JP2009174460A - スクリュー圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゲートロータの軸受部を十分に潤滑する。
【解決手段】各ゲートロータ(50A(50B))には、ゲートロータ(50A(50B))の回転軸(X)と同軸に延びる軸部(58)が設けられている。2つのゲートロータ(50A,50B)のうち下向きゲートロータ(50B)は軸部(58)が上方に延びるように設けられていると共に、上向きゲートロータ(50A)は軸部(58)が下方に延びるように設けられている。ゲートロータ収容室(13)には、軸部(58)を回転自在に支持する軸受部(13b)が設けられている。スクリュー圧縮機(1)は、少なくとも下向きゲートロータ(50B)に対して、軸受部(13b)まで油を導く油導入機構(9,209,309)を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】各ゲートロータ(50A(50B))には、ゲートロータ(50A(50B))の回転軸(X)と同軸に延びる軸部(58)が設けられている。2つのゲートロータ(50A,50B)のうち下向きゲートロータ(50B)は軸部(58)が上方に延びるように設けられていると共に、上向きゲートロータ(50A)は軸部(58)が下方に延びるように設けられている。ゲートロータ収容室(13)には、軸部(58)を回転自在に支持する軸受部(13b)が設けられている。スクリュー圧縮機(1)は、少なくとも下向きゲートロータ(50B)に対して、軸受部(13b)まで油を導く油導入機構(9,209,309)を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、スクリュー圧縮機に関するものである。
従来より、冷媒や空気を圧縮する圧縮機として、1つのスクリューロータと該スクリューロータを収容するケーシングと2つのゲートロータとを備えたシングルスクリュー圧縮機が知られている(特許文献1参照)。
このスクリュー圧縮機は、スクリューロータは水平軸回りに回転するように配設されると共に、2つのゲートロータはスクリューロータの軸を概ね水平方向に挟んで対称な位置に配設されている。各ゲートロータは、該ゲートロータの回転軸と同軸に延びる軸部が設けられている。これらスクリューロータ及びゲートロータは、ケーシング内に収容されている。
詳しくは、ケーシングには、スクリューロータを収容するスクリューロータ収容室とゲートロータを収容するゲートロータ収容室とが形成されている。スクリューロータ収容室は、スクリューロータが嵌合する円筒状に形成されており、スクリューロータの歯先が実質的に摺接するように構成されている。一方、ゲートロータ収容室は、スクリューロータ収容室の両側方に形成されている。
2つのゲートロータのうちの一方のゲートロータは、一方のゲートロータ収容室内において、軸部を上方に向けた姿勢で配設され、該軸部を軸受部によって回動自在に支持されている。また、2つのゲートロータのうちの他方のゲートロータは、他方のゲートロータ収容室内において、軸部を下方に向けた姿勢で配設され、該軸部を軸受部によって回動自在に支持されている。
これらスクリューロータ収容室及びゲートロータ収容室内は、ケーシング内の低圧空間や高圧空間と連通しており、高圧や低圧の冷媒が流通している。さらに、スクリューロータとゲートロータとの摺接部分をはじめとするスクリュー圧縮機の各部分を潤滑するための油も、ミスト状となって冷媒と共に流通している。
こうして、油が冷媒と共にスクリューロータ収容室及びゲートロータ収容室内を流通することによって、ゲートロータ収容室内の軸受部等の摺動部分を潤滑している。
特開2001−65481号公報
しかしながら、上述の如く、スクリューロータ収容室及びゲートロータ収容室内を流通する油及び冷媒の気流の成り行きで各摺動部分を潤滑する構成においては、油及び冷媒が行き届きにくい部分で潤滑が不十分となる虞がある。
特に、特許文献1に係るスクリュー圧縮機のように、一方のゲートロータは軸部が上方を向くように配設され、他方のゲートロータは軸部が下方を向くように配設される構成においては、油及び冷媒は重力により下方へ流れて行き易いため、軸部が上方を向くゲートロータの軸受部を十分に潤滑できない虞がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ゲートロータの軸受部を十分に潤滑することにある。
第1の発明は、スクリューロータ(40)と、該スクリューロータ(40)を挟んで設けられて該スクリューロータ(40)に噛合する2つのゲートロータ(50A,50B)と、該スクリューロータ(40)を収容するスクリューロータ収容室(12)及び該ゲートロータ(50A,50B)を収容するゲートロータ収容室(13)が形成されたケーシング(10)とを備えたスクリュー圧縮機が対象である。そして、前記各ゲートロータ(50A(50B))には、該ゲートロータ(50A(50B))の回転軸(X)と同軸に延びる軸部(58)が設けられており、2つの前記ゲートロータ(50A,50B)のうち一方の前記ゲートロータ(50B)は前記軸部(58)が上方に延びるように設けられていると共に、他方の前記ゲートロータ(50A)は前記軸部(58)が下方に延びるように設けられており、前記ゲートロータ収容室(13)には、前記軸部(58)を回転自在に支持する軸受部(13b)が設けられており、少なくとも前記軸部(58)が上方に延びるゲートロータ(50B)に対して、前記軸受部(13b)まで油を導く油導入機構(9,209,309)をさらに備えるものとする。
前記の構成の場合、軸部(58)が下方に延びるゲートロータ(50A)の軸受部(13b)に比べて、軸部(58)が上方に延びるゲートロータ(50B)の軸受部(13b)の方が上方に位置する。それに対し、前記油導入機構(9,209,309)を設けることによって、この軸部(58)が上方に延びるゲートロータ(50B)において、該軸部(58)を支持する軸受部(13b)に油を積極的に導入することができ、該軸受部(13b)を十分に潤滑することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記ゲートロータ収容室(13)は、圧縮前の冷媒が流通する低圧空間となっており、前記軸部(58)が上方に延びるゲートロータ(50B)の該軸部(58)は、その下端が該ゲートロータ(50B)よりも下方に突出しており、前記油導入機構(9)は、前記軸部(58)に貫通形成され、一端が該軸部(58)の下端部(58b)に開口する一方、他端が前記軸受部(13b)よりも上方において開口する油通路(92)と、前記軸部(58)の下端部(58b)が浸漬すると共に、高圧油が供給される油溜まり部(91)とを有するものとする。
前記の構成の場合、前記ゲートロータ収容室(13)が低圧空間となっている一方、前記油溜まり部(91)に高圧の油が供給されているため、その差圧によって、該油溜まり部(91)の油が前記軸部(58)の下端部(58b)から前記油通路(92)に流入し、該油通路(92)を上方に流れていく。この油通路(92)を流通する油は、前記軸受部(13b)よりも上方において該油通路(92)からゲートロータ収容室(13)に流出するため、該軸受部(13b)を確実に潤滑することができる。
第3の発明は、第2の発明において、前記油通路(92)は、前記軸部(58)において前記回転軸(X)に対して偏心した位置に形成されているものとする。
前記の構成の場合、前記ゲートロータ収容室(13)と前記油溜り部との差圧に加えて、回転する前記軸部(58)の遠心力によって、油を前記軸受部(13b)まで導く。詳しくは、前記油通路(92)を、該軸部(58)において回転軸(X)に対して偏心して設けることによって、該軸部(58)が該回転軸(X)回りに回転する際に、油溜まり部(91)の油が遠心力により該油通路(92)を上方へ流れていく。そして、該油は油通路(92)の他端から軸受部(13b)の上方の空間に流出し、該軸受部(13b)を潤滑することができる。
つまり、ゲートロータ収容室(13)と油溜り部との差圧に加えて、軸部(58)の遠心力を利用して、油を軸受部(13b)の上方まで確実に導入することができる。この構成は、ゲートロータ収容室(13)と油溜まり部(91)との差圧が小さいときに特に有効である。
第4の発明は、第1の発明において、前記軸部(58)が上方に延びるゲートロータ(50B)の該軸部(58)は、その下端が該ゲートロータ(50B)よりも突出しており、前記油導入機構(209)は、前記軸部(58)において前記回転軸(X)に対して偏心した位置に貫通形成され、一端が該軸部(58)の下端部(58b)に開口する一方、他端が前記軸受部(13b)よりも上方において開口する偏心油通路(292)と、前記軸部(58)の下端が浸漬する油溜まり部(291)とを有するものとする。
前記の構成の場合、回転する前記軸部(58)の遠心力によって、油を前記軸受部(13b)まで導く。詳しくは、前記偏心油通路(292)を、該軸部(58)において回転軸(X)に対して偏心して設けることによって、該軸部(58)が該回転軸(X)回りに回転する際に、油溜まり部(291)の油が遠心力により該偏心油通路(292)を上方へ流れていく。そして、該油は偏心油通路(292)の他端から軸受部(13b)の上方の空間に流出し、該軸受部(13b)を潤滑することができる。
第5の発明は、第1〜第4の何れか1つの発明において、前記油導入機構(309)は、前記ケーシング(313a)に形成されて、一端が前記スクリューロータ(40)の外周に対向する位置において前記スクリューロータ収容室(12)に開口する一方、他端が前記軸受部(13b)の上方において前記ゲートロータ収容室(13)に開口する油導入路(395)を有するものとする。
前記の構成の場合、スクリューロータ(40)の回転による遠心力によって該スクリューロータ(40)から径方向外方に飛び散る油が、前記油導入路(395)の一端から該油導入路(395)に流入し、該油導入路(395)を通って、前記ゲートロータ収容室(13)の前記軸受部(13b)の上方の空間まで導かれる。こうして、該軸受部(13b)を潤滑することができる。
本発明によれば、前記軸部(58)が上方を向くゲートロータ(50B)において軸受部(13b)まで油を積極的に導く油導入機構(9,209,309)を設けることによって、冷媒及びミスト状の油の気流の成り行きに任せたままでは潤滑が不十分となり易い、比較的上方に位置する軸受部(13b)であっても、十分に潤滑することができる。
第2の発明は、ゲートロータ収容室(13)を低圧空間とする一方、前記軸部(58)が上方を向くゲートロータ(50B)において該軸部(58)に一端が該軸部(58)の下端部(58b)に開口し他端が軸受部(13b)より上方に開口する油通路(92)を貫通形成し且つ該軸部(58)の下端部(58b)を高圧の油が供給される油溜まり部(91)に浸漬させることによって、ゲートロータ収容室(13)と油溜まり部(91)との差圧を利用して、油溜まり部(91)から油通路(92)を介して軸受部(13b)の上方まで油を導くことができ、該軸受部(13b)を十分に潤滑することができる。
第3の発明は、前記油通路(92)を軸部(58)において回転軸(X)に対して偏心させることによって、ゲートロータ収容室(13)と油溜まり部(91)との差圧だけでなく、該軸部(58)の回転による遠心力を利用して、油溜まり部(91)から油通路(92)を介して軸受部(13b)の上方まで油を導くことができ、該軸受部(13b)を確実に潤滑することができる。
第4の発明は、前記軸部(58)が上方を向くゲートロータ(50B)において該軸部(58)に一端が該軸部(58)の下端部(58b)に開口し他端が軸受部(13b)より上方に開口する油通路を該軸部(58)において回転軸(X)に対して偏心した位置に貫通形成し且つ該軸部(58)の下端部(58b)を高圧の油が供給される油溜まり部(291)に浸漬させることによって、該軸部(58)の回転による遠心力を利用して、油溜まり部(291)から油通路を介して軸受部(13b)の上方まで油を導くことができ、該軸受部(13b)を十分に潤滑することができる。
第5の発明は、前記ケーシング(313a)に、一端が前記スクリューロータ(40)の外周に対向する位置において前記スクリューロータ収容室(12)に開口する一方、他端が前記軸受部(13b)の上方において前記ゲートロータ収容室(13)に開口する油導入路(395)を形成することによって、スクリューロータ(40)の回転による遠心力により該スクリューロータ(40)から径方向外方に飛び散る油を該油導入路(395)を介して、軸受部(13b)の上方まで油を導くことができ、該軸受部(13b)を十分に潤滑することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1に係るスクリュー圧縮機(1)は、冷凍サイクルを行う冷媒回路に設けられて冷媒を圧縮するためのものである。スクリュー圧縮機(1)は、図2,3に示すように、密閉型に構成されている。このスクリュー圧縮機(1)では、圧縮機構(20)とそれを駆動する電動機(図示省略)とが1つのケーシング(10)に収容されている。圧縮機構(20)は、駆動軸(21)を介して電動機と連結されている。また、ケーシング(10)内には、冷媒回路の蒸発器から低圧のガス冷媒が導入されると共に該低圧ガスを圧縮機構(20)へ案内する低圧空間(S1)と、圧縮機構(20)から吐出された高圧のガス冷媒が流入する高圧空間(S2)とが区画形成されている。
本発明の実施形態1に係るスクリュー圧縮機(1)は、冷凍サイクルを行う冷媒回路に設けられて冷媒を圧縮するためのものである。スクリュー圧縮機(1)は、図2,3に示すように、密閉型に構成されている。このスクリュー圧縮機(1)では、圧縮機構(20)とそれを駆動する電動機(図示省略)とが1つのケーシング(10)に収容されている。圧縮機構(20)は、駆動軸(21)を介して電動機と連結されている。また、ケーシング(10)内には、冷媒回路の蒸発器から低圧のガス冷媒が導入されると共に該低圧ガスを圧縮機構(20)へ案内する低圧空間(S1)と、圧縮機構(20)から吐出された高圧のガス冷媒が流入する高圧空間(S2)とが区画形成されている。
圧縮機構(20)は、1つのスクリューロータ(40)と、ケーシング(10)の一部を構成し且つ該スクリューロータ(40)を収容するスクリューロータ収容室(12)を区画形成する円筒壁(11)と、該スクリューロータ(40)に噛み合う2つのゲートロータ(50A,50B)とを備えている。
スクリューロータ(40)は、図3,4に示すように、概ね円柱状に形成された金属製の部材である。スクリューロータ(40)の外周部には、スクリューロータ(40)の一端から他端へ向かって螺旋状に延びる螺旋溝(41,41,…)が複数形成されている。複数の螺旋溝(41,41,…)は等間隔で配置されている。スクリューロータ(40)は、円筒壁(11)に回転可能に嵌合しており、その外周面が円筒壁(11)の内周面と摺接する。
スクリューロータ(40)には、駆動軸(21)が挿通されている。スクリューロータ(40)と駆動軸(21)は、キー(22)によって連結されている。駆動軸(21)は、スクリューロータ(40)と同軸上に配置されている。駆動軸(21)の先端部は、圧縮機構(20)の高圧空間(S2)側(図2の右側)に位置する軸受ホルダ(60)に回転自在に支持されている。この軸受ホルダ(60)は、玉軸受(61)を介して駆動軸(21)を支持している。
スクリューロータ(40)の各螺旋溝(41)は、該スクリューロータ(40)の軸方向における一端側(図4における左側)が始端となり、他端側(図4における右側)が終端となっている。また、スクリューロータ(40)は、軸方向一端面の周縁部がテーパー面に形成されている。そして、螺旋溝(41)の始端はテーパー面に開口する一方、螺旋溝(41)の終端はスクリューロータ(40)の外周面に開口し軸方向他端面には開口していない。このスクリューロータ(40)は、始端側が低圧空間(S1)側を、終端側が高圧空間(S2)側を向くように、円筒壁(11)内に嵌合されている(図2参照)。すなわち、螺旋溝(41)は、始端部が低圧空間(S1)に開放している。この始端部が圧縮機構(20)の吸入ポート(24)になっている。
螺旋溝(41)は、ゲートロータ(50A(50B))の後述するゲート(51)の進行方向の前側に位置する第1側壁面(42)と、ゲート(51)の進行方向の後側に位置する第2側壁面(43)と、底壁面(44)とで構成されている。
2つのゲートロータ(50A,50B)は、表面が上方を向く上向きゲートロータ(50A)と表面が下方を向く下向きゲートロータ(50B)とで構成されている。各ゲートロータ(50A(50B))は、円盤状の基部(52)と、該基部(52)から外周方向に放射状に延びる、長方形板状に形成された複数のゲート(51,51,…)とを有した樹脂製の部材である。ゲートロータ(50A(50B))は、金属製のロータ支持部材(55)に取り付けられている。ロータ支持部材(55)は、基部(56)とアーム部(57)と軸部(58)とを備えている。基部(56)は、やや肉厚の円板状に形成されている。アーム部(57)は、ゲートロータ(50A(50B))のゲート(51)と同数だけ設けられており、基部(56)の外周面から外側へ向かって放射状に延びている。軸部(58)は、棒状に形成されて基部(56)に貫通した状態で立設されている。軸部(58)の中心軸(X)は、基部(56)の中心軸と一致している。ゲートロータ(50A(50B))は、基部(56)及びアーム部(57)における軸部(58)とは反対側の面に取り付けられている。各アーム部(57)は、ゲート(51)の裏面に当接している。このとき、軸部(58)の一端部(以下、突端部ともいう)(58a)は、ゲートロータ(50A(50B))の表面から突出している。また、ゲートロータ(50A(50B))の回転軸(X)は、軸部(58)の中心軸(X)と一致している。
2つのゲートロータ(50A,50B)は、図3に示すように、円筒壁(11)の外側にスクリューロータ(40)を挟んで対称に配置されたゲートロータ収容室(13,13)内に収容されている。各ゲートロータ収容室(13)は、低圧空間(S1)に連通している。
このゲートロータ収容室(13)には、ケーシング(10)の一部を構成する軸受ハウジング(13a)が配設されている。軸受ハウジング(13a)は、基端側にフランジ(13c)が設けられた円筒部材であって、ケーシング(11)の開口(11a)からゲートロータ収容室(13)内に挿通され、該フランジ(13c)がケーシング(11)に取り付けられている。また、フランジ(13c)には、蓋部材(13d)が取り付けられており、軸受ハウジング(13a)は、有底筒状に形成されている。
軸受ハウジング(13a)内には、上下2箇所に玉軸受(13b,13b)が設けられている。玉軸受(13b,13b)によってゲートロータ(50B)の軸部(58)が回転自在に支持されている。この玉軸受(13b)が軸受部を構成する。
前記円筒壁(11)は、ゲートロータ収容室(13,13)とスクリューロータ収容室(12)とを連通させる開口(11b)が貫通形成されている。そして、ゲートロータ収容室(13)内に収容されたゲートロータ(50)は、ゲート(51,51,…)が円筒壁(11)の開口(11b)を通じてスクリューロータ(40)の螺旋溝(41,41,…)に噛み合うように配置されている。このとき、ゲートロータ(50)の基部(52)の表面は、円筒壁(11)の開口(11b)の開口端面(11c)に近接している。
このとき、2つのゲートロータ(50A,50B)は、スクリューロータ(40)に対して水平方向に隣接して設けられている。また、各ゲートロータ(50A(50B))は、その表面がスクリューロータ(40)の回転方向に対向するように、即ち、スクリューロータ(40)の接線方向を向くように配設されている。その結果、上向きゲートロータ(50A)は、表面が鉛直上方を向く一方、軸部(58)が鉛直下方を向く姿勢で設置され、下向きゲートロータ(50B)は、表面が鉛直下方を向く一方、軸部(58)が鉛直上方を向く姿勢で設置されている。
また、ケーシング(10)には、ゲートロータ収容室(13)に連通する開口(11d)が側方から形成されており、この開口(11d)は蓋部材(11e)で封鎖されている。つまり、この蓋部材(11e)を取り外すことによって、ゲートロータ(50A(50B))を開口(11d)を通じてメンテナンス等することができる。
圧縮機構(20)では、ゲートロータ(50A(50B))のゲート(51)がスクリューロータ(40)の螺旋溝(41)に噛合することによって、円筒壁(11)の内周面と螺旋溝(41)とゲート(51)とで囲まれた閉空間により圧縮室(23)が形成される。すなわち、圧縮室(23)は、螺旋溝(41)と円筒壁(11)とで囲まれた筒状の空間を、螺旋溝(41)の始端側及び/又は終端側からゲート(51)で閉じることによって形成される。
スクリュー圧縮機(1)には、容量制御機構としてスライドバルブ(7)が設けられている。このスライドバルブ(7)は、円筒壁(11)がその周方向の2カ所において径方向外側に膨出したスライドバルブ収容室(14)内に設けられている。スライドバルブ(7)は、内面が円筒壁(11)の内周面の一部を構成すると共に、円筒壁(11)の軸心方向にスライド可能に構成されている。
スライドバルブ収容室(14)には、スライドバルブ(7)の外面側に吐出通路(17)が形成されている。この吐出通路(17)は、高圧空間(S2)に連通している。
スライドバルブ(7)には、圧縮室(23)と吐出通路(17)とを連通させるための吐出ポート(73)が形成されている。
また、ケーシング(10)には、スライドバルブ(7)の外面側であって低圧空間(S1)寄りの部分には、吐出通路(17)と遮断されたバイパス通路(19)が形成されている。このバイパス通路(19)は、低圧空間(S1)と連通している。
スライドバルブ(7)が高圧空間(S2)側(図2における右方向)へスライドすると、スライドバルブ収容室(14)の端面(16c)とスライドバルブ(7)の端面(71c)との間に軸方向隙間が形成される。この軸方向隙間は、バイパス通路(19)と連通していて、圧縮室(23)から低圧空間(S1)へ冷媒を戻すためのバイパスポート(19a)となる。スライドバルブ(7)を移動させてバイパスポート(19a)の開度を変更すると、圧縮機構(20)の容量が変化する。
前記スクリュー圧縮機(1)には、スライドバルブ(7)をスライド駆動させるためのスライドバルブ駆動機構(80)が設けられている。このスライドバルブ駆動機構(80)は、軸受ホルダ(60)に固定されたシリンダ(81)と、該シリンダ(81)内に装填されたピストン(82)と、該ピストン(82)のピストンロッド(83)に連結されたアーム(84)と、該アーム(84)とスライドバルブ(7)とを連結する連結ロッド(85)と、アーム(84)を図2の右方向に付勢するスプリング(86)とを備えている。
図2に示すスライドバルブ駆動機構(80)において、ピストン(82)の左側空間には低圧圧力が作用し、ピストン(82)の右側空間には高圧圧力が作用する。スライドバルブ駆動機構(80)は、ピストン(82)の左右の端面に作用するガス圧を調節することによって該ピストン(82)の動きを制御し、スライドバルブ(7)の位置を調整するように構成されている。
ケーシング(10)の円筒壁(11)には、図1に示すように、スクリューロータ(40)及びゲートロータ(50A,50B)に給油するための給油路(30,30)が形成されている。
詳しくは、給油路(30,30)は、円筒壁(11)において、ゲートロータ(50A,50B)の近傍であって、ゲートロータ(50A,50B)よりもスクリューロータ(40)の回転方向後側(手前側)に形成されている。さらに詳しくは、各給油路(30)は、円筒壁(11)の開口(11b)とスライドバルブ収容室(14)との間に形成されている。
給油路(30)は、円筒壁(11)にゲートロータ収容室(13)側からスクリューロータ収容室(12)側へ厚み方向に穿孔され且つそのゲートロータ収容室(13)側端部をプラグにより封止された厚み方向通路(31)と、円筒壁(11)を軸方向に形成され、一端が該厚み方向通路(31)に連通する一方、他端が油タンク(図示省略)に連通する軸方向通路(32)とを有している。油タンクは、圧縮室(23)から吐出後の冷媒から分離した油を貯留しており、該油は、吐出後の高圧冷媒により高圧状態となっている。つまり、軸方向通路(32)を流通してきた高圧の油が厚み方向通路(31)を通ってスクリューロータ収容室(12)へ吐出される。スクリューロータ収容室(12)へ吐出された油は、ゲートロータ(50A(50B))のゲート(51,51,…)に噛合直前の螺旋溝(41,41,…)に供給される。こうして、スクリューロータ(40)、特に螺旋溝(41,41,…)が潤滑される。また、油が吹き掛けられた螺旋溝(41,41,…)は、すぐにゲート(51,51,…)と噛合するため、該ゲート(51,51,…)も油によって潤滑される。
−運転動作−
前記シングルスクリュー圧縮機(1)の運転動作について説明する。
前記シングルスクリュー圧縮機(1)の運転動作について説明する。
シングルスクリュー圧縮機(1)において電動機を起動すると、駆動軸(21)が回転するのに伴ってスクリューロータ(40)が回転する。このスクリューロータ(40)の回転に伴ってゲートロータ(50A,50B)も回転し、圧縮機構(20)が吸入行程、圧縮行程及び吐出行程を繰り返す。ここでは、スクリューロータ(40)の回転方向において下向きゲートロータ(50B)から上向きゲートロータ(50A)までの領域に形成される圧縮室(23)、即ち、螺旋溝(41)の始端側が上向きゲートロータ(50A)によって閉じ切られる圧縮室(23)について説明する。
図5(A)において、網掛けを付した螺旋溝(41)、即ち、圧縮室(23)は、始端部の吸入ポート(24)が低圧空間(S1)に開口している。また、この圧縮室(23)が形成されている螺旋溝(41)は、同図の下側に位置する下向きゲートロータ(50B)のゲート(51)と噛み合わされている。スクリューロータ(40)が回転すると、このゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって相対的に移動し、それに伴って圧縮室(23)の容積が拡大する。その結果、低圧空間(S1)の低圧ガス冷媒が吸入ポート(24)を通じて圧縮室(23)へ吸い込まれる。
スクリューロータ(40)が更に回転すると、図5(B)の状態となる。同図において、網掛けを付した圧縮室(23)は、閉じきり状態となっている。つまり、この圧縮室(23)が形成されている螺旋溝(41)は、同図の上側に位置する上向きゲートロータ(50A)のゲート(51)と噛み合わされ、このゲート(51)によって低圧空間(S1)から仕切られている。そして、スクリューロータ(40)の回転に伴ってゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって移動すると、圧縮室(23)の容積が次第に縮小する。その結果、圧縮室(23)内のガス冷媒が圧縮される。
スクリューロータ(40)が更に回転すると、図5(C)の状態となる。同図において、網掛けを付した圧縮室(23)は、吐出ポート(73)に開口し、吐出ポート(73)を介して高圧空間(S2)と連通した状態となる。その結果、圧縮されたガス冷媒が吐出ポート(73)から吐出通路(17)へ流出し、吐出通路(17)を流れて、高圧空間(S2)へ流出していく。そして、スクリューロータ(40)の回転に伴ってゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって移動すると共に、螺旋溝(41)の吐出ポート(73)への開口面積が大きくなり、圧縮されたガス冷媒が螺旋溝(41)から押し出されてゆく。
なお、螺旋溝(41)内の圧縮室(23)が閉じきり状態となる位置にゲート(51)が到達した後において、ゲート(51)と螺旋溝(41)の側壁面(42,43)及び底壁面(44)とは物理的に擦れ合っている必要はなく、両者の間に微小な隙間があっても差し支えない。つまり、ゲート(51)と螺旋溝(41)の第1及び第2側壁面(42,43)及び底壁面(44)と間に微小な隙間があっても、この隙間が潤滑油からなる油膜でシールできる程度のものであれば、圧縮室(23)の気密性は保たれ、圧縮室(23)から漏れ出すガス冷媒の量は僅かな量に抑えられる。
こうして、スクリューロータ(40)の回転に応じて、圧縮室(23)において吸入行程、圧縮行程及び吐出行程が行われる。
このとき、スクリューロータ(40)の回転に応じてゲートロータ(50A,50B)も回転しており、ゲートロータ(50A,50B)を支持する玉軸受(13b,13b)を潤滑する必要がある。ゲートロータ収容室(13)は、低圧空間(S1)に連通しており、玉軸受(13b,13b)は、基本的には、この吸入空間(S1)を潤滑しているガス冷媒及びミスト状の油の気流により成り行きで潤滑している。
ところが、軸部(58)が上方に向かって延びる下向きゲートロータ(50B)においては、ガス冷媒及び油が重力によって下方へ流れ易いため、ガス冷媒及び油の気流だけでは玉軸受(13b,13b)を十分に潤滑させることが難しい。そこで、下向きゲートロータ(50B)には、油導入機構(9)が設けられている。
油導入機構(9)は、ゲートロータ(50B)の表面側に突出する、軸部(58)の突端部(58a)が浸漬する油溜まり部(91)と、軸部(58)に形成された油通路(92)とを有している。
油溜まり部(91)は、前記円筒壁(11)の開口(11b)の開口端面(11c)において、凹状に陥没して形成されている。詳しくは、ゲートロータ収容室(13)内に下向きゲートロータ(50B)が収容された状態においては、軸部(58)の突端部(58a)が油溜まり部(91)に浸漬すると共に、油溜まり部(91)が設けられることにより環状に形成された開口端面(11c)にゲートロータ(50B)の基部(52)の表面が近接している。油溜まり部(91)は、ゲートロータ(50B)の軸部(58)の突端部(58a)が干渉しない程度に凹んでいる。また、この油溜まり部(91)は、連通路(93)を介して給油路(30)に連通している。つまり、油溜まり部(91)には、高圧の油が供給されている。
油通路(92)は、軸部(58)の中心軸(X)において軸方向に貫通形成されている。
このように構成された油導入機構(9)においては、油溜まり部(91)に供給された高圧の油は、軸部(58)の油通路(92)を流れ、軸部(58)の他端から、軸受ハウジング(13a)内における上側の玉軸受(13b)よりも上方の空間に吐出される。該空間に吐出された油は、上側の玉軸受(13b)を潤滑した後、軸受ハウジング(13a)内を下方に流れて、下側の玉軸受(13b)も潤滑する。下側の玉軸受(13b)を潤滑した後の油は、スクリューロータ収容室(12)及びゲートロート収容室(13)に流出する。
したがって、本実施形態によれば、油導入機構(9)を設けることによって、下向きゲートロータ(50B)の上側の玉軸受(13b)に油を積極的に導くことができ、該玉軸受(13b)を十分に潤滑することができる。
詳しくは、ゲートロータ収容室(13)を低圧空間(S1)とすると共に、油通路(92)が貫通形成された軸部(58)の突端部(58a)を高圧の油が供給された油溜まり部(91)に浸漬させることによって、ゲートロータ収容室(13)と油溜まり部(91)との差圧を利用して、油溜まり部(91)の油を油通路(92)を介して上側の玉軸受(13b)の上方の空間まで流通させて、該玉軸受(13b)に油を供給することができる。その結果、ガス冷媒とミスト状の油の気流の成り行きでは潤滑し難い比較的上方の玉軸受(13b)であっても、十分に潤滑することができる。
このとき、軸受ハウジング(13a)を下側に開口する有底筒状に形成することによって、軸受ハウジング(13a)と軸部(58)との間には上側の玉軸受(13b)から下側の玉軸受(13b)まで油を流通させる油通路が形成される。つまり、上側の玉軸受(13b)まで導かれた油は、該上側の玉軸受(13b)を潤滑した後、必ず、下側の玉軸受(13b)を潤滑することになるため、下側の玉軸受(13b)も確実に潤滑することができる。
《発明の実施形態2》
次に、本発明の実施形態2に係るスクリュー圧縮機(201)について説明する。
次に、本発明の実施形態2に係るスクリュー圧縮機(201)について説明する。
実施形態2に係るスクリュー圧縮機(201)は、油導入機構(209)の構成が実施形態1に係るスクリュー圧縮機(1)と異なる。そこで、実施形態1と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
油導入機構(209)は、図6に示すように、円筒壁(11)に設けられた油溜り部(291)と、ゲートロータ(50B)の軸部(58)に形成された偏心油通路(292)とを有し、遠心ポンプを構成している。
詳しくは、油溜まり部(291)は、円筒壁(11)の開口端面(11c)に形成された陥没部(293)と、該陥没部(293)に隣接して円筒壁(11)に設けられた受け皿部(294)とを有している。開口端面(11c)は、ゲートロータ収容室(13)側の部分に陥没部(293)が形成されている。すなわち、開口端面(11c)は、スクリューロータ収容室(12)側の部分が相対的に突出していて、ゲートロータ(50B)と近接している。陥没部(293)は、ゲートロータ(50B)の軸部(58)の突端部(58a)が干渉しない程度に凹んでいる。受け皿部(294)は、開口端面(11c)からゲートロータ収容室(13)側にはみ出したゲートロータ(50B)を覆うように、扇状に形成されている。受け皿部(294)は、ゲートロータ(50B)よりも大径であって、その周端縁には、上方に折り曲げられた立壁部(294a)が設けられている。
このように構成された油溜まり部(291)には、ガス冷媒と共にゲートロータ収容室(13)内を循環するミスト状の油が溜まっていく。
一方、偏心油通路(292)は、ゲートロータ(50B)の軸部(58)の中心軸(X)から偏心した位置において軸方向に貫通形成されている。そして、軸部(58)の突端部(58a)は、油溜り部(291)内に溜まった油に浸漬している。
この状態で、ゲートロータ(50B)が回転すると、偏心油通路(292)は軸部(58)の中心軸(X)回りに回転することになり、油溜まり部(291)内の油が遠心力によって偏心油通路(292)を突端部(58a)側から他端側へ流れていく。その結果、実施形態1と同様に、油が軸部(58)の他端から軸受ハウジング(13a)内における上側の玉軸受(13b)よりも上方の空間に吐出される。該空間に吐出された油は、上側の玉軸受(13b)を潤滑した後、軸受ハウジング(13a)内を下方に流れて、下側の玉軸受(13b)も潤滑する。下側の玉軸受(13b)を潤滑した後の油は、スクリューロータ収容室(12)及びゲートロート収容室(13)に流出する。このとき、ゲートロータ収容室(13)へ流出する油は、受け皿部(294)によって回収され、再び、油溜まり部(291)へ貯留される。
こうして、油導入機構(209)によって下向きゲートロータ(50B)の玉軸受(13b,13b)を潤滑することができる。
したがって、実施形態2によれば、実施形態1と同様に、油導入機構(209)を設けることによって、下向きゲートロータ(50B)の上側の玉軸受(13b)に油を積極的に導くことができ、該玉軸受(13b)を十分に潤滑することができる。
詳しくは、油通路(292)を軸部(58)の中心軸(X)に対して偏心した位置に貫通形成すると共に、該軸部(58)の突端部(58a)を油が貯留された油溜まり部(291)に浸漬させることによって、軸部(58)が回転する際の遠心力を利用して、油溜まり部(291)の油を油通路(292)を介して上側の玉軸受(13b)の上方まで流通させて、該玉軸受(13b)に油を供給することができる。その結果、ガス冷媒とミスト状の油の気流の成り行きでは潤滑し難い比較的上方の玉軸受(13b)であっても、十分に潤滑することができる。
《発明の実施形態3》
次に、本発明の実施形態3に係るスクリュー圧縮機(301)について説明する。
次に、本発明の実施形態3に係るスクリュー圧縮機(301)について説明する。
実施形態3に係るスクリュー圧縮機(301)は、油導入機構(309)の構成が実施形態1に係るスクリュー圧縮機(1)と異なる。そこで、実施形態1と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
油導入機構(309)は、図7に示すように、軸受ハウジング(313a)に形成された油導入路(395)を有している。
この油導入路(395)は、軸受ハウジング(313a)の間壁において軸方向に延びて形成されていて、一端が円筒壁(11)の開口(11b)に開口してスクリューロータ収容室(12)に連通する一方、他端が上側の玉軸受(13b)よりも上方において軸受ハウジング(313a)の内部空間に開口している。
つまり、スクリューロータ(40)が回転すると、スクリューロータ(40)に付着している油が遠心力によって径方向外方に飛散する。このとき、ガス冷媒の気流の流れも、同様の方向に形成される。その結果、スクリューロータ(40)から飛散する油がガス冷媒と共に円筒壁(11)の開口(11b)から軸受ハウジング(313a)の油導入路(395)内に流入し、該油導入路(395)を通って、軸受ハウジング(313a)の内における上側の玉軸受(13b)よりも上方の空間へ吐出される。該空間に吐出された油は、上側の玉軸受(13b)を潤滑した後、軸受ハウジング(13a)内を下方に流れて、下側の玉軸受(13b)も潤滑する。下側の玉軸受(13b)を潤滑した後の油は、スクリューロータ収容室(12)及びゲートロート収容室(13)に流出する。
こうして、油導入機構(309)によって下向きゲートロータ(50B)の玉軸受(13b,13b)を潤滑することができる。
したがって、実施形態3によれば、実施形態1と同様に、油導入機構(309)を設けることによって、下向きゲートロータ(50B)の上側の玉軸受(13b)に油を積極的に導くことができ、該玉軸受(13b)を十分に潤滑することができる。
詳しくは、軸受ハウジング(313a)に、一端が円筒壁(11)の開口(11b)に開口してスクリューロータ収容室(12)に連通する一方、他端が上側の玉軸受(13b)よりも上方において軸受ハウジング(313a)の内部空間に開口する油導入路(395)を形成することによって、スクリューロータ(40)の回転による遠心力によって該スクリューロータ(40)から外方に飛散する油を、該油導入路(395)を介して軸受ハウジング(313a)における上側の玉軸受(13b)よりも上方の空間に導入することができる。その結果、ガス冷媒とミスト状の油の気流の成り行きでは潤滑し難い比較的上方の玉軸受(13b)であっても、十分に潤滑することができる。
このとき、スクリューロータ(40)から飛散する油は、スクリューロータ(40)の遠心力による径方向外向きの成分と回転による回転方向の成分とを合成した方向、即ち、径方向向きよりも、回転方向へ傾斜した方向へ飛散する。そのため、油導入路(395)を、スクリューロータ(40)の径方向に対して、ゲートロータ収容室(13)側の端部がスクリューロータ(40)の回転方向に傾斜するように構成することによって、飛散する油を油導入路(395)を介してゲートロータ収容室(13)まで容易に導くことができる。
さらに、円筒壁(11)に設けられた開口(11b)をゲートロータ(50B)が通る程度の大きさではなく、油導入路(395)のスクリューロータ収容室(14)側の開口端がスクリューロータ収容室(14)に直接、臨む(即ち、油導入路(395)の開口端とスクリューロータ(40)とが相対向する)程度の大きさに形成することによって、スクリューロータ(40)から飛散する油を、油導入路(395)に確実に流入させることができる。
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、前記実施形態1〜3は、それぞれ個別にしか実現しないものではなく、各実施形態を組み合わせた構成としてもよい。
例えば、実施形態1に係る油通路(91)を軸部(58)の中心軸(X)ではなく、該中心軸(X)に対して偏心した位置に形成してもよい。こうすることによって、ゲートロータ収容室(13)と油溜まり部(91)との差圧に加えて、軸部(58)の回転による遠心力も利用して、油溜まり部(91)の油を油通路(91)を介して軸部(58)の上端まで送ることができる。その結果、ゲートロータ収容室(13)と油溜まり部(91)との差圧が小さいときであっても、油溜まり部(91)の油を油通路(91)を介して軸部(58)の上端まで確実に送ることができる。
また、実施形態1又は2に実施形態3を組み合わせてもよい。すなわち、軸部(58)及び軸受ハウジング(313a)を介して、油を上側の玉軸受(13b)まで導いてもよい。
尚、玉軸受(13a)の個数は、前記実施形態の如く2個に限られるものではなく、任意の個数を採用することができる。
また、本願は、上向きのゲートロータ(50A)の玉軸受(13b)へ油を積極的に導入することを排除するものではなく、例えば、実施形態3に係る構成等を上向きのゲートロータ(50A)の軸受ハウジング(313a)に採用してもよい。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、軸部が上方を向くゲートロータを有するスクリュー圧縮機について有用である。
1 シングルスクリュー圧縮機(スクリュー圧縮機)
10 ケーシング
12 スクリューロータ収容室
13 ゲートロータ収容室
13b 玉軸受(軸受部)
313a 軸受ハウジング(ケーシング)
40 スクリューロータ
50A ゲートロータ
50B ゲートロータ
58 軸部
58a 突端部(下端部)
9,209,309 油導入機構
91 油溜まり部
92 油通路
291 油溜まり部
292 偏心油通路
395 油導入路
X 回転軸
10 ケーシング
12 スクリューロータ収容室
13 ゲートロータ収容室
13b 玉軸受(軸受部)
313a 軸受ハウジング(ケーシング)
40 スクリューロータ
50A ゲートロータ
50B ゲートロータ
58 軸部
58a 突端部(下端部)
9,209,309 油導入機構
91 油溜まり部
92 油通路
291 油溜まり部
292 偏心油通路
395 油導入路
X 回転軸
Claims (5)
- スクリューロータ(40)と、該スクリューロータ(40)を挟んで設けられて該スクリューロータ(40)に噛合する2つのゲートロータ(50A,50B)と、該スクリューロータ(40)を収容するスクリューロータ収容室(12)及び該ゲートロータ(50A,50B)を収容するゲートロータ収容室(13)が形成されたケーシング(10)とを備えたスクリュー圧縮機であって、
前記各ゲートロータ(50A(50B))には、該ゲートロータ(50A(50B))の回転軸(X)と同軸に延びる軸部(58)が設けられており、
2つの前記ゲートロータ(50A,50B)のうち一方の前記ゲートロータ(50B)は前記軸部(58)が上方に延びるように設けられていると共に、他方の前記ゲートロータ(50A)は前記軸部(58)が下方に延びるように設けられており、
前記ゲートロータ収容室(13)には、前記軸部(58)を回転自在に支持する軸受部(13b)が設けられており、
少なくとも前記軸部(58)が上方に延びるゲートロータ(50B)に対して、前記軸受部(13b)まで油を導く油導入機構(9,209,309)をさらに備えることを特徴とするスクリュー圧縮機。 - 請求項1において、
前記ゲートロータ収容室(13)は、圧縮前の冷媒が流通する低圧空間となっており、
前記軸部(58)が上方に延びるゲートロータ(50B)の該軸部(58)は、その下端が該ゲートロータ(50B)よりも下方に突出しており、
前記油導入機構(9)は、前記軸部(58)に貫通形成され、一端が該軸部(58)の下端部(58b)に開口する一方、他端が前記軸受部(13b)よりも上方において開口する油通路(92)と、前記軸部(58)の下端部(58b)が浸漬すると共に、高圧油が供給される油溜まり部(91)とを有することを特徴とするスクリュー圧縮機。 - 請求項2において、
前記油通路(92)は、前記軸部(58)において前記回転軸(X)に対して偏心した位置に形成されていることを特徴とするスクリュー圧縮機。 - 請求項1において、
前記軸部(58)が上方に延びるゲートロータ(50B)の該軸部(58)は、その下端が該ゲートロータ(50B)よりも突出しており、
前記油導入機構(209)は、前記軸部(58)において前記回転軸(X)に対して偏心した位置に貫通形成され、一端が該軸部(58)の下端部(58b)に開口する一方、他端が前記軸受部(13b)よりも上方において開口する偏心油通路(292)と、前記軸部(58)の下端が浸漬する油溜まり部(291)とを有することを特徴とするスクリュー圧縮機。 - 請求項1乃至4の何れか1つにおいて、
前記油導入機構(309)は、前記ケーシング(313a)に形成されて、一端が前記スクリューロータ(40)の外周に対向する位置において前記スクリューロータ収容室(12)に開口する一方、他端が前記軸受部(13b)の上方において前記ゲートロータ収容室(13)に開口する油導入路(395)を有することを特徴とするスクリュー圧縮機。
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WO2018174100A1 (ja) | 2017-03-21 | 2018-09-27 | ダイキン工業株式会社 | シングルスクリュー圧縮機 |
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