JP5327859B2 - 太陽電池セルおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池セルおよびその製造方法に関するものである。
近年、結晶系半導体基板と導電性半導体層とを組み合わせて構成されるヘテロ接合を有する太陽電池セルの研究開発が、盛んに実施されている。特に、大規模発電用途として開発された集光用太陽電池セル、または、宇宙空間で大きな電力を発生させる目的で開発された人工衛星用太陽電池セルなどの研究が注目されている。
これらの太陽電池セルでは、入射した太陽光を高効率に電力に変換するため、GaAs基板またはGe基板などの結晶系半導体基板が使用されている。この結晶系半導体基板上に、有機金属気相成長法などにより、GaAs系またはGaP系などの複数の導電性半導体層を、ヘテロ接合を介して直列に堆積する。このように形成された太陽電池セルは、複数のpn接合が形成された多接合型太陽電池の構造を有する。
結晶系半導体基板と導電性半導体層とを組合わせて構成されるヘテロ接合を有する、光起電力素子およびその製造方法を開示した先行技術として、特許文献1がある。特許文献1に記載された光起電力素子では、太陽電池セルの表面の周縁部分に溝を形成することにより、太陽電池セルの変換効率および光閉じ込め性能を向上させている。
特開平9−129904号公報
特許文献1に記載の光起電力素子のような多接合型太陽電池セルでは、太陽電池セルの側面部分に複数のpn接合部が存在している。この太陽電池セルの側面部分に外部から力が加わった場合、その部分のpn接合部が破壊されて短絡が発生するという問題があった。
特許文献1に記載の光起電力素子では、基板上に形成した積層体の周縁部分に、少なくとも積層体を除去した溝を形成することにより、廻り込みによる漏れ電流をなくし、変換効率および光閉じ込め性能を向上させている。しかし、形成された溝は、第1導電型の結晶系半導体基板まで必ずしも形成されていない。
第1導電型の結晶系半導体基板の内部にpn接合部が形成され、かつ、溝が結晶系半導体基板まで達していない場合に、太陽電池セルの側面に外部から力が加わると、結晶系半導体基板の内部に形成されたpn接合部が破壊され、短絡が発生する可能性が残されていた。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、太陽電池セルの外周側面に力が作用した場合でもpn接合の破壊を抑制して、太陽電池セルの発電能力を安定して維持することができる、太陽電池セルおよび太陽電池セルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る太陽電池セルは、第1導電型の結晶系半導体で形成された基板と、基板上に積層された第1導電型の第1半導体層、および、第1半導体層との境界にpn接合部を形成するように第1半導体層の上面に積層された、第2導電型の第2半導体層を含む積層体とを備えている。基板は、その主表面から所定の深さにかけて設けられた第2導電型の拡散層と、拡散層との境界にpn接合部が形成された第1導電型領域とを有している。太陽電池セルの周縁に、積層体の上部から、基板内のpn接合部より下方まで溝部が形成されている。
このような構成にすることにより、太陽電池セルの側面に位置するpn接合部と溝部の内側に位置するpn接合部とを分離することができる。よって、太陽電池セルの側面に外力が負荷されて、太陽電池セルの側面に位置するpn接合部が破壊された場合でも、溝部より内側のpn接合部には外力の影響が及ばない。その結果、太陽電池セルの発電能力を安定して維持することができる。
上記の太陽電池セルを製造する方法においては、エッチングを用いて溝部を形成するようにしてもよい。この場合、溝部を形成する際に、高温の熱が発生することがないため、基板の劣化を抑制することができる。
上記の太陽電池セルを製造する方法においては、ダイシングを用いて溝部を形成するようにしてもよい。この場合、エッチングを用いる場合と比較して、溝部の位置に対応したレジストパターンを形成する煩雑なフォトリソ工程を行なう必要がなくなり、製造工程を削減することができる。
上記の太陽電池セルを製造する方法においては、レーザ光照射を用いて溝部を形成するようにしてもよい。この場合、ダイシングで溝部を形成するよりも幅の狭い溝を精度良く形成することができる。よって、受光面積を拡大させ、太陽電池セルの変換効率の向上を図ることができる。
本発明に係る太陽電池セルは、第1導電型の結晶系半導体で形成された基板と、基板上に積層された第1導電型の第1半導体層、および、第1半導体層との境界にpn接合部を形成するように第1半導体層の上面に積層された、第2導電型の第2半導体層を含む積層体とを備えている。基板は、その主表面から所定の深さにかけて設けられた第2導電型の拡散層と、拡散層との境界にpn接合部が形成された第1導電型領域とを有している。太陽電池セルの周縁に、基板の外周より内側に積層体の側端面を有するように、積層体の上部から、基板内のpn接合部より下方まで、積層体および基板を除去してもよい。
このような構成にすることにより、太陽電池セルは、基板の外周側面より内側に、pn接合部を位置させることができる。よって、太陽電池セルの外周に治工具などを直接接触させたり、外周側面を基準として位置決めする際に、基板の外周側面の接触位置または基準位置にのみ外力が作用し、基板の外周より内側にある側端面のpn接合部には外力の影響が及ばない。その結果、太陽電池セルの発電能力を安定して維持することができる。
上記の太陽電池セルを製造する方法においては、エッチングを用いて側端面を形成するようにしてもよい。この場合、溝部を形成する際に、高温の熱が発生することがないため、基板の劣化を抑制することができる。
上記の太陽電池セルを製造する方法においては、ダイシングを用いて側端面を形成するようにしてもよい。この場合、エッチングを用いる場合と比較して、溝部の位置に対応したレジストパターンを形成する煩雑なフォトリソ工程を行なう必要がなくなり、製造工程を削減することができる。
上記の太陽電池セルを製造する方法においては、レーザ光照射を用いて側端面を形成するようにしてもよい。この場合、ダイシングで溝部を形成するよりも幅の狭い溝を精度良く形成することができる。よって、受光面積を拡大させ、太陽電池セルの変換効率の向上を図ることができる。
本発明によれば、太陽電池セルの周縁において、積層体の上部から、基板内のpn接合部より下方まで、基板および積層体を除去することにより、太陽電池セルの外周より内側にpn接合部を位置させることができる。よって、太陽電池セルの外周側面に外力が負荷された場合でも、基板の外周より内側にある側端面のpn接合部には外力の影響が及ばない。その結果、太陽電池セルの発電能力を安定して維持することができる。
本発明の実施の形態1に係る太陽電池セルにおいて、結晶系半導体基板の上方に導電性半導体からなる積層体を形成した状態を示す断面模式図である。 同実施形態に係る太陽電池セルにおいて、CAP層の上面に金属電極を形成した状態を示す断面模式図である。 同実施形態に係る太陽電池セルにおいて、溝部を形成する太陽電池セルの周縁の位置を示す断面模式図である。 同実施形態に係る太陽電池セルにおいて、溝部を形成した状態を示す断面模式図である。 同実施形態に係る太陽電池セルにおいて、結晶系半導体基板の裏面に金属電極を形成した状態を示す断面模式図である。 同実施の形態に係る太陽電池セルを示す断面模式図である。 同実施の形態に係る太陽電池セルを示す平面図である。 本発明の実施の形態2に係る太陽電池セルにおいて、溝部を形成する太陽電池セルの周縁の位置を示す断面模式図である。 同実施形態に係る太陽電池セルにおいて、溝部を形成した状態を示す断面模式図である。 同実施形態に係る太陽電池セルにおいて、結晶系半導体基板の裏面に金属電極を形成した状態を示す断面模式図である。 同実施の形態に係る太陽電池セルを示す断面模式図である。 同実施の形態に係る太陽電池セルを示す平面図である。 比較例として、溝を形成していない多接合型太陽電池セルを示す断面模式図である。 比較例として、溝を形成していない多接合型太陽電池セルを示す平面図である。
以下、この発明に基づいた実施の形態における太陽電池セルおよびその製造方法について、図を参照しながら説明する。
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係る太陽電池セルにおいて、結晶系半導体基板の上方に導電性半導体からなる積層体を形成した状態を示す断面模式図である。図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る太陽電池セルでは、第1導電型の結晶系半導体基板1の主表面から所定の深さにかけて第2導電型の不純物を拡散し、結晶系半導体基板1内に第2導電型の拡散層1Bを形成する。
たとえば、第1導電型がp型である場合、第2導電型はn型であり、この反対でもよい。この結果、結晶系半導体基板1の内部において、第1導電型領域1Aと拡散層1Bとの間にpn接合部8が形成される。なお、図1中の破線は、太陽電池セルの境界を示しており、図1では、ウエハの一部である3つの太陽電池セルを示している。
結晶系半導体基板1の上面にトンネル接合層2を積層させ、その上面に、基板1との間においてヘテロ接合を構成する第1半導体層となる第1導電型半導体層3Aを積層する。さらに、その上面に、第2半導体層となる第2導電型半導体層4Aを積層することにより、第1導電型半導体層3Aと第2導電型半導体層4Aとの間にpn接合部9が形成される。
このように積層された積層体を繰り返し積層することにより、複数のpn接合部9を結晶形半導体基板1の上面に形成することができる。複数の導電性半導体層の積層は、主に有機金属気相成長法を用いて成膜することにより行なわれる。本実施の形態では、pn接合を3つ備えた多接合型太陽電池を用いたが、pn接合の繰り返し数はこれに限られない。
図1は、2つのpn接合部9が形成された積層体が、トンネル接合層2を介して、結晶系半導体基板1上に直列に製膜形成されたものを示している。最後に、導電性半導体からなる積層体の上面にCAP層5を形成する。本実施形態では、Geから形成される結晶形半導体基板1の上面に、p型およびn型のGaAsから形成される導電性半導体のpn接合部9をなす積層体3A,4Aと、p型およびn型のGaInPから形成される導電性半導体のpn接合部9をなす積層体3B,4Bとを直列に積層した。
図2は、本実施形態に係る太陽電池セルにおいて、CAP層5の上面に金属電極6を形成した状態を示す断面模式図である。図2に示すように、集電極として所定の形状を有する金属電極6を形成する。CAP層5は、金属電極6の直下だけに存在するように、金属電極6の直下以外の部分が除去される。CAP層5は、導電性半導体とコンタクトするように設けられ、たとえば、GaAsなどで形成される。
金属電極6の形成方法として、まず、フォトリソ工程およびエッチング工程において、櫛形形状のCAP層5を形成する。次に、再度、フォトリソ工程を行なう際に、CAP層5上に金属電極6が形成されるようにパターニングを行なう。その後、蒸着工程において、CAP層5上に金属電極6を形成する。
または、まず、フォトリソ工程および蒸着工程において、積層体上に櫛形形状の金属電極6を形成する。次に、エッチング工程において、この金属電極6をマスクとして、受光面の不要な部分のCAP層5を除去することにより、所望のCAP層5および金属電極6を形成してもよい。本実施形態では、最表面に位置するGaInPから形成される導電性半導体のpn接合部9をなす積層体3B,4Bの上面に、Ti,PdおよびAgで構成される集電用の金属電極6を櫛形状に形成した。
図3は、本実施形態に係る太陽電池セルにおいて、溝部を形成する太陽電池セルの周縁の位置を示す断面模式図である。図4は、本実施形態に係る太陽電池セルにおいて、溝部を形成した状態を示す断面模式図である。図3に示すように、太陽電池セルの周縁に、最表面に位置するGaInP導電性半導体からなる積層体3B,4Bの上部から、基板1内のpn接合部8より下方まで溝部10を形成する。溝部10を形成すると、図4に示すように、太陽電池セル内のすべてのpn接合部8,9を、太陽電池セルの側面に位置するpn接合部8A,9Aと、溝部10の内側に位置するpn接合部8B,9Bとに分離することができる。
溝部10は、ウエハの表面に溝部10の配置に対応して形成されたフォトレジストなどをマスクとして、エッチングを行なうことにより形成されてもよい。このようにした場合、溝部10を形成する際に、高温の熱が発生することがないため、太陽電池セルの劣化を抑制することができる。
また、溝部10は、ダイシング装置などを用いて、ハーフダイシングを行なうことにより形成されてもよい。この場合、エッチングを用いる場合と比較して、溝部10の位置に対応したレジストパターンを形成する煩雑なフォトリソ工程を行なう必要がなくなり、製造工程を削減することができる。本実施形態では、最表面のGaInP導電性半導体からなる積層体3B,4B上から、ハーフダイシングすることにより溝部10を形成した。
溝部10の深さは、最表面に位置するGaInP導電性半導体からなる積層体3B,4Bの上部から、Geで形成された基板1内のpn接合部8より下方まで達している。
さらに、溝部10は、レーザ光照射装置などを用いて、レーザ光照射することにより形成されてもよい。この場合、ダイシングで溝部を形成するよりも幅の狭い溝を精度良く形成することができる。よって、太陽電池セルの受光面積を拡大させ、太陽電池セルの変換効率の向上を図ることができる。
図5は、結晶系半導体基板の裏面に金属電極を形成した状態を示す断面模式図である。図5に示すように、結晶形半導体基板1の裏面に金属電極7を形成する。また、太陽電池の表面に図示しない反射防止膜を形成する。本実施形態では、基板1の裏面全面にTi、PdおよびAgからなる金属電極7を形成した。また、本実施形態では、金属電極7および反射防止膜の形成より前に溝部10を形成したが、金属電極7および反射防止膜の形成と溝部10の形成とは、どちらを先に行なってもよい。反射防止膜は、光の反射を抑制して、太陽電池セルの内部に光が入射しやすくするものであり、たとえば、TiO2およびAl23から形成される。
図6は、本実施の形態に係る太陽電池セルを示す断面模式図である。図6に示すように、金属電極6および反射防止膜を形成した後、ダイシング装置などを使用して、所定の形状の太陽電池セルに分割する。
図7は、本実施の形態に係る太陽電池セルを示す平面図である。図7に示すように、一辺の長さがLである四角形の外形を有する太陽電池セルに分割する。本実施形態では、太陽電池セルの上面に形成された金属電極6は、可能な限り細線化した櫛形形状としたが、太陽電池セルへの光の入射を遮りにくい形状であれば、他の形状でもよい。
溝部10は、太陽電池セルの周縁部を連続的に取り囲むように、太陽電池セルの端部から溝部10の内周側面までの距離Xが100μm程度の位置に、50μm程度の幅で形成した。このように溝部10を形成することにより、溝部10より内側の部分は、一辺の長さがL1である四角形の部分となる。
上記のように溝部10を形成することにより、太陽電池セルは、側面に位置するpn接合部8A,9Aと溝部の内側に位置するpn接合部8B,9Bとに分離される。よって、太陽電池セルの側面に外力が負荷されて、太陽電池セルの側面に位置するpn接合部8A,9Aが破壊された場合でも、溝部より内側のpn接合部8B,9Bには外力の影響が及ばない。その結果、太陽電池セルの発電能力を安定して維持することができる。
また、本実施形態の太陽電池セルは、溝部10が形成されていない太陽電池セルと比較した場合、静電気に対する耐性を有すると推測される。特に、宇宙環境下では、大気が電離したプラズマ状態となっており、この状態が変動することにより放電が生じる場合があると言われている。
宇宙環境下で太陽電池セルが使用される場合、太陽電池セルの表面には絶縁体であるカバーガラスが接着され、太陽電池セルの裏面は絶縁構造体に貼り付けられている。そのため、導電体である太陽電池セルの側面と太陽電池セルの周囲に配置された絶縁構造体との間において放電が生じる。この場合、放電電圧は、太陽電池セルの側面近傍のみに印加されるため、溝部10が形成されていない太陽電池セルでは、側面に存在するpn接合部8,9が破壊される。放電が繰り返し発生すると、太陽電池セルの性能が劣化する。
本実施形態に係る太陽電池セルでは、太陽電池セルの側面に存在するpn接合部8A,9Aが破壊されても、pn接合部8B,9Bは溝部10より内側に存在するため、太陽電池の発電能力が低下することを抑制することができる。このことから、本実施形態に係る太陽電池セルは、溝部10を形成していない太陽電池セルと比較して、静電気に対する耐性を有すると考えられる。
太陽電池セルの製造工程において、所定の形状の太陽電池セルに分割するダイシング工程後に、太陽電池セルの洗浄、電気出力測定、インターコネクタなどの溶接およびガラス接着などの工程がある。これらのダイシング工程以降の工程作業時には、太陽電池セルの側面に治工具などが直接接触したり、太陽電池セルの側面を基準として位置決めを行なう場合がある。
本実施の形態に係る太陽電池セルは、太陽電池セルの側面に外部から力が加わって、太陽電池セルの側面に位置するpn接合部8A,9Aが破壊された場合でも、溝部より内側のpn接合部8B,9Bには外力の影響が及ばない。よって、太陽電池セルの製造工程において、太陽電池セルの発電能力が低減することが抑制できるため、量産時の製品の歩留まりを向上させることができる。
実施の形態2
図7に示すように、実施の形態1に係る太陽電池セルでは、太陽電池セルの周縁を連続的に取り囲むように溝部10が形成されている。溝部10を形成することにより、太陽電池セルは、側面に位置するpn接合部8A,9Aと溝部の内側に位置するpn接合部8B,9Bとに分離される。
実施の形態1に係る太陽電池セルと溝部を形成していない太陽電池セルとを比較すると、実施の形態1の太陽電池の受光部は、一辺の長さが2Xだけ減少してL1となる。受光部の1辺の長さが減少すると、太陽電池セルの発電能力は低下する。よって、太陽電池セルの端部から溝部10の内周側面までの距離Xは、できるだけ短くすることが望ましい。具体的には、太陽電池セルの端部から溝部10の内周側面までの距離Xは、100μm以下であることが望ましい。
太陽電池セルの端部から溝部10の内周側面までの距離Xを短くしていくと、溝部10が太陽電池セルの側面に近づいていき、ついには、溝部10より外側の導電性半導体からなる積層体がすべて除去される。本発明の実施の形態2に係る太陽電池セルは、このように形成された太陽電池セルである。
太陽電池セルを構成する基板1および基板1上に積層される積層体の形成工程については、図1,2を用いて説明した実施の形態1と同様であるため、説明を繰り返さない。
図8は、本実施形態に係る太陽電池セルにおいて、溝部を形成する太陽電池セルの周縁の位置を示す断面模式図である。図9は、本実施形態に係る太陽電池セルにおいて、溝部を形成した状態を示す断面模式図である。
図8に示すように、太陽電池セルの周縁に、最表面に位置するGaInP導電性半導体からなる積層体3B,4Bの上部から、基板1内のpn接合部8より下方まで溝部11を形成する。溝部11を形成すると、図9に示すように、基板1の外周より内側に、導電性半導体からなる積層体の側端面が形成される。
溝部11は、ウエハの表面に溝部11の配置に対応して形成されたフォトレジストなどをマスクとして、エッチングを行なうことにより形成されてもよい。このようにした場合、溝部11を形成する際に、高温の熱が発生することがないため、太陽電池セルの劣化を抑制することができる。
また、溝部11は、ダイシング装置などを用いて、ハーフダイシングを行なうことにより形成されてもよい。この場合、エッチングを用いる場合と比較して、溝部11の位置に対応したレジストパターンを形成する煩雑なフォトリソ工程を行なう必要がなくなり、製造工程を削減することができる。本実施形態では、最表面のGaInP導電性半導体からなる積層体3B,4B上から、ハーフダイシングすることにより溝部11を形成した。
溝部11の深さは、最表面に位置するGaInP導電性半導体からなる積層体3B,4Bの上部から、Geで形成された基板1内のpn接合部8より下方まで達している。
さらに、溝部11は、レーザ光照射装置などを用いて、レーザ光照射することにより形成されてもよい。この場合、ダイシングで溝部を形成するよりも幅の狭い溝を精度良く形成することができる。よって、太陽電池セルの受光面積を拡大させ、太陽電池セルの変換効率の向上を図ることができる。
図10は、結晶系半導体基板の裏面に金属電極を形成した状態を示す断面模式図である。図10に示すように、結晶形半導体基板1の裏面に金属電極7を形成する。また、太陽電池の表面に図示しない反射防止膜を形成する。本実施形態では、基板1の裏面全面にTi、PdおよびAgの金属電極7を形成した。また、本実施形態では、金属電極7および反射防止膜の形成より前に溝部11を形成したが、金属電極7および反射防止膜の形成と溝部11の形成とは、どちらを先に行なってもよい。
図11は、本実施の形態に係る太陽電池セルを示す断面模式図である。図11に示すように、金属電極6および反射防止膜を形成した後、ダイシング装置などを使用して、所定の形状の太陽電池セルに分割する。
図12は、本実施の形態に係る太陽電池セルを示す平面図である。図12に示すように、一辺の長さがLである四角形の外形を有する太陽電池セルに分割する。本実施形態では、太陽電池セルの上面に形成された金属電極6は、可能な限り細線化した櫛形形状としたが、太陽電池セルへの光の入射を遮りにくい形状であれば、他の形状でもよい。
溝部11は、太陽電池セルの周縁部を連続的に取り囲むように、太陽電池セルの端部から溝部11の内周側面までの距離Yが50μm程度の位置に、50μm程度の幅で形成した。このように溝部11を形成することにより、溝部11より内側の部分は、一辺の長さがL2である四角形の部分となる。太陽電池の受光部の減少を少なくするためには、溝部11の幅も細い方が好ましく、50μm以下であることが好ましい。
このように、太陽電池セルの周縁に、基板1の外周より内側に導電性半導体からなる積層体の側端面を形成することにより、太陽電池セルの基板1の外周側面より内側に、pn接合部8B,9Bを位置させることができる。
太陽電池セルの製造工程において、所定の形状の太陽電池セルに分割するダイシング工程後に、電気出力測定、インターコネクタなどの溶接およびガラス接着などの工程がある。これらのダイシング工程以降の工程作業時には、太陽電池セルの外周の側面に治工具などを直接接触させたり、太陽電池セルの外周の側面を基準として位置決めを行なう場合がある。基板1の外周側面の接触位置または基準位置に外力が負荷された場合でも、基板1の外周より内側にある側端面のpn接合部8B,9Bには外力の影響が及ばない。その結果、太陽電池セルの発電能力を安定して維持することができる。
本実施の形態に係る太陽電池セルは、太陽電池セルの外周側面に外部から力が加わった場合、太陽電池セルの外周より内側のpn接合部8B,9Bには外力の影響が及ばない。よって、太陽電池セルの製造工程において、太陽電池セルの発電能力が低減することが抑制できるため、量産時の製品の歩留まりを向上させることができる。
実験例
図6に示すような実施の形態1に係る太陽電池セルと、比較のため、図13,14に示すような、溝部を形成していない太陽電池セルを作製した。図13は、比較例として、溝を形成していない多接合型太陽電池セルを示す断面模式図である。図14は、比較例として、溝を形成していない多接合型太陽電池セルを示す平面図である。
作製した太陽電池セルの電気出力特性を、太陽電池セルの側面の全周に荷重を負荷する前と後において測定した。表1は、溝部を形成していない太陽電池セル、および、太陽電池セルの周縁に溝部を形成した太陽電池セルにおいて、太陽電池セルの側面の全周に荷重を負荷する前の電気出力特性を測定した結果を示したものである。
Figure 0005327859
実施形態1の太陽電池セルは、太陽電池セルの周縁に溝部10が形成されているため、溝部10が形成されていない太陽電池セルよりも受光面積が小さい。今回の実験例では、溝部10より外側の面積を約1.5%とした。表1に示すように、荷重負荷前の実施形態1の太陽電池セルは、溝部10を形成していない太陽電池セルよりも短絡電流値(Isc)が約1.6%低かった。また、荷重負荷前の実施形態1の太陽電池セルの最大出力値(Pmax)は、溝部10を形成していない太陽電池と比べて、約1.8%低かった。
表2は、溝部を形成していない太陽電池セル、および、太陽電池セルの周縁に溝部を形成した太陽電池セルにおいて、太陽電池セルの側面の全周に荷重を負荷した後の電気出力特性を測定した結果を示したものである。荷重は、綿棒を用いて太陽電池セルの側面の全周を50回程度摩擦することにより負荷した。
Figure 0005327859
表2に示すように、溝部10が形成されていない太陽電池セルでは、開放電圧値(Voc)と短絡電流値(Isc)とがともに低下したため、最大出力値(Pmax)が荷重負荷前の初期値に比べて、約2.0%低下した。
太陽電池セルの周縁に溝部10を形成した太陽電池セルでは、開放電圧値(Voc)と短絡電流値(Isc)とがともにほとんど変化しないため、最大出力値(Pmax)も荷重負荷前の初期値と略同等となった。
荷重負荷後における、溝部10が形成されていない太陽電池セルの最大出力値(Pmax)は、太陽電池セルの周縁に溝部10を形成した太陽電池セルの最大出力値(Pmax)を下回った。このように、溝部10が形成されていない太陽電池セルの側面に荷重が負荷されると、太陽電池セルの側面に位置するpn接合部8,9が破壊されて、短絡が発生してしまう。
量産時の製造工程において、太陽電池セルの側面に大きな荷重が負荷された場合、太陽電池セルの側面に位置するpn接合部8,9が破壊されて、太陽電池セルの発電能力が損なわれる可能性がある。その場合、太陽電池セルの発電能力は大きく低下すると推測される。太陽電池セルの周縁に溝部10を形成した場合、溝部10を形成することによって、太陽電池セルの発電能力が僅かに損なわれてしまう。しかし、溝部10を形成していない太陽電池セルの側面に大きな荷重が負荷された場合には、溝部10を形成した際に損なわれた太陽電池セルの発電能力以上に、発電能力の減少が起こると推測される。よって、溝部10を形成することにより太陽電池セルの発電能力を安定して維持することができることが分かった。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 基板、1A 第1導電型領域、1B 拡散層、2 トンネル接合層、3,3A,3B 第1導電型半導体層、4,4A,4B 第2導電型半導体層、5 CAP層、6,7 金属電極、8,8A,8B,9,9A,9B pn接合部、10,11 溝部。

Claims (4)

  1. その裏面が絶縁構造体に貼り付けられて使用される太陽電池セルであって、
    第1導電型の結晶系半導体で形成された基板と、
    前記基板上に積層された第1導電型の第1半導体層、および、該第1半導体層との境界にpn接合部を形成するように前記第1半導体層の上面に積層された、第2導電型の第2半導体層を含む積層体と、
    表面に接着される絶縁体であるカバーガラスと
    を備え、
    前記基板は、その主表面から所定の深さにかけて設けられた第2導電型の拡散層と、該拡散層との境界にpn接合部が形成された第1導電型領域とを有し、
    前記太陽電池セルの周縁の全周に亘って、前記積層体の上部から、前記基板内の前記pn接合部より下方まで溝部が形成されて、前記基板内の前記pn接合部が前記溝部の内外で分割された、太陽電池セル。
  2. 請求項1に記載の太陽電池セルを製造する方法であって、
    エッチングを用いて前記溝部を形成する、太陽電池セルの製造方法。
  3. 請求項1に記載の太陽電池セルを製造する方法であって、
    ダイシングを用いて前記溝部を形成する、太陽電池セルの製造方法。
  4. 請求項1に記載の太陽電池セルを製造する方法であって、
    レーザ光照射を用いて前記溝部を形成する、太陽電池セルの製造方法。
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