JP2009094272A - 光電変換モジュールおよび光電変換モジュールの製造方法 - Google Patents

光電変換モジュールおよび光電変換モジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ホットスポット現象による非可逆な損傷の発生を防止するとともに、発電性能の低下を抑制することができる光電変換モジュールおよび光電変換モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】 透光性基板に、透明電極層と、p型半導体層22A、i型半導体層23Aおよびn型半導体層24Aを有する光電変換層と、裏面電極層とが積層された光電変換モジュールであって、光電変換層には、他の領域と比較して、p型半導体層22Aのドーパントおよびn型半導体層24Aのドーパントの少なくとも一方がi型半導体層23Aに向かって拡散し、i型半導体層23Aの領域が狭いバイパス部41が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、光電変換モジュールおよび光電変換モジュールの製造方法、特にホットスポット現象により光電変換モジュールに発生する非可逆的な損傷を防止するのに用いて好適な光電変換モジュールおよび光電変換モジュールの製造方法に関する。
太陽光を電気エネルギに変換する太陽電池は、クリーンな発電装置として注目されている。このような太陽電池としては、光透過性基板上に複数の太陽光変換セルが直列接続されたタンデム型太陽電池が知られている。
タンデム型太陽電池としては、光透過性基板の上に、透明電極、非晶質シリコン層、結晶質シリコン層、および、裏面電極を順次積層されたものが知られている。タンデム型太陽電池は、非晶質シリコン層および結晶質シリコン層のそれぞれが異なる波長領域の光を吸収するため、入射光を有効にエネルギに変換できる太陽電池として知られている。
さらに、非晶質シリコン層と結晶質シリコン層との間に中間層を設けたタンデム型太陽電池も知られている。太陽電池に入射した光のうち、一部の波長領域に係る光が、中間層から非晶質シリコン層に向けて反射されるため、非晶質シリコン層における実質的な発電効率の向上を図ることができることが知られている(例えば、特許文献1および2参照。)。
一方、タンデム型太陽電池を含む複数の太陽光変換セルが直列接続された太陽電池においては、直列接続された太陽光変換セルの一部が影に入ると、影に入った太陽光変換セルに、その他の発電している太陽光変換セルの発生電圧の合計電圧が、逆方向電圧の形で印加される。その際に、影に入った太陽光変換セルに欠陥部分が存在すると、当該欠陥部分に電流が集中的に流れ、局所的に熱が発生していた(以下、ホットスポット現象と表記する。)。このように、ホットスポット現象が起きると、光透過性基板などの局所的な温度が耐熱温度以上となり、光透過性基板などが非可逆的な損傷を受けるため、複数の太陽光変換セルが積層された太陽電池モジュールなどの光電変換モジュールが非化逆的な損傷を受ける恐れがあった。
ここで、欠陥部分とは、太陽光変換セルにおいて他の部分と比較して等価抵抗が低い弱点部分であって、太陽電池モジュールなどの光電変換モジュールを製造する際に、確率的に発生してしまう部分のことである。
上述のホットスポット現象による光電変換モジュールの破損を防止する技術としては、影に入った太陽光変換セルを迂回するバイパス経路を形成し、当該太陽光変換セルに印加される逆方向電圧を抑制する技術などが提案されている(例えば、特許文献3および4参照。)。
具体的には、特許文献3では、バイパス経路として太陽光変換セルとは電気的に逆方向となるように、並列に接続されるバイパスダイオードを挿入した太陽電池が提案されている。
特許文献4では、光電変換層、例えばシリコン層にレーザ光を照射することにより熱を発生させ、当該熱により光電変換層を結晶化させて抵抗体とし、当該抵抗体をバイパス経路とする太陽電池が提案されている。
特開2006−313872号公報 特開2002−261308号公報 特開平9−64397号公報 特開平11−112010号公報
上述の特許文献3に記載の太陽電池では、バイパスダイオードの製作に、マスキングなどの公知の手段が用いられており、このマスキング工程において、マスクのエッジ部の影響が大きくなっていた。さらに、太陽光変換セルとは異なる構成を有するバイパスダイオードを太陽光変換セルに作り込んでいるため、太陽光変換セルとして有効に発電を行うことができる面積が少なくなり、発電効率が低下するという問題があった。
特許文献4に記載の太陽電池では、抵抗体における抵抗の値を、ホットスポット現象による不具合の発生を抑制できる程度に下げると、太陽電池における発電性能も低下するという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、ホットスポット現象による非可逆な損傷の発生を防止するとともに、発電性能の低下を抑制することができる光電変換モジュールおよび光電変換モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の光電変換モジュールは、透光性基板に、透明電極層と、p型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層を有する光電変換層と、裏面電極層とが積層された光電変換モジュールであって、前記光電変換層には、他の領域と比較して、前記p型半導体層のドーパントおよび前記n型半導体層のドーパントの少なくとも一方が前記i型半導体層に向かって拡散し、前記i型半導体層の領域が狭いバイパス部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、光電変換層に逆方向電圧が印加された場合、バイパス部が形成されていない場合と比較してバイパス部における等価抵抗が低いため、バイパス部に電流が流れる。電流が流れたことによるバイパス部における発熱量は、バイパス部における等価抵抗が低いことから、他の部分に電流が流れた場合と比較して抑制される。
つまり、バイパス部は、p型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層が積層された光電変換層において、p型半導体層のドーパントおよびn型半導体層のドーパントの少なくとも一方が、i型半導体層に向かって拡散した部分であるため、バイパス部における等価抵抗は、ドーパントの拡散が行われていない部分と比較して低くなる。その結果、電流が流れたことによるバイパス部における発熱量は、他の部分に電流が流れた場合と比較して抑制される。
さらに、バイパス部では、p型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層による積層構造が保たれているため、バイパス部においてpn接合による電位障壁が残留しているので、従来の抵抗体のように隣接した発電部で生じた電流の漏れ経路にならず漏れ電流による出力低下を抑制することができる。
上記発明においては、前記透明電極層には、一の方向に沿って延びる前記透明電極層が除去された透明電極層溝が設けられ、前記光電変換層には、前記透明電極層部に沿って延びる前記光電変換層が除去された光電変換層溝が設けられ、前記透明電極層溝および前記光電変換層溝の間に、前記透明電極層と前記裏面電極層とを電気的に接続する接続部が設けられ、前記バイパス部は、前記透明電極層溝の近傍であって、前記光電変換層溝と反対側の位置に設けられていることが望ましい。
本発明によれば、光電変換層溝を設けたことにより光電変換層が複数に分割され、透明電極層溝および接続部を設けたことにより、複数の光電変換層が直列に接続されている。その上で、バイパス部を透明電極層溝の近傍であって、光電変換層溝と反対側の位置に設けているため、より確実に、光電変換層に逆方向電圧による電流が流れることを防止できる。
つまり、逆方向電圧による電流は、隣接する他の透明電極層から接続部を介して一の裏面電極層に流れ、一の光電変換層のバイパス部を介して、一の透明電極層に流れる。このとき、バイパス部は透明電極層溝の近傍に配置されているため、一の裏面電極層に流れる電流は一の光電変換層とほとんど接することなくバイパス部を介して一の透明電極層に流れる。その結果、一の光電変換層には、逆方向電圧による電流がほとんど流れない。
上記発明においては、前記バイパス部は、前記透明電極加工溝に沿って離散的に配置されていることが望ましい。
本発明によれば、バイパス部が離散的に配置されるため、熱が発生する箇所も離散的となる。その結果、光電変換モジュールにおける温度分布は、バイパス部が離散的に配置されていない場合と比較して均一となり、電流が分散され、一ヶ所発熱が抑制されることで不可逆的な温度まで加熱されることを抑制する。
本発明の光電変換モジュールの製造方法は、透光性基板に、透明電極層と、p型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層を有する光電変換層と、裏面電極層とが積層された光電変換モジュールの製造方法であって、前記光電変換層の一部に熱を加え、前記p型半導体層のドーパントおよび前記n型半導体層のドーパントの少なくとも一方を前記i型半導体層に向かって拡散させたバイパス部を形成する加熱工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、光電変換層に逆方向電圧が印加された場合、バイパス部が形成されていない場合と比較してバイパス部における等価抵抗が低いため、バイパス部に電流が流れる。電流が流れたことによるバイパス部における発熱量は、バイパス部における等価抵抗が低いことから、他の部分に電流が流れた場合と比較して抑制される。
さらに、バイパス部では、p型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層による積層構造が保たれているため、バイパス部において太陽光を電気エネルギに変換することができる。
上記発明においては、前記加熱工程の前に、前記光電変換層を前記p型半導体層のドーパントおよび前記n型半導体層のドーパントの拡散が起きる温度より低い所定温度まで加熱する予熱工程を有することが望ましい。
本発明によれば、予熱工程において光電変換層を上述の所定温度まで加熱することで、その後の加熱工程においてバイパス部の形成に必要とされる熱量を削減できる。
上記発明においては、前記加熱工程において、前記光電変換層にエネルギ線を照射することにより、前記光電変換層の一部に熱を加えることが望ましい。
本発明によれば、レーザ光や、電子線や、イオンビームなどのエネルギ線を光電変換層に照射すると、照射領域においてエネルギ線の有するエネルギが熱に変換される。変換された熱により、光電変換層が加熱されてバイパス部が形成される。また、エネルギー線をパルス的に照射することで熱伝導により加熱される領域を抑制して所望のバイパス部が形成しやすくなる。
本発明の光電変換モジュールおよび光電変換モジュールの製造方法によれば、等価抵抗が低いバイパス部を形成することにより、逆方向電圧が印加された場合に、バイパス部に電流が流れる。バイパス部における発熱量は、他の部分に電流が流れた場合と比較して抑制されるため、ホットスポット現象による非可逆な損傷の発生を防止することができるという効果を奏する。
さらに、バイパス部では、p型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層による積層構造が保たれているため、バイパス部において発電した電流の漏れを抑制することができ、発電性能の低下を抑制することができるという効果を奏する。
まず、本発明の光電変換装置の製造方法により製造される光電変換装置の構成について、図1から図19を参照して説明する。
図1は、本発明の光電変換装置の製造方法により製造される光電変換装置の構成を示す模式断面図である。
本実施形態で説明する光電変換装置1は太陽電池モジュール(光電変換モジュール)2が設けられたシリコン系太陽電池パネルであり、太陽電池モジュール2には図1に示すように、基板(透光性基板)11と、透明電極層12と、中間コンタクト層31と、光電変換層13と、裏面電極層14と、が設けられている。
なお、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称である。
また、結晶質シリコン系とは、アモルファスシリコン系すなわち非晶質シリコン系以外のシリコン系を意味するものであり、微結晶シリコンや多結晶シリコン系も含まれる。
基板11は光を透過するとともに、その面に透明電極層12、光電変換層13および裏面電極層14が形成されるものである。
基板11としては、ソーダフロートガラス基板(少なくとも1辺が1m以上の大面積基板、板厚が4mmから5mm)が使用されている。基板11の端面は、破損防止のためコーナー面取りや、R面取り加工されていることが望ましい。
透明電極層12は光を透過するとともに、光電変換層13において光から変換された電流が流れる層である。
透明電極層12は酸化錫膜(SnO)を主成分とする透明電極膜であって、約500nmから約800nmまでの膜厚を有するものである。透明電極層12は熱CVD装置を用いて約500℃の温度条件下で製膜処理されたものである。この製膜処理の際、酸化錫膜の表面には、適当な凹凸のあるテクスチャーが形成される。
図2は、図1の光電変換装置の構成を説明する別の断面図である。図3は、図2の光電変換装置の構成を説明する上面視図である。
さらに、透明電極層12には、透明電極層12を図2および3に示す発電セル3ごとに区切る透明電極層溝15が形成されている。
透明電極層溝15は、図2に示すように、透明電極層12を発電セル3の直列接続方向に対して略垂直な方向に延びる溝であって、透明電極層12を短冊状に区切るものである。透明電極層溝15の幅は、約6mmから15mmまでの範囲内であって、その底面は基板11にまで達するものである。
なお、透明電極層12には、透明電極膜に加えて、基板11と透明電極層12との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成しても良い。アルカリバリア膜は、酸化シリコン膜(SiO)であって、約50nmから約150nmまでの膜厚を有するものである。アルカリバリア膜は、熱CVD装置を用いて約500℃の温度条件下で製膜処理されたものである。
光電変換層13は、図1および図2に示すように、入射した光を電気エネルギに変換する(光電変換する)ことにより発電を行う層である。本実施形態では、第1セル層21Aおよび第2セル層21Bにおいて光電変換を行うタンデム型(多接合型)の光電変換装置1に適用して説明する。
光電変換層13には、アモルファスシリコン薄膜から形成された第1セル層21Aと、中間コンタクト層31と、微結晶シリコン薄膜から形成された第2セル層21Bとが設けられている。
さらに、光電変換層13には、図2および図3に示すように、光電変換層13を発電セル3ごとに区切る光電変換層溝16が設けられている。
光電変換層溝16は、図2に示すように、透明電極層溝15に沿って延びる溝であって、透明電極層溝15と同様に、光電変換層溝16を短冊状に区切るものである。光電変換層溝16は、透明電極層溝15との間に約250μmから約400μmまでの範囲の間隔をあけて形成され、その底面は透明電極層12にまで達するものである。
第1セル層21Aは、図1に示すように、透明電極層12に隣接して形成されたアモルファスシリコン薄膜であって、光が入射する側から順に、アモルファスp層(p型半導体層)22Aと、アモルファスi層(i型半導体層)23Aと、アモルファスn層(n型半導体層)24Aが積層された層である。
アモルファスp層22Aは、主にB(ホウ素)をドープしたアモルファスSiCから形成された膜であって、約10nmから30nmまでの範囲の膜厚を有するものである。
アモルファスi層23Aは、主にアモルファスSiから形成された膜であって、約200nmから約350nmまでの範囲の膜厚を有するものである。
アモルファスn層24Aは、主にP(リン)をドープした微結晶Siから形成された膜であって、約30nmから約50nmまでの範囲の膜厚を有するものである。
なお、アモルファスp層22Aとアモルファスi層23Aの間には、界面特性の向上を図るためにバッファー層を設けてもよく、特に限定するものではない。
中間コンタクト層31はGZO(GaドープZnO)膜であって、約20nmから約100nmまでの範囲の膜厚を有する膜である。中間コンタクト層31はスパッタリング装置を用いて形成されている。
中間コンタクト層31は、第1セル層21Aと第2セル層21Bとの間の電流整合性を取る半反射膜である。
中間コンタクト層31には、図2に示すように、透明電極層溝15に沿って延び、中間コンタクト層31を短冊状に区切る分離部32が形成されている。
第2セル層21Bは、図1に示すように、中間コンタクト層31に隣接して形成された微結晶シリコン薄膜であって、光が入射する側から順に、微結晶p層(p型半導体層)22Bと、微結晶i層(i型半導体層)23Bと、微結晶n層(n型半導体層)24Bが積層された層である。
微結晶p層22Bは、主にB(ホウ素)をドープした微結晶SiCから形成された膜であって、約10nmから約50nmまでの範囲の膜厚を有するものである。
微結晶i層23Bは、主に微結晶Siから形成された膜であって、約1.2μmから3.0μmまでの範囲の膜厚を有するものである。
微結晶n層24Bは、主にP(リン)をドープした微結晶Siから形成された膜であって、約20nmから約50nmまでの範囲の膜厚を有するものである。
図4は、図3のバイパス部における第1セル層および第2セル層の構成を説明する断面図である。
第1セル層21Aおよび第2セル層21Bには、図3および図4に示すように、バイパス部41が設けられている。
バイパス部41は、例えば、発電セル3の一部に影が入り、影に入った発電セル3に逆方向電圧が印加された場合に、逆方向電圧による電流が流れる部分である。
バイパス部41は、図3に示すように、透明電極層溝15に沿って離散的に配置されている。バイパス部41が略円形状に形成されている場合には、バイパス部41の直径は約2mm以下とされることが望ましい。この場合には、バイパス部41の配置間隔は、約2mm以上とされることが望ましい。
一般に、透明電極層12の抵抗が数Ω/□であるため、バイパス部41の大きさ、および、配置間隔を上述のようにすることで、電流集中による電圧上昇は10V以上となる。
なお、バイパス部41の大きさ、および、配置は上述の大きさ、および、配置に限定されるものではなく、バイパス部41が分散して配置されていればよく、特に限定するものではない。
なお、バイパス部41の配置位置は、後述する接続部18に近いほど好ましい。本実施形態では、中間コンタクト層31の分離部32が形成されている領域と重なる位置にバイパス部41を配置する例に適用して説明する。
さらに、バイパス部41において、アモルファスp層22A、アモルファスi層23Aおよびアモルファスn層24Aの構成は、図4において示すバイパス部41の断面図に示すように、アモルファスp層22AのドーパントであるBと、アモルファスn層24AのドーパントであるPがアモルファスi層23Aに向かって拡散した構成になっている。そのため、バイパス部41におけるアモルファスi層23Aに相当する領域は、他の部分におけるアモルファスi層23Aに相当する領域と比較して狭くなっている。
一方、バイパス部41における微結晶p層22B、微結晶i層23Bおよび微結晶n層24Bの構成も同様であって、バイパス部41における微結晶i層23Bに相当する領域は、他の部分における微結晶i層23Bに相当する領域と比較して狭くなっている。
バイパス部41におけるアモルファスi層23Aに相当する領域の厚さ、および、微結晶i層23Bに相当する領域の厚さは、いずれも約10nm以下であることが望ましい。
当該領域の厚さを上述のようにすることで、逆方向電圧に対する耐性が約2Vまで下げることができる。
裏面電極層14は、図1および図2に示すように、Ag膜/Ti膜であって、スパッタリング装置を用いて減圧雰囲気中で、約150℃の温度条件下にて順次製膜されたものである。本実施形態においては、裏面電極層14はAg膜およびAg膜を保護する防食効果の高いTi膜を、Ag膜、Ti膜の順に積層したものに適用して説明する。このときのAg膜の膜厚は約200nmから約500nmまでの範囲内であって、Ti膜の膜厚は約10nmから約20nmまでの範囲内である。
さらに、光電変換層13と裏面電極層14との間にGZO(GaドープZnO)膜を設けてもよい。GZO膜は、約50nmから約100nmまでの範囲の膜厚を有する膜であって、スパッタリング装置により製膜されるものである。
このように、GZO膜を設けることにより、微結晶n層24Bと裏面電極層14との間の接触抵抗が低減されるとともに、光の反射が向上される。
次に、上述の構成を有する光電変換装置1の製造工程について説明する。
図5は、図1の光電変換装置の製造工程を説明する模式図である。図6は、図1の光電変換装置の製造工程における透明導電層を形成する工程を説明する模式図である。
まず、図1に示すように、基板11としてソーダフロートガラス基板(1.4m×1.1m×板厚:4mm)が用意され、基板端面にコーナー面取りやR面取り加工が施される。なお、コーナー面取り等は行わなくてもよく、特に限定するものではない。
そして、図6に示すように、基板11に透明電極層12が熱CVD装置を用いて形成される。なお、基板11と透明電極層12との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成してもよいし、形成しなくてもよく、特に限定するものではない。
図7は、図1の光電変換装置の製造工程における透明導電層溝を形成する工程を説明する模式図である。
透明電極層12が形成されると、図7に示すように、透明電極層溝15が形成される。
具体的には、基板11がX−Yテーブルに設置され、YAGレーザの第1高調波(1064nm)が、図の矢印に示すように、透明電極層12の膜面側から入射される。透明電極層12はレーザ光によりレーザエッチングされ、幅が約6mmから15mmまでの範囲の透明電極層溝15が形成される。この透明電極層溝15により、透明電極層12は短冊状に区切られる。
入射されるレーザパワーは、透明電極層溝15の加工速度が適切な速度になるように調節される。透明電極層12に対して照射されるレーザ光は、基板11に対して、発電セル3の直列接続方向と略垂直な方向に相対移動される。
図8は、図1の光電変換装置の製造工程における光電変換層を積層する工程を説明する模式図である。
透明電極層溝15が形成されると、図8に示すように、光電変換層13が透明電極層12に積層される。つまり、透明電極層12側から順に、第1セル層21A、中間コンタクト層31および第2セル層21Bが積層される。
具体的には、第1セル層21AはSiHガスとHガスとを主原料に、プラズマCVD装置を用いて、約30Paから約1000Paまでの範囲の減圧雰囲気下で、基板11の温度を約200℃に保った条件の下で製膜される。なお、第1セル層21Aは、光例えば太陽光が入射する側から、アモルファスp層22A、アモルファスi層23A、アモルファスn層24Aがこの順に並ぶように積層される。
第1セル層21Aが積層されると、次に、中間コンタクト層31が積層される。
中間コンタクト層31は、スパッタリング装置を用いて約20nmから約100nmまでの範囲の膜厚を有するGZO膜として製膜される。中間コンタクト層31が製膜されると、中間コンタクト層31にレーザ光が照射され、レーザエッチングにより分離部32が形成される。
照射するレーザ光の照射角度や波長は、分離部32の加工効率を上げるために、ZnO(中間コンタクト層31)/a−Si層(第1セル層21A)に対して反射率が高くなる角度、波長とされている。
第2セル層21Bは、プラズマCVD装置を用いて、約3000Pa以下の減圧雰囲気下で、基板11の温度を約200℃に保ち、約40MHzから約100MHzまでの範囲の周波数を有するプラズマを発生させて製膜される。なお、第2セル層21Bは、光例えば太陽光が入射する側から、微結晶p層22B、微結晶i層23B、微結晶n層24Bがこの順に並ぶように積層される。
第2セル層21Bを構成する微結晶シリコン薄膜、特に、微結晶i層23Bを、プラズマCVD装置を用いてプラズマCVD法により形成する際には、プラズマ放電電極と基板11の表面との距離dは、約3mmから約10mmまでの範囲の距離にすることが好ましい。
距離dが約3mmより小さい場合には、大型基板に対応する製膜室内の各構成機器精度から距離dを一定に保つことが難しくなるとともに、近過ぎて放電が不安定になる恐れがある。一方、距離dが約10mmより大きい場合には、十分な製膜速度(1nm/s以上)を得難くなるとともに、プラズマの均一性が低下しイオン衝撃により膜質が低下する。
図9は、図1の光電変換装置の製造工程における接続溝を形成する工程を説明する模式図である。
光電変換層13が積層されると、図9に示すように、接続溝17が形成される。
具体的には、基板11がX−Yテーブルに設置され、レーザダイオード励起YAGレーザの第2高調波(532nm)が、図の矢印に示すように、光電変換層13の膜面側から入射される。光電変換層13レーザ光によりレーザエッチングされ、接続溝17が形成される。
レーザ光は、約10kHzから約20kHzまでの範囲でパルス発振され、適切な加工速度になるようにレーザパワーが調節されている。
さらに、接続溝17の位置は、前工程で加工された透明電極層溝15と交差しないように位置決め公差を考慮した上で選定される。
図10は、図1の光電変換装置の製造工程における裏面電極層を積層する工程を説明する模式図である。
接続溝17が形成されると、図10に示すように、裏面電極層14が光電変換層13に積層される。このとき、接続溝17の中にも裏面電極層14が積層され、透明電極層12と裏面電極層14とを接続する接続部18が形成される。
裏面電極層14は、スパッタリング装置を用いて、減圧雰囲気下で、約150℃の温度条件下で製膜される。具体的には、約200nmから約500nmまでの範囲の膜厚を有するAg膜を積層し、その後に、約10nmから約20nmまでの範囲の膜厚を有するTi膜が積層される。
なお、上述のように、光電変換層溝16の形成工程の後に、直接、裏面電極層14を積層させる工程を行ってもよいし、裏面電極層14を積層させる前に、スパッタリング装置を用いてGZO膜を製膜する工程を行ってもよく、特に限定するものではない。
この工程を行うことで、光電変換層13の微結晶n層24Bと裏面電極層14のAg膜との間にGZO膜が製膜され、微結晶n層24Bと裏面電極層14との間の接触抵抗が低減されるとともに、光の反射が向上される。
図11は、図1の光電変換装置の製造工程における光電変換層溝を加工する工程を説明する模式図である。
裏面電極層14が積層されると、図11に示すように、光電変換層溝16が形成される。
具体的には、基板11がX−Yテーブルに設置され、レーザダイオード励起YAGレーザの第2高調波(532nm)が、図の矢印に示すように、基板11側から入射される。入射されたレーザ光は光電変換層13で吸収され、光電変換層13内で高いガス蒸気圧が発生する。このガス蒸気圧により裏面電極層14は爆裂して除去される。
レーザ光は、約1kHzから約10kHzまでの範囲でパルス発振され、適切な加工速度になるようにレーザパワーが調節されている。
図12は、図1の光電変換装置の製造工程における絶縁溝を加工する工程を説明する模式図である。図13は、図12の絶縁溝の構成を説明する光電変換装置を裏面電極層側から見た図である。
光電変換層溝16が形成されると、図12および図13に示すように、絶縁溝19が形成される。
絶縁溝19は、発電領域を区分することにより、基板11の端周辺の膜端部において直列接続部分が短絡し易い部分を切り離して、その影響を除去するものである。
絶縁溝19を形成する際には、基板11がX−Yテーブルに設置され、レーザダイオード励起YAGレーザの第2高調波(532nm)が、基板11側から入射される。入射されたレーザ光は透明電極層12と光電変換層13において吸収され、高いガス蒸気圧が発生する。このガス蒸気圧により裏面電極層14が爆裂して、裏面電極層14、光電変換層13および透明電極層12が除去される。
レーザ光は、約1kHzから約10kHzまでの範囲でパルス発振され、適切な加工速度になるようにレーザパワーが調節されている。照射されるレーザ光は、基板11の端部から5mmから20mmまで範囲内の位置をX方向(図13参照。)に移動される。
このとき、Y方向絶縁溝は後工程で基板1周囲領域の膜面研磨除去処理を行うので、設ける必要がない。
絶縁溝1915は、基板11の端より5mmから10mmまでの範囲内の位置まで形成されていることが好ましい。このようにすることで、太陽電池パネル端部から太陽電池モジュール2内部への外部湿分の侵入を抑制することができる。
なお、ここまでに説明した工程においてYAGレーザをレーザ光として用いているが、YAGレーザに限られることなく、YVO4レーザや、ファイバーレーザなども同様にレーザ光として使用してもよい。
図14は、光電変換装置を基板側から見た図である。
絶縁溝19が形成されると、基板11周辺の積層膜、つまり裏面電極層14、光電変換層13および透明電極層12は除去される。この積層膜は段差を有するとともに剥離しやすいため、当該積層膜を除去することにより、後工程において行われるEVA等を介したバックシート51の接着が健全に行われ、シール面を確保することができる。
上述の積層膜は、基板11の端から5mmから20mmまでの範囲内で、基板11の全周囲にわたり除去される。
X方向については、上述の絶縁溝19から基板端側の積層膜が砥石研磨やブラスト研磨などを用いて除去される。一方、Y方向については、透明電極層溝15よりも基板端側の積層膜が砥石研磨やブラスト研磨などを用いて除去される。
積層膜を除去する際に発生した研磨屑や砥粒は、基板11を洗浄処理することにより除去される。
端子箱取付け部分ではバックシート51に開口貫通窓が設けられ、集電板が取出される。この開口貫通窓部分には複数層の絶縁材が設置され、外部からの湿分などの浸入が抑制される。
直列に配列された発電セル3のうち、一方端の発電セル3と、他方端部の発電セル3とから銅箔を用いて発電された電力が陽電池パネル裏側の端子箱に集電されている。当該端子箱は、集電された電力が取り出されるように構成されている。
なお、上述の銅箔には、各部との短絡を防止する絶縁シートが配置されている。例えば、当該絶縁シートは銅箔幅より幅が広く形成されている。
集電に用いられる銅箔などが設けられると、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等による接着充填材シートが配置される。接着充填材シートは、太陽電池モジュール2の全体を覆うものであって、基板11からはみ出さないように配置されている。
接着充填材シートの上には、防水効果の高いバックシート51が設置される。本実施形態では、バックシート51はPET(ポリエチレンテレフタレート)シート/アルミニウム箔/PETシートの3層構造を有するものに適用して説明する。
接着充填材シートおよびバックシート51を所定の位置に配置した後、ラミネータを用いてバックシート51内の脱気を行い、約150℃から160℃までの範囲の温度を加えながらプレスを行う。これにより、バックシート51が太陽電池モジュール2に密着され、接着充填材シートのEVAが架橋されることにより、バックシート51が太陽電池モジュール2に接着される。
図15は、図1の光電変換装置の製造工程における端子箱を取り付ける工程を説明する模式図である。図16は、図1の光電変換装置の製造工程における密封工程を説明する模式図である。
バックシート51の接着が行われると、図15に示すように、太陽電池モジュール2の裏側に端子箱52が接着剤を用いて取付けられる。
その後、端子箱52の出力ケーブルに銅箔がハンダ等を用いて接続され、端子箱52の内部が封止剤(ポッティング剤)で充填されて密封される。これにより、光電変換装置1が完成する。
図17は、図1の光電変換装置の製造工程における性能検査工程を説明する模式図である。図18は、図1の光電変換装置の製造工程における外観検査工程を説明する模式図である。
上述のようにして製造された光電変換装置1に対しては、図17に示すように、発電検査、ならびに所定の性能試験が行われる。発電検査は、AM1.5、全天日射基準太陽光(1000W/m)のソーラシミュレータを用いて行われる。
一方、上述の発電検査に前後して、光電変換装置1の外観検査をはじめ所定の性能検査が行われる。
ここで、本実施形態の特徴であるバイパス部の形成工程について説明する。
バイパス部41は、第1セル層21Aや、第2セル層21Bが製膜された後に、第1セル層21Aおよび第2セル層21Bにおけるバイパス部41を形成する領域にレーザ光を照射することにより形成される(加熱工程)。
具体的には、第1セル層21Aが製膜された後に、基板11がX−Yテーブルに設置され、第1セル層21Aにレーザ光が照射される。入射されたレーザ光は第1セル層21Aで吸収され、第1セル層21Aにおける照射領域の温度が約400℃以上に加熱される。すると、第1セル層21Aにおけるアモルファスp層22AのドーパントであるBと、アモルファスn層24AのドーパントであるPがアモルファスi層23Aに向かって拡散し、バイパス部41が形成される。
バイパス部41を形成するレーザ光のレーザパワーは、900mW/cm以下であることが望ましい。
なお、第1セル層21Aにおけるバイパス部41の形成は、中間コンタクト層31の分離部32の形成と同時に行われてもよいし、中間コンタクト層31の積層前に行われてもよく、特に限定するものではない。
バイパス部41を分離部32と同時に形成する場合には、第1セル層21Aが除去されない程度にレーザ光のパワーが調節される。
第2セル層21Bにおけるバイパス部41の形成も、第1セル層21Aにおけるバイパス部41の形成と同様に行われる。
つまり、第2セル層21Bが製膜された後に、第2セル層21Bにレーザ光を照射することにより、第2セル層21Bの一部を加熱してバイパス部41が形成される。
次に、上述の構成を有する光電変換装置1における光電変換作用について説明する。
光電変換装置1に光、例えば太陽光が入射されると、各発電セル3における第1セル層21Aおよび第2セル層21Bにおいて太陽光が電気エネルギに変化され、発電が行われる。
このとき、第1セル層21Aにおけるバイパス部41においても、アモルファスp層22A、アモルファスi層23Aおよびアモルファスn層24Aが積層された構成が維持されているため、発電が行われる。第2セル層21Bにおけるバイパス部41においても同様に、微結晶p層22B、微結晶i層23Bおよび微結晶n層24Bが積層された構成が維持されているため、発電性能は低下していても発電が行われる。
各発電セル3は直列に接続されており、各発電セル3において発電された電流は、一方端部および他方端部の発電セル3から端子箱52に集電され、外部に供給される。
ここで、本実施形態の特徴である一部の発電セル3が影に入ったときの作用について説明する。
影に入った発電セル3では太陽光が入射しないため発電が行われない。一方、太陽光が入射する発電セルでは発電が行われる。直列に接続された発電セル3において、太陽光が入射する発電セル3と、入射しない発電セル3とが存在すると、太陽光が入射する発電セル3により発電された電圧が、入射しない発電セル3に印加される。つまり、発電を行わない影に入った発電セル3に逆方向の電圧が印加される。
逆方向電圧が印加された発電セル3では、逆方向電圧による電流が、バイパス部41を介して、裏面電極層14から透明電極層12に流れる。つまり、逆方向電圧による電流は、バイパス部41に集中して流れ、第1セル層21Aおよび第2セル層21Bにおけるバイパス部41以外の領域には流れない。
図19は、本実施形態におけるバイパス部におけるIV特性を説明するグラフである。
つまり、バイパス部41におけるアモルファスi層23Aの実質的な層厚、および、微結晶i層23Bの実質的な層厚が他の領域と比較して薄いため、逆方向電圧が印加されたときの電界が強くなり、トンネル電流が流れ始める電圧が下がる(図19参照。)。そのため、暗状態で逆電圧が印加された場合における漏れ電流が増加する。
逆方向電圧が印加された場合のバイパス部41における等価抵抗は、第1セル層21Aおよび第2セル層21Bにおける等価抵抗よりも低くなっており、逆方向電圧による電流が流れても発熱が抑制され発熱密度が低くなる。さらに、バイパス部41は離散して配置されているため、発熱する領域も離散される。
上記の構成によれば、光電変換層13に逆方向電圧が印加された場合、バイパス部41が形成されていない場合と比較してバイパス部41における等価抵抗が低いため、バイパス部41に電流が流れる。電流が流れたことによるバイパス部41における発熱量は、バイパス部41における等価抵抗が低いことから、他の部分に電流が流れた場合と比較して抑制される。そのため、ホットスポット現象による非可逆な損傷の発生を防止することができる。
つまり、バイパス部41は、第1セル層21Aおよび第2セル層21Bが積層された光電変換層13において、アモルファスp層22Aのドーパントおよびアモルファスn層24Aのドーパントがアモルファスi層23Aに向かって拡散した部分、および、微結晶p層22Bのドーパントおよび微結晶n層24Bのドーパントが微結晶i層23Bに向かって拡散した部分であるため、バイパス部41における等価抵抗は、ドーパントの拡散が行われていない部分と比較して低くなる。その結果、電流が流れたことによるバイパス部41における発熱量は、他の部分に電流が流れた場合と比較して抑制される。
さらに、バイパス部41では、アモルファスp層22A、アモルファスi層23Aおよびアモルファスn層24Aによる積層構造、および、微結晶p層22B、アモルファスi層23Aおよび微結晶n層24Bによる積層構造が保たれているため、バイパス部41において太陽光を電気エネルギに変換することができる。そのため、発電が行えない抵抗体をバイパス回路として設ける場合と比較して、発電性能の低下を抑制することができる。
光電変換層溝16を設けたことにより光電変換層13が複数に分割され、透明電極層溝15および接続部18を設けたことにより、複数の光電変換層13が直列に接続されている。その上で、バイパス部41を透明電極層溝15の近傍であって、光電変換層溝16と反対側の位置に設けているため、より確実に、光電変換層13に逆方向電圧による電流が流れることを防止できる。
つまり、逆方向電圧による電流は、隣接する他の透明電極層12から接続部18を介して一の裏面電極層14に流れ、一の光電変換層13のバイパス部41を介して、一の透明電極層12に流れる。このとき、バイパス部41は透明電極層溝15の近傍に配置されているため、一の裏面電極層14に流れる電流は一の光電変換層13とほとんど接することなくバイパス部41を介して一の透明電極層12に流れる。その結果、一の光電変換層13には、逆方向電圧による電流がほとんど流れない。
バイパス部41が離散的に配置されるため、熱が発生する箇所も離散的となる。その結果、太陽電池モジュール2における温度分布は、バイパス部41が離散的に配置されていない場合と比較して均一となり、基板11などの熱膨張も均一となる。そのため、局所的な熱膨張に弱いガラスなどの材料から形成された、基板11などの破損を防止することができる。
なお、上述のように、第1セル層21Aおよび第2セル層21Bにレーザ光を照射して照射領域を部分的に約400℃以上に加熱してもよいし、真空雰囲気の下で、電子線照射やイオン照射を行って加熱してもよいし、加熱された部材を押し当てて加熱してもよいし、微小なコイルなどを用いた誘導加熱により加熱してもよく、特に限定するものではない。
なお、上述のように、例えば室温状態にある第1セル層21Aおよび第2セル層21Bにレーザ光を照射して照射領域を部分的に約400℃以上に加熱してもよいし、予め第1セル層21Aおよび第2セル層21Bを約100℃に加熱し(予熱工程)、この状態で、レーザ光を照射してバイパス部41を形成してもよく(加熱工程)、特に限定するものではない。
このようにすることで、加熱工程においてバイパス部41の形成に必要とされる熱量を削減することができる。
上記実施の形態では太陽電池として、単層アモルファスシリコン太陽電池を用いたものについて説明したが、本発明は、この例に限定されるものではない。
例えば、太陽電池として微結晶シリコンをはじめとする結晶質シリコン太陽電池や、シリコンゲルマニウム太陽電池、また、アモルファスシリコン太陽電池と結晶質シリコン太陽電池やシリコンゲルマニウム太陽電池とを各1〜複数層に積層させた多接合型(タンデム型)太陽電池のような他の種類の薄膜太陽電池にも同様に適用可能である。
更に本発明は、金属基板などのような非透光性基板上に製造された、基板とは反対の側から光が入射するタイプの太陽電池にも同様に適用可能である。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法により製造される光電変換装置の構成を示す模式断面図である。 図1の光電変換装置の構成を説明する別の断面図である。 図2の光電変換装置の構成を説明する上面視図である。 図3のバイパス部における第1セル層および第2セル層の構成を説明する断面図である。 図1の光電変換装置の製造工程を説明する模式図である。 図1の光電変換装置の製造工程における透明導電層を形成する工程を説明する模式図である。 図1の光電変換装置の製造工程における透明導電層溝を形成する工程を説明する模式図である。 図1の光電変換装置の製造工程における光電変換層を積層する工程を説明する模式図である。 図1の光電変換装置の製造工程における接続溝を形成する工程を説明する模式図である。 図1の光電変換装置の製造工程における裏面電極層を積層する工程を説明する模式図である。 図1の光電変換装置の製造工程における光電変換層溝を加工する工程を説明する模式図である。 図1の光電変換装置の製造工程における絶縁溝を加工する工程を説明する模式図である。 図12の絶縁溝の構成を説明する光電変換装置を裏面電極層側から見た図である。 光電変換装置を基板側から見た図である。 図1の光電変換装置の製造工程における端子箱を取り付ける工程を説明する模式図である。 図1の光電変換装置の製造工程における密封工程を説明する模式図である。 図1の光電変換装置の製造工程における性能検査工程を説明する模式図である。 図1の光電変換装置の製造工程における外観検査工程を説明する模式図である。 本実施形態におけるバイパス部におけるIV特性を説明するグラフである。
符号の説明
2 太陽電池モジュール(光電変換モジュール)
11 基板(透光性基板)
12 透明電極層
13 光電変換層
14 裏面電極層
15 透明電極層溝
16 光電変換層溝
22A アモルファスp層(p型半導体層)
23A アモルファスi層(i型半導体層)
24A アモルファスn層(n型半導体層)
22B 微結晶p層(p型半導体層)
23B 微結晶i層(i型半導体層)
24B 微結晶n層(n型半導体層)
18 接続部
41 バイパス部

Claims (6)

  1. 透光性基板に、透明電極層と、p型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層を有する光電変換層と、裏面電極層とが積層された光電変換モジュールであって、
    前記光電変換層には、他の領域と比較して、前記p型半導体層のドーパントおよび前記n型半導体層のドーパントの少なくとも一方が前記i型半導体層に向かって拡散し、前記i型半導体層の領域が狭いバイパス部が設けられていることを特徴とする光電変換モジュール。
  2. 前記透明電極層には、一の方向に沿って延びる前記透明電極層が除去された透明電極層溝が設けられ、
    前記光電変換層には、前記透明電極層部に沿って延びる前記光電変換層が除去された光電変換層溝が設けられ、
    前記透明電極層溝および前記光電変換層溝の間に、前記透明電極層と前記裏面電極層とを電気的に接続する接続部が設けられ、
    前記バイパス部は、前記透明電極層溝の近傍であって、前記光電変換層溝と反対側の位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の光電変換モジュール。
  3. 前記バイパス部は、前記透明電極加工溝に沿って離散的に配置されていることを特徴とする請求項2記載の光電変換モジュール。
  4. 透光性基板に、透明電極層と、p型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層を有する光電変換層と、裏面電極層とが積層された光電変換モジュールの製造方法であって、
    前記光電変換層の一部に熱を加え、前記p型半導体層のドーパントおよび前記n型半導体層のドーパントの少なくとも一方を前記i型半導体層に向かって拡散させたバイパス部を形成する加熱工程を有することを特徴とする光電変換モジュールの製造方法。
  5. 前記加熱工程の前に、
    前記光電変換層を前記p型半導体層のドーパントおよび前記n型半導体層のドーパントの拡散が起きる温度より低い所定温度まで加熱する予熱工程を有することを特徴とする請求項4記載の光電変換モジュールの製造方法。
  6. 前記加熱工程において、前記光電変換層にエネルギ線を照射することにより、前記光電変換層の一部に熱を加えることを特徴とする請求項4または5に記載の光電変換モジュールの製造方法。
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