、背
圧室とオルダム室を連通する溝11mをフレーム台座部
の上端面に形成するも、連通溝11mの底面をフレーム
台座部11fの外側のオルダム室51の底面11pの位
置より上方位置に設定している。また、必然とオルダム
キー溝部57aにも油が溜まることになる。また、オルダ
ム室51に溜まった油22aがオルダムリング本体部3
8aの往復移動に伴い周辺部に飛散し、油滴22cとな
って背圧室及びオルダム室51の摺動部の潤滑に供され
る。このため、圧縮機が停止されてもその部分には油が
残っており、特に自転荷重の作用するオルダムキー溝部
57aには常に油がある。そして、圧縮機の再起動時で
は、従来機のような油量不足が生じることがなくなる。
また、油量不足によるオルダム機構部の摺動部の潤滑性
能が損なわれることも解消され、そのオルダム機構部の
信頼性が向上できる。
【0018】ここで、排油孔37を通って、ケーシング
2aの内壁面2mに排出される油の量は全体の油量(揚
油管27から上昇し給油される量)に対して、概ね85
%〜90%前後の比率となる。一方、油圧室41内から
シール手段34を通って、背圧室36に流入し、圧縮室
8ひいては吐出室1aへと循環する油の量は、全体の油
量に対して、概ね10%〜15%前後の比率となる。こ
のように本発明の実施例によれば、シール手段34を設
定して漏れ油量の調節がなされる。また、一方では、排
油通路経路の流路抵抗が小さくてすむ通路面積(大き
さ)の適正化が図れる。この他、本発明の実施例によれ
ば、従来機でみられた側部空間から吸入室5fへの高温
の油漏れ作用を極力微小量に抑制できるので、吸入室に
おける吸入ガスの内部加熱量を大幅に軽減できる。この
ため、吸入ガスの内部加熱量低下による体積効率の向上
と撹拌損失低減によって、全断熱効率の向上が大幅に図
れる。本発明の実施例では、密閉容器内が高圧の吐出圧
力の雰囲気にあるいわゆる高圧チャンバ方式による密閉
形スクロール圧縮機の場合を説明したが、密閉容器内が
低圧の吸入圧力の雰囲気にあるいわゆる低圧チャンバ方
式の密閉形スクロール圧縮機の場合にも適用可能であ
る。その実施例を図13に示す。17は、吸入管であ
り、電動機室の上下空間1b,1c,1dは、吸入圧力
の雰囲気となり、その中の冷媒ガスは、吸入通路86、
さらに吸入溝部87を経てスクロール部に吸入される。
次に圧縮室8を経て吐出口10から吐出室1aに至り、
さらに上チャンバに設けた吐出管20で冷媒ガスは外部
に導かれる。ここで、圧縮機内部における潤滑油22a
の流れの概要を説明する。図13で、潤滑油22aの油
溜まり22内に浸漬された揚油管27の下端は低圧の吸
入圧力Psを受けている。容器底部の油溜まり22中の
潤滑油22aは、偏心縦孔13内の遠心ポンプ作用によ
り、偏心縦孔13(13b)内を上昇する。なお、旋回
軸受32及び主軸受(すべり軸受40)のまわりは低圧
の吸入圧力Psの雰囲気であり、シール手段34は付属
してない。偏心縦孔13内を上昇した潤滑油22aは、
横給油孔13cを介して主軸受40に、一方、主軸上端
部室77を介して旋回軸受32へ給油される。それら軸
受部32,40に給油された油は、一端油圧室93に排
出され、さらに、オルダム室51に移動する。それらの
油は、オルダム室51から、排油孔88を通って、ケー
シング2aの内壁面2mに排出される。その排出油は、
間口の広くした排油通路33に捕獲され溜められ、通路
25aさらに、排油通路32で、コアカット部3nの下
端部から流れ落ちる油を直接底チャンバの油溜め部22
に導くことができる。図13の実施例でも、ステータ外
周部のコアカット部3nの空間を主として圧縮ガス用通
路機能と、一方主として排油用通路としての機能分けを
図っている。そして、ケーシング内壁面に沿った排油通
路33,32の設定による油戻し経路と電動機室上部空
間1bと電動機室下部空間1cでの主として低圧冷媒ガ
スの流れ経路とを隔絶した構成とすることで、冷媒ガス
中に軸受部などから排出された油が直接混入することが
確実に防止できる。このように、本発明では、軸受部か
ら排出した油をフレームに設けた排油通路でケーシング
の内壁面に導き、排出油を電動機室上部空間における圧
縮ガスの流れと隔絶した排油通路で、密閉容器と電動機
ステータ部に設けた通路に直接導く排油経路を構成した
ことを特徴とする。
【0019】
【発明の効果】本発明の実施例によれば次の効果があ
る。
【0020】(1)圧縮機の油上がり量の低減が大幅に
図れ、圧縮機の品質向上と信頼性の向上を図ることがで
きる。
【0021】(2)軸受部からの排出油が直接バランス
ウェイトによって撹拌することがなくなり、バランスウ
ェイトの回転による撹拌損失が大幅に減少でき、圧縮機
の入力が減少する。また、圧縮機の体積効率の向上とと
もに、年間を通しても空調機のエネルギ消費効率が大き
く改善できる。
【0022】(3)電動機全体の冷却効果の向上を図る
ことができる。
【0023】(4)その結果、冷凍サイクル全体として
の性能向上(配管の圧力損失の低減による冷房能力と暖
房能力の向上、ひいては、成績係数の向上)が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示す密閉形スクロール圧縮
機の縦断面図。
【図2】本発明の全体構成を示す密閉形スクロール圧縮
機の縦断面図。
【図3】ガス案内通路手段23周囲の冷媒ガスと油の流
れ様相を示す部分斜視図。
【図4】図1のA−A断面における横断面図。
【図5】排油通路37の油出口部周辺の油の流れを示す
部分斜視図。
【図6】仕切り板とケーシング内壁面とで排油通路を構
成した斜視図。
【図7】図1のB−B断面における横断面図。
【図8】図1のC−C断面における横断面図。
【図9】その他の本発明の全体構成を示す密閉形スクロ
ール圧縮機の縦断面図。
【図10】静止部材のフレーム11の平面図。
【図11】図10のM−O−N断面における縦断面図。
【図12】仕切り板33aとケーシング2aの内壁面と
で排油通路を構成した斜視図。
【図13】その他の本発明の全体構成を示す密閉形スク
ロール圧縮機の縦断面図。
【符号の説明】
2…密閉容器、2a…ケーシング部、5…固定スクロー
ル、6…旋回スクロール、11…フレーム、14…主
軸、18…連通路、31,32…排油通路、31a,32
a,33a…仕切り板部、34…シール手段、40…主
軸受、51…オルダム室。
フロントページの続き (72)発明者 東條 健司 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内 (72)発明者 岡田 光弘 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鏡板に渦巻状のラップを直立する固定スク
    ロール及び旋回スクロールを、ラップを内側にして噛み
    合わせ、上記旋回スクロールを主軸に連設する偏心軸部
    に旋回軸受部を介して係合し、上記旋回スクロールを自
    転することなく上記固定スクロールに対し旋回運動さ
    せ、上記固定スクロールには中心部に開口する吐出口を
    設け、上記両スクロールの外周部よりガスを吸入し、上
    記両スクロールで形成される圧縮空間を中心に移動させ
    容積を減少してガスを圧縮し、吐出口より圧縮ガスを吐
    出するスクロール圧縮要素部と電動機部を密閉容器内に
    収納した密閉形スクロール圧縮機において、 フレーム中央部にあって上記主軸を支える主軸受部ある
    いは上記旋回軸受部から排出した油を密閉容器のケーシ
    ング部内壁面に導く排油通路をフレームに設け、電動機
    の上下空間をつなぐステータ外周部に通路を設け、上記
    フレーム内の上記排油通路の油排出口周辺部と上記ステ
    ータ外周部の通路とをつなぐ排油通路を上記密閉容器の
    ケーシング部内に設けたことを特徴とする密閉形スクロ
    ール圧縮機。
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