JP2012187896A - 化粧部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】ISO 5660に準拠した条件での発熱性試験において、難燃あるいは不燃材としての効果が認められるオレフィン系樹脂からなる化粧部材を提供すること。
【解決手段】ポリオレフィン樹脂系基材の表面側にポリオレフィン樹脂を主原料とする化粧シートを積層してなる化粧部材において、前記ポリオレフィン樹脂系基材と前記化粧シートとの間に金属層を設けてなり、また前記金属層に、直径0.5mm以上2mm以下の孔を、面密度10個/m〜10個/mで設けてなり、また化粧シートの厚みが、30μm以上100μm以下であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、屋内床面に複数の板状部材を嵌合して敷設して用いる化粧部材に関し、特にはオレフィン系樹脂からなる不燃性化粧部材に関するものである。
近年の屋内のフローリング床材や、室内ドア・クローゼット・腰壁等の化粧部材には、従来使用されている無機材や木質系天然無垢材料だけではなく、合板、MDFなどに塗装あるいは突板を貼り合わせたものや、化粧シートをラミネートしたものなどが用いられている。木質系天然無垢材や突板貼り合わせ品を使用した化粧部材は、その表面の意匠が天然木材の木目という、最も自然で親しみやすく美麗な意匠であることから、広く消費者に受け入れられてきたが、日光に当たると変色し易いことや、水に濡れると膨れや割れ、反り、腐蝕、突板の剥離等を起こし易く、特に浴室脱衣所や洗面所、厨房等の様な水廻りの部位への使用には問題があること、天然素材なので色調や木目形状などの品質や価格、供給量などが不安定であることなどの問題点が指摘されている。
これらの問題を回避する為、即ち耐久性があり、尚且つ色調の安定性が良い化粧部材を安定的に供給するという目的から、紙製または樹脂性の化粧シートを表層に貼り合わせたものが提案され、普及しつつある(例えば特許文献1)。更には、合板やMDFの替わりに樹脂系基材を使用したものも提案されている。特に、化粧シートおよび樹脂系基材の材質としてオレフィン樹脂を用いたものが、低コストや環境負荷低減などの特徴を活かして、多く提案がなされている(例えば特許文献2)。
しかし、オレフィン材料そのものが、塩化ビニルなどと比較すると燃えやすいという特徴がある。この欠点に対応するために、所謂難燃材と呼ばれる添加剤が多数提案されてきたが、それらの難燃剤を使用したとしても、オレフィン系の化粧シートおよび樹脂系基材を用いて作製した化粧部材において、建築基準法の難燃材料、準不燃材料、あるいは不燃材料としての認定(ISO 5660に準拠した発熱性試験装置(コーンカロリーメータ)を用いた試験方法を用いる)を得る事は困難であった。
特開2007−291836号公報 特許第3846160号
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、すなわちその課題とするところは、ISO 5660に準拠した条件での発熱性試験において、難燃あるいは不燃材としての効果が認められるオレフィン系樹脂からなる化粧部材を提供することにある。
本発明はこの課題を解決したものであり、すなわちその請求項1記載の発明は、ポリオレフィン樹脂系基材の表面側にポリオレフィン樹脂を主原料とする化粧シートを積層してなる化粧部材において、前記ポリオレフィン樹脂系基材と前記化粧シートとの間に金属層を設けてなることを特徴とする、化粧部材である。
またその請求項2記載の発明は、前記金属層に、直径0.5mm以上2mm以下の孔を、面密度10個/m〜10個/mで設けてなることを特徴とする、請求項1記載の化粧部材である。
またその請求項3記載の発明は、前記化粧シートの厚みが、30μm以上100μm以下であることを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の化粧部材である。
またその請求項4記載の発明は、前記化粧シートと金属層との間に、イントメッセント系の燐・窒素含有難燃剤化合物が添加された層を設けてなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧部材である。
またその請求項5記載の発明は、前記ポリオレフィン樹脂系基材と金属層との間に、イントメッセント系の燐・窒素含有難燃剤化合物が添加された層を設けてなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧部材。である。
またその請求項6記載の発明は、前記イントメッセント系の燐・窒素含有難燃剤化合物が添加された層に、更に酸化亜鉛が添加されてなることを特徴とする、請求項4〜5のいずれかに記載の化粧部材である。
またその請求項7記載の発明は、前記イントメッセント系の燐・窒素含有難燃剤化合物が添加された層に、更に赤燐系難燃剤化合物が添加されてなることを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載の化粧部材ある。
またその請求項8記載の発明は、前記ポリオレフィン樹脂系基材と前記イントメッセント系の燐・窒素含有難燃剤化合物が添加された層とが、共押出により成形されたものであることを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載の化粧部材である。
本発明はその請求項1記載の発明により、発熱性試験装置(コーンカロリーメータ)を用いた燃焼試験において、ポリオレフィン樹脂系基材と化粧シートとの間に設けた金属層がガスバリア効果を発揮する事で、燃焼ガスが表層に漏れ伝わるのを防ぎ、その結果、化粧部材が燃焼試験で燃え広がるのを防ぐ事が可能になる。
本発明はその請求項2記載の発明により、金属層に開けた孔から、燃焼ガスのガス抜きを適度に行なう事が可能になり、燃焼試験中の金属層の破裂を抑制できる。孔の直径が2mmを越えていたり、孔の面密度が10個/mを超えていたりすると、抜けるガス量が多すぎて、金属層のガスバリア効果が充分に発揮されない。また孔の直径が0.5mmを下回っていたり、孔の面密度が10個/mを下回っていたりすると、孔開けの効果が充分にみられず効果が限定的である。またこの場合は、燃焼ガスの抜け口が少なすぎる為に局所的にガスが集中してしまい、場合によっては孔空き部を中心にして金属層が破断してしまう事がある。
本発明はその請求項3記載の発明により、燃焼試験における総発熱量を低減させる効果が期待できる。表層の化粧シートの厚みを100μm以下まで薄膜化する事で、燃焼するオレフィン材料の質量を抑制できる為、総発熱量の抑制効果が得られる。一方で、化粧シートの厚みを30μm以上設けておく事で、化粧シートに耐候性や耐傷付き性などの最低限の性能が付与される。
本発明はその請求項4および/または請求項5記載の発明により、イントメッセント系の層が形成され、燃焼試験により与えられる熱源からの遮蔽層となる為、より高い難燃効果が得られる。
本発明はその請求項6記載の発明により、請求項4および/または請求項5で得られたイントメッセント系の層をより強固にする事ができる為、より高い難燃効果が得られる。
本発明はその請求項7記載の発明により、ポリオレフィン材料そのものを燃えにくくする事ができる。
本発明はその請求項8記載の発明により、より容易にイントメッセント系の層を設ける事ができる。これは製造コスト的な部分でのメリットだけでなく、イントメッセント系の層が剥離するような問題も発生し難くなる。
本発明の化粧部材の一実施例の断面の形状を示す説明図である。 本発明の化粧部材のその他の実施例の断面の形状を示す説明図である。 本発明の化粧部材のその他の実施例の断面の形状を示す説明図である。
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明するが、本発明の請求項にかかる範囲内のものであれば、前記図面および説明に限定されるものではない。図1に、本発明の化粧部材一実施例の断面の形状を示す。ポリオレフィン樹脂系基材1の片面に接着剤を塗布して接着剤層2を設け、金属層3を積層した後に再度接着剤を塗布して接着剤層4を設け、最後に化粧シート5を積層する事で、図1に示す化粧部材を得る事ができる。
ポリオレフィン樹脂系基材1は、具体的にはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテンなどの他に、αオレフィン(例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンなどを)を単独重合あるいは2種類以上共重合させたものや、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・エチルメタクリレート共重合体、エチレン・ブチルメタクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体などのように、エチレンまたはαオレフィンとそれ以外のモノマーとを共重合させたものを使用する事ができる。しかしながら、経済性や剛性等の機械物性などを考えた場合には、ポリプロピレン樹脂を主にしたものが好適に用いられる。
前記の他に、タルク、マイカ、木粉、酸化チタン、炭酸カルシウム、貝殻粉、各種顔料等を配合する事で、充填材代わりとする事も可能である。また必要に応じて、難燃剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、相容化剤、などが適宜添加可能である。発泡剤を添加し、発泡成形する事も可能である。
金属層3は、有機材料由来で加熱により発生する燃焼ガスが火元に到着するのを防止する事を目的に設けられる。材質としては、銅、アルミ、金、銀、白金、亜鉛、鉛、マグネシウム、スズ、クロム、ニッケル、マンガン、ステンレス、真鍮、チタン、などから自由に選択できる。求められる性能としては、700℃以上の熱に耐えられる耐熱性と、燃焼ガスの透過を防ぐガスバリア性を有することが必須であるが、それ以外にも、可能であれば、厚みをできる限り薄くすく事が望ましく、且つまた、金属の比重は相対的に低いものを選んだ方が良い。厚みや比重を小さく抑える事により、金属層3の重量が化粧部材の重量に与える影響を小さくする事ができ、可搬のし易さなどの点で好ましい。具体的にはアルミ二ウム箔が好適である。
特に金属層3が薄く設けられている場合には、条件によっては、燃焼ガスにより金属層3に亀裂が生じてしまい、金属層3によるガスバリア製が充分に得られない場合もある。このような場合には、予め一定間隔で金属層3にガス抜き孔を設けておく事で、亀裂の発生を回避できる。具体的には、直径0.5mm以上2mm以下の孔を、面密度10個/m〜10個/mで設けると、亀裂回避とガスバリア製保持のバランスが保てる。
接着剤層2及び接着剤層4は、燃焼試験時の熱量を考えて、可能な限り薄く積層されている事が望ましい。用いる接着剤も、可能な限り燃焼時の熱量が少ないものが望ましいが、それ以外には特に規定されるものではない。また性能面も、実用上問題の無いレベルの接着性能が発現していれば良い。
本発明における化粧シート5としては、ポリオレフィン樹脂を主原料とするものであって、基材シート上に意匠性を付与する絵柄模様層を印刷などにより設け、透明樹脂層を挟んで表面保護層を設けたものなどが用いられる。なお、基材シートの代わりに絵柄模様層をベタ印刷層として設けたものであっても良いし、隠蔽性が不要であれば基材シートは透明であってもよい。
化粧シート5の透明樹脂層としては、アイソタクティックペンタッド分率が95%以上の透明ホモポリプロピレン樹脂が好適に用いられる。アイソタクティックペンタッド分率とは、ポリマー分子鎖中の連続したモノマー5個のアイソタクチックに結合した分率であり、13C−NMRを用って測定される。これを、ポリプロピレンにおいて言い換えると、モノマー単位でプロピレンモノマー数全体に対して、メチル基が5つ連続で同方向を向いているプロピレンモノマーの割合を表した分率として規定される。アイソタクティックペンタッド分率は、ポリプロピレン樹脂の規則性の高さを示す指標であり、この数値が高い程、ポリプロピレン樹脂本来の近い、高剛性の化粧シートを得る事ができ、その結果、耐傷付き性の良好な化粧部材を得る事ができる。
化粧シート5の表面保護層としては、紫外線硬化型、イソシアネート硬化型、電子線硬化型などの樹脂層を設ける方法が一般的であり、それ以外では、熱可塑性の樹脂を積層する方式や、そもそも表面保護層を設けないという方法もあり得る。これらから1種を選ぶか、場合によっては、2種類以上の方式をハイブリッドで使用する方法もある。
化粧シート5の表面保護層の材質は、アクリル系材料が好ましく、耐候性を勘案すると、メタクリレート系が望ましい。その中でも特に、メチルメタクリレートをベースにした樹脂が望ましい。また表面保護層の厚みは、特に規定されるものではないが、3〜20μm程度が好適である。3μm以下では充分な耐傷付き性や耐候性を付与する事が難しく、20μm以上では厚みアップによる耐傷付き性の向上効果は殆どみられない代わりにハンドリングや経済性の面で好ましくない場合がある。
図2及び図3も、本発明の化粧部材一実施例の断面の形状を示したものであるが、図1との違いは、イントメッセント系の燐・窒素含有難燃剤配合物が添加された層11が設けられている事である。本発明におけるイントメッセント系の燐・窒素含有難燃剤化合物とは、燃焼が始まり加熱されるとともに材料表面に泡が吹き出し、泡状の断熱膨張層ができることによって材料表面の熱が内部に伝わらないようにするとともに酸素の供給を遮断して、もって熱分解と酸化反応を抑止して難燃化の作用をする物質をいう。このようなイントメッセント系の燐・窒素含有難燃剤化合物としては、反応性化合物として、例えばリン酸アンモニウム、リン酸メラミン等、泡の骨格形成剤として、例えばデキストリン等の炭化水素化合物、ペンタエリスリトール等の多官能アルコール、ポリ酢酸ビニル等の炭化水素化合物等、発泡剤として、例えば分解性アンモニウム塩、ジシアンアミド、メラミン等のアミド化合物等、ビヒクルとして、例えば水系合成エマルジョン、溶剤系のアルキド樹脂、エポキシ樹脂等を組み合わせたものを挙げることができる。この層を設けることにより、着火時の熱遮蔽効果によって難燃効果は更に向上する。更に副次成分として、酸化亜鉛や赤燐が添加されていると、より良い難燃効果を得る事ができる。具体的には、酸化亜鉛には、燃焼によってできたイントメッセント系の層の脆性を抑え、より安定した炭化層が得られる効果があり、赤燐には、脱水炭化作用とラジカルトラップ作用により、燃焼時の熱量を抑制する効果がある。
図2及び図3において、燐・窒素含有難燃剤配合物が添加された層11の厚みについては、難燃性を重視する場合にはできるだけ厚く設けるのが望ましく、一般物性を重要視する場合には、できるだけ薄く設けた方がよい。また燐・窒素含有難燃剤の配合量も、難燃性重視であれば高濃度に添加するのがよく、一般物性を重要視する場合には、できるだけ低濃度で添加するのが良い。
以上のことにより図1〜3に示すような化粧部材は、ポリオレフィン樹脂材料を主たる材質としながらも、難燃性能に優れており、コーンカロリーメータを用いた難燃材料あるいは不燃材料としての性能試験に対応する性能を付与する事ができる。
<ポリオレフィン樹脂系基材1の作成>
ホモポリプロピレン樹脂:「E−100GV」(株式会社プライムポリマー製)68重量部に対して、タルク10重量部、木粉20重量部、相容化剤「ユーメックス1010」(三洋化成工業株式会社)2重量部を加えて、2軸押出機で押出温度200℃で溶融混合したのち、ペレット化したものを作製した。一方、厚み5mm、巾150mm、本実形状金型を1軸押出機の先端に取り付け、前記ペレット化した材料に化学発泡剤:「スパンセルDS#25」(永和化成株式会社製)を添加して異形成形押出を行なった。発泡剤の量は、発泡倍率が1.6倍になるように適宜調整しながら投入した。金型の先には、冷却水を循環させた、金型と同形の冷却金型を設けて、ダイから押し出された成形物をそのまま引き込み、冷却固化した。更に冷却水を貯めた水槽中で完全に冷却後、エア乾燥で成形物に付着した水滴を取り除いた後に長さ900mmに切断した。この成形物を80℃のオーブンで20時間過熱して結晶化を終了させると共に樹脂中に生じた歪を緩和させ、ポリオレフィン樹脂系基材1を得た。
<化粧シート5の作製>
基材シートとして、示差走査熱量(DSC)測定の融点が140℃、エチレンコンテントがモノマー単位で4%のランダムポリプロピレン樹脂に、酸化チタンを6重量%、フェノール系酸化防止剤として「イルガノックス1076」(BASFジャパン株式会社製)を0.2重量%、燐系加工安定剤として「イルフガフォス168」(BASFジャパン株式会社製)を0.2重量%、ヒンダードアミン系光安定剤として「キマソーブ2020」(BASFジャパン株式会社製)を0.3重量%、それぞれ追添加した樹脂を用い、Tダイ押出機を用いて押出温度200℃、押出厚み70μmで溶融押出してシートとし、更に両表面にコロナ処理を施した。
前記基材シート上に、模様層としてグラビアコーティング法により絵柄用インキ(東洋インキ製造株式会社製;「ラミスター」)を使用して木目模様を施した。一方、前記基材シートの前記模様層を設けた面とは反対側の面には、前記「ラミスター」インキのベース樹脂成分(顔料を除いた残りの成分)に平均粒形が6μmのシリカを15重量部添加したインキをグラビアコーティングした。
前記模様層の上に接着剤層として、イソシアネート硬化型のドライラミネート用接着剤として「タケラックA−520」(主剤;三井化学株式会社製)と「タケネートA−80」(硬化剤;三井化学株式会社製)を、主剤/硬化剤=9/1でブレンドし、酢酸エチル溶剤によって固形分30%に調整したのちに、固形分で約5g/mの塗工量となるようにグラビアコーティングし、60℃のオーブンで2分間乾燥させて溶剤成分を揮発させた。
一方、透明ポリプロピレン樹脂層として、ペンタッド分率96%、MFR=18のホモポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製)を99重量部に対して、紫外線吸収剤:「チヌビン326」(BASFジャパン株式会社製)を0.5重量部、光安定剤:「チヌビン783」(BASFジャパン株式会社製)を0.5重量部添加して、押出温度230℃で溶融混練押出したのち、Tダイによって厚さ50μmでキャスト製膜する事で、透明ポリプロピレン樹脂シートを得た。
得られた透明ポリプロピレン樹脂シートの表裏両面にコロナ処理を施した後、前記基材シートの接着剤層の塗工面側に貼り合せた後に、60℃環境下で3日間のエージングを行なった。
更に、アクリル系紫外線硬化型樹脂「UVTクリヤー」(DICグラフィックス株式会社製)をベースに、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として「チヌビン328」(BASFジャパン株式会社製)を2重量部、ヒンダードアミン系ラジカル補足剤として「チヌビン152」(BASFジャパン株式会社製)を5重量部撹拌添加した後、グラビアコーティング法によって塗工厚み10g/m(溶剤揮発後)で最表層に積層した後、メタルハライドランプを光源とした紫外線照射装置で10秒間照射した。こうして、総厚138μmの化粧シートを得た。
<金属層3の準備>
金属層3として、厚さ12μmのアルミニウム箔(材質1N30 日本製箔株式会社製)を準備し、直径1mmの安全ピンを使って、縦横1cmピッチ(=1個/cm=10個/m)の均等間隔でピンホールを設けた。
<化粧部材の作製>
接着剤として「トモフレックスTM−593」(主剤:東洋インキ製造株式会社製)と「トモフレックスCAT56」(硬化剤:東洋インキ製造株式会社製)を、主剤/硬化剤=80/20でブレンドし、酢酸エチル溶剤によって固形分40%に調整した後、先に作製した前記ポリオレフィン樹脂系基材1の片面に、固形分途工量が5g/mとなるように、ワイヤーバーを使ってコーティングした。その後、60℃オーブンで溶剤成分を揮発させ、前記ピンホールを設けたアルミニウム箔を貼り合わせて、40℃環境下で24時間の養生を行なった。
養生終了後に、前記ブレンドした接着剤を、固形分途工量が5g/mとなるように、ワイヤーバーを使って、前記アルミニウム箔の前記ポリオレフィン樹脂系基材1を貼り合せた面とは逆の面にコーティングした。溶剤成分揮発後に、予め作製しておいた前記化粧シート5を貼り合わせて、40℃環境下で24時間の養生を行なった。こうして、実施例1の化粧部材を作製した。
前記アルミニウム箔のピンホール間隔を縦横0.2cmピッチ(=16個/cm=1.6×10個/m)にした他は、実施例1と同じ方法を用いて、実施例2の化粧部材を作製した。
前記アルミニウム箔のピンホール間隔を縦横5cmピッチ(=4個/100cm=4×10個/m)にした他は、実施例1と同じ方法を用いて、実施例3の化粧部材を作製した。
実施例1で作製した透明ポリプロピレン樹脂シートの表裏両面にコロナ処理を施した後、アクリル系紫外線硬化型樹脂「UVTクリヤー」(DICグラフィックス株式会社製)をベースに、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として「チヌビン328」(BASFジャパン株式会社製)を2重量部、ヒンダードアミン系ラジカル補足剤として「チヌビン152」(BASFジャパン株式会社製)を5重量部撹拌添加した後、グラビアコーティング法によって塗工厚み10g/m(溶剤揮発後)で最表層に積層した後、メタルハライドランプを光源とした紫外線照射装置で10秒間照射して表面保護層を設けた。反対面には、模様層としてグラビアコーティング法により、絵柄用インキ(東洋インキ製造株式会社製;「ラミスター」)を使用してバックプリント方式により木目模様を施した後、最後にベタインキ層を設けて隠蔽性を向上させ、厚さ64μmの化粧シート5を作製した。この化粧シート5を使用する他は、実施例1と同じ方法を用いて、実施例4の化粧部材を得た。
ポリオレフィン樹脂系基材1成形において、共押出法を用いて下記のポリオレフィン樹脂系基材A,ポリオレフィン樹脂系基材Bの2種2層押出を行なった他は、実施例4と同じ方法を用いて、実施例5の化粧部材を得た。
<ポリオレフィン樹脂系基材A>
・ポリプロピレン樹脂:「E−100GV」(株式会社プライムポリマー製)50重量部
・木粉30重量部
・燐・窒素含有難燃剤:「FP−2100J」(株式会社ADEKA製)18重量部
・相容化材:「ユーメックス1010」(三洋化成工業株式会社)2重量部
・層厚:1.4mm(実測値)
<ポリオレフィン樹脂系基材B>
・ポリプロピレン樹脂:「E−100GV」(株式会社プライムポリマー製)68重量部
・タルク10重量部
・木粉20重量部
・相容化材:「ユーメックス1010」(三洋化成工業株式会社)2重量部
・発泡剤:「スパンセルDS#25」(発泡倍率が1.6倍になるように調整して投入)
・層厚:3.6mm(実測値)
前記「FP−2100J」の代わりに「FP−2200」(株式会社ADEKA製の燐・窒素・酸化亜鉛含有難燃剤)を用いた他は、実施例5と同じ方法を用いて、実施例6の化粧部材を得た。
前記「FP−2200」の量を12重量部に減らし、赤燐形の難燃剤として「ノーバレッド120」(燐化学工業株式会社製)を添加した他は、実施例6と同じ手法を用いて、実施例7の化粧部材を得た。
<比較例1>
前記金属層3を設けず、接着剤を塗工後に化粧シートを積層した他は、実施例1と同様の方式を用いて、比較例1の化粧部材を得た。
<比較例2>
前記金属層3を設けず、接着剤を塗工後に化粧シートを積層した他は、実施例7と同様の方式を用いて、比較例2の化粧部材を得た。
<性能比較>
作製した実施例1〜7及び比較例1〜2の化粧部材を100mm×100mmにカットし、ISO 5660に準拠した発熱性試験装置(コーンカロリーメータ)を用いた試験を行なった。その結果を表1に示す。
表1をみてわかるように、実施例1の化粧部材は5分経過後の総発熱量が比較例1及び比較例2と比較して、5分経過後の総発熱量が抑制されており、難燃効果が見られている。またアルミニウム箔の孔ピッチを密方向及び疎方向に振った場合(実施例2、実施例3)も、比較例1及び比較例2と比較すれば、5分経過後の総発熱量に抑制効果が見られる。更に、最表層の化粧シートを薄膜化した実施例4では、総発熱量の抑制効果が見られており、燐・窒素含有難燃剤入のポリオレフィン樹脂系基材を設けた実施例5〜7は、更なる総発熱量の抑制効果が見られる。特に、実施例6では建築基準法の防耐火材料認定条件の難燃材料の基準を満たし、実施例7では、同じく不燃材料の基準を満たしている。
本発明の化粧部材は、難燃性能が必須あるいは要望される場所に使われる化粧部材として好適である。
1…ポリオレフィン樹脂系基材
11…イントメッセント系の燐・窒素含有難燃剤配合物が添加された層
2…接着剤層
3…金属層
4…接着剤層
5…化粧シート

Claims (8)

  1. ポリオレフィン樹脂系基材の表面側にポリオレフィン樹脂を主原料とする化粧シートを積層してなる化粧部材において、前記ポリオレフィン樹脂系基材と前記化粧シートとの間に金属層を設けてなることを特徴とする化粧部材。
  2. 前記金属層に、直径0.5mm以上2mm以下の孔を、面密度10個/m〜10個/mで設けてなることを特徴とする、請求項1記載の化粧部材。
  3. 前記化粧シートの厚みが、30μm以上100μm以下であることを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の化粧部材。
  4. 前記化粧シートと前記金属層との間に、イントメッセント系の燐・窒素含有難燃剤化合物が添加された層を設けてなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧部材。
  5. 前記ポリオレフィン樹脂系基材と前記金属層との間に、イントメッセント系の燐・窒素含有難燃剤化合物が添加された層を設けてなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧部材。
  6. 前記イントメッセント系の燐・窒素含有難燃剤化合物が添加された層に、更に酸化亜鉛が添加されてなることを特徴とする、請求項4〜5のいずれかに記載の化粧部材。
  7. 前記イントメッセント系の燐・窒素含有難燃剤化合物が添加された層に、更に赤燐系難燃剤化合物が添加されてなることを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載の化粧部材。
  8. 前記ポリオレフィン樹脂系基材と前記イントメッセント系の燐・窒素含有難燃剤化合物が添加された層とが、共押出により成形されたものであることを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載の化粧部材。
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