JP2012195453A - 裏面電極型太陽電池セルの分割方法及び裏面電極型太陽電池セル - Google Patents
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Abstract
【課題】作業工程を簡略化することができるとともに、分割後の裏面電極型太陽電池セルの変換効率の低下を抑制できる裏面電極型太陽電池セルの分割方法及びこの分割方法に用いられる裏面電極型太陽電池セルを提供する。
【解決手段】半導体基板1の太陽光を受光する受光面Rsと反対側の裏面Bsにn型半導体領域11とp型半導体領域12が隣り合って形成された裏面電極型太陽電池セルAを分割する方法であって、半導体基板1を切断する切断手段Lsで受光面Rs側から裏面Bs側に向けてフルカットダイシングを行う切断工程(S13、S14、S15)を含む。
【選択図】図6
【解決手段】半導体基板1の太陽光を受光する受光面Rsと反対側の裏面Bsにn型半導体領域11とp型半導体領域12が隣り合って形成された裏面電極型太陽電池セルAを分割する方法であって、半導体基板1を切断する切断手段Lsで受光面Rs側から裏面Bs側に向けてフルカットダイシングを行う切断工程(S13、S14、S15)を含む。
【選択図】図6
Description
本発明は、pn接合部が受光面と反対側の裏面の近傍にある裏面電極型太陽電池セルの分割方法及びその分割方法で分割される裏面電極型太陽電池セルに関するものである。
エネルギー資源の枯渇問題や大気汚染問題に対応するため、太陽電池セルを複数台接続して構成された太陽電池モジュールを用いた太陽光発電が新しいエネルギー源として実用化されている。
前記太陽電池セルにおいて、電圧は半導体基板の材料等に依存し、電流は受光面(太陽光受光する面)の大きさに依存する。複数台の太陽電池セルを接続して太陽電池モジュールを作成する場合、配線抵抗(太陽電池セルで発生した電流が前記太陽電池セルに備えられた電極及び前記太陽電池セル同士を接続する配線を通って外部に取り出されるまでの電気抵抗)による損失がある。この損失は、配線及び電極を流れる電流の増加によって増加する。そこで、太陽電池モジュールを構成する太陽電池セルでは、受光面を小さくして電流を小さくするとともに、直列に接続する数を増やして電圧を上げて、発電特性を向上させている。
また、太陽電池セルは、太陽光を受光して発電しており、前記太陽電池セルを構成する基板の太陽光を受光する面(受光面)には、電極等の太陽光を遮るものが形成されていないことが好ましい。そこで、前記基板の受光面と反対側の面(裏面)のみに異なる導電型の電極が形成された裏面電極型太陽電池セルが開発されている。そして、太陽電池モジュールは、表面に配線が形成された配線基板に前記裏面電極型太陽電池セルを実装して作製される。このとき、裏面電極型太陽電池セルの電極と配線基板の配線とが接続されており、これによって、複数個の裏面電極型太陽電池セルは、電気的に直列に接続される(例えば、特開2005−340362号公報等参照)。
通常、前記太陽電池モジュールは要求される発電量及び電圧によって、直列に接続される太陽電池セルの形状、大きさ及び個数が決定される。このことから、前記太陽電池モジュールの形状及び(又は)大きさは、前記太陽電池セルの形状及び大きさによって決定される。
一方で、屋根材一体型太陽電池モジュール等では、前記屋根材の形状及び大きさによって太陽電池モジュールの形状及び大きさが制限される。前記太陽電池モジュールの形状及び大きさが外的要因(ここでは、屋根材の大きさ)で制限されると、前記太陽電池セル(従来の形状、大きさのもの)で敷き詰めることができない場合があり、前記太陽電池モジュールの面積あたりの発電量が低下してしまう。また、前記太陽電池セルで敷き詰めることは可能であるが、直列に接続する太陽電池セルの数が少なくなり、必要な電圧を得ることができない場合もある。
そこで、太陽電池セルを所定の形状及び(又は)大きさで切断、分割し、太陽電池モジュールの形状及び(又は)大きさにあわせた小型の太陽電池セル(太陽電池サブセルと呼ぶ)を作製し、前記太陽電池モジュールの構成の一部もしくは全部に用いる方法が用いられている。これにより、前記太陽電池セルでは敷き詰めることができなかった隙間の部分に前記太陽電池サブセルを敷き詰めることができるので、変換効率の低下を抑制しつつ、太陽電池モジュールを所望の形状及び(又は)大きさ(例えば、屋根材にあわせた形状及び(又は)大きさ)とすることができる。
前記太陽電池サブセルの作成方法として、大きな面積を有する太陽電池セルに分割溝を形成し、前記分割溝に折り曲げ或いはその他の方法で応力を集中させ、亀裂を形成する。そして、その亀裂を伸展させて分割(いわゆる、割断)する方法がとられることが多い(例えば、特開2008−60205号公報等参照)。
しかしながら、前記裏面電極型太陽電池セルを割断する場合、受光面側から分割溝を形成すると、割断時にpn接合部分に応力集中による電気的なリークが発生してしまう。裏面電極型太陽電池セルにおいてこのような電気的なリークが発生すると、太陽光を電力に変換するときの効率(変換効率)が低下する。
逆に、裏面側に分割溝を形成すれば、割断時にpn接合部分に応力集中が発生するのを抑制することができるが、裏面側に分割溝を形成するときに、分割溝の切断面において、ダイサー等の切断手段がpn接合部分と接触或いは近接している時間が長くなる。このことから、切削工具の熱及び(又は)応力によってpn接合部分が変質しやすくなり、電気的リークが発生しやすくなる問題点がある。
前記切断手段としてレーザー光を用いる場合もあるが、切削工具を用いた場合と同様に、分割溝の分割面において、レーザー光からの熱がpn接合部分に長時間伝達されることとなり、その熱によってpn接合部分に電気的なリークが発生する変質が起こりやすい問題点がある。
また、前記裏面電極型太陽電池セルを割断するときのように半導体基板を割断する場合、半導体基板の厚さに対する割断溝の深さを精度良く制御する必要があり、加工に手間と時間がかかる。
そこで本発明は、作業工程を簡略化することができるとともに、分割後の裏面電極型太陽電池セルの変換効率の低下を抑制できる裏面電極型太陽電池セルの分割方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、半導体基板の太陽光を受光する受光面と反対側の裏面にn型半導体領域とp型半導体領域が隣り合って形成された裏面電極型太陽電池セルを分割する方法であって、前記半導体基板を切断する切断手段で前記受光面側から前記裏面側に向けてフルカットダイシングを行う切断工程を含むことを特徴とする。
上述のように、前記切断工程ではフルカットダイシングすることで、分割時にn型半導体領域とp型半導体領域との接合部分(pn接合部分)に応力が集中するのを抑制することができる。また、前記切断工程が受光面側から裏面にフルカットダイシングするので、前記切断手段は切断工程の最後にpn接合部分と接触或いは近接する。このことから、分割端面のpn接合部分が、前記切断手段と接触或いは近接する時間が短くなり、それだけ、前記切断手段の熱や応力や、切削くずによるpn接合間の電気的リークを抑制することが可能である。
上記構成において、前記切断工程は、前記裏面電極型太陽電池セルを分割したときの分割端面が前記n型半導体領域と前記p型半導体領域との境界面と交差するように裏面電極型太陽電池セルを切断するようにしてもよい。
上記構成において、前記切断手段として、レーザー光を挙げることができる。また、レーザー光以外にも、ダイヤモンド刃、圧搾空気、水等を高圧で噴射するウォータジェット等を挙げることができる。
上述の分割方法で分割される裏面電極型太陽電池セルは、前記半導体基板の前記裏面に前記n型半導体領域と電気的に接続されたn電極と、前記p型半導体領域と電気的に接続されたp電極とを備えていてもよい。
上述の裏面電極型太陽電池セルは、前記半導体基板の裏面に、前記n電極及び前記p電極が形成されていない部分が設けられており、前記n電極及びp電極が形成されていない部分で分割されるものであってもよい。
この構成によると、前記n電極及び前記p電極の切断が不要であり、それだけ、切断に要する時間、すなわち、切断端面のpn接合部分と前記切断手段とが接触或いは近接する時間を短くすることができる。このことから、前記切断手段からの熱或いは応力によるpn接合間で電気的リークが発生するのを抑制することができ、分割による発電効率の低下を抑制することが可能である。
本発明によると、裏面電極型太陽電池セルを受光面側から裏面側に向けてフルカットダイシングで分割を行うので、加工時に加工先端の位置を制御する必要がなく、作業工程を簡略化することができる。また、レーザー光等の切断手段がpn接合部分に最後に到達するので、pn接合部分に熱や応力等による変質が発生しにくく電気的なリークの発生を抑制でき、分割後の裏面電極型太陽電池セルの変換効率の低下を抑制できる。
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、便宜上、部材符号及び(又は)ハッチングを省略する場合もある。また、以下の説明では、裏面電極型太陽電池セルの主面のうち、太陽光を受光する面を受光面、反対側の主面を裏面として説明する。
図1は本発明にかかる裏面電極型太陽電池セルの裏面側から見た概略図であり、図2は図1に示す裏面電極型太陽電池セルのII-II矢視断面図である。なお、図1、2に示す裏面電極型太陽電池セルAは、その構成を説明するための図面であり、裏面電極型太陽電池セルA、半導体領域および電極の形状は一例を示すものである。また、辺の長さ、基板の厚さ、半導体領域の幅、長さ、深さ等の寸法及び寸法比は実際に用いられる裏面電極型太陽電池セルと異なるものである。また、以下の説明において、裏面電極型太陽電池セルは図1の状態で横方向を第1方向、縦方向を第2方向として説明する。
図2に示す裏面電極型太陽電池セルAは、受光面RsにテクスチャーTxが形成されており、反射防止膜(不図示)が形成された半導体基板(例えばn型半導体基板)1を備えている。図2に示すように、半導体基板1は、平面視において、四隅が切り落とされた長方形状を有している。そして、半導体基板1の裏面Bsにn型半導体領域11とp型半導体領域12とが、第1方向に一定の間隔をあけて交互に配列されている。図1に示すように、n型半導体領域11及びp型半導体領域12は長手方向が第2方向である長尺状を有している。そして、裏面電極型太陽電池セルAでは、裏面Bsの近傍にpn接合が形成されている。
そして、半導体基板1の裏面Bsには、n型半導体領域11と電気的に接触するn電極21が形成されている。同様に、p型半導体領域12と電気的に接続するp電極22が形成されている。図1、図2に示しているように、n電極21はn型半導体領域11に沿って形成された長尺状の部材であり、半導体基板1の裏面Bsより外部に突出している。また、p電極22はp型半導体領域12に沿って形成された長尺状の部材であり、半導体基板1の裏面Bsより外部に突出している。なお、n電極11及びp電極12として、例えば、Ag、Ni、Cu、Al等の金属材料及びこれらを用いた合金材料が用いられる。なお、n型半導体領域、p型半導体領域、n電極及びp電極の詳細な製造方法は、従来の製造方法と同じ方法を利用しており、詳細は省略する。
裏面電極型太陽電池セルAの発電動作について説明する。裏面電極型太陽電池セルAの受光面Rsで太陽光を受光すると、光子がpn接合部分に到達して電子・正孔対からなるキャリアが発生する。このうち、電子がn型半導体領域11側に、正孔がp型半導体領域12側に移動して電流として外部に取り出せるようになる。この電流の一部がpn接合部分で再結合することにより、pn接合部分に電位差(電圧)が発生する。そして、n型半導体領域11に接続したn電極21とp型半導体領域12に接続したp電極22とによって、電圧および電流が外部に取り出される。なお、n電極が負極、p電極が正極になる。
また、裏面電極型太陽電池セルAには、第2方向の中心に第1方向に伸びる分割線L1が設定されている。なお、この分割線L1は分割するときに用いられる線であるので、仮想線として分割を行う装置が位置情報として持っていてもよく、半導体基板1にプリントや刻印として形成されていてもよい。半導体基板1に実際に形成される場合、半導体基板1の両端部或いは両端部と中間部分に数点(例えば中央に1点)のマークによって形成されていてもよい。実際の線で形成されている場合、レーザー光、光センサ等を利用して、裏面電極型太陽電池セルAと加工装置との相対位置の確認に利用できる。
図3は本発明にかかる裏面電極型太陽電池セルの他の例の分割前の裏面から見た図である。図3に示す裏面電極型太陽電池セルBは、図1に示す裏面電極型太陽電池セルAと同様、第2方向の中央部に分割線L2を有するものである。なお、実質上同じ部分には、同じ符合が付してある。
図3に示す裏面電極型太陽電池セルBは、中央部に帯状のn電極21及びp電極22が形成されていない部分(帯状部分Bwとする)を設けている。そして、裏面電極型太陽電池セルBのn電極21及びp電極22は、それぞれ、帯状部分Bwを挟んで反対側に向かって延伸している。すなわち、n電極21及びp電極22は、帯状部分Bwで分断されている。裏面電極型太陽電池セルBでは、帯状部分Bwに分割線L2が設けられている(図3では、帯状部分Bwの中央部分)。
次に、裏面電極型太陽電池セルを分割線で分割して作製される裏面電極型太陽電池サブセルについて説明する。図4は図1に示す裏面電極型太陽電池セルを分割して形成された裏面電極型太陽電池サブセルの一例の裏面から見た図であり、図5は図3に示す裏面電極型太陽電池セルを分割して形成した裏面電極型太陽電池サブセルの一例の裏面から見た図である。
図4に示すように、裏面電極型太陽電池セルAを、分割線L1に沿って分割することで、裏面電極型太陽電池サブセルSaが作製される。そして、図5に示すように、裏面電極型太陽電池セルBを、分割線L2に沿って分割することで、裏面電極型太陽電池サブセルSbが作製される。
分割された裏面電極型太陽電池サブセルSaは、受光面の面積が裏面電極型太陽電池セルAの約半分で、裏面電極型太陽電池セルAと同数のn電極21及びp電極22を持った太陽電池セルである。上述しているように太陽電池セルにおいて、発電時に発生する電流は、受光面Rsの面積に依存するので、裏面電極型太陽電池サブセルSaで発生する電流は裏面電極型太陽電池セルAの約半分となる。また、発電時に発生する電圧は受光面Rsの面積に大きく依存しないので、裏面電極型太陽電池サブセルSaのn電極21とp電極22との間の電圧は、裏面電極型太陽電池セルAと略同じである。なお、同様のことが、裏面電極型太陽電池セルBと裏面電極型太陽電池サブセルSbとの間も成り立つ。
以下に、図1に示す裏面電極型太陽電池セルAおよび図4に示す裏面電極型太陽電池サブセルSaと、図3に示す裏面電極型太陽電池セルBおよび図5に示す裏面電極型太陽電池サブセルSbとの違いについて説明する。裏面電極型太陽電池セルを分割して裏面電極型太陽電池サブセルを作成する場合、図1に示す裏面電極型太陽電池セルAでは、レーザー光がn電極21及びp電極22を切断する。それだけ、切断に要する時間が長くなり、レーザー光の熱が分割端面及びその近傍のpn接合部分に影響を与える。これに対し図3に示す裏面電極型太陽電池セルBでは、分割線L2がn電極21及びp電極22と交差しないので、分割工程でn電極21及びp電極22の切断が不要である。このことにより、n電極21及びp電極22の切断に要する時間を減らすことがでる。
すなわち、図3に示す裏面電極型太陽電池セルBでは、各電極を切断する間にレーザー光の熱が分割部分及びその近傍のpn接合部分に作用するのを減らすことができ、pn接合間でのリーク電流を抑制できる。また、n電極21及びp電極22が切断される際に飛散する電極の切削くずが分割端面に付着したり、分割端面をけがいたりすることによって分割端面でのpn接合間でリーク電流が発生することを防止できる。なお、レーザー光を照射する以外の切断装置で分割(切断)を行う方法でも同様に、切断装置がpn接合部分に及ぼす影響を低減することができる。
上述の実施形態では、n電極21及びp電極22の中央部分に電極が形成されていない帯状部分Bwを備えた裏面電極型太陽電池セルBを示しているが、これに限定されるものではなく、中央部分以外の場所に電極が形成されていない帯状部分Bwを形成してもよい。また、複数の箇所で電極が形成されていな帯状部分Bwを備えておき、所望の帯状部分Bwに分割線L2を設定して、分割するようにしてもよい。
一方で、図3に示す裏面電極型太陽電池セルBでは、電極が形成されていない帯状部分Bwが形成され、その帯状部分Bwに分割線L2が設けられていることから、裏面電極型太陽電池セルBの分割位置が分割線L2またはその近傍に制限される。したがって、裏面電極型サブセルの形状が予め定まっている場合は、図3に示す裏面電極型太陽電池セルBを用いて、より性能や信頼性の高い裏面電極型太陽電池サブセルSbを得ることができ、裏面電極型サブセルの形状が予め定まっていない場合や裏面電極型サブセルの形状が多岐に渡っている場合は、図1に示す裏面電極型太陽電池セルAを用いて、形状自由度の高い裏面電極型サブセルSaを得るようにするなど、目的や要求性能などに応じて、裏面電極型太陽電池セルAと裏面電極型太陽電池セルBとを使い分ければよい。
上述の各実施形態では、本発明の分割方法を、裏面電極型太陽電池セルの分割端面がn型半導体領域11及びp型半導体領域12の接合面(境界面)と交差するように、すなわち、n型半導体領域11及びp型半導体領域12の配列方向に伸びた分割線L1(L2)に沿って分割するものに適用しているが、n型半導体領域11及びp型半導体領域12の長手方向と平行な分割線に沿って分割するものに適用してもよい。
次に、本発明にかかる裏面電極型太陽電池セルの分割方法について説明する。図6は本発明にかかる裏面電極型太陽電池セルの分割方法の一例を示すフローチャートであり、図7は作業台に載置された裏面電極型太陽電池セルの側面図であり、図8はレーザー光照射前の裏面電極型太陽電池セルの側面図であり、図9は切断工程の途中の裏面電極型太陽電池セルの断面図であり、図10は本発明にかかる裏面電極型太陽電池セルの分割方法で分割された裏面電極型太陽電池セルを示す図である。なお、以下の説明において、分割される裏面電極型太陽電池セルとして、図3に示す裏面電極型太陽電池セルBと同形状のものを用いているが、図1に示す裏面電極型太陽電池セルAと同形状のものを用いることも可能であるし、その他の構成の裏面電極型太陽電池セルを用いることも可能である。
なお、図7〜図10は、作業工程を示す概略図であり各図において裏面電極型太陽電池セルはテクスチャーを省略しているが、各図において上方に受光面Rsが形成されている。また、以下の説明では、裏面電極型太陽電池セルBの分割端面が第1方向に沿うように、つまり、n型半導体領域11及びp型半導体領域12の長手方向と直交するように切断される場合について説明している。
また、裏面電極型太陽電池セルBを切断する切断方法として、レーザー光を用いるもの、ダイヤモンド刃を用いるもの、圧搾空気を用いるもの、水等を高圧で噴射するウォータジェットを用いるもの等、半導体基板1を切断することができる方法を広く採用することができる。上述しているものの中でも、切断部分を正確に制御するのが容易で、切削くずが飛散しにくい等の利点があることから、レーザー光を用いる切断方法が好ましい。よって、以下に示す切断工程では、レーザー光を照射して半導体基板を切断するレーザー光照射装置備えた切断装置で説明をおこなう。しかしながら、加工の精度、時間等異なるが、他の切断方法を用いた場合でも、同様の効果を得ることが可能である。なお、切断装置には、不図示の制御部が備えられており、レーザー光照射装置をはじめ各部は制御部によって制御される。
裏面電極型太陽電池セルBを正確に分割線L2で分割するには、分割作業中に裏面電極型太陽電池セルBがずれたり、浮いたりするのは好ましくない。そこで、切断工程に入る前に、裏面電極型太陽電池セルBが作業台Bdに固定される(ステップS11)。詳しくは、裏面電極型太陽電池セルBを作業台Bdの上に配置し、裏面電極型太陽電池セルBを固定する。このとき、裏面電極型太陽電池セルBは作業台Bdの上に、n電極21及びp電極22を作業台Bdと接触させて固定される(図7参照)。なお、裏面電極型太陽電池セルBの固定は吸着によって行われるが、それ以外の方法によるものであってもよい。また、作業台Bdは、裏面電極型太陽電池セルBを透過したレーザー光が当たらないように、孔(不図示)が形成されている。
そして、作業台Bdに固定された裏面電極型太陽電池セルBの作業台Bdに対する位置を検出する。裏面電極型太陽電池セルBの作業台Bdに対する位置は画像認識により行われる。裏面電極型太陽電池セルBの作業台Bdに対する位置に基づいて、分割線L2の作業台Bdに対する位置を算出する。また、分割(切断)開始位置は分割線L2上であり分割線L2の位置に基づいて、分割(切断)開始位置(図3にSpで示す)が決定される(ステップS12)。
レーザー光照射装置Ldは、切断対象物(ここでは、裏面電極型太陽電池セルB)にレーザー光を照射するとともに、レーザー光を走査することで切断対象物を切断する装置である。このレーザー光照射装置Ldは、レーザー光源から出射されたレーザー光を反射するミラー(不図示)を備えており、このミラーを揺動させることで、レーザー光を走査する。なお、これに限定されるものではなく、レーザー光を精度良く走査できる構成のレーザー光照射装置を広く採用することができる。
なお、裏面電極型太陽電池セルBを第1方向及び第2方向に正確に位置決めして取り付けることができるとともに、半導体基板1に開始位置Spがプリント、刻印等で形成されている場合、レーザー光照射装置Ldから出力を絞ったレーザー光を照射し、その反射光を検出することで、開始位置を決定(検出)するようにしてもよい。
分割線L2及び開始位置Spの位置が決定されると、レーザー光照射装置Ldは裏面電極型太陽電池セルBの受光面Rs側へ向けてレーザー光Lsの照射及びレーザー光Lsの走査を開始する(ステップS13、図8の状態)。これにより、裏面電極型太陽電池セルBの切断工程が開始される。
裏面電極型太陽電池セルBは、まず半導体基板1の受光面Rsの近傍がレーザー光Lsによって分割される。つまり、半導体基板1はレーザー光Lsの照射部分が熱によって切削(切断)される。レーザー光照射装置Ldは、レーザー光を分割線L2上に往復(走査)させているので、レーザー光Lsによる加工領域(切断された領域)の先端部分Epの受光面Rsからの深さは、分割線L2上で略同じ深さを維持しながら深くなっていく(図9参照)。
レーザー光Lsの照射及び走査を続けつつ、加工領域の先端部分Epが裏面電極型太陽電池セルBの裏面Bsに到達しているかどうか検出する(ステップS14)。この加工領域が裏面Bsに到達したことの確認方法として、たとえば、裏面電極型太陽電池セルBの裏面Bsにレーザー光Lsが貫通したことを検出することで行われる。なお、これ以外の方法でも、例えば、レーザー光の照射による切断に要する時間を予め設定しておき、レーザー光の照射開始からの時間が予め決められた時間に到達したことを検出する方法等、加工領域の先端Epが裏面Bsに到達したことを確認できる方法を広く採用することができる。
加工領域の先端Epが裏面電極型太陽電池セルBの裏面Bsに到達していないとき(ステップS14でNO)、レーザー光Lsの照射及び走査が継続される。加工領域の先端Epが裏面電極型太陽電池セルBの裏面Bsに到達したことが確認されたとき(ステップS14でYES)、レーザー光照射装置Ldからのレーザー光の照射が停止される(ステップS15)。以上の手順で、裏面電極型太陽電池セルBはレーザー光によって分割線L2で完全に分割(切断)され、裏面電極型太陽電池サブセルSbが作製される(図5、図10参照)。
以上示したように、本発明にかかる裏面電極型太陽電池セルの分割方法では、切断手段であるレーザー光を受光面側より照射し、裏面電極型太陽電池セルBを完全に切断する、すなわち、フルカットダイシングする切断工程(ステップS13、S14、S15)を備えている。このように切断工程でフルカットダイシングを行うので、加工領域の先端部分Epの深さを制御する必要がなく、上記のように裏面電極型太陽電池セルBの裏面Bsにレーザー光Lsが貫通したことを検出すればよい。このことから、裏面電極型太陽電池セルBの厚みが異なる場合などであっても同じように制御すればよく、切断工程を簡略化することが可能である。
上述したとおり、本発明の裏面電極型太陽電池セルの分割方法では、裏面電極型太陽電池セルBの分割(切断)を行うとき、受光面Rsから裏面Bsまで完全に切断している。この分割方法では、裏面電極型太陽電池セルBの半導体基板1、n電極21、p電極22等の分割端面に割断に伴う強い応力が作用しないので、pn接合間に応力による変質が発生しにくく、リーク電流の発生を抑制することができる。
また、裏面電極型太陽電池セルBの受光面側からレーザー光を走査しつつ照射しているので、半導体基板1の分割端面の受光面側の部分は、分割(切断)が終了するまでレーザー光から熱を受ける。裏面電極型太陽電池セルBでは、発電に寄与するpn接合部分が裏面Bsの近傍に形成されているので、分割端面及びその近傍のpn接合部分には裏面電極型太陽電池セルBの分割(切断)の最後にレーザー光が照射される。すなわち、裏面電極型太陽電池セルBにおいて、分割端面及びその近傍でのpn接合部分はレーザー光による熱の影響が少なく、変質が抑制される。
これにより、分割後の裏面電極型太陽電池サブセルSbにおいて、pn接合間でリーク電流が発生するのを抑制することができる。また、裏面電極型太陽電池サブセルSbの切断端面まで、n型半導体領域11及びp型半導体領域pが形成されているので、裏面電極型太陽電池サブセルSbの受光面Rsを有効に利用することができる。以上のことから本発明にかかる裏面電極型太陽電池セルの分割方法で、裏面電極型太陽電池セルBを分割することで、分割後の裏面電極型太陽電池サブセルSbの発電効率の低下を抑制することが可能である。
なお、裏面電極型太陽電池セルBの分割を行うとき、裏面電極型太陽電池セルBに対して分割後の裏面電極型太陽電池サブセルSbを引き離すように(図3の例では第2の方向に)力をかけておいてもよい。このように力をかけておくことで、分割が終了するとともに、レーザー光とpn接合部分とが離れるのでpn接合間のレーザー光の熱による変質を抑制しpn接合間でリークが発生するのをさらに抑制することができる。このとき、切断面を引き離すようにかける力は、切断の途中にその力によって加工先端部分に亀裂が形成され、亀裂が伸展する、いわゆる、割断が発生しない程度の力であることが好ましい。
上述の例では、裏面電極型太陽電池セルBの第2方向の中心に第1方向に伸びる分割線L2で分割(切断)しているが、分割線L2は中心に限定されるものではなく、任意に設定可能である。これにより、分割後の裏面電極型太陽電池サブセルSbの大きさを調整することが可能である。ただし、分割線を裏面電極型太陽電池セルBの帯状部分Bw以外に設定する場合には、図1に示す裏面電極型太陽電池セルAのような形状とすることがより好ましい。
以上示したように、本発明にかかる裏面電極型太陽電池セルの分割方法を利用することで、裏面電極型太陽電池セルをpn接合部分にリークが発生しにくいように、分割して裏面電極型太陽電池サブセルを作製することができる。このことから、太陽電池モジュールの形状及び(又は)大きさにあわせた複数の形状及び大きさの裏面電極型太陽電池セルを作製するよりも、生産工程を簡略化することができる。これにより、太陽電池モジュールの生産効率を向上させることができる。
次に、裏面電極型太陽電池サブセルSbを用いた太陽電池モジュールMについて図面を参照して説明する。図11は裏面電極型太陽電池セルの直列配置方法の例を示す概略図である。
図11に示すように、3個の裏面電極型太陽電池サブセルSbを、配線基板3で接続している。裏面電極型太陽電池サブセルSbを区別するために、図中上側から、Sb1、Sb2、Sb3の符号を付す。3個の裏面電極型太陽電池セルサブセルSbの形状及び構成は上述のとおりであるので、詳細は省略する。また、裏面電極型太陽電池セルサブセルSbの代わりに裏面電極型太陽電池セルサブセルSaを用いてもよいことは当然である。
図11に示すように、配線基板3は、n電極21が接続される櫛歯状のn配線31と、p電極22が接続される櫛歯状のp配線32とがそれぞれ互いの櫛歯をむき合わせて交互に配列されている。このn配線31とp配線32とは、裏面電極型太陽電池サブセルSb1、Sb2、Sb3ごとに備えられている。そして、1つの裏面電極型太陽電池サブセルのn電極31と、その隣の裏面電極型太陽電池サブセルのp電極32とを接続する接続電極33とが形成されている。なお、図10において、n配線31、p配線32及び接続配線33の、裏面電極型太陽電池サブセルSb1、Sb2、Sb3と重なっている領域は破線で示している。
例えば、裏面電極型太陽電池サブセルSb1のp電極22が接続されるp配線32と、隣の裏面電極型太陽電池サブセルSb2のn電極21が接続されるn配線31とが接続配線33で接続されている。すなわち、裏面電極型太陽電池サブセルSb1の正極と裏面電極型太陽電池サブセルSb2の負極とが接続されていることになり、裏面電極型太陽電池セルSb1と裏面電極型太陽電池セルSb2とは電気的に直列に接続される。このような配線基板3を用いて、裏面電極型太陽電池サブセルSを電気的に直列に接続している。
また、裏面電極型太陽電池サブセルを利用した太陽電池モジュールについて図面を参照して説明する。図12は太陽電池モジュールの一例の概略図である。図12に示す図では、n型半導体領域、p型半導体領域、電極、配線を省略しているが、図11に示すものと同様の構成を有している。
図12に示す太陽電池モジュールMは、配線基板3上に、縦3×横6(合計18)個の裏面電極型太陽電池サブセルSbが配列されている。太陽電池モジュールMでは、上下方向に並んだ3個の裏面電極型太陽電池サブセルSbを図11に示すような方法で直列に接続している。なお、この3個接続したものを、サブモジュールSmと称する。なお、図12に示す矢印は、各サブモジュールSmに流れる(発生する)電流の方向を示している。すなわち、サブモジュールSmにおいて、裏面電極型太陽電池サブセルSbは発電時に矢印で示す方向に電流が流れるように、電気的に直列に接続されている。
そして、配線基板3には、隣り合うサブモジュールSmを電気的に直列接続する配線(不図示)が形成されている。すなわち、太陽電池モジュールMは、18個の裏面電極型太陽電池サブセルSbを直列に接続した構成となっている。
図12に示す太陽電池モジュールMのように、モジュールの受光部の一辺(図12において紙面上下方向)が、裏面電極型太陽電池セルBを整数個並べた場合には裏面電極型太陽電池セルBの非配置領域が大きくなってしまうような寸法であったとしても、裏面電極型太陽電池セルBを分割して作製した裏面電極型太陽電池サブセルSbでは敷き詰めて構成することができるので、太陽電池モジュールMの変換効率の低下を抑制することが可能である。
(実施例)
以上の裏面電極型太陽電池セルの分割方法を利用し、図5に示すような、裏面電極型太陽電池サブセルを製造した。厚さ120μm、一辺156mmの略正方形の四隅を面取りした形状のn型半導体基板1の裏面に、幅(短手方向の長さ)が200μmのn型半導体領域11と幅が550μmのp型半導体領域12とを、交互に配列して形成する(なお、配列方向を第1方向とする)。また、n型半導体領域11及びp型半導体領域12によるpn接合が裏面Bsより5μm以内となるように、不純物を拡散させている。
以上の裏面電極型太陽電池セルの分割方法を利用し、図5に示すような、裏面電極型太陽電池サブセルを製造した。厚さ120μm、一辺156mmの略正方形の四隅を面取りした形状のn型半導体基板1の裏面に、幅(短手方向の長さ)が200μmのn型半導体領域11と幅が550μmのp型半導体領域12とを、交互に配列して形成する(なお、配列方向を第1方向とする)。また、n型半導体領域11及びp型半導体領域12によるpn接合が裏面Bsより5μm以内となるように、不純物を拡散させている。
裏面電極型太陽電池セルBを、第1方向と直交する第2方向に2等分するように分割線L2を規定し、分割線L2を中心とした幅2.6mmの領域を除くn型半導体領域11及びp型半導体領域12の領域上にコンタクトホールを形成し、その部分にAgを含む電極を幅60μmで形成した。なお、n型半導体領域11の領域に形成された電極がn電極21であり、p型半導体領域12の領域に形成された電極がp電極22である。このようにして、裏面電極型太陽電池セルを形成した。なお、n型半導体領域、p型半導体領域、n電極及びp電極の詳細な製造方法は、従来の製造方法と同じ方法を利用しており、詳細は省略する。
上述のように形成された裏面電極型太陽電池セルを分割線L2で分割した。分割には、波長1063nm、パルス周波数80kHz、出力42Wのファイバーレーザー光で行った。レーザー光は裏面電極型太陽電池セルの受光面側より分割線上に照射している。上記条件のレーザー光をスポット径10μmで裏面電極型太陽電池セルに照射するとともに、分割線上を分割溝(加工領域)が裏面Bsから所定の距離に到達するまで、走査速度850mm/sで走査させた。これにより、裏面電極型太陽電池セルが分割され裏面電極型太陽電池サブセルを作製した。
図13は分割された裏面電極型太陽電池サブセルの出力電流の、分割前の裏面電極型太陽電池セルの出力電流に対する変化率を示す図である。図13において縦軸は、1/2に分割後の裏面電極型太陽電池サブセルの出力電流が、分割前の裏面電極型太陽電池セルの出力電流の1/2の値に対して変化した割合である。また、図13において横軸は、レーザー光によって形成された分割溝(加工領域)の底辺の、裏面電極型太陽電池セルの裏面Bsからの距離を示している。
なお、横軸においてマイナスの値は分割溝が裏面Bsに到達していないことを示し、プラスの値は、分割溝が裏面Bsを超えた位置まで形成するようにレーザー光の走査を制御したことを示す。なお、図13の横軸に表される距離は、レーザー光によって加工される溝の深さから割り出した距離であり、実際の距離はセルの分割線上において若干ばらついている。
分割溝のセル裏面Bsからの距離がマイナスのサンプルは、レーザー光によって裏面電極型太陽電池セルは分割されていない(ハーフカットダイシング切断加工)ので、分割溝を形成後に割断によって裏面電極型太陽電池セルを分割している。分割溝のセル裏面Bsからの距離が0のサンプルも上記ばらつきにより完全に分割できなかったため、弱い力を加えて割断し裏面電極型太陽電池セルを分割している。分割溝のセル裏面Bsからの距離がプラスのサンプルでは、裏面電極型太陽電池セルをレーザー光で分割しており(フルカットダイシング切断加工)、割断加工の工程はない。
図13に示すように、分割溝のセル裏面Bsからの距離をマイナス(図13では、−20μm)から0とするに伴って出力電流の変化率(減少率)は小さくなる。すなわち、割断する部分の厚みが小さくなるほど出力電流の変化率は小さくなる。また、分割溝のセル裏面Bsからの距離をプラスにすると出力電流の変化率は急に小さくなり(0から10μmの間)、プラスの値が大きくなっても出力電流の変化率はほとんど変化しない。これは割断加工を不要とすることで出力電流の変化率を下げることができたと考えられる。
以上の結果より、裏面電極型太陽電池セルをレーザ光で分割(フルカットダイシング切断加工)することで割断加工を伴わないため、応力によるpn接合部分でのリーク電流の発生が起こらず、また、分割端面及びその近傍でのpn接合部分はレーザー光による熱の影響が少なく、pn接合間にリーク電流が発生するような変質による影響が抑制されていると考えられる。したがって、フルカットダイシング切断加工で裏面電極型太陽電池セルを分割した裏面電極型サブセルの出力電流のほうが、ハーフカットダイシング切断加工と割断加工によって分割された裏面電極型サブセルの出力電流に比べて、もとの裏面電極型太陽電池セルの出力電流からの変化率を小さく抑えられたと考えられる。
以上のことより、受光面と反対側の面にpn接合及び電極が形成された裏面電極型太陽電池セルを分割する場合、レーザー光等の分割手段が裏面Bsまで完全に切断するフルカットダイシングを利用することで、発電効率の低下を抑制しつつ、裏面電極型太陽電池セルを分割することが可能である。
本発明にかかる裏面電極型太陽電池セルの切断方法は、屋根材に一体的に形成される太陽電池モジュールのように、外的要因でその形状及び大きさに制限がある太陽電池モジュールに裏面電極型太陽電池セルを敷き詰めたときの小型裏面電極型太陽電池セル(裏面電極型太陽電池サブセル)を製造するときに利用可能である。
A、B 裏面電極型太陽電池セル
Sa、Sb 裏面電極型太陽電池サブセル
M 太陽電池モジュール
1 半導体基板
11 n型半導体領域
12 p型半導体領域
21 n電極
22 p電極
3 配線基板
31 n配線
32 p配線
33 接続配線
Bd 作業台
Ld レーザー光出射装置
Ls レーザー光
Sa、Sb 裏面電極型太陽電池サブセル
M 太陽電池モジュール
1 半導体基板
11 n型半導体領域
12 p型半導体領域
21 n電極
22 p電極
3 配線基板
31 n配線
32 p配線
33 接続配線
Bd 作業台
Ld レーザー光出射装置
Ls レーザー光
Claims (5)
- 半導体基板の太陽光を受光する受光面と反対側の裏面にn型半導体領域とp型半導体領域が隣り合って形成された裏面電極型太陽電池セルを分割する方法であって、
前記半導体基板を切断する切断手段で前記受光面側から前記裏面側に向けてフルカットダイシングを行う切断工程を含むことを特徴とする裏面電極型太陽電池セルの分割方法。 - 前記切断工程は、前記裏面電極型太陽電池セルを分割したときの分割端面が前記n型半導体領域と前記p型半導体領域との境界面と交差するように裏面電極型太陽電池セルを切断する請求項1に記載の裏面電極型太陽電池セルの分割方法。
- 前記切断手段がレーザー光である請求項1又は請求項2のいずれかに記載の裏面電極型太陽電池セルの分割方法。
- 請求項1から請求項3のいずれかの方法で分割される裏面電極型太陽電池セルであって、
前記半導体基板の前記裏面に前記n型半導体領域と電気的に接続されたn電極と、前記p型半導体領域と電気的に接続されたp電極とを備えている裏面電極型太陽電池セル。 - 前記n電極及び前記p電極は、前記切断手段が通過する部分で分断されている請求項4に記載の裏面電極型太陽電池セル。
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