JP4439477B2 - 光起電力素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、結晶系半導体と非晶質半導体とを組み合わせて構成されるヘテロ接合を有する光起電力素子及びその製造方法に関するものである。
近年、消費者のニーズに対応するため、さまざまなサイズの光起電力素子が求められている。種々のサイズの光起電力素子を製造する手段として、規格サイズの基板を用いて光起電力素子を形成し、その後、所望のサイズに分割する方法がある。
このような光起電力素子の分割方法として、特許文献1に、ガラス基板上に透明電極、アモルファスシリコン膜及び金属電極を形成した光起電力素子に金属電極側から分割予定箇所にレーザ光を照射することにより、金属電極、アモルファスシリコン膜及び透明電極を除去した溝を形成した後、該溝に沿ってガラス基板をカットすることによって、所望のサイズの光起電力素子に分割する方法が記載されている。
一方、近年、光起電力素子として、単結晶シリコンや多結晶シリコン等の結晶系シリコンを用いた太陽電池の研究及び実用化が盛んに行われている。中でも、非晶質シリコンと結晶系シリコンとを組み合わせることにより構成されたヘテロ接合を有する太陽電池は、その接合を200℃以下の低温プロセスで形成でき、高い変換効率を得られることから、注目を集めている。
図11は、上記の非晶質シリコンと結晶系シリコンとを組み合わせることにより構成されたヘテロ接合を有する太陽電池の一例を説明するための模式的断面図である。太陽電池50は、n型単結晶シリコン基板2の一方の主面上に、真性非晶質シリコン層3、p型非晶質シリコン層4、p側透明導電膜層5及びp側集電極6がこの順に形成された構造を有している。さらに、前記n型単結晶シリコン基板2の他方の主面上に真性非晶質シリコン層7、n型非晶質シリコン層8、n側透明導電膜層9及びn側集電極10がこの順に形成されている。
特開2001−274441号公報
非晶質シリコンと結晶系シリコンとを組み合わせることにより構成されたヘテロ接合を有する、所望のサイズの光起電力素子の製造において、特許文献1に記載の発明のように、レーザ光を照射することにより分割予定箇所の集電極、非晶質シリコン層及び真性非晶質シリコン層を除去した溝を形成した後、該溝に沿って光起電力素子を分割すると、開放電圧VOCや曲線因子F.F.の低下が起こる場合があった。
本発明の目的は、上述した問題点を解決した光起電力素子及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明者らが鋭意検討した結果、太陽電池50に、レーザ光をp型非晶質シリコン層4側から照射した場合に開放電圧VOCや曲線因子F.F.の低下が生じ、レーザ光をn型非晶質シリコン層8側から照射した場合には開放電圧VOCや曲線因子F.F.の低下が生じないことを見出し、本発明を完成するに至った。以下に、この理由について説明する。
図12は、太陽電池50にレーザ光を照射した後の、レーザ光が照射された付近を拡大した太陽電池50の断面を示す模式図である。上記の現象の理由について、図12を用いて説明する。
レーザ光を矢印Lに示すようにp型非晶質シリコン層4側から照射した場合、太陽電池50の段面は図12(a)に示す形状となる。図12(a)において、50aはレーザ光照射された後の太陽電池であり、15はレーザ光を照射されたことにより太陽電池50aに形成された溝である。
図12(a)を参照して、レーザ光照射により、p側集電極6、p側透明導電膜層5、p型非晶質シリコン層4、真性非晶質シリコン層3及びn型単結晶シリコン基板2の一部が除去された箇所の太陽電池50aの端面においては、真性非晶質シリコン層3の端部及びp型非晶質シリコン層4の端部がレーザ照射時の熱の影響により微結晶化し、これらの部分の抵抗が低くなる。図12(a)において、3aは、真性非晶質シリコン層3の微結晶部であり、4aは、p型非晶質シリコン層4の微結晶部である。図12(a)に示すように、微結晶部3aはn型単結晶シリコン基板2との界面51においてn型単結晶シリコン基板2と接している。また、微結晶部4aはp側透明導電膜5との界面52においてp側透明導電膜側5と接している。微結晶部3a及び微結晶部4aは抵抗が小さいため、互いに逆の導電型を有する、p型非晶質シリコン層4とn型単結晶シリコン基板2との間で、微結晶部4a、微結晶部3a及び界面51を介してリーク電流が流れる。したがって、このような太陽電池50aは、開放電圧VOCや曲線因子F.F.が低くなる。
これに対して、太陽電池50に矢印Lに示すようにレーザ光をn型非晶質シリコン層8側から照射した場合、太陽電池50の断面は図12(b)に示す形状になる。図12(b)において、50bはレーザ光照射された後の太陽電池であり、15はレーザ光を照射されたことにより太陽電池50bに形成された溝である。
この場合の太陽電池50bの断面形状は、p型非晶質シリコン層4とその微結晶部4aがn型非晶質シリコン層8とその微結晶部8aに代わり、真性非晶質シリコン層3とその微結晶部3aが真性非晶質シリコン層7とその微結晶部7aに代わったことを除いては、図12(a)の場合と同様である。図12(b)に示すように、微結晶部7aはn側単結晶シリコン基板2との界面53においてn型単結晶シリコン基板2と接している。また、微結晶部8aはn側透明導電膜9との界面54においてn側透明導電膜9と接している。微結晶部7a及び微結晶部8aは抵抗が小さいが、微結晶部8aとn型単結晶シリコン基板2とは導電型が同じであるため、n型非晶質シリコン層8とn型単結晶シリコン基板2との間には、微結晶部8a、微結晶部7a及び界面53を介して、リーク電流が流れない。したがって、このような太陽電池50bは、開放電圧VOCや曲線因子F.F.が低下することがない。
また、n型単結晶シリコン基板2の代わりにp型単結晶シリコン基板を用いた場合には、レーザ光をn型非晶質シリコン層側から照射した場合、リーク電流が発生し開放電圧VOCや曲線因子F.F.が低くなり、レーザ光をp型非晶質シリコン層側から照射した場合、リーク電流が発生せず開放電圧VOCや曲線因子F.F.は低くはならなかった。
つまり、単結晶基板とは異なる導電型を有する非晶質半導体層に抵抗の低い微結晶部を形成しないように、太陽電池にレーザ光を照射することによって、リーク電流が発生せず、開放電圧VOCや曲線因子F.F.の低下が抑制された太陽電池を製造することができる。
すなわち、単結晶基板の主面のうち、上記非晶質半導体層が形成された主面とは反対側の主面側からレーザ光を照射し、少なくとも上記非晶質半導体層まで達しないように太陽電池に溝を形成することによって、リーク電流が発生せず、開放電圧VOCや曲線因子F.F.の低下が抑制された太陽電池を製造することができる。したがって、単結晶基板と同じ導電型の非晶質半導体層側からレーザ光を照射することによっても、少なくとも単結晶基板とは異なる導電型の非晶質半導体層に達しないように太陽電池に溝を形成することによって、リーク電流が発生せず、開放電圧VOCや曲線因子F.F.の低下が抑制された太陽電池を製造することができる。
本発明に係る光起電力素子の製造方法は、第1導電型を有する結晶系半導体基板の第1の主面上に、第2導電型を有する第1の非晶質半導体層と第1の導電性薄膜とを含む第1の積層体を形成する工程と、前記結晶系半導体基板と前記第1の積層体とを備える構造体に前記結晶系半導体基板の第2の主面側からレーザ光を、前記第1の非晶質半導体層に微結晶部を形成しないように照射することにより、少なくとも前記第1の非晶質半導体層に達しないように前記結晶系半導体基板に溝を形成する工程と、該溝に沿って前記構造体を分割する工程とを含むことを特徴とする。
かかる製造方法を用いることにより、第1の積層体中にレーザ光照射時の熱の影響による微結晶部分が生じることがないので、互いに逆の導電型を有する第1導電型の結晶系半導体基板と第2導電型の非晶質半導体層との間でリーク電流が発生することがなく、開放電圧VOCや曲線因子F.F.の低下が抑制された、所望のサイズの光起電力素子を製造できる。
本発明において、好ましくは、前記結晶系半導体基板の第2の主面上には第1導電型を有する第2の非晶質半導体層と第2の導電性薄膜とを含む第2の積層体が形成され、前記レーザ光は前記第2の積層体側から照射される。
光起電力素子がこのような構成であることにより、前記結晶系半導体基板の第1の主面側及び第2の主面側の両面からの入射光を発電に利用でき、より高出力な光起電力素子を製造できる。
本発明において、好ましくは、前記結晶系半導体基板と、前記第1及び前記第2の非晶質半導体層との間の少なくとも一方に、真性の非晶質半導体層を形成する。
光起電力素子がこのような構成であることにより、結晶系半導体基板と非晶質半導体層とのヘテロ接合の界面状態が改善されるため、より特性に優れた光起電力素子を製造できる。
本発明に係る光起電力素子は、第1導電型を有する結晶系半導体基板と、前記結晶系半導体基板の第1の主面上に設けられた、第2導電型を有する第1の非晶質半導体層と第1の導電性薄膜とを含む第1の積層体と、を有し、前記基板における前記第1の主面と該第1の主面と反対側の第2の主面に挟まれる少なくとも一つの側面が分割加工面から形成されており、前記分割加工面は、少なくとも前記第1の非晶質半導体層に達しないように前記第2の主面側から前記第1の主面側に向かって延びるレーザ加工領域と、切断加工領域とから構成されており、前記第1の非晶質半導体層に微結晶部が形成されていないことを特徴とする。
本発明において、好ましくは、前記結晶系半導体基板の第2の主面上には第1導電型を有する第2の非晶質半導体層と第2の導電性薄膜とを含む第2の積層体が形成されている。
本発明において、好ましくは、前記結晶系半導体基板と、前記第1及び前記第2の非晶質半導体層との間の少なくとも一方に、真性の非晶質半導体層が形成されている。
本発明にかかる製造方法によれば、開放電圧VOCや曲線因子F.F.の低下が抑制された、非晶質半導体と結晶系半導体とを組み合わせることにより構成されたヘテロ接合を有する、所望のサイズの光起電力素子を製造できる技術を提供できる。
本発明にかかる光起電力素子によれば、非晶質半導体と結晶系半導体とを組み合わせることにより構成されたヘテロ接合を有する光起電力素子の開放電圧VOCや曲線因子F.F.を向上させることができる。
本発明の実施形態について、図面を用いて、以下に説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る光起電力素子及びその製造方法について、図1、図2及び図3を参照して説明する。
まず、図1に示す構造の非晶質半導体と結晶系半導体を組み合わせることにより構成されたヘテロ接合を有する構造体1を作製する。
図1は、本実施形態に係る光起電力素子の製造方法によって製造する構造体の構造を示す模式的断面図である。構造体1は、n型の結晶系半導体基板2の第1の主面上に、第1の積層体11が形成され、第1の主面と対向する第2の主面上に、第2の積層体12が形成された構造となっている。結晶系半導体基板としては、単結晶や多結晶の構造を有するシリコン基板又はゲルマニウム基板等を用いることができる。前記第1の積層体11は、n型結晶系半導体基板2の第1の主面上に真性非晶質半導体層3、n型結晶系半導体基板2と異なる導電型を有するp型非晶質半導体層4、p側透明導電膜層5及びp側集電極6がこの順に形成された構造を有している。さらに、前記第2の積層体12は、n型結晶系半導体基板2の第2の主面上に真性非晶質半導体層7、n型結晶系半導体基板2と同じ導電型を有するn型非晶質半導体層8、n側透明導電膜層9及びn側集電極10がこの順に形成されている。非晶質半導体としては、シリコン又はゲルマニウム等を用いることができる。
真性非晶質半導体層3、p型非晶質半導体層4、真性非晶質半導体層7及びn型非晶質半導体層8は、それぞれプラズマCVD法を用いて形成することができる。また、p側透明導電膜層5及びn側透明導電膜層9は、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性の導電性膜を用いることができ、スパッタ法、真空蒸着法等を用いて形成することができる。また、p側集電極6及びn側集電極10は、Ag等の金属を用いることができ、それぞれ、スクリーン印刷法、真空蒸着法、スパッタ法等を用い、パターニング形成することができる。
次に、前記構造体1にレーザ光を照射することによって、該構造体1に溝を形成する工程について、図2を参照して説明する。図2は、図1に示す構造体1にレーザ光を照射することにより構造体1に溝を形成した構造体13を示す模式的断面図である。構造体1に、図2に示すように、レーザ光を矢印Lに示すように、n型結晶系半導体基板2の前記第2の主面側、本実施形態の場合、n型結晶系半導体基板2と同じ導電型を有するn型非晶質半導体層8を含む前記第2の積層体12側から照射することにより、第2の積層体12及びn型結晶系半導体基板2に溝15を形成し、構造体13を作製する。
本実施形態においては、図2に示すように、溝15はn側集電極10、n側透明導電膜層9、n型非晶質半導体層8、真性非晶質半導体層7及びn型結晶系半導体基板2に形成されているが、n型結晶系半導体基板2とは異なる導電型を有するp型非晶質半導体層4まで達しなければよく、溝15の深さは、溝15形成後に行う溝15に沿った分割を行いやすい深さで適宜選ぶことができる。
このとき、溝15をn型結晶系半導体基板2で止め、該n型結晶系半導体基板2とは異なる導電型を有するp型非晶質半導体層4まで達しないように、レーザ光の照射時間、照射エネルギーなどのレーザ光照射条件を調整できる。溝15が前記n型結晶系半導体基板2とは異なる導電型を有するp型非晶質半導体層4まで達するようにレーザ光を照射すると、該p型非晶質半導体層4の溝15付近に抵抗の低い微結晶部が形成され、かかる微結晶部とn型結晶系半導体基板2との間にリーク電流が流れるため、製造された光起電力素子は開放電圧VOCや曲線因子F.F.の低いものとなってしまう。
このような溝15を形成するためのレーザ光照射の条件としては、例えば、YAGレーザやArレーザの第2高調波などの波長が400nmを超えるレーザを用いて、1〜20Wのパワーを用いることができる。また、レーザ光の光径としては、例えば、20〜200μmのものを用いることができる。このような条件のレーザ光を照射することにより、幅が上記のレーザ光の光径とほぼ同じである溝15を形成することができる。
図2の構造では、第1の積層体11及びn型結晶系半導体基板2の溝15付近は、図12(b)のような構造である。図12(b)のように、n型非晶質半導体層8及び真性非晶質半導体層7の端部は、レーザ光の照射による熱の影響のため、微結晶化し、それぞれ微結晶部8a及び微結晶部7aが形成されている。この微結晶部8a及び微結晶部7aは抵抗が小さいが、微結晶部8aとn型結晶系半導体基板2とは導電型が同じであるため、n型非晶質半導体層8とn型結晶系半導体基板2との間ではリーク電流は発生しない。
続いて、図3に示すように、前記構造体13を溝15に沿って分割する。図3は、前記構造体13を溝15に沿って分割することによって得られた、本発明に係る光起電力素子14を示す模式的断面図である。分割の方法としては、例えば、溝15の部分を中心にして構造体13の周辺部を保持部材で挟み折り曲げることにより、折り曲げ切断する方法や、スクラバー、ダイシングソー等を用いて切断する方法等を用いることができる。かかる分割によって、所望のサイズの光起電力素子14を作製できる。
以上のように作製することによって、図3に示すように、n型結晶系半導体基板2の第1の主面と該第1の主面と反対側の第2の主面とに挟まれる少なくとも一つの側面が分割加工面18から形成される光起電力素子14を作製できる。ここで、この分割加工面18は、前記n型結晶系半導体基板2とは異なる導電型を有するp型非晶質半導体層4まで達しないように前記第2の主面側から前記第1の主面に向かって延びる、レーザ加工によって形成されたレーザ加工領域16と、前記第1の主面側から前記第2の主面側に向かって延びる、切断によって形成された切断加工領域17から構成されている。
本実施形態によれば、非晶質半導体と結晶系半導体とを組み合わせることにより構成されたヘテロ接合を有する光起電力素子であって、非晶質半導体と結晶系半導体との間にリーク電流が流れず、開放電圧VOCや曲線因子F.F.の低下が抑制された、所望のサイズの光起電力素子を製造できる。
(実施の形態2)
まず、本実施形態に係る製造方法を用いて製造する光起電力素子の構造について、図4、図5及び図6に示す模式的な断面図を用いて説明する。
まず、図4に示す構造の非晶質半導体と結晶系半導体を組み合わせることにより構成されたヘテロ接合を有する構造体23を作製する。
図4は、本実施形態に係る光起電力素子の製造方法によって製造する構造体の構造を示す模式的断面図である。構造体23は、p型の結晶系半導体基板20の第1の主面上に、第1の積層体21が形成され、第1の主面と対向する第2の主面上に、第2の積層体22が形成された構造となっている。結晶系半導体基板としては、単結晶や多結晶の構造を有するシリコン基板又はゲルマニウム基板等を用いることができる。前記第1の積層体21は、p型結晶系半導体基板20の第1の主面上に真性非晶質半導体層7、p型結晶系半導体基板20とは異なる導電型を有するn型非晶質半導体層8、n側透明導電膜層9及びn側集電極10がこの順に形成された構造を有している。さらに、前記第2の積層体22は、p型結晶系半導体基板20の第2の主面上に真性非晶質半導体層3、p型結晶系半導体基板20と同じ導電型を有するp型非晶質半導体層4、p側透明導電膜層5及びp側集電極6がこの順に形成されている。非晶質半導体としては、シリコン又はゲルマニウム等を用いることができる。
構造体23の作製方法は、n型結晶系半導体基板2がp型結晶系半導体基板20に、n型非晶質半導体層8がp型非晶質半導体層4に、p型非晶質半導体層4がn型非晶質半導体層8、真性非晶質半導体層7が真性非晶質半導体層3に、真性非晶質半導体層3が真性非晶質半導体層7に、n側透明導電膜層9がp側透明導電膜層5に、p側透明導電膜層5がn側透明導電膜層9に、n側集電極10がp側集電極6に、p側集電極6がn側集電極10に代わったことを除いては、実施の形態1における構造体1の作製方法と同様である。
次に、前記構造体23にレーザ光を照射することによって、該構造体に溝を形成する工程について、図5を参照して説明する。図5は、図4に示す構造体23にレーザを照射することにより構造体23に溝を形成した構造体24を示す模式的断面図である。構造体23に、図5に示すように、レーザ光を矢印Lに示すように、p型結晶系半導体基板20の前記第2の主面側、本実施形態の場合、p型結晶系半導体基板20と同じ導電型を有するp型非晶質半導体層4を含む前記第2の積層体22側から照射することにより、第2の積層体22及びp型結晶系半導体基板20に溝15を形成し、構造体24を作製する。
このような溝15を形成するためのレーザ光照射の条件としては、実施の形態1の場合と同様である。
このとき、溝15をp型結晶系半導体基板20で止め、該p型結晶系半導体基板20とは異なる導電型を有するn型非晶質半導体層8まで達しないように、レーザ光の照射時間、照射エネルギーなどのレーザ光照射条件を調整できる。溝15が前記p型結晶系半導体基板20とは異なる導電型を有するn型非晶質半導体層8まで達するようにレーザ光を照射すると、該n型非晶質半導体層8の溝15付近に抵抗の低い微結晶部が形成され、かかる微結晶部とp型結晶系半導体基板20との間にリーク電流が流れるため、製造された光起電力素子は開放電圧VOCや曲線因子F.F.の低いものとなってしまう。
本実施形態においては、図5に示すように、溝15はp側集電極6、p側透明導電膜層5、p型非晶質半導体層4、真性非晶質半導体層3及びp型結晶系半導体基板20に形成されているが、p側結晶系半導体基板20とは異なる導電型を有するn型非晶質半導体層8まで達しなければよく、溝15の深さは、溝15形成後に行う溝15に沿った分割を行いやすい深さで適宜選ぶことができる。
図5の構造では、第2の積層体22及びp側結晶系半導体基板20の溝15付近は、図12(a)において、n型結晶系半導体基板2がp型結晶系半導体基板20に代わった構造である。この場合、p型非晶質半導体層4及び真性非晶質半導体層3の端部は、レーザ光の照射による熱の影響のため、微結晶化し、それぞれ微結晶部4a及び微結晶部3aが形成されている。この微結晶部4a及び微結晶部3aは抵抗が小さいが、微結晶部4aとp型結晶系半導体基板20とは導電型が同じであるため、p型非晶質半導体層4とp型結晶系半導体基板20との間ではリーク電流は発生しない。
続いて、図6に示すように、前記構造体24を溝15に沿って分割する。分割の方法は、実施の形態1の場合と同様である。かかる分割によって、所望のサイズの光起電力素子25を作製できる。
本実施形態によれば、非晶質半導体と結晶系半導体とを組み合わせることにより構成されたヘテロ接合を有する光起電力素子であって、非晶質半導体と結晶系半導体との間にリーク電流が流れず、開放電圧VOCや曲線因子F.F.の低下が抑制された、所望のサイズの光起電力素子を製造できる。
以下、図1、図2及び図3を参照して、上記の実施の形態1にかかる光起電力素子の製造方法の一例について、説明する。
まず、比抵抗が約1Ω・cm、大きさが10.4cm角、厚さが約200μmのn型単結晶シリコン基板2を洗浄した後、真空チャンバー内に設置し、170℃に加熱した。次に前記チャンバー内に水素ガスを導入してプラズマ放電させることにより、n型単結晶シリコン基板2の第2の主面の界面処理を行った。
その後、チャンバー内にSiHガス及び水素ガスを導入してプラズマCVD法により、厚さ10nmの真性非晶質シリコン層7を、前述のn型単結晶シリコン基板2の第2の主面上に形成した。続いて、チャンバー内にSiHガス、PHガス及び水素ガスを導入してプラズマCVD法により、真性非晶質シリコン層7上に、厚さ5nmのn型非晶質シリコン層8を形成した。
次に、上記真性非晶質シリコン層7とn型非晶質シリコン層8とが形成されたn型単結晶シリコン基板2をチャンバーから取り出し、再びチャンバーに設置した後、170℃に加熱し、前述の第2の主面の界面処理と同様の処理を、第2の主面と対向する第1の主面に行った。
その後、チャンバー内にSiHガス及び水素ガスを導入してプラズマCVD法により、厚さ10nmの真性非晶質シリコン層3を、前述のn型単結晶シリコン基板2の第1の主面上に形成した。続いて、チャンバー内にSiHガス、Bガス及び水素ガスを導入してプラズマCVD法により、該真性非晶質シリコン層3上に、厚さ5nmのp型非晶質シリコン層4を形成した。
以上の非晶質シリコン層の成膜条件を、表1に示す。表1中、「i型」とは真性非晶質シリコン層3及び真性非晶質シリコン層7を、「p型」とはp型非晶質シリコン層4を、「n型」とはn型非晶質シリコン層8をそれぞれ示す。また、BとPHは、Hガスにより、それぞれ2%、1%に希釈されている。
Figure 0004439477
次に、n型単結晶シリコン基板2の両主面上に形成されたn型非晶質シリコン層8及びp型非晶質シリコン層4上に、厚さ100nmのITOからなるn側透明導電膜層9及びp側透明導電膜層5をスパッタ法により形成した。
次に、n型単結晶シリコン基板2の第2の主面側に形成されたn側透明導電膜層9上及び第1の主面側に形成されたp側透明導電膜層5上に、銀ペーストからなるn側集電極10とp側集電極6をスクリーン印刷法により塗布した後、約180℃で約1時間焼成して銀ペーストを硬化させた。これにより、第2の積層体12と第1の積層体11を完成させた。このようにして、構造体1を作製した。
続いて、前記構造体1にレーザ光を照射し、レーザ光を照射された部分の構造体を除去することにより、構造体1に溝を形成した。
この際、レーザ光径が50μmで波長が1064nmのYAGレーザを用いて、3〜5Wのパワーを使用して、構造体1に、図2に示すように、矢印Lの方向に第2の積層体12側、すなわち、n型単結晶シリコン基板2の第2の主面側からレーザ光を照射した。このようなレーザ光照射を行うことによって、図2に示すように、第1の積層体11及びn型単結晶シリコン基板2を除去することにより、構造体1に溝15を形成し、構造体13を作製した。レーザ光の照射条件を調整することによって、n型単結晶シリコン基板2とは異なる導電型を有するp型非晶質シリコン層4までは達しない深さの溝15を形成した。この溝15の深さは60μm程度であり、溝15の幅は前記レーザ光径と同程度であった。
最後に、構造体13に応力を印加することにより、前記溝15に沿って、構造体13を機械的に分割した。この分割によって、所望のサイズの光起電力素子14を作製した(図3)。
以上のように作製することによって、図3に示すように、n型単結晶シリコン基板2の第1の主面と該第1の主面と反対側の第2の主面とに挟まれる少なくとも一つの側面が分割加工面18から形成される光起電力素子14を作製できる。ここで、この分割加工面18は、前記n型単結晶シリコン基板2とは異なる導電型を有するp型非晶質シリコン層4まで達しないように前記第2の主面側から前記第1の主面に向かって延びる、レーザ加工によって形成されたレーザ加工領域16と、前記第1の主面側から前記第2の主面側に向かって延びる、切断によって形成された切断加工領域17から構成されている。
以下、図4、図5及び図6を参照して、上記の実施の形態2にかかる光起電力素子の製造方法の一例について、説明する。
まず、比抵抗が約1Ω・cm、大きさが10.4cm角、厚さが約200μmのp型単結晶シリコン基板20を洗浄した後、真空チャンバー内に設置し、170℃に加熱した。次に前記チャンバー内に水素ガスを導入してプラズマ放電させることにより、p型単結晶シリコン基板20の第2の主面の界面処理を行った。
その後、チャンバー内にSiHガス及び水素ガスを導入してプラズマCVD法により、厚さ10nmの真性非晶質シリコン層3を、前述のp型単結晶シリコン基板20の第2の主面上に形成した。続いて、チャンバー内にSiHガス、Bガス及び水素ガスを導入してプラズマCVD法により、該真性非晶質シリコン層3上に、厚さ5nmのp型非晶質シリコン層4を形成した。
次に、上記真性非晶質シリコン層3とp型非晶質シリコン層4とが形成されたp型単結晶シリコン基板20をチャンバーから取り出し、再びチャンバーに設置した後、170℃に加熱し、前述の第2の主面の界面処理と同様の処理を、第2の主面と対向する第1の主面に行った。
その後、チャンバー内にSiHガス及び水素ガスを導入してプラズマCVD法により、厚さ10nmの真性非晶質シリコン層7を、前述のp型単結晶シリコン基板20の第1の主面上に形成した。続いて、チャンバー内にSiHガス、PHガス及び水素ガスを導入してプラズマCVD法により、真性非晶質シリコン層7上に、厚さ5nmのn型非晶質シリコン層8を形成した。
以上の非晶質シリコン層の成膜条件は、実施例1と同様、表1に示した通りである。
次に、p型単結晶基板20の両主面上に形成されたp型非晶質シリコン層4及びn型非晶質シリコン層8上に、厚さ100nmのITOからなるp側透明導電膜層5及びn側透明導電膜層9をスパッタ法により形成した。
次に、p型単結晶シリコン基板20の第2の主面側に形成されたp側透明導電膜層5上及び第1の主面側に形成されたn側透明導電膜層9上に、銀ペーストからなるp側集電極6とn側集電極10をスクリーン印刷法により塗布した後、約180℃で約1時間焼成して銀ペーストを硬化させた。これにより、第2の積層体22と第1の積層体21を完成させた。このようにして、構造体23を作製した。
続いて、前記構造体23にレーザ光を照射し、レーザ光を照射された部分の構造体を除去することにより、構造体23に溝を形成した。
この際、実施例1と同様に、レーザ光径が50μmで波長が1064nmのYAGレーザを用いて、3〜5Wのパワーを使用して、構造体23に、図5に示すように、矢印Lの方向に第2の積層体22側、すなわち、p型単結晶シリコン基板20の前記第2の主面側からレーザ光を照射した。このようなレーザ光照射を行うことによって、図5に示すように、第2の積層体22及びp型単結晶シリコン基板20を除去することにより、構造体23に溝15を形成し、構造体24を作製した。実施例1の場合と同様、レーザ光の照射条件を調整することによって、p型単結晶シリコン基板20とは異なる導電型を有するn型非晶質シリコン層8までは達しない深さの溝15を形成した。この溝15の深さは60μm程度であり、溝15の幅は前記レーザ光径と同程度であった。
最後に、構造体23に応力を印加することにより、前記溝15に沿って、構造体24を機械的に分割した。この分割によって、所望のサイズの光起電力素子25を作製した(図6)。
以上のように作製することによって、図6に示すように、p型単結晶シリコン基板20の第1の主面と該第1の主面と反対側の第2の主面とに挟まれる少なくとも一つの側面が分割加工面28から形成される光起電力素子25を作製できる。ここで、この分割加工面28は、前記p型単結晶シリコン基板20とは異なる導電型を有するn型非晶質シリコン層8まで達しないように前記第2の主面側から前記第1の主面に向かって延びる、レーザ加工によって形成されたレーザ加工領域26と、前記第1の主面側から前記第2の主面側に向かって延びる、切断によって形成された切断加工領域27から構成されている。
(比較例1)
以下、図1、図7及び図8を参照して、比較例1について、説明する。
比較例1においては、図1に示すような実施例1の場合と同じ構造体1を、実施例1の場合と同様に作製した。
続いて、図7に示すように、実施例1の場合とは逆側、すなわち、第1の積層体11側から前記構造体1にレーザ光を照射し、レーザ光を照射された部分の構造体を除去することにより、構造体1に溝15を形成し、構造体31を作製した。
この際、実施例1と同様、レーザ光径が50μmで波長が1064nmのYAGレーザを用いて、3〜5Wのパワーを使用して、構造体1に、図7に示すように、矢印Lの方向に第1の積層体11側からレーザ光を照射した。このようなレーザ光照射を行うことによって、図7に示すように、第1の積層体11及びn型単結晶シリコン基板2を除去することにより、構造体1に溝15を形成し、構造体31を作製した。実施例1の場合と同様に、レーザ光の照射条件を調整することによって、n型単結晶シリコン基板2と同じ導電型を有するn型非晶質シリコン層8までは達しない深さの溝15を形成した。この溝15の深さは60μm程度であり、溝15の幅は前記レーザ光径と同程度であった。
最後に、構造体31に応力を印加することにより、前記溝15に沿って、構造体31を機械的に分割した。この分割によって、所望のサイズの光起電力素子32を作製した。
以上のように作製することによって、図8に示すように、n型単結晶シリコン基板2の第1の主面と該第1の主面と反対側の第2の主面とに挟まれる少なくとも一つの側面が分割加工面38から形成される光起電力素子32を作製できる。ここで、この分割加工面38は、前記n型単結晶シリコン基板2と同じ導電型を有するn型非晶質シリコン層8まで達しないように前記第1の主面側から前記第2の主面に向かって延びる、レーザ加工によって形成されたレーザ加工領域36と、前記第2の主面側から前記第1の主面側に向かって延びる、切断によって形成された切断加工領域37から構成されている。
(比較例2)
以下、図4、図9及び図10を参照して、比較例2について、説明する。
比較例2においては、図4に示すような実施例2の場合と同じ構造体23を、実施例2の場合と同様に作製した。
続いて、図9に示すように、実施例2の場合とは逆側、すなわち、第1の積層体21側から前記構造体23にレーザ光を照射し、レーザ光を照射された部分の構造体を除去することにより、構造体23に溝15を形成し、構造体41を作製した。
この際、実施例2と同様に、レーザ光径が50μmで波長が1064nmのYAGレーザを用いて、3〜5Wのパワーを使用して、構造体23に、図9に示すように、矢印Lの方向に第1の積層体21側からレーザ光を照射した。このようなレーザ光照射を行うことによって、図9に示すように、第1の積層体21及びp型単結晶シリコン基板20が除去されることにより、構造体23に溝15を形成し、構造体41を作製した。実施例2の場合と同様、レーザ光の照射条件を調整することによって、p型単結晶シリコン基板20と同じ導電型を有するp型非晶質シリコン層4までは達しない深さの溝15を形成した。この溝15の深さは60μm程度であり、溝15の幅は前記レーザ光径と同程度であった。
最後に、構造体41に応力を印加することにより、前記溝15に沿って、構造体41を機械的に分割した。この分割によって、所望のサイズの光起電力素子42を作製した。
以上のように作製することによって、図10に示すように、p型単結晶シリコン基板20の第1の主面と該第1の主面と反対側の第2の主面とに挟まれる少なくとも一つの側面が分割加工面48から形成される光起電力素子42を作製できる。ここで、この分割加工面48は、前記p型単結晶シリコン基板20と同じ導電型を有するp型非晶質シリコン層4まで達しないように前記第1の主面側から前記第2の主面に向かって延びる、レーザ加工によって形成されたレーザ加工領域46と、前記第2の主面側から前記第1の主面側に向かって延びる、切断によって形成された切断加工領域47から構成されている。
(評価)
上述したように製造された、実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の光起電力素子について、出力特性を測定した。実施例1及び比較例1の光起電力素子についての出力特性の測定結果を表2に、実施例2及び比較例2の光起電力素子についての出力特性の測定結果を表3に示す。
Figure 0004439477
Figure 0004439477
表2からわかるように、実施例1の方が比較例1よりも、開放電圧VOC、短絡電流ISC、曲線因子F.F.及び最大出力Pmaxが高く、優れた特性を持っている。実施例1と比較例1とでは、実施例1は、n型単結晶シリコン基板2の第2の主面側、つまり、n型単結晶シリコン基板2とは異なる導電型を有するp型非晶質シリコン層4が形成された主面とは反対側の主面側から構造体1にレーザ光が照射されているのに対し、比較例1では、n型単結晶シリコン基板2の第1の主面側、つまり、n型単結晶シリコン基板2とは異なる導電型を有するp型非晶質シリコン層4を含む第1の積層体11側から構造体31にレーザ光が照射されている点で異なる。
比較例1の場合、レーザ光照射後の構造体31のレーザ光照射部付近の構造は、図12(a)の太陽電池50aと同様となる。レーザ光照射部付近の構造体31の端面においては、真性非晶質シリコン層3の端部及びp型非晶質シリコン層4の端部がレーザ照射時の熱の影響により微結晶化し、これらの部分の抵抗が低くなる。したがって、互いに逆の導電型を有する、p型非晶質シリコン層4とn型単結晶シリコン基板2との間でリーク電流が流れる。このため、このように作製された比較例1の光起電力素子32は、開放電圧VOCや曲線因子F.F.が低くなる。
これに対し、実施例1では、n型単結晶シリコン基板2とは異なる導電型を有するp型非晶質シリコン層4が形成された主面とは反対側の主面側から構造体1にレーザ光が照射されているので、比較例1のように、互いに逆の導電型を有する、p型非晶質シリコン層4とn型単結晶シリコン基板2との間でリーク電流が流れるということは生じない。
このため、上述したように、比較例1よりも優れた特性を有すると考えられる。
表3からわかるように、実施例2の方が比較例2よりも、開放電圧VOC、短絡電流ISC、曲線因子F.F.及び最大出力Pmaxが高く、優れた特性を持っている。
実施例2と比較例2とでは、実施例2は、p型単結晶シリコン基板20の第2の主面側、つまり、p型単結晶シリコン基板20とは異なる導電型を有するn型非晶質シリコン層8が形成された主面とは反対側の主面側から構造体23にレーザ光が照射されているのに対し、比較例2では、p型単結晶シリコン基板20の第1の主面側、つまり、p型単結晶シリコン基板20と異なる導電型のn型非晶質シリコン層8を含む第1の積層体21側から構造体41にレーザ光が照射されている点で異なる。
比較例2の場合、レーザ光照射後の構造体41のレーザ光照射部付近の構造は、図12(b)の太陽電池50bにおいてn型単結晶シリコン基板2をp型単結晶シリコン基板20に替えた構造と同様となる。レーザ光照射部付近の構造体41の端面においては、真性非晶質シリコン層7の端部及びn型非晶質シリコン層8の端部がレーザ照射時の熱の影響により微結晶化し、これらの部分の抵抗が低くなる。したがって、互いに逆の導電型を有する、n型非晶質シリコン層8とp型単結晶シリコン基板20との間でリーク電流が流れる。このため、このように作製された比較例2の光起電力素子42は、開放電圧VOCや曲線因子F.F.が低くなる。
これに対し、実施例2では、p型単結晶シリコン基板20とは異なる導電型を有するn型非晶質シリコン層8が形成された主面とは反対側の主面側から構造体23にレーザ光が照射されているので、比較例のように、互いに逆の導電型を有する、n型非晶質シリコン層8とp型単結晶シリコン基板20との間でリーク電流が流れるということは生じない。
このため、上述したように、比較例2よりも優れた特性を有すると考えられる。
したがって、単結晶基板がn型かp型かを問わず、単結晶基板と同じ導電型を有する非晶質シリコン層が形成された側から、すなわち、単結晶基板とは異なる導電型を有する非晶質シリコン層が形成された主面とは反対側の主面側からレーザ光を照射することにより、少なくとも単結晶基板とは異なる導電型を有する非晶質シリコン層に達しないように構造体に溝を形成することによって、出力特性に優れた光起電力素子を製造することができる。
なお、以上の実施例においては、単結晶シリコン基板の場合について説明したが、多結晶シリコン基板の場合も同様の作用効果がある。また、シリコン基板に限らず、ゲルマニウム基板等の半導体基板であってもよい。また、以上の実施例においては、非晶質シリコン層の場合について説明したが、非晶質シリコン層に限らず、非晶質ゲルマニウム層であってもよい。
このように、本発明によれば、開放電圧VOCや曲線因子F.F.の低下が抑制された、非晶質半導体と結晶系半導体とを組み合わせることにより構成されたヘテロ接合を有する、所望のサイズの光起電力素子を製造できる技術を提供できる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせに様々な変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施の形態1に係る構造体の構造を説明するための模式的段面図である。 本発明の実施の形態1に係る構造体にレーザ光を照射することにより該構造体に溝を形成する工程を説明するための模式的段面図である。 本発明の実施の形態1に係る光起電力素子の構造を説明するための模式的段面図である。 本発明の実施の形態2に係る構造体の構造を説明するための模式的段面図である。 本発明の実施の形態2に係る構造体にレーザ光を照射することにより該構造体に溝を形成する工程を説明するための模式的段面図である。 本発明の実施の形態2に係る光起電力素子の構造を説明するための模式的段面図である本発明に係る構造体の構造を説明するための模式的段面図である。 比較例1に係る構造体にレーザ光を照射することにより該構造体に溝を形成する工程を説明するための模式的段面図である。 比較例1に係る光起電力素子の構造を説明するための模式的段面図である本発明に係る構造体の構造を説明するための模式的段面図である。 比較例2に係る構造体にレーザ光を照射することにより該構造体に溝を形成する工程を説明するための模式的段面図である。 比較例2に係る光起電力素子の構造を説明するための模式的段面図である。 非晶質半導体と結晶系半導体とを組み合わせることにより構成されたヘテロ接合を有する光起電力素子の構造を説明するための模式的断面図である。 非晶質半導体と結晶系半導体とを組み合わせることにより構成されたヘテロ接合を有する光起電力素子に、レーザ光を照射することによって形成される溝付近を拡大した模式的断面図である。
符号の説明
1 構造体
2 n型結晶系半導体基板
3 真性非晶質半導体層
3a 微結晶部
4 p型非晶質半導体層
4a 微結晶部
5 p側透明導電膜層
6 p側集電極
7 真性非晶質半導体層
8 n型非晶質半導体層
9 n側透明導電膜層
10 n側集電極
11 第1の積層体
12 第2の積層体
13 構造体
14 光起電力素子
15 溝
16 レーザ加工領域
17 切断領域
18 分割加工面
20 p型結晶系半導体基板
21 第1の積層体
22 第2の積層体
23 構造体
24 構造体
25 光起電力素子
26 レーザ加工領域
27 切断加工領域
28 分割加工面

Claims (6)

  1. 第1導電型を有する結晶系半導体基板の第1の主面上に、第2導電型を有する第1の非晶質半導体層と第1の導電性薄膜とを含む第1の積層体を形成する工程と、
    前記結晶系半導体基板と前記第1の積層体とを備える構造体に前記結晶系半導体基板の第2の主面側からレーザ光を、前記第1の非晶質半導体層に微結晶部を形成しないように照射することにより、少なくとも前記第1の非晶質半導体層に達しないように前記結晶系半導体基板に溝を形成する工程と、該溝に沿って前記構造体を分割する工程とを含むことを特徴とする光起電力素子の製造方法。
  2. 前記結晶系半導体基板の第2の主面上には第1導電型を有する第2の非晶質半導体層と第2の導電性薄膜とを含む第2の積層体が形成され、前記レーザ光は前記第2の積層体側から照射ることを特徴とする請求項1記載の光起電力素子の製造方法。
  3. 前記結晶系半導体基板と、前記第1及び前記第2の非晶質半導体層との間の少なくとも一方に、真性の非晶質半導体層を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光起電力素子の製造方法。
  4. 第1導電型を有する結晶系半導体基板と、前記結晶系半導体基板の第1の主面上に設けられた、第2導電型を有する第1の非晶質半導体層と第1の導電性薄膜とを含む第1の積層体と、を有し、前記基板における前記第1の主面と該第1の主面と反対側の第2の主面に挟まれる少なくとも一つの側面が分割加工面から形成されており、前記分割加工面は、少なくとも前記第1の非晶質半導体層に達しないように前記第2の主面側から前記第1の主面側に向かって延びるレーザ加工領域と、切断加工領域とから構成されており、前記第1の非晶質半導体層に微結晶部が形成されていないことを特徴とする光起電力素子
  5. 前記結晶系半導体基板の第2の主面上には第1導電型を有する第2の非晶質半導体層と第2の導電性薄膜とを含む第2の積層体が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の光起電力素子。
  6. 前記結晶系半導体基板と、前記第1及び前記第2の非晶質半導体層との間の少なくとも一方に、真性の非晶質半導体層が形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の光起電力素子。
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