JP2002314115A - 太陽電池セル - Google Patents

太陽電池セル

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JP2002314115A
JP2002314115A JP2001114993A JP2001114993A JP2002314115A JP 2002314115 A JP2002314115 A JP 2002314115A JP 2001114993 A JP2001114993 A JP 2001114993A JP 2001114993 A JP2001114993 A JP 2001114993A JP 2002314115 A JP2002314115 A JP 2002314115A
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Japan
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solar cell
receiving surface
layer
impurity concentration
electrode
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JP2001114993A
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Kenji Araki
建次 荒木
Masashi Yamaguchi
真史 山口
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Daido Steel Co Ltd
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Daido Steel Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
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    • Y02E10/52PV systems with concentrators

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 太陽光が集光される状態で用いられる場合で
も太陽光受光面に配設された電極の接触抵抗の増加が抑
制される太陽電池セルを提供する。 【解決手段】 太陽電池セル26は、その半導体製の本
体のうちの櫛型電極30の直下に設けられた不純物高濃
度領域36の不純物濃度Nc は、(1×1022/cm3
>Nc >1×1017×c×r/cm3 )を満足するよう
に設定されている。すなわち太陽光受光面の集光倍率
c、および太陽光受光面においてその電極面積に対する
開口部面積の倍率rに基づいて定められている。このた
め、集光倍率cの増加に拘らず太陽光受光面28におけ
る櫛型電極30の接触抵抗の増加が抑制されるので、発
電効率が損なわれない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽光発電装置に
用いられて太陽光が照射される太陽電池セルに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】半導体製の本体と、その本体の太陽光受
光面に所定の間隔で配設された複数本の電極とを備えた
太陽電池セルが知られている。このような太陽電池の太
陽光受光面では、たとえばホトレジストを所定のパター
ンで露光させ且つ現像することにより上記複数本の電極
に対応する形状(電極パターン)の開口をそのホトレジ
ストに形成し、その開口を通し金属蒸着或いはスパッタ
リングを行うことによりたとえばチタン、パラジウム、
銀などの金属薄膜層を順次積層した後にホトレジストを
除去し、残された金属薄膜上に電気メッキを用いて銅、
銀などの導体材料をさらに積層することにより、上記複
数本の電極が太陽光受光面に形成されていた。このよう
な太陽電池セルによれば、微細な櫛型電極が比較的小さ
な間隔で太陽光受光面に形成されるので、特に集光型太
陽光発電装置に用いられる太陽電池セルにおいて、所謂
分布ダイオード効果を低くして発電効率を高めることが
できる利点がある。
【0003】そして、上記太陽電池セルの半導体製の本
体では、一般に、その太陽光受光面側に不純物をドーピ
ングすることにより半導体型が本体とは異なるエミッタ
層が形成されるものである。たとえば半導体製の本体が
p型である場合には、n型不純物がドーピングされるこ
とによりn型のエミッタ層が形成される。このとき、表
面付近における再結合を防止するためにエミッタ層のド
ーピング濃度を低下させて変換効率を高めるとともに電
極直下のエミッタ部分のみドーピング濃度を高めるとい
う所謂選択エミッタ技術が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
太陽電池セルにおいて、発電効率を更に高めようとして
集光倍率を一層高くすると、太陽光受光面に配設された
電極の接触抵抗が急激に増加し、発電効率すなわちエネ
ルギ変換効率が大幅に低下するという問題があった。た
とえば図6は集光倍率増加時の接触抵抗急増後の電圧電
流特性を示し、図7の○印は集光倍率増加時の接触抵抗
急増による変換効率低下を示す実測値を表している。
【0005】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであり、その目的とするところは、太陽光が集光
される状態で用いられる場合でも太陽光受光面に配設さ
れた電極の接触抵抗の増加が抑制される太陽電池セルを
提供することにある。不純物高濃度領域の不純物濃度N
C は1×1022/cm3 を下回るように設定されている
ので、発電電流、発電電圧の低下が好適に防止される。
不純物濃度が過剰に高まることに起因する結晶格子の歪
み、転位密度の増大などにより、再結合頻度が急増する
ことが抑制され、発電電流や発電電圧の低下が防止され
るのである。
【0006】本発明者等は、以上の事情を背景として研
究を重ねるうち、太陽電池セルの半導体製の本体のうち
上記電極の真下部分の不純物濃度を、太陽光受光面の集
光倍率および太陽光受光面の電極部面積に対する開口部
面積倍率に関連して増加する所定値以上に局所的に高め
ると、集光倍率を高く設定した状態で用いられても、太
陽光受光面に配設された電極の接触抵抗がそれほど増加
せず、発電効率が損なわれないという事実を見いだし
た。本発明はかかる知見に基づいて為されたものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
とするところは、半導体製の本体と、その本体の一面で
あって太陽光が所定の倍率で集光される太陽光受光面
と、その太陽光受光面に所定の間隔で配設された複数本
の電極と、集光時における該複数本の電極の接触抵抗の
急増を防止するために半導体製の本体のうち該複数本の
電極の直下に位置する部分に設けられ、不純物の濃度が
他の部分よりも局所的に高くされた不純物高濃度領域と
を備えた太陽電池セルであって、上記太陽光受光面の集
光倍率をc、上記太陽光受光面においてその電極面積に
対する開口部面積の倍率をrとすると、前記不純物高濃
度領域の不純物濃度Nc は、1×1022/cm3 >Nc
>1×1017×c×r/cm3 を満足するように、すな
わち1×1017×c×r/cm3 を上回り、且つ1×1
22/cm3 を下回るように設定されていることにあ
る。
【0008】
【発明の効果】このようにすれば、半導体製の本体のう
ちの電極直下に設けられた不純物高濃度領域の不純物濃
度Nc は、太陽光受光面の集光倍率c、および太陽光受
光面においてその電極面積に対する開口部面積の倍率r
に基づいて定められた所定値を上回るように、すなわ
ち、Nc >1×1017×c×r/cm3 を満足するよう
に設定されている。このため、集光倍率の増加に拘らず
太陽光受光面の電極の接触抵抗の増加が抑制されるの
で、発電効率が損なわれない。また、上記不純物高濃度
領域の不純物濃度NC は1×1022/cm3 を下回るよ
うに設定されているので、発電電流、発電電圧の低下が
好適に防止される。不純物濃度が過剰に高まることに起
因する結晶格子の歪み、転位密度の増大などにより、再
結合頻度が急増することが抑制され、発電電流や発電電
圧の低下が防止されるのである。
【0009】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記半導体製の
本体は、p型半導体層と、そのp型半導体層の上に生成
されたn型半導体層と、そのn型半導体層の上に生成さ
れ且つ前記複数本の電極に対応するパターンの開口が形
成された保護層とを備えたものであり、前記不純物高濃
度領域は、そのn型半導体層のうちその開口内に露出す
る部分に設けられ、そのn型半導体層よりも高濃度のn
型不純物が(1×1022/cm3 >Nc >1×1017×
c×r/cm3 )を満足するように含まれているもので
ある。このようにすれば、保護層が設けられた太陽電池
セルにおいて、集光倍率cの増加に拘らず太陽光受光面
における電極の接触抵抗の増加が抑制されるので、発電
効率が損なわれない。
【0010】
【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例を
図面を参照して詳細に説明する。
【0011】図1は集光型太陽光発電装置10の一例の
構成を説明する概略図である。集光型太陽光発電装置1
0は、扇型断面を有し且つ部分円筒面側が部分円筒状に
開口するケース20と、一次集光装置として機能するた
めにそのケース20の開口に複数個のレンズ片が嵌め付
けられて全体として部分円筒状を成す非結像系フレネル
レンズ22と、その非結像系フレネルレンズ22の集光
位置であるケース20の底面において重ねられた状態で
配置された二次集光レンズ24および半導体製太陽電池
セル26とを有し、図1の1点鎖線に示すように、太陽
電池セル26に対して二次集光レンズ24を通して太陽
光Lが集光されると、その太陽電池セル26から発電さ
れた電力が出力されるようになっている。この集光型太
陽光発電装置10では、非結像系フレネルレンズ22が
用いられることにより、太陽に向かう方向に対して所定
の角度範囲すなわち−θ1 乃至+θ1 の範囲内であれ
ば、非結像系フレネルレンズ22による太陽電池セル2
6に対する集光光強度を一定にすることができるように
なっている。
【0012】上記太陽電池セル26はたとえば図2に示
すように長手板状を成している。その太陽電池セル26
の受光面28には、長手方向において一定の間隔を隔て
て短辺方向(幅方向すなわちy方向)に平行に配置され
た多数本の比較的細い櫛型電極30と、受光面28の長
手方向(x方向)の側縁すなわち長辺に沿った側縁にお
いて上記櫛型電極30に接続された状態で設けられた比
較的太い1対のバスバー(集電電極)32とが形成され
ている。これら櫛型電極30およびバスバー32は太陽
電池セル26の受光面28に位置する上部電極を構成し
ている。この櫛型電極30は、日陰損失を可及的に小さ
くするためにたとえば10μm程度の比較的細い幅寸法
を備え、且つ電流集中に伴う分布ダイオード効果による
損失を可及的に逓減するために、0.25mm程度の比
較的小さな間隔で受光面20上を等密度となるように配
置されている。
【0013】上記太陽電池セル26の本体は、たとえば
図4(h) に示すように、p−Si(シリコン)などのp
型半導体基板34と、そのp型半導体基板34の上面
(受光面)にn型不純物が拡散或いは注入させられるこ
とにより形成され或いはその上面から結晶成長させられ
たn−Siなどのn型半導体から成るエミッタ層35
と、そのエミッタ層35のうち櫛型電極30およびバス
バー32の直下に位置する場所にn型不純物濃度が高め
られた不純物高濃度領域36と、上記エミッタ層35の
上において化学的に安定した酸化膜たとえば酸化珪素
(SiO2 )を用いて前記櫛型電極30およびバスバー
32に対応するパターンで固着され且つ厚み方向に貫通
する開口43が形成された保護層38とから構成されて
いる。前記櫛型電極30およびバスバー32は、保護層
38の開口43を通して上記不純物高濃度領域36に電
気的に導通するように無電界メッキ(化学メッキ)によ
り積層された無電界メッキ導体層39と、その無電界メ
ッキ導体層39の上に電気メッキにより形成された電気
メッキ導体層40とから構成されている。
【0014】上記不純物高濃度領域36では、集光度を
高めたときにおける櫛型電極30と半導体(エミッタ層
35)との接触抵抗の急増を防止するために、その不純
物濃度(エミッタ濃度)Nc がエミッタ層35の不純物
濃度(1018cm-3程度)よりも高い値、たとえば1×
1017×c×r/cm3 (但し、cは集光倍率、rは櫛
型電極30の面積に対する開口部面積の倍率)より高い
値に設定されている。受光面28では、エミッタ層35
(不純物高濃度領域36)の櫛型電極30に接触する部
分分において櫛型電極30の単位面積あたりの流入電流
が増大すると、少数キャリヤ(正孔)の注入量が増加
し、ドーピング原子(燐)が作る電位が中和され、準フ
ェルミ準位がバントの中央部にシフトすることから、半
導体と金属との間で作られる障壁が厚くなり、オーミッ
ク接触が維持されなくなる。この現象に先立って接触抵
抗が急増するので、実験的に求めたこの接触抵抗急増点
が表面ドーピング密度の下限値として設定されたもので
ある。
【0015】表1は、上記不純物濃度(エミッタ濃度、
表面ドーピング不純物密度すなわち表面密度)Nc を1
×1017×c×r/cm3 よりも高い値とした理由を示
している。表1は本発明者等による実験結果を示してい
る。本実験において用いられた櫛型電極30は、前記の
ように無電界メッキ導体層39とその上に電気メッキに
より形成された電気メッキ導体層40から構成されるも
の、およびチタン蒸着膜とその上に電気メッキにより形
成された電気メッキ導体層からなるものについて行われ
たが、有意差は存在しなかった。表1は、複数種類のr
×c値において、櫛型電極30のオーミック(接触)抵
抗が急増したときの表面密度Nc を示している。表1の
--は集光測定限界(100倍)以内ではオーミック抵抗
の急増がみられなかったことを示している。各r×c値
において最も大きな値は1.1×1017×c×r/cm
3 であったから、前記不純物高濃度領域36の不純物濃
度Nc はその最大値を上まわるように設定されているの
である。
【0016】 (表1)表面密度Nc 集光倍率c 開口部面積の倍率r r×c 1.1×1019 11 10 110 1.1×1019 4 28 112 1.1×1019 2 52 104 1.1×1019 1.3 85 111 7.5×1019 73 10 730 7.5×1019 25 28 700 7.5×1019 14 52 728 7.5×1019 9 85 765 1.5×1020 -- 10 --- 1.5×1020 55 28 1540 1.5×1020 30 52 1560 1.5×1020 15 85 1275
【0017】また、上記不純物高濃度領域36では、そ
の不純物濃度Nc が、1×1022/cm3 を下回るよう
に設定されている。不純物濃度がそれより過剰となると
結晶格子の歪みや転移の増大などに起因する発電電流、
発電電圧の低下が顕著となるからである。さらに好適に
は上記不純物濃度Nc は、1×1019/cm3 を下回
り、1×1016/ccm-3を上回るように設定される。
その不純物濃度Nc が高濃度となると、再結合頻度が増
し、特に600nm以下の短波長領域において発電効率
が低下する。また、集光倍率あたりの不純物濃度が1×
1016/ccm-3を下回ると直列抵抗損失が増大するた
め負荷接続時の発電電力が低下することになる。
【0018】以下、上記太陽電池セル26の製造工程の
要部を、上記本体の断面の一部を概略示す図3および図
4を用いて説明する。なお、図4の実施例において、各
部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0019】先ず、拡散工程では、p型半導体基板34
の上面(受光面側)にn型不純物が熱拡散或いは注入さ
せられることによりn型とされたエミッタ層35が形成
される。図3の(a) はこの状態を示している。次いで、
保護層形成工程では、たとえばSiO2 から成る保護層
38がよく知られた熱酸化、陽極酸化、気相成長、スパ
ッタリングなどの手法によって上記エミッタ層35の上
に形成される。図3の(b) はこの状態を示している。続
くホトマスク形成工程においては、感光性レジスト41
がスピナーなどにより一定厚みで塗布され、前記櫛型電
極30およびバスバー32に対応するパターンのマスク
の下で露光硬化された後、未硬化部分が除去されること
によりその櫛型電極30およびバスバー32に対応する
パターンで厚み方向に貫通する開口42が形成される。
図3の(c) はこの状態を示している。次のエッチング工
程では、前記本体の感光性レジスト41側が基板エッチ
ング液にスプレイ或いは浸漬などにより接触させられる
ことにより、保護層38のうち上記開口42内に露出す
る部分が溶解によって除去され、その保護層38に厚み
方向に貫通し且つ櫛型電極30およびバスバー32に対
応するパターン形状の開口43が形成される。図3の
(d) はこの状態を示している。さらに、感光性レジスト
除去工程では、上記感光性レジスト41がよく知られた
薬品によって除去される。図3の(e) はこの状態を示し
ている。そして、不純物拡散工程では、上記エミッタ層
35のうち櫛型電極30およびバスバー32の直下に位
置する場所すなわち上記開口42、43内に露出する場
所に、たとえば燐(P)、アンチモン(Sb)、砒素
(As)などのn型不純物が熱拡散或いは注入させられ
ることにより、n型不純物濃度Nc が1×1017×c×
r/cm3 (但し、cは集光倍率、rは櫛型電極30の
面積に対する開口部面積の倍率)より高い値とされた前
記不純物高濃度領域36が形成される。図3の(f) はこ
の状態を示している。
【0020】次いで、無電界メッキ工程では、無電界メ
ッキ液を用いてエミッタ層35のうち開口43内に露出
する場所に無電界メッキ導体層39が形成される。たと
えば、前記本体の保護層38側がたとえばニッケル−燐
無電界メッキ液にスプレイ或いは浸漬などによって接触
させられることにより、主としてニッケルから成る無電
界メッキ導体層39が形成される。図4の(g) はこの状
態を示している。上記ニッケル−燐無電界メッキ液は、
たとえば、次亜燐酸ニッケル25g/l、ピロ燐酸ナト
リウム50g/l、次亜燐酸ナトリウム25g/l、pH
が10.0となるように混合されたアンモニア水を含む
ものである。そして、電気メッキ工程では、上記無電界
メッキ導体層39の上に銀などの金属導体から成る電気
メッキ導体層40が形成される。
【0021】上記のように、本実施例の太陽電池セル2
6によれば、その半導体製の本体のうちの櫛型電極30
の直下に設けられた不純物高濃度領域36の不純物濃度
cは、(Nc >1×1017×c×r/cm3 )を満足
するように設定されている。すなわち太陽光受光面の集
光倍率c、および太陽光受光面においてその電極面積に
対する開口部面積の倍率rに基づいて定められている。
このため、集光倍率cの増加に拘らず太陽光受光面28
における櫛型電極30の接触抵抗の増加が抑制されるの
で、発電効率が損なわれない。また、上記不純物高濃度
領域の不純物濃度NC は1×1022/cm3 を下回るよ
うに設定されているので、発電電流、発電電圧の低下が
好適に防止される。不純物濃度が過剰に高まることに起
因する結晶格子の歪み、転位密度の増大などにより、再
結合頻度が急増することが抑制され、発電電流や発電電
圧の低下が防止されるのである。
【0022】また、本実施例によれば、太陽電池セル2
6の半導体製の本体は、p型半導体層34と、そのp型
半導体層の上に生成されたエミッタ層(n型半導体層)
35と、そのエミッタ層35の上に生成され且つ前記複
数本の櫛型電極30に対応するパターンの開口が形成さ
れた保護層38とを備えたものであり、不純物高濃度領
域36はそのエミッタ層35のうちその開口43内に露
出する部分に設けられ、その不純物高濃度領域36には
エミッタ層35よりも高濃度のn型不純物が(1×10
22/cm3 >Nc >1×1017×c×r/cm3 )を満
足するように含まれているものであることから、保護層
38が設けられた太陽電池セル26において、集光倍率
cの増加に拘らず太陽光受光面28における櫛型電極3
0の接触抵抗の増加が抑制されるので、発電効率が損な
われない。
【0023】また、本実施例によれば、太陽電池セル2
6の太陽光受光面28に設けられた複数本の櫛型電極3
0が、半導体製の本体の太陽光受光面28に無電界メッ
キ工程により直接的に固着された無電界メッキ導体層3
9と、その無電界メッキ導体層39の上に電気メッキ工
程により固着された電気メッキ導体層40とから構成さ
れていることから、無電界メッキ液に接触させることに
より選択的に無電界メッキ導体層を形成した後に、その
無電界メッキ導体層39の上に電気メッキにより電気メ
ッキ導体層40が固着されるので、金属蒸着層を電気メ
ッキ導体層の前に形成する従来の工程に比較して、真空
室を用いて金属蒸着するための高価な製造設備やそれを
設置する比較的広いスペースが不要となって工程が比較
的簡単になり、また製造工数が少なくなって製造コスト
を低くすることができる。
【0024】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の説明において前述の実施例と共通する部分に
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0025】図6は、前記太陽電池セル26に代えて用
いられる太陽電池セル60の構成例を示している。この
太陽電池セル60は、太陽光Lの波長帯のうちの吸収波
長帯を広域として高い変換効率が得られるように、中心
波長が相互に異なる複数(3)種類のpn接合が積層さ
れた多接合型構造を備えたものである。すなわち、太陽
電池セル60は、p型半導体基板たとえばp型ゲルマニ
ウム板の上部が不純物拡散などによってn型とされるこ
とによりpn接合が形成された底部接合層48と、0.
1μm程度のn+ −GaAs層およびn+ −(In)G
aAs層から順次構成され、上記Ge基板上に積層され
たバッファ層49と、n++−InGaP層およびp++
AlGaAs層から順次構成され、上記バッファ層49
上に積層されたトンネル層50と、p+ −InGaP
層、p−(In)GaAs層、n+−(In)GaAs
層、n+ −AlInP層から順次構成されることにより
pn接合が形成されたInGaAs中間部接合層52
と、n++−InGaP層およびp++−AlGaAs層か
ら順次構成され、上記InGaAs中間部接合層52上
に積層されたトンネル層54と、p−AlInP層、p
−InGaP層、n+ −InGaP層、n+ −AlIn
P層から順次構成されることによりpn接合が形成され
た上部接合層56とを備えている。この太陽電池セル6
0の底面には裏面電極58が固着されており、その裏面
電極58と受光面28の櫛型電極30との間に発電電力
が出力されるようになっている。上部接合層56のn+
−AlInP層のうち、上記櫛型電極30と接触部分に
は、n型不純物濃度Nc が1×10 17×c×r/cm3
を上まわるように高められた不純物高濃度領域36が形
成され、それに接触するように無電界メッキにより形成
された無電界メッキ導体層39とその上に電気メッキに
より固着された電気メッキ導体層40とにより櫛型電極
30が形成されている。
【0026】本実施例によれば、n型不純物濃度Nc
1×1017×c×r/cm3 を上まわるように高められ
た不純物高濃度領域36が櫛型電極30の直下に形成さ
れているので、前述の実施例と同様の効果が得られる。
また、上記底部接合層48、中間部接合層52、および
上部接合層56にそれぞれ設けられているpn接合は、
電気的に直列に接続されるとともに、中心波長が相互に
異なる吸収帯を備えており、太陽光Lの波長帯のうちの
吸収波長帯を広域として高い変換効率が得られるように
なっている。
【0027】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施され
る。
【0028】例えば、前述の実施例において、エミッタ
層35に設けられた不純物高濃度領域36は、櫛型電極
30およびバスバー32の直下の比較的小さな領域に設
けられていたが、エミッタ層35の保護層38との境界
に沿うように上記櫛型電極30およびバスバー32より
も大きいパターンで形成されていてもよい。
【0029】また、前述の実施例の太陽電池セル26、
60において、その太陽光受光面28には保護膜38が
設けられていたが、必ずしも設けられていなくてもよ
く、また、その保護膜38に代えて或いはその保護膜3
8に加えて太陽光エネルギの吸収率を高めるための反射
防止膜などが設けられていてもよい。
【0030】太陽電池セル26、60は、長手方向の側
縁に1対のバスバー32が設けられ、それら1対のバス
バー32の間を接続するように多数本の櫛型電極30が
上記長手方向に一定の間隔で相互に平行に配置されてい
たが、複数対のバスバー32の間に多数本の櫛型電極3
0によりそれぞれ相互に接続されたものであってもよい
し、受光面28の四辺に沿ってバスバー32が設けら
れ、多数本の櫛型電極30がその受光面28上を等密度
で配置されてそのバスバー32に接続されたものであっ
てもよい。
【0031】また、前述の実施例では、一次集光装置と
して非結像系フレネルレンズ22が設けられていたが、
円筒面反射鏡、球面反射鏡などの他の一次集光装置であ
ってもよい。このような場合には、太陽電池セル26、
60の上に二次集光レンズ24が重ねられた太陽電池モ
ジュールは、その受光面28が必ずしも太陽光Lに対し
て直角ではなくてもよく、太陽光Lに対して傾斜してい
たり、太陽光Lに対して平行であってもよい。また、上
記受光面28は必ずしも平面でなくてもよい。
【0032】その他、一々例示はしないが、本発明は、
その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の集光型太陽光発電装置の構
成を概略説明する横断面図である。
【図2】図1の集光型太陽光発電装置に用いられる太陽
電池セルを示す斜視図である。
【図3】図1の太陽電池セルの製造工程の一部を説明す
る図であって、(a) はエミッタ層形成工程、(b) は保護
膜形成工程、(c) はホトマスク形成工程、(d) はエッチ
ング工程、(e) はホトレジスト除去工程、(f) は不純物
高濃度領域形成工程をそれぞれ示している。
【図4】図1の太陽電池セルの製造工程の他の一部を説
明する図であって、(g) は無電界メッキ工程、(h) は電
気メッキ工程をそれぞれ示している。
【図5】本発明の他の実施例の太陽電池セルの構成を説
明する図である。
【図6】従来の太陽電池セルにおいて、集光倍率増加時
の接触抵抗急増後の電圧電流特性を示す図である。
【図7】従来の太陽電池セルにおいて、集光倍率増加時
の接触抵抗急増による変換効率低下特性を示す図であっ
て、○印は実測値を示している。
【符号の説明】
10:集光型太陽光発電装置 26、60:太陽電池セル 30:櫛型電極(電極) 34:p型半導体層、35:エミッタ層(本体) 36:不純物高濃度領域 38:保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F051 AA08 CB30 DA07 DA16 DA19 FA06 JA13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体製の本体と、該本体の一面であっ
    て太陽光が所定の倍率で集光される太陽光受光面と、該
    太陽光受光面に所定の間隔で配設された複数本の電極
    と、集光時における該複数本の電極の接触抵抗の急増を
    防止するために半導体製の本体のうち該複数本の電極の
    直下に位置する部分に設けられ、不純物の濃度が他の部
    分よりも局所的に高くされた不純物高濃度領域とを備え
    た太陽電池セルであって、 前記集光倍率をc、前記電極面積に対する開口部面積の
    倍率をrとすると、前記不純物高濃度領域の不純物濃度
    c は、次式 1×1022/cm3 >Nc >1×1017×c×r/cm
    3 を満足するように設定されていることを特徴とする太陽
    電池セル。
  2. 【請求項2】 前記半導体製の本体は、p型半導体層
    と、該p型半導体層の上に生成されたn型半導体層と、
    該n型半導体層の上に生成され且つ前記複数本の電極に
    対応するパターンの開口が形成された保護層とを備えた
    ものであり、 前記不純物高濃度領域は、該n型半導体層のうち該開口
    内に露出する部分に設けられ、該n型半導体層よりも高
    濃度のn型不純物が含まれているものである請求項1の
    太陽電池セル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010262975A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Sharp Corp 太陽電池セルおよびその製造方法
JP2017085146A (ja) * 2010-04-06 2017-05-18 シン フィルム エレクトロニクス エーエスエー エピタキシャル構造、その形成方法、および、それを含むデバイス

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