JP2012189997A - 感光性樹脂組成物、並びにそれを用いたカラーフィルタ及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係る感光性樹脂組成物は、(A)光重合性化合物、及び(B)オキシム系光重合開始剤を少なくとも含有する。以下、本発明の感光性組成物に含有される各成分について詳細に説明する。
本発明に係る感光性樹脂組成物に含有される(A)光重合性化合物としては、特に限定されず、従来公知の光重合性化合物を用いることができる。その中でも、エチレン性不飽和基を有する樹脂又はモノマーが好ましく、これらを組み合わせることがより好ましい。エチレン性不飽和基を有する樹脂とエチレン性不飽和基を有するモノマーとを組み合わせることにより、感光性樹脂組成物の硬化性を向上させ、パターン形成を容易にすることができる。
エチレン性不飽和基を有する樹脂としては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、カルドエポキシジアクリレート等が重合したオリゴマー類;多価アルコール類と一塩基酸又は多塩基酸とを縮合して得られるポリエステルプレポリマーに(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート;ポリオールと2個のイソシアネート基を持つ化合物とを反応させた後、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノール又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾール型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエステル、脂肪族又は脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。さらに、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂に多塩基酸無水物を反応させた樹脂を好適に用いることができる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル又はメタクリル」を意味する。
また、上記式(a1)中、mは、0〜20の整数を表す。
エチレン性不飽和基を有するモノマーには、単官能モノマーと多官能モノマーとがある。
単官能モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る感光性樹脂組成物に含有されるオキシム系光重合開始剤は、下記一般式(1)で表される化合物であり、特に下記一般式(1)におけるnが2であることを特徴とする。既に述べたように、オキシム系光重合開始剤は、特にブラックマトリクス形成用の感光性樹脂組成物のように組成物が遮光剤を含む場合であっても良好な感度をもたらすものであるが、その一方で、形成されたパターンにおけるアンダーカットを生じる場合がある。本発明者は、(B)成分であるオキシム系光重合開始剤として、下記一般式(1)で表されるように、オキシム基に含まれる炭素原子がシクロアルキルアルキル基に結合しており、かつ当該シクロアルキルアルキル基に含まれるアルキレン基がエチレン基である(すなわち、下記一般式(1)におけるn=2である)オキシム系化合物を光重合開始剤として用いることにより、感光性樹脂組成物に良好な感度を付与しつつ、形成されるパターンにおけるアンダーカットが抑制されることを見出し、本発明を完成した。したがって、本発明に係る感光性樹脂組成物では、特に、下記一般式(1)におけるn=2であるオキシム系光重合開始剤を(B)成分として用いる。
上記一般式(1)中、R1としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、メチルフェニル基、ナフチル基等が好ましく例示され、これらの中でも、メチル基又はフェニル基であることがより好ましい。また、上記一般式(1)中、R3としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、フェニル基等が好ましく例示され、これらの中でも、メチル基であることがより好ましい。
上記一般式(2)及び(3)中、R4としては、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、ナフチル基、2−メトキシ−1−ナフチル基、9−アントラセニル基等が好ましい。上記一般式(2)及び(3)中、R5としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル、n−ヘキシル基、フェニル基、3−メチルブチル基、3−メトキシブチル基等が好ましく例示され、これらの中でも、エチル基であることがより好ましい。
このようなR6としては、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、ナフチル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−メトキシフェニル基等が好ましく例示され、これらの中でも、フェニル基がより好ましく例示される。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、さらに、(C)着色剤を含んでもよい。感光性樹脂組成物は、(C)成分である着色剤を含むことにより、例えば、液晶表示ディスプレイのカラーフィルタ形成用途として好ましく使用される。また、本発明に係る感光性樹脂組成物は、着色剤として遮光剤を含むことにより、例えば、表示装置のカラーフィルタにおけるブラックマトリクス形成用途として好ましく使用される。
C.I.ピグメントオレンジ1(以下、「C.I.ピグメントオレンジ」は同様であり、番号のみを記載する。)、5、13、14、16、17、24、34、36、38、40、43、46、49、51、55、59、61、63、64、71、73;
C.I.ピグメントバイオレット1(以下、「C.I.ピグメントバイオレット」は同様であり、番号のみを記載する。)、19、23、29、30、32、36、37、38、39、40、50;
C.I.ピグメントレッド1(以下、「C.I.ピグメントレッド」は同様であり、番号のみを記載する。)、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、50:1、52:1、53:1、57、57:1、57:2、58:2、58:4、60:1、63:1、63:2、64:1、81:1、83、88、90:1、97、101、102、104、105、106、108、112、113、114、122、123、144、146、149、150、151、155、166、168、170、171、172、174、175、176、177、178、179、180、185、187、188、190、192、193、194、202、206、207、208、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、243、245、254、255、264、265;
C.I.ピグメントブルー1(以下、「C.I.ピグメントブルー」は同様であり、番号のみを記載する。)、2、15、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66;
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン37;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラウン26、C.I.ピグメントブラウン28;
C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7。
特に、感光性樹脂組成物を使用してブラックマトリクスを形成する場合には、ブラックマトリクスの被膜1μm当たりのOD値が4以上となるように感光性樹脂組成物における遮光剤の量を調整することが好ましい。ブラックマトリクスにおける被膜1μm当たりのOD値が4以上あれば、液晶表示ディスプレイのブラックマトリクスに用いた場合に、十分な表示コントラストを得ることができる。
本発明に係る感光性樹脂組成物には、必要に応じて、各種の添加剤を加えてもよい。具体的には、溶剤、増感剤、硬化促進剤、光架橋剤、光増感剤、分散助剤、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、熱重合禁止剤、消泡剤、界面活性剤等が例示される。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、上記の各成分を全て撹拌機で混合することにより調製される。なお、調製された感光性樹脂組成物が均一なものとなるようフィルタを用いて濾過してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物を用いてパターンを形成するには、まず、ロールコータ、リバースコータ、バーコータ等の接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコータ等の非接触型塗布装置を用いて、基板上に感光性樹脂組成物を塗布する。
[実施例1〜6、及び比較例1〜7]
下記式E1〜E6及びC1〜C7のオキシム系光重合開始剤を使用して、実施例1〜6及び比較例1〜7の感光性樹脂組成物を調製した。実施例1〜6の感光性樹脂組成物では、それぞれ下記式E1〜E6のオキシム系光重合開始剤を使用し、比較例1〜7の感光性樹脂組成物では、それぞれ下記式C1〜C7のオキシム系光重合開始剤を使用した。
各感光性樹脂組成物の調製は、オキシム系光重合開始剤100質量部、下記樹脂A(固形分55質量%、溶剤3−メトキシブチルアセテート)310質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬株式会社製)175質量部、及びカーボンブラック分散液(カーボンブラック含有量20質量%、「CFブラック」、御国色素株式会社製)450質量部の混合物に、固形分が15質量%となるように、3−メトキシブチルアセテート/シクロヘキサノン/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)=60/20/20(重量比)を加え、均一になるまで撹拌することによって行った。
カーボン分散液に代えて、AgSn分散液(AgSn含有量20質量%、PGMEA溶液)を450質量部使用したこと以外は、実施例1と同様の手順にて、実施例7の感光性樹脂組成物を調製した。また、カーボン分散液に代えて、AgSn分散液(AgSn含有量20質量%、PGMEA溶液)を450質量部使用したこと以外は、比較例1と同様の手順にて、比較例8の感光性樹脂組成物を調製した。
実施例1〜7及び比較例1〜8の感光性樹脂組成物のそれぞれについて、以下の手順にて、感度の評価を行った。感度の評価は、以下の手順で実施した。まず、感光性樹脂組成物をガラス基板(10cm×10cm)にスピン塗布し、90℃にて120秒間加熱することにより、ガラス基板の表面に1.0μmの塗布膜を形成させた。その後、ミラープロジェクションアライナー(製品名:TME−150RTO、株式会社トプコン製)を使用し、10μmのパターンの形成されたネガ型マスクを介して、露光量30−60−1200mJ/cm2(Gap50μm)で露光させた。露光後の膜を、26℃の0.04質量%KOH水溶液で30秒間現像後、230℃にて30分間焼成処理を行い、各露光量でのパターンの線幅を光学顕微鏡で測定し、各線幅と露光量から最小二乗法による近似計算により10μmの線幅が得られる露光量を算出した。算出された、現像時間30秒における感度(mJ/cm2)のデータを表1に示す。表1に示した感度のデータは、所定の線幅のパターン(10μm)を形成させるのに必要な露光量を示すものであり、この数値が小さいほど感光性樹脂組成物の感度が高いことを意味する。
実施例1〜6及び比較例1〜7の感光性樹脂組成物のそれぞれについて、以下の手順にて、露光を行い、次いで現像後のパターンにおけるアンダーカットの有無、すなわちパターン形状の評価を行った。まず、感光性樹脂組成物をガラス基板(10cm×10cm)にスピン塗布し、90℃にて120秒間加熱することにより、ガラス基板の表面に1.0μmの塗布膜を形成させた。その後、ミラープロジェクションアライナー(製品名:TME−150RTO、株式会社トプコン製)を使用し、10μmのパターンの形成されたネガ型マスクを介して、露光量100mJ/cm2(Gap50μm)で露光させた。露光後の膜を、26℃の0.04質量%KOH水溶液で50秒間現像後、230℃にて30分間焼成処理を行い、走査電子顕微鏡にてパターンと基板との間の接合角度(テーパー角)を測定した。このテーパー角は、図1(a)及び(b)における角θに対応する。測定されたテーパー角を表1に示す。テーパー角が鋭角であれば、パターンにアンダーカットが存在しないことを意味し、テーパー角が鈍角であれば、パターンにアンダーカットが存在することを意味する。
2 アンダーカットが存在するパターンにおける幅方向の断面
Claims (5)
- (A)光重合性化合物、及び(B)下記一般式(1)で表されるオキシム系光重合開始剤を含み、下記一般式(1)におけるnが2であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
- さらに着色剤(C)を含む請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- 前記着色剤が遮光剤である請求項2記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項2又は3記載の感光性樹脂組成物を用いて形成されたカラーフィルタ。
- 請求項4記載のカラーフィルタが使用された表示装置。
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