JP2012193147A - 重合性化合物、重合性液晶組成物、高分子化合物およびフィルム - Google Patents

重合性化合物、重合性液晶組成物、高分子化合物およびフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】アゾメチン構造を有していながら耐久性に優れており、無色で高いΔnを示す化合物を提供する。
【解決手段】ベンゾオキサジノン環と該ベンゾオキサジノン環に直結する芳香環を有しており、且つ、重合性官能基を有する置換基で置換されたメソゲン核を有する化合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学異方性フィルム、遮熱フィルム等の種々の光学部材の材料をはじめとする、様々な用途において有用な重合性化合物に関する。また、本発明はその重合性化合物を用いた重合性液晶組成物、高分子化合物、およびフィルムにも関する。
近年、液晶表示装置の小型化が望まれており、それに伴い光学フィルムの薄膜化が求められている。例えば、高いΔnを示す液晶を、位相差板等の光学フィルムに用いることにより膜厚を薄くすることができる。Δnは液晶化合物の重要な基本物性のひとつであり、高いΔnを示す液晶は、光学素子の構成要素である位相差板、偏光素子、選択反射膜、カラーフィルタ、反射防止膜、視野角補償膜、ホログラフィー、配向膜、など多くの工業分野に利用することができる(非特許文献1)。
従来、重合性高Δn液晶化合物として、アゾメチン結合を有する化合物が種々提案されている(特許文献1〜4)。これらの特許文献に記載されている化合物は、いずれも分子内に−Ph1−CH=N−Ph2−[ここでPh1およびPh2は1,4−フェニレン基を表す]で表される構造を有するものであり、それ以外の構造例は記載されていない。
特開2007−279363号公報 特開2007−206461号公報 特開2009−149754号公報 特開2008−203709号公報
D.J.Broer, G.N.Mol, J.A.M.M.Van Haaren, and J.LubAdv. Mater., 1999,11,573
重合性液晶を高Δn化するためには、化合物の吸収を長波化することが有効である。しかし、吸収を長波化しすぎると着色するという問題があるため、無色での用途を想定した場合、着色しない範囲で長波化し高Δnを達成することが重要となる。従来公知の重合性アゾメチン液晶化合物では、Δnが不十分であるか、または高Δnを達成したものであっても吸収が長波化してしまい、着色するという問題があった。また、アゾメチン結合が加水分解を受けやすく、その際に生成するアニリン化合物がさらに酸化を受けて着色物質を生じる問題があり、耐久性の面からも無色での用途への展開は困難であった。
本発明は、このような従来技術の課題を解決しようとしたものである。すなわち、高いΔnを示し、アゾメチン結合を有していながら耐久性にも優れた無色の新規な重合性化合物を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは、ベンゾオキサジノン環を含む特定の構造を有する重合性化合物が高いΔnを示し、無色で耐久性に優れていることを見出して、本発明を提供するに至った。上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] ベンゾオキサジノン環と該ベンゾオキサジノン環に直結する芳香環を有しており、且つ、重合性官能基を有する置換基で置換されたメソゲン核を有する化合物。
[2] 下記一般式(I)で表される化合物。
Figure 2012193147
[一般式(I)中、
1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン、NO2、CN、NCS、直鎖状、分岐状もしくは環状の炭素数1〜12のアルキル基(ただし、アルキル基を構成する−CH2−のうち、1個の−CH2−または隣接しない2個以上の−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、−C≡C−、−CONR3−、−NR3CO−、または−NR3−により置き換わっていてもよい)、またはP−Sp−L−を表し、R1、R2の少なくとも一方はP−Sp−L−であり;
Pは重合性官能基を表し;
Spは、単結合または炭素数1〜12のアルキレン基(ただし、アルキレン基を構成する非末端−CH2−のうち、1個の非末端−CH2−または隣接しない2個以上の非末端−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−、−CONR4−、−NR4CO−、または−NR4−により置き換わっていてもよい)を表し;
Lは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CONR5−、−NR5CO−、−NR5−、または単結合を表し;Spが単結合であるとき、Lも単結合であり;
1およびA2はそれぞれ独立に、1,4−フェニレン基を表し;前記1,4−フェニレン基の1個もしくは2個以上の水素原子は、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜5のアシルオキシ基、炭素原子数2〜4のアシル基、炭素原子数2〜5のアミド基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよく;
1およびZ2はそれぞれ独立に、−COO−、−OCO−、−CONR6−、−NR6CO−、−OCH2−、−CH2O−、−CH2S−、−SCH2−、−CH2CH2−、または単結合を表し;
1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜5のアシルオキシ基、炭素原子数2〜4のアシル基、炭素原子数2〜5のアミド基、シアノ基、またはハロゲン原子を表し;
3、R4、R5およびR6はそれぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表し;
mおよびnはそれぞれ独立に、0、1または2を表し、且つ、m+n=1または2である。]
[3] 一般式(I)中、m=n=1の時、Z1が−COO−であり、Z2が−OCO−である[2]に記載の化合物。
[4] 一般式(I)中、X3が水素原子もしくはメトキシ基である[3]に記載の化合物。
[5] 一般式(I)中、m=0およびn=1の時、Z2が−OCO−である[2]に記載の化合物。
[6] 一般式(I)中、m=1およびn=0の時、Z1が−COO−である[2]に記載の化合物。
[7] 一般式(I)中、Pが下記の式(P−1)〜式(P−5)で表される基からなる群から選ばれる重合性官能基である[1]〜[6]のいずれか1項に記載の化合物。
Figure 2012193147
[式中、R11〜R13はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。]
[8] 一般式(I)中、Pがメタクリレート基またはアクリレート基である[1]〜[7]のいずれか1項に記載の化合物。
[9] 一般式(I)中、Spが炭素数2〜8のアルキレン基である[1]〜[8]のいずれか1項に記載の化合物。
[10] 一般式(I)中、R1およびR2がP−Sp−L−で表される基である[1]〜[9]のいずれか1項に記載の化合物。
[11] [1]〜[10]のいずれか1項に記載の化合物とキラル剤を含有することを特徴とする重合性液晶組成物。
[12] [1]〜[10]のいずれか1項に記載の化合物を重合した高分子化合物。
[13] [1]〜[10]のいずれか1項に記載の化合物を用いたフィルム。
本発明の化合物とフィルムは、無色であり、高いΔnを示し、耐久性にも優れているという効果を奏する。
本発明の化合物(I−1)および化合物(I−3)、並びに比較化合物(R−2)の吸収スペクトル曲線である。
以下、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
1.本発明の化合物
本発明の化合物は、ベンゾオキサジノン環と該ベンゾオキサジノン環に直結する芳香環を有しており、且つ、重合性官能基を有する置換基で置換されたメソゲン核を有する化合物である。従来のアゾメチン基を分子内に有する液晶化合物は、高Δnを示すが、一方で着色や耐久性の問題があり、用途が制限される。これに対して本発明の化合物は、十分に高いΔnを示すとともに、白色であるので、着色の問題はない。さらに、本発明の化合物は、溶剤への溶解性、および他の液晶材料との相溶性も良好であり、重合で硬化可能であることから、光学部材等の種々の用途に有用である。特に、Δnが高いことから、薄膜の形態で所望の光学特性を示すことが要求される位相差膜および選択反射膜等の光学フィルムの作製に有用である。
本発明の化合物は、末端の重合性官能基とメソゲン核を繋ぐ連結基の鎖長をある程度長くすることによって、液晶相となる温度範囲を広くし、重合工程において結晶化して白濁化しないようにすることもできる。連結基の連結鎖を構成する原子数は1〜12であることが好ましく、2〜8であることがより好ましく、3〜6であることがさらに好ましい。また、連結基はアルキレン基であることが好ましい。
本発明の化合物におけるメソゲン核はフェニレン基であることが好ましく、1,4−フェニレン基であることがより好ましい。また、メソゲン核を含む置換基は、ベンゾオキサジノン環に結合していてもよいし、ベンゾオキサジノン環に直結する芳香環に結合していてもよい。また、ベンゾオキサジノン環と、ベンゾオキサジノン環に直結する芳香環のそれぞれに結合していてもよい。
以下において、本発明の化合物の中で特に一般式(I)で表される化合物について詳細に説明する。
Figure 2012193147
一般式(I)のR1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン、NO2、CN、NCS、直鎖状、分岐状もしくは環状の炭素数1〜12のアルキル基(ただし、アルキル基を構成する−CH2−のうち、1個の−CH2−または隣接しない2個以上の−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、−C≡C−、−CONR3−、−NR3CO−、または−NR3−により置き換わっていてもよく、R3は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表す)、またはP−Sp−L−を表し、R1、R2の少なくとも一方はP−Sp−L−である。R1およびR2は、より好ましくは1個のCH2または隣接しない2個以上のCH2が−O−、−OCOO−で置換された直鎖状、分岐状または環状の炭素数1〜12のアルキル基、またはP−Sp−L−であり、さらに好ましくはP−Sp−L−で表される重合性官能基である。
1、R2がとりうるP−Sp−L−のPは重合性官能基を表す。ここでいう重合性官能基とは、重合に直接関与する基(例えばCH2=CH−)のみからなるものと、重合に直接関与する基(例えばCH2=CH−)とそれに結合している官能基(例えば−CO−、−CO−O−、−O−)から構成されるものの両方を包含する概念である。重合性官能基としては、ラジカル重合またはカチオン重合可能な重合性官能基が好ましい。ラジカル重合性官能基としては、一般に知られているラジカル重合性官能基を用いることができ、好適なものとして、(メタ)アクリレート基(アクリレート基およびメタクリレート基の双方を含む意味の用語として用いる)とを挙げることができる。この場合、重合速度はアクリレート基が一般的に速いことが知られており、生産性向上の観点からアクリレート基が好ましいが、メタクリレート基も高Δn液晶の重合性官能基として同様に使用することができる。カチオン重合性官能基としては、一般に知られているカチオン重合性官能基を用いることができ、具体的には、脂環式エーテル基、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル基、ビニルオキシ基などを挙げることができる。中でも、脂環式エーテル基、ビニルオキシ基が好適であり、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルオキシ基が特に好ましい。
Pは下記式(P−1)〜(P−5)のいずれかで表される重合性官能基であるのが好ましい。
Figure 2012193147
上式中、R11〜R13はそれぞれ、水素原子またはメチル基を表す。*はSpとの結合位置を示す。Pは(メタ)アクリレート基であるのが好ましく、即ち、以下のいずれかの基であるのが好ましい。
Figure 2012193147
1、R2がとりうるP−Sp−L−のSpは、単結合または炭素数1〜12のアルキレン基(ただし、アルキレン基を構成する非末端−CH2−のうち、1個の非末端−CH2−または隣接しない2個以上の非末端−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−、−CONR4−、−NR4CO−、または−NR4−により置き換わっていてもよく、R4は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表す)を表す。
一般式(I)の化合物の側鎖の長さが短い(例えば、炭素数が1〜3である)と液晶相を示す上限温度は高いが結晶化し易くて溶解性が低くなる。このため、組成物に含まれる他の成分(例えば、溶媒または他の液晶材料)への溶解性または相溶性の観点で、該化合物の割合を小さくする必要がある場合がある。一方、側鎖が長い(例えば、炭素数が4〜6である)と、溶解性は良化するが、液晶相を示す上限温度が低下したり、スメクチック相が出やすくなりネマチック相範囲が狭くなったりして、配向の均一性が低下する場合がある。また、側鎖が長くなると、分子の動きの自由度を増大させることになるので、剛性の高い膜質が要求される用途には、側鎖が短めの化合物を用いるのが好ましく、また膜の脆性改良の用途には、側鎖が長めの化合物を用いるのが好ましい。これらの物性をバランスよく満たすため、一般式(I)の化合物中のSpとしては、炭素数2〜8のアルキレン基が好ましく、炭素数3〜6のアルキレン基がより好ましい。
1、R2がとりうるP−Sp−L−のLは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CONR5−、−NR5CO−、−NR5−、または単結合を表す(R5は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表す)。Lは、好ましくは−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−OCOO−であり、さらに好ましくは−O−、−OCOO−である。Spが単結合であるとき、Lも単結合である。
一般式(I)のA1およびA2はそれぞれ独立に、1,4−フェニレン基を表す。A1およびA2が表す1,4−フェニレン基の1個もしくは2個以上の水素原子は、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜5のアシルオキシ基、炭素原子数2〜4のアシル基、炭素原子数2〜5のアミド基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい。
一般式(I)のZ1およびZ2はそれぞれ独立に、−COO−、−OCO−、−CONR6−、−NR6CO−、−OCH2−、−CH2O−、−CH2S−、−SCH2−、−CH2CH2−、または単結合を表す(R6は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表す)。環構造をつなぐ連結基としては、液晶相安定化(NI点の向上)のためには剛直な構造を有したものを用いることが好ましい。しかし、剛直なものを多く用いると結晶性向上による溶解性低下、スメクチック相安定化によるネマチック液晶相範囲の縮小が考えられる。ただし、剛直な構造を与える単結合は、π共役拡大により吸収が長波化し着色する恐れがあることから、アゾメチン結合を有する骨格との連結基としては好ましくない。よって、Z1およびZ2は上記の範囲内から選択し、−COO−または−OCO−であることが好ましい。
一般式(I)のX1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜5のアシルオキシ基、炭素原子数2〜4のアシル基、炭素原子数2〜5のアミド基、シアノ基、またはハロゲン原子を表す。
化合物の溶解性向上のためには、芳香環上に置換基を導入することが有効である。一般式(I)で表される化合物でも、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7で表される置換基上の原子の大きさがより大きいほど溶解性の向上に寄与し、小さいほど溶解性が低下する。製造工程での取り扱いを考慮すると、芳香環上には置換基を有することが望ましい。置換基の数としては、より多いほど溶解性の上昇が期待できるが、多過ぎると液晶性が損なわれることから、一般式(I)で表される化合物においては水素原子以外の置換基を0、1または2個有していることが好ましく、1個有していることがより好ましい。また、溶解性と液晶性を両立させる置換基として好ましいのは、炭素原子数1〜2のアルキル基、炭素原子数1〜2のアルコキシ基、もしくはハロゲン原子であり、より好ましくはメチル基、メトキシ基、塩素原子である。
一般式(I)のmおよびnはそれぞれ独立に、0、1または2である。
高いΔnのためには、配向秩序を高くすることが必要であり、このためには液晶相の上限温度を上げることが有効である。一般式(I)で表される化合物は少なくとも環状の芳香族基を3環〜4環連結したものであり、NI点(ネマチック液晶相から等方相への転移温度)が高く、具体的には160℃以上という極めて高いNI点を示し、組成物のΔnの向上に大きく寄与する。また、芳香族環は、不飽和環や非芳香族環と比べて分子長軸方向の分極率を増大し、Δnの向上に寄与するため、上記の通りA1、A2は1,4−フェニレン基に限定されている。但し、環数の増大は、融点や粘性の増大を招き、光学膜に使用する用途領域では塗布工程で結晶化を起こしやすく膜均一性が下がるといった欠点もある。また、環数の増大に伴い溶解性が低下し、製造工程での取り扱いが困難になることから、該化合物の環数としては芳香環の数が3または4であるのが好ましい。このため、一般式(I)の化合物中のm+nは1または2である。
一般式(I)のmとnがともに1であるとき、Z1は−COO−であり、且つZ2は−OCO−であるものを1つの好ましい範囲として挙げることができる。
また、一般式(I)のX3が水素原子もしくはメトキシ基であるものを別の1つの好ましい範囲として挙げることができる。
さらに、一般式(I)のmが0でnが1であるとき、Z2が−OCO−であるものをさらに別の1つの好ましい範囲として挙げることができる。
また、一般式(I)のmが1でnが0であるとき、Z1が−COO−であるものをさらに別の1つの好ましい範囲として挙げることができる。
以下に、一般式(I)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明で採用することができる化合物はこれらの具体例によって限定的に解釈されるべきものではない。
Figure 2012193147
Figure 2012193147
Figure 2012193147

Figure 2012193147
Figure 2012193147
本発明の前記一般式(I)で表される重合性化合物は種々の方法で製造することができる。例えば、下記に示す反応式(1)に従う方法により製造することができる。
Figure 2012193147
前記反応式(1)において、化合物Aはヒドロキシアントラニル酸誘導体であり、市販品または公知の方法により合成したものを用いることができる。前記反応式(1)において、化合物Bはヒドロキシ安息香酸誘導体であり、市販品または公知の方法により合成したものを用いることができる。なお、化合物AおよびBの例として無置換の誘導体を示しているが、反応式(1)中、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7で表される部位に置換基を有する市販品または公知の方法により合成した誘導体も用いることができる。また、化合物Dは特開2002−97170号公報の10頁の[0085]〜[0087]に記載の方法を参照して合成することができる。
すなわち、前記一般式(I)で表される重合性化合物は、前記反応式(1)における、化合物Aと化合物Bとの縮合、続く環化脱水反応で化合物Cを合成し、続いて化合物Cと化合物Dとの反応により合成することができる。
同様に三環型の化合物についても、化合物Dより塩化チオニルなどを用いて誘導した化合物Eを化合物Aと縮合させ、環化脱水反応を経ることで合成できる。
また、反応中の熱重合を抑制するためにハイドロキノン誘導体などの重合禁止剤を用いてもよい。
本発明の重合性化合物の例には、液晶性化合物が含まれる。前記液晶性化合物は、高いΔnを示すので、その配向を固定した膜は、より低いΔnの液晶性化合物を利用した膜と比較して、より薄膜で所望の光学特性を達成することが期待できる。
また、本発明の重合性化合物は、化学的に安定であり、溶剤に溶解しやすく、重合しやすく、無色透明であるなど、複数の特性をも満足する。本発明の化合物を用いて作製される硬化膜は、十分な硬度を示し、無色透明であり、耐候性・耐熱性が良好である等、複数の特性を満足し得るであろう。従って、本発明の化合物を利用して形成された硬化膜は、例えば、光学素子の構成要素である位相差板、偏光素子、選択反射膜、カラーフィルタ、反射防止膜、視野角補償膜、ホログラフィー、配向膜等、種々の用途に利用することができる。
2.本発明の重合性組成物、高分子化合物およびフィルム
本発明は、本発明の化合物を含む重合性組成物(本発明の組成物ともいう)、本発明の化合物を重合した高分子化合物、および本発明の化合物を用いたフィルムも提供する。本発明の化合物を含む重合性組成物は、本発明の化合物の他にキラル剤を含有するものであることが好ましい。また、本発明の高分子化合物は、本発明の化合物を重合させることにより得られるものであり、液晶性であっても、非液晶性であってもよい。本発明のフィルムは、本発明の化合物を用いて得られるフィルムであり、位相膜、反射膜等の種々の光学フィルムの材料として有用である。本発明の重合性組成物、高分子化合物およびフィルムは、特に、一般式(I)で表される化合物を含む重合性組成物、一般式(I)で表される化合物を重合した高分子化合物、および一般式(I)で表される化合物を用いたフィルムであることが好ましい。このため、以下の説明では本発明の化合物の代表例として一般式(I)の化合物を用いた場合を主に説明する。
本発明の組成物の一態様は、前記一般式(I)の化合物の少なくとも1種と、少なくとも1種のキラル化合物とを含有する重合性組成物である。本態様の組成物をコレステリック液晶相とした後、それを固定して形成された膜は、その螺旋ピッチに応じて、所定の波長の光に対して、選択反射特性を示し、反射膜(例えば、赤外線反射膜)として有用である。本発明の高いΔnを示す重合性化合物を利用することにより、より低いΔnの液晶性化合物を利用した同一の厚みの膜と比較して、反射波長域が広帯域化されるという利点がある。
本発明の組成物について、前記一般式(I)の化合物は、主成分であっても、添加剤として使用されていてもよい。前記一般式(I)の化合物を組成物の全質量に対して、5質量%以上含有していれば、一般式(I)の化合物による効果を得ることができ、好ましくは10〜85質量%、より好ましくは10〜75質量%、さらに好ましくは15〜70質量%である。但し、この範囲に限定されるものではない。
(1)キラル化合物
本発明の組成物をコレステリック液晶相を示す組成物として調製するためには、キラル化合物を添加するのが好ましい。キラル化合物は液晶性であっても、非液晶性であってもよい。前記キラル化合物は、公知の種々のキラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)から選択することができる。キラル化合物は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物も用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル化合物(キラル剤)は、重合性基を有していてもよい。キラル化合物が重合性基を有するとともに、併用する棒状液晶化合物も重合性基を有する場合は、重合性キラル化合物と重合性棒状液晶合物との重合反応により、棒状液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル化合物から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル化合物が有する重合性基は、重合性棒状液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル化合物の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
本発明の組成物中のキラル化合物は、併用される一般式(I)の化合物に対して、1〜30モル%であることが好ましい。キラル化合物の使用量を、より少なくした方が液晶性に影響を及ぼさないことが多いため好まれる。従って、キラル化合物は、少量でも所望の螺旋ピッチの捩れ配向を達成可能なように、強い捩り力のある化合物が好ましい。この様な、強い捩れ力を示すキラル剤としては、例えば、特開2003−287623号公報に記載のキラル剤が挙げられ、本発明に好ましく用いることができる。
(2)他の液晶化合物
本発明の組成物は、前記一般式(I)の化合物とともに、他の1種以上の液晶性化合物を含有していてもよい。前記一般式(I)の化合物は、他の液晶性化合物との相溶性も高いので、他の液晶性化合物を混合しても、不透明化等が生じず、透明性の高い膜を形成可能である。他の液晶性化合物を併用可能であることから、種々の用途に適する種々の組成の組成物を提供できる。併用可能な他の液晶化合物の例には、棒状ネマチック液晶化合物である。前記棒状ネマチック液晶化合物の例には、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が含まれる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
本発明に利用可能な他の液晶化合物は、重合性であっても非重合性であってもよい。重合性基を有しない棒状液晶化合物については、様々な文献(例えば、Y. Goto et.al., Mol. Cryst. Liq. Cryst. 1995, Vol. 260, pp.23-28)に記載がある。
重合性棒状液晶化合物は、重合性基を棒状液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、棒状液晶化合物の分子中に導入できる。重合性棒状液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性棒状液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性棒状液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性棒状液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
他の液晶化合物の添加量については特に制限はない。前記一般式(I)の化合物の含有割合が高くても、他の液晶化合物の含有割合が高くても、互いに等しい含有割合であってもよく、用途に応じて好ましい範囲に調整することができる。
(3)重合開始剤
本発明の組成物は、重合開始剤を含有しているのが好ましい。例えば、紫外線照射により硬化反応を進行させて硬化膜を形成する態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、組成物(塗布液の場合は固形分)の0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることがさらに好ましい。
(4)配向制御剤
本発明の組成物中に、安定的にまたは迅速に液晶相(例えば、コレステリック液晶相)となるのに寄与する配向制御剤を添加してもよい。配向制御剤の例には、含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、および下記一般式(X1)〜(X3)で表される化合物が含まれる。これらから選択される2種以上を含有していてもよい。これらの化合物は、層の空気界面において、液晶化合物の分子のチルト角を低減若しくは実質的に水平配向させることができる。尚、本明細書で「水平配向」とは、液晶分子長軸と膜面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が20度未満の配向を意味するものとする。液晶化合物が空気界面付近で水平配向する場合、配向欠陥が生じ難いため、可視光領域での透明性が高くなる。一方、液晶化合物の分子が大きなチルト角で配向すると、例えば、コレステリック液晶相とする場合は、その螺旋軸が膜面法線からずれるため、反射率が低下したり、フィンガープリントパターンが発生し、ヘイズの増大や回折性を示すため好ましくない。
配向制御剤として利用可能な前記含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマーの例は、特開2007−272185号公報の[0018]〜[0043]等に記載がある。
以下、配向制御剤として利用可能な、下記一般式(X1)〜(X3)について、順に説明する。
Figure 2012193147
式中、R1、R2およびR3は各々独立に、水素原子または置換基を表し、X1、X2およびX3は単結合または二価の連結基を表す。R1〜R3で各々表される置換基としては、好ましくは置換もしくは無置換の、アルキル基(中でも、無置換のアルキル基またはフッ素置換アルキル基がより好ましい)、アリール基(中でもフッ素置換アルキル基を有するアリール基が好ましい)、置換もしくは無置換のアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子である。X1、X2およびX3で各々表される二価の連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、二価の芳香族基、二価のヘテロ環残基、−CO−、−NRa−(Raは炭素原子数が1〜5のアルキル基または水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基は、アルキレン基、フェニレン基、−CO−、−NRa−、−O−、−S−およびSO2−からなる群より選ばれる二価の連結基または該群より選ばれる基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることがより好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。二価の芳香族基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。
Figure 2012193147
式中、Rは置換基を表し、mは0〜5の整数を表す。mが2以上の整数を表す場合、複数個のRは同一でも異なっていてもよい。Rとして好ましい置換基は、R1、R2、およびR3で表される置換基の好ましい範囲として挙げたものと同様である。mは、好ましくは1〜3の整数を表し、特に好ましくは2または3である。
Figure 2012193147
式中、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は各々独立に、水素原子または置換基を表す。R4、R5、R6、R7、R8およびR9でそれぞれ表される置換基は、好ましくは一般式(XI)におけるR1、R2およびR3で表される置換基の好ましいものとして挙げたものと同様である。
本発明において配向制御剤として使用可能な、前記一般式(X1)〜(X3)で表される化合物の例には、特開2005−99248号公報に記載の化合物が含まれる。
なお、本発明では、配向制御剤として、前記一般式(X1)〜(X3)で表される化合物の一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記組成物中における、一般式(X1)〜(X3)のいずれかで表される化合物の添加量は、前記一般式(I)の化合物の質量の0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.02〜1質量%が特に好ましい。
(5)その他の添加剤
本発明の組成物は、1種または2種類以上の、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増感剤、安定剤、可塑剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、消泡剤、レべリング剤、増粘剤、難燃剤、界面活性物質、分散剤、染料、顔料等の色材、等の他の添加剤を含有していてもよい。
(6)組成物を用いたフィルムの作製方法
本発明の組成物は、位相差フィルム、反射フィルム等の種々の光学フィルムの材料として有用である。当該フィルムの製造方法の一例は、
(i) 基板等の表面に、本発明の重合性組成物を塗布して、液晶相(コレステリック液晶相等)の状態にすること、
(ii) 前記重合性組成物の硬化反応を進行させ、液晶相を固定して硬化膜を形成すること、
を少なくとも含む製造方法である。
(i)および(ii)の工程を、複数回繰り返して、複数の上記硬化膜が積層されたフィルムを作製することもできる。
前記(i)工程では、まず、基板またはその上に形成された配向膜の表面に、本発明の重合性組成物を塗布する。前記組成物は、溶媒に材料を溶解および/または分散した、塗布液として調製されるのが好ましい。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。該有機溶媒としては、アミド(例えばN,N−ジメチルホルムアミド);スルホキシド(例えばジメチルスルホキシド);ヘテロ環化合物(例えばピリジン);炭化水素(例えばベンゼン、ヘキサン);アルキルハライド(例えばクロロホルム、ジクロロメタン);エステル(例えば酢酸メチル、酢酸ブチル);ケトン(例えばアセトン、メチルエチルケトン);エーテル(例えばテトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン);1,4−ブタンジオールジアセテートなどが含まれる。これらの中でも、アルキルハライドおよびケトンが特に好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
前記塗布液の塗布は、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法等の種々の方法によって行うことができる。また、インクジェット装置を用いて、組成物をノズルから吐出して、塗膜を形成することもできる。
次に、表面に塗布され、塗膜となった組成物を、コレステリック液晶相等の液晶相の状態にする。前記組成物が、溶媒を含む塗布液として調製されている態様では、塗膜を乾燥し、溶媒を除去することで、液晶相の状態にすることができる場合がある。また、液晶相への転移温度とするために、所望により、前記塗膜を加熱してもよい。例えば、一旦等方性相の温度まで加熱し、その後、液晶相転移温度まで冷却する等によって、安定的に液晶相の状態にすることができる。前記組成物の液晶相転移温度は、製造適性等の面から10〜250℃の範囲内であることが好ましく、10〜150℃の範囲内であることがより好ましい。10℃未満であると液晶相を呈する温度範囲にまで温度を下げるために冷却工程等が必要となることがある。また200℃を超えると、一旦液晶相を呈する温度範囲よりもさらに高温の等方性液体状態にするために高温を要し、熱エネルギーの浪費、基板の変形、変質等からも不利になる。
次に、(ii)の工程では、液晶相の状態となった塗膜を硬化させる。硬化は、ラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法、配位重合法等、いずれの重合法に従って進行させてもよい。一般式(I)の化合物に応じて、適する重合法が選択されるであろう。この重合により、本発明の一般式(I)の化合物から誘導される単位を構成単位中に有する重合体が得られる。
一例では、紫外線を照射して、硬化反応を進行させる。紫外線照射には、紫外線ランプ等の光源が利用される。この工程では、紫外線を照射することによって、前記組成物の硬化反応が進行し、コレステリック液晶相が固定されて、硬化膜が形成される。
紫外線の照射エネルギー量については特に制限はないが、一般的には、100mJ/cm2〜800mJ/cm2程度が好ましい。また、前記塗膜に紫外線を照射する時間については特に制限はないが、硬化膜の充分な強度および生産性の双方の観点から決定されるであろう。
硬化反応を促進するため、加熱条件下で紫外線照射を実施してもよい。また、紫外線照射時の温度は、液晶相が乱れないように、液晶相を呈する温度範囲に維持するのが好ましい。また、雰囲気の酸素濃度は重合度に関与するため、空気中で所望の重合度に達せず、膜強度が不十分の場合には、窒素置換等の方法により、雰囲気中の酸素濃度を低下させることが好ましい。
上記工程では、液晶相が固定されて、硬化膜が形成される。ここで、液晶相を「固定化した」状態は、液晶相となっている化合物の配向が保持された状態が最も典型的、且つ好ましい態様である。それだけには限定されず、具体的には、通常0℃〜50℃、より過酷な条件下では−30℃〜70℃の温度範囲において、該層に流動性が無く、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定化された配向形態を安定に保ち続けることができる状態を意味するものとする。本発明では、紫外線照射によって進行する硬化反応により、液晶相の配向状態を固定する。
なお、本発明においては、液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、最終的に硬化膜中の組成物がもはや液晶性を示す必要はない。例えば、組成物が、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
上記硬化膜の厚みについては特に制限はない。用途に応じて、または所望とされる光学特性に応じて、好ましい膜厚が決定されるであろう。一般的には、厚さは0.05〜50μmが好ましく、1〜35μmがより好ましい。
(7)基板
本発明のフィルムは、基板を有していてもよい。当該基板は自己支持性があり、上記硬化膜を支持するものであれば、材料および光学的特性についてなんら限定はない。ガラス板、石英板、およびポリマーフィルム等から選択することができる。用途によっては、紫外光に対する高い透明性が要求されるであろう。可視光に対する透過性が高いポリマーフィルムとしては、液晶表示装置等の表示装置の部材として用いられる種々の光学フィルム用のポリマーフィルムが挙げられる。前記基板としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム;ポリカーボネート(PC)フィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム;ポリイミドフィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、などが挙げられる。ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロースが好ましい。
(8)配向層
本発明のフィルムは、基板と前記硬化膜との間に、配向層を有していてもよい。配向層は、液晶化合物の配向方向をより精密に規定する機能を有する。配向層は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成等の手段で設けることができる。さらには、電場の付与、磁場の付与、或いは光照射により配向機能が生じる配向層も知られている。配向層は、ポリマーの膜の表面に、ラビング処理により形成するのが好ましい。
配向層に用いられる材料としては、有機化合物のポリマーが好ましく、それ自体が架橋可能なポリマーか、或いは架橋剤により架橋されるポリマーがよく用いられる。当然、双方の機能を有するポリマーも用いられる。ポリマーの例としては、ポリメチルメタクリレ−ト、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコ−ルおよび変性ポリビニルアルコ−ル、ポリ(N−メチロ−ルアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロ−ス、ゼラチン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリカーボネート等のポリマーおよびシランカップリング剤等の化合物を挙げることができる。好ましいポリマーの例としては、ポリ(N−メチロ−ルアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロ−ス、ゼラチン、ポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーであり、さらにゼラチン、ポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールが好ましく、特にポリビルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールを挙げることができる。
(9)本発明のフィルムの用途
本発明のフィルムの一態様は、本発明の重合性組成物の、液晶相の配向(例えば、水平配向、垂直配向、ハイブリッド配向等)を固定したフィルムであって、光学異方性を示すフィルムである。当該フィルムは、液晶表示装置等の光学補償フィルム等として利用される。
本発明のフィルムの一態様は、本発明の重合性組成物のコレステリック液晶相を固定したフィルムであって、所定の波長域の光に対して選択反射特性を示すフィルムである。赤外線波長域(波長800〜1300nm)に選択反射特性を示す当該フィルムは、例えば建物または車両の窓ガラスに貼付され、もしくは合わせガラスに組み込まれて、遮熱部材として利用される。
また、本発明のフィルムは、光学素子の構成要素である、偏光素子、選択反射膜、カラーフィルタ、反射防止膜、視野角補償膜、ホログラフィー、配向膜等、種々の用途に利用することができる。
以下に実施例と比較例(なお比較例は必ずしも公知技術というわけではない)を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
1.一般式(I)の化合物の合成と物性
(実施例1)
化合物(I−1A)の合成:
Figure 2012193147
4−ヒドロキシ安息香酸10.0g(72.4mmol)をテトラヒドロフラン30ml、N,N-ジメチルホルムアミド500μlに溶解した溶液に、塩化チオニル7.9ml(108.6mmol)を滴下し、そのまま1時間室温で攪拌した。上記で得た溶液に、4−ヒドロキシアントラニル酸5.54g(36.2mmol)をN−エチルピロリドン30mlに溶解した溶液を加え、室温で注意深くピリジン6mlを加え、室温で2時間攪拌した。得られた反応液に0.5mol/L塩酸水溶液を150ml加え、生じた白色固体を濾別し、水50mlで2回洗浄して、化合物(I−1A)を白色固体として5.7g(収率62%)得た。
1H-NMR(d6-DMSO) : δ= 6.93(m,2H), 7.35(dd,1H), 7.40(d,1H), 7.55(d,1H), 8.00(m,2H), δ= 10.4(brs,2H)
化合物(I−1)の合成:
Figure 2012193147
3つ口フラスコにMsClを1.9ml(24.5mmol)とTHFを10ml添加し、氷・メタノールバスに浸し、内温を−5℃にした。この溶液に、内温を5℃以下に保ちながら、4−アクリロイルオキシ安息香酸6.42g(24.3mmol)/ジイソプロピルエチルアミン(以下、DIPEAとする)4.32ml(24.8mmol)/2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.10g/THF20mlの混合溶液を滴下した。この溶液を5℃以下に保って、2時間攪拌した後、DIPEA4.32ml(24.8mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(以下、DMAPとする)0.1gを加えた。得られた溶液に、化合物(I−1A)3.0g(11.7mmol)をN−エチルピロリドン15mlに溶解した溶液を滴下し、室温で3時間攪拌した。反応液に0.5mol/L塩酸水溶液を100ml加え、生じた白色固体を濾別した。得られた白色固体をジクロロメタン/メタノールにより再結晶し、白色固体である化合物(I−1)を7.10g(収率81%)得た。
1H-NMR(CDCl3) : δ= 1.8-2.0(m,8H), 4.0-4.2(m,4H), 4.2-4.3(m,4H), 5.83(d,2H), 6.12(dd,2H), 6.42(d,2H), 6.90-7.05 (m,4H), 7.39(d,2H), 7.68(dd,1H), 7.72(d,1H), 8.07 (d,1H), 8.1-8.2(m,4H), 8.38(m,2H)
(実施例2)
化合物(I−3A)の合成:
Figure 2012193147
4−ヒドロキシ安息香酸の代わりにバニリン酸を用いた以外は実施例1と同様の方法により合成した。収量は4.2g(収率41%)であった。
1H-NMR(d6-DMSO) : δ= 3.86(s,3H), 6.94(d,1H), 7.34(dd,1H), 7.40(d,1H), 7.55(d,1H), 7.64(m,2H), δ= 10.0(brs,1H), δ= 10.3(brs,1H),
Figure 2012193147
化合物(I−3)の合成:
化合物(I−1A)の代わりに化合物(I−3A)を用いた以外は実施例1と同様の方法により合成した。収量は1.49g(収率78%)であった。
1H-NMR(CDCl3) : δ= 1.8-2.0(m,8H), 3.97(s,3H), 4.0-4.2(m,4H), 4.2-4.3(m,4H), 5.83(d,2H), 6.12(dd,2H), 6.42(d,2H), 6.95-7.05 (m,4H), 7.30(d,1H), 7.70(dd,1H), 7.77(d,1H), 7.94(d,1H), 7.99(dd,1H), 8.09(d,1H), 8.16(m,2H) , 8.18 (m,2H)
(実施例3)
化合物(I−31)の合成:
Figure 2012193147
4−アクリロイルブトキシ安息香酸15.0g(56.8mmol)をテトラヒドロフラン30ml、N,N−ジメチルホルムアミド500μlに加えた懸濁液に、塩化チオニル4.4ml(61.0mmol)を滴下し、そのまま1時間室温で攪拌した。上記で得た溶液を10℃に冷却し、DIPEA22.6ml(130mmol)、DMAP0.2gを加え、4−ヒドロキシアントラニル酸2.49g(16.2mmol)をN−エチルピロリドン15mlに溶解した溶液を滴下し、室温で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチル150mlを加え、0.5mol/L塩酸水溶液150mlで2回分液し、減圧下溶媒を除去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、白色固体である化合物(I−31)を6.51g(収率64%)得た。
1H-NMR(CDCl3) : δ= 1.8-2.0(m,8H), 4.0-4.2(m,4H), 4.2-4.3(m,4H), 5.83(d,2H), 6.12(dd,2H), 6.40(d,2H), 6.95-7.05(m,4H), 7.67(dd,1H), 7.70(d,1H), 8.03(d,1H), 8.17(m,2H) , 8.25(m,2H)
(実施例4)
化合物(I−39)の合成:
Figure 2012193147
4−アクリロイルブトキシ安息香酸の代わりに4−アクリロイルブトキシカルボニルオキシ安息香酸を用いた以外は実施例3と同様の方法により合成した。収量は3.6g(収率65%)であった。
1H-NMR(CDCl3) : δ= 1.8-2.0(m,8H), 4.0-4.2(m,4H), 4.2-4.3(m,4H), 5.83(d,2H), 6.12(dd,2H), 6.40(d,2H), 7.3-7.4(m,4H), 7.67(dd,1H), 7.70(d,1H), 8.03(d,1H), 8.2-8.3(m,4H)
(化合物の物性評価)
上記実施例1〜4で合成した各化合物のΔnを、液晶便覧(液晶便覧編集委員会)のp.202に記載の方法に従って直接測定した。具体的には、上記実施例1〜4で合成した各化合物を、くさび型セルに注入し、これに波長550nmのレーザー光を照射し、透過光の屈折角を測定することにより、Δnを求めた。また、偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって相転移温度を求め、結晶の色味についても目視で確認した。同じ測定と確認を、下記の比較化合物(R−1)、(R−2)および(R−3)についても同様にして行った。(R−1)は、モノアゾメチン化合物であり、(R−2)は、ビスアゾメチン化合物であり、および(R−3)はアゾメチン基を含まない液晶化合物である。
Figure 2012193147
上記の測定と観察の結果を下記の表に示す。なお、下記表中の「Δn」の欄の括弧内の温度は、[00]測定温度を意味する。
Figure 2012193147
上記表に示す結果より、一般式(I)の範囲外のモノアゾメチン型重合性液晶化合物(R−1)およびアゾメチン基を含まない液晶性化合物(R−3)と比較して、一般式(I)の化合物はいずれも、高Δnであることが理解できる。また、図1に示す吸収スペクトル曲線から、従来知られているビスアゾメチン型重合性液晶(R−2)は波長400nm以上に吸収を持つことから黄色味を持つが、本発明の一般式(I)のアゾメチン化合物は、波長400nm以上の吸収が小さく、白色であることが理解できる。
2.位相差膜の作製と評価
(実施例5)
実施例1で合成した本発明の化合物(I−1)を用いて、下記の組成の液晶性組成物塗布液を調製した。
化合物(I−1) 100質量部
空気界面配向剤(1) 0.1質量部
重合開始剤IRGACURE819(チバジャパン社製) 3質量部
溶媒:クロロホルム 800質量部
Figure 2012193147
次に、洗浄したガラス基板上に日産化学社製ポリイミド配向膜SE−130をスピンコート法により塗布し、乾燥後に250℃で1時間焼成した。これをラビング処理して配向膜付き基板を作製した。この基板の配向膜のラビング処理面上に、上記の液晶性組成物塗布液をスピンコート法により室温で塗布し、110℃で30秒配向熟成を行った後に、窒素ガス雰囲気下室温でUVの短波長成分を除去した高圧水銀ランプを用いて10秒間光照射して配向を固定し実施例5の位相差膜を作製した。塗布後に加熱するまでの間に、塗布膜に結晶の析出は見られなかった。
この液晶組成物を配向固定して得られた位相差膜を偏光顕微鏡で観察したところ、配向欠陥が無く均一に一軸配向していることが確認できた。
さらにこの膜をAXOMETRIX社製のAxoScanを用いてTip−Tiltモードで測定した結果、この装置が算出した液晶の平均傾斜角度は1度であり、A−plate型の位相差膜が形成できていることを確認した。
また、この装置を用いて測定した位相差と、共焦点レーザー膜厚測定装置(キーエンス社製FV−7510を用いて測定した位相差膜の膜厚から算出した波長550nmにおけるΔnは0.258であった。
耐光性の確認のため、この膜に対してキセノンランプを用い、360nm以下をカットした400W/m2の紫外線を1000時間照射した。その後、AXOMETRIX社製のAxoScanを用いて、紫外線照射前後の波長550nmにおけるΔnを測定したところ、0.257であった。照射前のΔnaと照射後のΔnbから、(Δna−Δnb)/Δnaの式を用いてΔn変化率を算出したところ、0.004であった。
また、加水分解耐性の確認のため、上記操作で得た位相差膜を、60℃、相対湿度80%の条件下で168時間、加水分解加速試験を行い、位相差膜の黄変の有無を確認した。
(実施例6〜8)
上記実施例2〜4でそれぞれ合成した各化合物を、化合物(I−1)の代わりにそれぞれ用いた以外は同様にして、液晶性組成物塗布液をそれぞれ調製した。これらの塗布液をそれぞれ用いて、実施例5と同様にして各実施例の位相差膜をそれぞれ形成した。
これらの位相差膜についても、実施例5と同様にして求めた位相差膜のΔn、湿熱経時後の着色の有無、紫外線1000時間照射後のΔn変化量を、下記表にまとめた。
(比較例4〜6)
比較化合物(R−1)、(R−2)および(R−3)についても、化合物(I−1)の代わりにそれぞれ用いた以外は同様にして、液晶性組成物塗布液をそれぞれ調製した。これらの塗布液をそれぞれ用いて、実施例5と同様にして各実施例の位相差膜をそれぞれ形成した。
これらの位相差膜についても、実施例5と同様にして求めた位相差膜のΔn、湿熱経時後の着色の有無、紫外線1000時間照射後のΔn変化量を、下記表にまとめた。
下記表に結果を示す。
Figure 2012193147
上記表に示した結果から、本発明の一般式(I)の化合物を利用して作製された位相差膜は、従来のモノアゾメチン型重合性液晶性化合物(R−1)を利用して作製された位相差膜と比較して、Δnが大きく、且つ加水分解耐性・耐光性に優れていることが理解できる。また、従来のビスアゾメチン型重合性液晶化合物(R−2)を利用して作製された膜が黄色であるのに対し、本発明の実施例の位相差膜はいずれも白色であり、且つ加水分解耐性・耐光性に優れていることが理解できる。また、アゾメチン基を含まない液晶性化合物(R−3)と比較して、一般式(I)の化合物はいずれも、高Δnであることが理解できる。

Claims (13)

  1. ベンゾオキサジノン環と該ベンゾオキサジノン環に直結する芳香環を有しており、且つ、重合性官能基を有する置換基で置換されたメソゲン核を有する化合物。
  2. 下記一般式(I)で表される化合物。
    Figure 2012193147
    [一般式(I)中、
    1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン、NO2、CN、NCS、直鎖状、分岐状もしくは環状の炭素数1〜12のアルキル基(ただし、アルキル基を構成する−CH2−のうち、1個の−CH2−または隣接しない2個以上の−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、−C≡C−、−CONR3−、−NR3CO−、または−NR3−により置き換わっていてもよい)、またはP−Sp−L−を表し、R1、R2の少なくとも一方はP−Sp−L−であり;
    Pは重合性官能基を表し;
    Spは、単結合または炭素数1〜12のアルキレン基(ただし、アルキレン基を構成する非末端−CH2−のうち、1個の非末端−CH2−または隣接しない2個以上の非末端−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−、−CONR4−、−NR4CO−、または−NR4−により置き換わっていてもよい)を表し;
    Lは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CONR5−、−NR5CO−、−NR5−、または単結合を表し;Spが単結合であるとき、Lも単結合であり;
    1およびA2はそれぞれ独立に、1,4−フェニレン基を表し;前記1,4−フェニレン基の1個もしくは2個以上の水素原子は、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜5のアシルオキシ基、炭素原子数2〜4のアシル基、炭素原子数2〜5のアミド基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよく;
    1およびZ2はそれぞれ独立に、−COO−、−OCO−、−CONR6−、−NR6CO−、−OCH2−、−CH2O−、−CH2S−、−SCH2−、−CH2CH2−、または単結合を表し;
    1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜5のアシルオキシ基、炭素原子数2〜4のアシル基、炭素原子数2〜5のアミド基、シアノ基、またはハロゲン原子を表し;
    3、R4、R5およびR6はそれぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表し;
    mおよびnはそれぞれ独立に、0、1または2を表し、且つ、m+n=1または2である。]
  3. 一般式(I)中、m=n=1の時、Z1が−COO−であり、Z2が−OCO−である請求項2に記載の化合物。
  4. 一般式(I)中、X3が水素原子もしくはメトキシ基である請求項3に記載の化合物。
  5. 一般式(I)中、m=0およびn=1の時、Z2が−OCO−である請求項2に記載の化合物。
  6. 一般式(I)中、m=1およびn=0の時、Z1が−COO−である請求項2に記載の化合物。
  7. 一般式(I)中、Pが下記の式(P−1)〜式(P−5)で表される基からなる群から選ばれる重合性官能基である請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
    Figure 2012193147
    [式中、R11〜R13はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。]
  8. 一般式(I)中、Pがメタクリレート基またはアクリレート基である請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. 一般式(I)中、Spが炭素数2〜8のアルキレン基である請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
  10. 一般式(I)中、R1およびR2がP−Sp−L−で表される基である請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物とキラル剤を含有することを特徴とする重合性液晶組成物。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物を重合した高分子化合物。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物を用いたフィルム。
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